(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記判定手段は、前記姿勢調整手段における通電制御と、前記送電コイルの電流値の測定データの統計処理とを実施して前記極大値を判定することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の充電装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の構成を図面に示す実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する(
図1〜
図17参照)。
【0023】
本発明に係る充電装置10は、充電用の送電コイル(給電コイル)20と被充電用の受電コイル2とを利用した充電装置であり、充電対象を非接触方式にて充電することができるものである。この場合の充電対象は特に限定されないが、本実施形態では、受電コイル2のほかにバッテリー(充電池)4や発光素子5などを内蔵した発光ボール1を用いている(
図1等参照)。以下、まずはこの充電対象としての発光ボール1について説明し、その後、充電装置10について説明する。
【0024】
発光ボール1は、球状の筐体3を有しており、傾斜面に沿って転動可能に構成されている。この筐体3の内部には、受電コイル2、バッテリー4、発光素子5、衝撃検知センサ6、加速度センサ7、制御装置8などが設けられている。
【0025】
受電コイル2は、充電時に2次コイルとして機能するもので、充電装置10の送電コイル20との間における電磁誘導現象、つまり、送電コイル20に電流を流すことで磁束が発生し、受電コイル2にも電流が流れるという作用によってバッテリー4に充電する。本実施形態ではこの環状の受電コイル2を採用し、発光ボール1を等分した際の最外郭線に沿うように(当該発光ボール1の赤道線に沿うように)当該発光ボール1の内部に配置している(
図1、
図6等参照)。また、受電コイル2は、筐体3の内側に設けられた基板9に配置され、当該受電コイル2と基板9との間における相対位置の安定化、コイル容量の安定化(手巻きのコイルとは違い、機械的に作成される基板のほうが一定形状で作成されるため)、さらに低コスト化(基板はもともと作成が必要なものであるため、部品が一つ減らせるため)が図られている。
【0026】
筐体3は、当該発光ボール1の球状ケーシングである。本実施形態の筐体3はプラスチック製であるが、電磁誘導現象を阻害しないものであれば材質は特に限定されない。また、筐体3は、発光素子5が発する光を外部に透過させるべく、全体が透明ないし半透明の材料で形成されているか、あるいは少なくとも光を透過させる部分が透明ないし半透明となるように形成されている。本実施形態の筐体3は、着脱可能な一対の半球形状のカプセル容器からなり、修理などが必要な際には分割することが可能となっている(
図1参照)。
【0027】
筐体3の内側には基板9が設けられ、該基板9上にバッテリー4、衝撃検知センサ6、加速度センサ7、制御装置8が配置されている(
図1参照)。これらバッテリー4等は、当該発光ボール1が転がりやすいよう、重量の偏りなくバランスをとって配置されている。
【0028】
バッテリー4は、非接触方式での充電時に電力を蓄え、発光素子5、制御装置8等に電力を供給するバッテリーである。バッテリー4の具体的な種類や構成や特に限定されないが、小型軽量であり、急速充放電に優れるものであることが望ましい。本実施形態では、電気二重層コンデンサを使用している。なお、バッテリー4等に付随している金属製の電子部品等であって充電の障害となるおそれのあるものは、必要最低限を残して磁束に影響しないようできる限り受電コイル2から離れた場所に配置することが好ましい。
【0029】
発光素子5は、制御装置8による制御に従い、衝撃検知センサ6や加速度センサ7によって衝撃や加速度が検知された場合に筐体3の外側へ向け発光する素子である。このような発光素子5としては、例えばLEDが、フルカラー調光が可能で、数分〜数十分の連続点灯に適した素子として好適である。制御装置8により、当該発光素子5を、所定時間ごとに発光色を変化させてもよいし、連続的にかつランダムに発光色を変化させてもよい。あるいは、当該発光ボール1の外部から送信された無線信号に基づき発光素子5の発光色を変化させてもよい。
【0030】
衝撃検知センサ6は、当該発光ボール1に加わった衝撃を検知するセンサである。例えば本実施形態では、衝撃が加わった際に生じる音を電気信号に変換するマイクロホンを衝撃検知センサ6として用いている。
【0031】
