特許第6025051号(P6025051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6025051
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/26 20060101AFI20161107BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20161107BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   G06F1/26 335C
   H02J7/00 302A
   H02J7/34 A
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-7057(P2013-7057)
(22)【出願日】2013年1月18日
(65)【公開番号】特開2013-175168(P2013-175168A)
(43)【公開日】2013年9月5日
【審査請求日】2015年7月7日
(31)【優先権主張番号】特願2012-15188(P2012-15188)
(32)【優先日】2012年1月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100125874
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 純市
(72)【発明者】
【氏名】堀江 悟史
【審査官】 塩澤 如正
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−269851(JP,A)
【文献】 特開平07−193382(JP,A)
【文献】 特開平07−322527(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26 − G06F 1/32
G06K 17/00
H02J 7/00 − H02J 7/12
H02J 7/34 − H02J 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電源から供給される電源を入力可能な電源入力部と、
電池を電気的に接続可能な電池接続部と、
着脱可能な外部装置を電気的に接続可能な接続部と、
前記外部電源または前記電池からの前記外部装置への電源供給を制御する電源制御部と、を備え、
前記電源制御部は、前記接続部に前記外部装置が接続されたときに、前記外部電源から前記外部装置に電力を供給する前に、前記電源入力部から前記接続部への電源供給を停止し、前記電池から前記外部装置への電源供給を実施
前記外部装置への電源供給の停止から前記外部装置への突入電流が流れ終わるのに必要な所定時間経過後に前記電源入力部から前記接続部への電源供給を開始する
電子機器。
【請求項2】
前記接続部に前記外部装置が接続されたことを検出する検出部をさらに備え、
前記電源制御部は、前記検出部が前記接続部への前記外部装置の接続を検出したときに、前記電源入力部から前記接続部への電源供給を停止する、
請求項1記載の電子機器。
【請求項3】
外部電源から供給される電源を入力可能な電源入力部と、
電池を電気的に接続可能な電池接続部と、
着脱可能な外部装置を電気的に接続可能な接続部と、
前記外部電源または前記電池からの前記外部装置への電源供給を制御する電源制御部と、
前記接続部に前記外部装置が接続されたときの突入電流を検出する電流検出部と、を備え、
前記電源制御部は、
前記電流検出部が突入電流を検出したときに、前記電源入力部から前記接続部への電源供給を停止し、前記電池から前記外部装置への電源供給を実施し、
前記電流検出部が突入電流を検出してから前記外部装置への突入電流が流れ終わるのに必要な所定時間経過後に、前記電源入力部から前記外部装置への電源供給を開始する、
電子機器。
【請求項4】
前記外部装置は着脱可能な記録媒体である、請求項1または3に記載の電子機器。
【請求項5】
被写体を撮像し、画像データを生成する撮像装置であって、
外部電源から供給される電源を入力可能な電源入力部と、
電池を電気的に接続可能な電池接続部と、
着脱可能な外部装置を電気的に接続可能な接続部と、
前記外部電源または前記電池からの前記外部装置への電源供給を制御する電源制御部と、を備え、
前記電源制御部は、前記接続部に前記外部装置が接続されたときに、前記外部電源から前記外部装置に電力を供給する前に、前記電源入力部から前記接続部への電源供給を停止し、前記電池から前記外部装置への電源供給を実施
前記外部装置への電源供給の停止から前記外部装置への突入電流が流れ終わるのに必要な所定時間経過後に前記電源入力部から前記接続部への電源供給を開始する、
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外部からの電源供給および内蔵電池の充電が可能な電子機器に関し、特に外部機器を接続して利用可能な電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
