特許第6025853号(P6025853)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許60258533,4−二置換ピリジン化合物、その使用方法、および、該化合物を含む組成物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6025853
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】3,4−二置換ピリジン化合物、その使用方法、および、該化合物を含む組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4418 20060101AFI20161107BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20161107BHJP
   A61K 31/426 20060101ALI20161107BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20161107BHJP
   A61P 19/06 20060101ALI20161107BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20161107BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20161107BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20161107BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20161107BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20161107BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20161107BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20161107BHJP
   A61P 5/18 20060101ALI20161107BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20161107BHJP
   A61K 31/4196 20060101ALI20161107BHJP
   C07D 213/70 20060101ALN20161107BHJP
【FI】
   A61K31/4418
   A61K45/00
   A61K31/426
   A61K31/519
   A61P19/06
   A61P19/02
   A61P29/00
   A61P9/12
   A61P9/00
   A61P13/12
   A61P13/02
   A61P17/06
   A61P5/18
   A61P37/06
   A61K31/4196
   !C07D213/70
【請求項の数】15
【全頁数】61
(21)【出願番号】特願2014-540154(P2014-540154)
(86)(22)【出願日】2012年11月2日
(65)【公表番号】特表2014-532726(P2014-532726A)
(43)【公表日】2014年12月8日
(86)【国際出願番号】US2012063415
(87)【国際公開番号】WO2013067425
(87)【国際公開日】20130510
【審査請求日】2015年10月30日
(31)【優先権主張番号】61/555,450
(32)【優先日】2011年11月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/616,363
(32)【優先日】2012年3月27日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510146366
【氏名又は名称】アルデア バイオサイエンシーズ インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】イエー,リ−テイン
(72)【発明者】
【氏名】クオート,バリー,ディー.
【審査官】 三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5551310(JP,B2)
【文献】 国際公開第2011/126852(WO,A1)
【文献】 国際公開第2001/091796(WO,A1)
【文献】 特表2011−504935(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/028189(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/4418
A61K 31/4196
A61K 31/426
A61K 31/519
A61K 45/00
A61P 5/18
A61P 9/00
A61P 9/12
A61P 13/02
A61P 13/12
A61P 17/06
A61P 19/02
A61P 19/06
A61P 29/00
A61P 37/06
C07D 213/70
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの血清尿酸値を下げる薬物の製造のための、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、または、その薬学的に許容可能な塩の使用であって、前記薬物は1日当たり50mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与に適している、使用。
【請求項2】
薬物は1日当たり約20mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与のために処方される、請求項に記載の使用。
【請求項3】
薬物は1日当たり20mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与のために処方される、請求項に記載の使用。
【請求項4】
薬物は1日当たり約5mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与のために処方される、請求項に記載の使用。
【請求項5】
薬物は1日当たり5mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与のために処方される、請求項に記載の使用。
【請求項6】
薬物は1日当たり約10mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与のために処方される、請求項に記載の使用。
【請求項7】
薬物は1日当たり10mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与のために処方される、請求項に記載の使用。
【請求項8】
薬物は投与の24時間後に血清尿酸値を少なくとも1mg/dL下げるように処方される、請求項1乃至7のいずれか1つに記載の使用。
【請求項9】
薬物は投与の24時間後に血清尿酸値を基準値から少なくとも20%下げるように処方される、請求項1乃至8のいずれか1つに記載の使用。
【請求項10】
組織または器官の異常な尿酸レベルによって特徴付けられた疾病を処置または予防するための、請求項1乃至9のいずれか1つに記載の使用。
【請求項11】
疾病は、痛風、再発性の痛風発作、痛風関節炎、高尿酸血症、高血圧症、心疾患、冠動脈心疾患、レッシュ−ナイハン症候群、ケリー・シーグミラー症候群、腎臓病、腎結石、腎不全、関節の炎症、関節炎、尿路結石症、鉛中毒、副甲状腺機能亢進症、乾癬、サルコイドーシス、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)欠乏、または、これらの組み合わせである、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
疾病は痛風である、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
痛風の処置に有効な第2の薬剤とともに投与されるために処方される薬物が、ヒトに投与される、請求項1乃至12のいずれか1つに記載の使用。
【請求項14】
第2の薬剤は、URAT1阻害剤、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、キサンチンデヒドロゲナーゼ、キサンチンオキシドリダクターゼ阻害剤、または、これらの組み合わせである、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
URAT1阻害剤は、2−((5−ブロモ−4−(4−シクロプロピル−1−ナフタレニル)−4H−1,2,4−トリアゾル−3−イル)チオ)酢酸、または、その薬学的に許容可能な塩である、請求項14に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<相互参照>
本出願は、2011年10月3日に出願連続物された米国特許出願第61/553,094号と、2012年3月27日に出願された米国特許出願第61/607,487連続物号の利益を主張するものであり、これらはそのまま引用されることによって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
