(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スイッチ操作回転部は、前記第1の筐体部内で、前記スイッチを設けた回路基板と共通のベースに保持され、かつ、前記スイッチ操作部と前記スイッチとが隣接した位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の開閉検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る開閉検出装置を適用したディスプレイ装置のディスプレイ部が閉じた状態を示す図である。また、
図2は、実施の形態1に係る開閉検出装置を適用したディスプレイ装置のディスプレイ部を開方向に回動させた状態を示す図である。さらに、
図3は、実施の形態1に係る開閉検出装置を適用したディスプレイ装置のディスプレイ部を視聴位置まで開いた状態を示す図である。
【0012】
ディスプレイ装置1は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示装置であって、ディスプレイ部10および取り付け側筐体部11を備えて構成される。取り付け側筐体部11は、
図1(a)に示すように、車両の座席2aの背もたれ部分2bの窪み部分に取り付けられる第1の筐体部である。また、利用者が使用しない場合には、
図1(b)に示すように、ディスプレイ部10(第2の筐体部)が閉じられて、取り付け側筐体部11に収納された状態となる。
【0013】
利用者が使用する場合には、
図2(a)に示すように、取り付け側筐体部11に対してディスプレイ部10を開方向に回動させる。この発明に係る開閉検出装置は、
図1に示す収納位置からディスプレイ部10が規定角度範囲内まで開いたかどうかを検出する。
例えば、
図2の開状態では、
図2(b)に示すように、後席の乗員からディスプレイ部10の画面を視認できないため、開閉検出装置は、ディスプレイ部10が規定角度範囲内まで開いたと検出せず、ディスプレイ部10のバックライトがオンされない。
【0014】
ディスプレイ部10が規定角度範囲内まで開くと、
図3(a)および
図3(b)に示すように、後席の乗員からディスプレイ部10の画面が視認可能な位置となる。このとき、開閉検出装置は、ディスプレイ部10が規定角度範囲内まで開いたことを検出しており、ディスプレイ部10のバックライトがオンされる。
なお、ディスプレイ部10が、
図3(a)に示す位置よりもさらに開かれた場合には、ディスプレイ部10と取り付け側筐体部11との連結部が破損する恐れがある。
そこで、開閉検出装置によりディスプレイ部10が規定角度範囲を超えて開かれたことが検出された場合、例えば、ディスプレイ部10のバックライトをオフして利用者に警告してもよい。
【0015】
図4は、実施の形態1に係る開閉検出装置を適用したディスプレイ装置を示す図であり、
図4(a)は、ディスプレイ部を閉じた状態の正面図、
図4(b)は、ディスプレイ部を180度近く開いた状態の正面図である。ディスプレイ部10の背面側は、
図4(a)に示すように意匠カバー12aで覆われており、表示画面10aがある表面側には、
図4(b)に示すように、表示画面10aを囲むように意匠カバー12eが設けられている。
取り付け側筐体部11においては、ディスプレイ部10の開閉状態によらず外部に露出する部分がそれぞれ意匠カバー12b,12c,12dで覆われ、ディスプレイ部10が開いた状態で外部に露出する部分が意匠カバー12fで覆われている。
【0016】
ディスプレイ部10は、取り付け側筐体部11の意匠カバー12b,12cで覆われた部分に回動自在に保持されて、取り付け側筐体部11に対し開閉可能である。
また、取り付け側筐体部11は、
図1から
図3までに示したように、車両の座席2aの背もたれ部分2bに取り付けられる。
【0017】
図5は、
図4(a)の部分aの意匠カバーを取り除いた状態を示す拡大斜視図であり、意匠カバー12bおよび意匠カバー12dを取り除いて内部の構成を示している。また、
図6は
図5の平面図である。
図5、
図6に示すように、取り付け側筐体部11における、意匠カバー12bと意匠カバー12dでそれぞれ覆われる部分には、ねじ18などにより回動軸19が設置されている。また、ディスプレイ部10のベース10bは、左右の回動軸19にそれぞれ取り付けられる。これにより、ディスプレイ部10は、回動軸19周りに回動自在となり、取り付け側筐体部11に対して開閉可能となる。
【0018】
また、取り付け側筐体部11のベース13には、スイッチ操作回転部14と、スイッチ15を搭載した回路基板16とが設けられる。
スイッチ操作回転部14は、一端に連動部14a、他端にスイッチ操作部14bを有する棒状の軸部14cから構成され、ディスプレイ部10の回転軸19と同軸(またはこれに沿った軸周り)に回動自在に保持される。
付勢部材17は、スイッチ操作回転部14をベース13側に付勢するU字形状の板ばねであり、ねじ18によってベース13に固定される。
【0019】
図7は、
図6のA−A線で切った断面矢示図である。
図7に示すように、ディスプレイ部10を構成する意匠カバー12eの内面にはリブ11aが形成されている。
