(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電磁石部と、該電磁石部の磁気的作用を受けて作動する作動部と、該作動部が作動するのに従って開閉動作する接点部と、前記電磁石部、前記作動部及び前記接点部を収容するハウジングとを備える電磁継電器において、
前記接点部は、基端において前記ハウジングの底面に固定されるとともに、末端において可動接点が設けられる可動ばねと、基端において前記ハウジングの前記底面に固定されるとともに、末端において固定接点が設けられる固定ばねとを備え、前記可動接点は、前記作動部が作動するのに従って変位し、前記固定接点に接触又は前記固定接点から離間するように前記固定接点に対向して設けられており、
前記ハウジングが、前記固定接点の、前記可動接点とは反対側に向かって突出する突起部を備え、
前記突起部は、前記固定接点と前記可動接点とが離間している状態では前記固定接点と接触せず、かつ前記固定ばねが弾性変形可能な範囲で前記固定接点と前記突起部とが接触する長さだけ突出する、電磁継電器。
前記ハウジングが、前記電磁石部、前記作動部及び前記接点部を保持するベースと、該ベースに組付けられるカバーとから構成され、前記突起部が前記ベース又は前記カバーと一体に形成される、請求項1から4のいずれか1項に記載の電磁継電器。
電磁石部と、該電磁石部の磁気的作用を受けて作動する作動部と、該作動部が作動するのに従って開閉動作する接点部と、前記電磁石部、前記作動部及び前記接点部を収容するハウジングとを備える電磁継電器において、
前記接点部は、基端において前記ハウジングの底面に固定されるとともに、末端に可動接点が設けられる可動ばねと、基端において前記ハウジングの前記底面に固定されるとともに、末端にブレーク固定接点が設けられる固定ばねとを備え、
前記可動接点は、前記作動部が作動するのに従って変位し、前記ブレーク固定接点に接触又は前記ブレーク固定接点から離間し、
前記ハウジングが、前記ブレーク固定接点の、前記可動接点とは反対側に向かって突出する突起部を備え、
前記突起部は、前記ブレーク固定接点と前記可動接点とが離間している状態では前記ブレーク固定接点と接触せず、かつ前記ブレーク固定接点が前記可動接点と接触している状態では前記ブレーク固定接点と前記突起部との間に遊びが形成されない長さだけ突出する、電磁継電器。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。複数の実施形態又はその変形例において共通して用いられる同一の部材には、同一の参照符号が付与されている。図面の視認性を高めるため、各部材間の縮尺は適宜変更されている場合がある。また、以下の説明において、構成部品などの位置関係又は組付の方向性を特定して記載する場合があるが、これら記載は、特別に言及される場合を除き、図示された位置関係を基準にして単に便宜上なされるにすぎず、実際の使用態様及び各部品の組付の態様などを何ら限定するものではない。
【0016】
図1〜
図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る電磁継電器10を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電磁継電器10を示す分解斜視図である。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る電磁継電器10を示す平面図である。
図3は、
図2の一点鎖線に沿った断面をIII−IIIの方向から見た図である。
図4は、
図2の一点鎖線に沿った断面をIV−IVの方向から見た図である。
【0017】
電磁継電器10は、電磁石部12と、電磁石部12の磁気的作用を受けて作動する作動部14と、作動部14が作動するのに従って開閉動作する接点部16とを備えている。電磁継電器10は、電気絶縁性の樹脂成形品であるベース18とカバー20とから構成されるハウジング22をさらに備えている。ベース18はハウジング22の底部を形成する底面24と、電磁石部12を接点部16から絶縁する概ね円筒形状のベースブロック26とを有している。カバー20は、頂壁20aと、頂壁20aの周縁から鉛直下方に延在する周壁20bとから構成され、これら頂壁20a及び周壁20bは、下向きに開口する空所を画定している。カバー20によって画定される空所は、ベース18の底面24の長手方向及び幅方向の寸法に対応する寸法を有している。したがって、カバー20をベース18に組付けると、内部に概ね閉空間を画定する電磁継電器10のハウジング22が形成される。そして、このハウジング22の内部に電磁石部12、作動部14及び接点部16の各構成部品がそれぞれ収容される。