加速度センサ7は、当該センサに作用する加速度の変化を検知するセンサである。このように検知された加速度の変化に基づき、当該発光ボール1の姿勢の変化を検出することが可能である。
【0032】
制御装置8は、充電装置10の制御部60との間で信号を送受信する双方向の通信装置(図示省略)を備えており、各種信号に基づいて発光素子5等を制御する。双方向通信は、例えば赤外線を利用した赤外線通信などを適宜利用することができる。また、本実施形態における制御装置8は、発光素子5の発光態様(発光色、点灯の間隔など)の制御も可能となっている。
【0033】
続いて、充電装置10について説明する。本実施形態の充電装置10は、送電コイル20、収容部30、姿勢調整手段40、充電効率検出手段50、制御部(判定手段、停止手段)60などを備えている(
図2、
図3等参照)。
【0034】
送電コイル20は、充電時に1次コイルとして機能するもので、発光ボール1の受電コイル2との間における電磁誘導現象によって該発光ボール1のバッテリー4に充電する。このような機能を発揮するものである限り、送電コイル20の具体例は特に限定されることはないが、本実施形態では、収容部30の壁部に配置した環状のコイルを送電コイル20として用いている(
図2、
図5等参照)。
【0035】
収容部30は、発光ボール1を収容するスペースを形成している。例えば本実施形態の充電装置10においては、筒状の部材によって、発光ボール1を一時的に収容するスペースを形成している(
図3、
図4等参照)。このように筒状部材によって構成されている収容部30は、送電コイル20から生じる磁束が発光ボール1の受電コイル2を貫く(通過する)ように、当該発光ボール1を回転可能な状態で拘束する。なお、本実施形態では円筒状の部材からなる収容部30を例示したが、これは好適例にすぎず、本明細書にて説明する機能が確保されるものである限り、具体的な形状等は特に限定されることはない。
【0036】
上記のごとき収容部30は、例えば、発光ボール1を利用した遊戯を提供するゲーム装置において、該発光ボール1の転動エリアに設けられ、当該収容部30に一時的に収容された発光ボール1を充電可能な状態とする。このようなゲーム装置において、発光ボール1の転動エリアに傾斜面が形成されている場合、該傾斜面に合わせて充電装置10自体も傾斜して配置することができる。なお、
図2等においては、2つの収容部30が並ぶように配置された充電装置10を示しているが、これは一例にすぎず、収容部30を1つのみ含む構成であってももちろん構わない。
【0037】
姿勢調整手段40は、収容部30に収容された発光ボール1の姿勢を3次元的に変化させるための手段である。例えば本実施形態では、収容部30の底部に配置した回転盤41を駆動モータ43によって回転させ、収容部30に収容された状態の発光ボール1の姿勢を変化させるようにしている(
図6等参照)。回転盤41は、発光ボール1をあらゆる方向、つまり、空間内にx軸、y軸、z軸を想定した場合に、xy平面、yz平面、zx平面のいずれにおいても向きの変化が生じるように回転させるものであることが好ましい。例えば本実施形態では、回転盤41の外周縁41aを、発光ボール1の真下となる位置(鉛直軸が通過する位置)からずれた位置において該発光ボール1に接触させる構成として、xy平面、yz平面、zx平面のいずれにおいても向きの変化が生じるように斜め方向に回転させる(
図6等参照)。外周縁41aは、面取り加工されていてもよい(
図6等参照)。
【0038】
また、姿勢調整手段40は、発光ボール1の姿勢が規則的に変化する途中で、姿勢変化に無作為に不規則な変動を与えるものであってもよい。要は、球体である発光ボール1に種々の動きを与えることは、姿勢の変化の動きが増え、結果的に、充電効率に優れる姿勢を短時間で検出する(良充電となる姿勢を迅速に見つける)ことを可能とする。このような動きを実現するための構成は特に限定されないが、例えば本実施形態では、回転盤41に突起42を設け、該突起42で発光ボール1を周期的に上下動させるようにしている。このような突起42は、回転盤41の平面内での回転運動に、ある軸に沿った方向の運動(本実施形態の場合、収容部30の中心軸に沿った方向への動き)を加えるもので、これにより、発光ボール1の姿勢に不規則な変化が生じる(
図7等参照)。このような突起42の具体的形状は特に限定されない。例えば本実施形態では、傾斜面42aとほぼ垂直な面42bとを有する略三角形状の突起42を用い、まずは傾斜面42aを発光ボール1の底部付近に当接させ、該発光ボール1をいったん持ち上げた後、垂直な面42bを通過した後に一気に落とし込む構成としている(
図7等参照)。
