特許第6024973号(P6024973)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6024973電力制御装置、電力制御方法、プログラム、およびエネルギーマネジメントシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6024973
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】電力制御装置、電力制御方法、プログラム、およびエネルギーマネジメントシステム
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/32 20060101AFI20161107BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   H02J3/32
   H02J7/35 J
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-288384(P2012-288384)
(22)【出願日】2012年12月28日
(65)【公開番号】特開2014-131425(P2014-131425A)
(43)【公開日】2014年7月10日
【審査請求日】2015年10月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082131
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 義雄
(74)【代理人】
【識別番号】100121131
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 孝
(72)【発明者】
【氏名】中井 琢也
(72)【発明者】
【氏名】西川 武男
(72)【発明者】
【氏名】大橋 誠
(72)【発明者】
【氏名】山田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】岡田 亘
【審査官】 田中 寛人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−224009(JP,A)
【文献】 特開2003−339118(JP,A)
【文献】 特開2012−222908(JP,A)
【文献】 特開2012−191823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J3/00−7/12、7/34−7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電力を供給する経路となる直流バスと、
自然エネルギーを利用して発電を行う発電部からの直流電力をDC/DC変換して前記直流バスに出力する第1の変換装置と、
前記直流バスからの直流電力をDC/DC変換して電力を蓄電する蓄電部に充電し、また、前記蓄電部の直流電力をDC/DC変換して前記直流バスに放電する第2の変換装置と、
前記直流バスからの直流電力をDC/AC変換して電力系統および交流負荷に交流電力を供給する第3の変換装置と、
前記第1乃至第3の変換装置の駆動を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記発電部の出力に応じて、前記直流バスの電位を前記第1の変換装置が安定動作可能な第1の電位とし、前記第2の変換装置に充電させ、前記第3の変換装置を停止させる
電力制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記発電部の出力電力が所定の電力より小さい場合、前記直流バスの電位を前記第1の電位とし、前記第2の変換装置に充電させ、前記第3の変換装置を停止させる
請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記蓄電部の蓄電量が所定量を超えた場合、前記直流バスの電位を、前記第3の変換装置が前記電力系統および前記交流負荷に所定電圧の交流電力を供給可能な第2の電位まで昇圧させ、前記第2の変換装置に放電させ、前記第3の変換装置を駆動させる
請求項2に記載の電力制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第3の変換装置に、前記第1の変換装置からの出力電力と前記第2の変換装置からの放電電力とを合わせてDC/AC変換させる
請求項3に記載の電力制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記発電部の出力電圧が所定の電圧より小さい場合、前記直流バスの電位を前記第1の電位とし、前記第2の変換装置に充電させ、前記第3の変換装置を停止させる
