(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、本発明の印刷装置をハンディ型印字ラベル作成装置に適用した場合を説明する。なお、図面中に「前」「後」「左」「右」「上」「下」の注記がある場合は、明細書中の説明における「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、その注記された方向を指す。
【0017】
まず、
図1を参照しつつ、本実施形態のハンディ型印字ラベル作成装置の全体構成を説明する。
【0018】
図1に示すように、ハンディ型印字ラベル作成装置1(印刷装置)は、操作者の手により把持されるハンディ型の印字ラベル作成装置である。このハンディ型印字ラベル作成装置1の筐体6は、装置前面を構成する前カバー6Aと、装置後面を構成する後カバー6Bとで構成されている。
【0019】
前カバー6Aの上側には、各種表示を行うための液晶表示部2(第1表示手段、第2表示手段)が設けられている。液晶表示部2の前面は、例えば透明のアクリル板等で構成されたカバーパネル2Aにより覆われている。液晶表示部2の下側には、各種操作を行うためのキーボード部3が設けられている。キーボード部3には、文字(記号や数字も含む)を入力するための文字キー3aや、各種機能キー3bが含まれている。
【0020】
後カバー6Bは、後カバー本体6B1と、後カバー本体6B1から取り外し可能な着脱カバー6B2とで構成されている。後カバー本体6B1の右側上端には、印字済みラベル用テープ80(後述の
図4参照)を切断するカッタ(図示せず)を駆動するためのカットボタン4が設けられている。
【0021】
次に、
図2及び
図3を参照しつつ、ハンディ型印字ラベル作成装置1の内部構造を説明する。
【0022】
図2及び
図3に示すように、後カバー本体6B1の後側上部には、凹状のカートリッジホルダ7が設けられている。カートリッジホルダ7には、カバーフィルム51及び基材テープ53(いずれも後述の
図4参照)を供給するカートリッジ31が着脱される。
【0023】
カートリッジホルダ7の下側には、モータ21(後述の
図5参照)を収納するモータ収納部5が設けられている。モータ収納部5の下側、つまり後カバー本体6B1の下部には、乾電池8を収納するための電池収納部9が設けられている。モータ21は、乾電池8から供給される電力により駆動され、リボン巻取スプール57やプラテンローラ182、押圧ローラ192(いずれも詳細は後述)を駆動する。
【0024】
カートリッジホルダ7の上側には、印字済みラベル用テープ80を外部へ排出するためのテープ排出スリット24が設けられている。また、カートリッジホルダ7の右側上部には、ローラホルダ17(詳細は後述)が設けられ、ローラホルダ17の後側には、板状形状の板部25が設けられている。板部25の上部には、開口部である突起部挿入口10が設けられている。上記着脱カバー6B2が後カバー本体6B1に着脱されることで、当該着脱カバー6B2に設けられた突起部(図示せず)が突起部挿入口10に挿抜される。これにより、ローラホルダ17を、印刷位置(後述の
図4に示す位置)へ移動させたり、待機位置(図示せず)へ移動させることができる。
【0025】
また、後カバー本体6B1の上端部にはロック穴11が設けられ、下端部にはロック穴12が2箇所設けられている。上記着脱カバー6B2が後カバー本体6B1に取り付けられた際に、当該着脱カバー6B2に設けられたロック部材(図示せず)がそれぞれロック穴11,12に嵌め込まれる。これにより、着脱カバー6B2の自然開放が防止される。
【0026】
カートリッジホルダ7の底面は、フレーム13で構成されている。フレーム13の右端部であるフレーム端131は、リブ30及びローラ軸20(いずれも詳細は後述)のさらに右側に設けられている。フレーム13の略中央部には、凹状のギア用凹部26が設けられ、ギア用凹部26には、ギア214が設けられている。ギア用凹部26の下側にはギア用凹部第1開口261が設けられ、ギア用凹部26の上側にはギア用凹部第2開口262が設けられている。ギア214は、ギア用凹部第1開口261及びギア用凹部第2開口262を介し、フレーム13の前側の面にそれぞれ設けられたギア(図示せず)とそれぞれ噛合されている。このギア214の後側には、インクリボン55(後述の
図4参照)を巻き取るためのリボン巻取軸14が立設されている。この構成により、モータ21の動力が上記複数のギアにより伝達され、ギア214とリボン巻取軸14とが回転する。ギア214及びこれと噛合する上記2つのギアを含むフレーム13の前側の面に設けられた複数のギアを回転可能に支持するギア軸(図示せず)は、フレーム13と一体として形成されている。
【0027】
なお、
図3中では、説明のためにギア214の歯部を露出させた状態を表しているが、実際には、ギア214の歯部は、隠蔽用傘部(図示せず)により覆われて露出しない構造となっている。
【0028】
リボン巻取軸14の右側には、リブ30が立設されている(
図4も参照)。リブ30の右側面には、矩形状のヒートシンク15が設けられている。ヒートシンク15の右側面には、複数の発熱素子を有するサーマルヘッド16(後述の
図4参照)が設けられている。
【0029】
また、リブ30とテープ排出スリット24との間には、ローラ軸20がフレーム13に立設されている。ローラ軸20は、フレーム13と一体として形成されている。このローラ軸20は、円柱状の円柱部201と、円柱部201の外周から外側に向かって放射状に形成された6個のリブ202とで構成されている(後述の
図4も参照)。また、ローラ軸20は、カートリッジ31に設けられたテープ搬送ローラ39の軸孔391(後述の
図4参照)に挿入され、当該テープ搬送ローラ39を回転可能に支持する。ローラ軸20の左側には、凸部27が立設されている。凸部27は、カートリッジ31の凹部(図示せず)に挿入されることで、カートリッジ31の前後方向の位置決めをするものである。
【0030】
次に、
図4を参照しつつ、カートリッジ31の内部構造を説明する。
【0031】
図4に示すように、カートリッジホルダ7に装着されたカートリッジ31のカートリッジケース33内の左側下部には、透明フィルム状のカバーフィルム51(被印字テープ)を巻回したカバーフィルムスプール52が回転可能に配置されている。カバーフィルムスプール52から繰り出されたカバーフィルム51は、カートリッジ開口371へ向けて案内され、当該カートリッジ開口371から送出される。