【0039】
さらに、姿勢調整手段40は、発光ボール1の姿勢変化を円滑に進行させるための部材を適宜備えていることが好ましい。本実施形態の充電装置10は、収容部30の底部に、発光ボール1を受けるボール受け面44を備えている(
図6等参照)。このボール受け面44は、発光ボール1の表面と点接触する傾斜面からなり、回転盤41および突起42による発光ボール1の姿勢変化を妨げず円滑に進行させる。
【0040】
充電効率検出手段は、発光ボール1への充電効率を検出する手段である。本実施形態の充電装置10においては、送電コイル20における電流値を電流センサ(
図9において符号50で示す)で測定することによって充電効率を検出している(
図9参照)。すなわち、充電時における充電効率が高いほど送電コイル20を流れる電流値が高くなることから(
図10参照)、当該電流値の測定結果を利用して充電効率を判断することが可能である。
【0041】
制御部60は、姿勢調整手段40を駆動して発光ボール1の姿勢を変化させながら該発光ボール1への充電効率(を表す値)を所定時間ごとに測定し、該充電効率のピーク値を判定する判定手段としても機能する。発光ボール1の姿勢を変化させている間に刻々と変わる充電効率のピーク値は、上述の電流センサ50による測定結果に基づいて判定することができる(
図9、
図10参照)。判定手段としての制御部60は、姿勢調整手段40における通電制御と、送電コイル20の電流値の測定データの統計処理とを実施してピーク値を判定する(
図10参照)。例えば、発光ボール1の姿勢を変化させる際には、意図的に共振周波数をずらすように通電制御することが、大電流が流れることを防止し、バッテリー4の劣化を抑制して寿命を延ばすことが可能になるという点で好ましい。また、充電開始時においては、最初は共振周波数をずらして電流量を少なめにして送り、バッテリー4が一定量溜まったところで共振周波数を高効率に合わせ急速充電を行うように通電制御することが好ましい。なお、ここではピーク値を判定すると説明したが(
図10参照)、極大値を判定してもよい。要は、ピーク値は、充電効率に優れる姿勢(位置関係)を探り出す際のパラメータとなるものであるから、同様に充電効率の優れる姿勢を探り出すことができるのであれば、極大値(ピーク値でない部分を含む)をパラメータとして利用するこが可能である。
【0042】
また、制御部60は、姿勢調整手段40(本実施形態の場合、回転盤41)を駆動して発光ボール1の姿勢を変化させながら該発光ボール1への充電効率を所定時間ごとに測定し、充電効率がピーク値の所定割合に達したときに姿勢調整手段40を停止させる停止手段としても機能する。例えば本実施形態では、所定時間ごとの充電効率の測定結果を制御部60にて監視し、該充電効率が所定の閾値を超えたときに駆動モータ43を停止させる。所定の閾値は、ピーク値の所定割合の値として設定される(
図10参照)。なお、ここでもピーク値を判定する場合について説明したが(
図10参照)、極大値を判定してもよいのは上述の説明と同様である。
【0043】
制御部60は、上述のように判定手段、停止手段としての機能するほか、発光ボール1の制御装置8と通信する機能も備えた制御装置である。このような制御部60は、当該充電装置10が例えばゲーム装置に組み込まれている場合であれば、当該ゲーム装置を統括的に制御するコンピューティングデバイス(より具体的には、コンピューティングデバイスのメインプロセッサとして機能するチップ(プロセッサコア))を備えたCPU)等で構成することができる(
図11の符号221参照)。また、制御部60は、上述したように姿勢調整手段40(を構成する駆動モータ43)における通電制御をも行う(
図9参照)。さらに、制御部60は、発光ボール1の制御装置8との間で信号を送受信するための赤外線通信装置231等の通信装置と接続されており、各発光ボール1と無線通信することが可能となっている。なお、
図11においてはメイン制御部(ゲーム制御装置)に接続された赤外線通信装置231を例示しているが、該赤外線通信装置231は充電装置10側に接続されていてもよい。また、充電装置10には、発光ボール制御装置(制御装置8)、発光ボール共振装置(発光ボール1を共振させる装置)、発光ボール赤外線通信装置(赤外線通信装置231)の3つがセットで組み込まれていてもよい。
【0044】
また、充電装置10は、収容部30に収容された発光ボール1を収容部30から排出するための排出機構70を備えている。本実施形態の排出機構70は、収容部30内にて昇降する昇降部材71、該昇降部材71を昇降させる排出用モータ72などで構成されており、発光ボール1を昇降部材71で押し上げて収容部30から排出する(
