(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の並列腕共振子の前記反共振周波数が、前記第1の並列腕共振子に他の直列腕共振子を介すことなく直接接続されている少なくとも1個の前記直列腕共振子の前記共振周波数よりも高域側の周波数域に位置している、請求項1に記載のラダー型フィルタ。
前記第3の並列腕共振子の前記反共振周波数が、前記直列腕共振子と前記第1,第2の並列腕共振子とにより構成されている通過帯域よりも高域側の周波数域に位置している、請求項1〜4のいずれか1項に記載のラダー型フィルタ。
前記第3の並列腕共振子の前記反共振周波数が、前記直列腕共振子と前記第1,第2の並列腕共振子とにより構成されている通過帯域よりも低域側の周波数域に位置している、請求項1〜4のいずれか1項に記載のラダー型フィルタ。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るラダー型フィルタの回路図である。
【
図2】
図2は、変形例のラダー型フィルタの回路図である。
【
図3】
図3は、第1の比較例のラダー型フィルタの回路図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第1の比較例のラダー型フィルタの減衰量周波数特性を示す図である。
【
図5】
図5(a)は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第1の比較例のラダー型フィルタの通過帯域の出力端におけるインピーダンスマッチングを示す図であり、
図5(b)は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第1の比較例のラダー型フィルタの通過帯域の入力端におけるインピーダンスマッチングを示す図である。
【
図6】
図6は、第2の比較例のラダー型フィルタの回路図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第2の比較例のラダー型フィルタの減衰量周波数特性を示す図である。
【
図8】
図8(a)は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第2の比較例のラダー型フィルタの通過帯域の出力端におけるインピーダンスマッチングを示す図であり、
図8(b)は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第2の比較例のラダー型フィルタの通過帯域の入力端におけるインピーダンスマッチングを示す図である。
【
図9】
図9は、第3の比較例のラダー型フィルタの回路図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第3の比較例のラダー型フィルタの減衰量周波数特性を示す図である。
【
図11】
図11(a)は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第3の比較例のラダー型フィルタの通過帯域の出力端におけるインピーダンスマッチングを示す図であり、
図11(b)は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第3の比較例のラダー型フィルタの通過帯域の入力端におけるインピーダンスマッチングを示す図である。
【
図12】
図12は、第1,第2の実施形態に係るラダー型フィルタの減衰量周波数特性を示す図である。
【
図13】
図13(a)は、第1,第2の実施形態に係るラダー型フィルタの通過帯域の出力端におけるインピーダンスマッチングを示す図であり、
図13(b)は、第1,第2の実施形態に係るラダー型フィルタの通過帯域の入力端におけるインピーダンスマッチングを示す図である。
【
図14】
図14は、第1,第3の実施形態に係るラダー型フィルタの減衰量周波数特性を示す図である。
【
図15】
図15(a)は、第1,第3の実施形態に係るラダー型フィルタの通過帯域の出力端におけるインピーダンスマッチングを示す図であり、
図15(b)は、第1,第3の実施形態に係るラダー型フィルタの通過帯域の入力端におけるインピーダンスマッチングを示す図である。