【0032】
カートリッジケース33内の右側下部には、インクリボン55を巻回したリボンスプール56が回転可能に配置されている。リボンスプール56から繰り出されたインクリボン55は、カートリッジ開口371へ向けて案内され、当該カートリッジ開口371からカバーフィルム51と共に送出される。
【0033】
カバーフィルムスプール52とリボンスプール56との間には、リボン巻取スプール57が回転可能に配置されている。上記モータ21から動力を伝達された上記ギア214が回転することで、当該ギア214の後側に立設されたリボン巻取軸14が回転し、リボン巻取スプール57が回転する。これにより、リボンスプール56からインクリボン55を引き出すと共に、消費されたインクリボン55を巻き取る。
【0034】
カートリッジケース33内の上部には、基材テープ53を巻回した基材テープスプール54が回転可能に配置されている。基材テープスプール54から繰り出された基材テープ53は、テープ搬送ローラ39へ向けて案内され、当該基材テープ53と印字済みのカバーフィルム51とが、テープ搬送ローラ39と押圧ローラ192(詳細は後述)とにより圧着されて印字済みラベル用テープ80となり、テープ排出口59へ向けて搬送される。
【0035】
また、カートリッジホルダ7に装着されたカートリッジ31の右側には、プラテンローラユニット18と押圧ローラユニット19とを備えたアーム状のローラホルダ17が、軸支部171を中心に左右方向に揺動可能に設けられている(
図3も参照)。上記着脱カバー6B2が取り付けられると、上記突起部によりローラホルダ17がカートリッジ31方向へ移動される。これにより、ローラホルダ17に設けられた押圧ローラユニット19とプラテンローラユニット18とが印刷位置(
図4に示す位置)へ移動する。
【0036】
プラテンローラユニット18は、ヒートシンク15の右側に配置されている。このプラテンローラユニット18には、プラテンローラ182とプラテンローラ用ギア181(
図3参照)とが設けられている。プラテンローラ182は、ヒートシンク15の右側面に設けられたサーマルヘッド16(印字手段)に対向する位置に配置されている。サーマルヘッド16は、プラテンローラ182や押圧ローラ192等により搬送されるカバーフィルム51に対し、所望の文字列(1文字も含む)やバーコード(一次元コード及び二次元コードの両方を含む)等の印字オブジェクトの印字を行う。なお、プラテンローラ182及び押圧ローラ192が、搬送手段を構成する。プラテンローラ用ギア181は、フレーム13の前側に設けられたギア(図示せず)に噛合されており、上記モータ21から動力を伝達されたプラテンローラ用ギア181が回転することで、プラテンローラ182が回転する。これにより、プラテンローラユニット18が印刷位置へ移動した際に、プラテンローラ182は、カバーフィルム51とインクリボン55とをサーマルヘッド16に対し押圧しつつ、印字済みのカバーフィルム51をその回転により押圧ローラユニット19の方向へ搬送する。
【0037】
押圧ローラユニット19には、押圧ローラ192と押圧ローラ用ギア191(
図3参照)とが設けられている。押圧ローラ192は、ローラ軸20に対向する位置に配置されている。押圧ローラ用ギア191は、フレーム13の前側に設けられたギア(図示せず)に噛合されており、上記モータ21から動力を伝達された押圧ローラ用ギア191が回転することで、押圧ローラ192が回転する。これにより、押圧ローラユニット19が印刷位置へ移動した際に、押圧ローラ192は、カバーフィルム51と基材テープ53とを、ローラ軸20に回転可能に支持されたテープ搬送ローラ39に対し押圧する。これにより、印字済みのカバーフィルム51と基材テープ53とが圧着され印字済みラベル用テープ80となり、テープ排出口59からカートリッジ31の外部へ排出される。その後、印字済みラベル用テープ80は、上記テープ排出スリット24へ向けて案内され、当該テープ排出スリット24からハンディ型印字ラベル作成装置1の外部へ排出される。
【0038】
次に、
図5を参照しつつ、ハンディ型印字ラベル作成装置1の制御系を説明する。
【0039】
図5に示すように、ハンディ型印字ラベル作成装置1の制御基板(図示せず)上には、制御回路40が配置されている。制御回路40には、CPU44が設けられ、CPU44には、ROM46、RAM48、EEPROM47、及び入出力インターフェース41がデータバスを介して接続されている。なお、EEPROM47に代えて、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いてもよい。
【0040】
ROM46には、ハンディ型印字ラベル作成装置1の制御上必要な各種プログラムが格納されている。CPU44は、このROM46に記憶されている各種プログラムに基づき、各種演算を行う。
【0041】
RAM48は、CPU44による各種演算結果を一時的に記憶する。このRAM48には、ラベルイメージメモリ48A等が設けられている。
【0042】
EEPROM47は、各種情報を記憶する。
【0043】
入出力インターフェース41には、サーマルヘッド駆動回路61、モータ駆動回路63、キーボード部3、液晶表示部2等が接続されている。
【0044】
サーマルヘッド駆動回路61は、サーマルヘッド16を駆動する。
【0045】
モータ駆動回路63は、モータ21を駆動することで、上記ギア214を回転させる。ギア214が回転することで、上記リボン巻取軸14が回転し、リボン巻取スプール57が回転する。また、ギア214の回転は、上記プラテンローラ用ギア
181及び押圧ローラ用ギア191へ伝達され、当該プラテンローラ用ギア
181及び押圧ローラ用ギア191が回転することで、プラテンローラ182及び押圧ローラ192が回転する。
【0046】
このような制御回路40を核とする制御系において、操作者がキーボード部3を介し所定のラベル作成指示を入力すると、モータ駆動回路63及びモータ21を介しプラテンローラ182及び押圧ローラ192等が駆動され、カバーフィルム51等の搬送が行われる。また、これと同期して、サーマルヘッド駆動回路61を介しサーマルヘッド16の複数の発熱素子が選択的に発熱駆動され、上記搬送されるカバーフィルム51に対し、印字オブジェクトの印字が行われる。これにより、最終的に、印字オブジェクトがカバーフィルム51に形成された印字ラベル(印刷物)が作成される。