図6参照)。例えば上述したように、充電装置10がゲーム装置100の傾斜面に合わせて傾斜した状態で配置されている場合、昇降部材71で押し上げられて収容部30から排出された発光ボール1は、傾斜に沿って自動的に転動しはじめる。なお、本実施形態におけるように2つの収容部30が並ぶように配置された充電装置10においては、2つの収容部30におけるそれぞれの昇降部材71を単一の排出用モータ72によって駆動することもできる(
図5等参照)。この場合、とくに図示はしていないが、シーソーのように揺動する機構を利用してそれぞれの昇降部材71を交互に昇降させるようにしてもよい。
【0045】
ここで、以上の充電装置10における充電の仕組みについて簡単に説明したうえで、発光ボール1の充電効率に優れる姿勢の検出方法(位置合わせ方法)について説明する。
【0046】
上述したように、充電装置10の送電コイル20に電流を流すことで磁束が発生し、電磁誘導現象によって発光ボール1の受電コイル2にも電流が流れ、この結果、非接触方式にてバッテリー(充電池)4への充電が行われる(
図9等参照)。このとき、充電効率に優れる姿勢であれば、送電コイル20の電流量が増え、効率よく短時間にて充電することが可能となる。
【0047】
ここで、本実施形態では以下のようにして発光ボール1の充電効率に優れる姿勢の検出(位置合わせ)を行う。まず、充電量が空、もしくは空に近い発光ボール1を充電装置10の収容部30に収容する(
図6参照)。なお、収容部30に発光ボール1を収容することには、例えば転動する発光ボール1が収容部30に転落して収容されるといった態様が含まれる。また、発光ボール1の充電量が空、もしくは空に近い状態かどうかは、当該発光ボール1への無線通信を通じ、一定値より充電量が少ないか、あるいは無線通信ができない場合に、要充電状態にあると判断する。
【0048】
収容部30に発光ボール1を収容したら、駆動モータ43によって姿勢調整手段40の回転盤41を回転させ、収容部30内にて発光ボール1を回転させることにより、当該発光ボール1の姿勢を3次元的に変化させて位置出しを行う(
図7参照)。また、発光ボール1を回転させながら送電コイル20に電流を流し、充電効率検出手段たる電流センサ50によって充電効率を検出し、さらに判定手段および停止手段たる制御部60によってピーク値を判定し、記録する(
図9、
図10参照)。次に、記録された電流のピーク値を基準とし、該ピーク値の所定割合を閾値として設定する。閾値は、任意の値として設定することができる(
図10参照)。閾値を設定したら、再び発光ボール1を回転させ、充電効率が当該閾値以上の電流値となった時点で、当該姿勢が良充電となる姿勢であるとして駆動モータ43を停止させる(
図8参照)。その後、良充電である当該姿勢にて発光ボール1への充電を行う。
【0049】
上述のように、発光ボール1ごとに充電効率のピーク値を毎回探し出すことは、とくに、複数の発光ボール1を使用した場合におけるボール間の誤差を吸収することを可能にする点で好適である。また、形状や構造がもともと異なる複数の発光ボール1を同時に使用する場合にも、上述のように発光ボール1ごとに充電効率のピーク値を毎回探し出すようにすれば、各発光ボール1の差異も含めてピーク値を正確に探し出し、精度よく閾値を設定することが可能となる。
【0050】
なお、上述のように閾値を設定する際には、共振周波数を調整することでピーク値の値を別途決めることもできる。すなわち、充電装置10にも発光ボール1にもそれぞれ個体差があるため、ものによって共振周波数が若干異なることがあるが、充電装置10側で周波数を一旦掃引してやることで、当該発光ボール1との適切な充電用周波数を探索することができる。
【0051】
ここまで説明した充電装置10は、バッテリーを内蔵している被充電機器(充電対象)を充電するためのあらゆる装置に適用することが可能であることはいうまでもない。以下では、充電装置10が適用されうるゲーム装置の概略を説明し、さらに、当該ゲーム装置における発光ボール1の使用例を説明する(
図12等参照)。
【0052】
ゲーム装置(
図12等において符号100で示す)は、例えば、発光ボール1を転動させる傾斜面(図示省略)、該傾斜面に配置された複数の入賞口Wなどを備え、傾斜面を転動した発光ボール1がどの入賞口Wに入賞したかに応じてプレイヤーにメダル等を払い出すといったものである(
図12等参照)。入賞口Wは、例えばパチンコ遊戯機における、開閉入賞口(いわゆる「チューリップ」)のように形成されている。また、