請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記発電部の出力電圧が所定の電圧を超えた場合、前記直流バスの電位を、前記第3の変換装置が前記電力系統および前記交流負荷に所定電圧の交流電力を供給可能な第2の電位まで昇圧させ、前記第2の変換装置に放電させ、前記第3の変換装置を駆動させる
請求項5に記載の電力制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第3の変換装置に、前記第1の変換装置からの出力電力と前記第2の変換装置からの放電電力とを合わせてDC/AC変換させる
請求項6に記載の電力制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記第1の電位を段階的に設定する
請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項9】
前記第2の変換装置は、着脱可能なモジュールに含まれるように構成される
請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項10】
前記モジュールは、前記第2の変換装置とともに前記蓄電部を含むように構成される
請求項9に記載の電力制御装置。
【請求項11】
直流電力を供給する経路となる直流バスと、
自然エネルギーを利用して発電を行う発電部からの直流電力をDC/DC変換して前記直流バスに出力する第1の変換装置と、
前記直流バスからの直流電力をDC/DC変換して電力を蓄電する蓄電部に充電し、また、前記蓄電部の直流電力をDC/DC変換して前記直流バスに放電する第2の変換装置と、
前記直流バスからの直流電力をDC/AC変換して電力系統および交流負荷に交流電力を供給する第3の変換装置と
を備える電力制御装置の電力制御方法であって、
前記発電部の出力に応じて、前記直流バスの電位を前記第1の変換装置が安定動作可能な電位とし、前記第2の変換装置に充電させ、前記第3の変換装置を停止させる
ステップを含む電力制御方法。
【請求項12】
直流電力を供給する経路となる直流バスと、
自然エネルギーを利用して発電を行う発電部からの直流電力をDC/DC変換して前記直流バスに出力する第1の変換装置と、
前記直流バスからの直流電力をDC/DC変換して電力を蓄電する蓄電部に充電し、また、前記蓄電部の直流電力をDC/DC変換して前記直流バスに放電する第2の変換装置と、
前記直流バスからの直流電力をDC/AC変換して電力系統および交流負荷に交流電力を供給する第3の変換装置と
を備える電力制御装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記発電部の出力に応じて、前記直流バスの電位を前記第1の変換装置が安定動作可能な電位とし、前記第2の変換装置に充電させ、前記第3の変換装置を停止させる
ステップを含む処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項13】
自然エネルギーを利用して発電を行う発電部と、
電力を蓄電する蓄電部と、
直流電力を供給する経路となる直流バスと、
前記発電部からの直流電力をDC/DC変換して前記直流バスに出力する第1の変換装置と、
前記直流バスからの直流電力をDC/DC変換して前記蓄電部に充電し、また、前記蓄電部の直流電力をDC/DC変換して前記直流バスに放電する第2の変換装置と、
前記直流バスからの直流電力をDC/AC変換して電力系統および交流負荷に交流電力を供給する第3の変換装置と、
前記第1乃至第3の変換装置の駆動を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記発電部の出力に応じて、前記直流バスの電位を前記第1の変換装置が安定動作可能な電位とし、前記第2の変換装置に充電させ、前記第3の変換装置を停止させる
エネルギーマネジメントシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力制御装置、電力制御方法、プログラム、およびエネルギーマネジメントシステムに関し、特に、発電された電力をより効率的に使用することができるようにした電力制御装置、電力制御方法、プログラム、およびエネルギーマネジメントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商用電力を供給する電力系統からの電力だけでなく、太陽光発電により発電された電力やバッテリに蓄積されている電力など、複数の電力源から供給される電力を効率良く使用するために、最適な電力管理を行うエネルギーマネジメントシステムの開発が行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、発電システムによって発電された電力に応じて、発電システムの接続先を、電力変換装置と二次電池とで選択するようにしたシステムの構成が開示されている。
