(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)について具体的に説明する。
<4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)>
本発明の4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)に含まれる成分の一つである4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、下記要件(a1)〜(a3)を満たすことを特徴とする。
(a1)4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位を100〜55モル%含み、炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位を0〜45モル%含む。
(a2)135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜5.0dl/gである。
(a3)DSCで測定した際に融点(T
m)が観測されないか、または融点が100〜240℃の範囲にある。
【0022】
(要件(a1))
4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)は、通常100〜55モル%含み、4−メチル−1−ペンテンを除く炭素原子数2〜20のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種から導かれる構成単位(ii)は、通常0〜45モル%含み、好ましくは、前記構成単位(i)は90〜55モル%含み、前記構成単位(ii)は10〜45モル%含み(本発明において、これを要件(a1’)とする。)、より好ましくは、前記構成単位(i)は86〜55モル%含み、前記構成単位(ii)は14〜45モル%含む(ただし、構成単位(i)および(ii)の合計を100モル%とする)。
【0023】
4−メチル−1−ペンテンと共重合される炭素原子数2〜20のα−オレフィンとしては、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが好適な例として挙げられる。これらのうち、共重合性および得られる共重合体の物性の観点から、好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセンが挙げられ、より好ましくは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンであり、さらに好ましくは、エチレン、プロピレンである。これらの炭素原子数2〜20のα−オレフィンは、1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0024】
前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)の割合が上記範囲にあるので、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、透明性に優れる。
【0025】
(要件(a2))
前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、135℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]が、通常0.5〜5.0dl/g、好ましくは0.5〜4.0dl/g、より好ましくは0.5〜3.5dl/gの範囲にある。極限粘度[η]が上記範囲にある前記共重合体(A)を含む前記4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、成形加工性に優れる。
【0026】
(要件(a3))
前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、DSCで測定した際に融点(T
m)が観測されない(認められない)か、または融点が100〜240℃の範囲にある。
【0027】
融点(Tm)を決定する際のDSC測定条件は次のとおりである;
セイコーインスツルメンツ社製DSC測定装置(DSC220C)または同等の装置を用い、測定用アルミパンに約5mgの試料をつめて、100℃/分で290℃まで昇温し、290℃で5分間保持した後、10℃/分で−100℃まで降温させた時の結晶化ピークのピーク頂点から結晶化温度(T
c)、結晶溶融ピークのピーク頂点から融点(T
m)を算出する。また、融点が観測されないとは、−40〜200℃の範囲において、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピークが観測されないこととして定義される。
【0028】
前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、上記要件に加えて、さらに以下の要件を満たす。
前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、−40〜150℃の温度範囲で、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定を行って得られる損失正接tanδの最大値(以下「tanδピーク値」ともいう。)が、好ましくは0.1〜5.0、より好ましくは0.1〜4.0、さらに好ましくは0.4〜3.5、特に好ましくは0.8〜3.5の範囲にある。前記tanδピーク値が上記範囲にあると、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、応力吸収性に優れる。
【0029】
前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、さらには、−40〜150℃の温度範囲で10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδの値が最大となる際の温度(以下「tanδピーク温度」ともいう。)は、好ましくは10〜60℃、より好ましくは15〜55℃の範囲にある。前記tanδピーク温度が前記範囲にあると、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、応力吸収性に優れる。