図12等では詳しく図示してはいないが、複数の入賞口Wのそれぞれには上述した充電装置10が設けられており、入賞した発光ボール1を充電することが可能である。
【0053】
まず、ここで、ゲーム装置100のメイン制御部(ゲーム制御装置)の構成例について説明する(
図11参照)。
【0054】
メイン制御部は、例示的に、CPU(制御部)221と、記憶部222と、ブートROM223と、ペリフェラルインターフェース224と、バスアービタ225と、オーディオプロセッサ228と、オーディオメモリ229と、通信インターフェース(I/F)230とを備える。
【0055】
CPU221は、演算・制御能力を備えた制御手段の一例である。CPU221は、後述する記憶部222やオーディオプロセッサ228等の機能を備えることも可能である。CPU221は、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Siganl Processor)、ASIC(Application Specific Processor、特定用途向けプロセッサー)等で代用しても構わない。本実施形態のゲーム装置100において、CPU221は、発光ボール1の発光素子5の発光態様に基づいて遊戯の結果を判定する機能を併せ持つ。
【0056】
記憶部222には、例示的に、RAM(Random Access Memory)等の主記憶用に使われる高速な記憶手段と、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、SRAM(Static Random Access Memory)、磁気テープ装置、光ディスク装置等の補助記憶手段とが含まれる。
【0057】
記憶部222には、例えば、プログラムとデータとが記憶される。また、記憶部222には、ゲーム装置(遊戯装置)100をコンピューターとして機能させるOS(Operating System、図示せず)が記憶されており、プログラム等は、OSの各種API(Application Programming Interface)により、ゲーム装置100の各機能にアクセス可能である。
【0058】
プログラムは、ゲーム装置100としての各種機能を実現するゲームプログラムであり、例示的に、後述するフローチャートを実行するプログラムが含まれる。プログラムは、サーバからダウンロードしてアップデートしたり、ゲーム開始時にダウンロードしたりすることも可能である。
【0059】
データは、当該ゲームプログラム用の各種データであり、例えばスピーカ等の音声出力装置に出力する音楽データ等の、ゲーム実行に用いられるデータが含まれる。スピーカ等の音声出力装置は、オーディオプロセッサから出力された音声信号(音声情報)を、デジタルアンプ等で増幅して、音声出力する。なお、音声出力と並行に音声入力を可能にするマイク(音声入力装置)をゲーム装置100に備えてもよい。
【0060】
CPU221が、ゲームプログラムや各種データを記憶部222から読み込んで実行することによりゲーム装置100をコンピューターの一例として機能させて上記各種機能を実現することができる。
【0061】
ブートROM223は、ROMやNOR型フラッシュメモリやSRAM等の不揮発性記憶媒体である。ブートROM223は、ゲーム装置100の起動に用いられるプログラムやデータを記憶する。CPU221は、ブートROM223のプログラムやデータを読み出して、CPU221のマイクロコードの設定を行なったり、各部の初期化を行なったり、記憶部222からOS等を起動し、プログラムが実行されるような指示を行なったりする。ブートROM223には、通信I/F230のIPアドレス等を設定したり、各部の動作テストをしたり、メダルの枚数等をカウントしたりするプログラムやデータを記憶しておくこともできる。
【0062】
ペリフェラルI/F224は、各種周辺機器(ペリフェラル)を接続する、USB、IEEE1394、シリアル、パラレル、赤外線、無線等のインターフェースを提供する。ペリフェラルI/F224に接続可能な周辺機器の非限定的な一例は、メダル払出機構、メダルカプセル、ボール循環装置(搬送装置)、モータ(アクチュエータ)、プッシャ、クルーン、及び既述の各種センサ等が挙げられる。センサには、フォトリフレクタ等の光学的センサを用いることができる。
【0063】
各種センサによって検出された情報は、バスアービタ225を介してCPU221に与えられる。CPU221は、与えられた情報を基に、サテライト12のボール回収孔540を通じて落下したボールの有無、色、ボールがボールプール326からベースリフト328によって持ち上げられてセンターリフタ20へ搬送されるボールの色等、およびメダル投入の有無等を識別することができる。