【0004】
図1には、エネルギーマネジメントシステムの一構成例が示されている。
【0005】
図1に示すように、エネルギーマネジメントシステム11は、電力制御装置12が電流計13を介して電力系統14に接続され、電力制御装置12に、PV(Photovoltaics)15およびAC(Alternating Current)負荷17が接続されて構成されている。
【0006】
電力制御装置12は、PV用DC/DC変換部21およびDC/AC変換部22を有して構成される。DC/AC変換部22のAC側の端子は、電力系統14に接続される。一方、DC/AC変換部22のDC側の端子は、PV用DC/DC変換部21を介してPV15に接続される。ここで、DC/AC変換部22のDC側の端子に接続され、PV用DC/DC変換部21との間で直流電力の供給が行われる配線を、以下、DCバス23という。
【0007】
エネルギーマネジメントシステム11においては、PV15により発電された電力は、PV用DC/DC変換部21によりDC/DC変換されてDCバス23を介してDC/AC変換部22に供給され、DC/AC変換部22によりDC/AC変換されてAC負荷17に供給されるとともに、余った電力は電力系統14に供給(逆潮流)される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3581699号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、朝や夕、曇天時には、PV15の出力が小さいため、PV用DC/DC変換部21が安定動作せず、電力制御装置12を動作させることができなかった。
【0010】
例えば、DC/AC変換部22の出力電圧を200Vにするために、PV用DC/DC変換部21は、DCバス23の電位を、一般的に380V程度にする必要がある。
【0011】
そこで、PV15の出力電力が小さい場合、PV用DC/DC変換部21がDCバス23の電位を380V程度まで昇圧しようとしても、出力電流が小さくなってしまい、PV用DC/DC変換部21は安定動作できない。
【0012】
また、PV15の出力電圧が小さい場合には、PV用DC/DC変換部21の昇圧比が大きくなってしまい、PV用DC/DC変換部21は安定動作できない上に、変換効率が低下してしまう。
【0013】
このように、朝や夕、曇天時などにPVにより発電された電力は、電力制御装置12を動作させるには足りず、効率的に使用されていなかった。
【0014】
本開示は、このような状況に鑑みてなされたものであり、発電された電力をより効率的に使用することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示の一側面の電力制御装置は、直流電力を供給する経路となる直流バスと、自然エネルギーを利用して発電を行う発電部からの直流電力をDC/DC変換して前記直流バスに出力する第1の変換装置と、前記直流バスからの直流電力をDC/DC変換して電力を蓄電する蓄電部に充電し、また、前記蓄電部の直流電力をDC/DC変換して前記直流バスに放電する第2の変換装置と、前記直流バスからの直流電力をDC/AC変換して電力系統および交流負荷に交流電力を供給する第3の変換装置と、前記第1乃至第3の変換装置の駆動を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記発電部の出力に応じて、前記直流バスの電位を前記第1の変換装置が安定動作可能な第1の電位とし、前記第2の変換装置に充電させ、前記第3の変換装置を停止させる。
【0016】
本開示の一側面の電力制御方法またはプログラムは、直流電力を供給する経路となる直流バスと、自然エネルギーを利用して発電を行う発電部からの直流電力をDC/DC変換して前記直流バスに出力する第1の変換装置と、前記直流バスからの直流電力をDC/DC変換して電力を蓄電する蓄電部に充電し、また、前記蓄電部の直流電力をDC/DC変換して前記直流バスに放電する第2の変換装置と、前記直流バスからの直流電力をDC/AC変換して電力系統および交流負荷に交流電力を供給する第3の変換装置とを備える電力制御装置の電力制御方法、または、その電力制御装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムであって、前記発電部の出力に応じて、前記直流バスの電位を前記第1の変換装置が安定動作可能な電位とし、前記第2の変換装置に充電させ、前記第3の変換装置を停止させるステップを含む。
【0017】
