(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明のナースコールシステムを適用した実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本発明の第1、第2の各実施例によるナースコールシステムの全体構成を示すシステム説明図である。このナースコールシステムは、病院等の医療・看護施設内(以下、施設内という)に設置されるものであり、ナースコール子機1、廊下灯2、ナースコール親機3a、3b及び制御機4a、4bを有している。
【0021】
ここで、ナースコール親機3a及び制御機4aは、第1の実施例における構成部であって、ナースコール親機3b及び制御機4bは、第2の実施例における構成部である。
【0022】
ここで、ナースコール子機1には、子機ラインL1を経由して廊下灯2が接続、例えば、個別配線で接続されている。
【0023】
また、制御機4a、4bには、呼出・通話用デジタル信号線L20及び聴取用デジタル信号線L21で構成される廊下灯ラインL2を経由して廊下灯2が接続、例えば、渡り配線で接続されているとともに、デジタル信号線である親機ラインL3を経由してナースコール親機3a、3bが接続されている。
【0024】
なお、ナースコール子機1及び廊下灯2間の接続は、図示のような個別配線の接続に限定されるものではなく、例えば、廊下灯2に対してナースコール子機1を順次接続する渡り配線の態様(不図示)も好適とされる。また、廊下灯2及び制御機4a、4b間の接続についても、図示のような渡り配線の接続に限定されるものではなく、例えば、バス接続の態様(不図示)も好適とされる。
【0025】
ナースコール子機1は、予め定められた個別の子機IDを有しており、施設内における例えば、201号室、202号室、・・・のような複数の部屋(病室と同意)内の各病床の被看護人(患者と同意)が、例えば、ナースコール親機3a、3bが設置されるスタッフステーション等の施設内共用部に在室中である、医師や看護師又は看護助手等の医療・看護従事者に対し、通常呼出し、トイレ・風呂介助等の介助呼出し、点滴の終了を知らせる確認呼出し等、ナースコール呼出しに係る呼出種別毎で異なる呼出操作を行うとともに、この被看護人が医療・看護従事者との間で音声(音声データ)を送受信して通話を成立させるものである。また、ナースコール子機1によれば、前述のような被看護人によるナースコール呼出しのみならず、被看護人の周囲近傍に居る医療・看護従事者が他の医療・看護従事者として、例えば、スタッフステーション内に在室中の医療・看護従事者を呼出す、すなわち、スタッフ緊急呼出しのための呼出操作を行い、通話を成立させることもできる。
【0026】
ここで、ナースコール子機1は、部屋内の病床数に対応させて任意の台数(1台、2台、4台、6台、・・・)を設けることができ、このナースコール子機1としては、前述のような呼出操作が行われる呼出操作機能を有する呼出握りボタン等のハンド子機1aと、ハンド子機1aが接続され前述のような通話を成立させる通話機能を有するプレート子機1bとで構成されるものである。なお、ハンド子機1aには、呼出操作機能のみならず前述のような通話機能を備えることもできる。また、プレート子機1bには、通話機能のみならず前述のような呼出操作機能や、ナースコール呼出し又はスタッフ緊急呼出しを待受状態に復旧させる呼出復旧操作機能等を備えることもできる。
【0027】
廊下灯2は、予め定められた個別の廊下灯IDを有しており、前述のような各部屋の出入り口(出入り口近傍)に設置され、ナースコール子機1を用いた被看護人からのナースコール呼出し又は医療・看護従事者からのスタッフ緊急呼出しを、呼出種別毎に異なるパターンで報知(呼出表示、呼出発報)するものである。
【0028】
ナースコール親機3a、3bは、スタッフステーション等の施設内共用部に設置されており、ナースコール子機1を用いた被看護人からのナースコール呼出し又は医療・看護従事者からのスタッフ緊急呼び出しを、呼出種別毎に異なるパターンで報知(呼出表示、呼出発報)するとともに、これを確認した医療・看護従事者が被看護人又は他の医療・看護従事者との間で音声(音声データ)を送受信して通話を成立させるものである。また、ナースコール親機3a、3bは、その様子を確認したい被看護人の音声データを医療・看護従事者に聴取させることもできる。
【0029】
なお、ナースコール親機3a、3bの構成態様としては、図示のような電子情報出力型の当該親機に限定されず、例えば、PC(パーソナル・コンピュータ)型やボード型の当該親機(不図示)も好適とされる。また、ナースコール親機3a、3bには、通常、ナースコール子機1を個別呼出し又は一斉呼出しする機能等も備えられている。
【0030】
制御機4a、4bは、廊下灯ラインL2を構成する呼出・通話用デジタル信号線L20及び聴取用デジタル信号線L21を経由して廊下灯2、親機ラインL3を経由してナースコール親機3a、3bをそれぞれ接続する中継器として例えば、前述のような施設内共用部に設置されており、これら接続された機器を制御するものである。
【0031】
次に、(ナースコール子機1を構成する)プレート子機1bの具体的な構成について
図2のブロック図を参照して説明する。同図に示すプレート子機1bには、子機通話部10、子機操作部11、子機CPU12、ハンド側子機I/F13及び廊下灯側子機I/F14が備えられている。
