特許第6025833号(P6025833)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6025833
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】空調装置および空気調和システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/02 20060101AFI20161107BHJP
【FI】
   F24F11/02 L
   F24F11/02 102W
【請求項の数】20
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-515603(P2014-515603)
(86)(22)【出願日】2013年5月13日
(86)【国際出願番号】JP2013063238
(87)【国際公開番号】WO2013172279
(87)【国際公開日】20131121
【審査請求日】2014年10月23日
(31)【優先権主張番号】特願2012-110232(P2012-110232)
(32)【優先日】2012年5月14日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2012-228707(P2012-228707)
(32)【優先日】2012年10月16日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹田 恵美
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 慎一
(72)【発明者】
【氏名】畝崎 史武
(72)【発明者】
【氏名】濱田 守
(72)【発明者】
【氏名】吉川 利彰
(72)【発明者】
【氏名】松本 崇
(72)【発明者】
【氏名】矢野 裕信
【審査官】 渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−019515(JP,A)
【文献】 特開平08−210690(JP,A)
【文献】 特開昭62−009137(JP,A)
【文献】 特開昭58−102043(JP,A)
【文献】 特開昭60−142136(JP,A)
【文献】 特開昭64−023049(JP,A)
【文献】 特開2013−036678(JP,A)
【文献】 特開昭63−161338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内の温度を表す室内温度を目標温度とするように、予冷運転又は予暖運転を、圧縮機を含んだ冷凍サイクルにより実行する空調装置であって、
前記予冷運転又は前記予暖運転の実行中は、前記室内温度と前記空調装置の設定温度との第一の温度差が、前記圧縮機が運転開始を行うように定めた温度差以上になるように、前記設定温度を制御し、前記室内温度と前記目標温度との第二の温度差が、前記第一の温度差より小さくなった場合に、前記設定温度を前記目標温度に変更し、該変更した設定温度に基づいて前記圧縮機の運転制御を継続する
空調装置。
【請求項2】
前記予冷運転と前記予暖運転は、前記室内への在室開始時間までに前記目標温度とするように実行するものであり、
前記在室開始時間を推定する計測制御装置を備え、
前記計測制御装置は、
前記在室開始時間より前から前記予冷運転又は前記予暖運転を開始する
請求項1記載の空調装置。
【請求項3】
前記空調装置の使用者により入力された情報に基づいて前記在室開始時間を推定する
請求項2に記載の空調装置。
【請求項4】
前記空調装置の使用者の在室を認識する在室検知手段を備え、
前記在室検知手段の過去の実績情報に基づいて前記在室開始時間を推定する
請求項2に記載の空調装置。
【請求項5】
前記予冷運転又は前記予暖運転の開始を指示する運転制御指令を受信する受信手段を有した請求項1〜4のいずれか1項に記載の空調装置。
【請求項6】
前記室内に存在する躯体の温度を検知する躯体温度検知手段を備え、
前記室内温度は、前記躯体温度検知手段により検知された前記躯体の温度に基づいて決定される
請求項1〜5のいずれか1項に記載の空調装置。
【請求項7】
前記圧縮機が運転を行う温度差は、前記圧縮機が運転を行う最小の温度差である
請求項1〜6のいずれか1項に記載の空調装置。
【請求項8】
前記設定温度を変化させながら前記圧縮機の運転状態を検知して、前記圧縮機が停止から運転に切り替わるときの、前記室内温度と前記設定温度との第三の温度差と、前記圧縮機が運転から停止に切り替わるときの、前記室内温度と前記設定温度との第四の温度差を検出し、
前記圧縮機が運転を行う温度差は、前記第三の温度差から前記第四の温度差の範囲である
請求項1〜7のいずれか1項に記載の空調装置。
【請求項9】
前記設定温度を変化させながら前記空調装置の消費電力を検知して、前記消費電力が、前記圧縮機が停止から運転に切り替わるときの前記消費電力である第一の消費電力以上になるときの、前記室内温度と前記設定温度との第五の温度差と、前記消費電力が、前記圧縮機が運転から停止に切り替わるときの前記消費電力である第二の消費電力以下になるときの、前記室内温度と前記設定温度との第六の温度差を検出し、
前記圧縮機が運転を行う温度差は、前記第五の温度差から前記第六の温度差の範囲である
請求項1〜7のいずれか1項に記載の空調装置。
【請求項10】
前記予冷運転又は前記予暖運転の起動時は、前記第一の温度差が前記第三の温度差以上になるよう前記設定温度を制御し、
前記予冷運転又は前記予暖運転の起動後は、前記第一の温度差が前記第四の温度差以上になるよう前記設定温度を制御する
請求項8に記載の空調装置。
【請求項11】
前記予冷運転又は前記予暖運転の起動時は、前記第一の温度差が前記第五の温度差以上になるよう前記設定温度を制御し、
前記予冷運転又は前記予暖運転の起動後は、前記第一の温度差が前記第六の温度差以上になるよう前記設定温度を制御する
請求項9に記載の空調装置。
【請求項12】
前記予冷運転の前記設定温度は、取りうる値の中で最大の整数値であり、
前記予暖運転の前記設定温度は、取りうる値の中で最小の整数値である
請求項1〜11のいずれか1項に記載の空調装置。
【請求項13】
電流制限値が設けられた
請求項1〜12のいずれか1項に記載の空調装置。
【請求項14】
前記設定温度は、前記予冷運転又は前記予暖運転の設定可能範囲よりも狭い上限値と下限値の範囲内に制御される
請求項1〜13のいずれか1項に記載の空調装置。
【請求項15】
前記空調装置の使用者の在室を認識する在室検知手段を備え、
前記予冷運転又は前記予暖運転の起動後に所定時間を経過しても在室が検知されなかった場合に、前記設定温度を変更する、あるいは前記空調装置を停止する
請求項2に記載の空調装置。
【請求項16】
前記在室検知手段は、空調リモコンの操作履歴、照明及び家電製品の使用情報、家庭内の消費電力情報、人感センサ、室内ドアの開閉情報、通信装置の通信情報、並びに位置情報の少なくともいずれかである
請求項4または15に記載の空調装置。
【請求項17】
前記空調装置は、複数であり、
前記空調装置の使用者の操作履歴及び生活パターン情報の少なくともいずれかによって、複数の前記空調装置の中から自動的に操作対象の空調装置が選択される
