(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6025573
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】トランスミッタの監視方法および相応するトランスミッタ
(51)【国際特許分類】
G01D 21/00 20060101AFI20161107BHJP
【FI】
G01D21/00 Q
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-882(P2013-882)
(22)【出願日】2013年1月8日
(65)【公開番号】特開2013-142696(P2013-142696A)
(43)【公開日】2013年7月22日
【審査請求日】2015年5月12日
(31)【優先権主張番号】10 2012 000 187.8
(32)【優先日】2012年1月9日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】12006366.4
(32)【優先日】2012年9月11日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390009494
【氏名又は名称】クローネ メステヒニーク ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Krohne Messtechnik GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンサン ピショー
【審査官】
深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−123084(JP,A)
【文献】
特表2007−512625(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0145481(US,A1)
【文献】
特表2004−512763(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスミッタ(1)の監視方法であって、
前記トランスミッタ(1)は少なくとも1つの測定ユニット(2)と伝送ユニット(3)とを備えており、
前記測定ユニット(2)と前記伝送ユニット(3)は、少なくとも信号を伝送するために互いに接続されており、
少なくとも1つの接続線路(6)が前記測定ユニット(2)にエネルギー供給をするために設けられており、
前記測定ユニット(2)は、少なくとも1つの測定量を求め、該測定量に依存する測定信号を形成するために用いられ、
前記伝送ユニット(3)は前記測定ユニット(2)から前記測定信号を受信し、該測定信号に基づいて出力信号を少なくとも1つの信号伝達素子(4)に伝送するために用いられる監視方法において、
前記測定ユニット(2)によってエラー状態が存在することが識別されると、前記測定ユニット(2)によって前記接続線路(6)に影響が及ぼされる、
ことを特徴とする、トランスミッタ(1)の監視方法。
【請求項2】
前記測定ユニット(2)によってエラー状態が存在していることが識別されると、前記測定ユニット(2)が前記接続線路(6)に影響を及ぼすことによって、前記伝送ユニット(3)を所定の状態にセットする、および/または、前記伝送ユニット(3)にエラー信号を伝達する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記測定ユニット(2)によってエラー状態が存在していないことが識別されると、前記測定ユニット(2)によって前記測定量検出の結果を受けて形成された測定信号を、前記伝送ユニット(3)に伝達する、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記接続線路(6)を介して前記トランスミッタ(1)の充電状態に影響を与え、これによって充電状態監視部が充電状態エラーを検知する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記測定ユニット(2)によって検出されるエネルギー値が所定範囲外になるように、前記測定ユニット(2)によって前記接続線路(6)に影響が及ぼされる、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記接続線路(6)が遮断されるように、前記測定ユニット(2)によって前記接続線路(6)に影響が及ぼされる、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
トランスミッタ(1)であって、
当該トランスミッタ(1)は少なくとも1つの測定ユニット(2)と伝送ユニット(3)とを備えており、
