【実施例1】
【0023】
図1−1は、実施例1に係るボイラ装置の概略図である。
図3は、実施例1に係るガス成分濃度計測装置の概略斜視図である。
図4はコーナ反射部の概略図である。
図5は、反射鏡の取り付け図である。
図1−1に示すように、実施例1に係るボイラ装置100は、ボイラ101からの燃焼排ガス(以下「排ガス」という)102中に還元剤(例えばアンモニア:NH
3)を供給する還元剤供給手段であるアンモニア注入装置104と、還元剤が含まれた排ガス102中のNOxを脱硝する脱硝触媒106を備えた脱硝装置105と、前記脱硝装置105の入口側に設けられ、前記脱硝装置105に導入する前の排ガス中の煤塵濃度を計測するガス成分濃度計測装置50とを具備し、前記ガス成分濃度計測装置50の計測結果より、ガス成分の煤塵の濃度を求めるものである。
図1中、符号107は空気予熱器、108は煙突を図示する。
【0024】
ここで、本実施例で用いるガス成分濃度計測装置について詳細に説明する。
図3及び
図4に示すように、ガス成分濃度計測装置50は、計測対象ガスである例えば排ガス102が存在する計測場の外部からレーザ光70を出射させるレーザ送光器(以下「送光器」という)11と、前記計測場を通過したレーザ光を受光し、レーザ光70の光強度を検出するレーザ受光器(以下「受光器」という)12と、前記計測場に挿入されるレーザ光用プローブ手段51とを具備し、前記レーザ光用プローブ手段51が、前記レーザ光70を入射する入射口52と、90度の角度に対向して設置された一対の反射鏡53、53を有し、入射したレーザ光70を回帰反射させる回帰反射部と、反射したレーザ光71を出射する出射口54とを備えたコーナ反射部55と、前記コーナ反射部55の入射口52に連結され、前記レーザ送光器11から出射されたレーザ光70を送光する筒状の入射送光筒56と、前記コーナ反射部55の出射口54に連結され、前記反射したレーザ光71をレーザ受光器12へ送光する筒状の受光送光筒57とを備えている。
そして、前記受光送光筒57の一部が所定距離区切られ、計測場に晒される計測領域Lを有している。
すなわち、受光送光筒57においては、所定距離57a、57b間開口された計測場に晒される計測領域Lが設けられている。
【0025】
また、本実施例では、前記入射送光筒56と、前記受光送光筒57内に、計測場の外部からパージガス60を導入するパージガス導入手段を設けており、入射送光筒56と、前記受光送光筒57内に計測場の排ガスが内部に侵入することを防止している。
【0026】
このように、入射送光筒56と受光送光筒57内にパージガス60を入れるのは、排ガス102中に煤塵が多い場合、レーザ光がその煤塵の影響により散乱され、ビーム径、散乱光ノイズ等の拡大等が生じることを防止するためである。
煤塵の影響で散乱された状態で、レーザ光が反射されると拡散され、十分な受光強度を確保することができず、計測不能となる。
また、レーザ光70を反射する反射鏡53、53も常にパージガス60で反射鏡の汚れを防止している。
【0027】
よって、
図3に示すように、パージガス60は、入射送光筒56、入射口52、コーナ反射部55及び出射口54と通過させることで、送光するレーザ光70は、送光器11から出射されたままの状態で、反射鏡53、53で反射させて、所定距離57a、57bの間開口された計測場の計測領域Lに送るようにしている。
なお、入射送光筒56と、受光送光筒57とは支持具65を介して支持するようにしている。
【0028】
また、レーザ光用プローブ手段51は、計測場が300以上の高温の環境に晒されるので、その材質を、高温耐久性の低膨張合金材質(例えば「スーパーインバー(商品名)」、三菱マテリアル社製)を用いるようにしている。
【0029】
コーナ反射部55は、一対の反射鏡53、53が角度が90度となるような回帰反射部としている。
このように90度の角度で反射鏡53、53を設定すると、レーザ光は回帰反射となり、入射したレーザ光70に対して、平行な反射レーザ光71が反射して入射側に戻ってくることとなる。よって、入射のレーザ光70を合わせることで、戻り光の反射レーザ光71は必ず平行となる。この回帰反射部により、送光レーザ光と反射レーザ光の光軸のズレを最小限に抑制することができる。
【0030】
また、反射鏡53のコーナ反射部55への取り付けは、反射鏡53を開口55aに設置し、締結手段であるボルト61、ナット62で取り付けており、また熱伸びに対しての緩みを防止するために、バネ63を介装して締結するようにしている。
