(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
本実施形態に係る機器制御システム1は、
図1に示すように、音声が入力される音声入力装置2と、音声入力装置2に入力された音声に対して音声認識を行う音声認識装置3と、音声認識装置3の認識結果を用いて冷暖房機器7を制御する機器制御装置4とを備えている。
【0019】
本実施形態の機器制御システム1は、機器制御装置4において、温冷感に関する第1の言葉と冷暖房機器7の制御内容との対応関係を参照し、冷暖房機器7のユーザ8が発した第1の言葉に対応付けられた制御内容に従って冷暖房機器7を制御する。その後、機器制御システム1は、機器制御装置4において、上記制御内容による制御の過不足を表わす第2の言葉が入力された場合、上記対応関係における上記制御内容を変更する。以下、機器制御システム1の各構成要素について説明する。
【0020】
本実施形態の冷暖房機器7は、冷房機能および暖房機能の両機能を有する機器と、冷房機能のみを有する冷房機器と、暖房機能のみを有する暖房機器との総称である。冷房機能および暖房機能の両機能を有する機器としては、例えば冷暖房用エアコンなどがある。冷房機能のみを有する冷房機器としては、例えば冷房専用エアコンなどがある。暖房機能のみを有する暖房機器としては、例えば床暖房機器やファンヒーターなどがある。冷暖房機器7は、図示しない所定の屋内空間の温熱環境を制御する。
【0021】
音声入力装置2は、例えばマイクロホンなどであり、ユーザ8の発した音声が入力される。この音声入力装置2は、音声を音声信号(電気信号)に変換し、上記音声信号を音声認識装置3に出力する。なお、音声入力装置2は、冷暖房機器7に組み込まれていてもよいし、冷暖房機器7とは別に設けられていてもよいが、ユーザ8の近くに設置されているほうが好ましい。
【0022】
音声認識装置3は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)およびメモリが搭載されたコンピュータを主構成要素とし、プログラムに従って以下のように動作する。まず、音声認識装置3は、音声入力装置2から音声信号を取得する。音声信号を取得した音声認識装置3は、例えばFFT(高速フーリエ変換)などを用いて音声信号から周波数成分を抽出する。周波数成分を抽出した音声認識装置3は、周波数成分を解析することにより音韻を抽出し、音韻の並びをテキストデータに変換する。すなわち、音声認識装置3は、音声入力装置2に入力された音声に応じた音声信号を用いて、音声入力装置2に入力された音声の内容を認識する。これにより、音声認識装置3は、温冷感を表わす第1の言葉を認識する。暑い場合にユーザ8が発する第1の言葉としては、例えば「暑い」・「汗ばむ」・「もうろうとする」・「冷やして」・「少しだけ冷やして」・「激しく冷やして」などがある。一方、寒い場合にユーザ8が発する第1の言葉としては、例えば「寒い」・「肌寒い」・「冷える」・「凍える」・「暖めて」・「少しだけ暖めて」・「激しく暖めて」などがある。音声認識装置3は、認識結果を機器制御装置4へ出力する。
【0023】
機器制御装置4は、音声認識装置3で認識された第1の言葉を冷暖房機器7の制御内容に変換して冷暖房機器7の動作を指示する装置である。この機器制御装置4は、CPUおよびメモリが搭載されたコンピュータを主構成要素とし、プログラムに従って動作することによって、記憶部41と入力部42と機器制御部43と更新部44との各機能を実行する。
【0024】
記憶部41は、温冷感を表わす第1の言葉と冷暖房機器7の制御内容との対応関係を、
図2に示すような対応テーブル5として記憶している。本実施形態では、冷暖房機器7の制御内容として、現在の設定温度に加減する温度幅を表わす制御幅が設定されている。
【0025】
図2に示す対応テーブル5は、温冷感と言葉とが対応付けられた第1のテーブルと、温冷感と制御内容とが対応付けられた第2のテーブルとを組み合わせて構成されている。対応テーブル5では、温冷感として、国際標準化機構(International Organization for Standardization:ISO)の国際規格ISO7730で定義されている7段階指標が用いられている。温冷感の数字が大きくなるほど、ユーザ8が暑いと感じる度合いが高くなる。一方、温冷感の数字が低くなるほど、ユーザ8が寒いと感じる度合いが高くなる。温冷感が「0」であるとは、ユーザ8が暑いとも寒いとも感じていないレベルである。一般的に、温冷感が「+0.5」と「−0.5」との間を、ユーザ8が快適と感じる快適域とすることが多い。