【0018】
ベースブロック26の底部近傍の側面には、充填孔27が貫通形成されている。本明細書では詳述しない組立工程に際し、この充填孔27を通じて接着剤がベースブロック内に注入され、後述する継鉄34を所定位置に固着できるようになっている。
【0019】
電磁石部12は、側面視で概ねH字状の電気絶縁性の樹脂成形品である巻枠28と、巻枠28の胴部28aに導線を巻付けて形成されるコイル30と、コイル30の中心軸線30aに沿って延在する磁性材料からなる柱状の鉄心32と、磁路を延長するために鉄心32に連結される継鉄34とを備えている。巻枠28は、中空円筒状の胴部28aと、胴部28aの両端から概ね鉛直方向に延在する一対のフランジ部28b,28cとを有している。巻枠28には、
図3及び
図4に示されるように胴部28a及びフランジ部28b,28cを貫通して延在する貫通孔29が形成される。巻枠28は、フランジ部28bの幅方向(電磁継電器10の短手方向、すなわち
図2の上下方向)の両端からそれぞれ長手方向(電磁継電器10の長手方向)に延長形成される一対の延長部28dをさらに有している。各延長部28dには鉛直方向に貫通孔(図示せず)が形成されており、コイル端子36がこの貫通孔を通って延長部28dに設けられている。コイル30を構成する導線の両端は、一対のコイル端子36に固着される。したがって、これらコイル端子36間に所定の電圧を印加することによって、コイル30を励磁して電磁石として作用させるのに必要な電力が供給されるようになっている。
【0020】
鉄心32は、巻枠28のフランジ部28bに沿って鉛直方向に延在する鍔部32aと、巻枠28の貫通孔29を貫通して延在する主部32bと、主部32bよりも小径の先端部32cとから構成されている。鉄心32の先端部32cは、フランジ部28cに形成される貫通孔29からベースブロック26の内面に向かって突出している。
【0021】
継鉄34は磁性材料から構成されていて、巻枠28のフランジ部28cの下端に沿って曲折された、側面視で概ねL字状の板部材である。継鉄34は、巻枠28のフランジ部28cの外表面に沿って鉛直方向に延在する鉛直板部34aと、鉛直板部34aの下端から鉄心32の鍔部32aの近傍までコイル30の中心軸線30aに概ね平行に延在する水平板部34bとから構成される。継鉄34の鉛直板部34aには、鉄心32の先端部32cを受容可能な取付孔35が形成されている。そして、鉄心32の先端部32cを継鉄34の取付孔35に通した状態で、継鉄34と鉄心32とは、例えばかしめによって互いに固定される。
【0022】
作動部14は、電磁石部12の磁気的作用を受けて揺動する接極子38と、接極子38が揺動するのに連動して、コイル30の中心軸線30aに平行な方向に平行移動するカード40とを備えている。接極子38は概ね矩形の板材であり、ヒンジばね42を介して鉄心32の鍔部32aに対して傾斜して設けられている。ヒンジばね42は一端において接極子38に取付けられるとともに、他端において継鉄34に係合している。すなわち、ヒンジばね42の他端は、
図3及び
図4に示されるようにベース18に形成された溝を通って継鉄34の水平板部34bの底面に形成された係止切欠部44に係合される。このようにして、ヒンジばね42は、接極子38を鉄心32の鍔部32aから離間する方向に付勢している。したがって、コイル30への通電が行われていない図示された状態(
図3及び
図4)では、接極子38は、鉄心32の鍔部32aに対する傾斜角が大きくなっている。この状態からコイル端子36を通じてコイル30に電圧を印加すると、電磁石部12において発生する磁力に起因して、接極子38がヒンジばね42の付勢力に抗して鉄心32の鍔部32a側に引き寄せられる。すなわち、接極子38は、鉄心32の鍔部32aとの間の傾斜角が小さくなるように揺動する。そして、コイル30への電力供給が再び絶たれると、ヒンジばね42の付勢力の作用を受けて、接極子38は図示された位置関係に復帰する。この接極子38の揺動作用によって、後述するように接点部16の接点切替が行われるようになっている。
【0023】
接極子38の上端には幅方向両端から上方に向かって突出する一対の係合突起46が形成されている。係合突起46は、先端が基端よりも離間するように傾斜して設けられている。カード40は、例えば樹脂材料から構成された矩形の枠縁状の部材であり、長手方向の第1の縁部40aから外方に突出する一対の係合爪48を有している。カード40の係合爪48は、先端が基端よりも接近するように内方に傾斜して設けられており、接極子38の係合突起46と係合可能になっている。これら係合突起46と係合爪48とが協働することによって、接極子38が揺動する動きがカード40に伝達され、カード40が電磁継電器10の長手方向に平行移動できるようになる。カード40は、第1の縁部40aとは反対側の第2の縁部40bから外方に突出する一対の着力点50をさらに有している。着力点50は、後述する可動ばね54の貫通孔64に係合して、可動ばね54の可動接点52をメーク固定接点56に向けて変位させる作用を有する。
