(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フィラーパイプに組み合わされて給油口を構成すると共に、給油ノズルを通過可能とする弁口に付勢により燃料タンク側から着座され、かつ、前記給油ノズルの挿入時にはこれに押されて前記付勢に抗して回動して前記弁口より奥への前記給油ノズルの進入を許容するフラップ弁を備えた弁装置であって、
前記弁口を囲うように備えられる環状のシール体を有しており、
このシール体が、前記着座時に、フラップ弁の外周に形成された環状の主シール面に密着される環状のメインシール部分と、
前記主シール面より内方において前記フラップ弁に形成された環状の副シール面に密着される環状のサブシール部分とを備えていると共に、
前記副シール面は主シール面よりも上方に位置されており、
さらに、前記弁口の口縁部の少なくとも一部が、シール体のサブシール部分よりこの弁口の内方に位置されるようになっていることを特徴とする弁装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、
図1〜
図17に基づいて、この発明の典型的な実施の形態について、説明する。この実施の形態にかかる弁装置は、フィラーパイプPに組み合わされて給油口Paを構成するものである。より詳細には、かかる弁装置は、給油ガンを構成する給油ノズルNの挿入時にこれに押されて付勢に抗して回動して弁口より奥への前記給油ノズルNの進入を許容するフラップ弁102を備えている。かかるフラップ弁102によって給油ノズルNを挿入しない状態においては給油口Paは閉鎖される。これにより、かかる弁装置は、給油キャップを不要とするものである。
【0011】
かかる弁装置は、本体1とキャップ体2とを備えている。
【0012】
本体1は、前記フィラーパイプPの内側に嵌め込まれると共に、給油ノズルNの挿入により開弁される弁部を備えている。この実施の形態にあっては、かかる本体1には燃料タンク側Iが高圧となったときに開弁される弁部も備えられている。以下では、給油ノズルNの挿入により開弁される弁部101を主弁部10と、燃料タンク側Iが高圧となったときに開弁される弁部を副弁部11と称する。
【0013】
この実施の形態にあっては、かかる本体1は、実質的に円筒状を呈している。図示の例では、かかる本体1は、フィラーパイプP、典型的には、フィラーネックの上端側の内径と略等しい外径を備えている。かかる本体1はその上端に外鍔12aを備えており、その下端を先にしてこの外鍔12aがフィラーパイプPの上端に引っかかる挿入終了位置までフィラーパイプP内に挿入可能となっている。
【0014】
また、かかる本体1には、フィラーパイプP内へのこの本体1の挿入を弾性変形により許容すると共に、この挿入終了位置での弾性復帰によりフィラーパイプPに形成された窓孔Pbに入り込み掛合される弾性掛合片12bが備えられている。図示の例では、本体1は、実質的に円筒状を呈するアッパーケース12と、実質的に円筒状を呈するロアケース13とを組み合わせてなる。アッパーケース12はその上端に前記外鍔12aを備えると共に、このアッパーケース12の下端側には前記主弁部10を構成する弁口101が形成されている。弾性掛合片12bは、このアッパーケース12の側壁を貫通する割り溝12cによって区分されたこの側壁の一部によって構成されている。図示の例では、アッパーケース12には、アッパーケース12の筒軸を巡る向きに隣り合う弾性掛合片12bとの間に間隔を開けて、三カ所の弾性掛合片12b…12bが形成されている。各弾性掛合片12bは、前記外鍔12a側を自由端とし、かつ、この外鍔12aに向かうに連れて次第にアッパーケース12の筒軸から離れる傾斜を持つように構成されている。
【0015】
一方、キャップ体2は、前記給油ノズルNを通過させる環状をなすと共に、この給油ノズルNの外側に形成された被掛合部Naに対する掛合部20を備えて、このフィラーパイプPの外側に嵌め付けられるようになっている。
【0016】
図示の例では、かかるキャップ体2は、小径のキャップ上部21と、大径のキャップ下部22とを備えた、短寸の筒状を呈している。かかるキャップ上部21とキャップ下部22との接合箇所には、両者の寸法差によって、上方を向いた外側段差面23と、下方を向いた内側段差面24とが形成されている。キャップ体2のキャップ下部22の内径は前記のようにフィラーパイプPにはめ込まれる本体1の外鍔12aの形成箇所の外径と略等しくなっている。一方、キャップ体2のキャップ上部21の内径は前記本体1のの外鍔12aの形成箇所の外径より小さくなっている。前記掛合部20は、キャップ体2のキャップ上部21に形成された内鍔21aによって構成されている。