【0032】
このプレート子機1bにおいて、子機通話部10は、被看護人が医療・看護従事者との間で通話を成立させる又は医療・看護従事者が他の医療・看護従事者との間で通話を成立させるための音声(音声データ)を送受信するものであり、子機マイク100、子機スピーカ101及び子機音声処理回路102を有している。また、子機マイク100は、医療・看護従事者が被看護人の様子を確認するにあたり、その被看護人の音声を入力して音声データを生成する音声入力機能が備えられている。さらに、子機音声処理回路102は、子機マイク100で生成された音声データについて信号処理、例えば、デジタル化及び圧縮処理を行う(エンコーダ機能)とともに、子機スピーカ101から出力させる音声データについて信号処理、例えば、伸張処理及びアナログ化を行う(デコーダ機能)ものである。
【0033】
子機操作部11は、ハンド側子機I/F13に接続されるハンド子機1aを用いた被看護人からのナースコール呼出しを待受状態に復旧させる機能や、医療・看護従事者がスタッフ緊急呼出しを行うための操作機能等が備えられている。また、子機CPU12は、当該子機の構成各部を制御するものである。また、ハンド側子機I/F13は、ハンド子機1aが接続され、このハンド子機1a及び子機CPU12間の信号伝送路を形成するものである。さらに、廊下灯側子機I/F14は、子機ラインL1及び子機CPU12間の信号伝送路を形成するものである。
【0034】
なお、プレート子機1bには、前述の構成各部10(10a、10b、10c)、11、12、13、14のみならず、ハンド側子機I/F13に接続されるハンド子機1aを用いた被看護人からのナースコール呼出しが正常にされたことや、子機操作部11を用いた医療・看護従事者からのスタッフ緊急呼出しが正常にされたこと、さらには自子機が聴取中であることをそれぞれ表示(呼出確認表示、聴取確認表示)する例えば、LED等の発光体で構成される子機表示部(不図示)を備えることもできる。
【0035】
次に、ナースコール親機3a、3bの具体的な構成について
図3(A)、(B)のブロック図をそれぞれ参照して説明する。同図に示すナースコール親機3a、3bには、親機表示部30、親機通話部31a、31b、親機操作部32、親機CPU33及び親機I/F34が備えられている。
【0036】
このナースコール親機3a、3bにおいて、親機表示部30は、ナースコール子機1を用いた被看護人からのナースコール呼出し又は医療・看護従事者からのスタッフ緊急呼出しがあることを表示(呼出表示)するものであって、例えば、LCD、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されている。なお、親機表示部30としては、例えば、LED等の発光体を適用することもでき、その発光体をナースコール子機1毎に対応、具体的には、予め定められた個別の子機IDに対応させて設けることができる。
【0037】
親機通話部31a、31bは、スタッフステーション内に在室中の医療・看護従事者が被看護人又は他の医療・看護従事者との間で通話を成立させるための音声(音声データ)を送受信するものであり、例えば、親機マイク310、親機スピーカ311及び親機音声処理回路312a、312bを有している。また、親機スピーカ311は、前述のようなナースコール呼出し又はスタッフ緊急呼出しがあることを報知(呼出発報)するための呼出音や音声メッセージ等を出力するのみならず、その様子を確認したい、聴取対象である被看護人の音声(音声データ)を出力することができる。なお、親機通話部31a、31bとしては、例えば、
図1に示すようなハンドセットを適用することもできる。
【0038】
また、(第1の実施例における構成部である)親機通話部31aの親機音声処理回路312aは、親機マイク310に入力された医療・看護従事者の音声をもとに生成した音声データについて信号処理、例えば、デジタル化及び圧縮処理を行う(エンコーダ機能)とともに、親機スピーカ311から出力(同時出力)させる音声データについて信号処理、例えば、アナログ化を行う(デコーダ機能)ものである。
【0039】
さらに、(第2の実施例における構成部である)親機通話部31bの親機音声処理回路312bは、親機マイク310に入力された医療・看護従事者の音声をもとに生成した音声データについて信号処理、例えば、デジタル化及び圧縮処理を行う(エンコーダ機能)とともに、親機スピーカ311から出力(同時出力)させる音声データについて信号処理、例えば、伸張処理及びアナログ化を行う(デコーダ機能)ものである。
【0040】
親機操作部32は、前述のような被看護人からのナースコール呼出し又は他の医療・看護従事者からのスタッフ緊急呼出しに、スタッフステーション内に在室中の医療・看護従事者が応答する操作(応答操作)機能と、この医療・看護従事者によって音声入力機能が能動となる子機マイク100を有するナースコール子機1を(少なくとも1台又は)複数台選択する音声入力選択機能等を有しており、例えば、親機表示部30の前面に設置されたタッチパネルや所定の操作ボタン(不図示)で構成されている。
【0041】
親機CPU33は、当該ナースコール親機の構成各部を制御するものである。また、親機I/F34は、親機CPU33及び親機ラインL3間の信号伝送路を形成するものである。
【0042】
次に、制御機4a、4bの具体的な構成について