【0026】
第1のテーブルにおいて、各言葉は、それぞれ、温冷感に対応付けられている。温冷感が正の数になる言葉としては、「暑い」・「汗ばむ」・「もうろうとする」・「冷やして」・「少しだけ冷やして」・「激しく冷やして」などがある。例えば、ユーザ8が「暑い」という言葉を発した場合、ユーザ8の温冷感は「+2」を示す。一方、温冷感が負の数になる言葉としては、「寒い」・「肌寒い」・「冷える」・「凍える」・「暖めて」・「少しだけ暖めて」・「激しく暖めて」などがある。例えば、ユーザ8が「寒い」という言葉を発した場合、ユーザ8の温冷感は「−2」を示す。
【0027】
第2のテーブルでは、温冷感を複数の範囲に区分けし、範囲ごとに、異なる制御幅が設定されている。温冷感が正の数である場合、温冷感が大きくなるほど、設定温度の下げ幅が大きくなっている。例えば温冷感が「+2」である場合の制御幅は「−2℃」である。一方、温冷感が負の数である場合、温冷感が小さくなるほど、設定温度の上げ幅が大きくなっている。例えば温冷感が「−2」である場合の制御幅は、「+2℃」である。
【0028】
上記より、対応テーブル5では、第1のテーブルにおいて、「暑い」という言葉は、温冷感「+2」に対応付けられており、第2のテーブルにおいて、温冷感「+2」は、制御幅「−2℃」に対応付けられている。したがって、「暑い」という言葉は、制御幅「−2℃」に対応付けられていることになる。また、「寒い」という言葉は、温冷感「−2」に対応付けられており、温冷感「−2」は、制御幅「+2℃」に対応付けられている。したがって、「寒い」という言葉は、制御幅「+2℃」に対応付けられていることになる。
【0029】
図1に示す入力部42は、音声認識装置3の出力側に接続されており、音声認識装置3の認識結果が入力される。
【0030】
機器制御部43は、入力部42に入力された認識結果に含まれている第1の言葉を、記憶部41に記憶されている対応テーブル5(
図2参照)に照合し、上記第1の言葉に対応付けられた制御内容を対応テーブル5から抽出する。例えば、第1の言葉として「暑い」という言葉が認識結果に含まれている場合、機器制御部43は、制御内容として制御幅「−2℃」を対応テーブル5から抽出する。
【0031】
対応テーブル5から制御内容を抽出した機器制御部43は、上記制御内容を、冷暖房機器7の動作を可能とする制御信号に変換し、この制御信号を冷暖房機器7に出力する。これにより、機器制御部43は、対応テーブル5から抽出した制御内容に従って冷暖房機器7を制御することができる。例えば現在の設定温度が27℃である場合、機器制御部43は、制御内容として制御幅「−2℃」を抽出すると、設定温度「25℃」の制御信号を冷暖房機器7に出力する。冷暖房機器7は、機器制御部43から制御信号を受け取ると、上記制御信号に従って設定温度を27℃から25℃に変更する。
【0032】
上述のようにして機器制御装置4は、ユーザ8の発した第1の言葉に応じて冷暖房機器7の設定温度を変更させることができる。
【0033】
ところで、ユーザ8の発した第1の言葉に応じて機器制御装置4が冷暖房機器7の設定温度を変更させた場合であっても、ユーザ8の好みに合わないことがある。例えば、「暑い」という第1の言葉に応じて機器制御装置4が冷暖房機器7の設定温度を「2℃」下げたとしても、まだ十分ではなく暑いと感じるユーザ8もいれば、設定温度が下がり過ぎて寒いと感じるユーザ8もいる。
【0034】
そこで、機器制御装置4は、記憶部41に記憶されている対応テーブル5(
図2参照)を更新する機能を有している。機器制御部43が制御内容に従って冷暖房機器7を制御した後に入力部42に入力された認識結果に、制御内容による制御の過不足を表わす第2の言葉が含まれている場合、更新部44は、記憶部41に記憶されている対応テーブル5の上記制御内容を変更する。
【0035】