【0030】
前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、好ましくはゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布;Mw/Mn)が、1.0〜3.5、さらに好ましくは1.2〜3.0、より好ましくは1.5〜2.5の範囲にある。
【0031】
また、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、好ましくは500〜10,000,000、より好ましくは1,000〜5,000,000、さらに好ましくは1,000〜2,500,000である。
【0032】
前記4−メチル−1−ペンテン重合体(A)は、好ましくは密度(ASTM D 1505にて測定)が880〜810kg/m
3、より好ましくは870〜820kg/m
3、さらに好ましくは860〜820kg/m
3、特に好ましくは855〜830kg/m
3の範囲にある。
【0033】
<4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の製造方法>
前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の製造方法について説明する。
前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の製造には、従来公知の触媒、例えばマグネシウム担持型チタン触媒、国際公開第01/53369号パンフレット、国際公開第01/27124号パンフレット、特開平3-193796号公報あるいは特開平02-41303号公報中に記載のメタロセン触媒などが好適に用いられる。
【0034】
<水素化石油樹脂、または芳香族炭化水素から得られる水素化樹脂(B)>
本発明の4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、水素化石油樹脂、または芳香族炭化水素から得られる水素化樹脂(B)(以下、水素化樹脂(B)と略記する場合がある。)を含有することを特徴とする。
【0035】
(水素化石油樹脂)
前記水素化樹脂(B)の成分の一つである水素化石油樹脂は、タールナフサのC5留分を主原料とする脂肪族系石油樹脂の一部または全体を水素化した水添化合物であり、具体的にはイソプレン、トランス−1,3−ペンタジエン、シス−1,3−ペンタジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、メチルジシクロペンタジエン、ジメチルジシクロペンタジエン等に代表される炭素数4〜6の共役ジオレフィン性不飽和炭化水素類を重合することにより得られる樹脂を水素化したものが挙げられ、中でもジシクロペンタジエン樹脂の水添化合物が好ましい。
【0036】
(芳香族炭化水素から得られる水素化樹脂)
前記水素化樹脂(B)の成分の一つである芳香族炭化水素から得られる水素化樹脂は、C9留分を主原料とする芳香族系石油樹脂およびそれらの共重合石油樹脂を部分的または完全に水素化した水添化合物であり、具体的には、たとえばスチレン、イソプロペニルトルエン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン類を重合することにより得られるC9芳香族系石油樹脂を水素化したものが挙げられ、中でもスチレン、α−メチルスチレンにより得られるものが好ましく、α−メチルスチレンにより得られるものがさらに好ましい。前記芳香族系石油樹脂には、C5/C9共重合石油樹脂(ナフサ分解油のC5留分とC9留分とを共重合した樹脂)、タールナフサ留分のスチレン類、インデン類、クマロン、その他ジシクロペンタジエンなどを含有しているクマロンインデン系樹脂、p−ターシャリブチルフェノールとアセチレンとの縮合物に代表されるアルキルフェノール類樹脂、ο−キシレン、p−キシレンまたはm−キシレンをホルマリンと反応させてなるキシレン系樹脂なども含まれる。これらの中でも、C9芳香族系石油樹脂の水添化合物、C5/C9芳香族系石油樹脂の水添化合物が好ましく、特にC9芳香族系石油樹脂の水添化合物がより好ましい。
前記水素化樹脂(B)の中でも、芳香族炭化水素から得られる水素化樹脂が好ましい。
前記水素化樹脂(B)は、好ましくは下記要件(b1)〜(b2)を満たす。
【0037】
(要件(b1))
前記水素化樹脂(B)は、軟化点が、好ましくは100℃以上、より好ましくは100〜250℃の範囲である。軟化点が、上記の範囲であれば、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、耐熱性に優れる。
【0038】
軟化点とは、次のようにして測定された温度である。JIS K−2207に準拠し、環球法により実施する。つまり、規定の環に試料を充填し、水浴またはグリセリン浴中に水平に支え、試料の中央に規定の球を置き、浴温を5℃/分の速度で上昇させ、球を包み込んだ試料が、環台の底板に触れたときの温度を軟化点とする。
【0039】
(要件(b2))
前記水素化樹脂(B)は、GPCにより測定される数平均分子量(Mn)が、好ましくは500以上、より好ましくは500〜10000、さらに好ましくは500〜5000である。
前記水素化樹脂(B)は、さらに下記要件(b3)〜(b4)を満たすことが好ましい。
【0040】
(要件(b3))
前記水素化樹脂(B)は、水素化率が、80%以上、好ましくは80〜100%である。水素化率が、前記範囲にあると、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、透明性に優れる。
【0041】
(要件(b4))