図4(A)、(B)のブロック図をそれぞれ参照して説明する。同図に示す制御機4a、4bには、制御機メインCPU40、聴取動作専用のCPU(以下、制御機サブCPUという)41a、41b、廊下灯側制御機I/F42及び親機側制御機I/F43が備えられている。
【0043】
この制御機4a、4bにおいて、制御機メインCPU40は、当該制御機の構成各部を制御するばかりでなく当該システム全体を制御するものである。また、(第1の実施例における構成部である)制御機サブCPU41aは、制御機メインCPU40とは別体で設けられており、複数台のナースコール子機1から伝送されてくる音声データについて当該ナースコール子機毎に伸張処理を行うデコーダ410aと、当該ナースコール子機毎に設けられるデコーダ410aで伸張処理された複数の音声データについて合成処理を行いナースコール親機3aに送出する音声合成処理回路411aとを備えている。さらに、(第2の実施例における構成部である)制御機サブCPU41bは、制御機メインCPU40とは別体で設けられており、複数台のナースコール子機1から伝送されてくる音声データについて当該ナースコール子機毎に伸張処理を行うデコーダ410bと、当該ナースコール子機毎に設けられるデコーダ410bで伸張処理された複数の音声データについて合成処理を行う音声合成処理回路411bと、音声合成処理回路411bで合成処理された音声データについて圧縮処理を行いナースコール親機3bに送出するエンコーダ412bとを備えている。
【0044】
廊下灯側制御機I/F42は、制御機メインCPU40及び廊下灯ラインL2を構成する呼出・通話用デジタル信号線L20間の信号伝送路、制御機サブCPU41a、41b及び廊下灯ラインL2を構成する聴取用デジタル信号線L21間の信号伝送路をそれぞれ形成するものである。また、親機側制御機I/F43は、制御機メインCPU40及び親機ラインL3間の信号伝送路、制御機サブCPU41a、41b及び親機ラインL3間の信号伝送路をそれぞれ形成するものである。
【0045】
このように構成された本発明の第1、第2の実施例によるナースコールシステムにおいて、以下、具体的な動作について説明する。
〔第1、第2の実施例において共通の動作である呼出・通話動作〕
呼出・通話動作として、
図1に示す201号室、202号室、・・・のような複数の部屋内の各病床に居る被看護人のうち、例えば、
図5(A)、(B)の画面構成図に示すように、ナースコール親機3a、3bの親機表示部30にリスト表示又はフロア病床レイアウト表示されている特定の被看護人、ここでは、201号室内の氏名(氏名データ)が「水野由香」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人が、スタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者を呼出すために、自病床に設置されたナースコール子機1を構成するハンド子機1aを用いて例えば、ナースコール呼出しのための操作を行うと、
図2に示すように、このハンド子機1aがハンド側子機I/F13を経由して接続された、プレート子機1bの子機CPU12が当該操作を検出する。この子機CPU12は、自子機が有する子機ID「1」及びナースコール呼出しを示す呼出種別情報を付加したナースコール呼出信号を生成し、廊下灯側子機I/F14、子機ラインL1を経由して、201号室の出入り口に設置された廊下灯2に送出する。
【0046】
201号室の出入り口に設置された廊下灯2は、ナースコール子機1を構成するプレート子機1bから伝送されてきたナースコール呼出信号に付加されている子機ID「1」及び呼出種別情報をもとに、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人からのナースコール呼出しがあることを検出し、その旨の報知(呼出表示、呼出発報)を行うとともに、受信したナースコール呼出信号に自廊下灯が有する廊下灯ID「201」を付加し、このナースコール呼出信号を、廊下灯ラインL2を構成する呼出・通話デジタル信号線L20、
図4(A)、(B)に示す制御機4a、4bの廊下灯側制御機I/F42を経由して制御機メインCPU40に時分割多重で送出する。
【0047】
制御機4a、4bの制御機メインCPU40は、受信したナースコール呼出信号に付加されている子機ID「1」、廊下灯ID「201」及び呼出種別情報をもとに、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人からのナースコール呼出しがあることを検出する。また、制御機メインCPU40は、ナースコール親機3a、3bでナースコール呼出しを報知(呼出表示、呼出発報)させる当該信号として、前述の子機ID「1」、廊下灯ID「201」及び呼出種別情報を付加した親機呼出報知信号を生成する。この親機呼出報知信号は、制御機メインCPU40から親機側制御機I/F43、親機ラインL3、
図3(A)、(B)に示すナースコール親機3a、3bの親機I/F34を経由して親機CPU33に時分割多重で伝送される。
【0048】