リブ11aは、スイッチ操作回転部14をベース13に組み付けた状態で連動部14aのスリット14a−1に挿入されるリブ部である。また、リブ11aは、スリット14a−1の内面である側壁14a−2と側壁14a−3との間に任意の隙間を空けて挿入されている。
【0020】
このように、この発明では、スイッチ操作回転部14がリブ部11aおよびスリット部14a−1を介してのみディスプレイ部10に連結されている。このように構成することで、ディスプレイ部10に加わった外力が回動軸19に伝わっても、スイッチ操作回転部14には直接伝わらない。これにより、外力によるスイッチ操作回転部14の損傷を防止することができる。
【0021】
図8は、スイッチ操作回転部を設置する部分を示す拡大斜視図であって、
図5の構造体からスイッチ操作回転部14と付勢部材17を取り除いた状態を示している。また、
図9は、スイッチ操作回転部の構成を示す図であり、
図9(a)がスイッチ操作回転部14の上面図、
図9(b)がC1方向の矢示図、
図9(c)がC2方向の矢示図、
図9(d)がC3方向の矢示図である。
図10は、
図6のB−B線で切った断面矢示図である。
【0022】
スイッチ操作回転部14が設置されるベース13の部分には、
図8に示すように、溝部13aが形成されている。スイッチ操作回転部14は、溝部13aに軸部14cを嵌め込み、付勢部材17によって溝部13a側に付勢されることによりベース13に回動自在に保持される。また、
図9(a)および
図9(b)に示すように、スイッチ操作回転部14の軸部14cには軸方向に直交する軸受け面14c−1,14c−2が形成されている。
【0023】
スイッチ操作回転部14は、
図8に示した溝部13aの両端にある軸受け面13b,13cに軸受け面14c−1,14c−2がそれぞれ保持されて、軸d方向への移動が制限される。この規制によって、スイッチ操作回転部14を介してスイッチ15に伝わる外力および振動が回動方向のみに限定されるため、スイッチ15の破壊および磨耗を防ぐことが可能である。
【0024】
また、軸部14cの付勢部材17が接触する部分には、
図9(a)に示すように当たり部14d−1,14d−2が形成されている。当たり部14d−1,14d−2は、軸部14cの全周に径方向へ突出しており、付勢部材17は当たり部14d−1,14d−2の稜線上にのみ接触する。これにより、スイッチ操作回転部14が、軸d周りに滑らかに回動することができる。
【0025】
ベース13には、
図8に示すように、スイッチ15を搭載した回路基板16も設置される。スイッチ15は、スイッチ押し込み凸部15aを溝部13a側に向けて回路基板16の端部に実装される。このとき、スイッチ押し込み凸部15aは回路基板16の端部より外側に突出した状態となる。また、スイッチ操作回転部14は、軸部14cを溝部13aに嵌め込んでベース13に取り付けられると、スイッチ操作部14bが、スイッチ15に隣接した位置となる。
【0026】
スイッチ操作部14bは、連動部14aに伴って回動した場合に、まず、
図9(d)に示す操作面14b−1が、スイッチ押し込み凸部15aを押し込んでスイッチ15をオンする。この状態からスイッチ操作部14bがさらに回動すると、
図10の符号bで示すように、スイッチ押し込み凸部15aが、操作面14b−2により押し込まれた状態が維持される。すなわち、スイッチ押し込み凸部15aが操作面14b−2に接触していると、スイッチ15のオン状態が維持される。
また、スイッチ操作部14bが、例えば逆方向に回動するなどして、スイッチ押し込み凸部15aが操作面14b−2から離脱した場合、スイッチ押し込み凸部15aは、元の位置に復帰してスイッチ15がオフ状態となる。
【0027】
上述したように、スイッチ操作回転部14は、取り付け側筐体部10内で、スイッチ15を設けた回路基板16と共通のベース13に保持され、かつ、スイッチ操作部14bとスイッチ15とが隣接した位置に配置される。このように構成することにより、スイッチ操作部14bとスイッチ15との間に配置する部品点数が削減されて、各部品の寸法精度の影響を受け難く、安定した動作が可能となる。
【0028】
図11は、スイッチ操作部によるスイッチ操作の概要を示す図である。
図11(a)に示すように、スイッチ押し込み凸部15aがスイッチ操作部14bの操作面14b−2により押し込まれた状態の場合、開閉検出装置は、ディスプレイ部10が閉じた状態であることを検出する。
【0029】
この状態からディスプレイ部10を開いた場合、ディスプレイ部10とともに意匠カバー12eも回動して、リブ11aがスリット14a−1の側壁14a−2に当接する。
この後、ディスプレイ部10をさらに回動させると、リブ11aから側壁14a−2を介してディスプレイ部10の回動力が連動部14aに伝達される。これにより、スイッチ操作回転部14が溝部13a上で軸d周りに回動し、スイッチ操作部14bが回動する。
スイッチ操作部14bが回動して、
図11(b)に示すように、操作面14b−2からスイッチ押し込み凸部15aが離脱すると、スイッチ15はオフ状態となる。このとき、開閉検出装置は、ディスプレイ部10が開いた状態であることを検出する。