尿酸はキサンチンの酸化の結果である。尿酸代謝の障害は、限定されないが、赤血球増加症、骨髄化生、痛風、再発性の痛風発作、痛風関節炎、高尿酸血症、高血圧症、心疾患、冠動脈心疾患、レッシュ−ナイハン症候群、ケリー−シーグミラー症候群、腎臓病、腎結石、腎不全、関節の炎症、関節炎、尿路結石症、鉛中毒、副甲状腺機能亢進症、乾癬、または、サルコイドーシスを含む。
【発明の概要】
【0003】
特定の実施形態では、ヒトの血清尿酸値を下げる際に使用される化合物が本明細書で提供され、化合物は、2−((3−(4−シアノナフタレン(cyanonaphthalen)−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、または、その薬学的に許容可能な塩である。
【0004】
使用される化合物の幾つかの実施形態において、1日当たり100mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩がヒトに投与される。特定の実施形態では、1日当たり50mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩がヒトに投与される。幾つかの実施形態では、1日当たり40mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩がヒトに投与される。特定の実施形態では、1日当たり20mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩がヒトに投与される。幾つかの実施形態では、1日当たり20mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩がヒトに投与される。特定の実施形態では、1日当たり約5mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩がヒトに投与される。特定の実施形態では、1日当たり5mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸がヒトに投与される。幾つかの実施形態では、1日当たり約2mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩がヒトに投与される。特定の実施形態では、1日当たり2mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩がヒトに投与される。幾つかの実施形態では、1日当たり約1mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸がヒトに投与される。
【0005】
使用される化合物の特定の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の24時間後に、血清尿酸値は少なくとも0.5mg/dL下がる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の24時間後に、血清尿酸値は少なくとも0.8mg/dL下がる。特定の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の24時間後に、血清尿酸値は少なくとも1mg/dL下がる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の24時間後に、血清尿酸値は少なくとも2mg/dL下がる。特定の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の24時間後に、血清尿酸値は少なくとも3mg/dL下がる。
【0006】
幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の48時間後に、血清尿酸値は少なくとも0.5mg/dL下がる。特定の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の48時間後に、血清尿酸値は少なくとも1mg/dL下がる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の48時間後に、血清尿酸値は少なくとも3mg/dL下がる。
【0007】
特定の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の72時間後に、血清尿酸値は少なくとも0.5mg/dL下がる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の72時間後に、血清尿酸値は少なくとも1mg/dL下がる。特定の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の72時間後に、血清尿酸値は約2mg/dL下がる。
【0008】
使用される化合物の幾つかの実施形態において、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後、血清尿酸値は基準値から少なくとも15%下がる。特定の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の24時間後に、血清尿酸値は基準値から少なくとも20%下がる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の24時間後に、血清尿酸値は基準値から少なくとも30%下がる。特定の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の24時間後に、血清尿酸値は基準値から少なくとも40%下がる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の24時間後に、血清尿酸値は基準値から約20%下がる。特定の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の24時間後に、血清尿酸値は基準値から約40%下がる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の24時間後に、血清尿酸値は基準値から約60%下がる。
【0009】
特定の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の48時間後に、血清尿酸値は基準値から約10%下がる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の48時間後に、血清尿酸値は基準値から少なくとも20%下がる。特定の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の48時間後に、血清尿酸値は基準値から少なくとも30%下がる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の48時間後に、血清尿酸値は基準値から約40%下がる。特定の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の48時間後に、血清尿酸値は基準値から約50%下がる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の72時間後に、血清尿酸値は基準値から少なくとも15%下がる。特定の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の72時間後に、血清尿酸値は基準値から少なくとも20%下がる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の72時間後に、血清尿酸値は基準値から約20%下がる。特定の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の72時間後に、血清尿酸値は基準値から約30%下がる。
【0010】
特定の実施形態では、化合物は、異常な尿酸の組織レベルまたは器官レベルによって特徴付けられる疾病を処置または予防する際に使用される。幾つかの実施形態では、疾病は、痛風、再発性の痛風発作、痛風関節炎、高尿酸血症、高血圧症、心疾患、冠動脈心疾患、レッシュ−ナイハン症候群、ケリー・シーグミラー症候群、腎臓病、腎結石、腎不全、関節の炎症、関節炎、尿路結石症、鉛中毒、副甲状腺機能亢進症、乾癬、サルコイドーシス、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)欠乏、または、これらの組み合わせである。具体的な実施形態において、疾病は痛風である。
【0011】
使用される化合物の実施形態では、痛風の処置に有効な第2の薬剤がヒトに投与される。幾つかの実施形態では、第2の薬剤は、URAT1阻害剤、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、キサンチンデヒドロゲナーゼ、キサンチンオキシドリダクターゼ阻害剤、または、これらの組み合わせである。特定の実施形態において、URAT1阻害剤は、2−((5−ブロモ−4−(4−シクロプロピル−1−ナフタレニル)−4H−1,2,4−トリアゾル−3−イル)チオ)酢酸、または、その薬学的に許容可能な塩である。幾つかの実施形態では、キサンチンオキシダーゼ阻害剤は、アロプリノールまたはフェブキソスタットである。
【0012】
特定の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩をヒトに投与する工程を含む、ヒトの血清尿酸値を低下させる方法が本明細書で提供される。
【0013】
