特許第6025511号(P6025511)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三菱電機株式会社の特許一覧 ▶ 三菱電機エンジニアリング株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6025511-同軸コネクタおよびその基板接続構造 図000002
  • 特許6025511-同軸コネクタおよびその基板接続構造 図000003
  • 特許6025511-同軸コネクタおよびその基板接続構造 図000004
  • 特許6025511-同軸コネクタおよびその基板接続構造 図000005
  • 特許6025511-同軸コネクタおよびその基板接続構造 図000006
  • 特許6025511-同軸コネクタおよびその基板接続構造 図000007
  • 特許6025511-同軸コネクタおよびその基板接続構造 図000008
  • 特許6025511-同軸コネクタおよびその基板接続構造 図000009
  • 特許6025511-同軸コネクタおよびその基板接続構造 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6025511
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】同軸コネクタおよびその基板接続構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 24/50 20110101AFI20161107BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20161107BHJP
   H01P 5/08 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   H01R24/50
   H05K1/18 G
   H01P5/08 B
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-246312(P2012-246312)
(22)【出願日】2012年11月8日
(65)【公開番号】特開2014-96250(P2014-96250A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2015年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123434
【弁理士】
【氏名又は名称】田澤 英昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101133
【弁理士】
【氏名又は名称】濱田 初音
(74)【代理人】
【識別番号】100173934
【弁理士】
【氏名又は名称】久米 輝代
(74)【代理人】
【識別番号】100156351
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 秀央
(72)【発明者】
【氏名】小林 剛
(72)【発明者】
【氏名】大田垣 敏正
(72)【発明者】
【氏名】前田 憲司
(72)【発明者】
【氏名】竹内 紀雄
【審査官】 竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−065886(JP,A)
【文献】 特開2009−099283(JP,A)
【文献】 特開2003−208950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 24/00 − 24/86
H01P 5/08
H05K 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸ケーブルなどの同軸伝送路をプリント配線板に水平方向に接続するための同軸コネクタにおいて、
前記同軸コネクタの外導体と一体化した導体であり、前記同軸コネクタが接続する前記プリント配線板の端面に接するように設けられたフランジを備え、
前記フランジには、前記プリント配線板の端面に設けられたGNDパッドと当該フランジとを電気的に接続する接続用部材を挿入するための切り欠き部設けられることを特徴とする同軸コネクタ。
【請求項2】
前記切り欠き部は、前記プリント配線板の端面と対向する面を斜めに切り欠いた形状であることを特徴とする請求項1記載の同軸コネクタ。
【請求項3】
前記切り欠き部は、前記プリント配線板の端面の対向面および垂直面を全て垂直に切り欠いた形状であることを特徴とする請求項1記載の同軸コネクタ。
【請求項4】
前記切り欠き部は、前記プリント配線板の端面に対し、左右の垂直面を両面とも斜めに切り欠いた形状であることを特徴とする請求項1記載の同軸コネクタ。
【請求項5】