請求項1〜16のいずれか1項に記載の空調装置。
【請求項18】
室内の温度を表す室内温度を目標温度とするように、予冷運転又は予暖運転を、圧縮機を含んだ冷凍サイクルにより実行する空調装置と、
外部からの運転制御指令を受信する受信手段と、を備え
前記予冷運転又は前記予暖運転の実行中は、前記室内温度と前記空調装置の設定温度との第一の温度差が、前記圧縮機が運転開始を行うように定めた温度差以上になるように、前記設定温度を制御し、前記室内温度と前記目標温度との第二の温度差が、前記第一の温度差より小さくなった場合は、前記設定温度を前記目標温度に変更し、該変更した設定温度に基づいて前記圧縮機の運転制御を継続する
空気調和システム。
【請求項19】
前記予冷運転又は前記予暖運転の開始を指示する通信装置を備えた
請求項18記載の空気調和システム。
【請求項20】
前記通信装置は、位置検出手段を備え、
前記位置検出手段の位置情報を使って前記予冷運転又は前記予暖運転の開始を判定する
請求項19に記載の空気調和システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は空気調和システムに関するものであり、特に予冷・予暖運転を多様な機種に適用できる制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、室内温度を指定時刻に目標温度にするために指定時刻前に空気調和装置(以下、空調装置)を起動させる前倒し運転(予冷・予暖)があり、外気温度から前倒し運転時間および圧縮機回転数を演算して設定している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、近年は節電意識の高まりから、HEMS(Home Energy Management System)によって家庭内の電気機器を監視・制御し、エネルギーを効率よく運用するスマートハウスが注目されている。たとえば調理の際にはIHクッキングヒーターやレンジグリルの使用前に空調装置をあらかじめ運転して部屋を予冷・予暖することでピーク電力を抑えられ電力を平準化できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−161338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の制御方法では、圧縮機回転数の演算において空調装置の機種によって定まる係数があり、汎用的でないという問題があった。HEMSにおいて空調装置の予冷・予暖を行う場合、外部の制御装置から空調装置の圧縮機周波数を変更させることは困難なため、既製の空調装置には前倒し運転を適用できなかった。
【0006】
この発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、空調装置の様々な機種に適用できる予冷・予暖制御を備えた空気調和システムを提供し、消費電力削減と快適性向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、この発明に係る空調装置は、室内の温度を表す室内温度を目標温度とするように、予冷運転又は予暖運転を、圧縮機を含んだ冷凍サイクルにより実行する空調装置であって、前記予冷運転又は前記予暖運転の実行中は、前記室内温度と前記空調装置の設定温度との第一の温度差が、前記圧縮機が運転開始を行うように定めた温度差以上になるように、前記設定温度を制御し、前記室内温度と前記目標温度との第二の温度差が、前記第一の温度差より小さくなった場合に、前記設定温度を前記目標温度に変更し、該変更した設定温度に基づいて前記圧縮機の運転制御を継続する。
また、この発明に係る空調調和システムは、室内の温度を表す室内温度を目標温度とするように、予冷運転又は予暖運転を、圧縮機を含んだ冷凍サイクルにより実行する空調装置と、外部からの運転制御指令を受信する受信手段と、を備え、前記予冷運転又は前記予暖運転の実行中は、前記室内温度と前記空調装置の設定温度との第一の温度差が、前記圧縮機が運転開始を行うように定めた温度差以上になるように、前記設定温度を制御し、前記室内温度と前記目標温度との第二の温度差が、前記第一の温度差より小さくなった場合は、前記設定温度を前記目標温度に変更し、該変更した設定温度に基づいて前記圧縮機の運転制御を継続する。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、圧縮機を低容量から中容量の範囲に運転することができ、空調装置の運転効率を高めて消費電力の少ない省エネルギー運転を可能とする。設定温度の調整で簡易的に圧縮機の運転容量を抑制できるため、制御が容易になり、予冷制御を多様な空調装置に搭載したり、外部の制御装置から予冷制御を行えるようになりHEMSなどにも活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係るHEMSの構成を概略化して示す構成図である。
図2】本発明の実施の形態に係る空調装置の構成を概略化して示す構成図である。
図3】本発明の実施の形態に係る空調装置の予冷運転実施時の各時間における空調装置の運転による室内温度変化と、圧縮機の運転容量とを示した図である。
図4】本発明の実施の形態に係る空調装置の予冷運転実施時の制御処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るHEMSの構成を概略化して示す構成図である。
なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。さらに、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
[HEMSの構成]
【0011】
図1に基づいて、HEMSの構成及び動作について説明する。家(屋内)に空調装置1とパソコン2とIHクッキングヒータ3とレンジグリル4と照明5などの家電機器を備え、屋外に太陽光発電システム6と電気自動車(蓄電池)7を備え、さらにパワーコンディショナー8と分電盤15と電力計測器9を備え、各機器は電源線10で接続されている。家電機器1〜5は電力会社からの電気や太陽光発電システム6や電気自動車(蓄電池)7から電気が供給され、電力計測器9によって消費電力が測定できる。
家電機器1〜5はHEMSコントローラー12と通信線11で接続されており、運転情報を取得したり制御指令ができる。例えば、空調装置1ではHEMSコントローラー12から運転・停止の指示や冷房・暖房・送風・除湿といった運転モードの変更や、設定温度・風量・風向の変更といったリモコン操作のような指令を送ることができる。パワーコンディショナー8や電力計測器9もHEMSコントローラー12と通信線11で接続されており電力情報を取得できる。また、HEMSコントローラー12は通信機13を備えて公衆回線14と接続することで外部とデータの送受信が可能である。以上の通信は有線でも無線でもよい。
【0012】
図2は、本発明の実施の形態に係る空調装置1の構成を概略化して示す構成図である。図2に基づいて、空調装置1の構成及び制御動作について説明する。図2では、空調装置1の構成とともに、空調装置1の設置例も図示している。
【0013】
[空調装置1の構成]