【0017】
また、かかるキャップ体2には、このキャップ体2の内側へのフィラーパイプPの受け入れを弾性変形により許容すると共に、この受け入れ終了位置での弾性復帰によりフィラーパイプPの端部に形成されたフランジPdに掛合される弾性掛合片22aが備えられている。図示の例では、かかる弾性掛合片22aは、前記キャップ下部22の側壁を貫通する割り溝22bによって区分されたこの側壁の一部によって構成されている。図示の例では、キャップ下部22には、キャップ下部22の筒軸を巡る向きに隣り合う弾性掛合片22aとの間に間隔を開けて、四カ所の弾性掛合片22a…22aが形成されている。各弾性掛合片22aは、前記内側段差面24側を自由端とし、かつ、この自由端側の内面がこの自由端に向かうに連れて次第にキャップ下部22の筒軸に近づく傾斜を持つように構成されている。図示の例では、フィラーパイプPに前記本体1を嵌め込んだ状態からフィラーパイプPをキャップ体2のキャップ下部22内に導入すると本体1の外鍔12aに弾性掛合片22aの内面が接して各弾性掛合片22aは外向きに一旦撓み、キャップ体2内へのフィラーパイプPの導入が許容される。そして、かかる導入がキャップ体2の内側段差面24が本体1の外鍔12aの上面に当接する位置までなされると、各弾性掛合片22aは弾性復帰してフィラーパイプPのフランジPdの下面に自由端を掛合させるようになっている。
【0018】
図中符号25で示されるのは、キャップ体2のキャップ上部21の内径と略等しい外径を備えてこのキャップ上部21内にはめ込まれたインナーリングであり、このインナーリング25の内部形状によって給油口Paに挿入される給油ノズルNの先端が前記本体1の主弁部10に案内されるようになっている。図示の例では、かかる給油ノズルNの外側に形成された前記被掛合部Naとしての螺旋状隆起部(給油ノズルNの中心軸を巡る仮想の螺旋に沿うように形成された隆起部)が、給油口Paに給油ノズルNを所定位置まで挿入されたときに前記掛合部20に掛合され給油口Paからの給油ノズルNの脱落を防止するようになっている。(
図1)
【0019】
このように、この実施の形態にあっては、給油ノズルNの挿入により開弁される弁部(主弁部10)を備えた前記本体1と、前記キャップ体2とが別体とされ、それぞれが個別にフィラーパイプPに対して嵌まるようになっていることから、フィラーパイプPの外側に位置されるキャップ体2を破損させるような外力が作用されたときに、キャップ体2は破損しても本体1は破損しないようにしてかかる本体1により給油口Paを閉鎖した状態を確保できるようになっている。このようなキャップ体2の破損が生じた場合、給油口Paの修理はかかるキャップ体2を取り替えるだけで容易になすことができる。
【0020】
また、前記本体1は、フィラーパイプPの中心軸に対し斜めに交叉するように形成される隔壁12dを有している。そして、この隔壁12dに、前記主弁部10を構成するフラップ弁102が付勢により燃料タンク側Iから着座すると共に前記給油ノズルNを通過可能とする円形の大径弁口101’と、前記副弁部11を構成する弁体111が付勢により外部側Oから着座する小径弁口111aとが備えられている。
【0021】
図示の例では、前記本体1を構成するアッパーケース12は、その下端縁12eをアッパーケース12の筒軸に対し斜めに交叉する仮想の直線xに沿わせるように形成されている。(
図12、
図14)また、かかるアッパーケース12は、この下端縁12eのうち、その筒軸を巡る略180度の範囲であって、この筒軸を挟んで上側に位置される箇所に、内鍔状部12fを有している。この内鍔状部12fの内外面は前記筒軸に対し斜めに交叉する仮想の直線xに沿うように形成されている。アッパーケース12におけるその筒軸を巡る略180度の範囲であって前記内鍔状部12fの非形成側の内面は、アッパーケース12の上端から上下方向中程の位置までの間において、この上下方向中程の位置に向かうに連れて次第にアッパーケース12の内径を狭める傾斜面12gとされると共に、この上下方向中程の位置からアッパーケース12の下端までの間においては前記筒軸に沿った非傾斜面12hとなっている。そして、前記内鍔状部12fとかかる非傾斜面12hとによってアッパーケース12の下端側に前記主弁部10を構成する弁口101(大径弁口101’)が形成されている。すなわち、図示の例では、かかる内鍔状部12fによって前記隔壁12dを形成させている。