幾つかの実施形態では、方法は、100mg未満、1日当たり50mg未満、1日当たり約40mg、1日当たり約20mg、1日当たり20mg未満、1日当たり約5mg、1日当たり5mg未満、1日当たり約2mg、1日当たり2mg未満、または、1日当たり約1mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸または薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。
【0014】
幾つかの実施形態では、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の24時間後に、少なくとも0.5mg/dL、少なくとも0.8mg/dL、少なくとも1mg/dL、少なくとも2mg/dL、または、少なくとも3mg/dL下がる。特定の実施形態では、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の48時間後に、少なくとも0.5mg/dL、少なくとも1mg/dL、または少なくとも3mg/dL下がる。特定の実施形態では、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の72時間後に、少なくとも0.5mg/dL、少なくとも1mg/dL、または2mg/dL下がる。
【0015】
幾つかの実施形態では、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の24時間後に、基準値から少なくとも15%、基準値から少なくとも20%、基準値から少なくとも30%、基準値から少なくとも40%、基準値から約20%、または、基準値から約40%、基準値から約60%下がる。幾つかの実施形態では、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の48時間後に、基準値から約10%、基準値から少なくとも20%、基準値から少なくとも30%、基準値から約40%、または基準値から約50%下がる。特定の実施形態では、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の72時間後に、基準値から少なくとも15%、基準値から少なくとも20%、基準値から約20%、または基準値から約30%下がる。
【0016】
特定の実施形態では、方法は、異常な尿酸の組織レベルまたは器官レベルによって特徴付けられた状態を処置または予防するためのものである。特定の実施形態では、疾病は、痛風、再発性の痛風発作、痛風関節炎、高尿酸血症、高血圧症、心疾患、冠動脈心疾患、レッシュ−ナイハン症候群、ケリー・シーグミラー症候群、腎臓病、腎結石、腎不全、関節の炎症、関節炎、尿路結石症、鉛中毒、副甲状腺機能亢進症、乾癬、サルコイドーシス、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)欠乏、または、これらの組み合わせである。具体的な実施形態において、疾病は痛風である。
【0017】
特定の実施形態では、方法は、痛風の処置に有効な第2の薬剤を投与する工程をさらに含む。幾つかの実施形態では、第2の薬剤は、URAT1阻害剤、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、キサンチンデヒドロゲナーゼ、キサンチンオキシドリダクターゼ阻害剤、または、これらの組み合わせである。特定の実施形態において、URAT1阻害剤は、2−((5−ブロモ−4−(4−シクロプロピル−1−ナフタレニル)−4H−1,2,4−トリアゾル−3−イル)チオ)酢酸、あるいは、その薬学的に許容可能な塩またはエステルである。幾つかの実施形態では、キサンチンオキシダーゼ阻害剤は、アロプリノールまたはフェブキソスタットである。
【0018】
特定の実施形態では、ヒトの血清尿酸値を下げるための薬物の製造における化合物の使用が本明細書で提供され、化合物は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、または、その薬学的に許容可能な塩である。
【0019】
薬物の製造における化合物の使用の幾つかの実施形態において、1日当たり100mg未満の、1日当たり50mg未満の、1日当たり約40mgの、1日当たり20mg未満の、1日当たり約20mgの、1日当たり5mg未満の、1日当たり約5mgの、1日当たり2mg未満の、1日当たり約2mgの、または、1日当たり約1mgの2−((3−(4−シアノナフタレン1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸がヒトに投与される。
【0020】
薬物の製造における化合物の使用の特定の実施形態において、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸またはその薬学的に許容可能な塩の投与の24時間後に、血清尿酸値は少なくとも0.5mg/dL、少なくとも0.8mg/dL、少なくとも1mg/dL、少なくとも2mg/dL、または少なくとも3mg/dL下がる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の48時間後に、血清尿酸値は、少なくとも0.5mg/dL、少なくとも1mg/dL、または、少なくとも3mg/dL下がる。特定の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の72時間後に、血清尿酸値は、少なくとも0.5mg/dL、少なくとも1mg/dL、または約2mg/dL下がる。
【0021】
薬物の製造における化合物の使用の特定の実施形態において、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に、血清尿酸値は、基準値から少なくとも15%、基準値から少なくとも20%、基準値から少なくとも30%、基準値から少なくとも40%、基準値から約20%、基準値から約40%、または、基準値から約60%下がる。特定の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の48時間後に、血清尿酸値は、基準値から約10%、基準値から少なくとも20%、基準値から少なくとも30%、基準値から約40%、または、基準値から約50%下がる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、またはその薬学的に許容可能な塩の投与の72時間後に、血清尿酸値は、基準値から少なくとも15%、基準値から少なくとも20%、基準値から約20%、または基準値から約30%下がる。
【0022】
薬物の製造における化合物の使用の特定の実施形態では、薬物は、異常な尿酸の組織レベルまたは器官レベルによって特徴付けられた状態を処置または予防する際に使用される。幾つかの実施形態では、疾病は、痛風、再発性の痛風発作、痛風関節炎、高尿酸血症、高血圧症、心疾患、冠動脈心疾患、レッシュ−ナイハン症候群、ケリー・シーグミラー症候群、腎臓病、腎結石、腎不全、関節の炎症、関節炎、尿路結石症、鉛中毒、副甲状腺機能亢進症、乾癬、サルコイドーシス、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)欠乏、または、これらの組み合わせである。具体的な実施形態において、疾病は痛風である。
【0023】
薬物の製造における化合物の使用の特定の実施形態では、薬物は、痛風の処置に有効な第2の薬剤とともに投与される。幾つかの実施形態では、第2の薬剤は、URAT1阻害剤、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、キサンチンデヒドロゲナーゼ、キサンチンオキシドリダクターゼ阻害剤、または、これらの組み合わせである。特定の実施形態において、URAT1阻害剤は、2−((5−ブロモ−4−(4−シクロプロピル−1−ナフタレニル)−4H−1,2,4−トリアゾル−3−イル)チオ)酢酸、あるいは、その薬学的に許容可能な塩またはエステルである。幾つかの実施形態では、キサンチンオキシダーゼ阻害剤は、アロプリノールまたはフェブキソスタットである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の新規な特徴は、とりわけ添付の特許請求の範囲で説明される。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が用いられる実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面とを引用することによって得られるであろう。
【0025】
図1A】実施例3に記載される試験の間に事象の一覧の略図を示す。
図1B】実施例5に記載される試験の間に事象の一覧の略図を示す。
図2A】群1(2mg、絶食)に関して投与後0−72時間後に測定された絶対血清尿酸濃度(mg/dL)を示す。被験体1および2はプラセボを摂取した。被験体3−8は活性薬剤を摂取した。
図2B】群1(2mg、絶食)に関して投与後0−72時間後に測定された基準値からの%血清尿酸変化を示す。被験体1および2はプラセボを摂取した。被験体3−8は活性薬剤を摂取した。
図3A】群2(5mg、絶食)に関して投与後0−72時間に測定された絶対血清尿酸濃度(mg/dL)を示す。被験体1および2はプラセボを摂取した。被験体3−8は活性薬剤を摂取した。
図3B】群2および3(5mg、それぞれ絶食した、および、栄養摂取した)に関して投与後0−72時間に測定された基準値からの%血清尿酸変化を示す。被験体1および2はプラセボを摂取した。被験体3−8は活性薬剤を摂取した。
図4A】群4および5(20mg、それぞれ絶食した、および、栄養摂取した)に関して投与後0−72時間に測定された絶対血清尿酸濃度(mg/dL)を示す。被験体1および2はプラセボを摂取した。被験体3−8は活性薬剤を摂取した。