図2に示すように、空調装置1は、室内空間Aを空調対象としている。したがって、空調装置1を構成する室内機21が室内空間Aに空調空気を供給できるような場所(たとえば、室内空間Aの壁)に設置されている。空調装置1は、室内機21、室外機22で構成されており、室内機21より吹き出される冷風、温風により室内空間Aの冷暖房を行うものである。また、空調装置1は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを搭載しており、室内機21、室外機22は、冷媒が流れる冷媒配管23、並びに、通信を行う通信線24で接続されている。
【0014】
室内機21には室内熱交換器25が搭載され、室外機22には圧縮機26、室外熱交換器27、膨張弁28、四方弁29が搭載され、これらの機器を環状に冷媒配管23で接続して冷凍サイクルが構成される。なお、室内機21には、室内空間Aの空気を吸い込んで、この空気を室内熱交換器25を経由させた後、室内空間Aに吹き出す室内送風機25aが搭載されている。また、室外機22には、室外空間の空気を吸い込んで、この空気を室外熱交換器27を経由させた後、室外空間に吹き出す室外送風機27aが搭載されている。
【0015】
室内熱交換器25は、冷凍サイクルを流れる冷媒より供給される冷温熱と室内空気との間で熱交換を行うものである。この室内熱交換器25で熱交換された室内空気が空調空気として室内空間Aに供給され、室内空間Aの冷暖房が行われる。上述したように、室内熱交換器25には、室内送風機25aによって室内空気が供給されるようになっている。
【0016】
圧縮機26は、冷媒を圧縮して高温・高圧の冷媒とするものであり、インバータで駆動され、空調状況に応じて運転容量が制御されるようになっている。室外熱交換器27は、冷凍サイクルを流れる冷媒より供給される冷温熱と室外空気との間で熱交換を行うものである。上述したように、室外熱交換器27には、室外送風機27aによって室外空気が供給されるようになっている。膨張弁28は、室内熱交換器25と室外熱交換器27との間に接続され、冷媒を減圧して膨張させるものであり、開度が可変に制御可能なもの、たとえば電子式膨張弁等で構成されている。四方弁29は、圧縮機26の吐出側に接続され、空調装置1の運転(冷房運転、暖房運転)に応じて冷媒の流れを切り替えるものである。
【0017】
また、空調装置1は、空調装置1の制御を行う計測制御装置30(室外機の計測制御装置30a、室内機の計測制御装置30b)を備えている。室内機21には、室内空間Aの温度を計測する室内温度センサ31が搭載されている。室内温度センサ31での計測情報は、通信線24を介して計測制御装置30に入力されるようになっている。なお、通信線24は、有線、無線のいずれであってもよい。
【0018】
計測制御装置30は、室内温度センサ31や空調装置1に搭載される他の各種センサ(図示省略)からの情報及び運転情報と、使用者の設定情報に基づき、予め搭載されている制御プログラムに基づいて、空調装置1の運転を指令するものである。計測制御装置30は、空調装置1の全体を統括制御できるようなマイクロコンピュータ等で構成し、四方弁29の切り替え制御、膨張弁28の開度制御の他、圧縮機26の駆動周波数制御や室内送風機25aの回転数制御、室外送風機27aの回転数制御等を制御することで、空調装置1の運転を指令するようになっている。
【0019】
室内温度センサ31は、室内機21に搭載され、室内機21に吸い込まれた室内空気の温度を計測するものである。また、空調装置1に搭載される他の各種センサとしては、たとえば圧縮機26から吐出された冷媒の圧力を計測する圧力センサや、圧縮機26に吸入される冷媒の圧力を計測する圧力センサ、圧縮機26から吐出された冷媒の温度を計測する温度センサ、圧縮機26に吸入される冷媒の温度を計測する温度センサ、室外空気の温度を計測する温度センサ等が考えられる。
【0020】
[空調装置1の制御動作]
次に、空調装置1の制御動作を説明する。ここでは、空調装置1の通常運転について説明する。空調装置1は、空調装置1を使用する使用者の運転開始指令により運転を開始する。使用者は、たとえばリモコン32等を操作して空調装置1に運転開始指令を与える。運転開始指令には冷房運転、暖房運転などの運転モードも含まれており、空調装置1では運転開始指令と同時に運転モードも設定される。空調装置1は、室内温度として室内空間Aの代表温度を検知する室内温度センサ31の計測値が、使用者により設定された設定値となるように運転を実行する。その際、室内温度が設定値の近傍で安定するように運転が実行される。
【0021】
[冷房動作]
冷凍サイクルの冷房動作を説明する。圧縮機26から吐出された冷媒は四方弁29を通過して室外熱交換器27へと流れる。室外熱交換器27に流入した冷媒は空気と熱交換して凝縮液化し、膨張弁28へと流れる。冷媒は膨張弁28で減圧された後、室内熱交換器25へと流れる。室内熱交換器25に流入した冷媒は空気と熱交換して蒸発した後、四方弁29を通過して再び圧縮機26に吸入される。このように冷媒を流すことによって室内熱交換器25で空気を冷やしており、室内熱交換器25での冷媒と空気の熱交換量を冷却能力と呼ぶ。冷却能力は圧縮機26の周波数を変えるなどして調整する。
【0022】
[暖房動作]
冷凍サイクルの暖房動作を説明する。圧縮機26から吐出された冷媒は四方弁29を通過して室内熱交換器25へと流れる。室内熱交換器25に流入した冷媒は空気と熱交換して凝縮液化し、膨張弁28へと流れる。冷媒は膨張弁28で減圧された後、室外熱交換器27へと流れる。室外熱交換器27に流入した冷媒は空気と熱交換して蒸発した後、四方弁29を通過して再び圧縮機26に吸入される。このように冷媒を流すことによって室内熱交換器25で空気を暖めており、室内熱交換器25での冷媒と空気の熱交換量を加熱能力と呼ぶ。加熱能力は圧縮機26の周波数を変えるなどして調整する。
【0023】
空調装置1は、室内温度と設定値との温度偏差が大きい場合、圧縮機26の容量を大きくし、空調装置1の加熱能力又は冷却能力が大きくなるようにして、設定値への収束を早めるように運転する。また、空調装置1は、室内温度と設定値との温度偏差が小さい場合、圧縮機26の容量を小さくし、空調装置1の加熱能力又は冷却能力が小さくなるようにして、室内空間Aが過剰に加熱又は冷却されることを回避するように運転する。このようにして、空調装置1は、室内温度の安定を図るように運転する。
【0024】
圧縮機26の運転容量は、例えば温度差に比例して増加するように設定するとよい。この場合、圧縮機26の最大容量を100%とすると、温度差が1℃で運転容量40%、温度差が2℃で運転容量70%、温度差が3℃以上で運転容量100%となるように圧縮機26が制御される。空調装置1は、室内温度が設定温度に到達すると、圧縮機26の運転を停止し、室内温度と設定温度との温度差が所定温度(例えば1℃)以上となると、再び圧縮機26を起動する。空調装置1の運転効率は、圧縮機26の運転容量が低いほど一般的に高くなる。
【0025】
[制御フロー]
図3に予冷運転の室内温度Tinと設定温度Tsetの例を示し、図4に予冷制御のフローチャートを示す。予冷制御の情報処理は室外機の計測制御装置30a、室内機の計測制御装置30b、リモコン32、HEMSコントローラー12、パソコン2のいずれでなされてもよい。
【0026】
図3の(1)〜(5)に区切って、図4のフローチャートとともに説明する。