【0022】
フラップ弁102は、実質的に円盤状をなすように構成されている。アッパーケース12の隔壁12dの外面側には、下方に突き出す一対の軸受け部12i、12iが形成されている。フラップ弁102の下部にも一対の軸受け部102a、102aが形成されている。図示の例では、アッパーケース12の一対の軸受け部12i、12i間にフラップ弁102の一対の軸受け部102a、102aが納まると共に、各軸受け部12i、102aに設けられた軸孔に軸体3を通すことで、アッパーケース12の下端の外側にフラップ弁102を回動可能に組み合わせている。図示の例では、このフラップ弁102の一対の軸受け部102a、102aの間において前記軸体3をコイル部内に通すと共に、一方の腕部をフラップ弁102の外面に当接させ、他方の腕部を前記ロアケース13の内面に当接させるように取り付けられたねじりコイルバネ4によって、フラップ弁102は前記のように付勢されている。図示の例では、フラップ弁102は、前記軸受け部102aを備えた下部パーツ102bに、前記大径弁口101’に着座する円盤状の上部パーツ102cを組み合わせて構成されている。
【0023】
前記副弁部11を構成する小径弁口111aは、前記隔壁12dを上下に貫通する円形の孔となっている。(
図10、
図15)アッパーケース12内には、下端を隔壁12dに一体に連接させて上方に突き出すチューブ状部12jが形成されている。前記小径弁口111aはこのチューブ状部12jの下端に囲繞された隔壁12dの一部に形成されている。このチューブ状部12jの上端は、アッパーケース12の上端よりも下方に位置されている。図示の例では、アッパーケース12における隔壁12d、つまり、前記内鍔状部12fは、その直上に取り付けられるカバー14によって覆われるようになっている。前記チューブ状部12jの上端はこのカバー14の格子状通気部14aによって塞がれるようになっている。このカバー14の内縁は、アッパーケース12を平面視した状態において前記大径弁口101’の口縁部より内方に突き出さない、この大径弁口101’の口縁部に倣った円弧状の形状となっている。(
図8)かかるチューブ状部12j内に前記副弁部11を構成する弁体111と、この弁体111を付勢により外部側Oから着座させる圧縮コイルバネ113とが納められている。かかる圧縮コイルバネ113は、バネ下端を弁体111に当接させ、かつ、バネ上端を前記カバー14の格子状通気部14aに当接させている。
【0024】
すなわち、前記チューブ状部12jによって前記副弁部11を構成する弁体111の収容室114が構成されている。前記弁体111は、上下動可能に前記収容室114に納められると共に、この可動方向に直交する向きの断面外郭形状を円形状としている。一方、前記収容室114は、この弁体111の可動方向に直交する向きの断面において、この収容室114の中心と前記大径弁口101’の中心とを結ぶ仮想の直線yに直交する向きにおいて広く、この直線yに沿った向きにおいて狭くなるように構成されている。(
図15)図示の例では、かかる収容室114の断面は長円状を呈している。燃料タンク側Iが所定の高圧となったとき、つまり、燃料タンク側Iと外部側Oとの圧力差が所定値以上となったとき、前記圧縮コイルバネ113の付勢に抗して弁体111は上方に移動して小径弁口111aは開放され、弁体111とチューブ状部12jとの間から燃料タンク側Iのエアが外部に逃されるようになっている。
【0025】
主弁部10を構成する円形の大径弁口101’は、フィラーパイプPの中心軸に対し斜めに交叉するように形成される隔壁12dにより形成されていることから、大径弁口101’をこれを通過する給油ノズルNとの間に給油時に燃料タンク内のエアを逃がす通気隙間を十分に確保できる大きさとしても、弁装置の外径を可及的に小さくできる。すなわち、かかる大径弁口101’は、フィラーパイプPの中心軸に沿った向きから視た状態において楕円状をなす。その反面、かかる大径弁口101’はあくまで円形であるので、フラップ弁102が着座する弁座部103(シール部)は円形に構成可能である。