ナースコール親機3a、3bの親機CPU33は、受信した親機呼出報知信号に付加されている子機ID「1」、廊下灯ID「201」及び呼出種別情報をもとに、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人からのナースコール呼出しがある旨の呼出音や音声メッセージ等を、親機通話部31を構成する親機音声処理回路312a、312bを経由して親機スピーカ311から出力させるとともに、同様なナースコール呼出しがある旨の呼出表示として親機表示部30を制御し、
図6(A)、(B)の画面構成図に示すような呼出元である被看護人のリスト及びフロア病床レイアウトのうち少なくとも1つを用いて呼出表示を行うことができる。なお、親機表示部30を用いた被看護人のリスト又はフロア病床レイアウトとしては、診療科目、担当医等の被看護人にかかる各種情報を併せて表示させることができる。また、同様なリスト及びフロア病床レイアウトは、例えば、親機操作部32を用いて切換操作を行うことにより、親機表示部30への表示内容を切換えることができる。
【0049】
なお、前述のようなナースコール呼出しに係る所定の報知(呼出表示、呼出発報)を確認したスタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者が、
図1、
図3(A)、(B)に示すナースコール親機3a、3bの親機操作部32を用いて応答操作を行うと、この操作を検出した親機CPU33、ナースコール呼出元である
図2に示す(ナースコール子機1を構成する)プレート子機1bの子機CPU12及び
図4(A)、(B)に示す制御機4a、4bの制御機メインCPU40の制御により、医療・看護従事者が用いる親機通話部31の親機マイク310及び親機スピーカ311と、親機音声処理回路312a、312b、親機CPU33、親機I/F34、親機ラインL3、制御機4a、4bの親機側制御機I/F43、制御機メインCPU40、廊下灯側制御機I/F42、廊下灯ラインL2を構成する呼出・通話用デジタル信号線L20、201号室の出入り口に設置された廊下灯2、子機ラインL1、呼出元である(ナースコール子機1を構成する)プレート子機1bの廊下灯側子機I/F14、子機CPU12、子機通話部10を構成する子機音声処理回路102を経由して、被看護人が使用する子機マイク100及び子機スピーカ101との間の信号伝送路、すなわち、通話路が形成され、形成された通話路を経由して音声データを送受信させることで通話が成立する。
〔第1の実施例における特有の動作である第1の聴取動作〕
次に、第1の聴取動作として、
図1に示す201号室、202号室、・・・のような複数の部屋内の各病床に居る被看護人のうち複数人、ここでは、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人、すなわち、氏名(氏名データ)が「水野美香」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人の様子と、同部屋内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人、すなわち、氏名(氏名データ)が「工藤京子」であって被看護人識別ID「0002」を有する被看護人の様子を、スタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者が、音声データの聴取で同時に確認するにあたって、この医療・看護従事者は、
図5(A)、(B)に示すナースコール親機3aの親機表示部30に予め表示されているリストやフロア病床レイアウトを参照し、該当する2人の被看護人について親機操作部32を用いて選択するような、所定の選択操作を行う。この選択操作を検出した親機CPU33は、氏名(氏名データ)「水野由香」及び被看護人識別ID「0001」に予め割当てられている子機ID「1」及び廊下灯ID「201」を付加した聴取起動制御信号(以下、第1の聴取起動制御信号という)と、氏名(氏名データ)「工藤京子」及び被看護人識別ID「0002」に予め割当てられている子機ID「2」及び廊下灯ID「201」を付加した聴取起動制御信号(以下、第2の聴取起動制御信号という)を順次生成するとともに、
図7(A)、(B)の画面構成図に示すようなリストやフロア病床レイアウトを用いて聴取中であることを表示することができる。また、親機CPU33で生成された第1、第2の各聴取起動制御信号は、親機I/F34、親機ラインL3、
図4(A)に示す制御機4aの親機側制御機I/F43を経由して制御機サブCPU41aに時分割多重で伝送される。
【0050】
制御機4aの制御機サブCPU41aは、受信した第1、第2の各聴取起動制御信号に付加されている子機ID「1」及び廊下灯ID「201」、子機ID「2」及び廊下灯ID「201」をもとに、聴取先である2人の被看護人がそれぞれ、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人、同部屋内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人であることを検出し、この第1、第2の各聴取起動制御信号を、廊下灯側制御機I/F42、廊下灯ラインL2を構成する聴取用デジタル信号線L21を経由して全ての廊下灯2に時分割多重で送出する。
【0051】
全ての廊下灯2は、ナースコール親機3aから制御機4aを経由して時分割多重で伝送されてきた第1、第2の各聴取起動制御信号に付加されている廊下灯ID「201」と自廊下灯IDとを比較する。ここでは、当該廊下灯IDが「201」で一致する201号室の出入り口に設置された廊下灯2のみ、同様に付加されている子機ID「1」、「2」にそれぞれ該当するナースコール子機1の音声入力機能を能動とするための聴取制御信号(以下、第1、第2の各聴取制御信号という)を生成する。
