【実施例】
【0095】
以下、本実施の形態に係る圧縮機運転制御装置を用いて実施した圧縮機運転制御を記載する。
[100]実施例に使用したコンプレッサ
1.1号機 75kWインバーター型コンプレッサ 1台
2.2号機 75kW定速型(オイル入り)コンプレッサ 1台
3.3号機 55kW定速型(オイル入り)コンプレッサ 1台
4.4号機 37kWインバーター型コンプレッサコンプレッサ 1台
5.5号機 37kW定速型(オイル入り)コンプレッサ 1台
【表1】
【表2】
このコンプレッサはいずれも定格吐出圧力0.69MPa。
圧縮機運転制御装置には、制御に必要な配線が接続されている。
【0096】
実施例の構成を
図5に示す。
[101] インバーター型コンプレッサと定速型コンプレッサの最適運転台数制御装置(以下略して、圧縮機運転制御装置と云う)は、プログラマブルコントローラーとタッチパネルにより構成されている。
プログラマブルコントローラーには次のプログラムが組み込まれている。
制御の条件設定および運転状態の表示はタッチパネルによって行われる。
圧縮機運転制御装置と各コンプレッサには所定の配線がされている。
【0097】
1.台数制御プログラム、
(1)起動プログラム
(2)停止プログラム
(3)インバーター型コンプレッサと定速型コンプレッサの運転台数制御の最適化プログラム
(4)インバーター型コンプレッサと定速型コンプレッサのグループ分とそのグループ内のコンプレッサ容量別グループ化プログラム
(5)起動予定機および停止予定機を小容量機あるいは小容量機グループから選択プログラム
(6)初期運転プログラム
【0098】
2.制御条件の設定プログラム
(1)仮想容量単位の選択
(2)コンプレッサ機種と基準機の選択
(3)各コンプレッサの測定方法の選択と仮想容量の設定
(4)起動信号のための設定
(5)停止信号のための設定、停止信号取得時間の設定
(6)コンプレッサの大中小容量の指定
(7)インチング時間の設定
(8)初期運転時間の設定
(9)コンプレッサの運転選択(連続、自動、切の選択)
(10)圧縮機運転制御装置の操作スイッチ(入、切)
起動信号と停止信号は仮想容量設定値と率(%)設定値が併用される。
【0099】
[102]圧縮機運転制御装置への設定
[102−1]仮想容量の種別の選択
初期設定1
図6に示した「システム制御単位選択」画面の、率仮想容量、電気仮想容量、風量仮想容量、の中から、電気仮想容量を選択した。
【0100】
[102−2]コンプレッサの機種と基準機の選択
初期設定2
図7に示した「コンプレッサの機種と基準機の選択」画面に下記を選択設定した。
基準コンプレッサを選択すると他機は否の表示となる。
1号機75kWインバーター型コンプレッサ(inv) 基準コンプレッサは採用を選択
2号機75kW定速型コンプレッサ(normal) 基準コンプレッサは否を表示
3号機55kW定速型コンプレッサ(normal) 基準コンプレッサは否を表示
4号機37kWインバーター型コンプレッサ(inv) 基準コンプレッサは否を表示
5号機37kW定速型コンプレッサ(normal) 基準コンプレッサは否を表示
【0101】
[102−3]コンプレッサ運転による電気仮想容量の設定
以下[102−3−2]〜[102−3−6]項の「コンプレッサの測定方法の選択と運転による仮想容量の設定」は、圧縮空気の使用量の変動のない事業所の休日を利用して行う。
実施例では、基準コンプレッサの仮想容量化を先に行い、その仮想容量に対する他のコンプレッサの仮想容量を求める。
【0102】
[102−3−1]設定画面の説明
(1)(初期設定3−1〜5画面) (
図8〜12)「○号機コンプレッサの測定方法の選択と運転による仮想容量の設定」画面の説明を行う。
(2)「機種の選択表示」は前記、初期設定2「コンプレッサの機種と基準機の選択」画面で選択したinv(インバーター型コンプレッサ)あるいはnormal(定速型コンプレッサ)が表示されている。
【0103】
(3)「基準コンプレッサの選択表示」は、前記、初期設定2「コンプレッサの機種と基準機の選択」画面で選択した採用が表示されている。
(4)画面中の※1(以下、※印付で示した符号は、画面中の符号を示す。)の「測定方法の選択」は、インバーター型コンプレッサのみ選択を行う。
初期設定2「コンプレッサの機種と基準機の選択」画面で定速型コンプレッサを選択したコンプレッサは否が表示される。