内蔵電池からの電源供給を受けて動作することが可能な電子機器は、電池からの放電により出力電圧が低下した際に、誤動作が発生しないように、電子機器の電源をオフにする構成が取られている。このような電子機器において、電源をオンにしたときに、突入電流(ラッシュ電流)が発生する。この突入電流によって電源電圧が一時的に低下し、電源電圧の低下により、電源がオフにされてしまうという問題がある。このため、電源オン時の突入電流に起因して電源がオフとならないように、電源オン時の電源電圧低下を無視する構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、外部電源からの電源供給および内蔵電池の充電が可能な電子機器において、接続される外部電源の電源供給能力が不明な場合がある。このような外部電源から外部電源の電源供給能力以上の電流の供給を受けると、外部電源の出力電圧が低下してしまう。そのような場合に電子機器に誤動作や故障が発生しないように、外部電源の出力電圧を監視し、外部電源の出力電圧の低下が起こらないように、外部電源から供給される電流の上限値を制御する方法がある。例えば、電子機器が外部電源の出力電圧の低下を検出した場合には、電流の上限値を現在の値から引き下げるようにすることで、出力電圧の低下を防止し、電子機器を保護する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−47231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の電子機器においては、外部装置が接続された際の突入電流が大きい場合に、外部電源の能力を有効に活用できない可能性があるという課題があった。
【0006】
例えば、電子機器に特定のメモリカードが挿入されたときに、メモリカードへの突入電流が大きい場合、メモリカード自体が正常であっても、本来電子機器側で消費する電流以上の電流が一定時間流れる。このとき、従来の電子機器は外部電源の出力電圧の低下を検出し、電流の上限値を引き下げてしまう。このように、実際の外部電源能力と入力電流制限の閾値によっては、不必要に保護がかかってしまう。その結果、低下した上限値以下の電流しか供給されず、例えば電池の充電により長い時間を要する等、外部電源の能力を有効に活用できない可能性があった。
【0007】
本開示は、外部電源の供給能力を有効に活用可能な電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の電子機器は、外部電源から供給される電源を入力可能な電源入力部と、電池を電気的に接続可能な電池接続部と、着脱可能な外部装置を電気的に接続可能な接続部と、外部電源または電池からの外部装置への電源供給を制御する電源制御部とを備える。電源制御部は、接続部に外部装置が接続されたときに、外部電源から外部装置に電力を供給する前に、電源入力部から接続部への電源供給を停止し、電池から外部装置への電源供給を実施する。この電子機器は、例えば、被写体像を撮像して画像データを生成する撮像装置である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、外部電源からの電源供給中に外部装置が接続された場合の突入電流の影響を排除して、外部電源の供給能力を有効に活用する電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1の電子機器の構成を示すブロック図
図2】実施の形態1の電子機器の動作を示すフローチャート
図3】他の実施の形態の電子機器の構成を示すブロック図
図4】他の実施の形態の電子機器の構成を示すブロック図
図5】実施の形態1に開示した電源制御の思想を適用した撮像装置の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0012】
〔実施の形態1〕
実施の形態1の電子機器は、外部電源からの電源の供給を受けているときに電子機器に対して外部装置が接続されると、外部装置の接続を検出し、外部装置へ突入電流が流れている間は外部電源からの電源供給を一時停止する。これにより、外部装置接続時の突入電流に起因する外部電源の電圧の低下を防止する。以下、本実施形態の電子機器の構成および動作を説明する。
【0013】
〔1.電子機器の構成〕
以下、図1を用いて電子機器の構成を説明する。図1は、電子機器の構成を示すブロック図である。電子機器100は、電源入力部101と、電源入力制限部102と、充電制御部103と、電池接続部104と、情報処理部105と、外部記憶装置検出部106と、外部記憶装置接続部107とを備える。
【0014】
電源入力部101は、外部電力源からの電源供給を受け付ける端子である。電源入力部101は、専用のDCジャックでもよく、汎用のDCジャックでもよく、USB接続用の用端子でもよい。
【0015】
