(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態である携帯端末を含むナビゲーションシステムの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、ナビゲーションシステムは、ナビゲーションサーバ10及び携帯端末20を含んで構成されている。ナビゲーションサーバ10及び携帯端末20は、例えば、携帯電話の基地局やインターネットを介して通信可能に接続されている。
【0012】
まず、ナビゲーションサーバ10について説明する。ナビゲーションサーバ10は、携帯端末20に対して歩行者向けのナビゲーションサービスを提供するものであり、1台または複数台の情報処理装置を用いて構成される。
図1に示すように、ナビゲーションサーバ10は、経路ネットワーク情報記憶部30、地図情報記憶部32、施設位置情報記憶部34、経路探索部36、経路情報提供部38、及び位置特定部40を含んで構成することができる。これらの各部は、例えば、メモリや記憶装置等の記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されているプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0013】
経路ネットワーク情報記憶部30は、経路ネットワークを構成するノードやリンクに関する情報である経路ネットワーク情報を記憶している。具体的には、経路ネットワーク情報には、各ノードの緯度・経度等を示す位置情報や、ノード間を接続する道路であるリンクを示す情報が含まれる。
【0014】
地図情報記憶部32は、経路案内において利用可能な地図情報を記憶している。地図情報には、例えば、平面地図や三次元空間画像等の画像情報が含まれている。三次元空間画像とは、例えば、事前に撮影された画像(いわゆる、ストリートビュー(登録商標)画像)や、ポリゴンにより表現された画像等である。
【0015】
施設位置情報記憶部34は、各種施設の位置情報である施設位置情報を記憶している。施設位置情報には、例えば、施設ID、緯度・経度、特徴情報等が含まれる。なお、施設には、例えば、建物や店舗等の施設そのものの他に、建物に設置された看板等の各種物体も含まれる。また、特徴情報は、施設の特徴を示す情報であり、例えば、施設の外観画像や名称等を示す情報が含まれる。例えば、施設が看板である場合、特徴情報には、看板に記載されている文字を示す文字情報が含まれることとしてもよい。
【0016】
経路探索部36は、携帯端末20からの経路探索要求に応じて、経路ネットワーク情報記憶部30を参照し、経路探索を実行する。経路探索要求には、例えば、出発地や目的地、経由地等の、経路探索条件が含まれる。
【0017】
経路情報提供部38は、経路探索結果に基づいて経路案内を行う際に必要となる経路情報を携帯端末20に提供する。経路情報には、経路を構成するノードやリンクの情報の他に、経路案内用の地図情報や音声情報も含まれる。例えば、経路情報提供部38は、携帯端末20から表示対象の地図の種類や中心位置、縮尺、サイズ等を含む地図取得要求を受信し、該要求に応じた地図情報を地図情報記憶部32から取得することができる。
【0018】
位置特定部40は、携帯端末20からの目標物の位置特定要求に基づいて、該目標物の位置を特定することができる。目標物は、位置を特定可能な物であり、例えば、建物に設置された看板や、建物自身等である。位置特定要求には、例えば、目標物に記載された文字を示す文字情報や目標物を撮影した画像、現在位置等が含まれる。位置特定部40は、このような位置特定要求から目標物の特徴を示す特徴情報を抽出することができる。そして、位置特定部40は、抽出した特徴情報を施設位置情報記憶部34に記憶されている特徴情報と照合することにより、目標物に対応する施設を特定し、目標物の位置を特定することができる。なお、位置特定部40は、目標物を特定する際に、位置特定要求に含まれる現在位置を考慮することができる。例えば、位置特定部40は、特徴情報をもとに特定される施設が複数存在する場合に、現在位置に近い施設を目標物に対応する施設として特定することとしてもよい。
【0019】
次に、携帯端末20について説明する。携帯端末20は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯型情報処理装置である。本実施形態の携帯端末20は、ナビゲーション機能を備えた携帯ナビゲーション装置として用いることができる。