【0104】
(5)※2の「測定値の設定」では「最大風量時」「最小風量時」のとき※3で表示された値を書き込みする。
(6)※3は測定値の現在値が表示される。
(7)※4は、運転中のインバーター型コンプレッサの※7と※3の乗算値の合計値が表示される。
(実施の形態では運転仮想容量の合計を略して運転仮想容量としている。)
【0105】
(8)※5は、※4で「記憶1」を押したとき「インバーター型コンプレッサの運転仮想容量の合計」が表示される。
(9)※6では、※5の「インバーター型コンプレッサと被測定コンプレッサが並列運転したときのインバーター型コンプレッサの運転仮想容量の合計」のとき「記憶2」が押されたとき※5が固定された後、「計算」を押したとき※4から※5の減算値が※6に表示される。
【0106】
(10)※7は、※6に表示された仮想容量を書き込みする。
(11)「現在値の表示」および「最大仮想容量の設定」における単位は初期設定1「システム制御単位選択」画面の選択による電気仮想容量よりkWが表示されている。
【0107】
[102−3−2]1号機75kWインバーター型コンプレッサの電気仮想容量の設定
(1)「1号機コンプレッサの測定方法の選択と運転による仮想容量の設定」画面を呼び出す。(初期設定3−1画面)(
図8)
(2)「機種の選択表示」にはinv(インバーター型コンプレッサ)が表示されている。
【0108】
(3)「基準コンプレッサの選択表示」には、採用が表示されている。
(4)※1の「測定方法の選択」は、負荷率(コンプレッサから送出される)を選択した。
(5)※7の「最大仮想容量の設定」に、基準コンプレッサは初期設定1で電気仮想容量を選択しているので、カタログ値の軸動力75kWの75を書き込みした。
【0109】
(6)基準コンプレッサに事業所に送出する吐出圧力の0.57MPaを設定した。
(7)基準コンプレッサを起動させて、圧縮空気の負荷を調整して最大吐出風量で運転させた。
そのとき※3の「現在測定値の表示」に100が表示された。
100を※2の「最大風量時」に記録した。このとき※4に75が表示された。
次に圧縮空気の負荷を調整して最小負荷で運転させた。
そのとき※3の「現在測定値の表示」に10が表示された。
10を※2の「最小風量時」に記録した。このとき※4に7.5が表示された。
【0110】
(8)基準コンプレッサの測定と記録は終了する。
(9)この基準コンプレッサでは測定値の負荷率100%のとき75kWである。
(10)基準インバーター型コンプレッサの圧力調整電気仮想容量は最大電気仮想容量から最小電気仮想容量を減算した67.5kWである。
【0111】
式を下記に示す。
【数1】
基準コンプレッサのみで最大仮想容量が67.5kWまでの被測定コンプレッサの測定ができる。
【0112】
[102−3−3]3号機55kW定速型コンプレッサの電気仮想容量の設定
2号機75kW定速型コンプレッサは、基準コンプレッサの圧力調整電気仮想容量が不足するので、3号機55kW定速型コンプレッサの電気仮想容量から設定を行う。
【0113】
(1)「3号機コンプレッサの測定方法の選択と運転による仮想容量の設定」画面を呼び出す。(初期設定3−3画面)(
図10)
(2)「機種の選択表示」にはnormal(定速型コンプレッサ)が表示されている。
(3)「基準コンプレッサの選択表示」には否が表示されている。
【0114】
(4)※1の「測定方法の選択」には、すべて否が選択され表示されている。
(5)圧縮空気の負荷を調整して基準コンプレッサの電気仮想容量を増大させ、
※4の「インバーター型コンプレッサの運転仮想容量の合計」を増やし、3号機55kW定速型コンプレッサの電気仮想容量55.0kWが十分収まる容量にする。
実施例では、※4の「インバーター型コンプレッサの運転電気仮想容量の合計」を70.0kWにした。
記録1を押して※4「インバーター型コンプレッサの運転仮想容量の合計」を70.0kWを記録(固定)した。
記録1を押すことで、「インバーター型コンプレッサの運転仮想容量の合計」が※4に表示されるようプログラムされている。
【0115】
(6)3号機55kW定速型コンプレッサを起動させて基準コンプレッサと並列運転させた。
※5の「インバーター型コンプレッサと被測定コンプレッサが並列運転した時のインバーター型コンプレッサの運転仮想容量の合計」が17.1kWを示し、記録2を押して記録(固定)した。
