特許第6025535号(P6025535)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6025535
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】指向性エネルギー照射装置
(51)【国際特許分類】
   F41H 13/00 20060101AFI20161107BHJP
   F41B 15/00 20060101ALI20161107BHJP
   H01S 3/30 20060101ALI20161107BHJP
   H01S 3/00 20060101ALI20161107BHJP
   H05H 9/00 20060101ALN20161107BHJP
   H05H 13/04 20060101ALN20161107BHJP
【FI】
   F41H13/00
   F41B15/00 Z
   H01S3/30 A
   H01S3/00 A
   !H05H9/00 A
   !H05H13/04 F
【請求項の数】17
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-264773(P2012-264773)
(22)【出願日】2012年12月3日
(65)【公開番号】特開2014-109413(P2014-109413A)
(43)【公開日】2014年6月12日
【審査請求日】2015年6月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102864
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 実
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】西方 伸吾
(72)【発明者】
【氏名】内山 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】醍醐 浩之
(72)【発明者】
【氏名】松田 竜一
(72)【発明者】
【氏名】石井 伸也
(72)【発明者】
【氏名】内田 弘樹
【審査官】 志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0051233(US,A1)
【文献】 特開平11−108595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41H 13/00
F41H 11/136
F41B 15/00 − 15/10
H01S 3/00 − 3/30
H05H 9/00 − 9/04
H05H 13/00 − 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波を利用して自由電子を加速し、加速された自由電子によって生成されたレーザ光を照射するFEL(Free Electron Laser)装置と、
前記マイクロ波に基づいて生成した高出力マイクロ波を照射するHPM(High Power Microwave)装置と、
外的環境情報に基づいて、前記レーザ光と前記高出力マイクロ波の少なくとも一方を照射する指向エネルギーとして選択する制御装置と
を具備し、
前記制御装置は、前記外的環境情報に基づいて、前記FEL装置と前記HPM装置のうちの少なくとも一方を前記マイクロ波の供給先として選択する
指向性エネルギー照射装置。
【請求項2】
請求項1に記載の指向性エネルギー照射装置において、
前記制御装置は、前記外的環境情報に基づいて、前記FEL装置と前記HPM装置のうちの少なくとも一方を前記マイクロ波の供給先として選択する切替スイッチを備える
指向性エネルギー照射装置。
【請求項3】
請求項2に記載の指向性エネルギー照射装置において、
前記外的環境情報は、気象情報、地形情報、目標の状態情報のいずれかを含む
指向性エネルギー照射装置。
【請求項4】
請求項3に記載の指向性エネルギー照射装置において、
前記目標の状態情報は、目標の種別又は目標の機種を示す情報を含む
指向性エネルギー照射装置。
【請求項5】
請求項3に記載の指向性エネルギー照射装置において、
前記目標の状態情報は、前記レーザ光を照射した後の目標上におけるビーム広がりを示す情報を含み、
前記切替スイッチは、前記ビーム広がりが規定値以上の場合、前記HPM装置を前記マイクロ波の供給先として選択する
指向性エネルギー照射装置。
【請求項6】
請求項3に記載の指向性エネルギー照射装置において、
前記目標の状態情報は、前記レーザ光の照射前後における目標の温度変化量を示す情報を含み
前記切替スイッチは、前記温度変化量が規定値以下の場合、前記HPM装置を前記マイクロ波の供給先として選択する
指向性エネルギー照射装置。
【請求項7】
請求項3に記載の指向性エネルギー照射装置において、
前記目標の状態情報は、目標に対する前記レーザ光の反射強度を示す情報を含み、
前記切替スイッチは、前記反射強度に基づいて算出された反射断面積が規定値よりも大きい場合、前記HPM装置を前記マイクロ波の供給先として選択する
指向性エネルギー照射装置。
【請求項8】
請求項3に記載の指向性エネルギー照射装置において、
前記目標の状態情報は、目標の速度を示す情報を含み、
前記切替スイッチは、前記速度が規定値よりも大きい場合、前記HPM装置を前記マイクロ波の供給先として選択する
指向性エネルギー照射装置。
【請求項9】
請求項3に記載の指向性エネルギー照射装置において、
前記目標の状態情報は、目標数を示す情報を含み、
前記切替スイッチは、前記目標数が規定値よりも多い場合、前記HPM装置を前記マイクロ波の供給先として選択する
指向性エネルギー照射装置。
【請求項10】
請求項3に記載の指向性エネルギー照射装置において、
前記目標の状態情報は、目標との相対速度を示す情報を含み、
前記切替スイッチは、前記レーザ光又は前記高出力マイクロ波の一方の照射後における、目標との相対速度が所定の値以上である場合、前記レーザ光又は前記高出力マイクロ波の他方を照射するように前記マイクロ波の供給先を切り替える
指向性エネルギー照射装置。
【請求項11】
請求項3に記載の指向性エネルギー照射装置において、
前記目標の状態情報は、目標の速度又は軌道を示す情報を含み、
前記切替スイッチは、前記レーザ光又は前記高出力マイクロ波の一方の照射前後における、目標の速度又は軌道の変化量が規定値以上の場合、前記レーザ光又は前記高出力マイクロ波の他方を照射するように前記マイクロ波の供給先を切り替える
指向性エネルギー照射装置。
【請求項12】
請求項3に記載の指向性エネルギー照射装置において、
前記目標の状態情報は、目標数又は目標の配置を示す情報を含み、
前記切替スイッチは、前記レーザ光又は前記高出力マイクロ波の一方の照射後における目標数が規定値以上の場合、又は目標が規定の範囲よりも広い範囲に分散して配置されている場合、前記レーザ光又は前記高出力マイクロ波の他方を照射するように前記マイクロ波の供給先を切り替える
指向性エネルギー照射装置。
【請求項13】
請求項3に記載の指向性エネルギー照射装置において、
前記目標の状態情報は、目標周辺の欺瞞手段を示す情報を含み、
前記切替スイッチは、前記目標の欺瞞手段の種類に基づいて前記マイクロ波の供給先を切り替える
指向性エネルギー照射装置。
【請求項14】
請求項2に記載の指向性エネルギー照射装置において、
前記外的環境情報は、照射エリア内における目標以外の人工物の数を示す情報を含み、