【0027】
図3の(1))
まず、在室開始時刻を取得する(ステップS1)。次に、室内温度Tinと在室中の目標温度Tmなどを取得する(ステップS2)。取得した情報から、予冷開始時刻を決定する(ステップS3)。時刻が予冷開始時刻を経過していない場合(ステップ4;NO)はステップS1に戻る。在室開始時刻の取得(ステップS1)と予冷開始時刻の決定(ステップS3)については後で詳細を記す。
【0028】
図3の(2))
時刻が予冷・予暖の開始時刻になると(ステップ4;YES)、空調装置の運転を開始する(ステップS5)。設定温度をTin+αに変更する前に、Tin+αの値が目標温度Tmより低くないか判定する(ステップS6)。この判定により予冷中の冷やしすぎを防ぐ。例えば室内温度Tinが30℃でαが0℃で目標温度Tmが27℃の場合、Tin+αは30℃で目標温度Tmの27℃よりも高いので(ステップS6;NO)、設定温度を30℃に変更する(ステップS8)。冷房時は設定温度Tsetが室内温度Tin以下であれば一般的には圧縮機が運転し始めるが、空調装置によって制御仕様は異なるため、圧縮機が運転しているか判定する(ステップS9)。圧縮機が運転していない場合(ステップS9;NO)は圧縮機が運転するまでαを変更する(ステップ10)。例えばβを−0.5℃とした場合、αは−0.5℃になり、設定温度Tsetは30.0℃から29.5℃に下げて、圧縮機が運転するか判定する。圧縮機が運転しなければ、次にαは−1.0℃になり、設定温度は29.0℃になり、圧縮機が運転するか判定する。ここではαが−1.0℃の時点で圧縮機が運転したものとする。
【0029】
図3の(3))
圧縮機の運転が確認された場合(ステップS9;YES)、室内温度Tinを取得する(ステップS11)。室内温度Tinが目標温度Tmに到達していない場合(ステップS12;NO)や、在室開始時刻を経過していない場合(ステップS13;NO)はステップS6に戻り、設定温度の変更(ステップS8)を繰り返す。室内温度Tinの低下とともに、設定温度TsetもTin−1.0℃で維持される。
【0030】
(圧縮機の運転と停止の判定方法)
圧縮機が運転しているか判定するとき(図4ステップS9)、判定を室外機の計測制御装置30aや室内機の計測制御装置30bで行う場合は圧縮機の運転停止情報や周波数値を使って直接判断すればよく、HEMSコントローラー12など外部の端末で判定を行う場合は空調装置1の消費電力値を検知して、消費電力値がある所定値以上の場合は圧縮機が運転していると判定し、消費電力値がある所定値以下の場合は圧縮機が停止していると判定してもよい。空調装置1の消費電力は圧縮機26が約80〜90%を占めるため、消費電力値にて判断できる。
【0031】
(効果)圧縮機の運転停止の判定を空調装置の消費電力を検知して行うことで、空調装置のメーカーを問わずに判定が可能となり、予冷制御又は予暖制御を幅広く汎用的に適用できる。
【0032】
図3の(4))
Tin+αの値が目標温度Tm以下になった場合(ステップS6;YES)、設定温度Tsetは目標温度Tmとする(ステップS7)。室内温度Tinを取得し(ステップS11)、室内温度Tinが目標温度Tmに到達していない場合(ステップS12;NO)や、在室開始時刻を経過していない場合(ステップS13;NO)はステップS6に戻り、繰り返す。図3の例ではαが−1℃のため、室内温度Tinが28℃になったときに設定温度Tsetが目標温度Tmと同じ27℃になり、それ以降、室内温度Tinが28℃より低下しても設定温度Tsetは27℃に設定される。これにより予冷中の冷やしすぎを防ぎ、省エネと快適性を確保する。
【0033】
図3の(5))
在室開始時刻を経過した場合(ステップS13;YES)は、設定温度Tsetを目標温度Tmに変更し(ステップS14)、通常制御を行う。在室開始時刻前に室内温度Tinが目標温度Tmに到達した場合(ステップS12;YES)も、同様に設定温度Tsetを目標温度Tmに変更し(ステップS14)、通常制御を行う。
【0034】
図3(3)では室内温度Tinと設定温度Tsetの温度差を常にαに維持する例を示したが、圧縮機26が停止する際の室内温度Tinと設定温度Tsetの温度差αminを探してHEMSコントローラ12等に記憶させ、圧縮機起動後は温度差がαminからαの範囲になるよう制御してもよい。温度差αminは、設定温度Tsetを所定値ずつ変化させながら圧縮機26の運転状態を検知して、圧縮機26が運転から停止に切り替わるときの室内温度Tinと設定温度Tsetの温度差を検出することで探すことができる。圧縮機26が運転から停止に切り替わったか否かの判定を、空調装置1の消費電力を検知することによって行ってもよい。(圧縮機26の起動と停止が頻繁に繰り返されないよう、圧縮機が起動するための温度差αと停止するための温度差αminは異なることが一般的である。)
例えばαminが0℃でαが−1℃の場合、室内温度Tinが30℃のときに設定温度Tsetを29℃にすると圧縮機が運転して室内温度Tinが低下し始める。温度差が−0.2℃(室内温度Tinが29.2℃)になるまで冷えたら設定温度Tsetを28.7℃(温度差−0.5℃)に変更する。そして再び温度差が−0.2℃(室内温度Tinが28.9℃)まで冷えたら設定温度を28.4℃(温度差−0.5℃)に変更することを繰り返す。
もしαminがわからない状況で、数分間隔Δt毎に設定温度Tsetを変更した場合、Δtの時間が経過する間に室温Tinと設定温度Tsetの偏差が小さくなって圧縮機26が停止してしまい、設定温度TsetをTin+αに変更したときに再び圧縮機が起動するような運転になる可能性がある。もし圧縮機26が運転と停止を繰り返すような運転状態になると、圧縮機26起動時は空調装置1内の冷媒が十分に循環できず冷却能力や加熱能力が減少して運転効率が低下してしまう(発停ロス)。
【0035】
(設定温度の決定方法)
予冷制御又は予暖制御の起動時と起動後で設定温度の決定方法を区分してもよい。冷房時の圧縮機が設定温度Tsetと室内温度Tinの温度差αが−1℃以下で起動して0℃より大きいときに停止する場合、予冷制御の起動時は温度差αが−1℃以下になるよう設定温度を制御し、予冷制御の起動後は温度差αが0℃以下になるよう設定温度を制御する。例えば、室内温度Tinが25.2℃で一定のとき、予冷制御の起動時は設定温度Tsetを24.2℃以下に設定し、予冷制御の起動後は設定温度Tsetを室内温度25.2℃以下に制御する。暖房時の圧縮機が設定温度Tsetと室内温度Tinの温度差αが1℃以上で起動して0℃未満で停止する場合、予暖制御の起動時は温度差αが1℃以上になるよう設定温度を制御し、予暖制御の起動後は温度差αが0℃以上になるよう設定温度を制御する。例えば、室内温度Tinが25.2℃で一定のとき、予暖制御の起動時は設定温度Tsetを26.2℃以上に設定し、予暖制御の起動後は設定温度Tsetを25.2℃以上に制御する。
【0036】
(効果)圧縮機の運転を確認して設定温度と室内温度の温度差を決定しているため、空調装置の発停ロスを予防できる。例えば設定温度と室内温度の温度差を小さくしすぎると圧縮機が停止してしまう場合があり、圧縮機が運転と停止を繰り返すような運転状態になると、圧縮機起動時は空調装置内の冷媒が十分に循環できず冷却能力や加熱能力が減少して運転効率が低下する。圧縮機26の運転容量を適度に低い容量で持続させるように温度差を決定しているため、高効率の運転を実施できる。