【0052】
ここで、第1の聴取制御信号は、201号室の出入り口に設置された廊下灯2から子機ID「1」に該当する子機ラインL1、
図2に示す(ナースコール子機1を構成する)プレート子機1bの廊下灯側子機I/F14を経由して子機CPU12に伝送される。この第1の聴取制御信号を受信した子機CPU12は、子機通話部10を構成する子機音声処理回路102を制御し、子機マイク100から当該子機音声処理回路を経由して子機CPU12までの信号伝送路を形成する一方、当該子機音声処理回路から子機スピーカ101までの信号伝送路は遮断のまま保持することにより、氏名(氏名データ)が「水野由香」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人の音声(音声データ)が子機マイク100に入力され、この音声(音声データ)は、子機音声処理回路102のエンコーダ機能によりデジタル化及び圧縮処理された聴取音声データ信号(以下、第1の聴取音声データ信号という)として、子機CPU12で子機ID「1」が付加された後、前述の第1の聴取制御信号とは逆の信号伝送路を経由して201号室の出入り口に設置された廊下灯2に伝送される。
【0053】
また、201号室の出入り口に設置された廊下灯2は、受信した第1の聴取音声データ信号に自廊下灯ID「201」を付加した後、廊下灯ラインL2を構成する聴取用デジタル信号線L21、
図4(A)に示す制御機4aの廊下灯側制御機I/F42を経由して制御機サブCPU41aに時分割多重で送出する。
【0054】
一方、第2の聴取制御信号は、201号室の出入り口に設置された廊下灯2から子機ID「2」に該当する子機ラインL1、
図2に示す(ナースコール子機1を構成する)プレート子機1bの廊下灯側子機I/F14を経由して子機CPU12に伝送される。この第2の聴取制御信号を受信した子機CPU12は、子機通話部10を構成する子機音声処理回路102を制御し、子機マイク100から当該子機音声処理回路を経由して子機CPU12までの信号伝送路を形成する一方、当該子機音声処理回路から子機スピーカ101までの信号伝送路は遮断のまま保持することにより、氏名(氏名データ)が「工藤京子」であって被看護人識別ID「0004」を有する被看護人の音声(音声データ)が子機マイク100に入力され、この音声(音声データ)は、子機音声処理回路102のエンコーダ機能によりデジタル化及び圧縮処理された聴取音声データ信号(以下、第2の聴取音声データ信号という)として、子機CPU12で子機ID「2」が付加された後、前述の第2の聴取制御信号とは逆の信号伝送路を経由して201号室の出入り口に設置された廊下灯2に伝送される。
【0055】
また、201号室の出入り口に設置された廊下灯2は、受信した第2の聴取音声データ信号に自廊下灯ID「201」を付加した後、前述の第1の聴取音声データ信号と同様の信号伝送路を経由して
図4(A)に示す制御機4aの制御機サブCPU41aに時分割多重で送出する。
【0056】
制御機4aの制御機サブCPU41aは、順次受信した、第1の聴取音声データ信号に付加されている子機ID「1」及び廊下灯ID「201」、第2の聴取音声データ信号に付加されている子機ID「2」及び廊下灯ID「201」をもとに、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の様子を確認するための音声データ、同部屋内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の様子を確認するための音声データであることを検出する。また、制御機サブCPU41aは、順次受信した第1、第2の各聴取音声信号について、デコーダ410aで子機ID「1」、「2」に対応させた当該デコーダを用いてそれぞれ伸張した後、音声合成処理回路411aで合成した聴取音声合成データ信号を生成し、親機側制御機I/F43、親機ラインL3、
図3(A)に示すナースコール親機3aの親機I/F34を経由して親機CPU33に時分割多重で送出する。
【0057】
ナースコール親機3aの親機CPU33は、受信した聴取音声合成データ信号に付加されている子機ID「1」、「2」及び廊下灯ID「201」をもとに、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の音声データと、同部屋内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の音声データとの合成データであることを検出し、その信号を、親機通話部31を構成する親機音声処理回路312aに送出する。この親機音声処理回路312aは、受信した聴取時音声合成データ信号についてアナログ化することで、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「水野由香」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人の音声データと、同部屋内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「工藤京子」であって被看護人識別ID「0002」を有する被看護人の音声データとの合成音声データが親機スピーカ311から出力されるため、スタッフステーション内に在室中の医療・看護従事者は、これら2人の被看護人にかかる音声(音声データ)の同時聴取が可能となり、その内容に応じて迅速かつ適切な看護業務を遂行できる。