【0047】
ここで、ハンディ型印字ラベル作成装置1は、複数の印字ラベルを、プラテンローラ182及び押圧ローラ192等の搬送方向に沿った所定の順序で連続的に作成可能である。このとき、各印字オブジェクトを配置しかつ各印字オブジェクトごとに(言い換えれば、印字オブジェクト単位で)種々の印刷態様の設定を可能とするために、本実施形態では、1つの印字ラベルに関しテープ長さ方向に複数個設定可能な複数のブロックが各印字ラベルにおいてテープ長さ方向に配列され、各ブロックに1つの印字オブジェクトが配置される。また、本実施形態では、各ブロックの印字オブジェクトは、上記のように複数の印字ラベルが連続的に作成されるときに、所定の規則性に沿ってインクリメント可能な印字用識別子を含んでいる。例えば、印字オブジェクトが文字列である場合には、当該文字列に含まれる数字やアルファベット等が印字用識別子であり、印字オブジェクトがバーコードである場合には、数字やアルファベット等を表す当該バーコード自体が印字用識別子である。そして、本実施形態の最大の特徴は、複数の印字ラベルを連続的に作成するときに、1つの印字ラベルにおける各ブロックの印字オブジェクトに含まれる印字用識別子を、各印字ラベルごとに(言い換えれば、印字ラベル単位で)インクリメントすることにある。以下、その詳細を、
図6及び
図7を参照して具体例を挙げつつ順次説明する。
【0048】
例えば、適宜の画面(図示せず)が液晶表示部2に表示された状態で、操作者が、キーボード部3を介し、1つの印字ラベルにおける上記ブロックの数量設定操作を行うと、その設定操作が受け付けられる。その後、操作者が、キーボード部3を介し、上記受け付けられた数量のブロックそれぞれに配置される上記印字用識別子を含む印字オブジェクトの入力操作を行うと、その入力操作が受け付けられる。そして、操作者が、キーボード部3を介し、上記受け付けられた数量のブロックそれぞれに対する互いに異なる印刷態様の設定操作を行うと、その設定操作が受け付けられる。なお、ここでの印刷態様設定の例としては、例えば、書式設定(フォント、フォントサイズ等の設定)、スタイル設定(太字、斜体等の設定)、文字列延び方向設定(横書き、縦書きの設定)、文字方向設定(いわゆるローテートの設定)等がある。
【0049】
このようにして上記各操作の受け付けが行われると、その受け付け結果に基づき、1つの第1印字ラベル(第1印刷物)をイメージ化した第1ラベルイメージ(第1イメージ)が生成され、液晶表示部2に表示される。
【0050】
例えば、
図6(a)に示す例では、1つの印字ラベルにおけるブロックの数量が「2つ」に設定され、1つ目のブロックBL1aの印字オブジェクトとして文字列「A1」が入力され、2つ目のブロックBL2aの印字オブジェクトとして文字列「B1」が入力され、1つ目のブロックBL1aに対する印刷態様が適宜に設定され、2つ目のブロックBL2aに対する印刷態様が適宜に設定されることで生成された1つの第1ラベルイメージM1aが、液晶表示部2に表示されている。
【0051】
第1ラベルイメージM1aでは、文字列「A1」を備えたブロックBL1a(文字列ブロック)と、文字列「B1」を備えたブロックBL2a(文字列ブロック)との2つのブロックがテープ長手方向に配列されると共に、これら連続する2つのブロックBL1a,BL2a間に改ブロックマークKが配置されている。なお、ブロックBL1aの文字列「A1」では、当該文字列「A1」に含まれる「A」「1」の両方が印字用識別子であり、ブロックBL2aの文字列「B1」では、当該文字列「B1」に含まれる「B」「1」の両方が印字用識別子である。すなわち、この
図6aに示す例では、ブロックBL1aの文字列「A1」に含まれる「A」「1」と、ブロックBL2aの文字列「B1」に含まれる「B」「1」とが、各印字ラベルごとにインクリメント可能に構成されている。このとき、上記2つのブロックBL1a,BL2aそれぞれは、上記受け付けられた印刷態様の設定操作に基づく印刷態様の設定情報を含んでいる。なお、この例では、これら2つのブロックBL1a,BL2aそれぞれの文字列「A1」「B1」は、既定の態様で表示されているが、これに限られず、上記印刷態様の設定情報に対応した態様で表示されてもよい。
【0052】
また例えば、
図6(b)に示す例では、1つの印字ラベルにおけるブロックの数量が「2つ」に設定され、1つ目のブロックBL1bの印字オブジェクトとして文字列「001」が入力され、2つ目のブロックBL2bの印字オブジェクトとして数字「001」を表すバーコードDaが入力され、1つ目のブロックBL1bに対する印刷態様が適宜に設定され、2つ目のブロックBL2bに対する印刷態様が適宜に設定されることで生成された1つの第1ラベルイメージM1bが、液晶表示部2に表示されている。
【0053】
第1ラベルイメージM1bでは、文字列「001」を備えたブロックBL1b(文字列ブロック)と、バーコードDaを備えたブロックBL2b(バーコードブロック)との2つのブロックがテープ長手方向に配列されると共に、これら連続する2つのブロックBL1b,BL2b間に改ブロックマークKが配置されている。なお、ブロックBL1bの文字列「001」では、当該文字列「001」自体が印字用識別子であり、ブロックBL2bのバーコードDaでは、数字「001」を表す当該バーコードDa自体が印字用識別子である。すなわち、この
図6bに示す例では、ブロックBL1の文字列「001」と、ブロックBL2のバーコードDaとが、各印字ラベルごとにインクリメント可能に構成されている。このとき、上記2つのブロックBL1b,BL2bそれぞれは、上記受け付けられた印刷態様の設定操作に基づく印刷態様の設定情報を含んでいる。なお、この例では、これら2つのブロックBL1b,BL2bそれぞれの文字列「001」及びバーコードDaは、既定の態様で表示されているが、これに限られず、上記印刷態様の設定情報に対応した態様で表示されてもよい。
【0054】