【
図16】
図16は、第1〜第3の実施形態に係るラダー型フィルタの高調波特性を示す図である。
【
図17】
図17は、第4の実施形態に係るラダー型フィルタの回路図である。
【
図18】
図18は、第5の実施形態に係るデュプレクサの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0020】
なお、本明細書に記載の各実施形態は、例示的なものであり、異なる実施形態間において、構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることを指摘しておく。
【0021】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るラダー型フィルタの回路図である。
【0022】
ラダー型フィルタ1は、入力端としての入力端子2と出力端としての出力端子3との間に接続されている直列腕と、直列腕に設けられた複数の直列腕共振子S1〜S4を有する。さらに、ラダー型フィルタ1は、直列腕とグラウンド電位との間に接続されている並列腕と、並列腕に設けられた第1の並列腕共振子P1、第2の並列腕共振子P2,P3及び第3の並列腕共振子P4を有する。より具体的には、直列腕共振子S2と直列腕共振子S3との間の接続点と、グラウンド電位との間には、第1の並列腕共振子P1と第3の並列腕共振子P4とが互いに並列に接続されている。直列腕共振子S1と直列腕共振子S2との間の接続点と、グラウンド電位との間には、第2の並列腕共振子P2が接続されている。直列腕共振子S3と直列腕共振子S4との間の接続点と、グラウンド電位との間には、第2の並列腕共振子P3が接続されている。
【0023】
直列腕共振子S1〜S4及び第1〜第3の並列腕共振子P1〜P4は、特に限定されないが、圧電基板上に設けられたIDT電極を含む弾性表面波共振子からなる。弾性表面波共振子は、弾性表面波の伝搬方向においてIDT電極の両端に配置され、圧電基板上に設けられた反射器を含むことが好ましい。第1〜第3の並列腕共振子P1〜P4のデューティー比は、全て0.53である。ここで、デューティー比とは、弾性表面波共振子に用いられているIDT電極の電極指幅の電極指間のピッチに対する比である。なお、弾性表面波共振子に代えて、弾性境界波共振子(BAW共振子)を部分的に用いることができる。
【0024】
本実施形態では、第1の並列腕共振子P1、第2の並列腕共振子P3及び第3の並列腕共振子P4のグラウンド電位側が共通接続されており、インダクタL1を介してグラウンド電位に接続されている。なお、
図2に示す変形例のラダー型フィルタ31のように、第1の並列腕共振子P1、第2の並列腕共振子P3及び第3の並列腕共振子P4のグラウンド電位側は共通接続されていなくてもよい。第2の並列腕共振子P3とグラウンド電位との間には、インダクタは接続されていなくともよい。第1の並列腕共振子P1及び第3の並列腕共振子P4とグラウンド電位との間についても同様である。
【0025】
帯域通過型フィルタであるラダー型フィルタ1は所定の通過帯域を有している。通過帯域は、直列腕共振子S1〜S4及び第1,第2の並列腕共振子P1,P2,P3により構成されている。直列腕共振子S1〜S4の共振周波数と、第1,第2の並列腕共振子P1,P2,P3の反共振周波数は、通過帯域の帯域内に位置している。第3の並列腕共振子P4の反共振周波数は、ラダー型フィルタ1の通過帯域よりも高域側の周波数域に位置している。なお、第3の並列腕共振子の反共振周波数は、ラダー型フィルタの通過帯域の帯域外に位置していればよく、該通過帯域よりも低域側の周波数域に位置していてもよい。
【0026】
本実施形態の特徴は、第3の並列腕共振子P4の静電容量が第1の並列腕共振子P1の静電容量よりも小さく、かつ第1の並列腕共振子P1の反共振周波数が第2の並列腕共振子P2,P3の反共振周波数よりも高域側の周波数域に位置していることにある。それによって、インピーダンスマッチングを良好にとることができ、挿入損失を小さくすることができる。これを以下において、本実施形態と第1〜第3の比較例とを比較することにより説明する。
【0027】
