(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる金属イオン酸性水添加装置の要部構成を表すブロック図である。
なお、
図1は、水路系と電気系の要部構成を併せて表している。
【0024】
本実施形態の金属イオン酸性水添加装置100は、流路101と、バルブ110と、酸性水生成装置120と、金属イオン水生成装置130と、添加装置140と、制御装置180と、を備える。
【0025】
流路101は、図示しない給水源から供給された水を添加装置140へ導く。バルブ110は、例えば開閉可能な電磁バルブである。バルブ110は、流路101の上流側に設けられ、制御装置180からの指令に基づいて水の供給を制御する。酸性水生成装置120は、バルブ110よりも下流側に設けられ、上水により酸性水を生成する。
【0026】
金属イオン水生成装置130は、酸性水生成装置120よりも下流側に設けられている。金属イオン水生成装置130は、酸性水生成装置120により生成された酸性水を金属部材により水処理を行う。
本願明細書において「水処理」とは、目的に適するように水に対して各種の処理を行うことをいうものとする。
具体的には、金属イオン水生成装置130は、酸性水生成装置120により生成された酸性水を使用し金属部材を溶融させ、酸性水に金属イオンを添加する。これにより、金属イオンが酸性水に添加された金属イオン酸性水が生成される。
【0027】
添加装置140は、金属イオン水生成装置130よりも下流側に設けられ、金属イオン酸性水を対象物に添加する。対象物は、例えば便器や洗面化粧台などのボウル501の表面、あるいはボウル501の表面に残った残水などである。
【0028】
図2は、本実施形態の金属イオン水生成装置を表す模式的斜視図である。
本実施形態の金属イオン水生成装置130は、格納部133と、金属部材134と、を有する。金属部材134は、格納部133の内部に設けられている。金属部材134には、機械処理が施されている。本願明細書おいて「機械処理」とは、プレス加工および機械加工の少なくともいずれかを含むものとする。プレス加工には、例えば、せん断、プレス抜き及び曲げなどが含まれる。機械加工には、例えば、切削および研削などが含まれる。本実施形態では、金属部材134は、機械処理により粉砕されている。そして、
図2に表したように、複数の金属部材134が格納部133の内部に設けられている。金属部材134は、例えば、四角の一辺が約10ミリメートル(mm)程度であって、厚さが約0.5mm程度の形状を有する。但し、金属部材134の形状は、これだけには限定されない。
【0029】
金属部材134には、例えば化学処理などが施されていてもよい。化学処理が施された場合には、化学処理が施された後の金属部材134の表面は、化学処理が施される前の金属部材134の表面よりも粗い。金属部材134の表面の粗さについては、算術平均粗さ(Ra)、最大高さ(Ry)および十点平均粗さ(Rz)の少なくともいずれかにより評価可能である。化学処理としては、例えば塩酸などの強酸による処理が挙げられる。例えば、金属部材134は、塩酸を含む溶液に約10〜20分間程度浸漬される。この場合には、塩酸を含む溶液に浸漬された後の金属部材134の表面は、塩酸を含む溶液に浸漬される前の金属部材134の表面よりも粗い。
【0030】
金属部材134の材料としては、アルミニウム(Al)を主成分とする材料が挙げられる。例えば、金属部材134には、アルミニウム合金(Al−Cu系合金、材料記号:A2000系)などが用いられる。但し、金属部材134の材料は、これだけには限定されない。
【0031】
酸性水生成装置120から供給された酸性水は、格納部133の内部に導かれる。そして、格納部133の内部に設けられた金属部材134は、格納部133の内部に導かれた酸性水により浸漬された状態となる。
【0032】
すると、酸性水に浸漬された金属部材134は、しばらくの時間をかけて溶融する。これにより、格納部133の内部の酸性水は、金属イオンを含む酸性水となる。つまり、金属イオン水生成装置130において、金属イオンを含む酸性水(金属イオン酸性水)が生成される。生成された金属イオン酸性水は、格納部133の内部へ新たに導入された酸性水により押し出され、下流側(添加装置140の側)へ放出される。
【0033】
図3は、本実施形態の酸性水生成装置を表す模式的断面図である。
本実施形態の酸性水生成装置120は、電解槽150を有する。電解槽150は、その内部に陽極板154および陰極板155を有し、制御装置180からの通電の制御によって、陽極板154と、陰極板155と、の間の空間(流路)を流れる水道水を電気分解できる。この際、陰極板155においては酸(H
+)が消費され、陰極板155の近傍ではpHが上昇する。すなわち、陰極板155の近傍では、アルカリ水が生成される。一方、陽極板154においてはアルカリ(OH