図1に示すように、携帯端末20は、カメラ50、ディスプレイ52、GPS(Global Positioning System)モジュール54、角度センサ56、方位センサ58、感度判定部60、照度センサ62、経路情報取得部64、経路情報記憶部66、拡張現実画像生成部68、地図画像生成部70、表示制御部72、アイコン操作部74、通知部76、音声案内出力部78、撮影データ記憶部80、目標位置特定部82、目標方位特定部84、方位補正部86、及び補正データ記憶部88を含んで構成することができる。これらの各部は、例えば、各種デバイスを用いたり、メモリや記憶装置等の記憶領域を用いたり、記憶領域に格納されているプログラムをプロセッサが実行したりすることにより実現することができる。
【0020】
図2には、携帯端末20の外観の一例を示す図が示されている。
図2(A)に示すように、携帯端末20には、ユーザが見る側の面(前面)にディスプレイ52(表示部)が設けられている。また、
図2(B)に示すように、携帯端末20の背面には、カメラ50(画像取得部)が設けられている。携帯端末20では、カメラ50が向けられた方向の画像を撮影することができる。
【0021】
GPSモジュール54(現在位置特定部)は、GPS衛星と通信することにより、ユーザの現在位置(携帯端末20の現在位置)を示す位置情報を出力することができる。位置情報には、例えば、緯度、経度、高度、測位精度などの情報が含まれる。
【0022】
角度センサ56(角度検出部)は、携帯端末20のディスプレイ52の水平方向からの傾き角度を検出可能なセンサである。角度センサ56は、例えば、ジャイロセンサを用いて構成することができる。例えば、角度センサ56は、ジャイロセンサから出力される角速度を積分することにより、角度を検出することができる。
【0023】
方位センサ58(方位検出部)は、携帯端末20が向けられている方位を検出可能なセンサである。ここで、携帯端末20が向けられている方位とは、例えば、携帯端末20の背面に設けられたカメラ50が向けられている方位である。方位センサ58は、例えば、地磁気センサを用いて構成することができる。
【0024】
感度判定部60は、方位センサ58による方位検出の感度を判定することができる。感度判定部60は、例えば、方位センサ58の出力レベルの変化や、方位センサ58の出力信号に含まれる精度情報等に基づいて、方位検出の感度を判定することができる。
【0025】
照度センサ62(照度検出部)は、携帯端末20の周囲の照度(明るさ)を検出可能なセンサである。照度センサ62は、例えば、フォトダイオード等の光学素子と、光学素子の出力に基づいて照度を検出する集積回路とを用いて構成することができる。
【0026】
経路情報取得部64は、ユーザに対して経路案内を行うために必要となる経路情報をナビゲーションサーバ10から取得し、経路情報記憶部66に格納する。具体的には、経路情報取得部64は、ユーザから、目的地や経由地等の経路探索条件を受け付け、該経路探索条件に基づいて、ナビゲーションサーバ10に経路探索要求を送信することができる。
【0027】
経路情報取得部64が取得する経路情報には、例えば、経路を構成するノードやリンクの情報や、経路案内用の地図情報、音声情報等が含まれる。なお、経路情報取得部64は、全ての経路情報を一度に取得するのではなく、必要な情報を必要なタイミングで取得することができる。例えば、経路情報取得部64は、最初に、経路を構成するノードやリンクの情報を取得することができる。その後、経路情報取得部64は、携帯端末20において経路とともに地図を表示するための地図情報を取得することができる。例えば、経路情報取得部64は、表示対象の地図の種類や中心位置、縮尺、サイズ等を含む地図取得要求をナビゲーションサーバ10に送信することにより、地図情報を取得することができる。
【0028】
拡張現実画像生成部68は、カメラ50によって撮影された現実世界の画像に、経路案内を行うための画像を重畳した拡張現実(AR)画像を生成する。
図3は、AR画像の生成の一例を説明するための図である。
図3(A)には、カメラ50によって撮影された画像がディスプレイ52に表示された例が示されている。拡張現実画像生成部68は、この現実世界の画像に、経路案内を行うための画像を重畳したAR画像を生成することができる。
図3(B)には、
図3(A)の画像をもとに生成されたAR画像の一例が示されている。
図3(B)に示すAR画像では、現実世界の画像に、キャラクタ100の画像が重畳されている。キャラクタ100は、経路情報によって示される経路に従って進行するものである。ユーザは、ディスプレイ52に表示されたキャラクタ100の後を追うことにより、経路どおりに進むことができる。