本開示の一側面のエネルギーマネジメントシステムは、自然エネルギーを利用して発電を行う発電部と、電力を蓄電する蓄電部と、直流電力を供給する経路となる直流バスと、前記発電部からの直流電力をDC/DC変換して前記直流バスに出力する第1の変換装置と、前記直流バスからの直流電力をDC/DC変換して前記蓄電部に充電し、また、前記蓄電部の直流電力をDC/DC変換して前記直流バスに放電する第2の変換装置と、前記直流バスからの直流電力をDC/AC変換して電力系統および交流負荷に交流電力を供給する第3の変換装置と、前記第1乃至第3の変換装置の駆動を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記発電部の出力に応じて、前記直流バスの電位を前記第1の変換装置が安定動作可能な電位とし、前記第2の変換装置に充電させ、前記第3の変換装置を停止させる。
【0018】
本開示の一側面においては、発電部の出力に応じて、直流バスの電位が第1の変換装置が安定動作可能な電位とされ、第2の変換装置により充電され、第3の変換装置が停止される。
【発明の効果】
【0019】
本開示の一側面によれば、発電された電力をより効率的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】エネルギーマネジメントシステムの一構成例を示すブロック図である。
図2】本技術を適用したエネルギーマネジメントシステムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図3】エネルギーマネジメントシステムの簡略的な構成例を示す図である。
図4】充放電制御処理について説明するフローチャートである。
図5】充電時の電力の流れを示す図である。
図6】放電時の電力の流れを示す図である。
図7】充放電制御処理の他の例について説明するフローチャートである。
図8】DCバスの電位について説明する図である。
図9】DCバスの電位について説明する図である。
図10】エネルギーマネジメントシステムの他の構成例を示す図である。
図11】エネルギーマネジメントシステムのさらに他の構成例を示す図である。
図12】汎用のパーソナルコンピュータの構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
[エネルギーマネジメントシステムの構成例]
図2は、本技術を適用したエネルギーマネジメントシステムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【0023】
図2において、エネルギーマネジメントシステム31は、太陽光発電システムとして構成され、電力制御装置32が電流計33を介して電力系統34に接続され、PV35、バッテリ36、EV(Electric Vehicle)37、AC負荷38、並びに、DC負荷39−1および39−2が、電力制御装置32に接続されて構成されている。
【0024】
電力制御装置32は、いわゆるパワーコンディショナとして構成され、電力制御装置32に接続される複数の電力源(電力系統34、PV35、バッテリ36、またはEV37)から供給される電力を、電力制御装置32に接続される複数の負荷(AC負荷38、並びに、DC負荷39−1および39−2)に供給する制御を行う。
【0025】
電流計33は、電力制御装置32から電力系統34に供給(逆潮流)される電力を計測する。エネルギーマネジメントシステム31は、電力系統34に対して交流電力を供給する。
【0026】
PV35は、例えば、複数の太陽電池モジュールが接続されてパネル状に構成され、受光する太陽光の光量に応じて発電し、その発電した電力を電力制御装置32に供給する。バッテリ36は、電力制御装置32から供給される電力を蓄電したり、蓄電している電力を電力制御装置32に供給したりする。EV37は、ユーザがEV37を使用するのに応じて電力制御装置32に適宜接続され、電力制御装置32から供給される電力を蓄電するバッテリを内蔵している。
【0027】
AC負荷38は、交流電力を消費して駆動する機器であり、DC負荷39−1および39−2は、直流電力を消費して駆動する機器である。なお、図2の構成例では、2台のDC負荷39−1および39−2が電力制御装置32に接続されているが、その台数を増減させることができる。
【0028】
電力制御装置32は、PV用DC/DC変換部41、DC/AC変換部42、バッテリ用DC/DC変換部43、EV用DC/DC変換部44、負荷用DC/DC変換部45−1および45−2、分電盤46、並びにシステム制御部47を備えて構成される。また、分電盤46には、ブレーカ51−1乃至51−6、電流計52−1乃至52−4、およびDCバス53が収納される。
【0029】
電力制御装置32では、電力系統34とAC負荷38とを接続する電力線40に、DC/AC変換部42のAC側の端子が接続されており、DC/AC変換部42のDC側の端子はブレーカ51−1を介して、直流電力を供給する経路となるDCバス53に接続される。また、PV35が接続されるPV用DC/DC変換部41はブレーカ51−2を介してDCバス53に接続される。同様に、バッテリ36が接続されるバッテリ用DC/DC変換部43はブレーカ51−3を介してDCバス53に接続され、EV37が接続されるEV用DC/DC変換部44はブレーカ51−4および電流計52−1を介してDCバス53に接続される。