前記水素化樹脂(B)を構成する主モノマーは、C9芳香族炭化水素、ジシクロペンタジエンおよびα‐メチルスチレンから選ばれる少なくとも1種類、好ましくはα−メチルスチレンである(本発明において、これを要件(b4’)とする。)。
【0042】
前記水素化樹脂(B)を構成する主モノマーの含有量は、前記水素化樹脂(B)全量に対して、好ましくは50〜100モル%、より好ましくは75〜100モル%になる量である。
【0043】
前記水素化樹脂(B)は、上記主モノマー以外のモノマーを含有していてもよく、その他のモノマーとしては、上記水素化石油樹脂、芳香族炭化水素から得られる水素化樹脂を構成するモノマーに例示したものと同様のモノマーが挙げられる。
【0044】
前記水素化樹脂(B)は、1種単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、水素化樹脂(B)は、常法により適宜製造してもよいし、市販品を用いることもできる。市販品としては、たとえばα−メチルスチレン水素化樹脂としては、イーストマンケミカル株式会社製の商品名「Regalrez」などが挙げられ、C9芳香族炭化水素系水素化樹脂としては、荒川化学工業株式会社製の商品名「アルコン」、出光興産株式会社製の商品名「アイマーブ」、エクソンモービル株式会社製の商品名「オペラ」、「エスコレッツ」、イーストマンケミカル株式会社製の商品名「Plastolyn」などが挙げられ、C5炭化水素系水素化樹脂としては、イーストマンケミカル株式会社製の商品名「Eastotac」などが挙げられる。
【0045】
<4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)>
本発明の4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)100重量部に対して、前記水素化樹脂(B)を、通常5〜200重量部、好ましくは5〜150重量部、より好ましくは10〜100重量部の範囲で含む組成物である。本発明の4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)に水素化樹脂(B)を上記範囲で含むことにより、透明性に優れる。
【0046】
本発明の4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)、及び前記水素化樹脂(B)に加えて、他の成分として、その他重合体や各種添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で含む組成物であってもよい。
【0047】
その他重合体としては、例えば、熱可塑性樹脂およびゴム、その中でもオレフィン系重合体、スチレン系重合体、熱可塑性ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、熱可塑性ビニル芳香族系樹脂、熱可塑性ポリウレタン、ゴム等が挙げられる。これらの重合体は1種単独または2種以上を組合せて用いてもよい。
【0048】
ポリオレフィン系重合体は、たとえば、低密度、中密度、高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ3−メチル−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、1−ブテン・α−オレフィン共重合体、環状オレフィン共重合体、塩素化ポリオレフィン、オレフィン系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0049】
スチレン系重合体は、たとえば、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、スチレン・ブタジエン・スチレンブロックポリマー、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロックポリマー、スチレン・イソブチレン・スチレンブロックポリマー、前述の水素添加物が挙げられる。
【0050】
他の成分として用いられる各種添加剤としては、各種耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、核剤、滑剤、顔料、染料、老化防止剤、塩酸吸収剤、無機または有機の充填剤、有機系または無機系発泡剤、架橋剤、共架橋剤、架橋助剤、粘着剤、軟化剤、難燃剤等が挙げられる。
本発明の4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、好ましくは下記要件(X1)を満たす。
【0051】
(要件(X1))
前記4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、1mm厚プレスシートの内部ヘイズ値が、0.01〜20、好ましくは0.01〜15、さらに好ましくは0.01〜10の範囲である。ヘイズ値が、前記範囲にあると得られる成形体の透明性が優れる点で好ましい。
【0052】
前記4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、上記要件に加えて、さらに以下の要件を満たす。
前記4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、1mm厚プレスシートの全光線透過率が、好ましくは80〜99.9%、より好ましくは85〜99.9%である。
【0053】
前記4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、−40〜150℃の温度範囲で10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られるtanδピーク温度が4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)と比較して高温側へシフトするのが特徴である。この高温シフトは、好ましくは5℃以上、より好ましくは7℃以上である。前記tanδピーク温度が前記範囲にあると、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、高温での応力吸収性に優れる。