【0116】
(7)計算を押して、※4から※5の減算値52.9kWを※6に得た。
※7に52.9を書き込みした。
3号機55kW定速型コンプレッサの最大電気仮想容量は52.9kWで演算される。
(8)リセットを押して記憶値と計算値を解除にした。
(8)定速型コンプレッサのためその他の測定はない。
【0117】
[102−3−4]5号機37kW定速型コンプレッサの電気仮想容量の設定
(1)「5号機コンプレッサの測定方法の選択と運転による仮想容量の設定」画面を呼び出す。(初期設定3−5画面)(
図12)
(2)「機種選択の表示」には、normal(定速型コンプレッサ)が表示されている。
【0118】
(3)「基準コンプレッサの選択表示」には、で否が表示されている。
(4)※1の「測定方法の選択」には、すべて否が選択され表示されている。
(5)基準コンプレッサの※4の「インバーター型コンプレッサの運転仮想容量の合計」は70.0kWを表示していた。
記録1を押して運転仮想容量の合計70.0kWを記録(固定)した。
【0119】
(6)5号機37kW定速型コンプレッサを起動させて基準コンプレッサと並列運転させた。
※5の「インバーター型コンプレッサと被測定コンプレッサが並列運転した時のインバーター型コンプレッサの運転仮想容量の合計」が33.2kWを示し、記録2を押して記録(固定)した。
(7)計算を押して、※4から※5の減算値36.8kWを※6に得た。
※7に36.8を書き込みした。
5号機の最大電気仮想容量は36.8kWで演算される。
【0120】
(8)リセットを押して記憶値と計算値を解除にした。
(9)定速型コンプレッサのためその他の測定はない。
【0121】
[102−3−5]4号機37kWインバーター型コンプレッサの電気仮想容量の設定
(1)「4号機コンプレッサの測定方法の選択と運転による仮想容量の設定」画面を呼び出す。(初期設定3−4画面)(
図11)
(2)「機種の選択表示」には、inv(インバーター型コンプレッサ)が表示されている。
【0122】
(3)「基準コンプレッサの選択表示」には、否が表示されている。
(4)「測定方法の選択」は負荷率を選択した。
(5)※4の「インバーター型コンプレッサの運転仮想容量の合計」は70.0kWを表示していた。
記録1を押して運転仮想容量の合計70.0kWを記録(固定)した。
【0123】
(6)4号機37kWインバーター型コンプレッサを事業所に送出する吐出圧力0.57MPaの設定を行い、最大風量で運転させた。
そのとき※3の「現在測定値の表示」に105が表示された。
105を※2の「最大風量時」に記録した。
そのとき、※5の「インバーター型コンプレッサと被測定コンプレッサが並列運転した時のインバーター型コンプレッサの運転仮想容量の合計」が31.9kWを示し、記録2を押して記録(固定)した。
【0124】
(7)計算を押して、※4から※5の減算値38.1kWを得た。
※7「最大仮想容量の設定」に38.1を書き込みした。
4号機37kWインバーター型コンプレッサの最大仮想容量は38.1kWで演算される。
【0125】
(8)次に圧縮空気の負荷を調整して最小風量で運転させた。
そのとき※3の「現在測定値の表示」に10が表示された。
10を※2の「最小風量時」に記録した。
(9)リセットを押して記憶値と計算値を解除にした。
【0126】
(10)4号機インバーター型コンプレッサの圧力調整電気仮想容量は34.48kWである。
式を下記に示す。
【数2】
インバーター型コンプレッサには、増風量型があって減圧運転したとき最大風量が100%を超える機種がある。
【0127】
[102−3−6]2号機75kW定速型コンプレッサの電気仮想容量の設定
(1)「2号機コンプレッサの測定方法の選択と運転による仮想容量の設定」画面を呼び出す。(初期設定3−2画面)(
図9)
(2)「機種の選択表示」には、normal(定速型コンプレッサ)が表示されている。
【0128】
(3)「基準コンプレッサの選択表示」には、否が表示されている。
(4)※1の「測定方法の選択」には、すべて否が選択され表示されている。
【0129】
(5)2号機定速型コンプレッサの最大電気仮想容量の設定は、インバーター型コンプレッサの1号機と4号機を運転させて、圧縮空気の負荷を調整して※4の「インバーター型コンプレッサの運転仮想容量の合計」を95.0kWにした。