【0030】
なお、スイッチ15がオフの状態でさらにディスプレイ部10を開いても、
図11(b)に示すように、スイッチ押し込み凸部15aは、操作面14b−1,14b−2に当接しない。このため、スイッチ15はオフ状態が継続され、開閉検出装置は、ディスプレイ部10が開いた状態であることを検出し続ける。
【0031】
図11(b)の状態からディスプレイ部10を閉方向に回動させると、リブ11aが、スリット14a−1の側壁14a−3に当接し、リブ11aから側壁14a−3を介してディスプレイ部10の回動力が連動部14aに伝達される。これにより、スイッチ操作回転部14が溝部13a上で軸d周りに回動する。
この後、さらにスイッチ操作回転部14が回動すると、スイッチ操作部14bの操作面14b−1がスイッチ押し込み凸部15aを押し込んでスイッチ15がオン状態となる。このとき、開閉検出装置はディスプレイ部10が所定角度まで閉まったことを検出する。
【0032】
なお、スイッチ操作部14bの操作面14b−1の軸dに対する角度を調整することにより、ディスプレイ部10の任意の開閉角度を検出することが可能となる。
また、スイッチ操作部14bの操作面14b−1,14b−2の軸dに対する配置角度を調整することにより、ディスプレイ部10の開閉とスイッチ15のオンオフ状態を入れ替えることも可能である。
【0033】
また、
図11(c)に示すようにスリット14a−1の間隔Dを調整してリブ11aと側壁14a−2,14a−3との間隔を調整することで、リブ11aが側壁14a−2,14a−3と当接するときのディスプレイ部10の開閉角度を変更することができる。
すなわち、開閉検出装置が検出可能なディスプレイ部10の開閉角度を任意に設定することが可能である。
【0034】
なお、上記説明では、連動部14aにスリット14a−1を設け、ディスプレイ部10側にリブ11aを設けた構成を示したが、これに限定されるものではない。
例えば、
図12に示すように、連動部14aにリブ14a−4を設け、ディスプレイ部10側にスリット11bを設けてもよい。この場合、ディスプレイ部10の回動に応じてリブ14a−4がスリット11bの側壁11b−1,11b−2に当接してスイッチ操作回転部14に回動力が伝達される。
【0035】
以上のように、この実施の形態1によれば、取り付け側筐体部11と、取り付け側筐体部11に対して開閉自在に支持されるディスプレイ部10と、取り付け側筐体部11内の回路基板16に設けたスイッチ15と、取り付け側筐体部11に対してディスプレイ部10の回転軸19と同軸またはこれに沿った軸周りに回動自在に保持される棒状の部材であって、一端にディスプレイ部10の開閉に連動して回動する連動部14aおよび他端に連動部14aの回動に伴ってスイッチ15を操作するスイッチ操作部14bを有したスイッチ操作回転部14と、連動部14aに設けたスイッチ操作回転部14の回転軸に直交する方向のスリット14a−1と、ディスプレイ部10にスリット14a−1に挿入した状態で設けられ、ディスプレイ部10の開閉に連動してスリット14a−1の内面14a−2または14a−3に当接して連動部14aを回動させるリブ11aとを備える。
このように構成することで、外力に対して破壊や摩耗が発生しにくく、かつ、軽量化、薄型化、小型化を図ることができる。
【0036】
すなわち、ディスプレイ部10に加わった外力および振動は、スイッチ操作回転部14を介することによりスイッチ15に軽減されて伝わる。これにより、スイッチ15の破壊および摩耗を防ぐことができる。
また、ディスプレイ部10とスイッチ操作回転部14は、相互に常時付勢された状態ではないため、ディスプレイ部10およびスイッチ操作回転部14の係合部(リブ11a、スリット14a−1)の摩耗を防ぐことができる。
さらに、スイッチ操作回転部14がディスプレイ部10の回転軸19と同軸またはこれに沿った軸周りに回動自在に保持されるため、特許文献1のように回動軸19に直交する方向に広いスペースを必要としない。これにより、ディスプレイ部10および取り付け側筐体部11の部品配置スペースが削減されるため、ディスプレイ部10の軽量化、薄型化、小型化が可能である。
【0037】
また、この実施の形態1によれば、スイッチ操作回転部14が、リブ部11aおよびスリット部14a−1を介してのみディスプレイ部10に連結される。このように構成することで、ディスプレイ部10に加わった外力が回動軸19に伝わっても、スイッチ操作回転部14には直接伝わらない。これにより、外力によるスイッチ操作回転部14の損傷を防止することができる。
【0038】
さらに、この実施の形態1によれば、スイッチ操作回転部14が、取り付け側筐体部10内で、スイッチ15を設けた回路基板16と共通のベース13に保持され、かつ、スイッチ操作部14bとスイッチ15が隣接した位置に配置される。このように構成することにより、スイッチ操作部14bとスイッチ15との間に配置する部品点数が削減されて、各部品の寸法精度の影響を受け難く、安定した動作が可能となる。
【0039】
なお、本発明はその発明の範囲内において、実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。