前記測定ユニット(2)と前記伝送ユニット(3)は、少なくとも信号を伝送するために互いに接続されており、
前記測定ユニット(2)は、少なくとも1つの測定量を求め、該測定量に依存する測定信号を形成するために用いられ、
前記伝送ユニット(3)は前記測定ユニット(2)から測定信号を受信し、該測定信号に基づいて出力信号を少なくとも1つの信号伝達素子(4)に伝送するために用いられ、
前記伝送ユニット(3)は、電気出力信号を信号伝達素子(4)に伝送するように構成されており、
少なくとも1つの接続線路(6)が、エネルギーを前記測定ユニット(2)に送るために設けられているトランスミッタにおいて、
エラー状態が存在する場合には、前記測定ユニット(2)が前記接続線路(6)に、エネルギーを送るように影響を及ぼす、
ことを特徴とする、トランスミッタ(1)。
【請求項8】
前記測定ユニット(2)は、前記接続線路(6)に影響を及ぼすことによって前記伝送ユニット(3)を所定の状態にセットする、および/または、前記伝送ユニット(3)にエラー信号を伝達する、請求項7記載のトランスミッタ(1)。
【請求項9】
少なくとも1つのスイッチ(9)が、前記接続線路(6)を開放および閉鎖するために設けられている、請求項7または8記載のトランスミッタ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トランスミッタの監視方法に関する。トランスミッタは少なくとも1つの測定ユニットと伝送ユニットとを有する。測定ユニットと伝送ユニットとは、少なくとも信号を伝送するために相互に接続されている。さらに、少なくとも1つの接続線路が、測定ユニットにエネギーを供給するために設けられている。測定ユニットは少なくとも1つの測定量を求め、この測定量に依存した測定信号を形成するために用いられる。伝送ユニットは測定ユニットから測定信号を受信し、この測定信号に基づいて出力信号を少なくとも1つの信号伝達素子に伝送するために用いられる。本発明はさらに、対応するトランスミッタに関する。
【背景技術】
【0002】
択一的には測定変換器またはフィールド機器とも称される前記形式のトランスミッタはすでに長く公知であり、極めて一般的に、センサユニットまたはセンサ素子から生じる一次センサ信号を検出し、電気出力信号としての通常は正規化されている信号に変換するのに用いられる。これによって前記電気出力信号を、例えば上位のプロセス監視ユニットまたはプロセス制御ユニットが使用することができる。ここで概念「トランスミッタ」は制限的に理解すべきではない。センサユニットはとりわけ物理的測定量または化学的測定量、例えば流量、質量流量、圧力、温度、充填状態、pH値等の測定に用いることができる。
【0003】
このようなトランスミッタは、一般的には2つの部分に分けられる。すなわち、測定それ自体に用いられ、測定から生じた測定信号を提供する測定ユニットと、この測定信号を受信し、例えばフィールドバスを介してこの測定信号を上位のユニットに伝送する伝送ユニットである。トランスミッタの一方の部分は本来の測定を役目とし、トランスミッタの他方の部分は測定の際に得られた測定値を別のユニットに伝送する。
【0004】
この伝送はここで、任意の信号伝達素子を介して行われる。信号伝達素子は、例えば4〜20mA信号のためのたとえばフィールドバスのインタフェースまたは二芯ケーブル接続箇所または任意の形式のフィールドバス自体または任意の通信素子もしくは線路素子である。これはある実施例では電気導体である。しかし、これがたとえば無線接続であっても良い。
【0005】
適用事例に応じてトランスミッタは異なる安全性要求を満たさなければならない。従って殊に可能なエラー源を識別し、場合によっては安全措置を講じなければならない。エラーに対してクリティカルな領域は、例えば測定自体、トランスミッタでの信号処理またはデータ処理、およびトランスミッタの上位ユニットとの通信である。それぞれの安全性要求、とりわけプロセス自動化で重要なSIL(安全度水準)等を満たすためには、例えばトランスミッタに冗長性または多様性を設けなければならない。ここで冗長性は、安全性関連コンポーネントの二重設計または多重設計を意味する。多様性は、使用されるハードウエアコンポーネントまたはソフトウエアプログラムが異なる製造業者から由来すること、または異なる形式であることを意味する。冗長的設計も多様的設計も通常は面倒である、および/またはコストが掛かる。
【0006】
例えば、文献、欧州特許第1466308号明細書は、生信号を形成する測定記録器と、出力信号を出力する出力段とを有するセンサ装置を開示する。ここでは測定記録器と出力段との間で、伝送および生信号から出力信号への変換が行われる。付加的な監視ユニットが生信号から補助信号を形成し、所定の範囲を超える偏差を通知するためにこの補助信号を出力信号と比較する。このことの欠点は、生信号を処理するために第2のユニットを設けなければならないことである。同時にトランスミッタ内の信号経路だけが監視される。