そして、第1ラベルイメージが液晶表示部2に表示された後、操作者が、キーボード部3を介し、当該第1ラベルイメージにおける複数のブロックそれぞれの印字オブジェクトに含まれる印字用識別子を、各印字ラベルごとにインクリメントするときの、設定操作を行うと、その設定操作が受け付けられる。なお、ここでの各印字ラベルごとのインクリメントに関する設定の例としては、インクリメントのパターンの設定、インクリメントの対象とする印字用識別子の設定、1回のインクリメントの程度を表す「インクリメント数」の設定、インクリメントを行う回数を表す「カウント数」の設定等がある。本実施形態では、上記インクリメントのパターンとして、「同期パターン」「交互パターン」の2種類のパターンが用意されている。同期パターンは、第1ラベルイメージにおける複数のブロックそれぞれの印字オブジェクトに含まれる印字用識別子を同期して、各印字ラベルごとにインクリメントするパターンである。交互パターンは、第1ラベルイメージにおける複数のブロックそれぞれの印字オブジェクトに含まれる印字用識別子を個別に交互に、各印字ラベルごとにインクリメントするパターンである。
【0055】
このようにして上記各印字ラベルごとのインクリメントに関する設定操作の受け付けが行われると、その受け付け結果に基づき、第1ラベルイメージにおける複数のブロックそれぞれの印字オブジェクトに含まれる印字用識別子が、各印字ラベルごとにインクリメントされ、少なくとも1つの第2印字ラベル(第2印刷物)をイメージ化した少なくとも1つの第2ラベルイメージが順次生成されて、第1ラベルイメージに続くように当該第1ラベルイメージと併せて液晶表示部2に表示される。なお、上記少なくとも1つの第2ラベルイメージの総称が、第2イメージに相当する。
【0056】
例えば、
図7(a)に示す例では、上記第1ラベルイメージM1aにおいて、インクリメントのパターンとして「同期パターン」が設定され、インクリメントの対象とする印字用識別子として、1つ目のブロックBL1aの文字列「A1」に含まれる「1」と、2つ目のブロックBL2aの文字列「B1」に含まれる「1」とが設定され、インクリメント数として「1」が設定され、カウント数として「2」が設定されて、ブロックBL1aの文字列「A1」に含まれる「1」と、ブロックBL2aの文字列「B1」に含まれる「1」とが同期して、各印字ラベルごとに1ずつインクリメントされることで順次生成された2つの第2ラベルイメージM2a,M2bが、第1ラベルイメージM1aに続くように当該第1ラベルイメージM1aと併せて液晶表示部2に表示されている。
【0057】
第2ラベルイメージM2aでは、ブロックBL1aの文字列が「A2」となると共にブロックBL2aの文字列が「B2」となることで、文字列「A2」を備えたブロックBL1aと、文字列「B2」を備えたブロックBL2aとの2つのブロックがテープ長手方向に配列されると共に、これら連続する2つのブロックBL1a,BL2a間に改ブロックマークKが配置されている。なお、この例では、これら2つのブロックBL1a,BL2aそれぞれの文字列「A2」「B2」は、既定の態様で表示されているが、これに限られず、上記印刷態様の設定情報に対応した態様で表示されてもよい。
【0058】
第2ラベルイメージM2bでは、ブロックBL1aの文字列が「A3」となると共にブロックBL2aの文字列が「B3」となることで、文字列「A3」を備えたブロックBL1aと、文字列「B3」を備えたブロックBL2aとの2つのブロックがテープ長手方向に配列されると共に、これら連続する2つのブロックBL1a,BL2a間に改ブロックマークKが配置されている。なお、この例では、これら2つのブロックBL1a,BL2aそれぞれの文字列「A3」「B3」は、既定の態様で表示されているが、これに限られず、上記印刷態様の設定情報に対応した態様で表示されてもよい。
【0059】
また例えば、
図7(b)に示す例では、上記第1ラベルイメージM1aにおいて、インクリメントのパターンとして「交互パターン」が設定され、インクリメントの対象とする1つ目の印字用識別子として、1つ目のブロックBL1aの文字列「A1」に含まれる「1」が設定され、インクリメントの対象とする2つ目の印字用識別子として、2つ目のブロックBL2aの文字列「B1」に含まれる「1」が設定され、それぞれのインクリメント数として「1」が設定され、それぞれのカウント数として「1」が設定されて、ブロックBL1aの文字列「A1」に含まれる「1」と、ブロックBL2aの文字列「B1」に含まれる「1」とが個別にブロックBL1aに係る「1」及びブロックBL2aに係る「1」の順で交互に、各印字ラベルごとに1ずつインクリメントされることで順次生成された3つの第2ラベルイメージM2c,M2d,M2eが、第1ラベルイメージM1aに続くように当該第1ラベルイメージM1aと併せて液晶表示部2に表示されている。
【0060】
第2ラベルイメージM2cでは、ブロックBL1aの文字列が「A2」となると共にブロックBL2aの文字列が「B1」のままであることで、文字列「A2」を備えたブロックBL1aと、文字列「B1」を備えたブロックBL2aとの2つのブロックがテープ長手方向に配列されると共に、これら連続する2つのブロックBL1a,BL2a間に改ブロックマークKが配置されている。なお、この例では、これら2つのブロックBL1a,BL2aそれぞれの文字列「A2」「B1」は、既定の態様で表示されているが、これに限られず、上記印刷態様の設定情報に対応した態様で表示されてもよい。
【0061】
第2ラベルイメージM2dでは、ブロックBL1aの文字列が「A1」のままであると共にブロックBL2aの文字列が「B2」となることで、文字列「A1」を備えたブロックBL1aと、文字列「B2」を備えたブロックBL2aとの2つのブロックがテープ長手方向に配列されると共に、これら連続する2つのブロックBL1a,BL2a間に改ブロックマークKが配置されている。なお、この例では、これら2つのブロックBL1a,BL2aそれぞれの文字列「A1」「B2」は、既定の態様で表示されているが、これに限られず、上記印刷態様の設定情報に対応した態様で表示されてもよい。
【0062】
第2ラベルイメージM2eでは、ブロックBL1aの文字列が「A2」となる共にブロックBL2aの文字列が「B2」となることで、文字列「A2」を備えたブロックBL1aと、文字列「B2」を備えたブロックBL2aとの2つのブロックがテープ長手方向に配列されると共に、これら連続する2つのブロックBL1a,BL2a間に改ブロックマークKが配置されている。なお、この例では、これら2つのブロックBL1a,BL2aそれぞれの文字列「A2」「B2」は、既定の態様で表示されているが、これに限られず、上記印刷態様の設定情報に対応した態様で表示されてもよい。