図4B】群4および5(20mg、それぞれ絶食した、および、栄養摂取した)に関して投与後0−72時間に測定された基準値からの%血清尿酸変化を示す。被験体1および2はプラセボを摂取した。被験体3−8は活性薬剤を摂取した。
図5A】群6(40mg、絶食)に関して投与後0−72時間に測定された絶対血清尿酸濃度(mg/dL)を示す。被験体1および2はプラセボを摂取した。被験体3−8は活性薬剤を摂取した。
図5B】群6(40mg、絶食)に関して投与後0−72時間に測定された基準値からの%血清尿酸変化を示す。被験体1および2はプラセボを摂取した。被験体3−8は活性薬剤を摂取した。
図6A】群1、2、4、および、6(それぞれ2mg、5mg、20mg、および40mg、すべて絶食)に関して投与後0−72時間に測定された絶対血清尿酸濃度(mg/dL)を示す。
図6B】群1、2、4、および、6(それぞれ2mg、5mg、20mg、および40mg、すべて絶食)に関して投与後0−72時間に測定された基準値からの%血清尿酸変化を示す。
図7A】実施例6Aに記載されるように、群7の12の被験体(1mg、10日間毎日1回)に関して基準時点(0−9日目までは一日一回の投与時、加えて、10−13日目は投与後)で測定された、絶対血清尿酸濃度(mg/dL;平均的なプラセボ被験体1、2および3; および、平均的な活発な被験体4−12)を示す。
図7B】実施例6Aに記載されているように、群7の12の被験体(1mg、10日間毎日1回)に関して基準時点(0−9日目までは一日一回の投与時、加えて、10−13日目は投与後)で測定された、基準値からの%血清尿酸変化(mg/dL;平均的なプラセボ被験体1、2および3; および、平均的な活発な被験体4−12)を示す。
図8A】実施例6Bに記載されているように、群8の10の被験体(5mg、10日間毎日1回)に関して基準時点(0−9日目までは一日一回の投与時、加えて、10−13日目は投与後)で測定された、絶対血清尿酸濃度(mg/dL;平均的なプラセボ被験体1、2および3; および、平均的な活発な被験体4−10)を示す。
図8B】実施例6Bに記載されているように、群8の10の被験体(1mg、10日間毎日1回)に関して基準時点(0−9日目までは一日一回の投与時、加えて、10−13日目は投与後)で測定された、基準値からの%血清尿酸変化(mg/dL;平均的なプラセボ被験体1、2および3; および、平均的な活発な被験体4−10)を示す。
図9A】実施例に6Cに記載されているように、群9の11の被験体(10mg、10日間毎日1回)に関して基準時点(0−9日目までは一日一回の投与時、加えて、10−13日目は投与後)で測定された、絶対血清尿酸濃度(mg/dL;平均的なプラセボ被験体1、2および3; および、平均的な活発な被験体4−11)を示す。
図9B】実施例に6Cに記載されているように、群9の11の被験体(10mg、10日間毎日1回)に関して基準時点(0−9日目までは一日一回の投与時、加えて、10−13日目は投与後)で測定された、基準値からの%血清尿酸変化(mg/dL;平均的なプラセボ被験体1、2および3; および、平均的な活発な被験体4−11)を示す。
図10A】実施例6に記載されているように、群7、8、および、9(それぞれ、1mg、5mg、および、10mg。10日間毎日1回。プラセボ群をプールする(pool))に関して基準時点(0−9日目までは一日一回の投与時、加えて、10−13日目は投与後)で測定された、絶対血清尿酸濃度(mg/dL)を示す。
図10B】実施例6に記載されているように、群7、8、および、9(それぞれ、1mg、5mg、および、10mg。10日間毎日1回。プラセボ群をプールする)に関して基準時点(0−9日目までは一日一回の投与時、加えて、10−13日目は投与後)で測定された、基準値からの平均的な%血清尿酸変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の新規な特徴は、とりわけ添付の特許請求の範囲で説明される。本発明の特徴および利点のより良い理解は、本発明の原理が用いられる例示的な実施形態を説明する以下の詳細な記載を引用することによって得られるであろう。
【0027】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され記載されているが、このような実施形態はほんの一例として提供されることが当業者には明らかであろう。多くの変更、変化および置換が、本発明から逸脱することなく、当業者の心に思い浮かぶであろう。当然のことながら、本明細書に記載される発明の実施形態に対する様々な代替物が本発明を実行するために用いられてもよい。以下の請求項は本発明の範囲を定義するものであり、この請求項とその均等物の範囲内の方法および構造体がそれによって包含されるものであるということが意図されている。
【0028】
本明細書で使用される段落の表題は、組織的に用いるために過ぎず、記載された請求項に係る主題を制限するものとして解釈されるべきものではない。
【0029】
(特定の化学用語)
用語「患者」、「被験体」、または、「個体」は、交互に使用される。本明細書で使用されるように、これらの用語は、障害などに苦しんでいる個体を指し、哺乳類と非哺乳類を包含する。これらの用語のいずれも、個体が医療専門家の保護下および/または監視下にいることを必要としない。哺乳動物は、限定されないが、ヒト、チンパンジーのようなヒト以外の霊長動物、および、他の類人猿およびサル種、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタのような家畜;ウサギ、イヌ、および、ネコのような家庭動物;ラット、マウスおよびモルモットのようなげっ歯類などを含む実験動物。非哺乳動物の例は、鳥類や魚類などを含むが、これらに限定されない。本明細書にもたらされる方法および組成物のいくつかの実施形態において、個体は哺乳動物である。好ましい実施形態では、個体はヒトである。
【0030】
本明細書で用いられるような単語「処置する」、「処置している」、または、「処置」、および、文法的に同義のものは、疾患または疾病あるいはその1以上の症状を軽減、減少、または改善すること、さらなる症状を予防すること、症状の根本的な代謝の原因を改善または予防すること、疾患または疾病を抑制すること、例えば、疾患または疾病の進行を停止すること、疾患または疾病を緩和すること、疾患または疾病を退行させること、疾患または疾病により生じる状態を緩和すること、あるいは、疾患または疾病の症状を止めることを含み、予防法を含むように意図されている。これらの用語は、治療効果および/または予防効果を達成することをさらに含む。治療効果は、基礎疾患の根絶または改善が処置されることを意味する。同様に、治療効果は、個体が基礎疾患に依然として苦しんでいるにもかかわらず、基礎疾患に関連した生理的症状の1またはそれ以上の根絶または改善によって達成され、その結果、その個体において改善が観察される。予防効果については、組成物は、たとえその診断がなされていなくても、特定の疾患を進行させるリスクのある個体、または、疾患の生理的症状の1またはそれ以上を報告する個体に投与される。
【0031】
用語「約(about)」とは、当業者が列挙された値(例えば、同じ機能または結果を有する)と同等であるとみなす、広範な数を一般に指す。多くの例において、用語「約」は、最も近い有効数字に四捨五入される数を含んでもよい。好ましい例では、用語「約」は、所定の値または範囲の10%以内を意味する。
【0032】
本明細書で使用されるような用語「投与する」「投与している」、「投与」などは、生物作用の所望の部位への化合物または組成物の送達を可能にするために使用されてもよい方法を指す。これらの方法は、限定されないが、経口経路、十二指腸内経路、注射剤(静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、血管内、または、点滴)、局所的および直腸への投与を含む。当業者は、本明細書に記載される化合物および方法で使用され得る投与技術に精通している。好適な実施形態では、本明細書に記載される化合物および組成物は経口で投与される。
【0033】
本明細書に使用されるような用語「有効な量」、「治療上有効な量」、または、「薬学的に有効な量」は、処置されている疾患または疾病の1以上の症状をある程度和らげる、投与される少なくとも1つの薬剤または化合物の有効な量を指す。その結果は、疾患の徴候、症状、または原因が減少および/または軽減され得るか、あるいは、生物系の任意の他の所望の変化がもたらされ得る。例えば、治療用途のための「有効な量」は、疾患の臨床的に深刻な減少を提供するのに必要な2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を含む組成物の量である。適切な「有効な」量は、個体によって異なることがある。任意の個体における適切な「有効な」量は、用量増加試験などの技術を使用して定められてもよい。
【0034】
製剤、組成物または成分に関して本明細書で使用されるような用語「許容可能な」とは、処置されている個体の健康全般に対して持続的な悪影響がないことを意味する。
【0035】
本明細書で用いられるような用語「薬学的に許容可能な」とは、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の生物学的な活性または特性を抑制せず、比較的無毒な担体または希釈剤等の物質を指し、すなわち、この物質は、望ましくない生物学的効果を引き起こさずに、かつ、物質が含まれる組成物のいかなる成分とも有害な方法では相互作用せずに、個体に投与可能であってもよい。
【0036】