前記切替スイッチは、照射エリア内における目標以外の人工物の数と、前記レーザ光又は前記高出力マイクロ波に個別に設定された規定値との比較結果に基づいて、前記マイクロ波の供給先を切り替える
指向性エネルギー照射装置。
【請求項15】
請求項2に記載の指向性エネルギー照射装置において、
前記外的環境情報は、目標の残存情報を含み、
前記切替スイッチは、前記レーザ光又は前記高出力マイクロ波を照射した後の目標の残存情報に基づいて、前記マイクロ波の供給先を切り替える
指向性エネルギー照射装置。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか1項に記載の指向性エネルギー照射装置において、
前記制御装置は、外的環境に優先してインタフェースを介して入力された指令情報に従い、前記マイクロ波の供給先を選択する
指向性エネルギー照射装置。
【請求項17】
請求項1から15のいずれか1項に記載の指向性エネルギー照射装置において、
前記制御装置は、前記外的環境情報に優先して、前記FEL装置又は前記HPM装置の稼動状況に基づいて前記マイクロ波の供給先を選択する
指向性エネルギー照射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指向性エネルギー照射装置に関し、特に高周波加速管を利用した自由電子レーザ装置を備える指向性エネルギー照射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
艦船や拠点設備等の防御装置として、自由電子レーザ(FEL:Free Electron Laser)装置が提案されている。FEL装置は自由電子レーザによって空間の一点にエネルギーを集中して照射することにより目標表面を破壊し、攻撃側兵器を無力化することができる。
【0003】
図1は、一般的な高周波加速管を利用したFEL装置500の構成の一例を示す図である。図1を参照して、FEL装置500は、マイクロ波源51、パルス圧縮器52、導波管53、結合器54、電子銃55、複数の加速器56−1、56−2、ダンプ57、アンジュレータ58、反射鏡59を具備する。
【0004】
マイクロ波源51で生成されたマイクロ波(高周波電力)は、パルス圧縮器52によってパルス圧縮された後、導波管53及び結合器54を介して加速器56−1、56−2のそれぞれに供給される。電子銃55によって生成された自由電子は、加速器56−1、56−2によって光速近傍に加速され、アンジュレータ58を通過することで放射光が生成される。アンジュレータ58で発生した放射光は、反射鏡59間を往復することでコヒーレンシーが高まり、自由電子のエネルギーやアンジュレータ周期に応じた波長のレーザ光600として出力される。尚、自由電子の加速に利用された残りの電力は、ダミーロード60−1、60−2において熱エネルギーに変換される。
【0005】
又、特許第4066330号には、僅かな高周波電力での運転が可能なエネルギー回収型前段加速器を有する放射光発生装置が記載されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の放射光発生装置では、エネルギー回収型前段加速器が周回軌道上に配置され、前段加速器の加速空洞における共振周波数が、投入する高周波の周波数から僅かに離調されることにより電子ビームのエネルギーが回収される仕組みとなっており、FEL装置にも適用可能である。これらの放射光発生装置は、電子ビームエネルギー回収の有無に係わらず高周波源を電子ビーム(荷電粒子)の加減速用途のみに用いていることが一般的である。
【0006】
自由電子レーザは、直線性を有し光速で目標物を捉えることが可能なことから、従来の気象条件等の外乱を考慮した弾道計算や、誘導装置等を必要とせずに高速で移動する飛翔体に対する命中精度を上げることが可能である。しかし、雨、雪、霧や雲、あるいは、気温の差が大きい領域等、レーザ光の屈折率に影響を与える領域を通過する場合、レーザ光のエネルギー密度は減衰し、所望の成果を得ることができない恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4066330号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上のことから、本発明の目的は、レーザ光による破壊能力を維持しながら、レーザ光による破壊効果が見込めない状況においても、目標物を破壊又は機能停止可能な指向性エネルギー照射装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、従来のFEL装置に比べて、投入される高周波電力の増大量を抑制しながら、目標物の破壊又は機能停止能力を向上させた指向性エネルギー照射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明は、以下に述べられる手段を採用する。その手段を構成する技術的事項の記述には、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]の記載との対応関係を明らかにするために、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号が付加されている。但し、付加された番号・符号は、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲を限定的に解釈するために用いてはならない。
【0011】
本発明による指向性エネルギー照射装置(100)は、制御装置(40及び50、又は40、28及び29)、FEL(Free Electron Laser)装置(20)、HPM(High Power Microwave)装置(30)を具備する。FEL装置(20)は、マイクロ波を利用して自由電子を加速し、加速された自由電子によって生成されたレーザ光(200)を照射する。 HPM装置(30)は、マイクロ波に基づいて生成した高出力マイクロ波(HPM)(300)を照射する。制御装置(40及び50、又は40、28及び29)は、外的環境情報又は内的環境に基づいて、レーザ光(200)と高出力マイクロ波(300)の少なくとも一方を照射する指向エネルギーとして選択する。
【0012】
本発明による制御装置は、外的環境情報又は内的環境に基づいて、FEL装置(20)とHPM装置(30)の一方をマイクロ波の供給先として選択する切替スイッチ(50)を備えることが好ましい。
【0013】
本発明に係る外的環境情報は、気象情報、地形情報、目標の状態情報、外部装置からの指令情報のいずれかを含むことが好ましい。これにより、本発明による指向エネルギー照射装置(100)は、気象条件や地形、あるいは目標の状態に応じた指向エネルギーを選択して照射することが可能となる。
【0014】
本発明に係る目標の状態情報は、目標の種別又は目標の機種を示す情報を含むことが好ましい。これにより、本発明による指向エネルギー照射装置(100)は、目標の種別又は目標の機種に応じた指向エネルギーを選択して照射することが可能となる。
【0015】
本発明に係る目標の状態情報は、レーザ光(300)を照射した後の目標上におけるビーム広がりを示す情報を含むことが好ましい。切替スイッチ(50)は、ビーム広がりが規定値以上の場合、HPM装置(30)をマイクロ波の供給先として選択する。すなわち、レーザ光(300)のビーム広がりが規定値以上に広がっている場合、目標破壊効果の低いレーザ光(200)からHPM(300)照射に切り替えることが可能となる。
【0016】