【0030】
また、DC負荷39−1が接続される負荷用DC/DC変換部45−1はブレーカ51−5および電流計52−2を介してDCバス53に接続され、DC負荷39−2が接続される負荷用DC/DC変換部45−2はブレーカ51−6および電流計52−3を介してDCバス53に接続される。AC負荷38は、ブレーカ51−7および電流計52−4を介して、DC/AC変換部42に接続される。
【0031】
PV用DC/DC変換部41は、PV35において発電された電力を所定の電圧となるようにDC/DC変換(昇降圧)して、DCバス53に出力する。PV用DC/DC変換部41は、PV35から最大の電力を取り出すように最大出力点を追跡するMPPT制御を行うことができる。
【0032】
DC/AC変換部42は、DCバス53を介して供給される直流電力をDC/AC変換し、得られた交流電力を、電力線40を介してAC負荷38に供給したり、電力系統34に逆潮流したりする。また、DC/AC変換部42は、電力系統34から供給される交流電力をAC/DC変換して、得られた直流電力をDCバス53に出力する。
【0033】
バッテリ用DC/DC変換部43は、バッテリ36に蓄積されている電力をDC/DC変換(昇降圧)してDCバス53に出力(放電)したり、DCバス53を介して供給される電力をDC/DC変換してバッテリ36を充電したりする。
【0034】
EV用DC/DC変換部44は、電力制御装置32にEV37が接続されているとき、EV37に蓄積されている電力をDC/DC変換してDCバス53に出力(放電)したり、DCバス53を介して供給される電力をDC/DC変換してEV37を充電したりする。
【0035】
負荷用DC/DC変換部45−1および45−2は、DCバス53を介して供給される電力を、それぞれに接続されているDC負荷39−1および39−2の駆動に必要な電圧にDC/DC変換して、DC負荷39−1および39−2にそれぞれ供給する。
【0036】
システム制御部47は、電流計33および電流計52−1乃至52−4により計測される電流や、PV35の発電状態、バッテリ36の充電状態などに基づいて、電力制御装置32を構成する各ブロックに対する制御を行うことで、エネルギーマネジメントシステム31全体を制御する。
【0037】
また、例えば、システム制御部47は、PV35の出力に応じて、バッテリ36の充電または放電を行うよう、バッテリ用DC/DC変換部43を制御する。
【0038】
なお、図2では、システム制御部47と各ブロックを接続する配線の図示は、省略されている。
【0039】
以降においては、説明を簡略化するために、図3に示すようなエネルギーマネジメントシステム31の構成例を用いて説明する。図3のエネルギーマネジメントシステム31において、図2のエネルギーマネジメントシステム31における構成と対応する部分には同一の符号を付してある。
【0040】
[バッテリの充放電制御処理]
次に、図4のフローチャートを参照して、エネルギーマネジメントシステム31におけるバッテリの充放電制御処理について説明する。この充放電制御処理は、PV35により発電された電力がDC/DC変換部41によりDC/DC変換されて、DCバス53に出力されているときに実行される。
【0041】
ステップS11において、システム制御部47は、PV35の出力電力が所定の電力より大きいか否かを判定する。
【0042】
ここで、所定の電力とは、PV用DC/DC変換部41がPV35の出力電力をDC/DC変換する際、DCバス53の電位を380V程度に昇圧させた上で、安定した出力電流が得られる電力とされる。なお、DC/AC変換部42の出力電圧をAC200Vとする場合、DCバス53の電位を380V程度にする必要がある。
【0043】
ステップS11において、PV35の出力電力が、例えば100W程度であり、所定の電力より大きくないと判定された場合、処理はステップS12に進み、システム制御部47は、DC/AC変換部42を停止させる。
【0044】
その後、ステップS13において、システム制御部47は、DCバス53の電位を中間電位とするよう、PV用DC/DC変換部41を制御する。ここで、中間電位とは、所定の電力より小さいPV35の出力電力でも安定した出力電流が得られるような電位、すなわち、PV用DC/DC変換部41が安定動作可能な電位とされる。
【0045】
例えば、DCバス53の電位を380V程度とする場合、PV35の出力電力が100Wのときに得られる出力電流は0.27A程度となり、PV用DC/DC変換部41は安定動作できない。一方、DCバス53の電位を、中間電位としての60Vとする場合、PV35の出力電力が100Wのときに得られる出力電流は1.7A程度となり、PV用DC/DC変換部41は安定動作できる。