本明細書で使用されるような用語「プロドラッグ」は、個体への投与とその後の吸収の後に、代謝経路による変換などのいくつかの過程を介して、活性な、またはより活性な種へと変換される、薬物前駆体を指す。したがって、この用語は、レシピエントへの投与後、直接的にまたは間接的に、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、あるいは、その薬学的に活性な代謝物または残基を提供することができる、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の任意の誘導体を包含する。プロドラッグの中には、活性を和らげ、および/または、薬物に溶解度あるいはいくつかの他の特性を加える、プロドラッグ上に存在する化学基を有するものもある。ひとたび化学基がプロドラッグから開裂および/または修飾されると、活性な薬物が生じる。いくつかの状況では、プロドラッグは親薬物よりも投与しやすいという理由から、しばしば役に立つことがある。プロドラッグは例えば、経口投与により生物利用が可能となることがある一方で、親薬物はそうはならない。とりわけ好ましい誘導体またはプロドラッグは、(例えば、経口投与された化合物を血液に容易に吸収させることによって)個体に投与すると、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の生物学的利用能を増加させる、あるいは、生物学的区画(例えば、脳またはリンパ系)への親化合物の送達を増強するものである。
【0037】
本明細書で使用されるような用語「薬学的に許容可能な塩」は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の遊離酸と遊離塩基の生物学的効果を維持するとともに、生物学的で望ましくないわけでなく、かつ、それ以外でも望ましくないわけではない、塩を指す。2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は、薬学的に許容可能な塩を形成するために、無機塩基または有機塩基、および、無機酸と有機酸に反応してもよい。これらの塩は、最終的な分離および精製の間に、あるいは、有機塩基形態の精製された化合物を適切な有機酸または無機酸で別々に反応させ、および、そのようにして形成された塩を分離することによって、インサイツで調製され得る。
【0038】
本明細書で使用されるような用語「医薬組成物」は、限定されないが、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、賦形剤などの少なくとも1つの薬学的に許容可能な化学成分と随意に混合した生物学的に活性な化合物を指す。
【0039】
本明細書で使用されるような用語「担体」は、細胞または組織への化合物の取り込みを促進する、比較的毒性のない化合物または化学薬品を指す。
【0040】
本明細書で使用されるような用語「薬学的な組み合わせ」、「追加治療を施すこと」、および、「追加治療薬を投与すること」などは、1以上の活性成分の混合または組み合わせに由来する薬物療法を指し、活性成分の固定した組み合わせと固定していない組み合わせの両方を含んでいる。用語「固定した組み合わせ」とは、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸と少なくとも1つの助剤(co−agent)が両方とも、単一の実体または投与量の形で個体に同時投与されることを意味している。用語「固定されていない組み合わせ」とは、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸と少なくとも1つの助剤が、様々な介入の時間制限を設けて、同時に、共に、または、別々に、別々の実体として個体に投与されることを意味しており、このような投与は個体の体内に有効なレベルの2またはそれ以上の化合物を提供する。これらはカクテル療法、例えば、3以上の活性成分の投与に適用される。
【0041】
本明細書で使用されるような用語「同時投与」、「〜と組み合わせて投与」および、文法的に同義のものは、一人の個体への選択された治療薬の投与を包含することを意味しており、および、治療薬が同じまたは異なる投与経路によって、あるいは、同じまたは異なる時間に投与される処置計画を包含するように意図されている。幾つかの実施形態において、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は他の剤と同時投与される。これらの用語は動物への2またはそれ以上の治療薬の投与を包含するため、両方の治療薬および/またはその代謝産物が同時に動物のなかに存在する。これらの用語は、個別の組成物での同時投与、個別の組成物での異なる時間の投与、および/または、両方の治療薬が存在する組成物での投与を含んでいる。したがって、幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸および別の薬剤は、単一の組成物で投与される。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸および別の薬剤は組成物で混合される。
【0042】
本明細書で使用されるような用語「代謝産物」は、化合物が代謝されるときに形成される、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の誘導体を指す。
【0043】
本明細書で使用されるような用語「活性代謝物」は、化合物が代謝されるときに形成される、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の生物学的に活性な誘導体を指す。
【0044】
本明細書で使用されるような用語「代謝された」は、特定の物質が有機体によって変化するプロセス全体(限定されないが、加水分解反応および酵素によって触媒された反応などを含む)を指す。従って、酵素は、化合物への特定の構造的変化をもたらし得る。例えば、チトクロームP450は、様々な酸化反応および還元反応を触媒する一方で、ウリジン二リン酸グルクロニルトランスフェラーゼは、芳香族アルコール、脂肪族アルコール、カルボン酸、アミン、および、遊離スルフィヒドリル基への活性化グルクロン酸分子の転移を触媒する。代謝についてのさらなる情報は、The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th Edition, McGraw−Hill (1996)」から得られる。
【0045】
(投与方法)
幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は、医薬組成物中で、単独でまたは薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤と組み合わせて投与される。2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の作用部位への送達を可能にする任意の方法によって投与を実現化することができる。これらの方法は、限定されないが、腸内経路(経口、胃、十二指腸の栄養管、肛門坐薬、および、肛門浣腸を含む)、非経口経路(動脈内、心臓内、皮内、十二指腸内、髄内、筋肉内、骨内、腹腔内、髄腔内、血管内、静脈内、硝子体内、硬膜外、および、皮下を含む注射または点滴)、吸入の、経皮的、経粘膜的、舌下の、頬側の、および、局所的な(皮膚上、経皮、浣腸、点眼、点耳、鼻腔内、膣を含む)投与を含むが、最も適切な経路は、例えば、レシピエントの疾病と障害に依存することもある。ほんの一例として、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は、例えば、手術中の局所注入、クリームまたは軟膏の局所的な塗布、注射、カテーテル、または、移植片によって、処置を必要としている領域に局所的に投与可能であり、前記移植片は、シアラスティック膜(sialastic membrane)といった膜や繊維を含む、例えば、多孔性、非多孔性、または、ゼラチン性の材料で作られる。投与は、病変組織または器官の部位での直接注射によっても可能である。
【0046】
幾つかの実施形態では、経口投与に適した製剤は、それぞれがあらかじめ決められた量の活性成分を包含しているカプセル、カシェー、または、錠剤などの別の単位として、粉末または顆粒として、水性液または非水性液中の溶液または懸濁液として、あるいは、水中油型乳濁液または油中水型乳濁液として、調製される。いくつかの実施形態では、活性成分は、巨丸剤(bolus)、舐剤、または、ペースト剤として提示される。
【0047】
経口で使用可能な医薬製剤は、錠剤、ゼラチンで作られた押し込み式カプセルと、グリセロールまたはソルビトールなどの、ゼラチンおよび可塑剤で作られた密閉された軟カプセルを含む。錠剤は、随意に1またはそれ以上の副成分を含んで、圧縮または成形によって作られる。圧縮錠剤は、随意に結合剤、不活性希釈剤、または、平滑剤、界面活性薬剤あるいは分散剤と混合された、粉末または果粒などの自由流動形態で、活性成分を適切な機械で圧縮することによって調製されてもよい。成形された錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を適切な機械で成型することにより作られてもよい。いくつかの実施形態では、錠剤はコーティングまたは分割され(scored)、内部の活性成分の徐放または制御放出を提供するように製剤される。経口投与のためのすべての製剤は、そのような投与に適した用量でなければならない。押し込み型カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/または、タルクあるいはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、および、随意に安定剤の混合物中に活性成分を含むことができる。軟カプセルでは、活性化合物は、脂肪油、流動パラフィンまたは液体のポリエチレングリコールのような適切な液体に溶かされてもよく、または、懸濁してもよい。いくつかの実施形態では、安定剤が加えられる。ドラゼーコアには適切なコーティングが提供される。この目的のために、濃縮された糖溶液が使用されてもよく、該糖溶液は、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、および/または、二酸化チタン、ラッカー溶液、および、適切な有機溶剤または溶媒混合液を随意に含んでもよい。染料またはピグメントは、同定のために、または、活性化合物用量の異なる組み合わせを特徴付けるために、錠剤またはドラジェーのコーティングに加えられる。