【0058】
前述までの説明から明らかなように、第1の聴取動作によれば、スタッフステーション内に在室中の医療・看護従事者が、複数の被看護人にかかる音声(音声データ)の同時聴取を行うにあたり、音声入力機能が能動とされた複数台のナースコール子機1の子機マイク100で生成された被看護人の音声データは、ナースコール子機1に接続された廊下灯2から制御機4aへの伝送が聴取用デジタル信号線L21を経由して制御機4aにデジタル形式の時分割多重で伝送されるため、遅延が発生せずに音声品質の劣化を防止できる。
【0059】
また、第1の聴取動作が行われる第1の実施例によれば、制御機4aに聴取動作専用として制御機メインCPU40と別体で設けられる制御機サブCPU41aは、制御機メインCPU40と比較して安価とされるため、制御機メインCPU40に聴取動作機能を備えることと比較してコストを抑えることができるばかりでなく、この制御機サブCPU41aには、ナースコール子機1毎に対応したデコーダ410aが備えられているため、複数の音声データがデジタル形式で時分割多重伝送されてきた場合であっても、それら音声データの連続性が確保されるため、音声品質の劣化を防止できる。
【0060】
さらに、第1の聴取動作によれば、制御機4aに聴取動作専用として設けられるCPU(制御機サブCPU)41aには、ナースコール子機1毎に対応したデコーダ410aの出力信号を合成する音声合成処理回路411bが備えられているため、制御機4aからナースコール親機3aへの合成音声データについても、デジタル信号線である親機ラインL3を経由してデジタル形式の時分割多重で伝送されるため、遅延が発生せずに音声品質の劣化を防止できるばかりでなく、聴取動作専用の配線が不要とされ省線化を図ることができる。
【0061】
なお、第1の聴取動作が行われる第1の実施例によれば、複数台のナースコール子機1から伝送されてくる音声データについて当該ナースコール子機毎に伸張処理を行うデコーダ410aを、制御機4aの制御機サブCPU41aに備えた構成を適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、同様な機能を有するデコーダを、ナースコール親機3aに備えることもできる。具体的には、親機通話部31を構成する親機音声処理回路312aに備えることができる。
〔第2の実施例における特有の動作である第2の聴取動作〕
次に、第2の聴取動作として、
図1に示す201号室、202号室、・・・のような複数の部屋内の各病床に居る被看護人のうち複数人、ここでは、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人、すなわち、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0003」を有する被看護人の様子と、同部屋内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人、すなわち、氏名(氏名データ)が「加藤文人」であって被看護人識別ID「0004」を有する被看護人の様子を、スタッフステーション等の施設内共用部に在室中の医療・看護従事者が、音声データの聴取で同時に確認するにあたって、この医療・看護従事者は、
図5(A)、(B)に示すナースコール親機3bの親機表示部30に予め表示されているリストやフロア病床レイアウトを参照し、該当する2人の被看護人について親機操作部32を用いて選択するような、所定の選択操作を行う。この選択操作を検出した親機CPU33は、氏名(氏名データ)「鈴木太郎」及び被看護人識別ID「0003」に予め割当てられている子機ID「1」及び廊下灯ID「202」を付加した聴取起動制御信号(以下、第3の聴取起動制御信号という)と、氏名(氏名データ)「加藤文人」及び被看護人識別ID「0004」に予め割当てられている子機ID「2」及び廊下灯ID「202」を付加した聴取起動制御信号(以下、第4の聴取起動制御信号という)を順次生成するとともに、
図8(A)、(B)に示すようなリストやフロア病床レイアウトを用いて聴取中であることを表示することができる。また、親機CPU33で生成された第3、第4の各聴取起動制御信号は、親機I/F34、親機ラインL3、
図4(B)に示す制御機4bの親機側制御機I/F43を経由して制御機サブCPU41bに時分割多重で伝送される。
【0062】
制御機4bの制御機メインCPU41bは、受信した第3、第4の各聴取起動制御信号に付加されている子機ID「1」及び廊下灯ID「202」、子機ID「2」及び廊下灯ID「202」をもとに、聴取先である2人の被看護人がそれぞれ、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人、同部屋内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人であることを検出し、この第3、第4の各聴取起動制御信号を、廊下灯側制御機I/F42、廊下灯ラインL2を構成する聴取用デジタル信号線L21を経由して全ての廊下灯2に時分割多重で送出する。