【0054】
前記4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、−40〜150℃の温度範囲で、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定を行って得られるtanδピーク形状がブロードになることが特徴である。前記tanδピーク値がブロード化することにより、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、広い温度範囲で応力吸収性に優れる。この効果は、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の要件(a1)を満たす場合、特に、4−メチル−1−ペンテンから導かれる構成単位(i)が86〜55モル%含まれるときに発揮される。
【0055】
<4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)の製造方法>
本発明の4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、種々公知の混合方法により製造し得る。例えば、前記4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)と前記水素化樹脂(B)とを所定の範囲で種々公知の混合方法により機械的に混合する方法、あるいは混合した後、押出機を用いて溶融混練する方法等により得られる。
【0056】
ここで、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)は、本発明の4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)を製造する任意のタイミングで前記水素化樹脂(B)に混合してもよい。例えば、水素化樹脂(B)を得た後に、4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)と水素化樹脂(B)とを混合してもよい。
【0057】
<4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)の用途>
本発明の4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)は、種々公知の成形方法、具体的には、例えば、押出成形、プレス成形、射出成形、カレンダー成形、中空成形等の各種の成形方法により、4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)からなる成形体とすることができる。さらに、上記成形方法で得られたシート、フィルムなどの成形体を熱成形などで二次加工、あるいは、他の材料と積層して成形体とすることができる。
【0058】
〈成形体・フィルム・シート〉
本発明の4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)からなる成形体・フィルム・シートとしては、tanδピークの高温シフト、ブロード化という特徴を有している。そのため、吸音性、吸熱性や制振性・免震性等が必要な振動吸収部材、衝撃吸収部材等の用途に特に有用である。
【0059】
衝撃吸収部材の具体例としては、健康用品、介護用品(例:転倒防止フィルム・マット・シート)、衝撃吸収パッド、プロテクター・保護具(例:ヘルメット、ガード)、スポーツ用品(例:スポーツ用グリップ)、スポーツ用防具、ラケット、ボール、運搬用具(例:運搬用衝撃吸収グリップ、衝撃吸収シート)、健康器具、産業用材料(例:制振パレット、衝撃吸収ダンパー、履物用衝撃吸収部材、衝撃吸収発泡体、衝撃吸収フィルム・シート)、自動車用衝撃吸収部材(例:バンパー衝撃吸収部材、クッション部材)等に好適に用いられる。
【0060】
また、本発明の4−メチル−1−ペンテン共重合体組成物(X)成形体の使用し得るフィルム・シートとしては、離型性、透明性などの4−メチル−1−ペンテン共重合体の特性に加え、透明性を維持したまま、ガスバリア性、柔軟性、均一延伸性などに優れる特徴を有していることから、包装用フィルムおよびシート、自動車部材用フィルムおよびシート、工業用フィルムおよびシート、農業・土木用フィルムおよびシート、医療用、細胞培養用のフィルムおよびシート、電気・電子機器部材用フィルムおよびシート、生活雑貨用フィルムおよびシート等に好適に用いられる。
【0061】
具体的には例えば、以下のような用途に好適に用いられる。
包装用フィルム;例えば、食品包装用フィルム、ストレッチフィルム、ラップフィルム、通気性フィルム、シュリンクフィルム、
離型フィルム;例えば、フレキシブルプリント基板用離型フィルム、ACM基板用離型フィルム、リジットフレキシブル基板用離型フィルム、先端複合材料用離型フィルム、炭素繊維複合材硬化用離型フィルム、ガラス繊維複合材硬化用離型フィルム、アラミド繊維複合材硬化用離型フィルム、ナノ複合材硬化用離型フィルム、フィラー充填材硬化用離型フィルム、半導体封止用離型フィルム、偏光板用離型フィルム、拡散シート用離型フィルム、プリズムシート用離型フィルム、反射シート用離型フィルム、離型フィルム用クッションフィルム、燃料電池用離型フィルム、各種ゴムシート用離型フィルム、ウレタン硬化用離型フィルム、エポキシ硬化用離型フィルムなどの離型フィルム、
セパレーター;例えば、バッテリーセパレーター、リチウムイオン電池用セパレーター、燃料電池用電解質膜、粘着・接着材セパレーター、
延伸フィルム;例えば、フィルムコンデンサ用フィルム、キャパシターフィルム、燃料電池用キャパシターフィルム、
半導体工程フィルム;例えば、ダイシングテープ・バックグラインドテープ・ダイボンディングフィルム、偏光板用フィルム、
表面保護フィルム;例えば、偏光板用保護フィルム、液晶パネル用保護フィルム、光学部品用保護フィルム、レンズ用保護フィルム、電気部品・電化製品用保護フィルム、携帯電話用保護フィルム、パソコン用保護フィルム、マスキングフィルム
