特許第6025208号(P6025208)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6025208
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】乗員保護システム
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/0136 20060101AFI20161107BHJP
   B60R 21/015 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   B60R21/0136
   B60R21/015
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-112980(P2013-112980)
(22)【出願日】2013年5月29日
(65)【公開番号】特開2014-231302(P2014-231302A)
(43)【公開日】2014年12月11日
【審査請求日】2015年8月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】特許業務法人 共立
(72)【発明者】
【氏名】中澤 悠
(72)【発明者】
【氏名】今村 寧男
(72)【発明者】
【氏名】間瀬 祐介
(72)【発明者】
【氏名】萩原 久史
【審査官】 神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−008392(JP,A)
【文献】 特開平06−227349(JP,A)
【文献】 特開平07−181198(JP,A)
【文献】 特開平05−162611(JP,A)
【文献】 特開平10−086787(JP,A)
【文献】 特開2013−103603(JP,A)
【文献】 特表2003−509284(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/00 − 21/13
B60R 21/34 − 21/38
B60R 21/16 − 21/33
B60R 22/00 − 22/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(C)の幅方向の衝撃を検出する第1のセンサ(21)と、
該車両の幅方向の衝撃を検出する第2のセンサ(22)と、
各該センサ(21,22)からの検出信号と、衝突と判定する判定条件と、を比較することで衝突の判定を行う判定手段(1)と、
該車両の前後方向にスライドする搭乗席(SFL)に搭乗する乗員の搭乗位置を判定する搭乗位置判定手段(3)と、
を有する乗員保護システムであって、
該第1のセンサが、スライド自在な該搭乗席を最も前にスライドさせたときの該搭乗席の側方に配置され、該第2のセンサが、スライド自在な該搭乗席を最も後にスライドさせたときの該搭乗席の側方に配置されており、
該判定手段(1)は、
該第1のセンサ及び該第2のセンサの判定条件として、衝突判定条件と、セーフィング判定条件とを有し、
該搭乗位置が該第2のセンサよりも該第1のセンサに近い場合は、該第1のセンサの出力と該衝突判定条件とで衝突の有無を判定するとともに、該第2のセンサの出力と該セーフィング判定条件とで衝突の有無を判定し、
該搭乗位置が該第1のセンサよりも該第2のセンサに近い場合は、該第2のセンサの出力と該衝突判定条件とで衝突の有無を判定するとともに、該第1のセンサの出力と該セーフィング判定条件とで衝突の有無を判定する乗員保護システム。
【請求項2】
前記第1のセンサ(21)と前記第2のセンサ(22)は、車両の一つの扉にもうけられている請求項1記載の乗員保護システム。
【請求項3】
前記搭乗位置判定手段(3)は、車両の搭乗席(SFL)のスライドを検知するシートスライドセンサを有する請求項1〜2のいずれか1項に記載の乗員保護システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の側方からの衝突時に搭乗している乗員を保護する乗員保護システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、衝突時に乗員を保護する乗員保護システムが取り付けられている。乗員保護システムには、たとえば、衝突時に展開して乗員を保護するエアバッグがある。近年は、車両の前後方向の衝突だけでなく、側方からの衝突に対して乗員の保護を行う乗員保護システムが求められてきている。
【0003】
従来の車両に搭載された乗員保護システムは、たとえば、特許文献1に開示されている。従来の乗員保護システムは、衝突を検知するセンサと、センサからの信号に基づいて衝突の判定を行う判定手段と、を備え、センサからの検出信号に基づいて判定手段が衝突の判定を行っている。そして、判定手段が衝突と判定したときには、エアバッグやプリテンショナなどの保護手段を作動させている。