記録1を押して※4の「インバーター型コンプレッサの運転仮想容量の合計」95.0kWを記録(固定)した。
(6)2号機75kW定速型コンプレッサを起動させてインバーター型コンプレッサと並列運転させた。
※5の「インバーター型コンプレッサと被測定コンプレッサが並列運転した時のインバーター型コンプレッサの運転仮想容量の合計」が16.6kWを示し、記録2を押して記録(固定)した。
【0130】
(7)計算を押して、※4から※5の減算値を73.4kWを※6に得た。
※7に78.4を書き込みした。
2号機の最大電気仮想容量は78.4kWで演算される。
(8)リセットを押して記憶値と計算値を解除にした。
(9)定速型コンプレッサのためその他の測定はない。
【0131】
[102−4]コンプレッサ大中小容量設定と大小切替制御の設定
初期設定4−1の「コンプレッサ大中小容量設定と大小切替制御の設定」画面(
図13)を出す。
初期設定画面4−2の説明画面(
図14)を参照しながら下記の設定を行う。
(1)機種と特性表示
初期画面2と初期画面3−1〜5で設定した内容が表示される。
(2)コンプレッサ容量選択
1号機 大容量機
2号機 大容量機
3号機 中容量機
4号機 小容量機
5号機 小容量機
【0132】
[102−5−1]起動信号の設定
初期設定5の「起動信号の設定」画面に下記を設定した。
(1)仮想容量の設定 10kW
(2)率の設定 6%
【0133】
[102−6]停止信号の設定
初期設定6の「停止信号の設定」画面に下記を設定した。
(1)仮想容量の設定値 10kW
(2)率の設定 6%
(3)停止信号取得時間の設定 180秒
【0134】
[102−7]号機別制御特性の設定
初期設定7の「インチング時間の設定」画面に下記を設定した。
1〜5号機共に15分間
インチング時間とは、コンプレッサが自動起動したとき、手動による停止と操業終了によるシステム停止以外のとき必ず運転させる時間を言う。
【0135】
[102−8] 初期運転とシステムの設定
初期設定8の「初期運転とシステムの設定」画面に下記を設定した。
(1)初期運転時間 10分間
(2)初期運転台数 2台
(3)インバーター型コンプレッサのみ大容量機から運転「採用」を選択
【0136】
[102−9]コンプレッサ運転選択の設定
「コンプレッサ運転選択」画面には、連続と自動と切とがある 。
1〜5号機のすべて自動を選択した。
【0137】
[103]コンプレッサの圧力調整
[103−1]インバーター型コンプレッサへの圧力設定
インバーター型コンプレッサへの圧力設定値を0.57MPaとして、本発明の形態に係る圧縮機運転制御装置によって制御される圧縮空気供給装置による事業所への供給圧力を0.57MPaとした。
[103−2]定速型コンプレッサの吐出圧力調整機能の説明
定速型コンプレッサは標準整備(最大風量時の吐出圧力が0.69MPa)のまま使用する。なお、実施の形態に関する記載中の段落0064に記載したように、インバーター型コンプレッサの吐出圧力を定速型コンプレッサの標準整備圧力以下に設定してインバーター型コンプレッサを運転させている状態で定速型コンプレッサを運転したときに、定速型コンプレッサは全負荷運転になる。
【0138】
[104]圧縮機運転制御装置の運転
実施例の運転最大電気仮想容量の合計(運転中のコンプレッサの最大電気仮想容量の合計)、および、総運転電気仮想容量(運転中のコンプレッサの電気仮想容量の合計)の推移と制御の内容をグラフの
図15〜17に示す。
ここで説明する演算式の数値は、実際の運転では細かい数値まで分からないので、実施例の内容に基づき逆算したものを表現する。
【0139】
[104−1]初期運転 7時45分
初期運転は、初期充填と云われるもので、操業開始に備え、タンクと配管に圧縮空気を充填するものである。
実施例の初期運転は前記102−8]初期運転とシステムの設定で
(1)初期運転時間10分間
(2)初期運転台数 2台
(3)初期運転完了圧力 0.55MPa
(4)インバーター型コンプレッサのみ大容量機から運転
が設定されている。
【0140】
初期運転の最初の起動予定機は、インバーター型コンプレッサグループでは、1号機75kWコンプレッサであった。
定速型コンプレッサグループは5号機37kWコンプレッサであった。