したがって、前記大径弁口101’の口縁部にエラストマーから構成される後述の環状のシール体5に歪みなどを生じさせることなく取り付けてかかる弁座部103を構成させることができ、大径弁口101’の全周に亘ってかかるシール体5にフラップ弁102を隙間なく着座させて閉弁時に大径弁口101’を適切に閉鎖することができる。また、フラップ弁102は、フィラーパイプPの中心軸に対し斜めに交叉するように形成される隔壁12dに燃料タンク側Iから着座されることから、第一に給油ノズルNの挿入の最初では水平に配されたフラップ弁102に給油ノズルNを突き当てる場合に比べて給油ノズルNの挿入荷重を低減でき、また、第二に給油ノズルNの挿入終了時の着座位置からのフラップ弁102の回動角を90度未満とすることができるので前記挿入の全過程においても給油口Paへの給油ノズルNの挿入荷重を小さくすることができる。また、副弁部11を構成する収容室114は、この収容室114の中心と前記大径弁口101’の中心とを結ぶ仮想の直線yに直交する向きにおいて広く、この直線yに沿った向きにおいて狭くなるように構成されることから、かかる収容室114と弁体111との間に燃料タンク側Iが前記所定の高圧となったときに燃料タンク側Iのエアを逃す通気隙間を十分に確保しながら、この収容室114が弁装置の外径を大きくする要因にできるだけならないようにすることができる。この結果、この実施の形態にかかる弁装置はその機能を損なうことなく可及的に小さく構成でき、その組み合わせ相手方となるフィラーパイプP、つまり、この弁装置により構成される給油口Paの小径化に資する特長を有する。
【0026】
また、この実施の形態にあっては、弁装置は、前記主弁部10を構成する大径弁口101’を囲うように備えられる環状のシール体5を有している。かかるシール体5は、前記フラップ弁102の着座時に、このフラップ弁102の外周に形成された環状の主シール面102dに密着される環状のメインシール部分50と、この主シール面102dより内方において前記フラップ弁102に形成された環状の副シール面102eに密着される環状のサブシール部分51とを備えている。
【0027】
図示の例では、かかるシール体5は、前記ロアケース13の内側に保持されるようになっていると共に、このようにシール体5を保持したロアケース13を前記アッパーケース12に組み合わせることで、前記隔壁12dの下側に備えられている。図示の例では、ロアケース13は、内径をアッパーケース12の下端側の外径と略等しくしている。ロアケース13の上端側には、アッパーケース12の下端外面に形成された掛合爪12kが入り込む窓孔13aが形成されている。また、ロアケース13の内部には周回リブ13bが形成されており、この周回リブ13bの上面はアッパーケース12の下端縁が沿った傾斜した前記仮想の直線xに沿うようになっている。
【0028】
図示の例では、前記シール体5は、外周部に周回溝52を有している。そして、この周回溝52に前記周回リブ13bを入れ込むことで、前記ロアケース13の内部に保持されている。アッパーケース12の大径弁口101’の径は、前記周回リブ13bの形成位置でのロアケース13の内径よりも小さくなっている。アッパーケース12の下端側はロアケース13内に、このアッパーケース12の下端縁12eの前記傾斜の向きに周回リブ13bの傾斜の向きが沿うようにして、このアッパーケース12の下端縁12eが前記のように保持されたシール体5の上部に突き当たる位置まで、差し込み可能となっている。(
図16中符号13cで示すのは、この差し込み時にアッパーケース12の軸受け部12iを逃がすためにロアケース13に形成された割り欠き部である。)かかる差し込みは、主としてロアケース13側の一部の弾性変形により許容され、かかる差し込みの終了位置における弾性復帰により前記窓穴13aに掛合爪12kが入り込み、アッパーケース12とロアケース13は一体化されるようになっている。前記フラップ弁102は、このようにアッパーケース12とロアケース13とを組み合わせた後に、アッパーケース12に取り付けられる。
図3中符号6で示されるのは、かかるアッパーケース12とロアケース13との掛合位置より上方において、アッパーケース12とフィラーパイプPとの間をシールするシールリングである。
【0029】
フラップ弁102は、その着座時に、その上面の外周部を、前記のように保持されたシール体5の下部に密着させる。すなわち、図示の例では、かかるフラップ弁102の外周部が前記主シール面102dとして機能し、かつ、かかるシール体5の下部が前記メインシール部分50として機能するようになっている。