【0004】
そして、従来の乗員保護システムでは、車両の複数箇所にセンサが取り付けられている。つまり、従来の乗員保護システムは、複数のセンサを備えている。さらに、従来の乗員保護システムでは、複数のセンサに、衝突を検知するセンサだけでなく、衝突を検知するセンサの冗長性を確保するためのセーフィングセンサとしても機能させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−30766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の乗員保護システムでは、複数のセンサを、乗員の搭乗位置に近接したドアに設置している。この場合、車両内で乗員の位置が変化すると、乗員と衝突を検知するセンサとの距離が長くなり、当該乗員の保護の精度が低下するという問題を生じていた。特に、近年の車両は、運転者以外の乗員の搭乗する搭乗席が、車両の前後方向(進行・後退方向)に大きくスライドできるようになっている。この場合、車両の搭乗席を最前方又は最後方のいずれかにスライドさせた位置に対応してセンサを設置した場合、最後方又は最前方に搭乗席をスライドさせたときに乗員とセンサとの距離が長くなり、乗員の保護が十分でなくなるおそれがあった。
【0007】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、車室内の乗員の保護を十分に行うことができる乗員保護システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明者等は乗員保護システムに関して検討を重ねた結果、保護すべき乗員の搭乗位置に対応した検知手段からの検出信号に基づいて衝突の判定を行うことで上記課題を解決できることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明の乗員保護システムは、車両の幅方向の衝撃を検出する第1のセンサと、車両の幅方向の衝撃を検出する第2のセンサと、各センサからの検出信号と、衝突と判定する判定条件と、を比較することで衝突の判定を行う判定手段と、車両の前後方向にスライドする搭乗席(SFL)に搭乗する乗員の搭乗位置を判定する搭乗位置判定手段と、を有する乗員保護システムであって、第1のセンサが、スライド自在な搭乗席を最も前にスライドさせたときの搭乗席の側方に配置され、第2のセンサが、スライド自在な搭乗席を最も後にスライドさせたときの搭乗席の側方に配置されており、判定手段(1)は、第1のセンサ及び第2のセンサの判定条件として、衝突判定条件と、セーフィング判定条件とを有し、搭乗位置が第2のセンサよりも第1のセンサに近い場合は、第1のセンサの出力と衝突判定条件とで衝突の有無を判定するとともに、第2のセンサの出力とセーフィング判定条件とで衝突の有無を判定し、搭乗位置が第1のセンサよりも第2のセンサに近い場合は、第2のセンサの出力と衝突判定条件とで衝突の有無を判定するとともに、第1のセンサの出力とセーフィング判定条件とで衝突の有無を判定する。
【0010】
本発明の乗員保護システムは、各センサからの検出信号と、衝突と判定する判定条件と、を比較することで衝突の判定を行う乗員保護システムであって、第1のセンサの判定条件と第2のセンサの判定条件を、搭乗位置判定手段に判定された搭乗位置に基づいて、それぞれ異なる条件である衝突判定条件と、セーフィング判定条件に設定している。この場合、第1のセンサの判定条件と、第2のセンサの判定条件を、それぞれ最適な条件とすることができる。つまり、それぞれのセンサの判定条件を、乗員の搭乗位置に基づいて設定することで、適切な衝突の判定及び乗員の保護を行うことができる。
【0011】
本発明の乗員保護システムでは、判定手段は、第1のセンサ及び第2のセンサの判定条件として、衝突判定条件と、セーフィング判定条件とを有し、搭乗位置が第2のセンサよりも第1のセンサに近い場合は、第1のセンサの出力と衝突判定条件とで衝突の有無を判定するとともに、第2のセンサの出力とセーフィング判定条件とで衝突の有無を判定し、搭乗位置が第1のセンサよりも第2のセンサに近い場合は、第2のセンサの出力と衝突判定条件とで衝突の有無を判定するとともに、第1のセンサの出力とセーフィング判定条件とで衝突の有無を判定する。
【0012】
本発明の乗員保護システムでは、判定手段が、衝突判定条件とセーフィング判定条件の二つの判定条件を有することで、搭乗位置判定手段に判定された搭乗位置に対応した判定条件をその都度算出する場合に比べて、算出のステップを有していないため、衝突の判定をロスなく行うことができる。
【0013】