【0063】
また例えば、
図7(c)に示す例では、上記第1ラベルイメージM1bにおいて、インクリメントのパターンとして「同期パターン」が設定され、インクリメントの対象とする印字用識別子として、1つ目のブロックBL1bの文字列「001」と、2つ目のブロックBL2bのバーコードDaとが設定され、インクリメント数として「1」が設定され、カウント数として「2」が設定されて、ブロックBL1bの文字列「001」と、ブロックBL2bのバーコードDaとが同期して、各印字ラベルごとに1ずつインクリメントされることで順次生成された2つの第2ラベルイメージM2f,M2gが、第1ラベルイメージM1bに続くように当該第1ラベルイメージM1bと併せて液晶表示部2に表示されている。
【0064】
第2ラベルイメージM2fでは、ブロックBL1bの文字列が「002」となると共にブロックBL2bのバーコードが数字「002」を表すバーコードDbとなることで、文字列「002」を備えたブロックBL1bと、バーコードDbを備えたブロックBL2bとの2つのブロックがテープ長手方向に配列されると共に、これら連続する2つのブロックBL1b,BL2b間に改ブロックマークKが配置されている。なお、この例では、これら2つのブロックBL1b,BL2bそれぞれの文字列「002」及びバーコードDbは、既定の態様で表示されているが、これに限られず、上記印刷態様の設定情報に対応した態様で表示されてもよい。
【0065】
第2ラベルイメージM2gでは、ブロックBL1bの文字列が「003」となると共にブロックBL2bのバーコードが数字「003」を表すバーコードDcとなることで、文字列「003」を備えたブロックBL1bと、バーコードDcを備えたブロックBL2bとの2つのブロックがテープ長手方向に配列されると共に、これら連続する2つのブロックBL1b,BL2b間に改ブロックマークKが配置されている。なお、この例では、これら2つのブロックBL1b,BL2bそれぞれの文字列「003」及びバーコードDcは、既定の態様で表示されているが、これに限られず、上記印刷態様の設定情報に対応した態様で表示されてもよい。
【0066】
そして、第1及び第2ラベルイメージが液晶表示部2に表示された後、操作者がキーボード部3を介し所定のラベル作成指示を入力すると、上記受け付けられた印刷態様設定に沿って、プラテンローラ182及び押圧ローラ192等によるカバーフィルム51等の搬送、及び、サーマルヘッド16による上記搬送されるカバーフィルム51に対する印字オブジェクトの印字が行われ、最終的に、上記表示された第1ラベルイメージに対応した1つの第1印字ラベルと、これに続く上記表示された第2ラベルイメージに対応した少なくとも1つの第2印字ラベルとが生成される。
【0067】
以下、上記のようにして作成された第1及び第2印字ラベルを、
図8〜
図12を参照して具体例を挙げつつ順次説明する。
【0068】
図8〜
図11には、上記第1及び第2ラベルイメージM1a,M2a,M2bに対応した、第1及び第2印字ラベルL1a,L2a,L2bを示している。
【0069】
図8〜
図11において、第1印字ラベルL1aでは、1つ目のブロックBL1aに印字形成された文字列「A1」が備えられ、2つ目のブロックBL2aに印字形成された文字列「B1」が備えられている。第2印字ラベルL2aでは、1つ目のブロックBL1aに印字形成された文字列「A2」が備えられ、2つ目のブロックBL2aに印字形成された文字列「B2」が備えられている。第2印字ラベルL2bは、1つ目のブロックBL1aに印字形成された文字列「A3」が備えられ、2つ目のブロックBL2aに印字形成された文字列「B3」が備えられている。このとき、第1及び第2印字ラベルL1a,L2a,L2bでは、2つのブロックBL1a,BL2aそれぞれのテープ長さ方向中心位置BC1a,BC2aと、当該ブロックBL1a,BL2aそれぞれの印字オブジェクトのテープ長さ方向中心位置RC1a,RC2aとが一致するように、印字形成されている。また、第1及び第2印字ラベルL1a,L2a,L2bでは、2つのブロックBL1a,BL2a間に印字形成された仕切り線PLが備えられている。またこのとき、第1及び第2印字ラベルL1a,L2a,L2bでは、2つのブロックBL1a,BL2aにおいて、上記受け付けられた印刷態様設定に沿って印刷態様が互いに異なるように、印字形成されている。
【0070】
例えば、
図8に示す各印字ラベルL1a,L2a,L2bでは、1つ目のブロックBL1aに、上記受け付けられた書式のフォントを既定(この例ではゴシック体)とする書式設定に沿ってゴシック体で印字形成された文字列「A1」「A2」「A3」がそれぞれ備えられ、2つ目のブロックBL2aに、上記受け付けられた書式のフォントを明朝体とする書式設定に沿って明朝体で印字形成された文字列「B1」「B2」「B3」がそれぞれ備えられている。
【0071】
また例えば、
図9に示す各印字ラベルL1a,L2a,L2bでは、1つ目のブロックBL1aに、上記受け付けられたスタイルを既定(この例では非斜体)とするスタイル設定に沿って非斜体で印字形成された文字列「A1」「A2」「A3」がそれぞれ備えられ、2つ目のブロックBL2aに、上記受け付けられたスタイルを斜体とするスタイル設定に沿って斜体で印字形成された文字列「B1」「B2」「B3」がそれぞれ備えられている。
【0072】
また例えば、
図10に示す各印字ラベルL1a,L2a,L2bでは、1つ目のブロックBL1aに、上記受け付けられた文字列延び方向を既定(この例では横書き)とする文字列延び方向設定に沿って横書きで印字形成された文字列「A1」「A2」「A3」がそれぞれ備えられ、2つ目のブロックBL2aに、上記受け付けられた文字列延び方向を縦書きとする文字列延び方向設定に沿って縦書きで印字形成された文字列「B1」「B2」「B3」がそれぞれ備えられている。
【0073】
また例えば、
図11に示す各印字ラベルL1a,L2a,L2bでは、1つ目のブロックBL1aに、上記受け付けられた文字方向を既定(この例ではローテートしない)とする印刷態様設定に沿ってローテートしないで印字形成された文字列「A1」「A2」「A3」がそれぞれ備えられ、2つ目のブロックBL2aに、上記受け付けられた文字方向を反時計回りに90度ローテートする文字方向設定に沿って文字方向を反時計回りに90度ローテートして印字形成された文字列「B1」「B2」「B3」がそれぞれ備えられている。