本実施形態と第1〜第3の比較例とにおける各並列腕共振子の反共振周波数及び静電容量は、下記の表1〜表4の通りである。本実施形態と第1〜第3の比較例とにおける各直列腕共振子の共振周波数は、下記の表5〜表8の通りである。なお、表1〜表8に示されている値は一例であり、各並列腕共振子の反共振周波数及び静電容量並びに各直列腕共振子の共振周波数は、表1〜表8の値には限定されない。第1〜第3の比較例の回路構成の詳細は後述する。
【0036】
図3は、第1の比較例のラダー型フィルタの回路図である。
【0037】
第1の比較例のラダー型フィルタ101は、第1の並列腕共振子を有しない点において、第1の実施形態と異なる。表1及び表2に示すように、第3の並列腕共振子P104の静電容量も、第1の実施形態と異なる。上記以外の点においては、ラダー型フィルタ101は、第1の実施形態のラダー型フィルタ1と同様の構成を有する。
【0038】
なお、表1に示されているように、本実施形態における各並列腕共振子の反共振周波数は、それぞれ、第1の並列腕共振子P1は722MHzであり、第2の並列腕共振子P2は715MHzであり、第2の並列腕共振子P3は717MHzであり、第3の並列腕共振子P4は825MHzである。第1の比較例における第2の並列腕共振子P2,P3及び第3の並列腕共振子P4の各反共振周波数も同様の周波数である。表5に示されているように、本実施形態における各直列腕共振子の共振周波数は、それぞれ、直列腕共振子S1は745MHzであり、直列腕共振子S2は721MHzであり、直列腕共振子S3は720MHzであり、直列腕共振子S4は725MHzである。第1の比較例における直列腕共振子S1〜S4の各共振周波数も同様の周波数である。
【0039】
表1に示されているように、本実施形態における各並列腕共振子の静電容量は、それぞれ、第1の並列腕共振子P1は2.5pFであり、第2の並列腕共振子P2は5.4pFであり、第2の並列腕共振子P3は4.9pFであり、第3の並列腕共振子P4は1.0pFである。このように、第3の並列腕共振子P4の静電容量は、第1,第2の並列腕共振子P1,P2,P3の静電容量よりも小さい。
【0040】
第1の比較例のラダー型フィルタ101は、第1の実施形態と同様に、第3の並列腕共振子P104を有する。第3の並列腕共振子P104のインピーダンスは、第3の並列腕共振子P104の共振周波数から反共振周波数までの周波数域においては、誘導性となる。他方、第3の並列腕共振子P104のインピーダンスは、第3の並列腕共振子P104の共振周波数より低い周波数域、または第3の並列腕共振子P104の反共振周波数より高い周波数域であるラダー型フィルタ101の通過帯域においては、容量性となる。第3の並列腕共振子P104の容量性の影響により、ラダー型フィルタ101の通過帯域では、ラダー型フィルタ101のインピーダンスが、容量性に移行する。そのため、インピーダンスマッチングが悪化し、挿入損失が増大する。
【0041】
これに対して、本実施形態では、第3の並列腕共振子P4は、第1の並列腕共振子P1に並列に接続されており、かつ第3の並列腕共振子P4の静電容量は、第1の並列腕共振子P1の静電容量よりも小さい。そのため、ラダー型フィルタ1の通過帯域のインピーダンスマッチングに対する第3の並列腕共振子P4の容量性の影響は小さい。よって、インピーダンスマッチングを良好にとることができ、挿入損失を小さくすることができる。
【0042】
さらに、第3の並列腕共振子P4の反共振周波数はラダー型フィルタ1の通過帯域の帯域外に位置するため、該帯域外に減衰極が生じる。よって、帯域外減衰量を増大させることもできる。
【0043】
図4は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第1の比較例のラダー型フィルタの減衰量周波数特性を示す図である。実線は本実施形態の減衰量周波数特性を示し、破線は第1の比較例の減衰量周波数特性を示す。
【0044】
本実施形態のラダー型フィルタ及び第1の比較例のラダー型フィルタの通過帯域は、703MHz以上、733MHz以下である。ここで、本明細書においては、挿入損失は、通過帯域において最も損失が大きい部分のロスである。第1の比較例における挿入損失は、2.22dBであり、本実施形態における挿入損失は、1.93dBである。このように、本実施形態では、挿入損失を小さくすることができる。