更新部44は、上記制御内容による制御の過不足が低減する方向に、記憶部41に記憶されている対応テーブル5の制御内容を変更する。本実施形態では、更新部44は、対応テーブル5のうち、温冷感と言葉とが対応付けられた第1のテーブルを更新する。この際、温冷感と制御幅(制御内容)とが対応付けられた第2のテーブルはそのままである。なお、更新部44は、機器制御部43が制御内容に従って冷暖房機器7を制御した後、予め決められた時間帯に、認識結果が入力部42に入力された場合に、対応テーブル5を更新することが好ましい。上記時間帯は、計時部45が計時する。この際、計時部45は、上記皮膚温が快適温度範囲に含まれていないと判断した時点から上記時間帯を計時してもよいし、上記皮膚温が快適温度範囲に含まれていないと判断してから所定時間が経過した時点から上記時間帯を計時してもよい。
【0036】
このような冷暖房機器7の制御および対応テーブル5の更新について
図3を用いて説明する。例えばユーザ8が「暑い」と発すると、ユーザ8の音声が音声入力装置2に入力され、音声認識装置3が音声認識を行い、音声認識装置3の認識結果が機器制御装置4の入力部42に入力される(S1)。機器制御部43は、記憶部41に記憶されている対応テーブル5(
図2参照)から、「暑い」という第1の言葉に対応付けられた温冷感「+2」および制御内容として制御幅「−2℃」を抽出する(S2,S3)。その後、機器制御部43は、現在の設定温度から2℃低い新しい設定温度を含む制御信号を冷暖房機器7に出力する(S4)。冷暖房機器7は、設定温度を現在より2℃低い温度に変更する。
【0037】
機器制御部43が冷暖房機器7を制御した後、予め決められた時間帯に、上記制御内容による制御の過不足を表わす第2の言葉をユーザ8が発した場合(S5の「YES」)、以下のように動作する。第2の言葉が<暑い>に関する言葉であれば、更新部44は、対応テーブル5において、「暑い」という言葉に対応付けられた温冷感を「+2」から「+3」に変更し、変更後の対応テーブル5を記憶部41に記憶させる(S6)。これにより、「暑い」という言葉に対応付けられた制御幅は「−3℃」になる。一方、第2の言葉が<寒い>に関する言葉であれば、更新部44は、対応テーブル5において、「暑い」という言葉に対応付けられた温冷感を「+2」から「+1」に変更し、変更後の対応テーブル5を記憶部41に記憶させる(S7)。これにより、「暑い」という言葉に対応付けられた制御幅は「−1℃」になる。
【0038】
ステップS5において、冷暖房機器7を制御してから一定時間が経過するまでの間に、第2の言葉をユーザ8が発しなかった場合(S5の「NO」)、対応テーブル5は変更されずに、そのまま記憶部41に記憶されている(S8)。
【0039】
上記の動作により、機器制御装置4は、ユーザ8の好みを反映した制御を行うことができる。
【0040】
ところで、機器制御装置4は、
図1に示すように、サーバ6と通信する通信部46と、ユーザ8のタイプを認識する認識部47とを備えている。温冷感に関するタイプは予め決められており、例えば暑さを感じる度合いが普通の人以上である「暑がりタイプ」や、寒さを感じる度合いが普通の人以上である「寒がりタイプ」などがある。
【0041】
認識部47は、ユーザ8の入力によってユーザ8のタイプを認識する手段であってもよいし、これまでの冷暖房機器7の設定温度の履歴情報からユーザ8のタイプを認識する手段であってもよい。ユーザ8のタイプをユーザ8が入力する際に用いられる入力装置としては、例えばキーボードや複数の操作ボタン、タッチパネルなどがある。
【0042】
通信部46は、更新部44で更新されて記憶部41に記憶されている対応テーブル5(
図2参照)と、認識部47で認識されたユーザ8のタイプとをサーバ6に送信する。
【0043】
サーバ6は、機器制御装置4と通信するサーバ側通信部61と、複数の対応テーブル5を蓄積するサーバ側記憶部62と、サーバ6の各機能を制御するサーバ側制御部63とを備えている。
【0044】
サーバ側通信部61は、対応テーブル5と、ユーザ8のタイプとを機器制御装置4から受信する。
【0045】
サーバ側記憶部62は、これまでに機器制御装置4においてユーザ8ごとにカスタマイズされた後の対応テーブル5を蓄積している。さらに、サーバ側記憶部62は、複数の対応テーブル5をタイプ別に蓄積している。
【0046】
また、機器制御装置4は、記憶部41に初期に記憶させる対応テーブル5をサーバ6から取得することができる。この機器制御装置4は、サーバ6から対応テーブル5を取得する取得部48をさらに備えている。
【0047】