その上で、本発明の乗員保護システムでは、第1のセンサと第2のセンサのうち搭乗位置に近いセンサの判定を衝突判定条件で、搭乗位置が遠いセンサの判定をセーフィング判定条件で、それぞれ判定する。衝突判定条件は、衝突の判定の判定条件であり、搭乗位置に近い衝突の判定に特に効果を発揮する。また、セーフィング判定条件は、衝突判定条件よりも搭乗位置から離れたセンサに対する判定条件であり、衝突判定条件に対して補助的な判定条件として機能することができる。そして、本発明の乗員保護システムでは、第1の及び第2のセンサの判定条件を、乗員の搭乗位置に応じて二つの判定条件から適宜選択する。つまり、車両内で乗員の搭乗位置が変化しても、二つのセンサの判定条件を入れ替えることで、確実な衝突の検知及び適切な乗員の保護を達成できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の乗員保護システムは、二つのセンサにおける衝突の判定条件を、車両に搭乗した乗員の搭乗位置とセンサまでの距離により異なるものに設定することができる。つまり、それぞれのセンサの判定条件を最適な条件に設定できる。この結果、本発明の乗員保護システムは、衝突の検知を精度よく行うことができ、その結果、適切な乗員の保護を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態の乗員保護システムが搭載された車両の構成を示した概略図である。
図2】実施形態の乗員保護システムのECUの動作を示した図である。
図3】実施形態の乗員保護システムが搭載された車両に衝突形態を示した概略図である。
図4】実施形態の乗員保護システムが搭載された車両に衝突形態を示した概略図である。
図5】比較形態の乗員保護システムが搭載された車両の構成を示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の乗員保護システムは、車両の幅方向の衝撃を検出する第1のセンサと、車両の幅方向の衝撃を検出する第2のセンサと、各センサからの検出信号と、衝突と判定する判定条件と、を比較することで衝突の判定を行う持つ判定手段と、乗員の搭乗位置を判定する搭乗位置判定手段と、を有する乗員保護システムである。
【0017】
本発明の乗員保護システムは、第1のセンサ及び第2のセンサの二つのセンサを有している。この二つのセンサは、いずれも独立したセンサであり、車両の幅方向の衝撃を検出する。つまり、二つのセンサは、それぞれ車両の側方に被衝突物が衝突したときの衝撃を検知する。
【0018】
ここで、二つのセンサの具体的な構成は、限定されるものではなく、従来の乗員保護システムで衝突の検知に用いられるセンサを用いることができる。このセンサの種類としては、たとえば、車両への衝突の衝撃を加速度変化として検知する加速度センサや、ドアの変形による内圧の変化から車両への衝突を検出する圧力センサ、等のセンサをあげることができる。
【0019】
判定手段は、各センサからの検出信号と、衝突と判定する判定条件と、を比較することで衝突の判定を行う。すなわち、判定手段が、各センサからの検出信号と、衝突と判定する判定条件と、を比較することで、本発明の乗員保護システムが衝突の判定を行うことができる。なお、本発明では、第1のセンサの検出信号と第2のセンサの検出信号と、衝突と判定するそれぞれに対応した判定しきい値と、を比較して、二つの検出信号のいずれもが判定しきい値を超えたときに衝突と判定する。
【0020】
判定手段は、各センサからの検出信号と、衝突と判定する判定条件としての判定しきい値と、を比較することで衝突の判定を行うことができる。各センサからの検出信号は、その信号の種類が限定されるものではなく、センサが出力する信号のみだけでなく、反転,増幅等の処理や、積分等の処理を行った処理後の信号であってもよい。判定しきい値は、本発明の乗員保護システムにおいて、衝突と判定するためのしきい値であれば、限定されるものではない。
【0021】
そして、判定しきい値は、予め決定しておいても、車両の状態から算出しても、いずれでもよい。また、判定しきい値は、各センサからの検出信号と比較したときに、衝突と判定できる形態であればよく、検出信号からの値が予め決定された判定しきい値を超える(あるいは、判定しきい値を下回る)場合に衝突と判定する形態であっても、検出信号からの値が予め決定された範囲(判定しきい値の範囲)を外れる場合に衝突と判定する形態であっても、いずれでもよい。
判定手段は、従来の乗員保護システムにおいて、衝突の判定を行っている手段を用いることができ、たとえば、演算ユニット(ECU)をあげることができる。
【0022】
本発明の乗員保護システムは、乗員の搭乗位置を判定する搭乗位置判定手段を有する。搭乗位置判定手段を有することで、乗員の搭乗位置を判定することができ、衝突の判定を搭乗位置に基づいて適切に行うことができる。特に、乗員の保護が必要な衝突の判定を行うことができる。