【0045】
さらに、本実施形態において、ラダー型フィルタの通過帯域の帯域外である790MHzに減衰極が配置されていることがわかる。それによって、例えば、758MHz以上、788MHz以下の帯域においては、50dB程の減衰量とすることができている。これは、第3の並列腕共振子を有することによる。
【0046】
図5(a)は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第1の比較例のラダー型フィルタの通過帯域の出力端におけるインピーダンスマッチングを示す図である。
図5(b)は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第1の比較例のラダー型フィルタの通過帯域の入力端におけるインピーダンスマッチングを示す図である。実線は本実施形態の結果を示し、破線は第1の比較例の結果を示す。
【0047】
図5(a)及び
図5(b)に示されているように、第1の比較例の結果を示す破線は大きく広がっている。これに対して、本実施形態の結果を示す実線は広がりが小さく、かつ実線の軌道が円形に近い。よって、本実施形態では、インピーダンスマッチングが良好なことがわかる。
【0048】
図6は、第2の比較例のラダー型フィルタの回路図である。
【0049】
第2の比較例のラダー型フィルタ111においては、第2の並列腕共振子P112及び第3の並列腕共振子P114の配置が第1の実施形態と異なる。表1及び表3並びに表5及び表7に示すように、第1〜第3の並列腕共振子P111〜P114の反共振周波数及び直列腕共振子S111〜S114の共振周波数も、第1の実施形態と異なる。上記の点以外においては、ラダー型フィルタ111は、第1の実施形態のラダー型フィルタ1と同様の構成を有する。
【0050】
ラダー型フィルタ111の直列腕共振子S111と直列腕共振子S112との間の接続点と、グラウンド電位との間には、第2の並列腕共振子P112及び第3の並列腕共振子P114が互いに並列に接続されている。
【0051】
表3に示すように、第2の比較例は本実施形態と同様に、第2の並列腕共振子P112の反共振周波数が、第1の並列腕共振子P111の反共振周波数よりも低域側の周波数域に位置している。そのため、第2の並列腕共振子P112の反共振周波数から直列腕共振子S111〜S114の共振周波数までの周波数域の範囲は広い。第2の比較例では、この第2の並列腕共振子P112に並列に第3の並列腕共振子P114が接続されている。第3の並列腕共振子P114の影響により、第2の並列腕共振子P112の反共振周波数は低域側の周波数域に移行する。よって、通過帯域におけるより広い周波数域において容量性となる。従って、通過帯域のインピーダンスマッチングが悪化する。
【0052】
さらに、第2の比較例では、通過帯域を構成する並列腕共振子において、最も入力端側に位置する第2の並列腕共振子P112に並列に第3の並列腕共振子P114が接続されている。そのため、第2の比較例のラダー型フィルタ111の入力端側において、通過帯域内のインピーダンスが容量性に移行し易い。よって、第2の比較例のラダー型フィルタ111の入力端側の通過帯域内のインピーダンスマッチングがより一層悪化する。
【0053】
これに対して、本実施形態では、
図1に示されているように、通過帯域を構成する並列腕共振子において、反共振周波数が最も高い第1の並列腕共振子P1に並列に第3の並列腕共振子P4が接続されている。ここで、第1の並列腕共振子P1は、直列腕共振子S2及び直列腕共振子S3に他の直列腕共振子を介すことなく直接接続されている。第1の並列腕共振子P1の反共振周波数は、直列腕共振子S2及び直列腕共振子S3のいずれの共振周波数よりも高域側の周波数域に位置している。このため、第1の並列腕共振子P1の反共振周波数と直列腕共振子S2及び直列腕共振子S3の共振周波数のみを考慮した場合、容量性の周波数域は存在しない。
【0054】
なお、第1の並列腕共振子P1の反共振周波数は、第3の並列腕共振子P4の影響により低域側の周波数域に移行する。この場合においても、第1の並列腕共振子P1の反共振周波数から直列腕共振子S2及び直列腕共振子S3の共振周波数までの周波数域の範囲をより狭くすることができるため、容量性の周波数域を最小限に抑えることができる。