【0037】
空調装置1の設計時に予冷制御を室外機の計測制御装置30aや室内機の計測制御装置30bに搭載する場合は、上記の温度差αやαminが既知のため、温度差αやαminを探す制御フローは省略し、あらかじめ計測制御装置30aや30bにαやαminを記憶させておき、予冷・予暖制御時に値を読み出して制御してもよい。
【0038】
[在室開始時刻の取得]
図4のステップS1)
空調装置1の使用者は、室内空間Aの在室開始時間を含めた在室情報を予め設定する。在室情報としては、使用者が在室を始める時刻、使用者が在室を続ける時間幅、使用者が不在となる時刻等が該当する。在室情報の入力や記憶は室外機の計測制御装置30a、室内機の計測制御装置30b、リモコン32、HEMSコントローラー12、パソコン2のいずれでなされてもよい。
【0039】
ただし、空調装置1の実際の使用では、在室情報は日々異なることが想定されるため、室内空間Aに存在する機器(たとえば、リモコン32等)の過去の情報を用いて在室情報を推定し、設定してもよい。例えば朝、昼、夕方、夜間などの時間帯の中でリモコン32などにより使用者が機器の操作を初めて行なった時間を記憶し、その情報を日々収集し、収集した結果を基に在室開始時間を推定し、設定する。在室開始情報が多数得られる場合は、例えば平均値から在室開始時間を決定してもよい。
【0040】
上記のようにリモコン32の操作履歴の収集を在室検知手段とする代わりに、室内空間Aに取り付けられているパソコン2やIHクッキングヒーター3やレンジグリル4や照明5やテレビ等(図示省略)の使用情報をHEMSコントローラーで収集して在室検知に用いてもよい。
【0041】
あるいは電力計測器9の消費電力を分析して在室検知に用いてもよい。
【0042】
また、空調装置1やその他の機器に設けられた赤外線等を利用した人感センサなどによる人検知情報や、室内空間Aに取り付けられている室内ドア(図示省略)の開閉情報を在室検知に用いてもよい。
【0043】
[予冷開始時刻の決定]
図4のステップS3)
空調装置1は、在室開始時間の情報に基づいて空調装置1の予冷開始時刻を決定する。予冷開始時刻は、在室開始時刻より所定時間だけ早い時刻に決定される。
【0044】
室内温度の低下に要する時間は、空調装置1の予冷開始時の室内温度と目標温度Tmの温度差に比例するので、予め温度低下1℃あたりに要する運転時間(以下単に運転時間Tと称する)を空調装置1の運転特性より定めておく。そして、予冷開始時の室内温度と目標温度Tmとの温度差に、運転時間Tを掛け合わせ、この時間分だけ在室開始時刻より早めた時刻を空調装置1の予冷開始時刻とする。
【0045】
在室開始時刻の取得方法、予冷開始時刻の決定方法、αやβといった値などは、外部から公衆回線14と通信機13を介して、HEMSコントローラー12等にダウンロードしてもよい。
【0046】
以上のように、空調装置1では、圧縮機が運転するための室内温度と設定温度の最小温度差を探し、在室前の予冷・予暖制御中は設定温度を室内温度と所定の温度差に制御することで、以下のような効果を得ることができる。
【0047】
空調装置1は、予冷運転実施時において、設定温度と室内温度の温度差を小さく制御することで圧縮機26の運転容量を適度に低い容量で運転させるようにしているので、高効率の運転を実施できる。予冷運転なく使用者の在室開始とともに、空調装置1が通常運転を開始した場合、室内温度と使用者が設定する目標温度との温度差が大きく、この温度差を早急に無くすように運転するため、圧縮機26の運転容量が高くなる。これにより、室内温度低下が早くなって使用者の快適性悪化を最低限に抑制することができるが、その分運転容量増大に伴う効率低下により、空調装置1の消費電力が増加してしまう。そこで、空調装置1では、このような運転を回避し、使用者が在室していない予冷運転において、空調装置1の圧縮機26の運転容量を中容量からそれ以下に抑制することで、空調装置1の運転効率を高め、より消費電力の少ない省エネルギー運転を可能としている。
【0048】
圧縮機の運転を確認して設定温度と室内温度の温度差を決定しているため、空調装置の発停ロスを予防できる。例えば設定温度と室内温度の温度差を小さくしすぎると圧縮機が停止してしまう場合があり、圧縮機が運転と停止を繰り返すような運転状態になると、圧縮機起動時は空調装置内の冷媒が十分に循環できず冷却能力や加熱能力が減少して運転効率が低下する。圧縮機26の運転容量を適度に低い容量で持続させるように温度差を決定しているため、高効率の運転を実施できる。
【0049】
従来の前倒し運転のように圧縮機の周波数を演算指令する場合は機種によって異なる係数の調整が必要であり、多機種の空調装置に予冷制御を展開することは困難だったが、本件では設定温度の調整で簡易的に圧縮機の運転容量を抑制できるため、制御が容易になり、予冷制御を様々な機種に搭載できる。
【0050】
在室時間には冷房・暖房があらかじめ運転されているため部屋に入ったときの快適性が向上する。
【0051】
圧縮機周波数を指令するより設定温度を指令するほうが室内温度を管理しやすくなるため、予冷制御中の快適性も向上する。
【0052】
HEMSにおいては、空調装置の予冷・予暖制御を他の家電が多く使われる時間帯を避けて実施することで、家庭全体の消費電力のピークを下げて平準化でき、社会的な電力不足に対して節電で貢献できる。家に設置された太陽光発電や蓄電池の電気を家電に供給する場合も電力の平準化によって効率がよく電気を使用できる。
【0053】
HEMSコントローラーなど外部の制御装置から空調装置を制御する場合、設定温度の変更などリモコンから操作可能な項目であれば指令を送る処理が容易になり、既存の空調装置に適用しやすい。
【0054】
HEMSコントローラーなど外部の制御装置から空調装置を制御する場合、どのメーカーの空調装置でも運転停止や運転モードや設定温度の変更などの操作が共通にできるようにECHONET Liteなど推奨標準インタフェース規格がある。このような標準インタフェースでは設定温度の変更は1℃刻みのため、予冷制御の設定温度Tsetは取りうる値の中で最大の整数値とし、上記例では予冷制御の起動時の設定温度Tsetは24℃となり、予冷制御の起動後の設定温度Tsetは25℃になる。予暖制御の設定温度Tsetは取りうる値の中で最小の整数値とし、上記例では予暖制御の起動時の設定温度Tsetは27℃となり、予暖制御の起動後の設定温度Tsetは26℃となる。
【0055】
(効果)設定温度Tsetを整数値に変換することで、HEMSコントローラーなど外部の制御装置から空調装置を制御する際に標準インタフェース規格で通信できるため、空調装置のメーカーを問わずに予冷制御又は予暖制御を適用できて汎用性が向上する。
【0056】
なお、本実施の形態では、空調装置1に用いる室内温度として、対象とする室内空間Aの温度、即ち室内温度センサ31で計測される温度を使用した場合を例に示しているが、これに限定するものではなく、空調装置1などに設けられる赤外線センサ(図示省略)など放射温度を計測するセンサにより求める室内空間Aの躯体の温度を空調装置1に用いる室内温度として使用してもよい。躯体の温度を空調装置1に用いる室内温度として使用すると、以下のようなメリットを奏することになる。