本発明に係る目標の状態情報は、レーザ光(200)の照射前後における目標の温度変化量を示す情報を含むことが好ましい。切替スイッチ(50)は、温度変化量が規定値以下の場合、HPM装置(30)をマイクロ波の供給先として選択する。すなわち、レーザ光(200)によって目標温度の変化が少ない場合、レーザ光(200)による破壊効果が小さいと判断され得るため、HPM(300)照射に切り替えることが可能となる。
【0017】
本発明に係る目標の状態情報は、目標に対するレーザ光(200)の反射強度を示す情報を含むことが好ましい。切替スイッチ(50)は、反射強度に基づいて算出された反射断面積が規定値よりも大きい場合、HPM装置(30)をマイクロ波の供給先として選択する。すなわち、目標におけるレーザ光(200)に対する反射断面積が規定以上のとき、レーザ光(200)による破壊効果が小さいと判断され得るため、HPM(300)照射に切り替えることが可能となる。
【0018】
本発明に係る目標の状態情報は、目標の速度を示す情報を含むことが好ましい。切替スイッチ(50)は、目標の速度が規定値よりも大きい場合、HPM装置(30)をマイクロ波の供給先として選択する。すなわち、目標の速度が規定値よりも大きいとき、照射範囲が広く目標に照射しやすいHPM(300)照射に切り替えることが可能となる。
【0019】
本発明に係る目標の状態情報は、目標数又は目標の配置を示す情報を含むことが好ましい。切替スイッチ(50)は、目標数が規定値よりも多い場合や複数の目標が所定の範囲を超える範囲に分散して配置されている場合、HPM装置(30)をマイクロ波の供給先として選択する。すなわち、目標数が規定値よりも多いとき、照射範囲が広く目標に照射しやすいHPM(300)照射に切り替えることが可能となる。
【0020】
本発明に係る目標の状態情報は、目標との相対速度を示す情報を含むことが好ましい。切替スイッチ(50)は、レーザ光(200)又はHPM(300)の一方の照射後における、目標との相対速度が所定の値以上である場合、レーザ光又はHPMの他方を照射するようにマイクロ波の供給先を切り替える。すなわち、照射後の相対速度が所定の値以上である場合、照射による破壊効果はないものとして他の照射光(指向エネルギー)に変更できる。
【0021】
本発明に係る目標の状態情報は、目標の速度又は軌道を示す情報を含むことが好ましい。切替スイッチ(50)は、レーザ光(200)又はHPM(300)の一方の照射前後における、目標の速度又は軌道の変化量が規定値以上の場合、レーザ光(200)又はHPM(300)の他方を照射するようにマイクロ波の供給先を切り替える。すなわち、照射前後の速度又は軌道の変化量が規定値以上である場合、照射による破壊効果はないものとして他の照射光(指向エネルギー)に変更できる。
【0022】
本発明による目標の状態情報は、目標数を示す情報を含むことが好ましい。切替スイッチ(50)は、レーザ光(200)又はHPM(300)の一方の照射後における目標数が規定値以上の場合、レーザ光(200)又はHPM(300)の他方を照射するようにマイクロ波の供給先を切り替える。すなわち、照射後の目標数が規定値以上である場合、照射による破壊効果はないものとして他の照射光(指向エネルギー)に変更できる。
【0023】
本発明による目標の状態情報は、目標周辺の欺瞞手段を示す情報を含むことが好ましい。切替スイッチ(50)は、目標の欺瞞手段の種類に基づいて前記マイクロ波の供給先を切り替える。
【0024】
本発明による外的環境情報は、照射エリア内における目標以外の人工物の数を示す情報を含むことが好ましい。切替スイッチ(50)は、照射エリア内における目標以外の人工物の数と、レーザ光(200)又はHPM(300)に個別に設定された規定値との比較結果に基づいて、マイクロ波の供給先を切り替える。これにより、目標以外の人工物に与える影響を低減することができる。
【0025】
本発明に係る切替スイッチ(50)は、外部装置からの目標の残存情報に基づいて、マイクロ波の供給先を切り替えることが好ましい。
【0026】
本発明に係る切替スイッチ(50)は、外的環境に優先してインタフェースを介して入力された指令情報に従い、前記マイクロ波の供給先を切り替えることが好ましい。
【0027】
本発明に係る切替スイッチ(50)は、外的環境に優先して自己診断結果等による内的環境(例えば、装置稼動状況)に基づいて、マイクロ波の供給先を切り替えることが好ましい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、レーザ光による破壊能力を維持しながら、レーザ光による破壊効果が見込めない状況においても、目標物を破壊又は機能停止することが可能となる。
【0029】
又、従来のFEL装置に比べて、投入される高周波電力量の増大量を抑制しながら、目標物の破壊又は機能停止能力を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、従来技術による自由電子レーザ装置の構成の一例を示す図である。
図2図2は、本発明による指向性エネルギー照射装置の第1の実施の形態における構成の一例を示す図である。
図3図3は、本発明に係るスイッチ制御部40の構成の一例を示す図である。
図4図4は、本発明による指向性エネルギー照射装置の第1の実施の形態における動作の一例を示す図である。
図5図5は、本発明による指向性エネルギー照射装置の第2の実施の形態における構成の一例を示す図である。
図6図6は、本発明による指向性エネルギー照射装置の第3の実施の形態における構成の一例を示す図である。
図7図7は、本発明による指向性エネルギー照射装置の第2の実施の形態における構成の他の一例を示す図である。
図8図8は、本発明による指向性エネルギー照射装置の第3の実施の形態における構成の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。図面において同一、又は類似の参照符号は、同一、類似、又は等価な構成要素を示している。同一の構成を個別に示す場合は参照符号に追番を付して説明する。
【0032】
1.第1の実施の形態
図2から図4を参照して、本発明による指向性エネルギー照射装置100の第1の実施の形態を説明する。第1の実施の形態における指向性エネルギー照射装置100は、外的環境又は内的環境に応じてマイクロ波(高周波電力)の供給先となる照射装置を切り替えることで、照射する指向性エネルギーとしてレーザ光200と高出力マイクロ波300(HPM:High Power Microwave)の一方を選択する。これにより、外的環境又は内的環境に対して最適な指向性エネルギーによって、目標を破壊することが可能となる。以下、第1の実施の形態における指向性エネルギー照射装置100の詳細を説明する。
【0033】
図2は、本発明による指向性エネルギー照射装置100の第1の実施の形態における構成の一例を示す図である。図2を参照して、第1の実施の形態における指向性エネルギー照射装置100は、マイクロ波源10、パルス圧縮器11、導波管12、13、14、FEL装置20、高出力マイクロ波(HPM:High Power Microwave)装置30(以下、HPM装置30と称す)、スイッチ制御部40、及び切替スイッチ50を具備する。
【0034】
マイクロ波源10は、クライストロンに例示され、所定の周波数(例えば数GHz)のマイクロ波(高周波電力)を出力する。マイクロ波源10から出力されたマイクロ波(高周波電力)は、パルス圧縮器11によってパルス圧縮され導波管12を介して切替スイッチ50に入力される。切替スイッチ50は、スイッチ制御部40からのスイッチ制御信号400に応じて、マイクロ波源10(導波管12)に接続する装置を切り替える。本発明に係る切替スイッチ50は、高周波スイッチに例示され、FEL装置20(導波管13)とHPM装置30の一方をマイクロ波源10(導波管12)に接続する。切替スイッチ50は、半導体スイッチと電気機械式スイッチのいずれかにより実現できるが、挿入損失が小さく大電力伝送を実現するため電気機械式スイッチが好適である。ただし、大電力伝送が可能であれば応答速度の速い半導体スイッチが切替スイッチ50として好適に利用される。