−)が消費され、陽極板154の近傍ではpHが下降する。すなわち、陽極板154の近傍では、酸性水が生成される。酸性水生成装置120により生成される酸性水のpH(potential Hydrogen)は、約1.0〜3.5程度である。
【0034】
そして、流路切替弁157は、制御装置180からの制御により、主として酸性水を金属イオン水生成装置130へ導く流路の開閉を行ったり、主としてアルカリ水を排水側へ導く流路の開閉を行う。すなわち、流路切替弁157は、酸性水のみではなく、金属イオン水生成装置130へ導く酸性水の量よりも少ない量のアルカリ水も金属イオン水生成装置130へ導く。一方、流路切替弁157は、アルカリ水のみではなく、排水側へ導くアルカリ水の量よりも少ない量の酸性水も排水側へ導く。
【0035】
図4は、本実施形態の陽イオン交換樹脂システムを表す模式的断面図である。
本実施形態の酸性水生成装置120は、電解槽150の下流側において、陽イオン交換樹脂システム160をさらに有していてもよい。酸性水生成装置120が陽イオン交換樹脂システム160を有する場合には、陽イオン交換樹脂システム160は、電解槽150の下流側であって、金属イオン水生成装置130の上流側に配置される。
【0036】
本実施形態の陽イオン交換樹脂システム160は、筐体161と、筐体161の内部に設けられた陽イオン交換樹脂163と、を有する。陽イオン交換樹脂163は、流路切替弁157を介して電解槽150から供給された水や溶液などに含まれる陽イオンを自身が有する水素イオンと交換し、水素イオンを放出する。このようにして、陽イオン交換樹脂システム160は、電解槽150から導かれた陽イオンを水素イオンと交換し、酸性水を生成して下流側へ放出する。
なお、本実施形態では、陽イオン交換樹脂システム160は、必ずしも設けられていなくともよい。
【0037】
図5は、本実施形態にかかる金属イオン酸性水添加装置の動作の概略を説明するタイミングチャート図である。
金属イオン水生成装置130が金属イオン酸性水を生成する場合あるいは添加装置140が金属イオン酸性水を対象物に添加する場合には、制御装置180は、まず、バルブ110を開く(タイミングt1)。続いて、制御装置180は、酸性水生成装置120の駆動を開始し、酸性水生成装置120に酸性水を生成させる(タイミングt2)。このように、制御装置180がバルブ110を開いた後に酸性水生成装置120の駆動を開始することで、酸性水生成装置120の内部(電解槽150の内部)が空の状態のときに酸性水生成装置120に電流が流れることを防止できる。
【0038】
続いて、制御装置180は、金属イオン酸性水の生成を終了するときあるいは金属イオン酸性水の添加物への添加を終了するときに、酸性水生成装置120の駆動を停止し(タイミングt3)、その後にバルブ110を閉じる(タイミングt4)。制御装置180が酸性水生成装置120の駆動を停止した後にバルブ110を閉じることで、酸性水生成装置120の内部(電解槽150の内部)が空の状態のときに酸性水生成装置120に電流が流れることを防止できる。
【0039】
ここで、金属イオン水生成装置130が金属イオン酸性水の生成を終了した後に、金属イオン水生成装置130の格納部133の内部の水が抜けると、金属部材134が空気中に存在することとなる。つまり、金属部材134が空気に曝される。金属部材134が空気中で待機すると、金属部材134の表面に酸化皮膜が形成される。そのため、後の金属イオン酸性水の生成の際に、金属イオンの生成が困難となる。すると、所望の金属イオン濃度の金属イオン酸性水が得られない。
【0040】
これに対して、本実施形態の制御装置180は、金属イオン水生成装置130が金属イオン酸性水の生成を終了した後に、酸性水生成装置120を停止させた状態でバルブ110を開く(タイミングt5)。所定時間T1が経過すると、制御装置180は、バルブ110を閉じる(タイミングt6)。
【0041】
これによれば、上水が金属イオン水生成装置130の格納部133の内部に通水される。そして、金属部材134は、通水された上水で浸漬された状態となる。そのため、金属部材134が空気中で酸化することを抑制することができる。これにより、金属部材134の表面に酸化皮膜が形成されることを抑制することができる。また、金属イオン水生成装置130における金属イオン水の生成機能の低下を抑え、所望の金属イオン濃度の金属イオン酸性水を得ることができる。
本願明細書において「上水」とは、pH(potential Hydrogen)が3〜10の水をいうものとする。
【0042】
すなわち、酸性水生成装置120により生成される酸性水のpHよりも高いpHの水が金属イオン水生成装置130の格納部133の内部に通水される。そして、金属部材134は、酸性水生成装置120により生成される酸性水のpHよりも高いpHの水で浸漬された状態となる。そのため、金属部材134が空気中で酸化することを抑制することができる。これにより、前述した効果が得られる。