外部記憶装置接続部107は、メモリカードなどの外部記憶装置107b(外部装置の一例)が接続され、外部記憶装置107bに記録されたデータの読み出しや、外部記憶装置107bに対する情報処理部105で処理されたデータの書き込みを行う。外部記憶装置接続部107は例えばメモリカードを装着可能なカードスロットである。
【0016】
外部記憶装置検出部106は、外部記憶装置接続部107に外部記憶装置が接続されたことを電気的または機械的に検出し、検出信号を出力する。
【0017】
電源入力制限部102は、外部記憶装置検出部106の検出結果に応じて、電源入力部101からの、充電制御部103およびその後段の処理部への電源供給の実施および一時的な停止の制御を行う。
【0018】
充電制御部103は電池104bに対する充電動作の制御を行う。すなわち、充電制御部103は、電源入力部101から供給された電力を電池接続部104に接続された電池104bに対して供給し、電池104bを充電する。また、充電制御部103は、情報処理部105と、外部記憶装置検出部106と、外部記憶装置接続部107への所定の電圧での電源供給を行う。このとき、充電制御部103は、各部103、106、・・・に対する電力供給元を外部電力源または電池104bのいずれかに切り替える制御を行う。このように、充電制御部103は二種類の電圧(電池104bの充電のための電圧および情報処理部105等の駆動のための電圧)を出力可能である。
【0019】
さらに、外部電力源の電圧が一定の閾値を下回った場合、外部電力源の能力以上に充電制御部103に電流を供給していると判断できることに基づき、充電制御部103は、外部電力源の電圧を監視し、外部電力源の電圧が一定の閾値を下回った場合には、入力電流の上限値を段階的に低下させる制御も行う。充電制御部103は、例えば充電制御ICである。なお、充電制御部103は、電源入力部101と電源入力制限部102とともに、外部装置への電源供給を制御する電源制御部110を構成する。電源制御部110全体が1つの充電制御ICとして構成されてもよい。
【0020】
情報処理部105は、例えば、CPUなどを含み、CPUが所定のプログラムを実行することにより電子機器の主要な機能を実現するための各種処理を行う。情報処理部105は、ハードウェア回路のみでその機能を実現するよう構成されてもよい。
【0021】
なお、メモリカードなどの外部記憶装置107bは、外部装置の一例である。外部記憶装置接続部107は、接続部の一例である。外部記憶装置検出部106は、検出部の一例である。電源入力制限部102は、電源制御部の一例である。
【0022】
〔2.動作〕
図2は、電子機器100に外部電力源が接続されている場合に実施される動作を示すフローチャートである。なお、以下では、外部記憶装置107bとしてメモリカードを用いた例を説明する。
【0023】
電子機器100の電源入力部101に外部電力源が接続されている状態において、外部電力源の接続を確認し(S201)、外部電力源の接続が解除されたことが検出された場合(ステップS201において「NO」)は、本処理を終了する。
【0024】
一方、外部電力源の接続が継続している場合(ステップS201において「YES」)は、充電制御部103を介して、情報処理部105と、外部記憶装置検出部106と、外部記憶装置接続部107とに外部電力源から電源が供給される(ステップS202)。このとき、電池接続部104に接続された電池104bへの充電を行っても良いし、行わなくても良い。その状態において、外部記憶装置接続部107にメモリカード107bが接続されると、外部記憶装置検出部106によってメモリカード107bの挿入が検出される(ステップS203において「YES」)。外部記憶装置検出部106のメモリカードの検出情報は電源入力制限部102に送られる。電源入力制限部102は、その検出情報に基づき、その後段の処理部への外部電力源からの電力の供給を一時停止する(ステップS204)。そのとき、充電制御部103は、電池接続部104に接続された電池104bから、情報処理部105と、外部記憶装置検出部106と、外部記憶装置接続部107とに対して電力供給を行うよう電源の切り替え制御を行う。このとき、電池104bからメモリカード107bに対して、電子機器100の本来の負荷と比較して過大な電流である突入電流が流れる。しかしながら、本実施形態では、突入電流が流れている間、電源入力制限部102により、外部電力源からメモリカード107bへの電源供給を停止していることから、外部電力源の電圧が突入電流の影響を受けず、よって外部電力源の電圧の低下を防止できる。
【0025】
電源入力制限部102は、電源供給の停止から所定時間だけ経過したかどうかを確認する(ステップS205)。この所定時間は、電源入力制限部102において、メモリカード107bへの突入電流が流れ終わるのに十分長い時間に、あらかじめ設定されている。電子機器100に接続されたメモリカードの種類に応じて、消費電流が異なり、突入電流が流れ終わるまでの時間も異なる。よって、所定時間は、接続が想定されるメモリカードのいずれに対しても、突入電流が流れ終わるまでに十分となるような時間に設定する。
【0026】