【0046】
そして、ステップS14において、システム制御部47は、バッテリ用DC/DC変換部43を充電方向に駆動させることで、PV用DC/DC変換部41からDCバス53に出力された電力をDC/DC変換してバッテリ36に充電させる。
【0047】
すなわち、PV35の出力電力が所定の電力より大きくない場合、エネルギーマネジメントシステム31においては、図5の矢印Aで示されるように、PV35により発電された電力が、PV用DC/DC変換部41によりDC/DC変換されてDCバス53を介してバッテリ用DC/DC変換部43に供給され、バッテリ用DC/DC変換部43によりDC/DC変換されてバッテリ36に充電される。
【0048】
一方、ステップS11において、PV35の出力電力が所定の電力より大きいと判定された場合、処理はステップS15に進み、システム制御部47は、バッテリ36の蓄電量が所定量を超えたか否かを判定する。なお、ここでは、バッテリ36の蓄電量が、バッテリ36の最大容量になったか否かが判定されるようにしてもよい。
【0049】
ステップS15において、バッテリ36の蓄電量が所定量を超えていないと判定された場合、処理はステップS12に進み、その後、バッテリ36への充電が行われる。
【0050】
一方、ステップS15において、バッテリ36の蓄電量が所定量を超えていると判定された場合、処理はステップS16に進み、システム制御部47は、DC/AC変換部42を駆動させる。
【0051】
その後、ステップS17において、システム制御部47は、DCバス53の電位を通常電圧まで昇圧させるよう、PV用DC/DC変換部41を制御する。ここで、通常電位とは、DC/AC変換部42がAC負荷38や電力系統34に所定電圧の交流電力を供給可能な電位とする。例えば、DC/AC変換部42の出力電圧をAC200Vにする場合、通常電位は380V程度とされる。
【0052】
そして、ステップS18において、システム制御部47は、バッテリ用DC/DC変換部43を放電方向に駆動させることで、バッテリ36に蓄電された電力をDC/DC変換してDCバス53に放電させる。
【0053】
このとき、システム制御部47は、DC/AC変換部42に、PV用DC/DC変換部41からの出力電力(PV35の出力電力)と、バッテリ用DC/DC変換部43からのバッテリ36の放電電力とを合わせてDC/AC変換させる。
【0054】
すなわち、PV35の出力電力が所定の電力より大きく、かつ、バッテリ36の蓄電量が所定量を超えている場合、エネルギーマネジメントシステム31においては、図6の矢印Bで示されるように、PV35により発電された電力が、PV用DC/DC変換部41によりDC/DC変換されてDCバス53を介してDC/AC変換部42に供給され、DC/AC変換部42によりDC/AC変換されるとともに、図6の矢印Cで示されるように、バッテリ36から放電された電力が、バッテリ用DC/DC変換部43によりDC/DC変換されてDCバス53を介してDC/AC変換部42に供給され、DC/AC変換部42によりDC/AC変換される。
【0055】
以上の処理によれば、PV35の出力電力が所定の電力より小さい場合に、DCバス53の電位が中間電位とされ、中間電位とされたDCバス53からの電力がバッテリ36に充電されるようになる。これにより、発電された電力が小さい場合であっても、PV用DC/DC変換部41は安定動作できるので、電力制御装置32を動作させることができるようになり、また、朝や夕、曇天時などに発電された電力を一旦充電することで無駄にすることなく、より効率的に使用することが可能となる。
【0056】
[充放電制御処理の他の例]
次に、図7のフローチャートを参照して、エネルギーマネジメントシステム31における充放電制御処理の他の例について説明する。この充放電制御処理もまた、例えば、PV35により発電された電力がDC/DC変換部41によりDC/DC変換されて、DCバス53に出力されると開始される。
【0057】
ステップS31において、システム制御部47は、PV35の出力電圧が所定の電圧より大きいか否かを判定する。
【0058】
ここで、所定の電圧とは、PV用DC/DC変換部41がPV35の出力電力をDC/DC変換する際、DCバス53の電位を例えば380V程度に安定して昇圧するのに必要な電圧とされ、例えば60Vとされる。
【0059】
ステップS31において、PV35の出力電力が所定の電圧より大きくないと判定された場合、処理はステップS32に進み、システム制御部47は、DC/AC変換部42を停止させる。
【0060】
その後、ステップS33において、システム制御部47は、DCバス53の電位を中間電位とするよう、PV用DC/DC変換部41を制御する。ここで、中間電位とは、所定の電圧より小さいPV35の出力電圧でも安定して昇圧可能な電位、すなわち、PV用DC/DC変換部41が安定動作可能な電位とされる。