【0043】
金属部材134は、上水で浸漬された状態で待機していても溶融する場合がある。すなわち、金属部材134は、酸性水と比較して中性に近い上水によっても溶融する場合がある。但し、上水により浸漬された状態における金属部材134の溶融量は、酸性水により浸漬された状態における金属部材134の溶融量よりも少ない。金属部材134の溶融により生成された金属イオンは、時間の経過とともに金属酸化物となり金属部材134の表面に析出し始める。これにより、同じ上水に浸漬された状態が長時間維持されると金属部材134の表面に酸化皮膜が形成される。
【0044】
これに対して、本実施形態の制御装置180は、金属イオン水生成装置130への通水を停止してから一定時間T2が経過すると、バルブ110を再び開く(タイミングt7)。所定時間T1が経過すると、制御装置180は、バルブ110を再び閉じる(タイミングt8)。
【0045】
これによれば、新たな上水が金属イオン水生成装置130の格納部133の内部に通水される。すると、金属部材134を浸漬している上水は、格納部133から排出される。そのため、金属部材134は、新たな上水で浸漬された状態となる。つまり、新たな上水による金属部材134の浸漬状態が維持される。これにより、生成された金属イオンで酸化皮膜が形成されることを抑制することができる。
【0046】
すなわち、酸性水生成装置120により生成される酸性水のpHよりも高いpHの新たな水が金属イオン水生成装置130の格納部133の内部に通水される。すると、金属イオンが溶融した水(酸性水生成装置120により生成される酸性水のpHよりも高いpHの水)は、格納部133から排出される。そして、金属部材134は、酸性水生成装置120により生成される酸性水のpHよりも高いpHの新たな水であって、金属イオンが溶融していない新たな水で浸漬された状態となる。つまり、酸性水生成装置120により生成される酸性水のpHよりも高いpHの新たな水による金属部材134の浸漬状態が維持される。これにより、同じ水に浸漬された状態が長時間維持されることによって酸化皮膜が形成されることを抑制することができる。
【0047】
金属部材134がアルミニウムを主成分とする材料から形成されている場合には、水垢の抑制、特にケイ酸成分の水垢の抑制に効果的なアルミニウムイオン酸性水を生成することができる。そのため、水垢に対してより高い抑制力を有する金属イオン酸性水添加装置を提供することができる。
【0048】
次に、本発明者が実施した検討の結果の例について、図面を参照しつつ説明する。
図6は、アルミニウムの水酸化物の生成についての検討結果の一例を例示するグラフ図である。
図6(a)は、各pHのpH調整水にアルミニウムをそれぞれ24時間浸漬させた後に測定したX線回折(XRD:X-ray diffraction)の結果の一例を表すグラフ図である。
図6(b)は、各pHのpH調整水にアルミニウムをそれぞれ48時間浸漬させた後に測定したX線回折の結果の一例を表すグラフ図である。
図6(a)および
図6(b)のそれぞれに表したグラフ図の横軸は、回折角2θ(度)を表す。
図6(a)および
図6(b)のそれぞれに表したグラフ図の縦軸は、回折強度を表す。
【0049】
本発明者は、本検討において、アルミニウムの金属部材を用意した。用意したアルミニウムの金属部材は、エッチング処理が表面に施されたアルミニウム箔(日本蓄電器工業製:104HD6B)である。アルミニウムの金属部材は、例えば機械処理などにより粉砕され、四角の一辺が約2mm程度の形状を有する。アルミニウムの金属部材の質量は、約3グラム(g)程度である。
【0050】
本発明者は、本検討において、pHを3、4、5、6、7、8、9および10に調整した水(pH調整水)をそれぞれ用意した。本発明者は、塩酸(和光純薬工業製:試薬特級)および水酸化ナトリウム(和光純薬工業製:試薬特級)の少なくともいずれかを用いることで各pHのpH調整水をそれぞれ10cc(cubic centimeter)ずつ生成した。
【0051】
まず、本発明者は、前述したアルミニウムの金属部材を各pHのpH調整水にそれぞれ浸漬させた。続いて、浸漬開始から任意の時間(本検討では24時間、48時間)が経過した後に、本発明者は、アルミニウムの金属部材をpH調整水から取り出し、約85度で乾燥させた。続いて、本発明者は、各pHのpH調整水にそれぞれ浸漬させたアルミニウムの金属部材をX線回折により測定した。
【0052】
図6(a)は、浸漬時間が24時間の場合におけるX線回折の結果の一例を表している。
図6(a)に表したグラフ図によれば、各pHのpH調整水において、アルミニウムの水酸化物(Al
2O
3・3H
2O)は、生成していない。この場合には、酸化皮膜が金属部材134の表面に形成されることはほとんどない。そのため、所望のアルミニウムイオン濃度のアルミニウムイオン酸性水を得ることができる。