【0023】
そして、本発明の乗員保護システムは、判定手段が、第1のセンサの判定条件と第2のセンサの判定条件を、搭乗位置に基づいて、それぞれ異なる条件に設定する。
【0024】
本発明の乗員保護システムは、判定手段において、第1のセンサの判定条件と第2のセンサの判定条件を、それぞれ異なる条件に設定する。これにより、第1のセンサと第2のセンサとで、異なる判定条件とすることができ、二つのセンサの検出信号から衝突の判定を行うことで、より確実に衝突の判定を行うことができる。
【0025】
その上で、本発明の乗員保護システムは、衝突の判定に用いられる判定条件を、乗員の搭乗位置に基づいて決定する。つまり、搭乗位置に近いセンサにおける判定条件を、より高い精度を備えた判定条件(判定しきい値)に設定することができる。
【0026】
すなわち、本発明の乗員保護システムは、乗員の搭乗位置からそれぞれのセンサに適用される判定条件を決定することで、より高い精度で衝突の判定を行うことができ、判定結果に基づいて乗員の保護をより適切に行うことができる。
【0027】
本発明の乗員保護システムは、判定手段が、第1のセンサと第2のセンサのうち、搭乗位置に近い一方のセンサで衝突と判定する衝突判定条件と、一方のセンサよりも搭乗位置から遠い他方のセンサで衝突と判定するセーフィング判定条件と、の二つの判定条件を有し、第1のセンサと第2のセンサのうち搭乗位置までの距離が短いセンサの判定を衝突判定条件で、距離が長いセンサの判定をセーフィング判定条件で、それぞれ判定する。
【0028】
本発明の乗員保護システムでは、判定手段が、衝突判定条件セーフィング判定条件の二つの判定条件を有することで、搭乗位置判定手段に判定された搭乗位置に対応した判定条件をその都度算出する場合に比べて、算出のステップを有していないため、衝突の判定をロスなく行うことができる。
【0029】
その上で、本発明の乗員保護システムでは、第1のセンサと第2のセンサのうち搭乗位置までの距離が短いセンサの判定を衝突判定条件で、距離が長いセンサの判定をセーフィング判定条件で、それぞれ判定することができる。衝突判定条件は、近距離での衝突の判定に用いる判定条件であり、搭乗位置に近い衝突の判定に特に効果を発揮する。また、セーフィング判定条件は、衝突判定条件よりも離れたセンサにおける判定条件であり、衝突判定条件に対して補助的な判定条件として機能することができる。そして、本発明の乗員保護システムでは、第一の及び第2のセンサの判定条件を、乗員の搭乗位置に応じて二つの判定条件から適宜選択する。つまり、車両内で乗員の搭乗位置が変化しても、二つのセンサの判定条件を入れ替えることで、確実な衝突の検知及び適切な乗員の保護を達成できる。
【0033】
本発明の乗員保護システムでは、衝突判定条件は、衝突の検知を行うメインセンサ用の判定条件であり、セーフィング判定条件は、セーフィングセンサ用の判定条件であることがより好ましい。
【0034】
本発明の乗員保護システムにおいて、第1のセンサと第2のセンサは、車両の一方の側部にもうけられていることが好ましい。二つのセンサが車両の一方の側部(同一の側部)にもうけられていることで、二つのセンサ間の距離を短くすることができるようになり、二つのセンサのそれぞれの検出信号の間隔を短くすることができ、より素早く衝突の判定を行うことができる。
そして、本発明の乗員保護システムでは、第1のセンサが、スライド自在な搭乗席を最も前にスライドさせたときの搭乗席の側方に配置され、第2のセンサが、スライド自在な搭乗席を最も後にスライドさせたときの搭乗席の側方に配置される。
【0035】
本発明の乗員保護システムにおいて、第1のセンサと第2のセンサは、乗員の搭乗位置が変化したときの車両での前後方向での両端にもうけられていることが好ましい。乗員の搭乗位置の前後端に二つのセンサを配置することで、保護すべき乗員が搭乗位置を変化しても、二つのセンサのいずれかから乗員までの距離が所定の距離以下となるため、判定条件を衝突の判定を行う条件で設定できる。
【0036】
本発明の乗員保護システムにおいて、第1のセンサと第2のセンサは、車両の一つの扉にもうけられていることが好ましい。二つのセンサが、一つの扉(同一の扉)にもうけられることで、二つのセンサの距離を短くすることができ、より素早く衝突の判定を行うことができる。
【0037】
本発明の乗員保護システムにおいて、搭乗位置判定手段は、乗員の車室内での搭乗位置を判定できる手段であれば、限定されるものではない。また、本発明において乗員の搭乗位置とは、乗員の着座位置であることが好ましく、乗員の頭部の位置であることがより好ましい。
【0038】
この搭乗位置判定手段としては、たとえば、車両の搭乗席のスライド(スライド量やスライド後の位置)を検知するシートスライドセンサ,車室内を撮影して撮影結果から搭乗位置を判定する手段,(乗員が保持する発信器からの)乗員が発する信号(電波,音波)を受信して搭乗位置を判定する手段等の手段をあげることができる。