【0057】
予冷運転実施時は、外部からの熱侵入による熱負荷よりも室内空間Aの躯体を設定温度まで冷却するのに要する熱負荷の方が大きい。そのため、予冷運転を適切に実現するためには、躯体の熱量を処理できているかどうかを判定することが重要となる。室内空気の温度を判定基準とすると、躯体よりも熱容量が少ないため、早く空調運転の応答が表れ、躯体がまだ高温であるのに室内空間Aが十分冷却されたと判定されてしまうことがある。この状態で、在室開始となり、設定温度を目標温度に変更した場合、躯体が高温であるため室内温度が低下せず、空調装置1の運転容量がその分高くなり、空調装置1の運転効率が悪化する。それとともに、室内高温状態が長く続き、快適性も悪化する可能性がある。そこで、躯体温度が室内温度設定値となるように予冷運転を行うと、在室開始後の室内高温状態を回避でき、より省エネかつ快適性の高い運転を実現することが可能になる。
【0058】
以上の実施の形態では、冷房時の予冷運転について説明したが、暖房時の予暖運転も同様に実施できる。暖房運転の場合は、図4のステップS6の設定温度判定式をTin+α>Tmとして、Tin+αが目標温度Tm以下の場合(ステップS6;NO)は設定温度をTin+αに変更する(ステップS8)。
【0059】
(使用者が帰宅しなかった場合)
予冷制御又は予暖制御を運転開始した後、所定の時間が経過しても使用者の在室(帰宅)が検知されなかった場合は設定温度Tsetを変更したり、停止してもよい。在室を検知するには、リモコン32の入力操作で在室検知したり、室内空間Aに取り付けられているパソコン2やIHクッキングヒーター3やレンジグリル4や照明5やテレビ等(図示省略)の使用情報をHEMSコントローラーで収集して在室検知に用いてもよい。あるいは電力計測器9の消費電力を分析して在室検知に用いてもよい。また、空調装置1やその他の機器に設けられた赤外線等を利用した人感センサなどによる人検知情報や、室内空間Aに取り付けられているドアや窓(図示省略)の開閉情報を在室検知に用いてもよい。使用者が所有する携帯電話やスマートフォンやパソコンやカーナビなどの通信装置40の情報(Wi−Fi接続有無やGPSの位置情報)によって在室を判断してもよいし、インターホン(図示省略)のカメラで在室(帰宅)を検知してもよい。
【0060】
所定時間後に不在の場合の設定温度Tsetは特定の温度を固定して決めてもよいし、本来の目標温度との相対値で冷房の場合は目標温度よりも2℃高く暖房の場合は目標温度より2℃低くするなど設定してもよい。
【0061】
(効果)予冷制御又は予暖制御を運転開始した後、所定の時間が経過しても使用者の在室(帰宅)が検知されなかった場合は設定温度Tsetを変更したり停止することで、急な用事で帰宅が予定より遅れた場合も、不在時の無駄な運転を回避して消費電力量を削減できる。
【0062】
空調装置1の予冷制御又は予暖制御運転をする際は電流制限値を何段階かに分けて設けてもよい。または、空調装置1かHEMSコントローラー12に節電モードの設定がなされている場合に電流制限値を設けてもよい。空調装置1の消費電力は圧縮機26が約80〜90%、室内送風機25aが約5〜10%、室外送風機27aが約5〜10%を占めるため、空調装置1の電流を制限する場合は圧縮機26の周波数を下げて運転容量を減少させたり、室内送風機25aや室外送風機27aの回転数を下げて風量を減少させる必要がある。電流制限値は、電流制限の無い場合を100%として電流制限値70%といった相対値(%)で表現してもよいし、具体的に電流制限値3A(アンペア)などと絶対値で表現してもよい。
空調装置1かHEMSコントローラー12に節電モードの設定がなされている場合に、例えば電流制限値が70%であれば、圧縮機26の上限周波数を最大周波数の70%に制限したり、室内送風機25aや室外送風機27aの回転数を最大回転数の70%に制限すればよい。電流制限値が3Aの場合、制限無しの運転電流が5Aであれば、圧縮機26の上限周波数を最大周波数の3/5に制限したり、室内送風機25aや室外送風機27aの回転数を最大回転数の3/5に制限してもよい。一般的に制限無しの運転電流は機種ごとに明示されている。
上記では電流制限無しの基準(100%)を圧縮機周波数の最大値や送風機回転数の最大値としたが、これに限らず、通常運転時の圧縮機周波数や送風機回転数を基準として制限を設けてもよい。例えば、電流制限無しの通常制御での圧縮機周波数が50Hzの予定であれば、電流制限値70%の場合は35Hzとする。また、電流制限無しの通常制御での室内送風機が強風設定で回転数1000rpmの予定であれば、電流制限値70%の場合は700rpmとすればよい。
予冷制御又は予暖制御で電流制限値を設けた場合、上記と同様に圧縮機26の周波数や室内送風機25aと室外送風機27aの回転数に制限を設けてもよいし、設定温度Tsetの制御方法を変更してもよい。設定温度Tsetの制御方法を変更する例として、冷房時の圧縮機が設定温度Tsetと室内温度Tinの温度差αが−1℃以下で起動して0℃より大きいときに停止する場合、予冷制御で電流制限値70%なら圧縮機の起動後は温度差αが−0.7℃から0℃の範囲になるよう設定温度を制御する。
【0063】
(効果)予冷制御や予暖制御は使用者が不在のため空調装置の状態が確認できず不安が生じるが、電流制限値を設けることで安全性と省エネ性が向上する。
【0064】
空調装置1の予冷制御又は予暖運転をする際は設定温度Tsetの上限と下限の範囲をリモコン32の操作範囲よりも狭く限定してもよい。または、空調装置1かHEMSコントローラー12に節電モードの設定がなされている場合に設定温度Tsetの上限と下限の範囲をリモコン32の操作範囲よりも狭く限定してもよい。空調装置1の予冷制御又は予暖運転をする場合、睡眠中の人や小さな子供などリモコン操作ができない人が空調エリアにいると暑さや寒さで健康を損ねる危険があるため、リモコン操作での設定温度よりも範囲を狭くすることでそういった危険を防ぐ。例えば、冷房の場合、リモコンでは設定温度の範囲が20〜30℃を選べても通信装置40の操作では25〜28℃に限定し、暖房の場合、リモコンでは設定温度の範囲が15℃〜25℃を選べても通信装置40の操作では19〜22℃に限定する。
【0065】
(効果)設定温度Tsetの上限と下限の範囲を、空調装置1の許容動作範囲(リモコン32による操作の可能な範囲)よりも限定することで安全性と省エネ性が向上する。
【0066】
空調装置1の予冷制御又は予暖運転を開始する際、使用者に運転開始の通達を出したり、運転の許可を得るようなシステムとしてもよい。例えば、予冷制御開始時刻になったとき(図4のステップS4;YES)、HEMSコントローラー12などの計測制御装置から通信機13と公衆回線14を介して、使用者が所有する携帯電話やスマートフォンやパソコンやカーナビなどの通信装置40に対してメールなどを送り、運転開始の通達をする。あるいは、通信装置40で運転開始の許可ボタンを押すように使用者に求めてもよい。
【0067】
(効果)予冷制御や予暖制御は使用者が不在のため空調装置の状態が確認できず不安が生じるが、開始前に確認手段を設けることで安全性が向上する。また、帰宅時間がいつもと変わったときは運転を回避できるため電力を浪費することを防ぎ省エネ性が向上する。
【0068】
実施の形態2.