【0053】
図6(b)は、浸漬時間が48時間の場合におけるX線回折の結果の一例を表している。
図6(b)に表したグラフ図によれば、pH3のpH調整水において、アルミニウムの水酸化物(Al
2O
3・3H
2O)が生成している。この場合には、酸化皮膜が金属部材134の表面に形成されることがある。そのため、所望のアルミニウムイオン濃度のアルミニウムイオン酸性水を得ることができないことがある。
【0054】
図7は、アルミニウムの水酸化物の生成についての他の検討結果の一例を例示するグラフ図である。
図8は、本検討における走査型電子顕微鏡によるアルミニウムの画像の一例を例示する表である。
図7に表したグラフ図の横軸は、浸漬時間(時間)を表す。
図7に表したグラフ図の縦軸は、pHを表す。
図8(a)は、pH7のpH調整水にアルミニウムを所定時間浸漬させた後に撮影した走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)の画像の一例を表す表である。
図8(b)は、pH3のpH調整水にアルミニウムを所定時間浸漬させた後に撮影した走査型電子顕微鏡の画像の一例を表す表である。
【0055】
本発明者は、本検討において、
図6に関して前述したアルミニウムの金属部材と同様のアルミニウムの金属部材を用意した。本発明者は、
図6に関して前述したpH3およびpH7のpH調整水と同様のpH調整水をそれぞれ用意した。
【0056】
まず、本発明者は、前述したアルミニウムの金属部材をpH3のpH調整水に浸漬させる前に、走査型電子顕微鏡によるアルミニウムの撮影およびX線回折によるアルミニウムの測定を行った。続いて、本発明者は、アルミニウムの金属部材をpH3のpH調整水に浸漬させた。続いて、浸漬開始から任意の時間が経過する毎に、pH調整水のpHの測定、走査型電子顕微鏡によるアルミニウムの撮影およびX線回折によるアルミニウムの測定を行った。本発明者は、pH3のpH調整水における検討と同様の検討をpH7のpH調整水についても実施した。
【0057】
図7は、pHの変化および走査型電子顕微鏡の画像の変化の一例を表している。
図8(a)は、pH7のpH調整水において、走査型電子顕微鏡によるアルミニウムの画像の一例を表している。
図8(b)は、pH3のpH調整水において、走査型電子顕微鏡によるアルミニウムの画像の一例を表している。
【0058】
図7に表したグラフ図によれば、pH3のpH調整水においては、浸漬開始から4時間が経過するまでに、pH調整水のpHが3から約4.8程度まで上昇する。浸漬開始から4時間が経過すると、pH調整水のpHは、しばらくの間略一定となる。浸漬開始から48時間が経過すると、pH調整水のpHは、再び上昇し、5よりも高くなる。浸漬開始から96時間が経過すると、pH調整水のpHは、約8.7程度になる。
【0059】
図8(b)に表したように、pH3のpH調整水において、浸漬開始から12時間が経過したときの走査型電子顕微鏡の画像は、浸漬開始前の走査型電子顕微鏡の画像と比較してあまり変化していない。浸漬開始から12時間が経過したときのX線回折の測定結果をみると、アルミニウムの水酸化物(Al
2O
3・3H
2O)は、生成していない。
【0060】
一方で、pH3のpH調整水において、浸漬開始から48時間および96時間が経過したときのそれぞれの走査型電子顕微鏡の画像は、浸漬開始前(浸漬時間:0時間)の走査型電子顕微鏡の画像と比較して変化している。
図7に表したように、浸漬開始から48時間および96時間が経過したときのそれぞれのX線回折の測定結果をみると、アルミニウムの水酸化物(Al
2O
3・3H
2O)が生成している。
【0061】
このように、pHが約3程度の水に浸漬された状態のアルミニウムは溶融する。アルミニウムの溶融により生成されたアルミニウムイオンは、時間の経過とともにアルミニウムの水酸化物(Al
2O
3・3H
2O)となりアルミニウムの表面に析出する。これにより、アルミニウムの表面に酸化皮膜が形成される。
【0062】
そのため、金属部材134(
図2参照)の空気中における酸化を抑制するための上水としてpHが3.5以下の水を用いる場合には、その上水は、pHが4.5以上になる前に格納部133(
図2参照)から排水されることがより好ましい。あるいは、その上水は、pHが4.5以上になる前に添加装置140へ通水されることがより好ましい。
【0063】
これによれば、金属イオン酸性水のpHが3.5以下であるため、格納部133の内部において金属部材134を効果的に溶融させることができる。一方、金属部材134の溶融により金属イオン酸性水のpHは、上昇する。酸性水のpHが上昇し、pHが4.5以上になると、生成した金属イオンが金属酸化物となり金属部材134の表面に析出しやすくなる。これに対して、本実施形態にかかる金属イオン酸性水添加装置100によれば、生成した金属イオンが金属酸化物となり金属部材134の表面に析出しやすくなる前(pHが4.5以上になる前)に、金属イオン酸性水は、格納部133から排水される。あるいは、金属イオン酸性水は、生成した金属イオンが金属酸化物となり金属部材134の表面に析出しやすくなる前(pHが4.5以上になる前)に添加装置140へ通水される。そのため、金属部材134の表面に酸化皮膜が形成されることを抑制することができる。