【0007】
特許文献、米国特許第6017143号明細書は、測定ユニットと、プロセスループと接続するための入/出力ユニットとを備えたトランスミッタを開示している。さらに、マイクロプロセッサが設けられる。このマイクロプロセッサは、記憶ユニットと接続されている。記憶ユニット内には、学習された、または入力されたデータまたはルールが格納されている。マイクロプロセッサは次のように設計されている。すなわち、マイクロプロセッサが、格納されたデータおよび測定信号に基づいて、エラーを識別し、シグナリングするように設計されている。
【0008】
欧州特許出願公開第2219013号明細書には、回路が記載されている。この回路を介して、測定機器において、調整された測定電流が目標値に相応するか否かが検査される。
【0009】
米国特許出願公開第2005/0189017号明細書は、圧力センサを開示している。この圧力センサは測定信号をエラーに関して検査し、エラーの存在を知らせる。
【0010】
安全性に関してトランスミッタを判断するためのパラメータは安全側故障割合(SFF)であり、これは生じ得るエラー全体のうちの危険でないエラーの割合の大きさを記述する。ここで危険でないエラーとは、確かに安全性に関連するが、識別されないか、またはトランスミッタを安全な状態に移行させるエラーである。従って、エラーの存在の識別またはエラー状態の存在の識別において、問題が生じている。さらなる問題は、エラーが識別されたこと、ないしはトランスミッタをより安全な状態へセットしたことをより確実かつ、できるだけ容易に伝えることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許第1466308号明細書
【特許文献2】米国特許第6017143号明細書
【特許文献3】欧州特許出願公開第2219013号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2005/0189017号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って本発明の基礎とする課題は、エラーないしは安全状態へのトランスミッタのセットを確実かつ、できるだけ容易に示すことを可能にする、トランスミッタの監視方法および対応するトランスミッタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決する本発明の方法は、殊におよび実質的に以下のステップを特徴とする。測定ユニットによって、エラー状態が識別された場合には、測定ユニットによって、測定ユニットのエネルギー供給に用いられる接続線路に影響が及ぼされる。本発明による方法では、エネルギー供給に介入することによって、エラーを示すための従来のデータ通信が省かれる。必要な電圧または電流強度に関する電気エネルギーの監視は、センサまたはアクチュエータである多くの機器で、広く行われており、通常のことになっている。従って本発明はここで使用され、エラーを示すため、ないしはエラー存在時にトランスミッタを安全な状態へセットするのにこれを利用する。測定ユニットはここで、ある実施形態において、伝送ユニットを介して、接続線路と接続されており、択一的な実施形態においては直接的に、トランスミッタの外部領域と接続されている。従ってエラー通知は、相応に、まずはトランスミッタ内部でまたは直接的にトランスミッタの周辺で行われる。
【発明の効果】
【0014】
測定ユニットが接続線路に作用を及ぼすことによって、1つの実施形態において、伝送ユニット、ひいてはこの結果有利にはトランスミッタも、所定の様態にセットされる、および/または伝送ユニットにエラー信号が伝送される。伝送ユニットはここで一般的に、周辺機器へのトランスミッタのインタフェースである。
【0015】
測定ユニットによってエラー状態が識別されない場合、すなわちエラー状態が存在しない場合には、ある実施形態では、測定ユニットによって、測定量検出の結果を受けて形成された測定信号が伝送ユニットに伝送される。
【0016】
故障の指示、ひいては伝送ユニットないしはトランスミッタの安全状態へのセットの変形実施例では、接続線路を介してトランスミッタの充電状態に影響が与えられ、充電状態監視部が充電状態エラーを検知する。トランスミッタが例えばエネルギー蓄積器を有しており、これがある実施形態においてエラー状態において放電すると、これは例えば電圧の監視によって検出される。この放電はさらに次の利点を有する。すなわち、蓄積されたエネルギーが存在しなくなり、トランスミッタがエネルギー不足状態にあり、従って安全な状態にあるという利点を有する。