【0030】
また、シール体5は、その内周部に、このシール体5の全周を巡る周回ひれ状部53を備えている。この周回ひれ状部53は、下方に向かうに連れてシール体5の内径を狭めるように突出していると共に、突出端をメインシール部分50よりも上方に位置させている。そして、フラップ弁102の着座時に、この周回ひれ状部53の突出端がフラップ弁102の上面に前記主シール面102dよりも内方において密着するようになっている。すなわち、図示の例では、かかるシール体5の周回ひれ状部53が前記サブシール部分51として機能するようになっている。
【0031】
図示の例では、フラップ弁102の上面には、前記主シール面102dとなる外周部をその中央側よりも下方に位置させる周回段部102fが形成されている。そして、前記周回ひれ状部53の突出端は、フラップ弁102の着座時に、この周回段部102fの段差上のフラップ弁102の中央側の縁部に密着するようになっている。すなわち、図示の例では、かかるフラップ弁102の中央側の縁部が前記副シール面102eとして機能するようになっており、副シール面102eは主シール面102dよりも上方に位置されている。図示の例では、フラップ弁102の上面側であって副シール面102eの内方には、隆起部102gが形成されており、大径弁口101’に着座した状態においてフラップ弁102は斜めに配されるが、かかる隆起部102gによって挿入される給油ノズルNがフラップ弁102のできるだけ自由端側においてこのフラップ弁102に接してこれを押すようになっている。
【0032】
これにより、この実施の形態にかかる弁装置にあっては、フラップ弁102の着座時に給油口Paに進入する塵埃をサブシール部分51と副シール面102eとによって阻止して、かかる塵埃がメインシール部分50と主シール面102dとの間にできるだけ入り込まないようにすることができる。これにより、かかるフラップ弁102の着座時のシール性を高く確保することができる。
【0033】
また、この実施の形態にあっては、前記大径弁口101’の口縁部101aは、前記シール体5のサブシール
部分51よりこの大径弁口101’の内方、つまり、周回ひれ状部53の突出端よりも大径弁口101’の内方に位置されるようになっている。(
図9)これにより、この実施の形態にあっては、給油口Paへの給油ノズルNの挿入時にサブシール
部分51に給油ノズルNが接してこれを傷つけることがないようになっている。
【0034】
また、この実施の形態にあっては、給油ノズルNの外側に形成された被掛合部Naに掛合される掛合部20は、前記大径弁口101’を挟んだ外部側Oであって、前記給油ノズルNの中心軸を挟んだ一方側に備えられている。(
図1)図示の例では、かかる掛合部20は、前記隔壁12dの直上となる位置に形成されている。また、前記フラップ弁102は、挿入される給油ノズルNに対し、この給油ノズルNの中心軸を挟んだ前記一方側において当接するようになっている。(
図1)そして、この実施の形態にあっては、前記掛合部20とフラップ弁102の前記当接位置との間となる位置に、挿入される給油ノズルNに対しその中心軸を挟んだ他方側において当接する支点部7が備えられている。図示の例では、給油口Paに挿入される給油ノズルNは、キャップ体2のインナーリング25とアッパーケース12の傾斜面12gとに案内されて大径弁口101’に導かれ、隔壁12dの直下においてアッパーケース12に回動可能に組み合わされているフラップ弁102を押してこれを前記付勢に抗して回動させる。かかるフラップ弁102に作用される付勢力によって給油ノズルNの先端側には
図1における右側に向けたモーメントが作用されるが、給油ノズルNの右側面であってフラップ弁102との接触位置よりも上方となる箇所はアッパーケース12の前記非傾斜面12hに当接されるようになっている。したがって、この非傾斜面12hよりも上方では給油ノズルNには
図1における左側に向けたモーメントが作用される。これにより、給油口Paに挿入された給油ノズルNは、前記大径弁口101’よりも外部側Oにおいて前記フラップ弁102に作用される付勢力によってその被掛合部Naに弁装置側の掛合部を強固且つ安定的に掛合させるようになっている。すなわち、図示の例では、前記非傾斜面12hがてこ状の構造を構成する前記支点部7として機能するようになっている。