【0064】
一方で、
図7に表したグラフ図によれば、pH7のpH調整水においては、浸漬開始から48時間が経過するまで、pH調整水のpHは、略一定である。浸漬開始から48時間が経過すると、pH調整水のpHは、上昇し、約9程度になる。
【0065】
図8(a)に表したように、pH7のpH調整水において、浸漬開始から96時間が経過するまでのそれぞれの走査型電子顕微鏡の画像は、浸漬開始前(浸漬時間:0時間)の走査型電子顕微鏡の画像と比較してあまり変化していない。浸漬開始から96時間が経過するまでのそれぞれのX線回折の測定結果をみると、アルミニウムの水酸化物(Al
2O
3・3H
2O)は、生成していない。
【0066】
このように、pHが約7程度の水に浸漬された状態のアルミニウムの溶融量は、pHが約3程度の水に浸漬された状態のアルミニウムの溶融量よりも少ない。但し、浸漬開始から48時間が経過すると、pH調整水のpHは上昇する。アルミニウムは、pHが約7程度の水(中性に比較的近い上水)によっても溶融する場合がある。そのため、
図5に関して前述したように、金属部材134を浸漬している上水は、一定時間経過後に格納部133から排出されることがより好ましい。そして、新たな上水が格納部133に通水され、金属部材134は、新たな上水で浸漬された状態となることがより好ましい。
【0067】
図9は、上水の入替頻度の検討結果の一例を例示するグラフ図である。
図9(a)は、pH7の上水を4時間毎に入れ替えた場合のアルミニウムイオン濃度の変化の一例を例示するグラフ図である。
図9(b)は、pH7の上水を8時間毎に入れ替えた場合のアルミニウムイオン濃度の変化の一例を例示するグラフ図である。
【0068】
本発明者は、本検討において、
図6に関して前述したアルミニウムの金属部材と同様のアルミニウムの金属部材を用意した。本発明者は、所定の地域における水道水(pH7.1程度の上水)を用意した。
【0069】
本発明者は、アルミニウムの金属部材を前述したpH7.1程度の上水に浸漬させた。続いて、本発明者は、浸漬開始から4時間が経過する毎にpH7.1程度の上水を入れ替え、1日毎にアルミニウムイオン濃度を測定した。あるいは、本発明者は、浸漬開始から8時間が経過する毎にpH7.1程度の上水を入れ替え、1日毎にアルミニウムイオン濃度を測定した。
【0070】
図9(b)に表したように、上水を8時間毎に入れ替えた場合には、検討開始から3日目において、アルミニウムイオン濃度が1ppm(parts per million)よりも低くなった。検討開始から3日目のアルミニウムの走査型電子顕微鏡の画像をみると、アルミニウムの水酸化物(Al
2O
3・3H
2O)が生成していることが分かった。つまり、アルミニウムは、pHが約7程度の水(中性に比較的近い上水)によっても溶融する場合があることが分かった。
【0071】
これに対して、
図9(a)に表したように、上水を4時間毎に入れ替えた場合には、検討開始から4日間が経過しても、アルミニウムイオン濃度は、2ppm以上に維持されることが分かった。
【0072】
次に、本発明の他の実施の形態について説明する。
図10は、本発明の実施の形態にかかる水回り機器を表す模式図である。
なお、
図10においては、説明の便宜上、衛生洗浄装置を表す模式図は模式的平面図であり、洋式腰掛便器を表す模式図は模式的断面図である。
【0073】
本実施形態にかかる水回り機器としては、トイレ装置やキッチンや浴室や洗面化粧台などが挙げられる。以下では、水回り機器がトイレ装置である場合を例に挙げて説明する。
【0074】
図10に表したトイレ装置10は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)800と、その上に設けられた衛生洗浄装置500と、を備える。便器800は、ボウル801を有する。ボウル801の表面には、光触媒層が形成されている。衛生洗浄装置500は、ケーシング400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、ケーシング400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。なお、便蓋300は、必ずしも設けられていなくともよい。
【0075】