【0039】
車両の搭乗席のスライドを検知するシートスライドセンサを有することが好ましい。シートスライドセンサは、スライド後の搭乗席の車室内で位置(乗員の搭乗位置)を判定することができる。
【0040】
車両の搭乗席が、乗員の着座状態を判定する着座状態判定手段を有することが好ましい。搭乗位置判定手段が、乗員の着座状態を判定する着座状態判定手段を有することで、乗員の着座位置だけでなく乗員の頭部の位置を判定することができ、より高い精度で乗員の保護を行うことができる。
【0041】
ここで、着座状態判定手段としては、乗員がその搭乗席に着座しているか否かの判定を行う手段や、搭乗席のリクライニング(リクライニングの有無やリクライニング量)の判定を行うセンサをあげることができる。さらに、着座状態判定手段としては、乗員の体格を判定してもよい。
【0042】
本発明の乗員保護システムが搭載される車両がシートポジション等の搭乗席の位置情報を記憶する装置を有する場合、搭乗位置判定手段をこの記憶装置に記憶された位置情報に利用することもできる。
本発明の乗員保護システムは、上記した構成以外の構成については特に限定されるものではなく、従来公知の構成を採用することができる。
【0043】
すなわち、本発明の乗員保護システムが搭載される車両については、各センサ,各判定手段等の手段が搭載される車両については、限定されるものではない。また、各手段の接続についても、それぞれの機能を発揮できる形態であれば限定されるものではない。
【0044】
本発明の乗員保護システムは、上記したように衝突の判定を行うことを特徴とするものであり、衝突の判定が行われた後に、乗員の保護を行う手段(デバイス)を搭載していていることが好ましい。
乗員の保護を行う手段(デバイス)としては、サイドエアバッグ,カーテンエアバッグ等のエアバッグや、シートプリテンショナをあげることができる。
【実施例】
【0045】
以下、実施形態例を用いて具体的に本発明を説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体的に示した実施形態の一例であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態例として、車両に搭載された乗員保護システムでの衝突の検知を具体的に説明する。
【0046】
[実施形態]
本形態は、図1にその概略が示された車両(車室)Cにもうけられた乗員保護システムである。本形態は、上記した本発明の乗員保護システムを具体的に説明する形態である。
【0047】
図1に示したように、車両Cは、前後左右にそれぞれ2席の搭乗席を備えている。すなわち、前席右SFR,前席左SFL,後席右SRR,後席左SRLの4つの搭乗席を備えている。前席右SFRが運転席に該当する。本形態において、図1に示したように、前席左SFLは、前席右SFRの隣から後席左SRL付近まで前後方向に大きくスライド可能に構成されている。
【0048】
そして、本形態では、車両Cの右側部には、前席右ドアDFR,後席右ドアDRRの二つのドアが、車両Cの右側部には、一つの左ドアDLがもうけられている。本形態において左ドアDLは、大きくスライドする前席左SFLに対応して、大きな開口を持つことができる様に、車両の左側部で前後方向にスライドする。
【0049】
本形態の乗員保護システムは、電子制御ユニット(ECU)1と、複数のサテライトセンサ21,22と、シートスライドセンサ3と、サイドエアバッグ4と、を備えている。ECU1,複数のサテライトセンサ21,22及びシートスライドセンサ3のそれぞれ,サイドエアバッグ4は、図示されない通信線で接続されている。
【0050】
ECU1は、車両Cのほぼ中央に配設されており、車両Cに加わった衝突の判定及びサイドエアバッグ4の起動制御を行う。なお、ECU1は、センサ21からECU1までの距離が、センサ21からセンサ22までの距離よりも長い位置に配設されている。また、センサ22からECU1までの距離が、センサ22からセンサ21までの距離よりも長い位置でもある。
【0051】
ECU1は、シートスライドセンサ3からの検出信号から、前席左SFLの車両Cにおける位置を判定し、センサ21,22からの検出信号を衝突の判定に用いる場合に利用する判定しきい値を決定する。そして、各センサ21,22からの検出信号と、先に決定された判定しきい値と、を比較することで衝突の判定を行う。
【0052】
具体的には、ECU1は、シートスライドセンサ3からの検出信号から、前席左SFLの車両Cにおける位置を判定し、衝突と判定する判定しきい値を決定する。そして、各サテライトセンサ21,22からの検出信号と、シートスライドセンサ3から決定される衝突と判定する判定しきい値と、を比較することで衝突の判定を行う。衝突の判定の結果、エアバッグ4の起動を判定する。