【0061】
例えば、DCバス53の電位を380V程度とする場合、PV35の出力電圧が60Vより小さいときには昇圧比が大きくなってしまい、PV用DC/DC変換部41は安定動作できない上に、変換効率が低下してしまう。一方、DCバス53の電位を、中間電位としての120Vとする場合、PV35の出力電力が60Vより小さいときでも昇圧比は小さくなり、PV用DC/DC変換部41は安定動作ができる上に、変換効率を高めることができるようになる。
【0062】
そして、ステップS34において、システム制御部47は、バッテリ用DC/DC変換部43を充電方向に駆動させることで、PV用DC/DC変換部41からDCバス53に出力された電力をDC/DC変換してバッテリ36に充電させる。
【0063】
例えば、図8に示されるように、期間1においては、PV35の出力電圧Vpvは、時間の経過とともに上昇しているものの、所定の電圧60Vより小さい。このとき、DCバス53の電位Vdcは、中間電位120Vとされる。なお、期間1においては、バッテリ36への充電が行われているので、バッテリ36の充電電圧Vbatも時間の経過とともに上昇している。
【0064】
なお、図8に示されるように、バッテリ36の充電電圧Vbatは、高々110V程度と、それほど高い電圧にはならないので、バッテリ36を、電気二重層キャパシタにより構成するようにしてもよい。
【0065】
一方、ステップS31において、PV35の出力電圧が所定の電圧より大きいと判定された場合、処理はステップS35に進み、システム制御部47は、DC/AC変換部42を駆動させる。
【0066】
その後、ステップS36において、システム制御部47は、DCバス53の電位を通常電圧(380V程度)まで昇圧させるよう、PV用DC/DC変換部41を制御する。
【0067】
そして、ステップS37において、システム制御部47は、バッテリ用DC/DC変換部43を放電方向に駆動させることで、バッテリ36に蓄電された電力をDC/DC変換してDCバス53に放電させる。
【0068】
このとき、システム制御部47は、DC/AC変換部42に、PV用DC/DC変換部41からの出力電力(PV35の出力電力)と、バッテリ用DC/DC変換部43からのバッテリ36の放電電力とを合わせてDC/AC変換させる。
【0069】
例えば、図8に示されるように、期間1を経過し、期間2になると、PV35の出力電圧Vpvは、所定の電圧60Vより大きくなる。このとき、DCバス53の電位Vdcは、通常電位380Vとされる。期間2においては、バッテリ36からの放電が行われているので、バッテリ36の充電電圧Vbatは時間の経過とともに下降している。
【0070】
以上の処理によれば、PV35の出力電圧が所定の電圧より小さい場合に、DCバス53の電位が中間電位とされ、中間電位とされたDCバス53からの電力がバッテリ36に充電されるようになる。これにより、発電された電力が小さい場合であっても、PV用DC/DC変換部41は安定動作できるので、電力制御装置32を動作させることができるようになり、朝や夕、曇天時などに発電された電力を一旦充電することで無駄にすることなく、より効率的に使用することが可能となる。
【0071】
なお、以上においては、中間電位は、例えば60Vや120Vなど、1つの電圧値に限られていたが、システム制御部47によって、段階的に設定されるようにしてもよい。例えば、図9に示されるように、期間1においては、PV35の出力電圧Vpvの上昇とともに、DCバス53の電位Vdcを、3段階の中間電位とするようにしてもよい。
【0072】
これにより、期間1におけるPV用DC/DC変換部41の昇圧比をより小さく安定させることができ、変換効率をより高めることができるので、結果として、バッテリ36への充電効率を高めることが可能となる。
【0073】
[エネルギーマネジメントシステムのさらに他の構成例]
以上においては、電力を蓄電する蓄電部としてのバッテリ36と、バッテリ36の充放電を行うバッテリ用DC/DC変換部43とは、別個に構成されるものとしたが、図10に示されるように、電力制御装置32に着脱可能なモジュール111に、バッテリ36とバッテリ用DC/DC変換部43とが含まれるように構成されてもよい。
【0074】
このような構成の場合、システム制御部47には、モジュール111を制御するためのプログラムがインストールされるようになる。
【0075】
また、以上においては、太陽光を受光した光量に応じて発電するPV35が、電力制御装置32に接続されるものとしたが、例えば、図11に示されるように、PV35に代えて、風力を利用して発電を行う風力発電部131が、電力制御装置32に接続されるようにしてもよい。この場合、DC/DC変換部141が、風力発電部131において発電された電力を所定の電圧となるようにDC/DC変換して、DCバス53に出力する。
【0076】