前記切り欠き部は、前記プリント配線板の端面の対向面および左右の垂直面を全て斜めに切り欠いた形状であることを特徴とする請求項1記載の同軸コネクタ。
【請求項6】
前記切り欠き部は、前記プリント配線板の端面の対向面および前記プリント配線板の中心導体に遠い側の垂直面のみを斜めに切り欠いた形状であることを特徴とする請求項1記載の同軸コネクタ。
【請求項7】
前記同軸コネクタを前記プリント配線板に固定するための固定板をさらに備え、
前記固定板は、前記プリント配線板の片面側のみに設けることを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の同軸コネクタ。
【請求項8】
前記同軸コネクタを前記プリント配線板に固定するための固定板をさらに備え、
前記固定板は、前記プリント配線板を挟み込むように上下に設けることを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項記載の同軸コネクタ。
【請求項9】
請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の同軸コネクタと、前記プリント配線板とを接続する基板接続構造において、
前記プリント配線板は、上面の表層に信号配線パターンと、内層に前記信号配線パターンを流れる信号のリターン電流経路となるGND層と、端面に前記GND層と接続される前記GNDパッドとを備え、
前記接続用部材ははんだであり、
前記同軸コネクタの外導体と一体化し、前記切り欠き部が設けられた前記フランジと前記GNDパッドとが、前記はんだにより電気的に接続されていることを特徴とする基板接続構造。
【請求項10】
請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の同軸コネクタと、前記プリント配線板とを接続する基板接続構造において、
前記プリント配線板は、上面の表層に信号配線パターンと、内層に前記信号配線パターンを流れる信号のリターン電流経路となるGND層と、端面に前記GND層と接続される前記GNDパッドとを備え、
前記接続用部材は導体片であり、
前記同軸コネクタの外導体と一体化し、前記切り欠き部が設けられた前記フランジと前記GNDパッドとが、当該切り欠き部に配置された前記導体片により電気的に接続されていることを特徴とする基板接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、簡単な構造で、インピーダンス整合を保ってプリント配線板に接続する同軸コネクタおよびその基板接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
同軸ケーブルのような同軸伝送路とプリント配線板上に設けられた信号配線パターンを、それぞれ水平方向に接続する場合、例えば、特許文献1(図2)に開示されているような従来の同軸コネクタは、同軸構造部と基板接続部からなり、同軸構造部は、中心導体とこれをとりまく内部が円筒状の外部導体、さらに中心導体と外部導体の間を埋める絶縁体から構成される。
【0003】
一方、基板接続部は、同軸構造部の中心導体が延長された信号端子と、プリント配線板への固定とリターン電流経路の接続に用いるGND端子とからなり、プリント配線板の表面層に形成された信号配線パターンと同軸コネクタの信号端子とをはんだ付けすると共に、同じくプリント配線板の表面層または裏面層に形成されたGNDパターンと同軸コネクタのGND端子とをはんだ付けし、表面層または裏面層のGNDパターンが信号配線のリターン経路となるGND層と直接接続していない場合には、GNDビア等を用いて、表面層または、裏面層または内層のGND層と接続する構造が一般的である。
【0004】
しかしながら、プリント配線板の表面層に形成された信号配線パターンのリターン経路が内層のGND層で同軸コネクタのGND端子と直接接続できない場合、信号パターンと同じ表面層に形成したGNDパターンにより寄生容量が生じたり、内層のGND層と接続するためのGNDビアによりインダクタンス成分が増加したりしてインピーダンス不整合を起こす場合がある。
これに対し、例えば、特許文献2には、同軸コネクタのプリント配線板端面に接するフランジに、プリント配線板の端面に向かって尖る突起が設けられるGND導体板を供える構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−165944号公報
【特許文献2】特開2011−65886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、特許文献1に開示されている従来の同軸コネクタは、プリント配線板の表面層に形成された信号配線パターンのリファレンスが、内層GNDで同軸コネクタのGND端子と直接接続できない場合、信号パターンと同じ表面層に形成したGNDパターンにより寄生容量が生じたり、内層のGNDパターンと接続するためのGNDビアによりインダクタンス成分が増加したりすることにより、インピーダンス不整合を起こす場合があるという課題があった。