【0031】
図9及び
図10は、排ガス中の吸収分光計測の概念図であり、
図9は、排ガス中の吸収分光計測の煤塵無しの概念図、
図10は、排ガス中の吸収分光計測の煤塵有りの概念図である。
図11は、吸収分光計測の吸収チャート図である。
図9に示すように、予め、大気中において、受光強度(I
0)の初期データを、先ず計測しておく。
次に、排ガス中の煤塵を計測する場合、
図10に示すように、所定濃度の煤塵が含まれる計測領域Lを通過した後の受光強度(I
0’)を計測する。
そして、(I
0’)/(I
0)により煤塵による光透過率(T:%)を求める。
【0032】
図12は、計測領域(L)の長さを変更した場合の光透過率と煤塵濃度(g/Nm
3)との関係図である。
このような関係図を予め求めておき、光透過率から煤塵濃度を求める。
【0033】
煤塵濃度を求める場合の光透過率は、下記数1に示すランベルト・ベールの式を用いて算出することができる。
【0034】
【数1】
ここで、I
0は、煤塵無しの大気中の透過後の光強度である。
I
0’は、煤塵有りガス中の透過後の光強度である。
αは、煤塵による散乱係数(g/m
2)である。
cは、煤塵濃度(g/m
3)である。
Lは、光路長である。
tは、温度補正値である。
この結果、リアルタイムで排ガス中の煤塵濃度を計測することができる。
このように、α、Lが既知となっていれば、(I
0’)/(I
0)を求めることにより、煤塵濃度(c)をリアルタイムで測定することができる。
【0035】
この結果、排ガス通過する煙道内において、直接煤塵濃度を測定できるので、従来のような煙道から排ガスを吸引するような場合に較べて、測定誤差の低減に寄与し、煩雑な作業(煤塵処理等)を回避できる。
また、この煤塵濃度の計測の結果により、脱硝装置の入口側での煤塵による閉塞を防止するための除去手段(例えばスートブロア)を操作して、スートブロアから流体を噴射し、煤塵による閉塞を防止するようにしてもよい。
【0036】
なお、本実施例では、脱硝装置105の入口側で煤塵濃度を測定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ボイラ出口から排ガスを排出する煙道のいずれの箇所においても、直接煙道に設置することで、煤塵計測を行うことができる。
【0037】
また、ボイラ排ガス中の煤塵濃度の計測に限定されず、ガス化ガス中の煤塵濃度の計測にも適用することができる。
【実施例2】
【0038】
図1−2は、実施例2に係る脱硝装置を備えたボイラ装置の概略図である。
図2は、実施例1に係る脱硝装置のアンモニア注入装置の概略構成例を示す系統図である。
図3は、実施例1に係るガス成分濃度計測装置の概略斜視図である。
図4はコーナ反射部の概略図である。
図5は、反射鏡の取り付け図である。
本実施例では、
図1−2に示すように、脱硝装置の入口側と出口側とにガス成分濃度計測装置50A、50Bを各々設けている。
実施例1では、
図1−1に示すように、ガス成分濃度計測装置50Aにより、排ガス中の成分である煤塵の濃度を計測していたが、本実施例では、煤塵の計測と同時に、ガス成分であるアンモニア(NH
3)又は窒素酸化物(NOx)を計測している。
【0039】
また、本発明のガス成分濃度計測装置を用いることで、煤塵濃度の計測と共に、排ガス中のガス成分(例えばアンモニア(NH
3)又は窒素酸化物(NOx)等)を計測することができる。
【0040】
排ガス中のガス成分である例えばアンモニア(NH
3)又は窒素酸化物(NOx)を計測する場合には、
図11に示すように、所定濃度の煤塵が含まれる計測領域Lを通過した後の受光強度(I
0’)を基準とし、この基準から特定のガス成分(例えばアンモニア(NH
3)又は窒素酸化物(NOx)等)の吸収による光強度(I)を求める。
そして、(I)/(I
0’)によりガス成分(例えばアンモニア(NH
3)又は窒素酸化物(NOx))濃度の光透過率(T)を求め、この光透過率からガス成分の濃度を求めるようにすればよい。
【0041】
ガス成分(アンモニアや窒素酸化物等)の濃度を求める場合の光透過率は、下記数2に示すランベルト・ベールの式を用いて算出することができる。
【0042】
【数2】
ここで、Iは、ガス成分(アンモニアや窒素酸化物等)の吸収による光強度である。