【0063】
全ての廊下灯2は、ナースコール親機3bから制御機4bを経由して伝送されてきた第3、第4の各聴取起動制御信号に付加されている廊下灯ID「202」と自廊下灯IDとを比較する。ここでは、当該廊下灯IDが「202」で一致する202号室の出入り口に設置された廊下灯2のみ、同様に付加されている子機ID「1」、「2」にそれぞれ該当するナースコール子機1の音声入力機能を能動とするための聴取制御信号(以下、第3、第4の各聴取制御信号という)を生成する。
【0064】
ここで、第3の聴取制御信号は、202号室の出入り口に設置された廊下灯2から子機ID「1」に該当する子機ラインL1、
図2に示す(ナースコール子機1を構成する)プレート子機1bの廊下灯側子機I/F14を経由して子機CPU12に伝送される。この第3の聴取制御信号を受信した子機CPU12は、子機通話部10を構成する子機音声処理回路102を制御し、子機マイク100から当該子機音声処理回路を経由して子機CPU12までの信号伝送路を形成する一方、当該子機音声処理回路から子機スピーカ101までの信号伝送路は遮断のまま保持することにより、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0003」を有する被看護人の音声(音声データ)が子機マイク100に入力され、この音声(音声データ)は、子機音声処理回路102でデジタル化及び圧縮処理された聴取音声データ信号(以下、第3の聴取音声データ信号という)として、子機CPU12で子機ID「1」が付加された後、前述の第3の聴取制御信号とは逆の信号伝送路を経由して202号室の出入り口に設置された廊下灯2に伝送される。
【0065】
また、202号室の出入り口に設置された廊下灯2は、受信した第3の聴取音声データ信号に自廊下灯ID「202」を付加した後、廊下灯ラインL2を構成する聴取用デジタル信号線L21、
図4(B)に示す制御機4bの廊下灯側制御機I/F42を経由して制御機サブCPU41bに時分割多重で送出する。
【0066】
一方、第4の聴取制御信号は、202号室の出入り口に設置された廊下灯2から子機ID「2」に該当する子機ラインL1、
図2に示す(ナースコール子機1を構成する)プレート子機1bの廊下灯側子機I/F14を経由して子機CPU12に伝送される。この第4の聴取制御信号を受信した子機CPU12は、子機通話部10を構成する子機音声処理回路102を制御し、子機マイク100から当該子機音声処理回路を経由して子機CPU12までの信号伝送路を形成する一方、当該子機音声処理回路から子機スピーカ101までの信号伝送路は遮断のまま保持することにより、氏名(氏名データ)が「加藤文人」であって被看護人識別ID「0004」を有する被看護人の音声(音声データ)が子機マイク100に入力され、この音声(音声データ)は、子機音声処理回路102でデジタル化及び圧縮処理された聴取音声データ信号(以下、第4の聴取音声データ信号という)として、子機CPU12で子機ID「2」が付加された後、前述の第4の聴取制御信号とは逆の信号伝送路を経由して202号室の出入り口に設置された廊下灯2に伝送される。
【0067】
また、202号室の出入り口に設置された廊下灯2は、受信した第4の聴取音声データ信号に自廊下灯ID「202」を付加した後、前述の第3の聴取音声データ信号と同様の信号伝送路を経由して
図4(B)に示す制御機4bの制御機サブCPU41bに時分割多重で送出する。
【0068】
制御機4bの制御機サブCPU41bは、順次受信した、第3の聴取音声データ信号に付加されている子機ID「1」及び廊下灯ID「202」、第4の聴取音声データ信号に付加されている子機ID「2」及び廊下灯ID「202」をもとに、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の様子を確認するための音声データ、同部屋内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の様子を確認するための音声データであることを検出する。また、制御機サブCPU41bは、順次受信した第3、第4の聴取音声信号について、デコーダ410bで子機ID「1」、「2」に対応させた当該デコーダを用いてそれぞれ伸張した後、音声合成処理回路411bで合成した聴取音声合成データ信号を生成し、その信号をエンコーダ412bで圧縮させた聴取音声合成圧縮データ信号を生成する。この聴取音声合成圧縮データ信号は、エンコーダ412bから親機側制御機I/F43、親機ラインL3、
図3(B)に示すナースコール親機3bの親機I/F34を経由して親機CPU33に時系列多重で伝送される。
【0069】