例えばケーシング400の下部には、噴霧ノズル(添加装置)473と、UV光源(照射手段)481と、が設けられている。噴霧ノズル473は、便器800のボウル801の表面に水や殺菌水を供給する。UV光源481は、ボウル801に紫外線(UV:ultraviolet)を照射する。噴霧ノズル473およびUV光源481は、ケーシング400の内部に設けられていてもよいし、ケーシング400の外部に付設されていてもよい。ケーシング400の内部には、
図1に関して前述した金属イオン酸性水添加装置100が設けられている。
なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
【0076】
ここで、便器洗浄の動作が終了した後にボウル801に残った残水が蒸発してボウル801の表面が乾燥すると、水垢がボウル801に付着することがある。通常、残水中の水分が蒸発する過程でケイ酸濃度が増加すると、ケイ酸の重合が促進される。これにより、コーヒーステイン現象(液滴中の溶媒の蒸発によって溶質が液滴の外郭へ流動しリング状に堆積する現象)が起き、強固な水垢が形成される。水垢がボウル801に付着すると、ボウル801が汚れてしまう。また、水垢はボウル801に強固に付着しているため、水垢を取り除くことは難しい。
【0077】
また、前述したように、本実施形態のボウル801の表面には、光触媒層が形成されている。本願明細書において、「光触媒」とは、光を照射すると、酸化作用および還元作用の少なくともいずれかが促進されるものをいう。あるいは、「光触媒」とは、光を照射すると、親水性が向上するものをいう。
【0078】
「光触媒」の材料としては、例えば、金属の酸化物を用いることができる。そのような酸化物としては、例えば、酸化チタン(TiOx)、酸化亜鉛(ZnOx)、酸化スズ(SnOx)などを挙げることができる。これらのうちでも、特に、酸化チタンは、光触媒として活性であり、また、安定性や安全性などの点でも優れる。
【0079】
光触媒を活性化させるためには、あるいは光触媒の活性を維持するためには、光触媒層が形成されたボウル801の表面に紫外線を定期的に照射する必要がある。すなわち、光触媒は、紫外線を照射されると、励起して酸化還元反応を生ずる。その結果、雑菌や細菌や臭気物質などの有機物を分解する分解作用と、表面が水に濡れやすい親水作用と、を得ることができる。光触媒層が形成されたボウル801は、汚物の付着を抑制したり、汚物を分解したり、付着した水垢を容易に除去できるため、便器800の清掃負担を軽減し、きれいな便器800を維持することができる。
【0080】
なお、本願明細書において、「紫外線」とは、可視光線よりも波長が短く、軟X線よりも波長が長い光をいう。具体的には、波長が10ナノメータ〜400ナノメータの光をいう。
【0081】
しかし、光触媒層の表面に水垢が形成されると、紫外線が水垢の下の光触媒層に照射されない。すると、光触媒の活性が著しく低下する場合がある。また、水膜がボウル801の表面に形成されている状態で、その水膜に紫外線が照射されると、ケイ酸の重合が促進される。そのため、光触媒層と強固に固着する水垢が形成される。これにより、その部位の光触媒の活性が著しく低下し、復元不能な場合がある。
【0082】
これに対して、本実施形態にかかるトイレ装置10は、所望の金属イオン濃度および所望の酸性度(pH)を有する金属イオン酸性水を生成しボウル801に残った残水に添加する。言い換えれば、本実施形態にかかるトイレ装置10は、ボウル801に残った残水を、金属イオンを含む酸性度の高い水溶液に置き換える。これによれば、ケイ酸の重合を抑制し水垢の生成を抑制することができる。また、生成した水垢を容易に除去することができる。
【0083】
これらの効果が得られる理由は、以下の如くである。但し、これは、本発明者が得た知見に基づく仮定あるいは仮説であり、本実施形態においてはこれに限定されるわけではない。
残水の酸性度を高くすると、残水中のケイ酸の重合の進行を抑制することができる。すると、水分が蒸発する過程で溶質濃度が増加してもコーヒーステイン現象が起こらず、溶媒が中央方向に流動する現象が観察された。そして、生成した水垢と基材との密着力は小さく、水垢を剥離し易いことが確認された。また、水垢の生成が抑制され、さらに生成した水垢を容易に除去できるという効果は、ケイ酸成分の水垢だけではなく、カルシウムイオン成分またはマグネシウムイオン成分の水垢に対しても得られる。
【0084】
酸性水のpHは、例えば約4以下である。あるいは、酸性水のpHは、例えば約pH1.5〜3.5程度である。この範囲の酸性度を有する酸性水であれば、水を電解する電解槽により酸性水の生成が可能である。そのため、例えば薬剤の補充等のメンテナンスが不要となる。
また、酸性水に金属イオンを添加する場合において、酸性水に含まれる金属イオンは、例えば、アルミニウムイオン(Al
3+)や銅イオン(Cu
2+)や銀イオン(Ag
+)や亜鉛イオン(Zn
2+)などである。このような金属イオンは、酸性水に添加されると、生成した水垢においてケイ酸(SiO