【0053】
本形態においてECU1は、判定しきい値として二つの判定しきい値(衝突判定しきい値,セーフィング判定しきい値)を備えている。本形態において、衝突判定しきい値は、そのセンサの側方に乗員がいる場合に適用される判定しきい値である。セーフィング判定しきい値は、衝突判定しきい値による判定結果のセーフィングセンサ用の判定しきい値である。
【0054】
そして、シートスライドセンサ3からの検出信号から、前席左SFLがセンサ22よりもセンサ21に近接していると判定される場合には、センサ21からの検出信号は、衝突判定しきい値を判定しきい値として判定が行われる。このとき、センサ22からの検出信号は、セーフィング判定しきい値を判定しきい値として判定が行われる。
【0055】
逆に、前席左SFLがセンサ21よりもセンサ22に近接していると判定される場合には、センサ22からの検出信号は、衝突判定しきい値を判定しきい値として判定が行われる。このとき、センサ21からの検出信号は、セーフィング判定しきい値を判定しきい値として判定が行われる。
【0056】
本形態例の乗員保護システムでECU1は、具体的には、図2に示したフローチャートに沿って動作する(衝突の判定を行う)。ECU1では、二つのセンサ21とセンサ22とが、ともに衝突と判定した場合に、エアバッグ4の起動の指示を行う。図2には、センサ21での衝突の判定と、センサ22での衝突の判定が、ほぼ同時に進行する形態を示したが、衝突判定しきい値を用いる判定が完了した後に、セーフィング判定しきい値を用いる判定が開始する態様であってもよい。
【0057】
本形態の乗員保護システムは、左ドアDLに二つのサテライトセンサ21,22が配設されている。図1に示したように、左ドアDLの前方側にサテライトセンサ21が、後方側にサテライトセンサ22が、それぞれ配設されている。
【0058】
サテライトセンサ21は、大きくスライド可能な前席左SFLを最前方にスライドさせた状態でほぼ側方となる位置に配設されている。サテライトセンサ22は、前席左SFLを最後方にスライドさせた状態でほぼ側方となる位置に配設されている。すなわち、本形態の乗員保護システムでは、前席左SFLを前方の端部にスライドさせたときに、その側方にセンサ21が、後方の端部にスライドさせたときにその側方にセンサ22が、それぞれ位置するように配設されている。
【0059】
シートスライドセンサ3は、前後方向にスライド可能な前席左SFLに配設されている。本形態では、シートスライドセンサ3は、前席左SFLの車両Cにおける位置(前後方向での位置)を検知する。
【0060】
なお、本形態では、シートスライドセンサ3は、前席左SFLの車両Cにおける位置を検知するセンサを用いたが、シートスライドレールの前方端又は後方端からの距離を測定して前席左SFLの位置を求めるセンサであってもよい。
【0061】
サイドエアバッグ4は、車両の側部にもうけられ、搭乗席Sに搭乗した乗員を保護する。サイドエアバッグ4は、ECU1からの起動信号により作動(起動)する。サイドエアバッグ4は、4つの搭乗席のそれぞれに配設されており、図1では前席左SFLのみ図示した(他は図略)。
【0062】
[乗員保護システムの動作]
本形態例において車両Cの側方からの衝突が発生したときの動作について具体的に説明する。
【0063】
[搭乗席SFLが最前方に位置している場合]
本衝突形態は、搭乗席SFLが最前方に位置している場合(フロントモースト)で、側方からの衝突が生じた場合である。本衝突形態における衝突位置及び搭乗席SFLの位置を図3に示した。
まず、ECU1は、予め決定されている所定の周期(たとえば0.5ms周期)で各センサ21,22,3の検出信号を取り込んでいる。
【0064】
ECU1は、シートスライドセンサ3からの検出信号を参照し、前席左SFLが最前方に位置していると判定し、センサ21の検出信号の判定に用いられる判定しきい値を衝突判定しきい値に設定する。合わせて、センサ22の検出信号の判定に用いられる判定しきい値をセーフィング判定しきい値に設定する。(図2中の”シートスライドセンサ3”〜”センサ22判定しきい値設定”の各ステップにそれぞれ相当。)
そして、車両Cに衝突が発生し、衝突の衝撃が車両Cを伝達する。
【0065】
車両Cに衝突が発生すると、その衝撃は、まず、車両Cを介してセンサ21に、その後、センサ22に伝達する。この衝撃の伝達時間は、衝突部位からの距離に比例するものであり、センサ21にはただちに、センサ22にはわずかにおくれて、それぞれ伝達される。(図2中の”センサ21検出信号入力”〜”センサ22処理済み信号出力”の各ステップに相当。)
【0066】