【0024】
接点部16は、カード40に連動する可動接点52を担持する可動ばね54と、可動ばね54に対向して配置されていてメーク固定接点56を担持するメーク固定ばね58と、メーク固定ばね58とは反対側において可動ばね54に対向して配置されていてブレーク固定接点60を担持するブレーク固定ばね62とを備えている。可動ばね54は、基端において、例えばベース18に形成された溝(図示せず)に差込まれて固定される。可動ばね54の末端に設けられる可動接点52は、ブレーク固定接点60に対向して設けられるブレーク固定接点側接点52aと、メーク固定接点56に対向して設けられるメーク固定接点側接点52bとから構成される。可動ばね54は、可動接点52の近傍において幅広になっており、この幅広部において可動接点52の両側に一対の貫通孔64が形成されている(
図1)。可動ばね54の基端には、ベース18を貫通して下方に延出する可動端子54aが形成されている(
図4)。
【0025】
メーク固定ばね58は、基端において、例えばベース18に形成された溝(図示せず)に差込まれて固定される。メーク固定ばね58の基端には、ベース18を貫通して下方に延出するメーク固定端子58aが形成されている(
図3)。ブレーク固定ばね62は、基端において、例えばベース18に形成された溝(図示せず)に差込まれて固定される。ブレーク固定ばね62の基端には、ベース18を貫通して下方に延出するブレーク固定端子62aが形成されている(
図3)。これら可動端子54a、メーク固定端子58a及びブレーク固定端子62aは、互いに不意に接触したり、又は互いに干渉することがないように十分に離間されて設けられている。
【0026】
電磁石部12が通電されていない状態(図示された状態)において、可動接点52はブレーク固定接点60に接触している。この状態では、可動ばね54自体のばね作用により、可動接点52がブレーク固定接点60に対して押圧付勢されている。そして、電磁石部12に通電すると、前述したように作動部14が作動されて、カード40が可動ばね54の付勢力に抗して可動ばね54をメーク固定ばね58に向かって押圧する。その結果、可動接点52はブレーク固定接点60から離間し、反対側のメーク固定接点56に接触するようになる。再び通電を停止すると、接点部16は、可動ばね54の弾性作用によって通電前の状態(図示された状態)に復帰する。電磁継電器10では、このようにして接点部16における接点の切替が行われる。
【0027】
以上のとおり、このようなタイプの電磁継電器10は、可動ばね54の弾性ばねとしての機能を利用して、可動接点52とブレーク固定接点60との間、及び可動接点52とメーク固定接点56との間の導通及び遮断を制御し、接点の切替作用を提供する構成となっている。したがって、これら接点間の距離は、定格電力を供給することによって接点の切替動作が円滑に行われるように所定の範囲内に制限されるのが望ましい。例えば、メーク固定ばね58が塑性変形して、可動接点52とメーク固定接点56との間の間隔が大きくなりすぎると、可動接点52をメーク固定接点56に向かって作動させてもメーク固定接点56との接触状態が得られないか、又は十分に得られなくなる虞がある。そこで、この実施形態においては、メーク固定接点56に向かって突出する突起部66がカバー20の内面に形成されている。
図3及び
図4に示されるように、この突起部66は、メーク固定接点56がカバー20の内面側に向かって変位するときにメーク固定接点56と突起部66が当接するように十分な範囲にわたって形成されている。突起部66の突出長さは、メーク固定ばね58が塑性変形するのを確実に防止できるように、メーク固定ばね58が弾性変形可能な範囲でメーク固定接点56と突起部66とが接触するように決定される。
【0028】
また、可動接点52がメーク固定接点56に接触している状態(すなわち、電磁石部12が励磁されている状態)において、メーク固定接点56の、可動接点52とは反対側が突起部66に当接するように、突起部66の突出長さを決定してもよい。すなわち、この場合は、可動接点52がメーク固定接点56に対して押圧接触された状態において、メーク固定接点56と突起部66との間に遊びが形成されないようになる。このようにすれば、電磁継電器10が落下するなどして外部から異常な衝撃が加えられた場合でも、突起部66が衝撃を吸収できるため、メーク固定ばね58が塑性変形するのを効果的に防止できる。