I
0’は、煤塵有りガス中の透過後の光強度である。
α’は、煤塵による散乱係数(g/m
2)である。
cは、煤塵濃度(g/m
3)である。
Lは、光路長である。
tは、温度補正値である。
【0043】
よって、ガス中のガス成分濃度計測装置を用いることで、煤塵濃度の計測のみならず、ガス中のガス成分濃度の計測も行うことができる。
【0044】
ここで、反射鏡53は、アンモニア測定を目的とする場合、サファイヤ基板でSiO
2、TiO
2の多層膜としている。
なお、計測対象のガス成分により、反射膜のコーティングを異なるものとすることができる。
例えば、可視・紫外分光にて計測する場合、アルミニウム(Al)膜を用いることができる。
【0045】
また、例えばアンモニア(NH
3)濃度を計測するには、半導体レーザ(半導体素子:InGaAsを例示することができる。波長:1.5μm、出力:1mW程度のものを例示することができる)を用いることができる。
【0046】
例えば窒素酸化物(NOx)を計測する場合には、量子カスケードレーザ(半導体素子:InGaAs/InAlAsを例示することができる。波長:5〜6μm、出力:1mW程度のものを例示することができる)を用いることができる。
【0047】
例えばアンモニア以外のガス成分として、SO
2(酸化硫黄)を計測する場合には、量子カスケードレーザ(波長:7.0〜7.5μmを例示することができる)を用いることができる。
また、ガス成分として、メタン(CH
4)を計測する場合には、半導体レーザ(半導体素子:InGaAsを例示することができる。波長:1.6μm、出力:1mW程度のものを例示することができる)を用いることができる。
ここで、例えば窒素酸化物(NOx)を計測する場合には、例えばアルミニウム(Al)、SiO
2多層膜を用いることができる。
例えば酸化硫黄(SO
2)、メタン(CH
4)を計測する場合には、反射鏡53として例えばアルミニウム(Al)膜等の金属膜を用いることができる。
【0048】
このように、本発明では、赤外領域で計測しているが、本発明はこれに限定されず、可視・紫外領域での分光計測にも適用できる。
この場合、可視・紫外分光にて計測する場合、それに応じた可視・紫外を効率的に反射できる例えばフッ化カルシウム(CaF
2)結晶膜、アルミニウム(Al)膜、金(Au)等の金属を用いることができる。
【0049】
このように、測定したいガス成分によって、該当する吸収波長の反射率の高い反射鏡を選択し、適宜計測することができる、利点を有することとなる。
【0050】
ここで、ガス成分濃度計測装置50A、50Bでアンモニアを計測する場合には、脱硝装置105の入口でのアンモニア供給量の確認と、脱硝装置105の出口で、リークアンモニアの濃度の確認とを行い、脱硝が適切になされているかを判断することができる。
【0051】
また、ガス成分濃度計測装置50A、50Bで窒素酸化物(NOx)を計測する場合には、脱硝装置の入口と出口の濃度差により、脱硝率を求め、脱硝が適切になされているかを判断することができる。
【0052】
本実施例によれば、煤塵濃度の計測とアンモニア(NH
3)濃度や窒素酸化物(NOx)の計測とを同時におこない、安定した脱硝をすることができる。
【0053】
図1−2は、実施例1に係る脱硝装置を備えた他のボイラ装置の概略図である。
図1−2に示すように、本実施例の脱硝装置105は、煙道103の直管部に設置されてアンモニアを注入するアンモニア注入装置104と、注入したアンモニアを排ガスと混合させる混合器(不図示)と、窒素酸化物とアンモニアとを反応させた後に水と窒素とに分解する脱硝触媒106と、アンモニア注入量等の制御を行う開度設定部109と、ガス流路に仮想的に設けられた濃度測定領域における脱硝装置105の入口側にNOx濃度と煤塵濃度を測定するガス成分濃度計測装置50Aを備え、出口側にNOx濃度とを測定するガス中のガス成分濃度計測装置50Bとを備えている。
【0054】
アンモニア注入装置104は、例えば
図2に示すように、アンモニア供給源に接続された流路配管のアンモニア主系統22に総流量制御弁23を備えている。このアンモニア主系統22は、総流量制御弁23の下流において、ヘッダ24から分岐させた複数本(図示の例では6本)のアンモニア供給系統26を備えている。
【0055】