(遠隔操作)
予冷制御又は予暖制御を通信装置から実行する例について説明する。実施の形態1と同じ内容については記載を省略する。
図1において、使用者は携帯電話やスマートフォンやパソコンやカーナビなどの通信装置40を所有し、宅内・宅外のどちらからでも通信装置40から公衆回線14を通じてデータを送信すると、通信機13で受信され、HEMSコントローラー12へとデータが伝達され、必要に応じてHEMSコントローラー12からデータが返信され、通信機13を介して通信装置40にデータが返ってくる。よって、HEMSコントローラー12を手で直接操作する場合と同様に、遠隔からHEMS内の情報を取得したり操作指令することが可能である。これにより、携帯電話やスマートフォンやパソコンやカーナビなどの通信装置40から家電1〜5に操作指令を送信したり、家電1〜5の運転情報を受信したり、パワーコンディショナー8や電力計測器9の電力情報を受信することができる。例えば、スマートフォンの画面から空調装置1の運転・停止の指示や冷房・暖房・送風・除湿といった運転モードの選択や、設定温度・風量・風向の変更といったリモコン32の操作のような指令をすることができる。
【0069】
(効果)通信装置40から空調装置1が遠隔操作可能になると、帰宅前に運転を開始して、帰宅したときに部屋を快適な温度にできるため快適性が向上する。帰宅時間が日々異なる場合にも適切な時間に運転を開始できるため、宅内リモコンからの予約運転よりも利便性が向上するとともに不在時の無駄な運転を回避して消費電力量を削減できる。また、空調装置1の操作に不慣れな人が家にいたり、ペットを家に残して外出中の場合には、遠隔操作によって室内環境を管理することができ利便性が向上する。
【0070】
また、空調装置1の状態(運転・停止、冷房・暖房・送風・除湿といった運転モード、設定温度・風量・風向)を確認したり、空調装置1で計測している吸込空気温度(室内温度)や室内湿度や外気温度など空気調和情報を携帯電話の画面で表示して見ることなどができる。例えば空調装置1の状態を見て、既に空調装置1が動いていたら他の家族が使っているので遠隔からの操作はやめることにしたり、空気調和情報を見て室内温度が30℃を超えていたら遠隔から冷房をつけるといった判断ができる。
【0071】
(効果)通信装置40から空調装置1の状態や空気調和情報を閲覧可能になると、遠隔から運転操作をするかどうかの判断基準となり、利便性が向上する。
【0072】
通信装置40から空調装置1を運転する際は電流制限値を設けてもよい。または、空調装置1かHEMSコントローラー12に節電モードの設定がなされている場合に電流制限値を設けてもよい。空調装置1の消費電力は圧縮機26が約80〜90%、室内送風機25aが約5〜10%、室外送風機27aが約5〜10%を占めるため、空調装置1の電流を制限する場合は圧縮機26の周波数を下げて運転容量を減少させたり、室内送風機25aや室外送風機27aの回転数を下げて風量を減少させる必要がある。電流制限値は、電流制限の無い場合を100%として電流制限値70%といった相対値(%)で表現してもよいし、具体的に電流制限値3A(アンペア)などと絶対値で表現してもよい。
空調装置1かHEMSコントローラー12に節電モードの設定がなされている場合に、例えば電流制限値が70%であれば、圧縮機26の上限周波数を最大周波数の70%に制限したり、室内送風機25aや室外送風機27aの回転数を最大回転数の70%に制限すればよい。電流制限値が3Aの場合、制限無しの運転電流が5Aであれば、圧縮機26の上限周波数を最大周波数の3/5に制限したり、室内送風機25aや室外送風機27aの回転数を最大回転数の3/5に制限してもよい。一般的に制限無しの運転電流は機種ごとに明示されている。
上記では電流制限無しの基準(100%)を圧縮機周波数の最大値や送風機回転数の最大値としたが、これに限らず、通常運転時の圧縮機周波数や送風機回転数を基準として制限を設けてもよい。例えば、電流制限無しの通常制御での圧縮機周波数が50Hzの予定であれば、電流制限値70%の場合は35Hzとする。また、電流制限無しの通常制御での室内送風機が強風設定で回転数1000rpmの予定であれば、電流制限値70%の場合は700rpmとすればよい。
予冷制御又は予暖制御で電流制限値を設けた場合、上記と同様に圧縮機26の周波数や室内送風機25aと室外送風機27aの回転数に制限を設けてもよいし、設定温度Tsetの制御方法を変更してもよい。設定温度Tsetの制御方法を変更する例として、冷房時の圧縮機が設定温度Tsetと室内温度Tinの温度差αが−1℃以下で起動して0℃より大きいときに停止する場合、予冷制御で電流制限値70%なら圧縮機の起動後は温度差αが−0.7℃から0℃の範囲になるよう設定温度を制御する。
【0073】
(効果)電流制限値を設けることで安全性と省エネ性が向上する。
【0074】
通信装置40から空調装置1を運転する際は設定温度Tsetの上限と下限の範囲をリモコン32の操作範囲よりも狭く限定してもよい。または、空調装置1かHEMSコントローラー12に節電モードの設定がなされている場合に設定温度Tsetの上限と下限の範囲をリモコン32の操作範囲よりも狭く限定してもよい。通信装置40から空調装置1を操作する場合、睡眠中の人や小さな子供などリモコン操作ができない人が空調エリアにいると暑さや寒さで健康を損ねる危険があるため、リモコン操作での設定温度よりも範囲を狭くすることでそういった危険を防ぐ。例えば、冷房の場合、リモコンでは設定温度の範囲が20〜30℃を選べても通信装置40の操作では25〜28℃に限定し、暖房の場合、リモコンでは設定温度の範囲が15℃〜25℃を選べても通信装置40の操作では19〜22℃に限定する。
【0075】
(効果)設定温度Tsetの上限と下限の範囲を限定することで安全性と省エネ性が向上する。
【0076】
(空調装置の選択方法)
HEMSに空調装置1が複数台ある場合、携帯電話やパソコンやカーナビなどの通信装置40から操作指令するときにどの空調装置を操作対象とするか選択する必要がある。操作指令用のソフトに空調装置を選択するボタンや選択画面などを設け、1度選択されたら記憶して次回操作するときは自動的にその空調装置が対象となるようにしてもよいし、あらかじめ通信装置40ごとに操作対象となる空調装置を固定登録することとしてもよい。通信装置40と空調装置との組み合わせ情報はHEMSコントローラで記憶してもよいし、通信装置40で記憶してもよい。