【0035】
スイッチ制御部40は、外的環境を示す情報や内的環境を示す情報に応じて、切替スイッチ50のスイッチング動作を制御するスイッチ制御信号400を出力する。図3は、本発明に係るスイッチ制御部40の構成の一例を示す図である。スイッチ制御部40は、有効判定部41と照射後判定部42を具備する。有効判定部41と照射後判定部42は、記憶装置(図示なし)に記録されたプログラムが演算処理装置(図示なし)によって実行されることで実現されることが好ましい。
【0036】
有効判定部41は、図示しないセンサや入力装置(インターフェース)から入力される状態情報401に基づいて目標破壊に有効な破壊方法を判定し、判定結果に応じたスイッチ制御信号400を出力する。有効判定部41は、状態情報401に基づき、目標破壊にレーザ光200(FEL200)が有効と判断した場合、あるいは、HPM装置30が利用できないと判断した場合、FEL装置20を選択するスイッチ制御信号400を出力する。又、有効判定部41は、状態情報401に基づき、目標破壊に高出力マイクロ波300(HPM300)が有効と判断した場合、あるいは、FEL装置20が利用できないと判断した場合、HPM装置30を選択するスイッチ制御信号400を出力する。
【0037】
ここで、状態情報401は、破壊方法を指定する指令情報、FEL装置20やHPM装置30の状態(稼動可否)を示す装置稼動情報、指向性エネルギー照射装置100の周辺における環境情報、目標の状態や種別等を示す目標情報のいずれかを含むことが好ましい。具体的には、指令情報は、破壊方法としてFEL又はHPMの一方を指定する情報である。指令情報は、入力装置を介して手動で入力されてもよいし、インタフェースを介して外部システムから自動で入力されてもよい。装置稼動情報は、FEL装置20やHPM装置30に設けられたセンサ(図示なし)から出力される照射装置の現在の稼動状態を示す情報である。装置稼動情報は、図示しないセンサが検出した稼動状況を示すパラメータ(例えば電圧、電流、温度、周波数等)でもよいし、センサが検出した各種パラメータの解析結果に応じて導出されたFEL装置20やHPM装置30の稼動可否や自己診断結果(故障有無、能力低下)を示す情報でもよい。環境情報は、指向性エネルギー照射装置100周辺の気象情報(降雨量、降雪量、霧、風力、風向、気温、湿度等)、地形情報(高度、周辺環境(山岳、海辺、河川、植生、海面反射)、目標外情報(目標以外の人工物の種類、位置、速度、移動方向、数等)のいずれかを含む。環境情報のうち、地形情報は予め図示しない記憶装置に記録されていることが好ましい。その他の環境情報は、図示しない監視装置(例えば、各種気象監視装置、敵味方識別装置、レーダ等)によって検出され得る。目標情報は、目標種別、目標表面の温度分布、目標上におけるビーム広がり、目標の移動方向、目標の速度、目標位置(目標の配置)、目標数、欺瞞の有無のいずれかを含む。目標情報は、図示しない監視装置(例えば、レーダ、温度センサ、赤外線センサ等)を利用して取得され得る。
【0038】
有効判定部41は、照射中の照射装置を示す照射状況情報402を照射後判定部42に通知する。照射状況情報402は、目標に対してFEL又はHPMを照射中であるか否かを示す情報や、使用する照射装置を特定する情報を含む。照射後判定部42は、照射状況情報402に基づいて現在、目標に対しFEL又はHPMが照射中であるか否かの判定や、使用中の照射装置を特定する。
【0039】
照射後判定部42は、状態情報401及び照射状況情報402に基づいて、FEL又はHPMの照射後における目標破壊効果を判定し、判定結果に応じたスイッチ制御信号400を出力する。照射後判定部42は、状態情報401のうち、特に目標情報に基づいて照射中のFEL又はHPMの効果を判定し、判定結果に応じて照射する装置を決定することが好ましい。照射後判定部42は、照射中のFELによる目標破壊効果がないと判定した場合、HPM装置30を選択するスイッチ制御信号400を出力する。又、照射後判定部42は、照射中のHPMによる目標破壊効果がないと判定した場合、FEL装置20を選択するスイッチ制御信号400を出力する。
【0040】
照射状況情報402は、FEL装置20又はHPM装置30のうち、使用不能な装置を特定する情報を含んでも良い。照射後判定部42は、FEL装置20又はHPM装置30の一方が使用不能である場合、照射状況情報402による破壊方法の判定を行わず、使用可能な装置を選択するスイッチ制御信号400を出力する。
【0041】
図2を参照して、FEL装置20は、結合器23、電子銃21、複数の加速器22−1、22−2、ダンプ24、アンジュレータ25、反射鏡26を具備する。切替スイッチ50を介して導波管13に供給されたマイクロ波(高周波電力)は、結合器23を介して、加速器22−1、22−2のそれぞれに供給される。電子銃21によって生成された自由電子は、ディスクローデッド加速管に例示される加速器22−1、22−2によって光速近傍に加速され、アンジュレータ25を通過することで放射光が生成される。アンジュレータ25で発生した放射光は、反射鏡26間を往復することでコヒーレンシーが高まり、自由電子のエネルギーやアンジュレータ周期に応じた波長(例えばIR帯)のレーザ光200(FEL200)として出力される。尚、自由電子の加速に利用されなかった残りの電力は、加速器22で回収し再度加速にしてもよいし、ダミーロード27−1、27−2において熱エネルギーに変換されてもよい。又、加速器22の数は上述に限らず任意に設定できることは言うまでもない。
【0042】
HPM装置30は、導波管14に接続されたパルス圧縮器31−1〜31−n、電力分配ビーム制御部32、アンテナ33を具備する(nは1以上の整数)。切替スイッチ50を介して導波管14に供給されたマイクロ波(高周波電力)は、HPM用のパルス圧縮器31−1〜31−nによって圧縮され、電力分配ビーム制御部32に供給される。電力分配ビーム制御部32は、アレイアンテナに例示されるアンテナ33にマイクロ波を電力分配する。アンテナ33は、分配されたマイクロ波を高出力マイクロ波300(HPM300)として出力する。この際、HPM300の照射方向は、電力分配ビーム制御部32におけるビーム制御によって決められる。
【0043】
FEL200を目標又は目標近傍に照射することで、目標表面の温度が上昇し、又は目標表面の電離作用により当該目標を物理的に破壊することができる。一方、HPM300を目標に照射することで、目標とする人工物(飛翔体や艦船、施設)に搭載された電子回路に電磁誘導による大電流を発生させ、当該電子回路を破壊することができる。これにより、当該人工物の機能を破壊することができる。
【0044】
以上のような構成により、本発明による指向性エネルギー照射装置100は、レーザ光200による物理的破壊と、HPM300による機能破壊を選択することができる。この際、本実施の形態における指向性エネルギー照射装置100は、気象条件や目標状態に例示される外的環境や、装置稼動状況等に例示される内的環境に応じて、目標破壊に有効な破壊方法として、レーザ光200とHPM300の一方を選択する。例えば、気象条件によってレーザ光200による効果が期待できない場合(例えば、降雨、降雪、霧等によりレーザ光200の到達距離が短くなる場合)、当該気象条件に影響されにくいHPM300を利用して、目標を破壊することができる。一方、目標が、制御不能による墜落により被害を受けると想定される位置にある場合や電磁シールド能力が高い場合、レーザ光200によって飛翔体を物理的に破壊することができる。