アンモニア供給系統26は、各々が流量制御元弁25及び複数個(図示の例では3個)の注入ノズル27を備えており、排ガスを流す流路である煙道103の内部に注入ノズル27が格子状の配置となるように設置されている。注入ノズル27は、流路配管のアンモニア主系統22、ヘッダ24及びアンモニア供給系統26を通ってアンモニア供給源から供給されたアンモニアを煙道103の内部に液滴又はガスの状態で流出させ、排ガス中に還元剤としてのアンモニアを注入するものである。なお、液滴の状態で注入されたアンモニアは、高温の排ガスから吸熱してガス化する。
【0056】
こうして煙道103の内部に注入されたアンモニアのガスは、混合器を通過することにより排ガスと撹拌混合される。この結果、アンモニアは窒素酸化物と反応して脱硝触媒106を通過するので、水と窒素とに分解されることで窒素酸化物が排ガス中から除去される。
【0057】
開度設定部109には、ガス中のガス成分濃度計測装置50Bで、窒素酸化物(NOx)濃度の測定値が制御装置20を介して入力される。このようなNOx濃度の入力を受けた開度設定部109は、NOx濃度に基づいて総流量制御弁23の開度の設定(開度制御)を行う。
【0058】
この場合、開度設定部109による流量制御元弁25の開度制御は、予め定めたアンモニア濃度と流量制御元弁25毎の開度との相関関係を定めた制御マップに基づいて行われる。すなわち、脱硝装置105は、ボイラ101毎に諸条件(煙道103の流路系統や流路断面積、燃料の種類等)が異なるため、事前に相関関係のデータを実験等により入手して制作した制御マップを開度設定部109に記憶しておく。
【0059】
ガス中成分濃度計測装置50A、50Bは、上述したように、脱硝触媒106の入口側と出口側のNOx濃度の差により、脱硝が確実になされたかをその濃度計測により制御装置20で判断できる。
そして、NOx濃度が基準値以上であると判断したら、脱硝不良として、制御装置20から開度設定部109に信号を送り、開度設定部109からアンモニア注入装置104に開度信号をおくって、アンモニアの供給量を調整する。
【0060】
このような脱硝装置105によれば、ガス成分濃度計測装置50A、50Bとを用いることで、煙道における脱硝触媒106の入口側と出口側におけるNOx濃度分布が検出され、この検出結果が、制御装置20を介して開度設定部109に出力される。
開度設定部109では、窒素酸化物濃度の平均値に基づいて総流量制御弁23の開度制御が行われ、かつ、ガス成分濃度計測装置によって得られたNOx濃度分布に基づいて流量制御元弁25の開度制御が行われる。これにより、脱硝装置105の運転を継続しながら、時定数の短いNOx濃度の測定値に応じ、複数のアンモニア供給系統26毎に分配されるアンモニア注入量を自動的に調整することができる。
【0061】
このとき、流量制御元弁25の開度制御は、予め定めたアンモニア濃度と流量制御元弁25毎の開度とのマップに基づいて行われるので、窒素酸化物濃度により総供給量が規定されたアンモニアは、流量制御元弁25の開度に応じてアンモニア供給系統26に対するアンモニア分配量が調整される。
【0062】
本実施例に係るガス成分濃度計測装置50によれば、コーナ反射部55に一対の反射鏡53,53を設け、このコーナ反射部55に送光器11からのレーザ光を導入する入射送光筒56を設けると共に、反射したレーザ光を受光器12側へ導入する受光送光筒57を設けている。
そして、受光送光筒57の一部を所定距離57a、57bだけ開口させ、計測場の計測領域Lに晒すことで、この計測領域Lに存在する排ガス102中のガス成分を計測するようにしている。
【0063】
この際、入射送光筒56にパージガス60を導入して、コーナ反射部55の反射鏡53を反射するまでの間、排ガス103が導入することを防止しているので、レーザ光70がその煤塵に影響されることがなく、散乱が防止され、ビーム径、散乱光ノイズ等の拡大等が生じることを防止している。
この結果、煤塵の影響で散乱された状態で、レーザ光が反射されることが防止されるので、計測精度の低下を防止している。
よって、本実施例によれば、パージガス60が、入射送光筒56、入射口52、コーナ反射部55及び出射口54と通過させているので、送光するレーザ光70は、送光器11から出射されたままの状態で、反射鏡53、53で反射させて、反射レーザ光71は、所定距離57a、57bだけ開口された計測領域Lではじめて煤塵に接触することとなり、散乱が防止される。
【0064】
本実施例では、