【0029】
なお、拡張現実画像生成部68は、ユーザの現在位置やユーザ操作に応じて、キャラクタ100が表示される位置を制御することができる。例えば、拡張現実画像生成部68は、経路上の、現在位置から所定距離離れた位置にキャラクタ100を表示することとしてもよい。また、拡張現実画像生成部68は、キャラクタ100が経路上を所定速度で移動するようにしてもよい。この速度は、例えば、あらかじめユーザによって設定されていてもよいし、AR画像が表示された状態において、ユーザからの指示によって設定されることとしてもよい。また、拡張現実画像生成部68は、ユーザからの指示に応じて、キャラクタの進行を停止させたり、進行を再開させたりしてもよい。
【0030】
また、拡張現実画像生成部68は、経路の分岐点においてキャラクタ100が待機するようにAR画像を生成することとしてもよい。
図4には、経路の分岐点においてキャラクタ100が待機しているAR画像の一例が示されている。
図4に示すように、キャラクタ100が経路の分岐点に到達した場合、拡張現実画像生成部68は、ユーザの現在位置とキャラクタ100の位置とが所定範囲内となるまでキャラクタ100を分岐点に待機させることとしてもよい。そして、拡張現実画像生成部68は、ユーザの現在位置とキャラクタ100の位置とが所定範囲内になると、キャラクタ100の進行を再開させることとしてもよい。このようにキャラクタ100の動きを制御することにより、経路の分岐点においてユーザがキャラクタ100を見失ってしまうことを防ぐことができる。
【0031】
また、
図3(B)に示す例では、AR画像が表示される画面に「AR+地図」ボタン110が表示されている。このボタン110は、AR画像とともに地図画像を表示する画面に切り替えるためのものである。これについては後述する。
【0032】
なお、拡張現実画像生成部68は、カメラ50によって撮影された画像の代わりに、ナビゲーションサーバ10から取得される三次元空間画像を用いることも可能である。三次元空間画像は、カメラ50が向けられた方向に対応する画像であり、経路情報取得部64によってナビゲーションサーバ10から取得することができる。例えば、拡張現実画像生成部68は、夜間や雨天時など、照度センサ62によって検出される照度が所定の閾値未満である場合に、カメラ50によって撮影された画像の代わりに三次元空間画像を用いることとしてもよい。照度が低い場合はカメラ50によって撮影された画像が見にくくなるため、三次元空間画像を用いることにより、ユーザにとって見やすい経路案内画像を提供することができる。
【0033】
図1に戻り、地図画像生成部70は、経路案内を行うための地図画像を生成する。例えば、地図画像生成部70は、経路情報に基づいて、現在位置付近の地図上に経路を示した地図画像を生成することができる。
図5には、地図画像生成部70によって生成される地図画像の一例が示されている。
図5に示す例では、経路を示す破線が地図上に表示されている。また、地図画像には、キャラクタ100の位置を示すアイコン120と、現在位置を示すアイコン130とが表示されている。
【0034】
図1に戻り、表示制御部72は、経路案内を行うための画像の表示を制御する。例えば、表示制御部72は、ディスプレイ52に表示する画像をAR画像または地図画像のいずれとするかを切り替えることができる。
図6には、表示制御部72による表示制御の一例が示されている。
図6に示すように、表示制御部72は、角度センサ56によって検出された、携帯端末20のディスプレイ52の水平方向からの角度が所定の閾値(例えば45°)以上である場合は、AR画像をディスプレイ52に表示し、該角度が該閾値未満である場合は、地図画像をディスプレイ52に表示することができる。なお、
図6に示される閾値(45°)は一例であり、他の閾値を用いることも可能である。
【0035】
ユーザがAR画像を見ながら経路を進む際には、進行方向の画像を確認するために、ディスプレイ52が垂直に近い角度となるように携帯端末20が保持された状態が自然であると考えられる。そのため、表示制御部72は、携帯端末20のディスプレイ52の水平方向からの角度が所定の閾値以上である場合は、AR画像をディスプレイ52に表示する。
【0036】
一方、ユーザは、AR画像による経路案内中においても、例えば、現在位置付近の地図を確認したい場合がある。ユーザが地図画像を見る場合においては、ディスプレイ52を水平に近い角度となるように携帯端末20が保持された状態が自然であると考えられる。そのため、表示制御部72は、携帯端末20のディスプレイ52の水平方向からの角度が所定の閾値未満である場合は、地図画像をディスプレイ52に表示する。