【0029】
続いて、
図5及び
図6を参照して本発明の第1の実施形態の変形例に係る電磁継電器80を説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る電磁継電器の変形例を示す平面図である。
図6は、
図5の一点鎖線に沿った部分断面をVI−VIの方向から見た図である。以下の変形例及び他の実施形態に係る説明において、前述した内容と重複する事項については適宜説明を省略する。
【0030】
この変形例に係る電磁継電器80においては、カバー82の頂壁82aの周縁から延在する周壁82b内面に形成された突起部84が設けられている。突起部84は、メーク固定ばね58が塑性変形するのを防止するように所定の突出長さだけメーク固定接点56に向かって突出する移動制限部84aと、移動制限部84aの下端から漸次先細に形成される傾斜部84bとを有している。傾斜部84bは、その下端が周壁82bまで連続して延在している。この変形例においては、突起部84は、傾斜部84bにおいて内面が傾斜している。したがって、カバー82をベース18に対して組付ける際に、突起部84の下端部がメーク固定ばね58に誤って接触することを防止できる。換言すると、突起部84がベース18に対する組付方向に向かって先細になるように傾斜する傾斜部84bを有しているため、カバー82とベース18との組付工程が円滑に行える。なお、図示された変形例では、傾斜部84bがカバー82の略中央近傍にて終端しているが、メーク固定ばね58等の構成部品又はベース18の形状に応じて、傾斜部84bの傾斜角を調整し、より長尺又はより短尺の傾斜部84bを形成してもよい。
【0031】
図7は、本発明の第1の実施形態に係るカバー20,82の底面図である。この実施形態に係る突起部66,84は、メーク固定接点56に対向する対向面86が平面になっている。このような断面矩形状の突起部66,84によれば、突起部66,84を容易に製造できるため、安価な電磁継電器10,80が得られる。
【0032】
図8は、本発明の第1の実施形態の別の変形例に係るカバー20,82の底面図である。この実施形態に係る突起部66,84は、メーク固定接点56に対向する対向面88が、メーク固定接点56に向かって突出する円弧状の輪郭を有している。このような円弧状の対向面88によれば、メーク固定ばね58がねじれてしまった場合など、メーク固定接点56が突起部66,84の対向面88に正対して接触できなくなる場合であっても、メーク固定ばね58の塑性変形を確実に防止できるようになる。換言すると、この円弧状の対向面88は、メーク固定接点56の任意の方向からの接触動作にも対応できるため、接点部の開閉動作の信頼性をより一層向上できる。
【0033】
図9を参照して、本発明の第2の実施形態に係る電磁継電器100を説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る電磁継電器100を示す、
図3に対応する断面図である。本実施形態において、カバー104は、頂壁104aと周壁104bとから構成されていて、従来のタイプのカバーと同様の形状を有する。
図9においてハッチングが付されているベース102は、メーク固定接点56が設けられている縁部102aからカバー104の周壁104bの内面に沿って上方に延在するベース突起106を有している。ベース突起106は、第1の実施形態における突起部66,84と同様の効果を奏するように周壁104bからの突出長さが決定される。したがって、本実施形態に係る電磁継電器100によっても、メーク固定ばね58が塑性変形するのを防止でき、結果として接点部の開閉動作の信頼性が担保される。
【0034】
図10は、本発明の第2の実施形態に係る電磁継電器の変形例を示す、
図6に対応する部分断面図である。本変形例に係る電磁継電器110のカバー104は、頂壁104aと周壁104bとから構成されていて、従来のタイプのカバーと同様の形状を有する。
図10においてハッチングが付されているベース112は、メーク固定接点56が設けられているベース縁部112aからカバー104の周壁104bの内面に沿って上方に延在するベース突起114を有している。ベース突起114は、ベース縁部112aから上方に延在する平板部114aと、平板部114aの上端から漸次先細になるように傾斜する傾斜面118を有する傾斜部114bとから構成される。傾斜部114bは、メーク固定接点56に対向するベース突起114の対向面116の反対側に傾斜面118を有しており、周壁104bから漸次離間するように傾斜している。その一方で、メーク固定接点56に対向する対向面116は、メーク固定ばね58の塑性変形を防止するように、第1の実施形態に関連して前述した所定の突出長さを有している。