【0074】
図12には、上記第1及び第2ラベルイメージM1b,M2f,M2gに対応した、第1及び第2印字ラベルL1b,L2f,L2gを示している。
【0075】
図12において、第1印字ラベルL1bでは、1つ目のブロックBL1bに印字形成された文字列「001」が備えられ、2つ目のブロックBL2bに印字形成された数字「001」を表すバーコードDaが備えられている。第2印字ラベルL2fでは、1つ目のブロックBL1bに印字形成された文字列「002」が備えられ、2つ目のブロックBL2bに印字形成された数字「002」を表すバーコードDbが備えられている。第2印字ラベルL2gは、1つ目のブロックBL1bに印字形成された文字列「003」が備えられ、2つ目のブロックBL2bに印字形成された数字「003」を表すバーコードDcが備えられている。このとき、第1及び第2印字ラベルL1b,L2f,L2gでは、2つのブロックBL1b,BL2bそれぞれのテープ長さ方向中心位置BC1b,BC2bと、当該ブロックBL1b,BL2bそれぞれの印字オブジェクトのテープ長さ方向中心位置RC1b,RC2bとが一致するように、印字形成されている。また、第1及び第2印字ラベルL1b,L2f,L2gでは、2つのブロックBL1b,BL2b間に印字形成された、使用時に折り曲げ部位を表す折り曲げ線SLが備えられている。またこのとき、第1及び第2印字ラベルL1b,L2f,L2gでは、2つのブロックBL1b,BL2bにおいて、配置される印字オブジェクトの種別がそれぞれ文字列とバーコードとで互いに異なっている。
【0076】
図13を参照しつつ、上記を実現するためにCPU44が実行する制御手順の一例を説明する。
【0077】
図13において、このフローに示す処理は、例えばハンディ型印字ラベル作成装置1の電源がオンされることにより開始される。
【0078】
まず、ステップS5で、CPU44は、キーボード部3を介し、1つの印字ラベルにおけるブロックの数量設定操作を受け付ける。
【0079】
その後、ステップS10に移り、CPU44は、キーボード部3を介し、上記ステップS5で受け付けられた数量のブロックそれぞれに配置される上記印字用識別子を含む印字オブジェクトの入力操作を受け付ける。このステップS10を実行するCPU44が、印字オブジェクト受付手段として機能する。なお、印字オブジェクトの入力操作では、文字列やバーコード等の印字オブジェクトの種別が設定されつつ印字オブジェクトの入力が行われるので、印字オブジェクトの入力操作は、言い換えれば、印字オブジェクトの種別の設定操作(印字態様の設定操作の例)とも言える。
【0080】
そして、ステップS20で、CPU44は、キーボード部3を介し、上記ステップS5で受け付けられた数量のブロックそれぞれに対する互いに異なる印刷態様の設定操作を受け付ける。なお、このステップS20で受け付けられる印刷態様の設定操作としては、例えば、書式設定、スタイル設定、文字列延び方向設定、文字方向設定等の設定操作がある。このステップS20及び上記ステップS10を実行するCPU44が、印刷態様設定受付手段として機能する。
【0081】
その後、ステップS30に移り、CPU44は、上記ステップS10で受け付けられた印字オブジェクトをそれぞれ備えた上記ステップS5で受け付けられた数量のブロックがテープ長さ方向に配列された、1つの第1ラベルイメージを生成する。例えば、上記数量のブロックに文字列を入力する入力操作が上記ステップS10で受け付けられた場合を考える。この場合、このステップS30では、CPU44は、上記ステップS20で受け付けられた書式設定、スタイル設定、文字列延び方向設定、及び文字方向設定のうちいずれか1つの設定操作に基づく、上記文字列を備えた複数のブロックがテープ長さ方向に配列された、1つの第1ラベルイメージを生成する。また例えば、上記数量のブロックに文字列及びバーコードを入力する入力操作が上記ステップS10で受け付けられた場合を考える。この場合、このステップS30では、CPU44は、上記文字列を備えたブロック、及び、上記バーコードを備えたブロックがテープ長さ方向に配列された、1つの第1ラベルイメージを生成する。このステップS30を実行するCPU44が、第1イメージ生成手段として機能する。
【0082】
そして、ステップS40で、CPU44は、上記ステップS30で生成された第1ラベルイメージを、液晶表示部2に表示させる(
図6(a)(b)参照)。このとき、表示された第1ラベルイメージのデータは、前述のラベルイメージメモリ48Aに一時的に記憶される。
【0083】
その後、ステップS50に移り、CPU44は、キーボード部3を介し、各印字ラベルごとのインクリメントに関する設定操作を受け付ける。なお、このステップS50で受け付けられる各印字ラベルごとのインクリメントに関する設定操作としては、例えば、インクリメントのパターンの設定、インクリメントの対象とする印字用識別子の設定、インクリメント数の設定、カウント数の設定等の設定操作がある。これらの設定操作では、第1ラベルイメージにおける複数のブロックそれぞれの印字オブジェクトに含まれる印字用識別子を、各印字ラベルごとにインクリメントするときのインクリメント態様の設定や、作成する印字ラベルの数量設定が行われているとも言えるので、各印字ラベルごとのインクリメントに関する設定操作は、言い換えれば、上記インクリメント態様の設定操作や、作成する印字ラベルの数量設定操作とも言える。したがって、このステップS50を実行するCPU44が、インクリメント態様受付手段として機能すると共に、インクリメント数量受付手段としても機能する。
【0084】