【0045】
次に、図4を参照して、第1の実施の形態における指向性エネルギー照射装置100の動作の一例を説明する。図4は、第1の実施の形態における指向性エネルギー照射装置100のスイッチ切替判定動作の一例を示すフロー図である。
【0046】
ここでは、FEL装置20とHPM装置30のどちらを利用して目標を破壊するかの選択アルゴリズムが示される。先ず、スイッチ制御部40は、状態情報401に指令情報(外部指令)が含まれているか否かを判定する(ステップS101)。ここで、指令情報としてFEL照射の外部指令が含まれている場合、スイッチ制御部40はFEL装置20を選択するスイッチ制御信号400を出力する。これにより、切替スイッチ50によってマイクロ波源10とFEL装置20とが接続され、FEL装置20から目標に対してFEL200が照射される(ステップS201)。FEL200が照射された後、所定のタイミングで照射効果の確認が行われる(ステップS202)。ここでは目標の状態が確認される。効果の確認のタイミングは、FEL200を所定の回数照射した後や、所定の周期で行われても良いし、任意のタイミングで行われても良い。後述するステップS206のタイミングも同様である。ステップS202において、目標が残存していると判断された場合、引き続き、FEL200の照射が行われ、目標が破壊(撃破)されたと判断された場合、処理を終了する。
【0047】
一方、ステップS101において、指令情報としてHPM照射の外部指令が含まれている場合、スイッチ制御部40はHPM装置30を選択するスイッチ制御信号400を出力する。これにより、切替スイッチ50によってマイクロ波源10とHPM装置30とが接続され、HPM装置30から目標に対してHPM300が照射される(ステップS203)。HPM300が照射された後、所定のタイミングで照射効果の確認が行われる(ステップS204)。ここでは目標の状態が確認される。効果の確認のタイミングは、HPM300を所定の回数照射した後や、所定の周期で行われても良いし、任意のタイミングで行われても良い。後述するステップS208のタイミングも同様である。ステップS204において、目標が残存していると判断された場合、引き続き、HPM300の照射が行われ、目標が破壊(撃破)されたと判断された場合、処理を終了する。
【0048】
ステップS101において、状態情報401に指令情報(外部指令)が含まれていない場合(照射装置の指定がない場合)、スイッチ制御部40は、状態情報401における環境情報に基づいて照射不可の装置を判定する(ステップS102)。ステップS102における判定方法は、例えば、(1)FEL200とHPM300のそれぞれの照射エリアに基づいて照射可否を判定する方法、(2)気象状況や気象予報に基づいて照射可否を判定する方法がある。
【0049】
(1)の判定方法では、FEL200とHPM300のそれぞれの照射エリア内に目標以外の人工物(例えば、味方、民間機、民間船舶・施設等)が存在するか否かの判定や、存在する場合、その位置や数に応じて照射不可の装置が判定される。例えば、照射エリア内における目標以外の人工物の数が規定値(0を含む閾値)より多い場合、当該照射エリアに対応する照射装置が照射不可として判定される。ここで判定に利用される目標外人工物数の閾値は、FEL200とHPM300で異なる値が設定されても良い。HPM300の照射エリアは、FEL200よりも広いため、同じ目標に対して照射する場合でもHPM装置30は照射不可と判定され、FEL装置20は照射可と判定されることがある。すなわち、目標以外の人工物が多い領域に対しては、FEL200が優先的に利用され得る。照射エリアによる照射可否を判定する際、目標に対して照射する場合の照射エリアが算出されることが好ましい。この際、海面反射の影響に基づいて照射エリアが修正され、修正された照射エリアに基づいて照射可否判定が行われることが好ましい。例えば、HPM300を海面近傍に照射する場合、海面反射の影響により照射エリアが変化する。このため、地形情報を考慮して、照射不可判定に利用する照射エリアが算出されることは有効である。
【0050】
(2)の判定方法では、例えば、降雨、降雪、霧の場合、FEL装置20が照射不可として判定され得る。このとき、地形情報に基づいて予測された気象状況に応じて照射不可装置の判定が行われても良い。例えば、山岳地帯や海岸沿いといった気象に影響のあるパラメータに基づいて、降雨、降雪、雲や霧の発生が予測され、予測結果に基づいて照射可否が判定されてもよい。
【0051】
ステップS102において、HPM照射不可と判定したスイッチ制御部40はFEL装置20を選択するスイッチ制御信号400を出力する。これにより、切替スイッチ50によってマイクロ波源10とFEL装置20とが接続され、FEL装置20から目標に対してFEL200が照射される(ステップS201)。FEL200が照射された後、上述と同様にステップS202の処理に移行する。
【0052】
一方、ステップS102において、FEL照射不可と判定したスイッチ制御部40はHPM装置30を選択するスイッチ制御信号400を出力する。これにより、切替スイッチ50によってマイクロ波源10とHPM装置30とが接続され、HPM装置30から目標に対してHPM300が照射される(ステップS203)。HPM300が照射された後、上述と同様にステップS204の処理に移行する。
【0053】
ステップS102において、照射不可と判定された照射装置がない場合、スイッチ制御部40は、状態情報401における装置稼動情報に基づいて照射不可の装置を判定する(ステップS103)。ここでスイッチ制御部40は、装置稼動情報に基づいて正常に稼動していない照射装置(故障、能力低下等)、及び正常に稼動可能な照射装置を特定する。この際、FEL装置20が正常に稼動し、HPM装置30が正常に稼動していないと判定された場合(HPM300のみが照射不可の場合)、上述と同様にステップS201、S202の処理に移行する。一方、HPM装置30が正常に稼動し、FEL装置20が正常に稼動していないと判定された場合(FEL200のみが照射不可の場合)、上述と同様にステップS203、S204の処理に移行する。
【0054】
ステップS103おいて、照射不可と判定された照射装置がない場合、スイッチ制御部40は、状態情報401における目標情報に基づいて目標破壊に有効な照射装置を特定する(ステップS104、S105)。ここでは、先ず目標情報のうち、目標種別情報に基づいて目標破壊効果の高い照射装置が選択される(ステップS104)。詳細には、スイッチ制御部40は、目標種別情報から目標のプラットフォームの種別(例えば航空機、ミサイル、船舶、車両)やその機種を特定し、これに対して効果の高い照射装置を選択する。この際、目標種別情報として、目標識別装置や外部システムから通知される識別情報が好適に利用される。スイッチ制御部40は、目標種別等を特定することで、目標の構造物の厚さ、電装品の有無、電磁シールド能力、対レーザミラーの有無等の目標特性を確認し、これらの目標特性に基づいて目標破壊効果の高い照射装置を選択する。例えば、目標の構造物の厚さが、構造物の素材に応じて設定された規定値以上の場合や、目標に対レーザミラーが搭載されている場合、FEL200よりもHPM300が有効と判定する。あるいは、目標に電装品が搭載されていない場合や、目標の電磁シールド能力が所定の能力以上である場合、HPM300よりもFEL200が有効と判定する。ただし、目標特性の組み合わせにより照射装置の優劣がつきにくい場合等には、両者が効果ありと判定されることが好ましい。