電子部材用フィルム;例えば、拡散フィルム、反射フィルム、耐放射線フィルム、耐γ線フィルム、多孔フィルム、
建材フィルム;例えば、建材用ウインドウフィルム、合わせガラス用フィルム、防弾材、防弾ガラス用フィルム、遮熱シート、遮熱フィルム
【実施例】
【0062】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、実施例において各物性は以下のように測定した。
[極限粘度[η]]
デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。すなわち重合パウダー、ペレットまたは樹脂塊約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた(下式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
【0063】
[重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)]
重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定した。
【0064】
分離カラムは、TSKgel GNH6−HTを2本およびTSKgel GNH6−HTLを2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(武田薬品)0.025重量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は15mg/10mLとし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×10
6については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×10
6についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
【0065】
[ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン、α−オレフィン含量]
ポリマー中の4−メチル−1−ペンテンおよびα−オレフィン含量の定量化は、以下の装置および条件により
13C−NMRにより測定した結果から行った。
【0066】
日本電子株式会社製ECP500型核磁気共鳴装置を用い、溶媒としてオルトジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20容量%)混合溶媒,試料濃度55mg/0.6mL、測定温度120℃、観測核は
13C(125MHz)、シーケンスはシングルパルスプロトンデカップリング、パルス幅は4.7μ秒(45°パルス)、繰り返し時間は5.5秒、積算回数は1万回以上、27.50ppmをケミカルシフトの基準値として測定した。得られた
13C−NMRスペクトルにより、4−メチル−1−ペンテン、α−オレフィンの組成を定量化した。
【0067】
[融点(T
m)]
セイコーインスツルメンツ社製DSC測定装置(DSC220C)を用い、測定用アルミパンに約5mgの試料をつめて、100℃/分で290℃まで昇温し、290℃で5分間保持した後、10℃/分で−100℃まで降温させた時の結晶化ピークのピーク頂点から結晶化温度(T
c)、結晶溶融ピークのピーク頂点から融点(T
m)を算出した。
【0068】
[各種測定用シートの作製法]
200〜260℃に設定した神藤金属工業社製油圧式熱プレス機(NS−50)を用い、ゲージ圧10MPaでシート成形した。1〜3mm厚のシート(スペーサー形状;240×240×2mm厚の板に200×200×1〜2mm)の場合、余熱を5〜7分程度行い、ゲージ圧10MPaで1〜2分間加圧した後、20℃に設定した別の神藤金属工業社製油圧式熱プレス機を用い、ゲージ圧10MPaで圧縮し、5分程度冷却して測定用試料を作成した。熱板として5mm厚の真鍮板を用いた。上記方法により作製したサンプルを用いて各種物性評価試料に供した。
【0069】
[密度]
密度測定は、上記の方法で得られた1mm厚プレスシートを30mm角に切り取り、JIS K6268に準拠して、電子比重計を用いて水中置換方法で測定した。
【0070】
[動的粘弾性測定]
tanδピーク値とピーク温度は、上記の方法で得られた3mm厚プレスシートを45mm×10mmに切り取り、ANTONPaar社製MCR301を用いて、10rad/sの周波数で−40〜150℃までの動的粘弾性の温度依存性を測定した。
【0071】
tanδピーク温度シフト幅は、実施例で作製した4−メチル−1−ペンテン・α−オレフィン共重合体組成物(X)を測定したときのtanδピーク温度と、ベースとなった4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)のtanδピーク温度との差により算出した。
【0072】
[内部ヘイズ(%)]
内部ヘイズは、上記の方法で得られた1mm厚プレスシートを試験片として用いて、ベンジルアルコール中で日本電色工業株式会社製のデジタル濁度計(NDH−20D)にて測定した。
【0073】
[合成例1]4−メチル−1−ペンテン共重合体(A)の製造
[合成例1−1]4−メチル−1−ペンテン共重合体(A−1)の製造
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃でノルマルヘキサン300ml(乾燥窒素雰囲気、活性アルミナ上で乾燥したもの)、4−メチル−1−ペンテンを450ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。
【0074】
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.40MPa(ゲージ圧)となるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1mmolとジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.01mmolとを含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。重合反応中、オートクレーブ内温が60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。