【0064】
なお、ペリフェラルI/F224には、スティック型コントローラー、振動装置等のフォースフィードバック装置、タッチパッド、タッチパネル、キーボード、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス等を接続することもできる。また、ペリフェラルI/F224は、電源スイッチ等を制御することもでき、各種周辺機器の電源をオン/オフ制御して消費電力を抑えたりすることもできる。
【0065】
バスアービタ225は、いわゆる「チップセット」等の、各部を接続するバスI/Fを提供する集積回路である。バスアービタ225で接続される各部のバスのスピードは異なっていてもよく、上り/下りで非対称であってもよい。バスアービタ225には、通信インターフェース(I/F)230等の他、赤外線通信装置231が接続されている(
図11参照)。
【0066】
オーディオプロセッサ228は、例示的に、音楽や音声、効果音等を出力するPCM(Wave)音源等を備えたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)等である。オーディオプロセッサ228は、物理演算音源、FM音源等の計算を行ない、残響や反射等の各種音声効果を計算することもできる。オーディオプロセッサ228の出力は、D/A(デジタル・アナログ)変換され、デジタルアンプ等に接続されて、スピーカ等の音声出力装置で音楽や音声や効果音として再生される。オーディオプロセッサ228は、マイクから入力された音声の音声認識等にも対応することができる。
【0067】
オーディオメモリ229は、音楽や音声、効果音等のデジタルデータを記憶する記憶媒体である。オーディオプロセッサ228とオーディオメモリ229とは、一体化してもよい。
【0068】
通信I/F230は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)等のネットワークを介して各サテライト12との通信を可能にする。通信I/F230を介して、メイン制御部は、サテライト制御部と通信することができる。これにより、メイン制御部は、例えば、各サテライト12のゲーム状況(メダル投入数や、ジャックポット発生等の所定のゲーム条件が満たされたか否か等)を把握、管理したり、各サテライト12の表示部416の表示状態をゲーム状況に応じて制御したりすることができる。
【0069】
このようなゲーム装置100においては、発光ボール1に種々の仕掛けを施すことが可能である。例えば、遊戯中に発光素子5を点灯させることによっていわゆるアイキャッチ性能を向上させ、視認性、興趣性が増すようにすることができる。あるいは、発光ボール1が何かに接触して衝撃度(加速度)が所定値を超えた場合に一時的に点滅させたり、点滅のパターンを変更したり、発光色を変更したりすることができる。
【0070】
このような発光ボール1のより具体的な使用例ないし使用のタイミングとしては、以下のようなものを挙げることができる。
・メダルゲームにおける物理抽選の手段(発光ボール1がどの入賞口Wに入賞するかによって物理的な抽選を実施する)
・メダルゲームにおけるいわゆるジャックポット抽選用などでボールを目立たせたい時
・有線では不可能な動きをさせたい時
・外部からの照明ではトレースできない複雑な動き(例えば、外部から転がり続ける発光ボール1の位置を認識しながらそれに合わせて外部からスポットライトを当てるといった、複雑で追従が難しい動き)をさせたい時
【0071】
続いて、このような発光ボール1を利用したゲーム内容の例(発光ボール1を使ったゲーム抽選案など)を幾つか説明する。以下では、縦3列、横3列に配置された計9個の入賞口Wを有するゲーム装置100である場合について説明する(
図12〜
図17参照)。このゲーム装置100は、入賞口Wが配置されたフィールドの斜面(鉛直面を含む)に沿って各発光ボール1が転動し、あるいは落下するように構成されている。なお、フィールドの斜面には入賞口Wの他にも釘(ピン)やギミックが適宜設けられるが、本願の図面ではこれらを省略している。
【0072】
<ゲーム例1>
ハズレ孔(複数の入賞口Wのうち当選口に設定された以外のもの)に入賞するまで抽選を繰り返す抽選遊戯(ゲームルール)を実施するゲーム装置100である。このゲーム装置100においては、発光ボール1の色が、最初は赤であったものが青、そして緑、といったように徐々に変化する。この場合の発光ボール1の色はオッズ表と対応しており、同じ色が長く続くほどオッズアップ(配当率の増加)が期待できる。また、この場合における各発光ボール1の色は時間をパラメータとしてCPU221と紐付けされており、発光ボール1と逐次無線通信をせずとも、終了(各発光ボール1の移動終了、ゲーム自体の終了を含む)時における発光色は把握可能であるため、当該発光色を即座にゲーム結果に反映させることが可能である。