どちらの起動予定機に起動信号を発するかは、インバーター型コンプレッサと定速型コンプレッサの運転台数の最適化のプログラムにより1号機75kWインバーター型コンプレッサが選択された。
【0141】
その演算の内容を下記の[104−1−1]に示す。演算は選択された式のみ記載する。
7時45分「圧縮機運転制御装置操作スイッチ」画面の操作スイッチを入りした。
1号機75kWインバーター型コンプレッサが起動した。
続いての起動予定機は、インバーター型コンプレッサグループでは4号機37kWコンプレッサであった。
定速型コンプレッサグループでは5号機37kWコンプレッサであった。
どちらの起動予定機に起動信号を発するかは、インバーター型コンプレッサと定速型コンプレッサの運転台数の最適化のプログラムにより5号機37kW定速型コンプレッサが選択された。
【0142】
その演算の内容を下記の[104−1−2]に示す。
1号機の起動に続いて5号機37kW定速型コンプレッサが起動した。
初期運転の起動は完了。
本管圧力が7時53分に0.55MPaになり初期運転が終了した。
操業の準備完了です。
初期充填中の運転最大電気仮想容量の合計は111.8kW、初期充填完了後の総運転電気仮想容量は75kWであった。
【0143】
[104−1−1]初期運転で1号機75kWインバーター型コンプレッサが起動予定機に指定された演算の内容
(1)−1 起動設定値が仮想容量による場合の起動グループ選択演算を式化する。
【0144】
【数3】
【0145】
上記式に数値を代入する。
【数4】
演算の結果、インバーター型コンプレッサグループの起動予定機が起動指定機に選択された。
【0146】
(1)−2 起動設定値が率(%)による場合の起動グループ選択演算を式化する。
【数5】
【0147】
上記式に数値を代入する。
【数6】
演算の結果、インバーター型コンプレッサグループの起動予定機が起動指定機に選択された。
【0148】
[104−1−2]初期運転で5号機37kW定速型コンプレッサが2台目の起動指定機に指定された演算
(1)−1起動設定値が仮想容量による場合の起動グループの選択演算を式化する。
【0149】
【数7】
【0150】
上記式に数値を代入する。
【数8】
演算の結果、定速型コンプレッサグループの起動予定機が起動指定機に選択された。
【0151】
(1)−2 起動設定値が率(%)による場合の起動グループの選択演算を式化する。
【数9】
【0152】
上記式に数値を代入する。
【数10】
演算の結果、定速型コンプレッサグループの起動予定機が起動指定機に選択された。
【0153】
[104−2]操業開始 8時00分
初期運転完了後は起動信号と停止信号のプログラム(コンプレッサ運転台数制御プログラム)が動作する。
初期運転完了後は、小容量機あるいは小容量機グループからの起動あるいは停止の指定になる。
初期運転中の大容量機から運転指定については、文献には無いが公知の技術として扱う。
操業を開始しても、操業の打ち合わせ、材料の準備、作業の準備などがあってすぐには使用風量が増えない。
【0154】
[104−3]追加起動 8時10分
8時10分に総運転電気仮想容量が101.801kWを超えたので、4号機37kWインバーター型コンプレッサ起動した。
起動に至った演算内容を[104−3−1]と[104−3−2]に示す。
【0155】
[104−3−1]4号機37kWインバーター型コンプレッサが起動するに至った経緯
圧縮機運転制御装置において、次の下記の5つの演算が行われた。
1.小容量機からの起動による起動予定機
インバーター型コンプレッサグループでは4号機37kWコンプレッサが起動予定機であった。
定速型コンプレッサグループでは3号機55kWコンプレッサが起動予定機であった。
【0156】
2.インバーター型コンプレッサと定速型コンプレッサの運転台数の最適化のプログラムの演算の結果、4号機37kWインバーター型コンプレッサが次期起動予定機の指定を受けた。
演算の内容を[104−3−2−1〜2]に示す。
演算の結果は仮想容量設定値、率(%)設定値による演算もインバーター型コンプレッサグループを選択した。
【0157】
3.電気仮想容量設定値による起動
総運転電気仮想容量が101.801kWのときの総無負荷電気仮想容量9.999kWで起動信号を得た。
演算の内容を[104−3−3−1]に示す。