したがって、ベース突起114によるメーク固定ばね58の塑性変形防止の効果は他の実施形態と同様に奏される。この変形例に係る電磁継電器110においては、ベース突起114の先端が内方に向かって傾斜しているため、ベース112に対してカバー104を組付ける際に、カバー104の周壁104bの下端がベース突起114の先端に接触して破損したりする事故を可及的に防止できる。換言すると、ベース112に形成されたベース突起114が、カバー104とベース112との組付方向に向かって先細になるように傾斜する傾斜面を有しているため、カバー104とベース112との組付工程が円滑に行える。
【0035】
図11及び
図12を参照して、メーク固定接点56に対向するベース突起の対向面の構成例を説明する。
図11は、本発明の第2の実施形態に係る電磁継電器のベースを示す斜視図であり、
図12は、本発明の第2の実施形態に係る電磁継電器のベースの変形例を示す斜視図である。
【0036】
図11に示されるベース120は、ベース突起122の、メーク固定接点56に対向する対向面124が平面になっている。このような断面矩形状のベース突起122によれば、ベース突起122を容易に製造できるため、安価な電磁継電器が得られる。
【0037】
図12に示されるベース130において、ベース突起132は、メーク固定接点56に対向する対向面134が、メーク固定接点56に向かって突出する円弧状の輪郭を有している。このような円弧状の対向面134によれば、メーク固定ばね58がねじれてしまった場合など、メーク固定接点56がベース突起132の対向面134に正対して接触できなくなる場合であっても、メーク固定ばね58の塑性変形を確実に防止できるようになる。換言すると、この円弧状の対向面134は、メーク固定接点56の任意の方向からの接触動作にも対応できるため、接点部の開閉動作の信頼性をより一層向上できる。
【0038】
図13は、本発明の第3の実施形態に係る電磁継電器を示す、
図6に対応する部分断面図である。
図3又は
図6と対比すると分かるように、本実施形態に係る電磁継電器のカバー140は、メーク固定接点56に向かって突出する突起部66又は突起部84の代わりに、ブレーク固定接点60に向かって突出する突起部142を備えている。突起部142は、
図13に示されるように、カバー140の頂壁140aの内面から周壁140bに対して概ね平行に垂下するよう設けられている。突起部142は、ブレーク固定ばね62が塑性変形するのを防止するように所定の突出長さだけ突出している。すなわち、突起部142の突出長さは、ブレーク固定ばね62が弾性変形可能な範囲でブレーク固定接点60と突起部142とが接触するように決定される。
【0039】
また、可動接点52がブレーク固定接点60に接触している状態(すなわち、電磁石部12が励磁されていない状態)において、ブレーク固定接点60の、可動接点52とは反対側が突起部142に当接するように、突起部142の突出長さを決定してもよい。すなわち、この場合は、可動接点52がブレーク固定接点60に対して付勢力によって接触された状態において、ブレーク固定接点60と突起部142との間に遊びが形成されないようになる。このようにすれば、電磁継電器が落下するなどして外部から異常な衝撃が加えられた場合でも、突起部142が衝撃を吸収できるため、ブレーク固定ばね62が塑性変形するのを効果的に防止できる。
【0040】
図14は、本発明の第3の実施形態に係る電磁継電器の変形例を示す、
図6に対応する部分断面図である。この変形例において、ブレーク固定接点60に向かって突出する突起部142は、突起部142の、ブレーク固定接点60に対向する面に対して傾斜する傾斜部144を有している。傾斜部144は、突起部142の末端に向かって漸次先細になるように形成されている。このような傾斜部144を突起部142に設けると、カバー140をベース18に対して組付ける際に、突起部142がベース18に固定されたブレーク固定接点60に誤って接触してブレーク固定ばね62を変形させるのを防止できるので、組付作業を円滑に行えるようになる。なお、図示される傾斜部144の形状は一例にすぎず、他の形状の傾斜部144を備えた突起部142を採用してもよい。
【0041】
図15は、本発明の第3の実施形態に係るカバーの底面図である。この実施形態に係る突起部142は、ブレーク固定接点60に対向する対向面142aが平面になっている。このような断面矩形状の突起部142によれば、突起部142を容易に製造できるため、安価な電磁継電器が得られる。
【0042】