取得部48は、記憶部41に初期に記憶させる対応テーブル5をサーバ6から取得する。この際、認識部47で認識されたユーザ8のタイプを通信部46がサーバ6へ送信し、認識部47で認識されたユーザ8のタイプに対応する対応テーブル5を取得部48がサーバ6から取得する。
【0048】
サーバ6では、サーバ側制御部63は、以下のタイプ取得部と選択部との各機能を実行する。サーバ側制御部63は、タイプ取得部の機能として、機器制御装置4の認識部47で認識されたユーザ8のタイプを機器制御装置4から取得する。また、サーバ側制御部63は、選択部の機能として、取得したタイプに対応してサーバ側記憶部62に蓄積されている対応テーブル5を選択する。サーバ側通信部61は、サーバ側制御部63で選択された対応テーブル5を機器制御装置4へ送信する。
【0049】
このような対応テーブル5のサーバ6からの取得について
図4を用いて説明する。まず、サーバ6は、これまでに取得した複数の対応テーブル5をタイプ別に分類して蓄積している(S11)。機器制御装置4は、新規のユーザ8のタイプを認識する(S12)。その後、サーバ6は、蓄積されている複数の対応テーブル5の中から、ユーザ8のタイプに対応する対応テーブル5を選択し(S13)、機器制御装置4は、ユーザ8のタイプに対応する対応テーブル5をサーバ6から取得して記憶する(S14)。
【0050】
このような動作により、機器制御装置4は、新規のユーザ8のタイプに適した対応テーブル5をサーバ6から取得することができる。
【0051】
ところで、機器制御装置4は、
図1に示すように、屋内空間の現在の温度(室温)に関する室温情報を取得する室温取得部491をさらに備えている。室温取得部491は、屋内空間の室温を計測する室温計測手段(例えば温度センサ)であってもよいし、室温情報の入力を受け付ける室温入力手段であってもよい。室温入力手段としては、外部装置(図示せず)から室温情報を受け取る手段や、現在の室温をユーザ8が入力することによって室温情報を取得する手段などがある。現在の室温をユーザ8が入力する際に用いられる入力装置としては、例えばキーボードや複数の操作ボタン、タッチパネルなどがある。
【0052】
機器制御部43は、通常、対応テーブル5から抽出した制御内容に従って冷暖房機器7を制御するが、室温取得部491で取得された室温情報に含まれている現在の室温が予め決められた温度範囲内である場合、冷暖房機器7の制御内容に従った制御を行わない。上記温度範囲は、ユーザ8が快適と感じる快適域に設定されている。
【0053】
ところで、ユーザ8の温冷感に関する第1の言葉とユーザ8の温冷感との関係は、年中同じではなく、気象条件によって変わる。本実施形態の気象条件としては、季節・外気温などがある。外気温としては、例えば1日の平均を採用することができる。例えば春と夏とでは、ユーザ8が同じ「暑い」という第1の言葉を発しても、ユーザ8の温冷感が異なる場合が多い。また、例えば同じ夏期でも、猛暑時とそれほど暑くはない時とでは、ユーザ8が同じ「暑い」という第1の言葉を発しても、ユーザ8の温冷感が異なる場合が多い。
【0054】
そこで、
図5に示すように、記憶部41は、気象条件別に対応テーブル5を記憶している。
図5の例では、記憶部41は、外気温の範囲ごとに対応テーブル5を記憶している。すなわち、記憶部41は、外気温が0℃未満である範囲に対応する対応テーブル51と、外気温が0℃以上8℃未満である範囲に対応する対応テーブル52と、外気温が8℃以上16℃未満である範囲に対応する対応テーブル53とを記憶している。さらに、記憶部41は、外気温が16℃以上24℃未満である範囲に対応する対応テーブル54と、外気温が24℃以上32℃未満である範囲に対応する対応テーブル55と、外気温が32℃以上である範囲に対応する対応テーブル56とを記憶している。また、記憶部41は、外気温の範囲ごとに存在する複数の対応テーブル51〜56の組み合わせを季節ごとに記憶している。
【0055】
機器制御装置4は、
図1に示すように、現在の外気温に関する温度情報を取得する外気温取得部492をさらに備えている。外気温取得部492は、屋外に設けられて現在の外気温を計測する外気温計測手段(例えば温度センサ)であってもよいし、外気温情報の入力を受け付ける外気温入力手段であってもよい。外気温入力手段としては、外部装置(図示せず)から外気温情報を受け取る手段や、現在の外気温をユーザ8が入力することによって外気温情報を取得する手段などがある。現在の外気温をユーザ8が入力する際に用いられる入力装置としては、例えばキーボードや複数の操作ボタン、タッチパネルなどがある。