2)分子の間に介在する。そして、洗浄等により水が供給されると金属イオンが溶出する。すると、ケイ酸凝集体をより脆弱化させ、水垢を容易に除去できるようになると考えられる。金属イオンの濃度は、約3ppm以上である。
【0085】
次に、本実施形態にかかるトイレ装置10について、図面を参照しつつさらに説明する。
図11は、本実施形態にかかるトイレ装置の要部構成を表すブロック図である。
なお、
図11は、水路系と電気系の要部構成を併せて表している。
【0086】
図11に表したように、本実施形態にかかるトイレ装置10が備える衛生洗浄装置500は、給水手段401から供給された水をおしり洗浄ノズル439に導く第1の流路23を有する。第1の流路23の上流側には、バルブ413および熱交換器ユニット415が設けられている。バルブ413は、開閉可能な電磁バルブであり、ケーシング400の内部に設けられた制御装置180からの指令に基づいて水の供給を制御する。熱交換器ユニット415は、図示しない温水ヒータを有し、供給された水を加熱して所定の温水にする。
【0087】
バルブ413および熱交換器ユニット415の下流には、殺菌水生成装置417が設けられている。殺菌水生成装置417は、例えば次亜塩素酸などを含む殺菌水を生成する。なお、殺菌水生成装置417は、酸性水生成装置120が酸性水を生成する際には通電されず殺菌水を生成しない。殺菌水生成装置417の下流には、VB(バキュームブレーカ)付きストレーナ419が設けられている。VB付きストレーナ419を通過した洗浄水は、電磁ポンプ435および流量調整弁437を介しておしり洗浄ノズル439へ導かれる。そして、洗浄水は、おしり洗浄ノズル439に設けられた図示しない吐水口から便座200に着座した使用者の「おしり」などへ向かって噴射される。
【0088】
流量調整弁437は、おしり洗浄ノズル439や噴霧ノズル473への給水の開閉や切替を行う。第1の流路23は、流量調整弁437により、おしり洗浄ノズル439へ洗浄水などを導く流路(第1の流路23)と、噴霧ノズル473へ洗浄水や酸性水などを導く第2の流路25と、に分岐される。
【0089】
第2の流路25の上流側には、酸性水生成装置120が設けられている。酸性水生成装置120の下流側には、流路切替弁431が設けられている。
【0090】
本実施形態では、流路切替弁431は、酸性水生成装置120から供給されたアルカリ性水を便器800の排水管807(
図10参照)に直接排出する。これによれば、アルカリ性水が便器800のボウル801の表面に接触することがない。そのため、アルカリ性水が酸性水の殺菌作用を低減させることを抑制することができる。
あるいは、流路切替弁431は、本実施形態の水垢抑制効果を阻害しない範囲内において酸性水生成装置120から供給されたアルカリ性水を便器800へ流してもよい。
【0091】
また、流路切替弁431は、酸性水生成装置120から供給された酸性水を金属イオン水生成装置130へ導く。続いて、金属イオン水生成装置130は、酸性水生成装置120により生成された酸性水を使用し金属イオン酸性水を生成する。金属イオン水生成装置130により生成された金属イオン酸性水は、噴霧ノズル473へ導かれる。噴霧ノズル473は、金属イオン水生成装置130から供給された金属イオン酸性水をボウル801へ噴霧する。
【0092】
また、本実施形態の衛生洗浄装置500は、着座検知センサ455を有する。
着座検知センサ455は、使用者が便座200に着座する直前において便座200の上方に存在する人体や、便座200に着座した使用者を検知することができる。すなわち、着座検知センサ455は、便座200に着座した使用者だけではなく、便座200の上方に存在する使用者を検知することができる。このような着座検知センサ455としては、例えば、赤外線投受光式の測距センサなどを用いることができる。
【0093】
本実施形態によれば、水垢の生成を抑制可能な水回り機器を機器を提供することができる。また、金属部材137の表面に酸化皮膜が形成されることを抑制することができる水回り機器を機器を提供することができる。
【0094】
また、水垢の生成を抑制し、光触媒層の機能障害が生ずることを抑えることができる。金属イオン酸性水がボウル801の表面に噴霧された後に、UV光源481から紫外線が照射されると、光触媒の活性が低下することを抑制することができる。
【0095】
次に、本実施形態にかかるトイレ装置10の動作の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図12は、本実施形態にかかるトイレ装置の動作の具体例を例示するタイミングチャートである。
【0096】
まず、着座検知センサ455が便座200に着座した使用者を検知する前においては、UV光源481が定期的に所定時間だけ紫外線をボウル801に照射する(タイミングt1よりも前)。これは、前述したように、ボウル801の表面の光触媒を活性化させるため、あるいは光触媒の活性を維持するためである。例えば、紫外線の照射時間T11は、約2時間程度である。例えば、紫外線の照射間隔T12は、約4時間程度である。