そして、ステップS90で、CPU44は、上記ステップS50で受け付けられた各印字ラベルごとのインクリメントに関する設定に基づくインクリメント態様で、第1ラベルイメージにおける複数のブロックそれぞれの印字オブジェクトに含まれる印字用識別子を、各印字ラベルごとにインクリメントし、少なくとも1つの第2ラベルイメージを順次生成する。例えば、文字列を備えた複数のブロックがテープ長さ方向に配列された第1ラベルイメージが上記ステップS30で生成されていた場合を考える。この場合、このステップS90では、CPU44は、上記第1ラベルイメージにおける複数のブロックそれぞれの文字列に含まれる印字用識別子が、上記ステップS50で受け付けられた各印字ラベルごとのインクリメントに関する設定に基づくインクリメント態様で各印字ラベルごとにインクリメントされた、少なくとも1つの第2ラベルイメージを生成する。また例えば、文字列を備えたブロック及びバーコードを備えたブロックがテープ長さ方向に配列された第1ラベルイメージが上記ステップS30で生成されていた場合を考える。この場合、このステップS90では、CPU44は、上記第1ラベルイメージにおける複数のブロックそれぞれの、文字列の印字用識別子、及び、バーコードの印字用識別子が、上記ステップS50で受け付けられた各印字ラベルごとのインクリメントに関する設定に基づくインクリメント態様で各印字ラベルごとにインクリメントされた、少なくとも1つの第2ラベルイメージを生成する。このステップS90を実行するCPU44が、第2イメージ生成手段として機能する。
【0085】
その後、ステップS140に移り、CPU44は、上記ステップS30で生成された1つの第1ラベルイメージと、上記ステップS90で生成された少なくとも1つの第2ラベルイメージとを併せて、液晶表示部2に表示させる(
図7(a)(b)(c)参照)。このとき、表示された第1及び第2ラベルイメージのデータは、前述のラベルイメージメモリ48Aに一時的に記憶される。
【0086】
そして、ステップS150で、CPU44は、キーボード部3を介し所定のラベル作成指示が入力されたか否かを判定する。ラベル作成指示が入力されるまでは、ステップS150の判定は満たされず(S150:NO)、ループ待機する。ラベル作成指示が入力されたら、ステップS150の判定が満たされて(S150:YES)、ステップS200に移る。
【0087】
ステップS200では、CPU44は、上記ステップS140で液晶表示部2に表示された1つの第1ラベルイメージ及び少なくとも1つの第2ラベルイメージに対応した、1つの第1印字ラベル及び少なくとも1つの第2印字ラベルを、上記ステップS20で受け付けられた印刷態様設定を用いて生成させる、ラベル作成処理(詳細は後述)を実行する。このとき、CPU44は、上記1つの第1印字ラベル及び少なくとも1つの第2印字ラベルを、各印字ラベルにおいて、各ブロックのテープ長さ方向中心位置と当該ブロックの印字オブジェクトのテープ長さ方向中心位置とを一致させつつ生成させる。また、適宜のタイミングで、キーボード部3を介し所定の仕切り線付加指示が入力されていた場合には、CPU44は、上記1つの第1印字ラベル及び少なくとも1つの第2印字ラベルを、各印刷物において隣接する複数のブロック間に上記仕切り線PLを付加して生成させる(
図8〜
図11参照)。また、適宜のタイミングで、キーボード部3を介し所定の折り曲げ線付加指示が入力されていた場合には、CPU44は、上記1つの第1印字ラベル及び少なくとも1つの第2印字ラベルを、各印刷物において文字列が配置されたブロックとバーコードが配置されたブロックとの間に上記折り曲げ線SLを付加して生成させる(
図12参照)。このステップS200を実行するCPU44が、印刷制御手段として機能する。その後、このフローに示す処理を終了する。
【0088】
図14を参照しつつ、上記ステップS200のラベル作成処理の詳細手順を説明する。
【0089】
図14において、ステップS205で、CPU44は、上記ステップS140で液晶表示部2に表示された複数のラベルイメージのうち、作成対象とする印字ラベルに係るラベルイメージの順番を表す変数Nの値を1に設定すると共に、変数Nの値の最大値Nmaxを設定する。例えば、上記ステップS140で液晶表示部2に表示されたラベルイメージの数量が3つである場合には、Nmax=3に設定される。
【0090】
そして、ステップS210で、CPU44は、モータ駆動回路63に制御信号を出力し、モータ21の駆動を開始する。これにより、ギア214が回転駆動し、プラテンローラ182及び押圧ローラ192等の回転が開始され、カバーフィルム51、基材テープ53、及び印字済みラベル用テープ80の搬送が開始される。
【0091】
その後、ステップS220に移り、CPU44は、カバーフィルム51の搬送方向位置が所定の印字開始位置に達したか否かを公知の手法で判定する。印字開始位置に達するまでは、ステップS220の判定が満たされず(S220:NO)、上記ステップS210に戻り同様の手順を繰り返す。印字開始位置に達したら、ステップS220の判定が満たされて(S220:YES)、ステップS230に移る。
【0092】
ステップS230では、CPU44は、サーマルヘッド駆動回路61に対し、上記ステップS140で液晶表示部2に表示された第1及び第2ラベルイメージのうち、この時点での変数Nの値に対応する順番のラベルイメージに基づく制御信号(印字データ)を出力する。これにより、上記印字データに対応してサーマルヘッド16が駆動され、カバーフィルム51に対し、当該印字データに対応した印字オブジェクトの形成が開始される。
【0093】
そして、ステップS240で、CPU44は、カバーフィルム51の搬送方向位置が所定の印字終了位置に達したか否かを公知の手法で判定する。印字終了位置に達するまでは、ステップS240の判定は満たされず(S240:NO)、ループ待機する。印字終了位置に達したら、ステップS240の判定が満たされて(S240:YES)、ステップS250に移る。
【0094】
ステップS250では、CPU44は、サーマルヘッド駆動回路61に対し制御信号を出力し、サーマルヘッド16の駆動を停止して、印字を終了させる。
【0095】
その後、ステップS260に移り、CPU44は、印字済みラベル用テープ80の搬送方向位置がテープ切断位置に達したか否かを公知の手法で判定する。テープ切断位置に達するまでは、ステップS260の判定は満たされず(S260:NO)、ループ待機する。テープ切断位置に到達したら、ステップS260の判定が満たされて(S260:YES)、ステップS270に移る。
【0096】
ステップS270では、CPU44は、モータ駆動回路63に制御信号を出力し、モータ21の駆動を停止する。これにより、プラテンローラ182及び押圧ローラ192等の回転が停止し、カバーフィルム51、基材テープ53、及び印字済みラベル用テープ80の搬送が停止する。