【0055】
加えて、ラダー型フィルタ1は第2の並列腕共振子を複数有する。第2の並列腕共振子P2,P3が最も入力端側に位置する並列腕共振子及び最も出力端側に位置する並列腕共振子である。第1の並列腕共振子P1は、入力端側及び出力端側からは、直列腕共振子S2または直列腕共振子S3を隔てて位置している。よって、ラダー型フィルタ1の入力端側及び出力端側において、通過帯域の帯域内におけるラダー型フィルタ1のインピーダンスは容量性への移行が生じ難い。従って、ラダー型フィルタ1のインピーダンスマッチングを良好にとることができる。
【0056】
なお、第1の並列腕共振子の反共振周波数は、複数の直列腕共振子の内の少なくとも1個の直列腕共振子の共振周波数よりも高域側の周波数域に位置していればよい。それによって、第1の並列腕共振子の反共振周波数から各直列腕共振子の共振周波数までの周波数域を狭くすることができる。よって、容量性の周波数域を狭くすることができる。好ましくは、第1の並列腕共振子の反共振周波数は、他の直列腕共振子を介すことなく直接接続されている直列腕共振子の内のいずれか一方の共振周波数よりも高域側に位置していることが望ましい。それによって、容量性の影響を効果的に抑制することができる。もっとも、本実施形態のように、第1の並列腕共振子P1の反共振周波数が、直列腕共振子S2及び直列腕共振子S3のいずれの共振周波数よりも高域側の周波数域に位置していることがより好ましい。
【0057】
なお、ラダー型フィルタは、第2の並列腕共振子を少なくとも1個有すればよい。この場合においても、挿入損失を小さくすることができる。
【0058】
図7は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第2の比較例のラダー型フィルタの減衰量周波数特性を示す図である。実線は本実施形態の減衰量周波数特性を示し、破線は第2の比較例の減衰量周波数特性を示す。
【0059】
図7に示されているように、第2の比較例の挿入損失は2.01dBである。よって、第2の比較例の挿入損失よりも本実施形態の挿入損失の方が小さいことがわかる。
【0060】
図8(a)は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第2の比較例のラダー型フィルタの通過帯域の出力端におけるインピーダンスマッチングを示す図である。
図8(b)は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第2の比較例のラダー型フィルタの通過帯域の入力端におけるインピーダンスマッチングを示す図である。実線は本実施形態の結果を示し、破線は第2の比較例の結果を示す。
【0061】
図8(a)に示されているように、第2の比較例の結果を示す破線は大きく広がっている。これに対して、本実施形態の結果を示す実線は広がりが小さく、かつ実線の軌道が円形に近い。
図8(b)に示されているように、第2の比較例の結果では、入力端側において50Ωから離れている。これに対して、本実施形態の結果では、50Ωにより近づけることができている。よって、本実施形態では、インピーダンスマッチングが良好なことがわかる。
【0062】
図9は、第3の比較例のラダー型フィルタの回路図である。
【0063】
第3の比較例のラダー型フィルタ121においては、第3の並列腕共振子P124の配置が第1の実施形態と異なる。表4に示すように、第1の並列腕共振子P121及び第2の並列腕共振子P123の反共振周波数も第1の実施形態と異なる。上記の点以外においては、ラダー型フィルタ121は第1の実施形態のラダー型フィルタ1と同様の構成を有する。
【0064】
ラダー型フィルタ121の直列腕共振子S3と直列腕共振子S4との間の接続点と、グラウンド電位との間には、第3の並列腕共振子P124と第2の並列腕共振子P123とが互いに並列に接続されている。
【0065】