最初に衝突が検知されるまでの間は、衝突を検知していない状態である。各センサ21,22が衝突を検知していないため、各センサ21,22からの検出信号に基づいた衝突の判定が行われない。すなわち、サイドエアバッグ4が起動されない。(図2中の”センサ21演算値≧判定しきい値”で”No”の判定に相当。)
衝突の衝撃が伝達すると、二つのセンサ21,22のそれぞれは、衝撃に起因する検出信号をECU1に向けて発する。
【0067】
ECU1では、入力された二つのセンサ21,22の検出信号を判定しきい値との比較に利用できるように処理(本形態では積分値を求める)し、処理された検出信号を出力する。出力された検出信号は、判定しきい値(衝突判定しきい値)と比較される。(図2中の”センサ21演算値≧判定しきい値”のステップに相当。)
【0068】
センサ21の検出信号が判定しきい値(衝突判定しきい値)を超えていると判定できたとき(図2中の”センサ21演算値≧判定しきい値”で”Yes”の判定に相当。)、センサ22の判定結果が参照される。センサ21の検出信号が判定しきい値(衝突判定しきい値)未満である場合(図2中の”センサ21演算値≧判定しきい値”で”No”の判定に相当。)には、乗員を保護すべき衝突ではない(エアバッグ4を起動すべき衝突でない)と判定し、当該判定を終了する(衝突の検知前の状態に戻る)。
【0069】
そして、参照されたセンサ22の検出信号が判定しきい値(セーフィング判定しきい値)を超えていると判定できたとき(図2中の”センサ22演算値≧判定しきい値”で”Yes”の判定に相当。)、すなわち、二つのセンサ21,22の検出信号がいずれも判定しきい値を超えたとき、検出された衝突が乗員を保護すべき衝突である(エアバッグ4を起動すべき衝突である)と判定する。
【0070】
そして、ECU1は、エアバッグ4を起動する(図2中の”エアバッグ4起動信号”のステップに相当)。具体的には、エアバッグ4を展開するためのインフレータに対して、起動信号を送信する。エアバッグ4は、起動信号を受信したら、インフレータを起動してエアバッグ4を展開して乗員を保護する(図2中の”END(エアバッグ4起動)”のステップに相当)。
【0071】
[搭乗席SFLが最後方に位置している場合]
本衝突形態は、搭乗席SFLが最後方に位置している場合(リアモースト)で、側方からの衝突が生じた場合である。本衝突形態における衝突位置及び搭乗席SFLの位置を図4に示した。
まず、ECU1は、予め決定されている所定の周期(たとえば0.5ms周期)で各センサ21,22,3の検出信号を取り込んでいる。
【0072】
ECU1は、シートスライドセンサ3からの検出信号を参照し、前席左SFLが最後方に位置していると判定し、センサ21の検出信号の判定に用いられる判定しきい値をセーフィング判定しきい値に設定する。合わせて、センサ22の検出信号の判定に用いられる判定しきい値を衝突判定しきい値に設定する。
そして、車両Cに衝突が発生し、衝突の衝撃が車両Cを伝達する。衝突の衝撃は、上記したように、まず、センサ22に、その後、センサ21に伝達する。
【0073】
最初に衝突が検知されるまでの間は、衝突を検知していない状態である。各センサ21,22が衝突を検知していないため、各センサ21,22からの検出信号に基づいた衝突の判定が行われない。すなわち、サイドエアバッグ4が起動されない。
衝突の衝撃が伝達すると、二つのセンサ21,22のそれぞれは、衝撃に起因する検出信号をECU1に向けて発する。
【0074】
ECU1では、入力された二つのセンサ21,22の検出信号を判定しきい値との比較に利用できるように処理(本形態では積分値を求める)し、処理された検出信号を出力する。出力された検出信号は、判定しきい値(衝突判定しきい値)と比較される。
【0075】
センサ22の検出信号が判定しきい値(衝突判定しきい値)を超えていると判定できたとき、センサ21の判定結果が参照される。センサ22の検出信号が判定しきい値(衝突判定しきい値)を未満である場合には、上記の衝突形態と同様に、乗員を保護すべき衝突ではない(エアバッグ4を起動すべき衝突でない)と判定する。
【0076】
そして、参照されたセンサ21の検出信号が判定しきい値(セーフィング判定しきい値)を超えていると判定できたとき(二つのセンサ21,22の検出信号がいずれも判定しきい値を超えたとき)、検出された衝突が乗員を保護すべき衝突である(エアバッグ4を起動すべき衝突である)と判定する。
【0077】
[比較形態]
本形態は、図5にその概略が示された車両(車室)Cにもうけられた乗員保護システムである。
本形態は、特に言及しない構成は、上記した実施形態の乗員保護システムと同様の構成である。
【0078】
本形態の乗員保護システムは、図5に示したように、左ドアDLに一つのサテライトセンサ21が配設され、ECU1がセーフィングセンサ(図示せず)を備え、シートスライドセンサを備えていない構成となっていること以外は、上記した実施形態の乗員保護システムと同様の構成である。