【0097】
続いて、使用者は、便座200に着座し排泄行為を行う。続いて、着座検知センサ455が使用者の便座200からの離座を検知して(タイミングt12)から所定時間が経過すると、制御装置180は、バルブ413を開く(タイミングt13)。続いて、制御装置180は、酸性水生成装置120の駆動を開始し、酸性水生成装置120に酸性水を生成させる(タイミングt14)。このように、制御装置180がバルブ413を開いた後に酸性水生成装置120の駆動を開始することで、酸性水生成装置120の内部(電解槽150の内部)が空の状態のときに酸性水生成装置120に電流が流れることを防止できる。
【0098】
続いて、制御装置180は、第2の流路切替弁431を金属イオン水生成装置130の側へ切り替える(タイミングt15)。これにより、酸性水生成装置120により生成された酸性水が金属イオン水生成装置130の内部に導かれる。そして、金属イオン水生成装置130において、金属イオン酸性水が生成される。
【0099】
制御装置180が第2の流路切替弁431を金属イオン水生成装置130の側へ切り替えてから所定時間が経過すると、制御装置180は、第2の流路切替弁431を排水側へ切り替える(タイミングt16)。例えば、第2の流路切替弁431が金属イオン水生成装置130の側に維持される時間T13は、約25〜30秒間程度である。続いて、制御装置180は、酸性水生成装置120の駆動を停止し(タイミングt17)、その後にバルブ413を閉じる(タイミングt18)。制御装置180が酸性水生成装置120の駆動を停止した後にバルブ413を閉じることで、酸性水生成装置120の内部(電解槽150の内部)が空の状態のときに酸性水生成装置120に電流が流れることを防止できる。
【0100】
続いて、着座検知センサ455が使用者を検知していない場合であって、便器800の洗浄終了から所定時間(例えば約5〜10秒間程度)が経過すると、制御装置180は、バルブ413を開き、第2の流路切替弁431を金属イオン水生成装置130の側へ切り替える(タイミングt19)。これにより、金属イオン水生成装置130において生成された金属イオン水が噴霧ノズル473からボウル801の表面に噴霧される。そのため、ケイ酸の重合を抑制し水垢の生成を抑制することができる。また、生成した水垢を容易に除去することができる。
金属イオン水の噴霧開始から所定時間T14(例えば約5〜10秒間程度)が経過すると、制御装置180は、バルブ413を閉じ、第2の流路切替弁431を排水側へ切り替える(タイミングt20)。
【0101】
続いて、例えば、金属イオン水の噴霧終了(タイミングt20)から所定時間(例えば約8時間程度)が経過すると、制御装置180は、バルブ413を開き(タイミングt21)、酸性水生成装置120を停止したままで第2の流路切替弁431を金属イオン水生成装置130の側へ切り替える(タイミングt23)。制御装置180が第2の流路切替弁431を金属イオン水生成装置130の側へ切り替えてから所定時間が経過すると、制御装置180は、第2の流路切替弁431を排水側へ切り替える(タイミングt24)。続いて、制御装置180は、バルブ413を閉じる(タイミングt26)。
【0102】
これによれば、酸性水生成装置120を通過した水が金属イオン水生成装置130の格納部133の内部に通水される。そして、金属部材134は、通水された水で浸漬された状態となる。そのため、金属部材134が空気中で酸化することを抑制することができる。これにより、金属部材134の表面に酸化皮膜が形成されることを抑制することができる。また、金属イオン水生成装置130における金属イオン水の生成機能の低下を抑え、所望の金属イオン濃度の金属イオン酸性水を得ることができる。
【0103】
続いて、制御装置180がバルブ413を閉じて(タイミングt26)から所定時間(例えば約3分間)が経過すると、制御装置180は、タイミングt19およびt20に関して前述した動作と同様の動作を行う(タイミングt27およびt28)。これにより、金属イオン水生成装置130において生成された金属イオン水が噴霧ノズル473からボウル801の表面に噴霧される。そのため、ケイ酸の重合を抑制し水垢の生成を抑制することができる。また、生成した水垢を容易に除去することができる。
【0104】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、酸性水生成装置120および金属イオン水生成装置130などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや添加装置140およびUV光源481の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。