特許文献2に開示されている同軸コネクタは、このような課題を解決する一つの方法ではあるが、プリント配線板の端面に向かって尖る突起が設けられるGND導体板や、突起をプリント配線板端面に食い込ませるためのネジ止め構造が必要となるなど、同軸コネクタの構造が複雑であるという課題があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、簡単な接続構造で、同軸コネクタの同軸構造部の外部導体とプリント配線板の内層のGND層とを、インピーダンス整合を保って確実に接続することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る同軸コネクタは、同軸ケーブルなどの同軸伝送路をプリント配線板に水平方向に接続するための同軸コネクタにおいて、前記同軸コネクタの外導体と一体化した導体であり、前記同軸コネクタが接続する前記プリント配線板の端面に接するように設けられたフランジを備え、前記フランジには、前記プリント配線板の端面に設けられたGNDパッドと当該フランジとを電気的に接続する接続用部材を挿入するための切り欠き部設けられることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
この発明の同軸コネクタおよびその基板接続構造によれば、簡単な接続構造で、より確実に同軸コネクタとプリント配線板を接続することができる。また、無用なインピーダンスの増加を防ぎ、インピーダンス整合を保って同軸コネクタとプリント配線板を接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明の実施の形態1に係る同軸コネクタの構造を示す構成図である。
図2】この発明の実施の形態1に係る同軸コネクタを接続するプリント配線板の構造図である。
図3】この発明の実施の形態1に係る同軸コネクタとプリント配線板とを接続した状態の上面および下面からの斜視図である。
図4】この発明の実施の形態1に係る同軸コネクタとプリント配線板とを接続した状態の断面図である。
図5】この発明の実施の形態2に係る同軸コネクタの構造を示す構成図である。
図6】同軸コネクタとプリント配線板の接続に、導体片を詰め込んだ例を示す図である。
図7】この発明の実施の形態3に係る同軸コネクタの構造を示す構成図である。
図8】この発明の実施の形態4に係る同軸コネクタの構造を示す構成図である。
図9】この発明の実施の形態5に係る同軸コネクタの構造を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を添付の図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る同軸コネクタの構造を示す構成図である。
図1において、同軸コネクタ8は、同軸部1、フランジ2、信号端子3、上面固定板4a、裏面固定板4b、および、切り欠き部5を備える。
同軸部1は、同軸ケーブルなどの同軸伝送路を接続するためのものであり、接続する同軸伝送路に応じた凸ピンまたは凹ソケット状の中心導体と円筒状の外導体とを持ち、中心導体と外導体との間は絶縁体で満たされている。なお、図示はしていないが、同軸部1の外表面には、多くの場合、ネジ止め可能なようにネジ山が切ってある。
フランジ2は、同軸コネクタ8の同軸部1の外導体と一体化した導体であり、同軸コネクタが接続するプリント配線板の端面に接するように設けられている。
フランジ2の内部には、同軸部1から続く円筒状の穴と中心導体、さらにこれらの間を埋める絶縁体が入っている。
信号端子3は、同軸コネクタ8の同軸部1の中心導体と、プリント配線板10(図2参照。プリント配線板10については後述する)上に形成された信号配線パターンとを接続するための信号端子である。
【0012】
上面固定板4aは、同軸コネクタ8をプリント配線板10に固定するためのものである。上面固定板4aに設けた穴を使って、プリント配線板にネジ止めしたり、はんだ付けを行うなどして同軸コネクタ8を固定する。
裏面固定板4bも、上面固定板4a同様、同軸コネクタ8をプリント配線板10に固定するためのものである。裏面固定板4bは、上面固定板4aとともに、プリント配線板10を挟み込むようにし、はんだ付けを行うなどして同軸コネクタ8をプリント配線板10に固定する。
【0013】