【0037】
このように、表示制御部72は、携帯端末20のディスプレイ52の水平方向からの角度に基づいて、ユーザがAR画像または地図画像のいずれを見たいのかを判断し、ディスプレイ52に表示される画像を自動的に切り替えることができる。つまり、ユーザは、携帯端末20のディスプレイ52の水平方向からの角度を変えることにより、その角度に応じた適切な画像を見ることができる。
【0038】
また、表示制御部72は、ユーザからの要求に応じて、AR画像及び地図画像をディスプレイ52に同時に表示することも可能である。例えば、
図3(B)に示した画面において「AR+地図」110ボタンが押下されると、表示制御部72は、
図7に示すように、AR画像及び地図画像をディスプレイ52に同時に表示することができる。また、例えば、
図7に示す画面において「ARのみ」ボタン140が押下されると、表示制御部72は、
図3(B)に示したように、AR画像のみをディスプレイ52に表示することができる。
【0039】
図1に戻り、アイコン操作部74は、地図画像に表示されたアイコンに対する操作を行うことができる。
図8には、アイコン操作の一例が示されている。ユーザは、ディスプレイ52に表示された地図画像上において、キャラクタ100のアイコン120を移動させることができる。
図8に示す例では、位置Aから位置Bにアイコン120が移動されている。このようにアイコン120が移動された後、AR画像が表示されると、
図9に示すように、移動後のアイコン120に対応した位置Bにキャラクタ100が表示される。このようにアイコン120が移動された場合、拡張現実画像生成部68は、例えば
図9に示すように、移動された位置でキャラクタが待機しているAR画像を生成することとしてもよい。
【0040】
図1に戻り、通知部76は、経路案内中にユーザに対する様々な通知を行う。例えば、通知部76は、ユーザが経路を外れたことを通知することができる。具体例を用いて説明する。
図10には、ユーザが経路を間違えてしまった場合の地図画像が表示されている。
図10に示す地図画像は、本来であればアイコン120が表示されているC点にて右折すべきであったところ、間違えて直進し、D点に到達してしまった状況を表している。
図11には、この状況におけるAR画像の一例が表示されている。
図11に示す例では、経路上にキャラクタ100が表示されていない。その代わりに、通知部76は、AR画像に、経路を間違えていることを示すメッセージ140や、キャラクタを呼ぶためのボタン150を表示することができる。また、通知部76は、キャラクタの音声(例えば、「ワンワン」など)を出力することもできる。
【0041】
ユーザは、
図11に例示した画面で、経路を間違えていることに気付くと、携帯端末20を向ける方向を変えることにより、経路に戻るための方向を探すことができる。具体的には、
図10に示したD点において、携帯端末20をC点の方向に向けると、拡張現実画像生成部68は、例えば、
図12に示すAR画像を表示することができる。
図12に示すAR画像では、C点に位置するキャラクタ100がユーザのいるD点の方向を向いて表示されている。ユーザはキャラクタ100を発見し、キャラクタ100のいる方向に進むことによって経路に戻ることができる。
【0042】
なお、拡張現実画像生成部68は、元の経路上ではなく、元の経路にユーザを誘導可能な位置にキャラクタ100を表示することとしてもよい。例えば、拡張現実画像生成部68は、
図10に示したD点とC点とを結ぶ線上にキャラクタ100を表示してもよい。このとき、必要に応じて、経路情報取得部64が、元の経路に戻るための経路情報をナビゲーションサーバ10から取得することとしてもよい。
【0043】
また、ユーザは、
図11に例示した画面で、「犬を呼ぶ」ボタン150を押下することにより、キャラクタ100をユーザの進行している方向に表示させることができる。具体的には、拡張現実画像生成部68は、「犬を呼ぶ」ボタン150が押下されると、
図13に例示するように、キャラクタ100がユーザの進行方向の地点Eに移動するようにAR画像を生成することができる。この場合、経路情報取得部64は、
図14に示すように、キャラクタ100が移動した地点Eを経由して目的地に到達するまでの経路を再探索することができる。
【0044】
また、通知部76は、感度判定部60の判定結果に基づいて、方位センサ58の検出感度が所定レベル未満であることをユーザに通知することができる。
図15には、方位センサ58の検出感度が低いことをユーザに通知するAR画像の一例が示されている。