図16は、本発明の第3の実施形態の別の変形例に係るカバーの底面図である。この実施形態に係る突起部142は、ブレーク固定接点60に対向する対向面142aが、ブレーク固定接点60に向かって突出する円弧状の輪郭を有している。このような円弧状の対向面142aによれば、ブレーク固定ばね62がねじれてしまった場合など、ブレーク固定接点60が突起部142の対向面142aに正対して接触できなくなる場合であっても、突起部142がブレーク固定接点60に接触できるようになる。その結果、ブレーク固定ばね62の塑性変形を確実に防止できるようになる。換言すると、この円弧状の対向面142aは、ブレーク固定接点60の任意の方向からの接触動作にも対応できるため、接点部の開閉動作の信頼性をより一層向上できる。
【0043】
図17は、本発明の第4の実施形態に係る電磁継電器を示す、
図6に対応する部分断面図である。本実施形態の電磁継電器において、カバー104は、頂壁104aと周壁104bとから構成されていて、従来のタイプのカバーと同様の形状を有する。
図17においてハッチングが付されているベース150は、電磁石部12と接点部16とを互いに絶縁する前述したベースブロック26から、ブレーク固定接点60の、可動接点52とは反対側に向かって突出するベース突起152を有している。ベース突起152は、第3の実施形態に関連して前述した突起部142と同様の効果を奏するようにブレーク固定接点60に対する突出長さが決定される。したがって、本実施形態によっても、ブレーク固定ばね62が塑性変形するのを防止でき、結果として接点部の開閉動作の信頼性が担保される。
【0044】
図18は、本発明の第4の実施形態に係る電磁継電器のベース150を一部切り欠いた状態で示す平面図である。
図18において、ベース150は、
図17の破線A−Aに沿って切除された状態で示されている。ベース突起152は、電磁継電器の短手方向に向かって漸次先細の形状を有する傾斜部154を有している。傾斜部154は、ブレーク固定ばね62をベース150の所定位置に取付ける際に、ブレーク固定ばね62の組付け方向に対向するように向けられている。したがって、組付工程においてベース突起152とブレーク固定接点60とが接触して、ブレーク固定ばね62が破損するのを防止できるので、ブレーク固定ばね62の組付作業を円滑に行える。
【0045】
図19及び
図20を参照して、ブレーク固定接点60に対向するベース突起152の対向面の構成例を説明する。
図19は、本発明の第4の実施形態の変形例に係る電磁継電器のベースを一部切り欠いた状態で示す平面図である。
図20は、本発明の第4の実施形態の別の変形例に係る電磁継電器のベースの変形例を一部切り欠いた状態で示す平面図である。
図19及び
図20において、ベース150は、
図18と同様に、
図17の破線A−Aに沿って切除された状態で示されている。
【0046】
図19から分かるように、ベース150に形成されるベース突起152において、ブレーク固定接点60に対向する対向面156が平面になるように形成されている。このような断面矩形状のベース突起152によれば、ベース突起152を容易に製造できるため、安価な電磁継電器が得られる。
【0047】
図20に示されるベース150において、ベース突起152は、ブレーク固定接点60に対向する対向面158が、ブレーク固定接点60に向かって突出する円弧状の輪郭を有している。このような円弧状の対向面158によれば、ブレーク固定ばね62がねじれてしまった場合など、ブレーク固定接点60がベース突起152の対向面158に正対して接触できなくなる場合であっても、ブレーク固定ばね62の塑性変形を確実に防止できるようになる。換言すると、この円弧状の対向面158は、ブレーク固定接点60の任意の方向からの接触動作にも対応できるため、接点部の開閉動作の信頼性をより一層向上できる。
【0048】
以上、特定の実施形態を例示して本発明を説明したが、本発明の適用範囲がこれら実施形態に限定されないことはいうまでもない。例えば、永久磁石を作動部に設けたいわゆるラッチタイプの電磁継電器にも本発明を適用することができる。図示された実施形態においては、メーク固定ばね又はブレーク固定ばねの移動範囲を制限する突起部が電磁継電器のベース又はカバーに一体成形されているが、突起部を別部材として形成し、ベース又はカバーに接着して取付けるようにしてもよい。
【0049】
また、上述した例示のための実施形態においては、メーク固定接点側又はブレーク固定接点側のいずれか一方のみに突起部を設ける構成について説明した。しかしながら、メーク固定接点に向かって突出する突起部と、ブレーク固定接点に向かって突出する突起部との両方を備える構成を採用してもよい。このようにすると、メーク固定ばね及びブレーク固定ばねのいずれの塑性変形をも防止できる。