【0075】
得られた溶媒を含むパウダー状のポリマーを100℃、減圧下で12時間乾燥した。得られたポリマーは36.9gで、ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン含量は72mol%、プロピレン含量は28mol%であった。ポリマーの融点(T
m)は観察されず、極限粘度[η]は1.5dl/gであった。各種物性について測定した結果を表1に示す。また、tanδピーク値およびピーク温度の結果を
図1に示す。
【0076】
[合成例1−2]4−メチル−1−ペンテン共重合体の製造(A−2)
充分窒素置換した容量1.5リットルの攪拌翼付SUS製オートクレーブに、23℃でノルマルヘキサン300ml(乾燥窒素雰囲気、活性アルミナ上で乾燥したもの)、4−メチル−1−ペンテンを450ml装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し攪拌機を回した。
【0077】
次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、全圧が0.19MPa(ゲージ圧)となるようにプロピレンで加圧した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で1mmolとジフェニルメチレン(1−エチル−3−t−ブチル−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを0.01mmolとを含むトルエン溶液0.34mlを窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。重合反応中、オートクレーブ内温が60℃になるように温度調整した。重合開始60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液にアセトンを攪拌しながら注いだ。
【0078】
得られた溶媒を含むパウダー状のポリマーを100℃、減圧下で12時間乾燥した。得られたポリマーは44.0gで、ポリマー中の4−メチル−1−ペンテン含量は84mol%、プロピレン含量は16mol%であった。ポリマーの融点(T
m)は132℃であり、極限粘度[η]は1.5dl/gであった。各種物性について測定した結果を表1に示す。
【0079】
[合成例1−3]4−メチル−1−ペンテン共重合体(A−3)の製造
国際公開2006/054613号パンフレットの比較例7や比較例9の方法に準じ、4−メチル1−ペンテン、1−デセン、水素の割合を変更することによって、表1に示す物性を有する4−メチル−1−ペンテン共重合体(A−3)を得た。各種物性について測定した結果を表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】
下記樹脂の物性は表2に示した。
(B−1):イーストマンケミカル株式会社製 Regalrez1126
(B−2):イーストマンケミカル株式会社製 Regalrez6108
(B−3):荒川化学株式会社製 アルコンP125
(B−4):ヤスハラケミカル株式会社製 クリアロンP125
(B−5):三井化学株式会社製 FTR2140
【0082】
【表2】
【0083】
[実施例1]
合成例1−1で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A−1)100重量部に対して、芳香族炭化水素から得られる樹脂(B−1)20重量部、耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピ
オネートを0.2重量部、配合した。次いで、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm
3)を、50rpm、5分間溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。各種物性測定結果を表3に示した。
【0084】
[実施例2]
合成例1−1で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A−1)100重量部に対して、芳香族炭化水素から得られる樹脂(B−1)40重量部、耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピ
オネートを0.2重量部、配合した。次いで、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm
3)を、50rpm、5分間溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。各種物性測定結果を表3に示した。
【0085】
[実施例3]
合成例1−1で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A−1)100重量部に対して、芳香族炭化水素から得られる樹脂(B−1)60重量部、耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピ
オネートを0.2重量部、配合した。次いで、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm
3)を、50rpm、5分間溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。各種物性測定結果を表3に示した。また、tanδピーク値およびピーク温度の結果を
図1に示す。
【0086】
[実施例4]