【0017】
ある実施形態では、測定ユニットによって接続線路に影響が及ぼされて、測定ユニットによって検出されたエネルギー値が、所定の範囲外に位置する。例えば、供給されている電圧に対して、ある程度の範囲が設定されている場合には、この領域外の電圧需要は、エラーが存在していることを示す。これと相応のことが、その需要が同様に測定ユニットによって択一的に調整される電流に当てはまる。殊に、エネルギー需要が高まると、測定ユニットは、伝送ユニットないしはトランスミッタからエネルギーを引き出し、伝送ユニットないしはトランスミッタを安全な、すなわちエネルギーの無い状態または少なくとも、通常作動に比べてエネルギーが不足している状態にする。
【0018】
択一的または付加的な形態では、測定ユニットによって接続線路に作用が及ぼされて、接続線路が中断される。このために例えば、スイッチが設けられている。
【0019】
上述した課題は、本発明の別の技術思想によれば、冒頭に述べたとりわけ安全技術的なトランスミッタまたは安全上重要なトランスミッタにおいて次のことによって解決される。すなわち、エラー状態が存在する場合に測定ユニットが、エネルギーを伝送するように接続線路に作用を及ぼすように、測定ユニットが構成されていることによって解決される。測定ユニットは、元来の測定に基づいて、センサ素子によって形成された測定信号を、伝送ユニットに伝送するように構成されている。さらに、測定ユニットによって、トランスミッタ内のエラーまたは監視されているプロセスにおけるエラーまたはトランスミッタと接続されている機器内のエラーの存在を識別することが可能になる。測定ユニットと伝送ユニットがデータおよびエネルギーの伝送のために接続されている場合、接続様式も、接続において等しい場合がある。測定ユニットは、エラーの場合に、エラーを示し、有利にはエラーの無い状態において測定値ないしは測定信号を伝送する。エラーが示された場合には、測定ユニットはエネルギーを伝送するように、接続線路に作用する。
【0020】
本発明によるトランスミッタの測定ユニットおよび伝送ユニットによって、有利には電子信号、データないしエネルギーを送受信することが可能になる。ここで双方向または単一方向接続が行われる。
【0021】
トランスミッタが例えば2線測定器であれば、測定ユニットによって伝送ユニットの信号出力端に、すなわち信号伝達素子の2線インタフェースに、例えばエラーの場合、通常の場合に発生する経過または値とは異なる電流経過および/または電圧経過ないしは値が調整される。
【0022】
ある実施形態では測定ユニットは次のように構成されている。すなわち、測定ユニットが、接続線路への作用を介して、伝送ユニットを所定の状態にセットする、および/または伝送ユニットにエラー信号を伝送するように構成されている。ここで、発展形態の場合には、ある実施形態において、少なくとも1つのスイッチが、接続線路の開放および閉鎖のために設けられている。
【0023】
上に述べた本発明の方法の構成は上述した本発明のトランスミッタにも適用することができる。すなわち方法について述べた注意点は対応してトランスミッタにも当てはまり、反対に本発明のトランスミッタの構成は方法にも適用することができ、注意点も対応して本発明の方法での実現に当てはまる。
【0024】
個別的には、本発明の方法および本発明のトランスミッタを構成し、さらに改善するために多数の可能性が存在する。これについて一方では請求項1と請求項7の従属請求項を、他方では図面に関連する実施例の以下の説明を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】信号伝達素子への端子を有する本発明のトランスミッタの、主要な機能作用関係をブロック回路図に基づいて概略的に示す図である。
【
図2】エラーの場合に伝送ユニットを所定の状態にセットする実施例での本発明のトランスミッタの別の実施例の概略図である。
【
図3】
図2の実施例の伝送ユニットの電圧信号の時間経過を示す概略的線図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1と
図2には、トランスミッタ1の種々の実施例が図示されている。ここで図面は、正しい電気回路図ではなく、トランスミッタ1の種々の構成部材間の作用関係を分かりやすくするためのものである。
図3に示された信号経過は、本発明の方法を適用した結果発生し得る電圧信号または本発明のトランスミッタで発生し得る電圧信号の可能な経過を基本的に示す。
【0027】