【0158】
4.率設定値による起動演算
総運転電気仮想容量が105.473kWのときの総無負荷電気仮想容量6.327kWで起動信号を得た。
演算の内容を[104−3−3−2]に示す。
【0159】
5.電気仮想容量による起動演算と率設定値による起動演算の併用
電気仮想容量による設定値と率(%)による設定値の2つの設定値により得られた起動信号は、いずれか先に起動信号を得た信号を採用することで、電気仮想容量の設定値による起動信号により起動した。
【0160】
[104−3−2]インバーター型コンプレッサと定速型コンプレッサの運転台数の最適化のプログラムの演算式
[104−3−2−1]起動設定値が仮想容量による場合の起動グループの選択演算を式化する。
【数11】
【0161】
上記式に数値を代入する。
【数12】
演算の結果、インバーター型コンプレッサグループの起動予定機が起動指定機に選択された。
【0162】
[104−3−2−2]起動設定値が率(%)による場合の起動グループ選択演算を式化する。
【数13】
【0163】
上記式に数値を代入する。
【数14】
演算の結果、インバーター型コンプレッサグループの起動予定機が起動指定機に選択された。
【0164】
[104−3−3−1]起動設定値が仮想容量による起動信号演算
【数15】
【0165】
上記式に数値を代入する。
【数16】
電気仮想容量設定値では無負荷電気仮想容量が9.999kWのとき起動信号を取得した。
このときの運転仮想容量は101.801kWであった。
【0166】
[104−3−3−2]起動設定値が率(%)による起動信号演算を式化する。
【数17】
【0167】
上記式に数値を代入する。
【数18】
起動の率設定値では総無負荷電気仮想容量が6.327kWのとき起動信号を取得した。
このときの総運転仮想容量は105.473kWであった。
【0168】
[104−3]追加起動 8時22分
その後午前8時22分には3号機55kW定速型コンプレッサが起動した。
インバーター型コンプレッサと定速型コンプレッサの運転台数の最適化のプログラムの演算では、インバーター型コンプレッサの起動予定機が無かったので、定速型コンプレッサが選択された。
【0169】
このときの起動信号は、起動設定値が電気仮想容量設定による起動信号の取得によるものであった。
このときの、総運転電気仮想容量は139.901kWで、総無負荷電気仮想容量は9.999kWのときであった。
(演算式は省略)
【0170】
[104−4]追加起動 8時35分 2号機75kW定速型コンプレッサの起動
その後午前8時35分には2号機の75kW定速型コンプレッサが起動した。
起動信号は、率(%)、起動設定値による起動信号の取得演算によるものであった。
このときの、総運転電気仮想容量は191.322kWで、総無負荷電気仮想容量は11.478kWであった。
(演算式は省略)
【0171】
[104−5]2号機75kW定速型コンプレッサ起動直後の総無負荷電気仮想容量の動き
2号機75kW定速型コンプレッサの起動時の余剰電気仮想容量は75kW定速型コンプレッサ最大仮想容量のほとんどが余剰風量となる。
このとき、インバーター型コンプレッサの総圧力調整仮想容量が101.98kWでそのうち圧力調整部の総実負荷仮想容量が88.161kWであった。
【0172】
2号機75kW定速型コンプレッサの起動により圧力調整部の総実負荷仮想容量が減少して20.66kWになった。
2号機75kW定速型コンプレッサの起動による大量の余剰風量は運転中のインバーター型コンプレッサに吸収されて、供給圧力の上昇はなかった。
【0173】
本発明のインバーター型コンプレッサと定速型コンプレッサの運転台数の最適化による起動では、事前に起動と停止の仮想容量と起動した定速型コンプレッサの最大仮想容量の合計仮想容量相当以上のインバーター型コンプレッサの総圧力調整仮想容量が有ることを確認して起動しているため、追加起動による余剰電気仮想容量による供給圧力の上昇はなかったのである。
【0174】
[104−6]2号機75kW定速型コンプレッサ起動後の停止演算
8時35分に2号機75kW定速型コンプレッサした直後に、およそ80kWの総無負荷電気仮想容量があって、次の3つの停止演算が行われた。
1.小容量機からの停止指定による停止予定機の選択演算
2.インバーター型コンプレッサと定速型コンプレッサの運転台数制御の最適化の方法の演算