【0073】
<ゲーム例2>
ゲーム装置100には第一抽選機と第二抽選機とが設定されており、第一抽選機を通過した発光ボール1が第二抽選機へ運ばれ、当該発光ボール1を用いた物理抽選が実施される。この場合、第一抽選でオッズが決定し、第二抽選の結果如何で配当(払い戻し)があるかどうかがが決定する。具体例は、まず、発光ボール1の発光色をランダムかつ連続的に変え、その状態で第一抽選機に入賞した場合は虹色に光らせる等して当選を知らせ、尚かつ、第一抽選決定時の最初の要素(例えば発光ボール1に加わった衝撃)に従い発光色を固定し、この色をオッズ(配当率)とする。このようなゲームにおいては、上述した複数の入賞口Wが、第一抽選機と第二抽選機のいずれかとして機能する。具体的には、入賞口(チューリップ)Wの下部が開き、さらに下側に配置されている別の入賞口Wに向けて発光ボール1を排出するゲーム装置100等によってこのようなゲームを提供することが可能である(
図15参照)。
【0074】
<ゲーム例3>
ボールを利用した抽選機能をもつゲーム装置100であり、発光ボール1の発光色をRGB3色として規則的に変化させる。発光ボール1が入賞口Wに入賞したらそのタイミングで色の変化を止め、当該入賞口WがJP(ジャックポット)入賞口である場合、当該色に応じたジャックポット獲得(例えば発光色が赤ならレッドJP)とする。このゲーム装置100においては、JPの入賞口Wに発光ボール1が入るかという緊張感と、それが何枚のメダル払い出しのJPとなるかという緊張感と興趣性をプレイヤーへ与えることができる。
【0075】
<ゲーム例4>
発光ボール1と短・中距離無線通信が可能なゲーム装置100であり、当該発光ボール1をビンゴゲームで抽選に使うボールとして利用する(
図16参照)。例えば、発光ボール1の色をプレイヤーのアイテム(カード等)のオッズと関連付けてもよい。また、抽選途中で、転がる発光ボール1に対してプレイヤーが追加ベットできるようにしてもよく、こうした場合、追加ベットによって発光ボール1が自分に有利な色に変わるようにしてもよい。これによれば、ゲーム途中に追加ベットすることへの誘因が作用する。
【0076】
<ゲーム例5>
複数の抽選孔(入賞口W)を持つゲーム装置100である。発光ボール1が転動するフィールドには、小型の突起などの障害物を適宜配置されていてもよい。また、CPU221を用いたデジタル抽選を行い、使用される発光ボール1の個数が決定されるようにしてもよい。例えば、発光ボール1を1つずつ発射した後、いずれかの抽選孔に入るまで、障害物や壁に当接するたびに発光色を変化させ、さらに、抽選孔に入った衝撃で発光色の変化を止めて固定させてもよい。すべての発光ボール1が抽選孔に入った時点で、発光ボール1が入った順番・ボール発光色によりオッズが決定するようにしてもよい。
【0077】
<ゲーム例6>
ルーレットのような抽選孔に数値が指定されているボール抽選機を持つゲーム装置100である。入賞口W(抽選孔)の色をRGB3色として規則的に変化させてもよいし、変化させずに1色固定としてもよい。あるいは、入賞口Wの色を先に決めておいて、発光色が変化する発光ボール1が同じ色のときに入賞口Wに入ったら払い出し倍率がアップするようにしてもよいし(
図17参照)、例えば七色に光るボーナス発光ボールが入った入賞口Wは、同様に七色に光るようにしてもよい。また、発光ボール1については、ボール抽選機とは違うスピードで発光色を変化させ、最終的に抽選孔に入ったところで発光色を固定するようにしてもよい。また、ルーレットのベットとして、数字+赤白だけではなく、ボール色を追加することもできる。
【0078】
<ゲーム例7>
発光ボール1の発光色を、転がっている間は固定で、特定の抽選ポケット(ボール受け)やゲートを通過した場合のみ変化するようにしたゲーム装置100である。ポケット自体の発光色が発光ボール1の色に応じて変わるようにしてもよい(
図13参照)。また、発光ボール1の発光色を、入賞口Wに設置した通信機能を利用して用いてランダムに変更してもよいし、プレイヤーが任意の色を指定できるようにしてもよい(
図14参照)。ゲーム内容は、例えば、「特定のポケットに特定の色の発光ボール1を入れる」、「複数あるポケットを特定の色パターンに染める」等が達成された場合に得点ないしボーナスが得られるようにしたもの等とすることができる。
【0079】