図1に示すように、レーザ手段を制御するための制御装置20が設置されている。この制御装置20は、例えば、コンピュータであり、CPU、CPUが実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)、各プログラム実行時のワーク領域として機能するRAM(Random Access Memory)、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)、通信ネットワークに接続するための通信インターフェース、及び外部記憶装置が装着されるアクセス部などを備えている。これら各部は、バスを介して接続されている。更に、制御装置20は、キーボードやマウス等からなる入力部及びデータを表示する液晶表示装置等からなる表示部などと接続されていてもよい。
【0065】
上記CPUが実行するプログラム等を記憶するための記憶媒体は、ROMに限られない。例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等の他の補助記憶装置であってもよい。なお、本実施形態では、制御装置20を一つのコンピュータによって実現する構成としているが、複数のコンピュータによって実現してもよい。
【0066】
ここで、本実施例では、濃度測定領域における脱硝装置105の入口側にNOx濃度を測定するガス成分濃度計測装置50Bを備え、出口側に煤塵濃度とNOx濃度とを測定するガス中のガス成分濃度計測装置50Aとを備えて、ガス中のNOx濃度から脱硝率を求めているが、脱硝率を求めない場合には、濃度測定領域における脱硝装置105の出口側に煤塵濃度とNOx濃度とを測定するガス中のガス成分濃度計測装置50Aを備え、煤塵濃度の計測と共に、NOx濃度を求め、このNOx濃度からアンモニアの注入量を制御するようにしてもよい。
【実施例3】
【0067】
図6は、実施例2に係るガス成分濃度計測装置の全体構成を示す概略図である。
図7は
図6のガス成分濃度計測装置の平面図である。
実施例1のガス成分濃度計測装置の構成と同一部材については、同一符号を付してその説明は省略する。
図6及び
図7に示すように、ガス成分濃度計測装置50は、前記レーザ送光器11とレーザ受光器12とを、計測場の壁面に取り付ける光学系取付フランジ80と、前記コーナ反射部55を取り付ける反射系取付フランジ81とを備え、光学系取付フランジ80に、レーザ送光器とレーザ受光器とを、直接固定している。
【0068】
そして、前記光学系取付フランジ80と反射系取付フランジ81とを用いて、入射送光筒56が取り付けられると共に、両フランジ80、81を支える第1及び第2の支持筒82、83を2箇所設けている。
なお、
図6のガス成分濃度計測装置の全体構成を示す概略図では、第2の支持筒83は図示を省略している。また、
図7の
図6の平面図では、受光送光筒57、受光器12の図示は省略している。
【0069】
また、前記光学系取付フランジ80と反射系取付フランジ81との間に、第1及び第2の支持具84、85を設け、トライアングル支持としている。そして、入射送光筒56、受光送光筒57、第1及び第2の支持筒82,83の4本の固定を確実としている。
実施例1では、入射送光筒56が支持筒を兼用していたが、本実施例では入射送光筒56と受光送光筒57とを支持する支持筒82、83を別途設けているので、高温環境においても、これらの支持を確実に行うことができる。
【0070】
本実施例では、従来のような計測場の外部で反射ミラー等の光学系によりレーザ光を導入していないので、装置構成がコンパクトにすることができる。また、例えばボイラからの排ガス等における大型プラントでの実機適用においては、操業中における振動による光学系のレーザ光の光軸のズレが生じることが解消される。
【0071】
また、本実施例では、第1及び第2の支持筒82、83内に、計測場の外部からパージガス60を導入するパージガス導入手段を設けるので、排ガスの計測等における高温環境における熱伸びを防止することができる。
【0072】
本実施例では、送光器と受光器とのレーザの固定を直接行っており、レーザ光用プローブ61のコーナ反射部55で回帰反射させているので、レーザ光の直線性の維持を図ることができる。
また、パージガスをコーナ反射部55の内部まで導入し、計測領域Lまでレーザ光の散乱を防止しているので、レーザ光の散乱がなく、高い計測精度を提供することができる。