合成例1−1で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A−1)100重量部に対して、芳香族炭化水素から得られる樹脂(B−1)100重量部、耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピ
オネートを0.2重量部、配合した。次いで、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm
3)を、50rpm、5分間溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。各種物性測定結果を表3に示した。
【0087】
[実施例5]
合成例1−2で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A−2)100重量部に対して、芳香族炭化水素から得られる樹脂(B−1)40重量部、耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピ
オネートを0.2重量部、配合した。次いで、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm
3)を、50rpm、5分間溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。各種物性測定結果を表3に示した。
【0088】
[実施例6]
合成例1−1で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A−1)100重量部に対して、芳香族炭化水素から得られる樹脂(B−3)20重量部、耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピ
オネートを0.2重量部、配合した。次いで、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm
3)を、50rpm、5分間溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。各種物性測定結果を表3に示した。
【0089】
[実施例7]
合成例1−1で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A−1)100重量部に対して、芳香族炭化水素から得られる樹脂(B−3)40重量部、耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピ
オネートを0.2重量部、配合した。次いで、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm
3)を、50rpm、5分間溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。各種物性測定結果を表3に示した。
【0090】
[実施例8]
合成例1−3で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A−3)100重量部に対して、芳香族炭化水素から得られる樹脂(B−1)
10重量部、耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピ
オネートを0.2重量部、配合した。次いで、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度270℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm
3)を、50rpm、5分間溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。各種物性測定結果を表3に示した。
【0091】
[比較例1]
合成例1−1で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A−1)100重量部に対して、芳香族炭化水素から得られる樹脂(B−2)20重量部、耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピ
オネートを0.2重量部、配合した。次いで、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm
3)を、50rpm、5分間溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。各種物性測定結果を表3に示した。
【0092】
[比較例2]
合成例1−1で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A−1)100重量部に対して
、樹脂(B−4)60重量部、耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピ
オネートを0.2重量部、配合した。次いで、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度200℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm
3)を、50rpm、5分間溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。各種物性測定結果を表3に示した。
【0093】
[比較例3]
合成例1−3で得た4−メチル−1−ペンテン重合体(A−3)100重量部に対して、芳香族炭化水素から得られる樹脂(B−5)10重量部、耐熱安定剤としてのn−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)プロピ
オネートを0.2重量部、配合した。次いで、東洋精機社製ラボプラストミル(2軸バッチ式溶融混練装置)を用い、設定温度270℃で、樹脂仕込み量40g(装置バッチ容積=60cm
3)を、50rpm、5分間溶融混練した後、取り出し20℃設定の冷却プレスでシートとし、これを適当な大きさに切断して測定用試料とした。各種物性測定結果を表3に示した。
【0094】
【表3】