また、上述したゲーム例1〜7のいずれかあるいは全部に共通する特徴ないし仕様として、以下のようにすることができる。
・CPU221により、発光ボール1の発光色に基づいてゲーム結果を判定する(ゲーム例1〜7)。
・CPU221および無線通信機能により、発光ボール1の発光色を所定時間ごとに変化させる(ゲーム例1、3、6)。
・発光ボール1は、筐体3に加わった衝撃を検出する衝撃検知センサ6(あるいは加速度センサ7)を備えており、CPU221が、発光ボール1の発光色を連続的かつランダムに変化させた後、筐体3に加わった衝撃を検出するとその時点での発光色に固定する(ゲーム例2、5)。
・発光ボール1は、CPU221との間で赤外線、電波等により信号を送受信する通信装置(図示省略)を備えており、CPU221が、外部からの無線通信により発光ボール1の発光色を変化させる(ゲーム例4、7)。
・発光ボール1の発光色を判断する方法として、(1)RF-IDを利用し、(2)通信を利用し、あるいは(3)カラーセンサーを利用する。これらについては、以下においてより詳細に説明する。
【0080】
<発光ボール1の発光色を判断し、ゲームに反映させる具体的方法>
(1)Rf-IDを利用
個体識別番号を搭載したRf-IDタグを各発光ボール1に搭載する。発光色は、抽選中においては変化させず固定する。色情報は、CPU221からの指定色で判断することができる。
・抽選前に、個体識別番号をRf-ID通信で読み込み、CPU221にて発光色を指定する。
・赤外線通信にて、発光ボール1に指定発光色を送信し、当該指定発光色に光らせる。
・発光ボール1が入った入賞口Wにて個体識別番号をRf-ID通信で判断する。
・どの入賞口Wに、どの色の発光ボール1が入ったのかをCPU221で判断する。
【0081】
(2)通信を利用
発光ボール1の発光色の変更やエラーなどで使用している赤外線通信を使用する。発光色は、固定させてもよいし、変化させてもよい。発光色に関する情報が、発光ボール1自体(の制御装置8)が持つ。
・抽選前に、通常の通信とパスワードロックを行い、パスワード解除まで通信を不可とする。
・発光ボール1が入賞口Wに入ったら、パスワード解除通信を行い、現在の発光色を判定する。
【0082】
(3)カラーセンサーを利用
発光ボール1の実際の発光色をカラーセンサーによって判断する。発光色は、固定させてもよいし、変化させてもよい。カラーセンサーによって発光色を随時判断することが可能であるため、発光ボール1の制御装置8も、充電装置10の制御部60も、発光色に関する情報は持たなくてよい。
【0083】
ここまで説明したように、上述のごとき充電装置10を備えた本実施形態のゲーム装置100においては、収容部30内にて発光ボール1の姿勢を変化させることによって、非接触充電時における送電部(送電コイル20)と受電部(受電コイル2)との位置関係を積極的に調節することができる。従来の装置は、充電対象たる電子機器の充電姿勢を積極的に変化させるものではなかった、別言すれば、球状である発光ボール1のように充電対象が転動しやすい不安定な形状であると、受電コイル2を床面に接することができないなど、充電に適した位置関係や状態を自然に確保することが困難であったのに対し、このように、良充電姿勢を見つけ出すまで積極的に姿勢を変化させる充電装置10によれば、球形である発光ボール1のように充電中の姿勢が定まり難いものを充電対象とした場合であっても、充電効率を上げながら充電することが可能である。しかも、姿勢変化時における充電効率の検出を、そもそも充電に必要な構成である送電コイル20を利用して実施していることは、装置の簡素化の面において有利である。
【0084】
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述した実施形態では、転動しやすい不安定な形状の充電対象として発光ボール1を例示したが、これは代表的な例にすぎず、この他にも、サイコロのようなもの、円筒形状のもの、錐体形状のもの等であっても充電対象とすることができることはいうまでもない。
【0085】
また、上述の実施形態では、姿勢調整手段40の具体例として、回転盤41によって充電対象たる発光ボール1を回転させる形態を説明したが、この他、例えば2軸に設けた振動モータで回転させるなど、充電対象の姿勢を3次元的に変化させるものであれば適宜の形態を用いてよい。
【0086】
また、上述の実施形態では、充電された電力によって発光したり無線通信したりする充電対象(発光ボール1)を例示したが、これらも代表的な例にすぎず、この他、電力を利用して音を発するようにすることもできるし、小型モータを利用して振動させるようにすることもできる。