表4に示されているように、第2の並列腕共振子P123の反共振周波数は、第1の並列腕共振子P121の反共振周波数よりも低域側の周波数域に位置している。第3の比較例では、この第2の並列腕共振子P123に並列に第3の並列腕共振子P124が接続されている。よって第2の比較例と同様に、通過帯域内のインピーダンスマッチングが悪化していた。
【0066】
さらに、第3の比較例では、通過帯域を構成する並列腕共振子において、最も出力端側に位置する第2の並列腕共振子P123に並列に第3の並列腕共振子P124が接続されている。そのため、出力端側において容量性に移行し易い。よって、出力端側のインピーダンスマッチングがより一層悪化していた。
【0067】
これに対して、本実施形態では、
図1に示されているように、第1の並列腕共振子P1に並列に第3の並列腕共振子P4が接続されている。通過帯域を構成する並列腕共振子において、第1の並列腕共振子P1は最も出力端側には位置していない。加えて、第1の並列腕共振子P1の反共振周波数は、通過帯域を構成する並列腕共振子において最も高い。よって、インピーダンスマッチングを良好にとることができる。
【0068】
図10は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第3の比較例のラダー型フィルタの減衰量周波数特性を示す図である。実線は本実施形態の減衰量周波数特性を示し、破線は第3の比較例の減衰量周波数特性を示す。
【0069】
図10に示されているように、第3の比較例の挿入損失は2.06dBである。よって、第3の比較例の挿入損失よりも本実施形態の挿入損失の方が小さいことがわかる。
【0070】
図11(a)は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第3の比較例のラダー型フィルタの通過帯域の出力端におけるインピーダンスマッチングを示す図である。
図11(b)は、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ及び第3の比較例のラダー型フィルタの通過帯域内の入力端におけるインピーダンスマッチングを示す図である。実線は本実施形態の結果を示し、破線は第3の比較例の結果を示す。
【0071】
図11(a)に示されているように、本実施形態の結果では、出力端側において、第3の比較例よりも50Ωに近づけることができている。
図11(b)に示されているように、第3の比較例の結果を示す破線は大きく広がっている。これに対して、本実施形態の結果を示す実線は広がりが小さく、かつ実線の軌道が円形に近い。よって、本実施形態では、インピーダンスマッチングが良好なことがわかる。
【0072】
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、第3の並列腕共振子の構成が第1の実施形態と異なる。上記の点以外においては、第2の実施形態のラダー型フィルタは、第1の実施形態のラダー型フィルタと同様の構成を有する。
【0073】
より具体的には、第1の実施形態における第3の並列腕共振子のデューティー比が0.53であることに対して、第2の実施形態における第3の並列腕共振子のデューティー比は0.63である。上述したように、デューティー比は、弾性波共振子に用いられているIDT電極の電極指と、電極指間のピッチとの比である。デューティー比が大きくなるほど、IDT電極における電極指の面積比が大きくなる。よって、同じIDT電極の面積においてデューティー比が大きくなるほど、静電容量は大きくなる。言い換えれば、デューティー比を大きくすることにより、静電容量の大きさに対するIDT電極の面積を小さくすることができる。
【0074】
ここで、第2の実施形態における第3の並列腕共振子の静電容量は、第1の実施形態における第3の並列腕共振子の静電容量と等しい。従って、第2の実施形態においては、第3の並列腕共振子の面積をより一層小さくすることができる。より具体的には、例えば、第2の実施形態における第3の並列腕共振子に用いられるIDT電極の交差幅を、第1の実施形態における第3の並列腕共振子に用いられるIDT電極の交差幅よりも15%程狭くすることができる。
【0075】
図12は、第1,第2の実施形態に係るラダー型フィルタの減衰量周波数特性を示す図である。