図1は、本発明のトランスミッタ1のブロック回路図であり、トランスミッタはここでは測定ユニット2と伝送ユニット3を有する。物理的および/または化学的測定量またはプロセスパラメータの測定に基づき、測定ユニット2は測定信号を伝送ユニット3に通知し、伝送ユニットは測定信号を出力信号の形で信号伝達素子4に通知する。従って伝送ユニット3は変換器とも称され、測定信号を例えばバスを通る出力信号に変換する。信号伝達素子4は例えばフィールドバスの一部または2芯線である。これは例えば、図示されていない上位のユニットとの接続のためのものである。択一的にこれが無線接続であってもよい。伝送ユニット3はここで少なくとも、測定ユニット2から測定信号を受信する信号入力側と、出力信号を出力する信号出力側とを有している。
【0028】
伝送ユニット3と測定ユニット2は一方では、コミュニケーション接続5を介して、データの伝送のために接続されており、他方では、接続線路6を介して、伝送ユニット3による測定ユニット2のエネルギー供給のために接続されている。測定ユニット2のエネルギー供給は図示の例では伝送ユニット3を介して行われ、これによって殊に、値がエネルギー供給部を介して出力される2線式測定器の例が行われる。
【0029】
測定ユニット2は、信号のために送信ユニットおよび受信ユニット7を有しており、センサユニット8を元来の測定のために有している。測定ユニット2は、測定すべき測定量(例えば流量、圧力、充填状態、pH値、導電率等)から生信号を形成し、この生信号は送受信ユニット7によって、測定信号(電流値または電圧値またはデジタル信号等)に変換される。
【0030】
測定ユニット2は次のように構成されている。すなわち、測定時に、トランスミッタ1自体内でまたは例えば監視されるべきプロセスにおいて、エラー状態が存在することを識別するように構成されている。これは例えば次のことによって行われる。すなわち、元来の測定量に対して付加的に、別の二次測定量が求められ、評価されることによって、または、求められた測定信号が許容領域外にあることが識別されることによって、または、トランスミッタ1が信号伝達素子4上で伝送された測定値を再び読み出し、記憶されている値と比較することによって行われる。
【0031】
測定ユニット2が、エラー状態が存在していることを識別すると、測定ユニットはこのことを、接続線路6に作用を及ぼすことによって伝達する。この接続線路は、測定ユニット2のエネルギー供給に用いられる。ある形態では測定ユニット2は、所定の標準領域外にあるエネルギー需要を調整する。エラーが存在しない場合には、測定ユニット2は測定信号を伝送ユニット3に伝送する。伝送ユニットは、相応する出力信号を信号伝達素子4に出力する。
【0032】
図2には、エラーの場合に、測定ユニット2が伝送ユニット3を安全な状態にセットすることのできる実現例が示されている。分かりやすくするために同じ素子には
図1とおなじ参照符号が付してある。
【0033】
伝送ユニット3はこの実施形態ではエネルギー蓄積器を有し、これはここではコンデンサ11により象徴されている。所定の状態にセットするために測定ユニット2はスイッチ9と接続されており、このスイッチは接続線路6に作用する。通常状態、すなわちエラーのない状態では、接続線路6が閉じており、伝送ユニット3は測定ユニット2にエネルギーを供給する。エラーが識別されると、スイッチ9が伝送ユニット3と測定ユニット2との間の接続を開放し、伝送ユニット3のコンデンサ11をアースと接続してこれを放電する。これにより一方では電気エネルギーが伝送ユニット3により引き出され、他方では
図3に示すように、トランスミッタ1の外の、ここでは例として、電荷監視ユニット10を介して識別することのできる経過がエラーの存在を示す。
【0034】
通常の場合とエラーの場合の、
図2の伝送ユニット3のコンデンサ11の放電特性が、
図3に図示されている。
図3には電圧Uの時間経過が示されている。まず測定ユニットにより確定されるエラーが存在しない通常の場合に対する例として、コンデンサの充電及び放電の際の通常の電圧特性が示されている。これに電圧の第2の増加が続いているが、電圧の局所的最大値は第1の充電過程の場合よりも小さい。それにもかかわらず、ここでは破線により示された電圧の通常の取り出しが、先行の放電に適合して行われる。すなわち2つの放電過程に対する時定数は実質的に同じであり、例えば、トランスミッタ1の後に配置されている電荷監視ユニット10は電圧経過に基づいて特段に変異を検出しない。
【0035】
実線は、エラーが存在し、例としてあげたコンデンサ11がアースに放電されるように、測定ユニット2が接続線路6に作用した場合に相当する。ここから、著しく急峻な放電特性が生じる。
【符号の説明】
【0036】
1 トランスミッタ、 2 測定ユニット、 3 伝送ユニット、 4 信号伝達素子、 5 コミュニケーション接続、 6 接続線路、 7 送信ユニットおよび受信ユニット、 8 センサユニット、 9 スイッチ、 10 電荷監視ユニット、 11 コンデンサ