【0055】
ステップS104において、FEL照射が有効と判定したスイッチ制御部40は、FEL装置20を選択するスイッチ制御信号400を出力する。これにより、切替スイッチ50によってマイクロ波源10とFEL装置20とが接続され、FEL装置20から目標に対してFEL200が照射される(ステップS205)。FEL200が照射された後、所定のタイミングで照射効果の確認が行われる(ステップS206)。ステップS206において、目標が残存していると判断された場合、HPM300の照射に切り替えられ(ステップS207)、目標が破壊(撃破)されたと判断された場合、処理を終了する。
【0056】
一方、ステップS104において、FEL照射が有効と判定したスイッチ制御部40は、HPM装置30を選択するスイッチ制御信号400を出力する。これにより、切替スイッチ50によってマイクロ波源10とHPM装置30とが接続され、HPM装置30から目標に対してHPM300が照射される(ステップS207)。HPM300が照射された後、所定のタイミングで照射効果の確認が行われる(ステップS208)。ここでは目標の状態が確認される。ステップS208において、目標が残存していると判断された場合、FEL200の照射に切り替えられ(S205)、目標が破壊(撃破)されたと判断された場合、処理を終了する。
【0057】
ステップS104において、目標種別に応じた目標特性により照射装置に優劣がつかない場合、スイッチ制御部40は、状態情報401における目標情報のうち、目標の状態を示す情報に基づいて目標破壊効果の高い照射装置を選択する(ステップS105)。ステップS105における判定方法は、例えば、(3)対処時間に応じて優劣を判定する方法、(4)目標数や目標位置(配置)に応じて優劣を判定する方法、(5)目標の欺瞞手段の有無や種類に応じて優劣を判定する方法がある。
【0058】
(3)の判定方法では、目標速度が規定値以上の場合、目標破壊に要する対処時間が短いためFEL200よりもHPM300が有効と判定され、当該規定値よりも低速の場合、他の判定方法により有効と判定された照射方法が優先される。特にクロスレンジ方向の速度が規定値以上の場合、HPM300が有効と判断される。クロスレンジ方向の速度が規定値以上の場合、目標が回避行動を行っているものと判断できるため、その規定値は、クロスレンジ方向外の速度の規定値に比べ、低速に設定されることが好ましい。
【0059】
(4)の判定方法では、対処が必要な目標数が、FEL200の対処可能数(規定値)よりも多い場合、短時間に広範囲対処が可能なHPM300が有効と判定され、当該規定値よりも少ない場合、他の判定方法により有効と判定された照射方法が優先される。あるいは、目標位置が指向性エネルギー照射装置100に対し所定の規定距離より遠い場合、照射効果が遠方まで届くHPM300が有効と判定され、当該規定距離よりも近い場合、他の判定方法により有効と判定された照射方法が優先される。更に、対処が必要な目標の配置によって照射方法が選択されてもよい。例えば、目標が、規定の範囲よりも広い範囲に分散して配置されている場合、短時間に広範囲対処が可能なHPM300が有効と判定され、当該規定値より狭い範囲に目標が配置されている場合、他の判定方法により有効と判定された照射方法が優先される。
【0060】
(5)の判定方法では、目標周辺の欺瞞手段が検出された場合、欺瞞手段の種別、欺瞞範囲等に対して有効な照射装置が選択される。ここで、欺瞞手段は、図示しないレーダや赤外線カメラ等から取得した情報に基づいて検出され、例えばチャフ、フレア、スモーク等がある。例えば、指向性エネルギー照射装置100と目標との間にスモークが存在する場合、HPM300が有効と判定され、チャフが存在する場合、FEL200が有効と判定され得る。又、フレアが存在する場合、照射エリアが広範囲なHPM300が有効と判定されることが好ましい。
【0061】
次に、ステップS202、S204、S206、S208における目標状態の判定動作の具体例を説明する。ここでは、FEL200又はHPM300を照射した後における破壊効果が判定される。
【0062】
先ず、目標にFEL200を照射した後の破壊効果の判定動作について説明する。FEL200による破壊効果の判定は、例えば(6)目標表面温度分布に基づく判定方法、(7)ビーム広がりに基づく判定方法、(8)レーザ反射強度に基づく判定方法がある。
【0063】
(6)の判定方法では、FEL200照射前後における目標の温度変化(温度上昇量)が規定値以下の場合、FEL200による温度上昇効果がなく、目標が残存すると判定される。目標表面の温度分布の変化は赤外線カメラ等により観測され、天候や目標表面の材質や塗装を考慮した規定値により温度上昇効果が判定されることが好ましい。
【0064】
(7)の判定方法では、FEL200照射後の目標周辺におけるビーム広がりが規定値以上である場合、FEL200による破壊効果がなく、目標が残存すると判定される。天候や大気の状態により、ビーム広がりが予測された範囲を超える場合があるため、ビーム広がりを観測することは有効である。
【0065】
(8)の判定方法では、FEL200の反射強度に基づいて算出された反射断面積が規定値以上である場合、FEL200による破壊効果がなく、目標が残存すると判定される。
【0066】
次に、目標に対しFEL200又はHPM300を照射した後の破壊効果の判定動作について説明する。FEL200又はHPM300による破壊効果の判定は、例えば(9)照射前後における目標との相対速度に基づく判定方法、(10)照射前後における目標の移動状態の変化に基づく判定方法、(11)照射後の目標の残存情報による判定方法がある。
【0067】
(9)の判定方法では、FEL200又はHPM300の照射後における目標との相対速度が所定の値以上である場合、当該照射による破壊効果がなく目標が残存すると判定される。
【0068】
(10)の判定方法では、FEL200又はHPM300の照射前後における目標との相対速度の変化量(例えば下降量)が規定値以上の場合、あるいは、目標の移動方向(軌道)の変化量が規定値以上の場合、当該照射による破壊効果がなく目標が残存すると判定される。
【0069】
目標の残存情報は、指向性エネルギーが照射された目標が残存しているか否かを示す情報であり、例えば、捜索レーダ等によって検出することができる。(11)の判定方法では、捜索レーダ等による検索結果に基づく残存情報により、FEL200又はHPM300の照射後において目標が残存しているか否かが判定される。
【0070】
上記(7)〜(11)の判定処理は、ステップS105において行われても良い。この場合、効果判定の前にFEL200又はHPM300が試射される。又、試射する照射装置は予め決められていることが好ましく、効果判定の内容からFEL200を試射することが好ましい。
【0071】
以上のように、第1の実施の形態における指向性エネルギー照射装置100によれば、FEL装置20とHPM装置30を目標や環境に応じて使い分けることで、目標破壊性能が向上する。例えば、目標種別、天候、照射効果に応じて破壊効果の高い照射光(指向性エネルギー)を選択できるため、対処能力が向上する。特に、レーザ光による破壊効果が見込めない状況においても、目標物を破壊することが可能となる。又、目標の周囲に存在する目標以外の人工物(施設や移動体)に対する影響を抑制しながら、選択的に目標を破壊することができる。