なお、上面固定板4aおよび裏面固定板4bは、従来の同軸コネクタ8においては、同軸コネクタ8をプリント配線板10に固定するとともに、同軸コネクタ8のリターン電流が流れる外導体と、プリント配線板10の信号配線パターン11のリターン電流が流れるGNDパターンを接続するために設けられている場合が多いが、この実施の形態1では単に同軸コネクタ8をプリント配線板10に固定する目的のためだけに示しているものであり、別の形であったり、または全く無くても良い。例えば、上面固定板4aと裏面固定板4bのうちの一方の固定板(例えば、裏面固定板4b)をなくしてもう一方の固定板(上面固定板4a)のみとし、すなわち、固定板(上面固定板4a)をプリント配線板10の片面側のみに設け、プリント配線板10の厚みに関係なく同軸コネクタ8をプリント配線板10に接続できるようにしても良い。
【0014】
切り欠き部5は、フランジ2に設けられ、同軸コネクタ8をプリント配線板10と接続する際に、プリント配線板10の端面に設けられ内層のGND層12と接続されたGNDパッド13と、同軸コネクタ8の外導体の一部であるフランジ2とを裏面から直接はんだ付けするために使用する。
また、切り欠き部5は、プリント配線板10の端面と対向する面を斜めに切り欠いた形状としている。
【0015】
図2は、この発明の実施の形態1に係る同軸コネクタ8を接続するプリント配線板10の構造図である。
図2において、プリント配線板10は、信号配線パターン11、GND層12、GNDパッド13、および、導体パッド14を備える。
信号配線パターン11は、プリント配線板10の上面の表層に形成される。
GND層12は、プリント配線板10の内層に設けられ、信号配線パターン11を流れる信号のリターン電流経路となっている。
なお、この実施の形態1では、説明の簡単のため、信号配線パターン11は、1本の直線状であり、図2のプリント配線板10の右上は、プリント配線板10の端で切れた状態としているが、本来は必要な接続先に適当な経路を巡って接続されている。
【0016】
GNDパッド13は、プリント配線板10の端面に設けられ、内層のGND層12と接続されている。GNDパッド13は、同軸コネクタ8の切り欠き部5ではんだ付けできるように位置を合わせてある。
導体パッド14は、同軸コネクタ8の上面固定板4aをはんだ付けで固定するためのものである。図2においては、同軸コネクタ8の上面固定板4aのネジ穴に位置合わせした穴を備え、ネジ止めのみ、はんだ付けのみ、ネジ止めとはんだ付け両方など、必要に応じて同軸コネクタ8とプリント配線板10の固定が可能なようにしている。ただし、上述したように、同軸コネクタ8の上面固定板4aは、同軸コネクタ8のプリント配線板10への固定の目的のみに示したものであるので、ネジ穴についても、別の形状であったり、あるいは全く無くても良い。
【0017】
図3は、この発明の実施の形態1に係る同軸コネクタ8とプリント配線板10とを接続した状態の上面および下面からの斜視図である。
図4は、この発明の実施の形態1に係る同軸コネクタ8とプリント配線板10とを接続した状態の断面図である。
なお、図3図4において、図1図2で説明したものと同様の構成については、同じ符号を付し、重複した説明を省略する。
なお、図4では、プリント配線板10の信号配線パターン11と内層のGND層12が、プリント配線板10の端面に設けたGNDパッド13で短絡しているように見えるかもしれないが、図2に示したように、信号配線パターン11とGNDパッド13は位置がずれているため、実際には短絡はしていない。
【0018】
プリント配線板10の端面に設けたGNDパッド13(図2参照)は、同軸コネクタ8の切り欠き部5とあらかじめ位置合わせしてあるので、切り欠き部5にはんだごてを挿入し、切り欠き部5とプリント配線板10のGNDパッド13をはんだ付けする(図4においてはんだ6ははんだ付けしたはんだを示している)。こうして、同軸コネクタ8の外導体1とプリント配線板10の信号配線パターン11のリターン電流経路となる内層のGND層12を直接接続する。
なお、同軸コネクタ8の信号端子3もプリント配線板10上の信号配線パターン11とはんだ付け等により接続されているものとする。
【0019】
以上のように、この実施の形態1によれば、同軸コネクタ8のフランジ2にはプリント配線板10の端面にはんだ付けするための切り欠き部5を設け、プリント配線板10側には信号配線パターン11のリファレンスGNDとなる内層のGND層12に接続したGNDパッド13を、同軸コネクタ8の切り欠き位置にあわせてプリント配線板10の端面に設けて、切り欠き部5とGNDパッド13をはんだ付けすることで、同軸コネクタ8の外導体と信号配線パターン11のリファレンスGNDを直接接続するようにしているので、同軸線路構造とマイクロストリップ線路構造の接続部におけるリターン電流経路を最適に接続することができる。これによりインピーダンス不整合のない良好な信号接続が可能となる。また、切り欠き部5を、プリント配線板10の端面と対向する面を斜めに切り欠いた形状としたため、プリント配線板10の端面の垂直方向からはんだごてを挿入しやすく、はんだ付けが容易となる。
【0020】
実施の形態2.