図13(a)は、第1,第2の実施形態に係るラダー型フィルタの通過帯域内の出力端におけるインピーダンスマッチングを示す図である。
図13(b)は、第1,第2の実施形態に係るラダー型フィルタの通過帯域内の入力端におけるインピーダンスマッチングを示す図である。なお、
図12並びに
図13(a)及び(b)において、実線は第1の実施形態の結果を示し、破線は第2の実施形態の結果を示す。
【0076】
図12に示されているように、第2の実施形態における挿入損失は、第1の実施形態における挿入損失とほぼ等しい。
図13(a)及び
図13(b)に示すように、第2の実施形態におけるインピーダンスマッチングも、第1の実施形態におけるインピーダンスマッチングとほぼ同様である。このように、本実施形態では、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、ラダー型フィルタをより一層小型にすることができる。
【0077】
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、第1,第2の並列腕共振子の構成が第1の実施形態と異なる。上記の点以外においては、第3の実施形態のラダー型フィルタは、第1の実施形態のラダー型フィルタと同様の構成を有する。
【0078】
より具体的には、第1の実施形態における第1,第2の並列腕共振子のデューティー比が全て0.53であることに対して、第3の実施形態における第1,第2の並列腕共振子のデューティー比は全て0.63である。第3の実施形態における第1,第2の並列腕共振子のそれぞれの静電容量は、第1の実施形態における第1,第2の並列腕共振子のそれぞれの静電容量と等しい。弾性表面波共振子の静電容量は、デューティー比と交差幅と電極指の対数との積に比例する。静電容量が一定で、電極指の周期で決まる波長λが一定である場合、デューティー比を高くすれば、電極指の対数が少なく、または交差幅の距離を短くできる。よって、第1,第2の並列腕共振子の面積をより一層小さくすることができる。
【0079】
図14は、第1,第3の実施形態に係るラダー型フィルタの減衰量周波数特性を示す図である。
図15(a)は、第1,第3の実施形態に係るラダー型フィルタの通過帯域内の出力端におけるインピーダンスマッチングを示す図である。
図15(b)は、第1,第3の実施形態に係るラダー型フィルタの通過帯域内の入力端におけるインピーダンスマッチングを示す図である。なお、
図14並びに
図15(a)及び(b)において、実線は第1の実施形態の結果を示し、破線は第3の実施形態の結果を示す。
【0080】
図14に示されているように、第3の実施形態における挿入損失は、第1の実施形態における挿入損失とほぼ等しい。
図15(a)及び
図15(b)に示すように、第3の実施形態におけるインピーダンスマッチングも、第1の実施形態におけるインピーダンスマッチングとほぼ同様である。よって、本実施形態では、第1の実施形態の効果に加えて、ラダー型フィルタをより一層小型にすることができる。
【0081】
図16は、第1〜第3の実施形態に係るラダー型フィルタの高調波特性を示す図である。なお、実線は第1の実施形態の結果を示し、破線は第2の実施形態の結果を示し、一点鎖線は第3の実施形態の結果を示す。
【0082】
第1〜第3の実施形態において、2倍波の周波数域は1406MHz以上、1466MHz以下であり、3倍波の周波数域は2109MHz以上、2199MHz以下である。
図16に示されているように、2倍波の周波数域において、第1〜第3の実施形態に係るラダー型フィルタのいずれも好適な減衰特性を得ることができている。
【0083】
他方、3倍波の周波数域においては、第1,第2の実施形態に係るラダー型フィルタでは好適な減衰特性を得ることができている。これは、第1,第2の実施形態に係るラダー型フィルタにより、3倍波の周波数域においてスプリアスの発生を抑制できていることによる。
【0084】
スプリアスは、共振子に用いられているIDT電極において不要な励振が生ずることにより発生する。スプリアスの大きさは、並列腕共振子に用いられているIDT電極のデューティー比及び静電容量に依存する。上記IDT電極のデューティー比が0.5に近づく程、スプリアスは小さくなる。あるいは、上記IDT電極の静電容量が小さい程、スプリアスは小さくなる。