所定時間が経過するまで(ステップS205において「NO」)は、ステップS205を繰り返す。電源入力制限部102が所定時間の経過を検出すると(ステップS205において「YES」)、電源入力制限部102は、その後段の処理部への外部電力源からの電力の供給を再開する(ステップS206)。このとき、充電制御部103は、その後段の処理部105、106、・・・への電源の供給先を電池104bから外部電力源に切り替える。そして、ステップS201へ戻り、上記の処理を繰り返す。
【0027】
上記のように、本実施形態では、外部電力源から充電制御部103の後段の処理部への電力供給が行われている場合に、外部記憶装置接続部107へのメモリカード107bの接続が検出されると、外部記憶装置接続部107に接続されたメモリカード107bへ流れる突入電流を電池104bから供給するようにしている。これにより、外部電力源から充電制御部103の後段の処理部への電力供給が行われている場合に、外部記憶装置接続部107にメモリカード107bが接続されても、外部電力源から過大な電流を流すことを避けることが可能となる。
【0028】
以上説明したような処理を行わない場合は、外部記憶装置接続部107にメモリカード107bを接続したときに、外部電力源から、メモリカード107bへの突入電流を供給することとなる。そのとき、充電制御部103の入力電流の上限値が外部電力源能力に対して大きい場合は、外部電力源から外部電力源の能力以上の電流が供給される。このため、外部電力源の電圧が低下し、充電制御部103は現在の入力電流の上限値では電流供給が過大であると判断して、入力電流の上限値を低減してしまう。
【0029】
ここで、以下の諸条件の元でUSB充電を行う場合に上記の電力制御を適用した場合の具体例を説明する。
・外部電力源の供給能力が5V800mA(4.0W)
・外部電力源から電力供給を行う場合における電子機器100の充電制御部103およびその後段の処理部での消費電力の最大値が3.5W、
・充電制御部103の入力電流の上限値を段階的に低減させる場合、5Vで、1.5A→900mA→500mA→100mAというステップで低減。
【0030】
外部記憶装置接続部107にメモリカード107bが接続されていなければ、外部電力源の供給能力に対して電子機器100の消費電力のほうが小さいため、充電制御部103による入力電流の上限値を低減する制御は行われない。よって、電子機器100の動作に必要な全電力は、外部電力源から供給されることが可能である。
【0031】
一方、外部記憶装置接続部107にメモリカード107bが接続されたときは、本実施形態のような処理を行わない場合、電子機器100の本来の消費電力にメモリカード107bへの突入電流を加えた電力が、外部電力源から電子機器100に対して一時的に供給される。このとき、外部電力源は実際の能力を越えた電力を供給した時点で電圧低下を生じてしまう。これにより、充電制御部103は外部電力源の電圧低下がなくなるまで入力電流の上限値を低減させ、最終的には上限値が500mA(外部電力源の供給能力である800mAを下回る値)にまで低減する。つまり、メモリカード107bへの突入電流が流れ終わった後は、メモリカード107bの接続前とは異なり、外部電力源から電子機器100に対して全電力を供給できなくなってしまい、外部電力源の能力を有効に使用できないこととなる。
【0032】
そこで、本実施の形態の構成により、メモリカード107bの接続時に、外部電力源からメモリカード107bへの突入電流を流さないようにすることで、メモリカード107bの接続により充電制御部103による入力電流の上限値を低減させる制御が不用意に機能してしまうことを防止し、外部電源能力を有効に使用することが可能となる。
【0033】
以上のように、本実施形態の電子機器100は、外部電源から供給される電源を入力可能な電源入力部101と、電池104bを電気的に接続可能な電池接続部104と、着脱可能な外部装置(例えば、メモリカード)107bを電気的に接続可能な外部記憶装置接続部(例えば、カードスロット)107と、外部電源または電池104bからの外部装置107bへの電源供給を制御する電源制御部110と、を備える。電源制御部110は、外部記憶装置接続部107に外部装置107bが接続されたときに、外部電源から外部装置107bに電力を供給する前に、電源入力部101から外部記憶装置接続部107への電源供給を停止し、電池104bから外部装置107bへの電源供給を実施する。
【0034】
以上の構成により、外部装置107bの電子機器100への接続時において、外部装置107bにおいて発生する突入電流が終了後に、外部電源から外部装置107bへの電源の供給が開始される。これにより、外部装置107bの電子機器100への接続時に外部装置107bにおいて発生する突入電流に起因した外部電源の電圧低下を防止できる。すなわち、本実施形態の電子機器によれば、外部装置107bの電子機器100への接続時に流れる突入電流による外部電源の電圧低下に起因する問題を防止できる。
【0035】
〔3.他の実施の形態〕