図15に示すように、通知部76は、方位センサ58の検出感度が低いことを示すメッセージ180や、方位の補正に関するボタン190,200を出力することができる。方位の補正については後述する。
【0045】
また、方位センサ58の検出感度が低い場合、拡張現実画像生成部68は、キャラクタ100の表示態様を変更することとしてもよい。例えば、
図15に示すAR画像では、キャラクタ100はユーザの方を向いた画像となっている。なお、
図15に示すキャラクタ100の表示態様は一例であり、これに限られない。例えば、キャラクタ100の表情が変更されたり、キャラクタ100の動作が変更されたりしてもよい。
【0046】
図1に戻り、音声案内出力部78は、経路情報取得部64によって取得された経路情報に基づいて、ユーザを経路案内するための音声を出力することができる。なお、拡張現実画像生成部68は、音声案内出力部78による音声案内にあわせて、キャラクタ100の表示態様を変更することとしてもよい。例えば、拡張現実画像生成部68は、音声案内が出力される際に、キャラクタ100の顔がユーザの方向に向けられるようにAR画像を生成してもよい。
【0047】
撮影データ記憶部80は、方位を補正するためにカメラ50によって撮影された画像を記憶する。また、撮影データ記憶部80は、該画像が撮影された際の現在位置を示す情報、および、該画像が撮影された際に方位センサ58によって検出された方位(検出方位)を示す情報を画像と対応づけて記憶する。
【0048】
例えば、
図15に示すAR画像において、「センサ補正」ボタン190が押下されると、カメラ50は、
図16に示す撮影画面を表示する。この画面には、例えば、目標物を捉える範囲220や撮影ボタン230等が表示される。ここで、目標物とは、方位を補正する際に基準とするものであり、その位置がナビゲーションサーバ10の施設位置情報記憶部34に登録されているものである。
図16に示す画面には、目標物の一例として看板240が表示されている。そして、例えば、
図17に示すように、目標物(看板240)の少なくとも一部が範囲220に含まれる状態で撮影ボタン230が押下されると、カメラ50は、撮影された画像を現在位置及び検出方位と対応づけて撮影データ記憶部80に格納する。なお、
図15に示すAR画像において「無視」ボタン200が押下されると、方位補正が行われることなく経路案内が継続される。
【0049】
図1に戻り、目標位置特定部82は、撮影データ記憶部80に格納された画像に基づいて、目標物の位置(目標位置)を特定する。例えば、目標位置特定部82は、この画像をナビゲーションサーバ10に送信し、目標位置に関する情報をナビゲーションサーバ10から受信することとしてもよい。また例えば、目標位置特定部82は、この画像から文字等の特徴情報を抽出してナビゲーションサーバ10に送信することにより、目標位置に関する情報を取得することとしてもよい。いずれの場合においても、ナビゲーションサーバ10の位置特定部40は、施設位置情報記憶部34を参照することにより、携帯端末20から受信する情報に基づいて目標位置を特定することができる。
【0050】
目標方位特定部84は、目標位置特定部82によって特定された目標位置と、GPSモジュール54によって検出された現在位置とに基づいて、携帯端末20が向けられている方位を特定する。つまり、目標方位特定部84は、現在位置から目標位置への方位(目標方位)を特定する。
【0051】
方位補正部86は、目標方位特定部84によって特定された目標方位に基づいて、方位センサ58によって検出された方位(検出方位)を補正する。
図18は、方位の補正方法を説明するための図である。
図18に示すように、方位補正部86は、目標方位と検出方位との差を補正角度θとして算出する。この補正角度θが、方位センサ58の感度低下による検出方位のずれを表している。方位補正部86は、このように算出した補正角度θを示す補正データを補正データ記憶部88に格納する。携帯端末20においては、方位センサ58で検出された方位を補正データ記憶部88に記憶された補正データで補正して用いることができる。つまり、補正された方位に基づいて経路案内を行うことができる。
【0052】
図19は、携帯端末20におけるAR画像と地図画像の表示切替処理の一例を示すフローチャートである。角度センサ56は、ディスプレイ52の水平方向からの傾き角度を検出する(S1901)。表示制御部72は、検出された角度が所定の閾値以上であるかどうか判定する(S1902)。
【0053】
検出された角度が所定の閾値以上である場合(S1902:Y)、すなわち、ディスプレイ52の傾き角度が垂直方向に近い範囲にある場合、表示制御部72は、