【0048】
幾つかの実施形態において、医薬製剤は、注射、例えば、ボーラス注入または持続注入による、非経口投与のために処方される。注射用の製剤は、単位剤形、例えば、追加の保存剤を含む、アンプルまたは複数回投与容器で提示されてもよい。組成物は、油性または水溶性のビヒクルにおいて、懸濁液、溶液または乳濁液のような形態をとり、懸濁剤、安定剤、および/または、分散剤などの製剤化剤を含む。製剤は、単一用量または複数回用量の容器、例えば、密封されたアンプルおよびバイアルにおいて提示され、使用の直前に、無菌の液体担体、例えば、塩水または無菌の発熱性物質除去蒸留水の追加することのみを必要とする、粉末形態または冷凍乾燥(凍結乾燥)状態で貯蔵される。即席の注射液および懸濁液は、以前に記載された種類の無菌の粉末剤、果粒剤および錠剤から調製される。
【0049】
非経口投与のための製剤は、所望のレシピエントの血液によって製剤を等張性にする、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、および、溶質を含む活性化合物の水性および非水性(油性)の無菌の注射溶液と、懸濁化剤と増粘剤を含み得る、水性および非水性の無菌の懸濁液を含んでいる。適切な親油性の溶媒またはビヒクルは、ゴマ油のような脂肪油、あるいは、オレイン酸エチルまたはトリグリセリドのような合成の脂肪酸エステル、あるいは、リポソームを含んでいる。水性の注入用懸濁剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、または、デキストランのような懸濁剤の粘度を増加させる物質を含んでもよい。随意に、懸濁液はさらに、高濃度溶液の調製を可能にするために、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の溶解度を増加させる、適切な安定剤または薬剤を包含してもよい。
【0050】
医薬製剤はさらにデボー製剤として処方されてもよい。このような長期間作用型製剤は、移植(例えば、皮下または筋肉内に)または筋肉内注射によって投与されてもよい。したがって、例えば、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は、適切なポリマーまたは疎水性材料(例えば、許容可能な油中の乳濁液として)、または、イオン交換樹脂とともに、あるいは、難溶性の誘導体、例えば、難溶性の塩として、処方されてもよい。
【0051】
口腔内投与または舌下投与に関して、組成物は、従来の方法で処方された錠剤、ロゼンジ、パスティル、または、ゲルの形態をとってもよい。このような組成物は、蔗糖およびアラビアゴムまたはトラガカントゴムなどの香料ベースの活性成分を含む。
【0052】
医薬製剤は同様に、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、または、他のグリセリドなどの従来の坐剤基剤を含む、坐剤または停留浣腸剤(retention enemas)などの直腸の組成物で処方される。
【0053】
医薬製剤は、局所的に、すなわち、非全身投与によって投与されてもよい。これは、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の外部から上皮または口腔への適用、および、耳、目並びに鼻への滴下注入を含んでおり、その結果、化合物は血流に大量には入らない。対照的に、全身投与は、経口、静脈内、腹腔内および筋肉内の投与を指す。
【0054】
局所投与に適した医薬製剤は、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、クリーム剤、軟膏剤、または、ペースト剤などの、皮膚を通って炎症部位に浸透させるのに適した液体または半液体の製剤、および、目、耳または鼻への投与に適した点滴剤を含む。活性成分は、局所投与用に、製剤の重量の0.001%から10%w/w、例えば、1重量%から2重量%までを含むこともある。しかしながら、活性成分は、製剤の10%w/wを含むこともあるが、好ましくは、5%w/w未満、より好ましくは0.1%w/wから1%w/wを含み得る。
【0055】
吸入による投与のための医薬製剤は、注入器、噴霧器で加圧されたパック、または、エアゾルスプレーを送達する他の従来の手段から、都合よく送達される。加圧されたパックは、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または、他の適切なガスなどの適切な噴霧剤を含む。加圧されたエアロゾルの場合、投与単位は、測定された量を送達するための弁を提供することによって決定されてもよい。代わりに、吸入またはガス注入による投与のために、医薬製剤は、乾燥粉末組成物、例えば、ラクトースまたはデンプンなどの適切な粉末基剤を含む粉末混合物の形態をとることもある。粉末組成物は、単位剤形で、例えば、カプセル剤、カートリッジ、ゼラチン、または、吸入器または注入器を用いて粉末剤を投与するブリスターパックで提示される。
【0056】
とりわけ上で言及した成分に加えて、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は、本件の製剤のタイプを考慮して、当該技術分野における別の薬剤を含んでもよく、例えば、経口投与に適した製剤は香味料を含んでもよい。
【0057】
(製剤)
2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は、リポソームのような小胞に送達され得る。2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は、制御放出系でも送達可能であり、あるいは、制御放出系は、治療標的の近くに置くことができる。1つの実施形態において、ポンプが使用されてもよい。
【0058】
本明細書に記載の医薬組成物は、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性または油性の懸濁液、分散性の粉末または顆粒、エマルジョン、硬カプセルまたは軟カプセル剤、あるいは、シロップ剤またはエリキシル剤として、経口使用に適した形態で活性成分を包含することもできる。経口用途で意図された組成物は、既知の方法によって随意に調製され、このような組成物は、薬学的に優れた味のよい製剤を調製するために、甘味剤、香味料、着色料および保存料からなる群から選ばれた1つ以上の薬剤を含んでもよい。錠剤は、錠剤の製造に適した無毒な薬学的に許容可能な賦形剤と混合して活性成分を包含している。これらの賦形剤は、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウムのような不活性の希釈剤;微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸のような造粒剤および崩壊剤;結合剤、例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニルピロリドンまたはアラビアゴム、および、潤滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、またはタルク)であってもよい。錠剤は、薬物の味、または、胃腸管における遅延崩壊および吸収を隠し、それによって、長時間にわたって持続する作用を与えるために、既存の技術によってコーティングされてもコーティングされなくてもよい。例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースのような水溶性の味覚遮蔽材料、あるいは、エチルセルロースまたは酢酸酪酸セルロースのような時間遅延材料が適宜使用されてもよい。経口用途の製剤は、活性成分が不活性な固体の希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、またはカオリンと混合している硬カプセルとして、あるいは、活性成分がポリエチレングリコールまたは油媒体(例えば、落花生油、流動パラフィン、オリーブオイル)のような水溶性担体と混合している軟ゼラチンカプセルとして、提示されてもよい。
【0059】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合した活性薬剤を包含している。このような賦形剤は、懸濁化剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、および、アラビアゴム)であり、分散剤または湿潤剤は、天然のリン脂質(例えば、レシチン)、または、脂肪酸を含むアルキレンオキシドの縮合物(例えばステアリン酸ポリオキシエチレン)、または、長連鎖脂肪族アルコールを含むエチレンオキシドの縮合物(例えばヘプタデカエチレン−オキシセタノール(oxycetanol))、または、脂肪酸由来の部分エステルとヘキシトールを含むエチレンオキシドの縮合物(ポリオキシエチレンソルビトールモノクレアートなど)、または、脂肪酸とヘキシトール無水物に由来する部分エステルを含むエチレンオキシドの縮合物(例えば、ポリエチレンソルビタンモノクレアート)であってもよい。水性懸濁液はさらに、1つ以上の保存剤(例えばエチルまたはn−プロピルp−ヒドロキシ安息香酸)、1つ以上の着色料、1つ以上の香味料、および、ショ糖、サッカリンまたはアスパルテームのような1つ以上の甘味料を包含してもよい。