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0036】
上記実施の形態において、電源入力制限部102および充電制御部103は、各々上記のような機能および構成を有するものとして説明したが、一方の処理部の持つ機能および構成の一部が他方の処理部に含まれるような構成としてもよい。
【0037】
上記実施の形態において、充電制御部103および情報処理部105は、各々上記のような機能および構成を有するものとして説明したが、一方の処理部の持つ機能および構成の一部が他方の処理部に含まれるような構成としてもよい。
【0038】
上記実施の形態(図1に示す構成)において、充電制御部103は二種類の電圧(電池104bの充電のための電圧および情報処理部105等の駆動のための電圧)を出力可能であった。充電制御部が1種類の電圧しか出力できない場合は、電池接続部104を図3に示すように充電制御部103bに接続してもよい。図3のような構成とした場合には、外部電力源から情報処理部105への電力供給時に、電池接続部104に接続された充電制御部103bを介して電池104bへの充電動作も同時に行われるようにする。
【0039】
上記実施の形態において、メモリカードで発生する突入電流を検出する手段として、外部記憶装置検出部106によりメモリカードの接続を物理的に検出することを説明したが、図4に示すように外部記憶装置107bに流れる電流を検出する過電流検出部406(突入電流検出部の一例)を設けてもよい。過電流検出部406によってメモリカードへの突入電流を検出して、一定時間経過するまで外部電源からの給電を一時停止するようにしても構わない。
【0040】
上記実施の形態において、外部装置の一例として、メモリカードのような記憶装置を例に挙げて説明したが、外部装置はこれに限らず、着脱可能な他の機器でもよい。例えば、外部装置は、無線モジュールやGPSモジュールであってもよい。または、外部装置は、デジタルカメラに取り付けられるアクセサリ(例えば、電子ビューファインダ、フラッシュ)であってもよい。
【0041】
上記実施の形態において、本実施の形態のような電力供給の切り替え制御を実施するタイミングを決定するために、外部装置107bとしてのメモリカードが接続されたことを検出した。外部装置(メモリカード)が接続されたタイミングで本実施の形態のような制御を行う代わりに、突入電流が発生する他の動作のタイミングに基づき電力供給の切り替え制御を行うようにしても良い。例えば、メモリカードを物理的に接続した直後には突入電流は発生せず、メモリカードへの電源供給を開始(オン)したときに突入電流が発生する。よって、メモリカードへの電源供給の実際のタイミングに合わせて電力供給の切り替え制御を行うようにしてもよい。
【0042】
上記実施の形態において説明した電源制御の思想は、種々の電子機器に適用できる。例えば、デジタルカメラ、ムービーカメラ、スマートフォンのような画像を撮像する機能を有する撮像装置に適用できる。図5は、図1に示す電源制御の構成を適用した撮像装置の構成を示す図である。撮像装置500は、光学系を介して入射した被写体像を撮像センサにより撮像して画像信号を生成する。生成された画像信号は画像処理プロセッサで処理され、メモリカード107bに記録される。図5では、主として、撮像装置における電源制御に関する構成のみを示しており、レンズを含む光学系や撮像センサ等は省略している。撮像装置500は、撮像装置500の全体動作を制御するコントローラ501と、コントローラ501以外の電力を消費する負荷511とを含む。負荷511は、撮像センサで生成された画像信号を処理するための画像処理プロセッサ、および光学系を駆動するためのアクチュエータ等の電力を消費する回路や部材を含む。図1に示す情報処理部105が図5に示すコントローラ501に対応する。外部電源または電池104bからの電力がコントローラ501および負荷511に供給される。図5では、撮像装置に対して図1に示す電源制御の構成を適用した例を説明したが、図3または図4に示す電源制御の構成も撮像装置に適用可能であることは言うまでもない。
【0043】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0044】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0045】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本開示の電子機器は、外部電源の供給能力を有効に活用可能である。このため、本開示の思想は、メモリカードのような外部装置が取り付け可能な、デジタルスチルカメラ、ムービーカメラ、携帯電話等の電子機器に対して適用可能である。
【符号の説明】
【0047】
100、100b、100c 電子機器
101 電源入力部
102 電源入力制限部
103、103b 充電制御部
104 電池接続部
104b 電池
105 情報処理部
106 外部記憶装置検出部
107 外部記憶装置接続部
107b 外部記憶装置
406 過電流検出部
図1
図2
図3
図4
図5