【0079】
ECU1は、車両Cのほぼ中央に配設されており、車両Cに加わった衝突の判定及びサイドエアバッグ4の起動制御を行う。また、ECU1は、セーフィングセンサ(図示せず)を備えており、セーフィングセンサの検出結果は、車両Cに加わった衝突の判定に利用される。
【0080】
具体的には、ECU1は、サテライトセンサ21及びセーフィングセンサからの検出信号と、シートスライドセンサ3から決定される衝突と判定する判定しきい値と、を比較することで衝突の判定を行う。衝突の判定の結果、エアバッグ4の起動を判定する。
【0081】
[乗員保護システムの動作]
本比較形態例において車両Cの側方からの衝突が発生したときの動作について具体的に説明する。
[搭乗席SFLが最前方に位置している場合]
本衝突形態は、上記の図3に示した衝突形態と同様の衝突が生じた場合である。
まず、ECU1は、予め決定されている所定の周期(たとえば0.5ms周期)でセンサ21の検出信号を取り込んでいる。
そして、車両Cに衝突が発生し、衝突の衝撃が車両Cを伝達する。
【0082】
車両Cに衝突が発生すると、その衝撃は、まず、車両Cを介してセンサ21に、その後、セーフィングセンサに伝達する。この衝撃の伝達時間は、上記のように衝突部位からの距離に比例するものであり、センサ21に伝達した後、セーフィングセンサに、それぞれ伝達される。
【0083】
最初に衝突が検知されるまでの間は、衝突を検知していない状態である。センサ21が衝突を検知していないため、センサ21からの検出信号に基づいた衝突の判定が行われない。すなわち、サイドエアバッグ4が起動されない。
衝突の衝撃が伝達すると、センサ21は、衝撃に起因する検出信号をECU1に向けて発する。
ECU1では、上記と同様に入力されたセンサ21の検出信号を判処理し、判定しきい値(上記の衝突判定しきい値と同様に設定されたしきい値)と比較する。
【0084】
センサ21の検出信号が判定しきい値を超えていると判定できたとき、セーフィングセンサの判定結果が参照される。センサ21の検出信号が判定しきい値未満である場合には、乗員を保護すべき衝突ではない(エアバッグ4を起動すべき衝突でない)と判定し、当該判定を終了する(衝突の検知前の状態に戻る)。
【0085】
そして、参照されたセーフィングセンサの検出信号が判定しきい値(上記のセーフィング判定しきい値と同様な判定しきい値)を超えていると判定できたとき(センサ21及びセーフィングセンサの検出信号がいずれも判定しきい値を超えたとき)、検出された衝突が乗員を保護すべき衝突である(エアバッグ4を起動すべき衝突である)と判定する。
【0086】
そして、ECU1は、エアバッグ4を起動する。具体的には、エアバッグ4を展開するためのインフレータに対して、起動信号を送信する。エアバッグ4は、起動信号を受信したら、インフレータを起動してエアバッグ4を展開して乗員を保護する。
【0087】
実施形態の乗員保護システムでは、二つのセンサ21,22が衝突と判定したときに乗員を保護すべき衝突であると判定し、サイドエアバッグ4を起動して乗員を保護する。
【0088】
そして、実施形態の乗員保護システムでは、二つのセンサ21,22が衝突と判定するための判定しきい値を、乗員の搭乗位置(搭乗席の位置)により切り替えている。すなわち、実施形態の乗員保護システムでは、搭乗席SFLが最前方に位置している場合(フロントモースト)と、最後方に位置している場合(リアモースト)と、で、検出結果が比較される判定しきい値が異なるものとなっている。この結果、搭乗席SFLが車室内でスライドしても、搭乗席SFLに搭乗している乗員を確実に保護することができる効果を発揮する。
【0089】
さらに、実施形態の乗員保護システムでは、二つのセンサ21,22間の距離が、ECU1からセンサ21,センサ22までの距離よりも、短くなっている。これにより、同じ場所に衝突を受け手も、衝突の判定が、実施形態の方が比較形態よりも早い時間で完了する。すなわち、乗員を保護すべき衝突であるか否かの判定が、実施形態では比較形態よりも先に完了する。このことは、実施形態の乗員保護システムの方が、比較形態よりも、エアバッグ4を展開できることを示し、乗員をより保護できることを示す。
【0090】
以上に説明したように、実施形態の乗員保護システムは、判定しきい値を切り替えることで、高い精度で乗員を保護することができる効果を発揮する。さらに、二つのセンサ21,22間の距離が短いことで、より早い時間から乗員を保護できる効果を発揮する。
【符号の説明】
【0091】
C:車両
DFR,DL,DRR:車両のドア
SFR,SFL,SRR,SRL:搭乗席
1:ECU
21,22:サテライトセンサ
3:シートスライドセンサ
4:サイドエアバッグ
図1
図2
図3
図4
図5