図3(B)に示したように、拡張現実画像生成部68によって生成されたAR画像をディスプレイ52に表示する(S1903)。また、表示制御部72は、ユーザからの指示に応じて、例えば
図7に示したように、AR画像と地図画像とをディスプレイ52に同時に表示することができる。
【0054】
一方、検出された角度が所定の閾値である場合(S1902:N)、すなわち、ディスプレイ52の傾き角度が水平方向に近い範囲にある場合、表示制御部72は、
図5に示したように、地図画像生成部70によって生成された地図画像をディスプレイ52に表示する(S1904)。
【0055】
このように、ディスプレイ52の水平方向からの傾き角度に応じた画像の切替処理が、ユーザからの指示によって表示処理が終了されるまで(S1905)、繰り返し実行される。
【0056】
図20は、携帯端末20における方位補正処理の一例を示すフローチャートである。感度判定部60は、方位センサ58の出力を取得し(S2001)、方位センサ58の感度を判定する(S2002)。方位センサ58の感度が所定の閾値以上である場合(S2003:N)、方位補正部86は方位センサ58の方位補正を行わずに処理を終了する。
【0057】
方位センサ58の感度が所定の閾値未満である場合(S2003:Y)、通知部76は、方位センサ58の感度が低いことをユーザに通知する(S2004)。ユーザが方位の補正を行わないことを選択すると(S2005:N)、方位補正部86は方位センサ58の方位補正を行わずに処理を終了する。
【0058】
方位センサ58の感度が低いことの通知に応じて、ユーザが、方位の補正を行うことを選択すると(S2005:Y)、目標位置特定部82は、カメラ50によって撮影された目標物の撮影データを取得する(S2006)。そして、目標位置特定部82は、該撮影データに基づいて目標物の位置(目標位置)を特定する(S2007)。なお、目標位置特定部82は、目標位置の特定にあたり、ナビゲーションサーバ10と通信を行うことができる。
【0059】
目標位置が特定されると、目標方位特定部84は、目標物が撮影された際の現在位置から目標位置の方位(目標方位)を特定する(S2008)。なお、目標物が撮影された際の現在位置を示す情報、および、方位センサ58により検出された方位(検出方位)を示す情報は、目標物の画像と対応づけて撮影データ記憶部80に格納されている。
【0060】
目標方位が特定されると、方位補正部86は、
図18に示したように、目標方位と、方位センサ58によって検出された方位(検出方位)とに基づいて補正角度を算出し、補正角度を示す補正データを補正データ記憶部88に格納する(S2010)。これにより、方位センサ58の感度が低い場合において、目標物の位置に基づいて方位を補正することができる。なお、
図20に示した処理は、経路案内が行われている間、繰り返し実行することができる。
【0061】
以上、本実施形態について説明した。本実施形態によれば、ディスプレイ52の水平方向からの傾き角度に応じて、AR画像の表示と地図画像の表示とを自動的に切り替えることができる。これにより、ARによるナビゲーションを利用する際の利便性を向上させることができる。
【0062】
また、本実施形態では、地図画像上でキャラクタ100のアイコン120の位置を変更することにより、AR画像に切り替わった際に、キャラクタ100の位置をアイコン120に応じた位置に変更することができる。このように、地図画像上での操作とAR画像の表示とを連携させることにより、ARによるナビゲーションを利用する際の利便性を向上させることができる。
【0063】
また、本実施形態では、ユーザが経路を外れてしまった場合に、すぐにユーザの進行方向を前提とした経路の再探索を行うのではなく、元の経路にユーザを誘導可能な位置にキャラクタ100を表示することができる。
【0064】
また、本実施形態では、例えば、周囲が暗い場合等において、カメラ50で撮影される画像に代えて、ストリートビュー画像等の三次元空間画像を用いることができる。これにより、AR画像による経路案内時の視認性を向上させることができる。
【0065】
また、本実施形態では、方位センサ58の感度が低い場合に、あらかじめ位置が特定されている目標物を撮影することにより、方位センサ58によって検出される方位を補正することができる。これにより、例えば、経路案内時の進行方向の特定精度を向上させることが可能となる。
【0066】
なお、本実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。