【0060】
適切な医薬担体は、不活性の希釈剤または充填剤、水、および様々な有機溶媒を含んでいる。医薬組成物は、必要に応じて、調味料、結合剤、賦形剤などの追加の成分を包含してもよい。したがって、経口投与については、クエン酸のような様々な賦形剤を包含している錠剤は、デンプン、アルギン酸、および、特定の複雑なケイ酸塩のような様々な崩壊剤と一緒に用いられてもよく、ショ糖、ゼラチンおよびアラビアゴムなどの結合剤とともに用いられてもよい。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクなど潤滑剤は、多くの場合、錠剤化する目的で役立つ。同様のタイプの固体の組成物も、軟充填または硬充填ゼラチンカプセル中で使用されてもよい。したがって、好ましい材料は、ラクトースまたは乳糖、および、高分子量ポリエチレングリコールを含んでいる。水性懸濁液またはエリキシル剤が経口投与に望ましいとき、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は、様々な甘味料または香味料、着色料または色素と混ぜられてもよく、必要に応じて、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンまたはその組み合わせなどの希釈剤と一緒に、乳化剤または懸濁化剤とも混ぜられてもよい。
【0061】
油性懸濁液は、例えば、ラッカセイ油、オリーブオイル、ゴマ油、またはやし油などの植物油中に、あるいは、流動パラフィンなどの鉱油中に活性成分を懸濁することによって処方されてもよい。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、密蝋、固形パラフィン、または、セチルアルコールを包含してもよい。味の良い経口製剤を提供するために、上述のような甘味剤および香味料が加えられてもよい。これらの組成物は、ブチル化されたヒドロキシアニソールまたはαトコフェロールのような酸化防止剤を加えることで保存されてもよい。
【0062】
水を加えて水性懸濁液を調製するのに適した分散性の粉末剤および顆粒剤は、分散剤または湿潤剤、懸濁化剤、および、1つ以上の保存剤と混合した活性成分を提供する。適切な分散剤または浸潤剤および懸濁化剤は、上で述べたようなものによって例証されるものとする。追加の賦形剤、例えば、甘味料、香味料、および、着色料が存在してもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸のような酸化防止剤を加えることで保存され得る。
【0063】
医薬組成物は、水中油型乳剤の形状であってもよい。油相は、植物油、例えば、オリーブオイルまたはラッカセイ油であってもよく、あるいは、鉱油、例えば、流動パラフィンまたはこれらの混合物であってもよい。適切な乳化剤は、自然に発生するリン脂質(例えば、ダイズレシチン)、および、脂肪酸やヘキシトール無水物に由来するエステルまたは部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレアート)、および、エチレンオキシドを含む前記部分エステルの縮合物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート)であってもよい。乳剤は甘味剤、香味料、保存剤および酸化防止剤も包含することもある。
【0064】
シロップ剤とエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、ショ糖で処方されてもよい。そのような製剤は粘滑剤、保存剤、香味料や着色料、および酸化防止剤も包含することもある。
【0065】
医薬組成物は、無菌の注射可能な水溶液の形態であってもよい。使用され得る許容可能なビヒクルおよび溶媒のなかには、水、リンゲル液、および、等張食塩水がある。無菌の注射可能な製剤は、活性成分が油相に溶けた、無菌の注射可能な水中油型マイクロエマルジョンであってもよい。例えば、活性成分は、ダイズ油とレシチンの混合物中に最初に溶かされてもよい。その後、油剤が水とグリセロールの混合物に入れられて処理されると、マイクロエマルジョンが形成される。注射溶液またはマイクロエマルジョンは、局所的なボーラス注射によって、個体の血流に入れられてもよい。代替的に、ある一定の循環濃度の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の一定の循環する濃度を維持するような方法で、溶液またはマイクロエマルジョンを投与することが有利なこともある。そのような一定の濃度を維持するために、連続的な静脈送達デバイスを利用してもよい。そのようなデバイスの一例は、Deltec CADD−PLUS(商標)モデル5400静脈内ポンプである。医薬組成物は、筋肉内投与および皮下投与のために、無菌の注射可能な水性または油性の懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は、このような適切な分散剤または浸潤剤、および、上で言及してきた懸濁化剤を用いて、従来の技術に従って処方されてもよい。無菌の注入可能な製剤はさらに、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液として、無毒の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の無菌の注入可能な溶液または懸濁液であってもよい。加えて、無菌の固定油は、溶媒または懸濁媒として従来用いられている。この目的のために、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無菌性の固定油が使用されてもよい。加えて、オレイン酸などの脂肪酸は注入物質の調製で使用される。
【0066】
医薬組成物は、薬物の直腸投与のために坐薬の形態で投与されてもよい。これらの組成物は、活性成分を、常温では固体で直腸温では液体の適切な非刺激的な賦形剤と混合することによって調製可能であり、それゆえ、直腸内で溶けてから薬物を放出する。そのような材料は、カカオバター、グリセリンゼラチン、水素化した植物油、様々な分子量のポリエチレングリコールの混合物、および、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステルを含んでいる。
【0067】
局所的な使用には、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を含む、クリーム剤、軟膏剤、ゼリー剤、溶液、または、懸濁液を用いることができる。本明細書で使用されているように、局所的な適用は、口内洗浄液とうがい薬を含んでもよい。
【0068】
医薬組成物は、適切な鼻腔内のビヒクルおよび送達デバイスの局所的な使用を介して、または、経皮的な皮膚パッチを使用して経皮的な経路によって、鼻腔内形態で投与されてもよい。経皮的な送達システムの形態で投与されるためには、投与量の投与はもちろん、投与計画の全体にわたって間欠性であるよりもむしろ連続的である。
【0069】
製剤は、単位剤形で都合よく提示されてもよく、薬学分野で周知の方法のいずれかによって調製されてもよい。すべての方法は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、エステル、プロドラッグ、または、溶媒和物(「活性成分」)を、1以上の副成分を構成する担体と結合させる工程を含む。一般的に、製剤は、活性成分を、液体担体または微粉化した固体担体またはその両方と、均一にかつ密接に関連させ、その後、必要に応じて、生成物を所望の製剤に形作ることによって調製される。
【0070】
(剤形)
医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、丸剤、粉末、徐放製剤、溶液、懸濁液として経口投与に、無菌液、懸濁液またはエマルジョンとして非経口注入に、軟膏またはクリームとして局所投与に、あるいは、坐薬として直腸投与に適した形態であってもよい。医薬組成物は、正確な投与量の単回投与に適した単位剤形であってもよい。医薬組成物は、従来の医薬担体または賦形剤、および、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を活性成分として含んでもよい。加えて、医薬組成物は、他の薬剤または医薬品、担体、アジュバントなどを含んでもよい。
【0071】
典型的な非経口投与形態は、無菌水溶液、例えば、水性のプロピレングリコールまたはブドウ糖溶液中に、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の溶液または懸濁液を含んでいる。必要に応じて、そのような剤形を適切に緩衝することができる。
【0072】
(用量)