【0072】
更に、切替スイッチ50によりマイクロ波(高周波電力)の供給先を切り替えられることから、共通のマイクロ波源10をFEL照射又はHPM照射に利用可能となる。すなわち、FEL照射又はHPM照射のために複数のマイクロ波源を用意することがないため、消費電力の低減とシステムサイズの低減が実現される。
【0073】
2.第2の実施の形態
図5を参照して、本発明による指向性エネルギー照射装置100の第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態における指向性エネルギー照射装置100は、FEL200を照射する際に発生する余剰電力を利用してHPM300を出力する。これにより、共通のマイクロ波源10により、FEL200とHPM300を同時的に、又は個別に照射することが可能となる。特に、レーザ光による破壊効果が見込めない状況においても、目標物を破壊することが可能となる。以下、第2の実施の形態における指向性エネルギー照射装置100の詳細を説明する。
【0074】
図5は、本発明による指向性エネルギー照射装置100の第2の実施の形態における構成の一例を示す図である。図5を参照して、第2の実施の形態における指向性エネルギー照射装置100は、マイクロ波源10、パルス圧縮器11、導波管15、17−1、17−2、18、FEL装置20、HPM装置30、位相合成器16を具備する。尚、パルス圧縮器11は省略しても構わない。
【0075】
マイクロ波源10は、クライストロンに例示され、所定の周波数(例えば数GHz)のマイクロ波(高周波電力)を出力する。マイクロ波源10から出力されたマイクロ波(高周波電力)は、パルス圧縮器11によってパルス圧縮され導波管15を介してFEL装置20に供給される。マイクロ波源10の数は任意に設定でき、1つでも、複数でも構わない。
【0076】
FEL装置20は、結合器23、電子銃21、複数の加速器22−1、22−2、ダンプ24、アンジュレータ25、反射鏡26を具備する。導波管15を介して供給されたマイクロ波(高周波電力)は、結合器23を介して加速器22−1、22−2のそれぞれに供給される。電子銃21によって生成された自由電子は、ディスクローデッド加速管に例示される加速器22−1、22−2によって光速近傍に加速され、アンジュレータ25を通過することで放射光が生成される。アンジュレータ25で発生した放射光は、反射鏡26間を往復することでコヒーレンシーが高まり、自由電子のエネルギーやアンジュレータ周期に応じた波長(例えばIR帯)のFEL200として出力される。本実施の形態では、マイクロ波源から供給されたマイクロ波(高周波電力)のうち、自由電子の加速に利用されなかった余剰電力は、ダミーロードではなく導波管17−1、17−2を介して位相合成器16に供給される。例えば、マイクロ波源10から数メガワットのマイクロ波が供給された場合、当該マイクロ波と同じ周波数の基本波に加え、当該基本波に対して整数倍の周波数の高調波を有する数ギガワットの余剰電力が発生する。尚、マイクロ波源11が複数設けられた場合は、それに対応して結合器23、加速器22、導波管15も複数設けられることは言うまでもない。
【0077】
加速器22は、ディスク間に形成された加速空洞を複数有するディスク装荷加速構造の加速管(高周波空洞)に例示されるエネルギー回収型線形加速器である。ディスクには自由電子によるビームが通過するビームロードが形成される。加速器22としては、例えば減衰型空洞、離調型空洞、チョーク型空洞のいずれかを利用できる。本実施の形態における加速器22の端部の一方から、結合器23を介して供給されたマイクロ波(高周波電力)は、加速器22を伝播し、他方に接続された結合器(図示なし)を介して導波管17に出力される。この際、マイクロ波は加速器22において自由電子の加速に用いられ、残りの余剰電力が導波管17に出力される。
【0078】
位相合成器16は、複数の加速器22−1、22−2から出力される余剰電力の位相を合成し、導波管18に出力する。
【0079】
HPM装置30は、導波管18に接続されたパルス圧縮器31−1〜31−n、電力分配ビーム制御部32、アンテナ33を具備する(nは2以上の整数)。導波管18に供給されたマイクロ波(余剰電力)は、HPM用のパルス圧縮器31−1〜31−nによって圧縮され、電力分配ビーム制御部32に供給される。電力分配ビーム制御部32は、アレイアンテナに例示されるアンテナ33にマイクロ波を電力分配する。アンテナ33は、分配されたマイクロ波を高出力マイクロ波300(HPM300)として出力する。この際、HPM300の照射方向は、電力分配ビーム制御部32におけるビーム制御によって決められる。
【0080】
以上のような構成により、本発明による指向性エネルギー照射装置100は、マイクロ波源10から供給されるマイクロ波(高周波電力)を利用してFEL200を照射するとともに、FEL装置20における余剰電力を利用してHPM300を照射することができる。FEL200とHPM300は同時的に出力されても良いし、それぞれ異なるタイミングで照射されても良い。例えば、図7に示すように、加速器22−1、22−2に、導波管17−1、17−2と、ダミーロードの一方を選択するスイッチ28−1、28−2を用意することで、HPM300を照射するか否かの制御を行なうことができる。あるいは、位相合成器16と導波管18の間にマイクロ波の導通を制御するスイッチ(図示なし)を用意することで、HPM300を照射するか否かの制御を行うことができる。また、図7に示すように、電子銃21から電子の供給を停止(制御)する制御装置29を設けることで、FEL200の照射を停止(制御)することができる。この場合、HPM300の照射を制御するためのスイッチや、FEL200の照射を制御する制御装置は、第1の実施の形態で示したスイッチ制御部40と同様のアルゴリズムにより制御されることが好ましい。図7に示す一例の場合、スイッチ28−1、28−2及び制御装置29は、スイッチ制御部40から出力されるスイッチ制御信号400に応じて制御される。又、図示しないが、スイッチ28−1、28−2と制御装置29の一方のみを設けた構成でも構わない。この場合FEL200とHPM300の一方のみの照射と同時照射とが切り替えられることとなる。
【0081】
第2の実施の形態における指向性エネルギー照射装置100によれば、FEL装置20とHPM装置30をそれぞれ単体で使用するほか、同時に使用することも可能であり、環境によらず、対処能力(目標破壊能力)が向上する。又、サイズや消費電力で主要な構成品である、マイクロ波源10を共用化することで、システムサイズに大きな変更なく、FEL装置20とHPM装置30が使用可能となる。更に、HPM装置30から照射されるHPM300は、加速器22内の余剰電力として発生した高調波が含まれるため、HPM300のスペクトルが広がり(広範囲な周波数成分を含み)、特定の周波数に対する防御手段を回避することができる。すなわち、本実施の形態におけるHPM装置30によれば、マイクロ波源10からの高周波電力を直接利用する形態に比べて、HPM300による破壊性能が向上する。
【0082】
3.第3の実施の形態