【0097】
そして、ステップS280で、CPU44は、カットボタン4が操作されることでカッタが駆動して印字済みラベル用テープ80が切断されたか否を判定する。印字済みラベル用テープ80が切断されるまでは、ステップS280の判定は満たされず(S280:NO)、ループ待機する。印字済みラベル用テープ80が切断されたら、ステップS280の判定が満たされて(S280:YES)、ステップS290に移る。なお、印字済みラベル用テープ80が切断されることで、上記ステップS140で液晶表示部2に表示された第1及び第2ラベルイメージのうち、この時点での変数Nの値に対応する順番のラベルイメージに対応した印字ラベルが生成される。
【0098】
ステップS290では、CPU44は、変数Nの値が最大数Nmaxに達したか否かを判定する。変数Nの値が最大数Nmaxに達するまでは、ステップS290の判定は満たされず(S290:NO)、ステップS295に移る。ステップS295では、CPU44は、変数Nの値に1を加えた後、上記ステップS210に戻り同様の手順を繰り返す。一方、ステップS290において、変数Nの値が最大数Nmaxに達したら、ステップS290の判定が満たされて(S290:YES)、このルーチンを終了する。以上により、上記ステップS140で液晶表示部2に表示された第1及び第2ラベルイメージに対応した、第1及び第2印字ラベルが生成される。
【0099】
以上説明したように、本実施形態においては、各印字ラベルにおいて複数のブロックが設定される。これにより、それら複数のブロック相互間において、印刷態様設定を異ならせ、1つの印字ラベル内でブロックごとに多様な印字表示を行うことができる。また、各ブロックを印字ラベル内で均等に配置したり、ブロック間に仕切り線等を印字形成する等も可能となる。これらの結果、印字ラベルによる表現力を広く拡張することができ、操作者の利便性を向上することができる。そして、このようにして1つの印字ラベルにおいて複数のブロックが設定される場合であっても、各ブロックに含まれる印字オブジェクトの印字用識別子を、(ブロック単位ではなく)印字ラベル単位でインクリメントすることができる。これにより、複数のブロックを含む印字ラベルにおける印字形成内容について、所定の規則性に沿って連続的に変化させつつ所望の枚数を作成したい場合に、簡単な操作で容易かつ効率的に全印字ラベルを作成することができる。
【0100】
また、本実施形態では特に、上述のようにして受け付けられた書式設定、スタイル設定、文字列延び方向設定、及び文字方向設定のうちいずれか1つの設定操作に基づく、文字列を備えた複数のブロックがテープ長さ方向に配列された、1つの第1ラベルイメージが生成される。そして、複数のブロックそれぞれの文字列の印字用識別子が、上述のようにして受け付けられたインクリメント態様で各印字ラベルごとにインクリメントされた、少なくとも1つの第2ラベルイメージが生成される。これにより、複数のブロックそれぞれの文字列同士において、書式、スタイル、文字列延び方向、文字方向等の設定を互いに異ならせることで、1つの印字ラベル内において、確実にブロックごとに多様な印字表示を行うことができる。
【0101】
また、本実施形態では特に、第1及び第2ラベルイメージに対応した1つの印字ラベル及び少なくとも1つの印字ラベルが、各印字ラベルにおいて隣接する複数のブロック間に仕切り線PLが付加されて生成される。これにより、1つの印字ラベル内において、ブロック同士の境界ごとに多様な印字表示を行うことができる。
【0102】
また、本実施形態では特に、上述のようにして受け付けられた印字オブジェクト種別の設定操作に基づく、文字列を備えたブロック、及び、バーコードを備えたブロックがテープ長さ方向に配列された、1つの第1イメージが生成される。そして、文字列を備えたブロックの当該文字列の印字用識別子、及び、バーコードを備えたブロックの当該バーコードの印字用識別子が、上述のようにして受け付けられたインクリメント態様で各印字ラベルごとにインクリメントされた、少なくとも1つの第2ラベルイメージが生成される。これにより、複数のブロックのうち、一方のブロックに文字列を形成すると共に、他方のブロックにバーコードを形成することで、1つの印字ラベル内で文字列領域とバーコード領域とを形成することができる。この結果、いわゆるバーコード付きの印字ラベルを容易かつ効率よく作成することができる。
【0103】
また、本実施形態では特に、第1及び第2ラベルイメージに対応した1つの第1印字ラベル及び少なくとも1つの第2印字ラベルが、各印字ラベルにおいて文字列を備えたブロックとバーコードを備えたブロックとの間に折り曲げ線SLが付加されて生成される。これにより、上記印字ラベルを、文字列領域とバーコード領域との境界で折り曲げて使用するときに、操作者がその折り曲げ位置を明確に認識することができる。
【0104】
また、本実施形態では特に、第1及び第2ラベルイメージに対応した1つの第1印字ラベル及び少なくとも1つの第2印字ラベルが、各印字ラベルにおいて、各ブロックのテープ長さ方向中心位置と当該ブロックの印字オブジェクトのテープ長さ方向中心位置とが一致されつつ生成される。これにより、生成された各印字ラベルにおいて、複数のブロックそれぞれに配置された印字オブジェクトを均等に配列することができ、印字ラベルの美観を向上することができる。
【0105】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0106】
また、
図5中に示す矢印は、信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0107】
また、
図13及び
図14に示すフローチャート及びルーチンは、本発明を図示する手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0108】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態等による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
【0109】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。