【0085】
上述したように、デューティー比を大きくすることにより、静電容量の大きさに対するIDT電極の面積を小さくすることができる。他方、デューティー比が0.5よりも大きくなる程、スプリアスが大きくなる。よって、第2の実施形態のように、スプリアスを小さくすることができる、静電容量が小さい並列腕共振子に用いられるIDT電極のデューティー比を大きくすることが好ましい。第2の実施形態では、小型にできることに加え、良好な高調波特性を得ることもできる。
【0086】
図17は、第4の実施形態に係るラダー型フィルタの回路図である。
【0087】
ラダー型フィルタ11は、第1の並列腕共振子P1、第2の並列腕共振子P2及び第3の並列腕共振子P4の配置が第1の実施形態と異なる。上記の点以外においては、ラダー型フィルタ11は、第1の実施形態のラダー型フィルタ1と同様の構成を有する。
【0088】
本実施形態では、通過帯域を構成する並列腕共振子において、第1の並列腕共振子P1が最も入力端側に位置している。第3の並列腕共振子P4は、第1の実施形態と同様に、第1の並列腕共振子P1に並列に接続されている。この場合においても、挿入損失を小さくすることができる。
【0089】
なお、通過帯域を構成する並列腕共振子において、第1の並列腕共振子が最も出力端側に位置しており、かつ第1の並列腕共振子に第3の並列腕共振子が並列に接続されていてもよい。この場合においても、挿入損失を小さくすることができる。
【0090】
本発明は、ラダー型フィルタに限らず、デュプレクサなどにも好適に適用することができる。
【0091】
図18は、第5の実施形態に係るデュプレクサの回路図である。
【0092】
デュプレクサ20は、送信フィルタと、送信フィルタの通過帯域とは異なる通過帯域である受信フィルタとを有する。より具体的には、送信フィルタの通過帯域は703MHz以上、733MHz以下であり、受信フィルタの通過帯域は758MHz以上、788MHz以下である。なお、送信フィルタ及び受信フィルタの通過帯域は、上記には限定されない。
【0093】
本実施形態の送信フィルタは、第1の実施形態に係るラダー型フィルタ1と同様の構成を有するラダー型フィルタ21である。なお、ラダー型フィルタ21の出力端は、端子24である。端子24は、アンテナに接続される。端子24とグラウンド電位との間には、インピーダンス調整用のインダクタL2が接続されている。
【0094】
受信フィルタは、端子24と出力端子23との間に接続されている共振子25、縦結合共振子型弾性波フィルタ26及び縦結合共振子型弾性波フィルタ27を有する。共振子25、縦結合共振子型弾性波フィルタ26及び縦結合共振子型弾性波フィルタ27は、互いに直列に接続されている。なお、受信フィルタは上記の構成には特に限定されない。例えば、受信フィルタとして、本発明に係るラダー型フィルタが用いられていてもよい。
【0095】
本実施形態では、送信フィルタにラダー型フィルタ21を用いているため、送信フィルタのインピーダンスマッチングを良好にとることができ、挿入損失を小さくすることができる。
【0096】
ラダー型フィルタ21は、
図4に示した減衰量周波数特性と同様の減衰量周波数特性を有する。ラダー型フィルタ21は、第3の並列腕共振子P4を有することにより、790MHz付近に減衰極を有する。これにより、受信フィルタの通過帯域において、減衰量を大きくすることができる。よって、良好なアイソレーション特性を得ることができる。なお、ラダー型フィルタの直列腕共振子及び並列腕共振子の少なくとも一部にBAW共振子を用いることができる。
ラダー型フィルタ1は、直列腕共振子S1〜S4と、第1,第2の並列腕共振子P1,P2,P3とにより通過帯域が構成されているラダー型フィルタであって、直列腕共振子S1〜S4と、第1,第2の並列腕共振子P1,P2,P3と、第1の並列腕共振子P1に並列に接続されており、第1の並列腕共振子P1の静電容量よりも静電容量が小さく、かつ反共振周波数がラダー型フィルタ1の通過帯域の帯域外に位置している第3の並列腕共振子P4とを備える。第1の並列腕共振子P1の反共振周波数が、第2の並列腕共振子P2,P3の反共振周波数よりも高域側の周波数域に位置している。