実施の形態1では、同軸コネクタ8の切り欠き部5を、プリント配線板10の端面と対向する面を斜めに切り欠いた形態を示したが、次にその他の切り欠き構造を持つ実施形態を示す。
図5は、この発明の実施の形態2に係る同軸コネクタ8の構造を示す構成図である。
なお、図1で説明したものと同様の構成については、重複した説明を省略する。図1に示した同軸コネクタ8とは、切り欠き部5の形状のみが異なる。
図5において、切り欠き部5は、プリント配線板10の端面の対向面および垂直面を全て垂直に切り欠いた構造となっている。
3面を垂直にすることにより、はんだ付けだけでなく、切り欠き穴の形状にほぼ一致した導体片を詰め込んで、同軸コネクタ8とプリント配線板10の接続を、はんだ付けより簡単に行なうことができる。なお、ここでいう「垂直」とは、そこに押しこんだ導体片により、同軸コネクタ8とプリント配線板10とを接続できるものであれば、完全な90度の垂直でなくてもよく、ほぼ垂直であるものも含むものとする。
【0021】
図6は、同軸コネクタ8とプリント配線板10の接続に、導体片を詰め込んだ例を示す図である。
例えば、図6のように、プリント配線板10端面のGNDパッド13と、切り欠き部5のプリント配線板10の端面の対向面との間にバネ状導体片7を挿入し、バネの力により同軸コネクタ8の外導体とGNDパッド13を接続し、かつバネ状導体片7を保持させれば、はんだ付けより簡単に、同軸コネクタ8とプリント配線板10の接続を行わせることができる。
なお、バネ状導体片7で接続する場合には、コイル状とするとリターン電流が流れる経路が細く、長くなりインダクタンス成分となるため、なるべく同軸コネクタ8の中心導体に近い側で太く、短い経路で、プリント配線板10端のGNDパッド13と接続できるような形状のものが望ましい。
【0022】
以上のように、この実施の形態2によれば、同軸コネクタ8とプリント配線板10とをはんだ付けで行う場合よりも簡単に接続することができる。
【0023】
実施の形態3.
図7は、この発明の実施の形態3に係る同軸コネクタ8の構造を示す構成図である。
なお、図1図5で説明したものと同様の構成については、重複した説明を省略する。図1図5に示した同軸コネクタ8とは、切り欠き部5の形状のみが異なる。
図5における切り欠き部5と比べると、図7における切り欠き部5は、プリント配線板10の端面に対し、左右の垂直面を両面とも斜めに切り欠いた構造となっている。
【0024】
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、プリント配線板10の端面に対し、水平方向の左右いずれからもはんだごてを挿入しやすく、水平方向からのはんだ付けが容易となる。
【0025】
実施の形態4.
図8は、この発明の実施の形態4に係る同軸コネクタ8の構造を示す構成図である。
なお、図1図5及び図7で説明したものと同様の構成については、重複した説明を省略する。図1図5及び図7に示した同軸コネクタ8とは、切り欠き部5の形状のみが異なる。
図8において、切り欠き部5は、プリント配線板10の端面の対向面および左右の垂直面を全て斜めに切り欠いた構造となっている。
【0026】
以上のように、この発明の実施の形態4によれば、プリント配線板10端面に対し、水平方向の左右いずれの方向からも、また、プリント配線板10端面に対し垂直な方向からもはんだごてを挿入しやすく、水平、垂直いずれの方向からもはんだ付けが容易となる。
【0027】
実施の形態5.
図9は、この発明の実施の形態5に係る同軸コネクタ8の構造を示す構成図である。
なお、図1図5図7及び図8で説明したものと同様の構成については、重複した説明を省略する。図1図5図7及び図8に示した同軸コネクタ8とは、切り欠き部5の形状のみが異なる。
図5における切り欠き部5と比べると、図9における切り欠き部5は、プリント配線板10の端面の対向面および中心導体3に遠い側の垂直面のみを斜めに切り欠いた構造としている。
同軸コネクタ8の外導体を流れるリターン電流は中心導体3に近い円筒状の表面付近の密度が最も高いため、はんだ付けを行う場合も外導体の円筒になるべく近い位置で接続するのが良い。従って、図9に示すように、切り欠き部5のプリント配線板10端の対向面および中心導体3に遠い側の垂直面のみを斜めに切り欠く。
【0028】
以上のように、この発明の実施の形態5によれば、外導体の円筒に近い位置へ集中的にはんだ付けを行うことが容易となる。
【0029】
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0030】
1 同軸部、2 フランジ、3 信号端子、4a 上面固定板、4b 裏面固定板、5 切り欠き部、6 はんだ、7 バネ状導体片、8 同軸コネクタ、10 プリント配線板、11 信号配線パターン、12 GND層、13 GNDパッド、14 導体パッド。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9