3.停止演算
【0175】
その演算の結果は下記であった。
(1)小容量機からの停止指定とインバーター型コンプレッサと定速型コンプレッサの運転台数制御の最適化の方法の演算において5号機37kW定速型コンプレッサが停止予定機になった。
その演算の内容を[104−6−2−1〜2]に示す。
(2)前記(1)の停止予定機の停止演算において停止可を得た。
演算の内容を[104−6−3−1〜2]に示す。
【0176】
上記の演算結果により、8時38分停止信号を得て、5号機37kW定速型コンプレッサは停止した。
【0177】
[104−6−1]インバーター型コンプレッサと定速型コンプレッサの停止予定機
このとき、インチング防止時間を経過し、停止可能なコンプレッサは、
(1)1号機75kWインバーター型コンプレッサ
(2)3号機55kW定速型コンプレッサ
(3)5号機37kW定速型コンプレッサ
である。
【0178】
インバーター型コンプレッサグループの停止予定機は1号機75kWコンプレッサである。
定速型コンプレッサグループの停止予定機は5号機37kWコンプレッサである。
インバーター型コンプレッサと定速型コンプレッサの運転台数制御の最適化のプログラムの演算により、定速型コンプレッサグループが指定され、5号機37kW定速型コンプレッサが停止指定機になった。
その演算内容を[104−6−2−1〜2]に示す。
【0179】
[104−6−2]インバーター型コンプレッサと定速型コンプレッサの運転台数制御の最適化の方法の演算
[104−6−2−1]起動設定値と停止設定値が仮想容量による停止グループ選択演算を式化する。
【数19】
【0180】
上記式の下記に所定の数値を代入する。
【数20】
演算の結果、定速型コンプレッサグループの停止予定機が停止指定機に選択された。
【0181】
[104−6−2−2]起動設定値と停止設定値が率(%)による停止グループ選択演算を式化する。
【数21】
【0182】
上記式の下記に所定の数値を代入する。
【数22】
演算の結果、定速型コンプレッサの停止予定機が停止指定に選択された。
【0183】
[104−6−3]5号機37kW定速型コンプレッサの停止演算
[104−6−3−1]仮想容量設定値による5号機37kW定速型コンプレッサの停止演算を式化する。
【数23】
【0184】
上記式の下記に所定の数値を代入する。
【数24】
この停止演算での結果は停止可である。
【0185】
[104−6−3−2]率(%)設定値による5号機37kW定速型コンプレッサの停止演算を式化する。
【数25】
【0186】
上記式の下記に所定の数値を代入する。
【数26】
この停止演算の結果は停止可である。
【0187】
その後午前9時00分には5号機37kW定速型コンプレッサが起動した。
[104−7]10時00分から10時10分までの休憩時間
午前の休憩時間になり、圧縮空気の需要が減り、停止演算を行った。
停止指定機は5号機37kW定速型コンプレッサである。
10時01分ごろ、先に仮想容量設定値による停止許可を得、次に率設定値による停止許可を得て、停止信号取得待機時間3分の後の10時4分ごろ停止に至った。
【0188】
停止に至ったときの条件は下記であった。
総運転電気仮想容量 217.692kW
総無負荷電気仮想容量 58.508kW
休憩時間中の運転電気仮想容量は190kWまで減少した。
他のコンプレッサは停止にいたるまで減少することはなかった。
演算の内容は前[104−6]と同一である。
【0189】
[104-8]10時20分休憩時間後の起動
休憩時間後、圧縮空気の需要が増大して、次期起動予定機として、起動予定機と停止予定機を小容量機からあるいは小容量グループから選択する方法、および、インバーター型コンプレッサと定速型コンプレッサの運転台数制御の最適化、により5号機37kW定速型コンプレッサが選択された。
【0190】
10時20分ごろ、率設定値による起動信号の取得による起動であった。
起動の条件は下記であった。
総運転電気仮想容量 225.850kW
総無負荷電気仮想容量 13.550kW
【0191】
[104-9]10時20分以降
その後、総運転電気仮想容量は253kWまで上昇した。
[104−10]その後
図示のような起動や停止があって、15時10分に「圧縮機運転制御装置操作スイッチ」を切にして操業を終了した。