図6を参照して、本発明による指向性エネルギー照射装置100の第3の実施の形態を説明する。第3の実施の形態における指向性エネルギー照射装置100は、FEL200を照射する際に発生する余剰電力を利用してHPM300を出力する。第3の実施の形態における指向性エネルギー照射装置100は、複数の加速器のそれぞれから供給された余剰電力を位相合成せず個別に位相制御してアレイアンテナからHPM300を照射する。これにより、第2の実施の形態と同様に、共通のマイクロ波源10により、FEL200とHPM300を同時的に、又は個別に照射することが可能となる。又、レーザ光による破壊効果が見込めない状況においても、目標物を破壊することが可能となる。更に、個々の導波管17、HPM用パルス圧縮器31、位相制御器34、アンテナ素子35に供給される電力を低減することができる。以下、第3の実施の形態における指向性エネルギー照射装置100の詳細を説明する。
【0083】
図6は、本発明による指向性エネルギー照射装置100の第3の実施の形態における構成の一例を示す図である。図6を参照して、第3の実施の形態における指向性エネルギー照射装置100は、マイクロ波源10、パルス圧縮器11、導波管15、17−1〜17−n、18、FEL装置20、HPM装置30を具備する。
【0084】
マイクロ波源10は、クライストロンに例示され、所定の周波数(例えば数GHz)のマイクロ波(高周波電力)を出力する。マイクロ波源10から出力されたマイクロ波(高周波電力)は、パルス圧縮器11によってパルス圧縮され導波管15を介してFEL装置20に供給される。マイクロ波源10の数は任意に設定でき、1つでも、複数でも構わない。
【0085】
FEL装置20は、結合器23、電子銃21、複数の加速器22−1〜22−n、ダンプ24、アンジュレータ25、反射鏡26を具備する。導波管15を介して供給されたマイクロ波(高周波電力)は、結合器23を介して加速器22−1〜22−nのそれぞれに供給される。電子銃21によって生成された自由電子は、ディスクローデッド加速管に例示される加速器22−1〜22−nによって光速近傍に加速され、アンジュレータ25を通過することで放射光が生成される。アンジュレータ25で発生した放射光は、反射鏡26間を往復することでコヒーレンシーが高まり、自由電子のエネルギーやアンジュレータ周期に応じた波長(例えばIR帯)のFEL200として出力される。本実施の形態では、自由電子の加速に利用されなかった余剰電力は、ダミーロードではなく導波管17−1〜17−nを介して対応する位相制御部34−1〜34−nに供給される。例えば、マイクロ波源10から数メガワットのマイクロ波が供給された場合、当該マイクロ波と同じ周波数の基本波に加え、当該基本波に対して整数倍の周波数の高調波を有する数ギガワットの余剰電力が発生する。加速器22の構成は、第2の実施の形態と同様であるので、その説明は省略する。尚、マイクロ波源11が複数設けられた場合は、それに対応して結合器23、加速器22、導波管15も複数設けられることは言うまでもない。
【0086】
HPM装置30は、対応する導波管17−1〜17−nに接続されたパルス圧縮器31−1〜31−n、位相制御部34−1〜34−n、アンテナ素子35−1〜35−nを具備する。導波管17−1〜17−nに供給されたマイクロ波(余剰電力)は、HPM用のパルス圧縮器31−1〜31−nのそれぞれにおいて圧縮され、対応する位相制御部34−1〜34−nに供給される。位相制御部35−1〜35−nは、供給されたマイクロ波の位相及び振幅を制御することでその指向性を制御し(重みづけ処理)、対応するアンテナ素子35−1〜35−nに出力する。アンテナ素子35−1〜35−nは、それぞれが位相制御されたHPM300を出力するアクティブフェーズドアレイアンテナとして機能する。又、HPM用パルス圧縮器31、位相制御34、アンテナ素子35の数は必ずしも同一である必要は無く、例えばHPM用パルス圧縮器31と位相制御34の間に位相分配器(図示なし)を設けてもよい。
【0087】
以上のような構成により、本発明による指向性エネルギー照射装置100は、マイクロ波源10から供給されるマイクロ波(高周波電力)を利用してFEL200を照射するとともに、FEL装置20における余剰電力を利用してHPM300を照射することができる。FEL200とHPM300は同時的に出力されても良いし、それぞれ異なるタイミングで照射されても良い。例えば、図7に示すように、加速器22−1、22−2に、導波管17−1〜17−nとダミーロードの一方を選択するスイッチ28−1〜28−nを用意することで、HPM300を照射するか否かの制御を行なうことができる。あるいは、導波管18にマイクロ波の導通を制御するスイッチ(図示なし)を用意することで、HPM300を照射するか否かの制御を行なうことができる。また、図8に示すように、電子銃21から電子の供給を停止(制御)する制御装置29を設けることで、FEL200の照射を停止(制御)することができる。この場合、HPM300の照射を制御するためのスイッチや、FEL200の照射を制御する制御装置は、第1の実施の形態で示したスイッチ制御部40と同様のアルゴリズムにより制御されることが好ましい。図8に示す一例の場合、スイッチ28−1〜28−n及び制御装置29は、スイッチ制御部40から出力されるスイッチ制御信号400に応じて制御される。又、図示しないが、スイッチ28−1、28−2と制御装置29の一方のみを設けた構成でも構わない。この場合FEL200とHPM300の一方のみの照射と同時照射とが切り替えられることとなる。
【0088】
第3の実施の形態における指向性エネルギー照射装置100によれば、FEL装置20とHPM装置30をそれぞれ単体で使用するほか、同時に使用することも可能であり、環境によらず、対処能力(目標破壊能力)が向上する。又、サイズや消費電力で主要な構成品である、マイクロ波源10を共用化することで、システムサイズに大きな変更なく、FEL装置20とHPM装置30が使用可能となる。更に、HPM装置30から照射されるHPM300、加速器22内の余剰電力として発生した高調波が含まれるため、HPM300のスペクトルが広がり(広範囲な周波数成分を含み)、特定の周波数に対する防御手段を回避することができる。すなわち、本実施の形態におけるHPM装置30によれば、マイクロ波源10からの高周波電力を直接利用する形態に比べて、HPM300による破壊性能が向上する。又、本実施の形態では、位相をずらしたHPM300により任意の方向に対し短時間でHPM300を照射することが可能となる。更に、パルス圧縮器31−1〜31−nや位相制御部34−1〜34−n、アンテナ素子35−1〜35−nにかかる電力が第1及び第2の実施の形態に比べて低く、耐電力や耐熱性の面で有利である。
【0089】
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は上記実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。第1から第3の実施の形態は、技術的に矛盾のない範囲で組み合わせて適用できる。
【符号の説明】
【0090】
10 :マイクロ波源
11、31−1〜31−n :パルス圧縮器
12、13、14、15、17−1〜17−n、18 :導波管
16 :位相合成器
20 :FEL装置
21 :電子銃
22 :加速器
23 :結合器
24 :ダンプ
25 :アンジュレータ
26 :反射鏡
30 :HPM装置
32 :電力分配ビーム制御部
33 :アンテナ
34−1〜34−n :位相制御部
35−1〜35−n :アンテナ素子
40 :スイッチ制御部
41 :有効判定部
42 :照射後判定部
50 :切替スイッチ
100 :指向性エネルギー照射装置
200 :レーザ光
300 :高出力マイクロ波
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8