なお、風力発電部131に限らず、バイオマスやその他の自然エネルギーを利用して発電を行う発電部や燃料電池などが、電力制御装置32に接続されるようにしてもよい。
【0077】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0078】
[汎用のパーソナルコンピュータの構成例]
図12は、汎用のパーソナルコンピュータの構成例を示している。このパーソナルコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)1001を内蔵している。CPU1001にはバス1004を介して、入出力インタフェース1005が接続されている。バス1004には、ROM(Read Only Memory)1002およびRAM(Random Access Memory)1003が接続されている。
【0079】
入出力インタフェース1005には、ユーザが操作コマンドを入力するキーボード、マウスなどの入力デバイスよりなる入力部1006、処理操作画面や処理結果の画像を表示デバイスに出力する出力部1007、プログラムや各種データを格納するハードディスクドライブなどよりなる記憶部1008、LAN(Local Area Network)アダプタなどよりなり、インターネットに代表されるネットワークを介した通信処理を実行する通信部1009が接続されている。また、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc)を含む)、もしくは半導体メモリなどのリムーバブルメディア1011に対してデータを読み書きするドライブ1010が接続されている。
【0080】
CPU1001は、ROM1002に記憶されているプログラム、または磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリ等のリムーバブルメディア1011から読み出されて記憶部1008にインストールされ、記憶部1008からRAM1003にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM1003にはまた、CPU1001が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
【0081】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU1001が、例えば、記憶部1008に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース1005及びバス1004を介して、RAM1003にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0082】
コンピュータ(CPU1001)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア1011に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0083】
コンピュータでは、プログラムは、リムーバブルメディア1011をドライブ1010に装着することにより、入出力インタフェース1005を介して、記憶部1008にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部1009で受信し、記憶部1008にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM1002や記憶部1008に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0084】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。また、プログラムは、1つのCPUにより処理されるものであっても良いし、複数のCPUによって分散処理されるものであっても良い。なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0085】
また、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0086】
31 エネルギーマネジメントシステム, 32 電力制御装置, 33 電流計, 34 電力系統, 35 PV, 36 バッテリ, 37 EV, 38 AC負荷, 39 DC負荷, 40 電力線, 41 AC/DC変換部, 42 PV用DC/DC変換部, 43 バッテリ用DC/DC変換部, 44 EV用DC/DC変換部, 45 負荷用DC/DC変換部, 46 分電盤, 47 システム制御部, 51 ブレーカ, 52 電流計, 53 DCバス, 111 モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12