【0077】
(効果)HEMSに空調装置1が複数台ある場合、通信装置40から自由に操作対象を選択できれば汎用性が向上する。複数台の空調装置1の中から自動的に操作対象が決定されれば、毎回操作の度に選択する必要がなくなり、利便性が向上する。
【0078】
または、帰宅後の生活パターンを日常的にHEMSコントローラーで記憶しておき、携帯電話やパソコンやカーナビなどの通信装置40から操作指令があったときは生活パターンに応じて自動的に空調装置を選択してもよい。例えば生活パターンの例としては、料理をする、食事をする、テレビを見る、入浴する、眠る、パソコンや読書をするなどがあり、それらの生活パターンに応じてキッチン、ダイニング、リビング、お風呂場、寝室、書斎の空調装置を操作対象として選択する。使用者が複数人いる場合は使用者ごとに生活パターンを記憶しておき、通信装置40の識別から使用者を特定して制御する。HEMSコントローラーで帰宅を検知するには、携帯電話からの情報(Wi−Fi接続有無やGPSの位置情報)によって帰宅を判断し、携帯電話の識別によって使用者を特定してもよいし、インターホンのカメラで顔認識をして使用者を特定してもよい。そして帰宅検知後に、家電や照明の消費電力から生活パターンを分析したり、赤外線、超音波、可視光などの人感センサの出力から生活パターンを分析するなどして、情報を日常的に蓄積する。赤外線、超音波、可視光などのセンサは家の壁や天井に設置されたものでも、空調装置1に内蔵されたものでも、いずれでもよい。
【0079】
(効果)HEMSに空調装置1が複数台あり、帰宅後の生活パターンに応じて複数台の空調装置1の中から自動的に操作対象が決定される場合、空調装置を選択する必要がなくなり、利便性が向上する。
【0080】
(予冷時間の決定方法)
携帯電話やスマートフォンやパソコンやカーナビなどの通信装置40から運転指令があった場合、図4のステップS1で記した在室開始時刻の取得を省略し、ただちに予冷制御を開始してもよい。この場合、図4のステップS3の予冷開始時刻は自動的に通信装置40から運転指令があった時刻とし、図4のステップS13の在室開始時刻かどうかの判定は省略する。
あるいは、携帯電話やスマートフォンやパソコンやカーナビなどの通信装置40から運転指令を送る際に、予冷開始時刻を指定することとしてもよい。
あるいは、通信装置40のGPSによる現在地情報と家の位置情報とを比較して予冷制御の開始を判断してもよい。例えば、カーナビや携帯電話などの通信装置40から運転指令があったときに、現在地は家から30km離れていて予想到着時間は1時間後だった場合はただちに予冷制御は行わず(冷房せず)、現在地と家との距離が所定の距離内に入った場合や予想到着時間が所定時間内になったときに予冷制御を開始する。空調装置1の設定温度や吸込空気温度や外気温度から自動的に求めた最適な予冷時間が20分の場合は、予想到着時間が20分になったら予冷制御を開始する。
【0081】
(効果)帰宅時間が日々異なる場合にも適切な時間に運転を開始できるため、宅内リモコンからの予約運転よりも利便性が向上するとともに不在時の無駄な運転を回避して消費電力量を削減できる。位置情報から自動的に予冷制御の開始を判定することで、さらに利便性が向上するとともに不在時の無駄な運転を回避して消費電力量を削減できる。
【0082】
(使用者が帰宅しなかった場合)
予冷制御又は予暖制御を運転開始した後、所定の時間が経過しても使用者の在室(帰宅)が検知されなかった場合は設定温度Tsetを変更したり、停止してもよい。在室を検知するには、通信装置40の情報(Wi−Fi接続有無やGPSの位置情報)によって判断してもよいし、インターホン(図示省略)のカメラで検知してもよい。または、リモコン32の入力操作で在室検知したり、室内空間Aに取り付けられているパソコン2やIHクッキングヒーター3やレンジグリル4や照明5やテレビ等(図示省略)の使用情報をHEMSコントローラーで収集して在室検知に用いてもよい。あるいは電力計測器9の消費電力を分析して在室検知に用いてもよい。また、空調装置1やその他の機器に設けられた赤外線等を利用した人感センサなどによる人検知情報や、室内空間Aに取り付けられているドアや窓(図示省略)の開閉情報を在室検知に用いてもよい。
所定時間後に不在の場合の設定温度Tsetは特定の温度を固定して決めてもよいし、本来の目標温度との相対値で冷房の場合は2℃高く暖房の場合は2℃低くするなど設定してもよい。
【0083】
(効果)予冷制御又は予暖制御を運転開始した後、所定の時間が経過しても使用者の在室(帰宅)が検知されなかった場合は設定温度Tsetを変更したり停止することで、急な用事で帰宅が予定より遅れた場合も、不在時の無駄な運転を回避して消費電力量を削減できる。
【0084】
なお、上記実施の形態において、実行されるプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read−Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto−Optical Disk)等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムをインストールすることにより、上述の処理を実行するシステムを構成することとしてもよい。
【0085】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしてもよい。
【0086】
また、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。
【0087】
なお、本発明は、上記実施の形態及び図面によって限定されるものではない。本発明の要旨を変更しない範囲で実施の形態及び図面に変更を加えることができるのはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、在室時間前に冷房や暖房を行う空気調和システムに好適である。
【符号の説明】
【0089】
1 空調装置、2 パソコン、3 IHクッキングヒータ、4 レンジグリル、5 照明、9 電力計測器、12 HEMSコントローラ、30a 室外機の計測制御装置、30b 室内機の計測制御装置、32 リモコン、40 通信装置。
図1
図2
図3
図4