【0056】
機器制御部43は、外気温取得部492で取得された外気温が含まれる範囲の対応テーブル5(
図5参照)を選択し、選択した対応テーブル5を用いて制御内容を抽出する。
【0057】
ところで、機器制御装置4の記憶部41は、対応テーブル5を記憶するだけではなく、機器制御装置(コンピュータ)4が各種の機能を実行するためのプログラムを格納している。すなわち、記憶部41は、機器制御装置4を記憶部41、入力部42、機器制御部43、更新部44、計時部45、通信部46、認識部47、取得部48、室温取得部491および外気温取得部492として機能させるためのプログラムを格納している。上記プログラムは、機器制御装置4の出荷時に記憶部41に予め格納されている。ただし、機器制御装置4が上記プログラムを出荷後に取得する場合、機器制御装置4が上記プログラムを取得する手法の一例としては、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を用いる手法がある。記録媒体を用いる手法の場合、機器制御装置4は、記録媒体のデータを読み取るための読取装置(図示せず)を備えていればよい。記録媒体としては、例えば光ディスクやメモリカードなどがある。読取装置としては、光ディスクの情報を読み出すドライブ装置や、メモリカードの情報を読み出すメモリカードリーダなどがある。また、機器制御装置4が上記プログラムを取得する他の手法としては、ネットワークを用いて上記プログラムを他の装置(例えばサーバ6など)からダウンロードする手法がある。上記プログラムをダウンロードする手法の場合、機器制御装置4は、ネットワークを用いて他の装置と通信するための通信機能(図示せず)を有していればよい。
【0058】
以上説明した本実施形態の機器制御システム1では、機器制御装置4において、機器制御部43が、対応テーブル5(対応関係)を参照し、音声認識装置3の認識結果に含まれている第1の言葉に対応付けられた制御内容に従って冷暖房機器7を制御する。これにより、ユーザ8によるリモコン操作を不要としながら、温熱環境に対するユーザ8の意思を冷暖房機器7の制御に反映させることができる。
【0059】
また、本実施形態の機器制御システム1では、機器制御部43が制御内容に従って冷暖房機器7を制御した後に、上記制御内容による制御の過不足を表わす第2の言葉が入力部42に入力された場合、記憶部41に記憶されている対応テーブル5を更新部44が更新する。この際、更新部44は、対応テーブル5の制御内容を、上記制御内容による制御の過不足が低減する方向に変更する。これにより、ユーザ8によるリモコン操作を不要としながら、ユーザ8の好みを冷暖房機器7の制御に反映させることができる。
【0060】
さらに、本実施形態の機器制御システム1では、これまでにユーザ8ごとにカスタマイズされた対応テーブル5がサーバ6に蓄積されているので、新規のユーザ8は、サーバ6に蓄積された対応テーブル5の1つをデフォルト値として用いることができる。既にカスタマイズされた対応テーブル5を用いることによって、第1の言葉と制御内容との対応付け(第1の言葉と温冷感との対応付けを含む)を、より現実に近づけることができる。
【0061】
また、サーバ6が温冷感に関するタイプ別に対応テーブル5を蓄積することによって、対応テーブル5を記憶部41に初期に記憶させる際に、ユーザ8のタイプに適切な対応テーブル5をサーバ6から取得することができる。
【0062】
さらに、本実施形態の機器制御システム1では、機器制御装置4において、気象条件別に対応テーブル5を記憶部41に記憶させることによって、気象条件を考慮しながら冷暖房機器7を制御することができる。
【0063】
また、本実施形態の機器制御システム1では、機器制御装置4において、ユーザ8が快適と感じる快適温度範囲を設定することによって、現在の室温が快適温度範囲である場合に、冷暖房機器7への不要な制御を防止することができる。
【0064】
なお、音声認識装置3は、機器制御装置4とは別体の端末に設けられてもよい。この場合、例えば音声認識機能を有する汎用の端末を音声認識装置3として用いることができるので、システムの初期費用を低減させることができる。