ナースコール親機3bの親機CPU33は、受信した聴取音声合成圧縮データ信号に付加されている子機ID「1」、「2」及び廊下灯ID「202」をもとに、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の音声データと、同部屋内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人の音声データとの合成圧縮データであることを検出し、その信号を、親機通話部31を構成する親機音声処理回路312bに送出する。この親機音声処理回路312bは、受信した聴取時音声合成圧縮データ信号について伸張処理を行いアナログ化することで、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0003」を有する被看護人の音声データと、同部屋内で子機ID「2」を有するナースコール子機1が病床に設置されている、氏名(氏名データ)が「加藤文人」であって被看護人識別ID「0004」を有する被看護人の音声データとの合成音声データが親機スピーカ311から出力されるため、スタッフステーション内に在室中の医療・看護従事者は、これら2人の被看護人にかかる音声(音声データ)の同時聴取が可能となり、その内容に応じて迅速かつ適切な看護業務を遂行できる。
【0070】
前述までの説明から明らかなように、第2の聴取動作によれば、スタッフステーション内に在室中の医療・看護従事者が、複数の被看護人にかかる音声(音声データ)の同時聴取を行うにあたり、音声入力機能が能動とされた複数台のナースコール子機1の子機マイク100で生成された被看護人の音声データは、ナースコール子機1に接続された廊下灯2から制御機4bへの伝送が聴取用デジタル信号線L21を経由して制御機4bにデジタル形式の時分割多重で伝送されるため、遅延が発生せずに音声品質の劣化を防止できる。
【0071】
また、第2の聴取動作が行われる第2の実施例によれば、制御機4bに聴取動作専用として制御機メインCPU40と別体で設けられる制御機サブCPU41bは、制御機メインCPU40と比較して安価とされるため、制御機メインCPU40に聴取動作機能を備えることと比較してコストを抑えることができるばかりでなく、この制御機サブCPU41bには、ナースコール子機1毎に対応したデコーダ410bが備えられているため、複数の音声データがデジタル形式で時分割多重伝送されてきた場合であっても、それら音声データの連続性が確保されるため、音声品質の劣化を防止できる。
【0072】
さらに、第2の聴取動作によれば、制御機4bの制御機サブCPU41bには、ナースコール子機1毎に対応したデコーダ410bの出力信号を合成する音声合成処理回路411bと、その出力信号を圧縮するエンコーダ412bが備えられているため、制御機4bからナースコール親機3bへの合成圧縮音声データについても、デジタル信号線である親機ラインL3を経由してデジタル形式の時分割多重で伝送されるため、遅延が発生せずに音声品質の劣化を防止できるばかりでなく、聴取動作専用の配線が不要とされ省線化を図ることができる。
【0073】
本発明のナースコールシステムにおいては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成の当該システムであっても採用できるということはいうまでもないことである。
【0074】
具体的に、本発明の第1、第2の各実施例においては、(ナースコール子機1の)プレート子機1bを構成する子機通話部10の子機マイク100で生成された音声データについてデジタル化及び圧縮処理を行う構成部として、子機音声処理回路102を適用したが、この構成部に限定されるものではない。例えば、子機マイク100で生成された音声データが子機ラインL1を経由して伝送されてくる廊下灯2に、同様な信号処理機能を有する構成部を備えてもよく、この態様においても、ナースコール子機1に接続された廊下灯2から制御機4a、4bへの伝送が聴取用デジタル信号線L21を経由してデジタル形式で時分割多重伝送されるため、遅延が発生せずに音声品質の劣化を防止できる。
【0075】
また、本発明の第1、第2の各実施例においては、第1、第2の各聴取動作として、同部屋内に居る複数の被看護人を選択したが、このような同部屋内の被看護人の態様に限定されるものでない。例えば、201号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人、すなわち、氏名(氏名データ)が「水野由香」であって被看護人識別ID「0001」を有する被看護人と、202号室内で子機ID「1」を有するナースコール子機1が病床に設置されている被看護人、すなわち、氏名(氏名データ)が「鈴木太郎」であって被看護人識別ID「0003」を有する被看護人のような、異なる部屋にわたって複数の被看護人を選択することもできる。
【0076】
また、本発明の第1、第2の各実施例においては、ナースコール子機1を用いた被看護人からの呼出し(ナースコール呼出し)に医療・看護従事者が応答して通話を成立させる機器としてナースコール親機3a、3bを適用したが、このナースコール親機3a、3bに限定されるものではない。例えば、施設内を巡回中の医療・看護従事者により携帯される例えば、PHS、スマートフォン等の情報端末も適用し、この情報端末を制御機4a、4bにより制御させることもできる。
【0077】
さらに、本発明の第1、第2の各実施例においては、廊下灯2及びナースコール親機3a、3bを、個別のライン(廊下灯ライン、親機ライン)L2、L3をそれぞれ経由して制御機4a、4bに接続させた構成を適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、廊下灯2、ナースコール親機3及び制御機4a、4bをそれぞれ、共通バスであるLAN配線に所定の信号分岐機能、例えば、ハブを経由して接続させた構成を適用することもできる。この態様によれば、ナースコール親機3は、呼出・通話用デジタル信号線L20のみで配線されることになる。