投与された医薬組成物の量は第1に、処置される哺乳動物に依存する。医薬組成物が一人の人間に投与される例において、一日の投与量は処方する医師によって決定され、投与量は、個体の年齢、性別、食事、体重、全体的な健康および反応、個体の症状の重症度、処置されている詳細な兆候または疾病、処置されている詳細な兆候または疾病の重症度、投与時間、投与経路、組成物の性質、排泄速度、混合薬、および、処方する医師の裁量に応じて一般的に変わる。同様に、投与の経路は、疾患およびその重症度に依存して変化する。好ましくは、医薬組成物は単位剤形である。そのような形態で、製剤は、適切な量の活性成分、例えば、所望の目的を達成するのに有効な量を含有する単位用量に分けられる。特定の状況にふさわしい投与量を決定することは、当業者の想定内である。幾つかの例においては、処置は、適量の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸よりも少ない低投与量で始められることもある。その後、この状況下で最適な効果に達するまで、投与量を少量ずつ増やしていく。便宜上、一日の総投与量は、必要に応じて、一日の間で、数回に分けて投与される。2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、可能な場合には他の治療剤および/または治療薬の投与の量および頻度は、上記のような因子を考慮して、担当する臨床医(医師)の判断によって規制される。したがって、投与される医薬組成物の量は大きく変動することもある。
【0073】
投与が、1日当たり体重の約50mg/kg未満の量に生じてもよい(単回投与または複数回投与で投与される)。特定の治療用量は、例えば、約1000mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を含むこともあり、好ましくは、例えば約250mg未満を含む。単位投与量の製剤中の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の量は変動してもよく、特定の用途にしたがって、約500mg未満、好ましくは約100mg未満、より好ましくは約50mg未満、または、5mg未満からできればから調節されてもよい。幾つかの例において、前述の範囲の下限よりも少ない投与量レベルでも十分以上なこともあり、他の例では、例えば、一日中投与するために大量の投与量を複数回の少量に分割することによって、有害な副作用を引き起こすことなくもっと多くの投与量が用いられることもある。2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸が唯一の療法ではない併用処置では、少量を投与することで、治療効果または予防効果を達成することができることもある。
【0074】
幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は一日に一度投与される。他の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は1日二度投与される。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は、食物とともに投与される。他の実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は、食物なしで投与される。
【0075】
「血清尿酸値を下げる方法」との表題の付いた段落に記載された2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の治療投与とその例は、本明細書に記載の疾患のいずれかを処置するために用いられてもよい。
【0076】
(併用療法)
2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形、エステル、互変異性体またはプロドラッグは、単独の療法として、または別の療法と組み合わせて投与されてもよい。
【0077】
例えば、治療効果は、アジュバントの投与によって改善され得る(すなわち、アジュバント自体は最小の治療的有用性しか持っていないが、別の治療剤と併用することで、個体に対する全体的な治療的有用性を高める)。あるいは、ほんの一例ではあるが、個人が受ける効果は、治療的効果も有する別の治療薬剤(処置レジメンも含む)と共に、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与することでも増加する。ほんの一例として、痛風の処置では、治療効果の増大は、痛風のための別の治療薬を個体に提供することによって生じることもある。あるいは、追加の療法は、限定されないが、理学療法、心理療法、放射線療法、患部への圧縮機の適用、休息、食事の変化を含んでもよい。処置される疾患、障害、または疾病に関わらず、個体が経験する効果全般は、2つの治療薬を加えたものであるか、あるいは、個体は相乗的な効果を経験することもある。
【0078】
2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸が他の治療薬と組み合わせて投与される例では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は、他の治療薬と同じ医薬組成物で投与される必要はなく、物理的および化学的な特性が異なるため、異なる経路によって投与されてもよい。例えば、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は、経口で投与されることで良好な血中濃度を生成し維持することもあり、別の治療薬は静脈内に投与されてもよい。したがって、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は、同時に(例えば、同時に、本質的に同時に、または、同じ処置プロトコル内で)、連続して投与されるか、あるいは、他の治療薬とは別に投薬されることもある。初回投与は当該技術分野で実証されたプロトコルに従って行うことができ、その後、観察された効果に基づいて、投与量、投与方法、および、投与時間が熟練した臨床医によって修正可能である。
【0079】
他の治療薬の特定の選択は、主治医の診断と、個体の状態と適切な処置プロトコルの判断に依存する。幾つかの実施形態では、追加の剤は、URAT1阻害剤、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、キサンチンデヒドロゲナーゼ、キサンチンオキシドリダクターゼ阻害剤、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)阻害剤、尿酸輸送体阻害剤、ブドウ糖輸送担体(GLUT)阻害剤、GLUT−9阻害剤、溶質担体ファミリー2(促進性ブドウ糖輸送担体)、メンバー9(SLC2A9)阻害剤、有機アニオン輸送体(OAT)阻害剤、OAT−4阻害剤、または、その組み合わせである。特定の例において、URAT1は、尿酸輸送を媒介するイオン交換体である。特定の例において、URAT1は、近位尿細管への尿酸輸送を媒介する。特定の例において、URAT1は、近位尿細管の尿酸を乳酸塩とニコチネートに交換する。特定の例において、キサンチンオキシダーゼは、ヒポキサンチンを酸化してキサンチンにし、さらに尿酸にする。特定の例において、キサンチンデヒドロゲナーゼは、キサンチン、NAD+、およびH2Oの、尿酸、NADH、およびH+への変換を触媒する。幾つかの実施形態では、追加の剤は、2−((5−ブロモ−4−(4−シクロプロピル−1−ナフタレニル)−4H−1,2,4−トリアゾル−3−イル)チオ)酢酸、アロプリノール、フェブキソスタット(2−(3−シアノ−4−イソブトキシフェニル)−4−メチル−1,3−チアゾール−5−カルボン酸)、FYX−051(4−(5−ピリジン−4−イル−1H−[1,2,4]トリアゾル−3−イル)ピリジン−2−カルボニトリル)、プロベネシド、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン、アセトアミノフェン、ステロイド、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、コルヒチン、グルコルチコイド(glucorticoid)、アドロゲン(adrogen)、コックス−2阻害剤、PPARアゴニスト、ナプロキセン、セベラマー、シブトマイン(sibutmaine)、トログリタゾン、プログリタゾン、別の尿酸低下剤、ロサルタン、フィブリン酸、ベンズヨーダロン、サリチル酸塩(salisylate)、アムロジピン(anlodipine)、ビタミンC、またはその組み合わせである。
【0080】
【化1】
【0081】
(疾患)
ある疾患に苦しむ個体を処置する方法が本明細書に記載されており、該方法は、有効な量の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形、エステル、互変異性体、またはプロドラッグを、個体に投与する工程を含む。
【0082】
同様に、前記疾患を進行させる恐れのある個体において、疾患の発症を予防するまたは遅らせる方法が本明細書に記載されており、該方法は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、多形、エステル、互変異性体、またはプロドラッグを含む組成物の、疾患の発症を予防するまたは遅らせる有効な量を、前記個体に投与する工程を含んでいる。
【0083】
さらに、尿酸の異常の値が一定の役割を果たす任意の疾患または障害を予防または処置する方法が本明細書に記載されており、該疾患または障害は、限定なく、ヒトまたは他の哺乳動物における、高尿酸血症、痛風、痛風性関節炎、炎症性の関節炎、腎臓病、腎結石症(腎結石)、関節の炎症、関節における尿酸結晶の沈殿、尿路結石症(尿路での結石の形成)、腎実質における尿酸結晶の沈殿、レッシュ−ナイハン症候群、ケリー・シーグミラー症候群、痛風フレア、結節性痛風、腎不全、またはこれらの組み合わせを含む。本明細書に開示された方法は、そのような使用や、疾患または障害を処置するための薬物を製造するために、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の使用にまで及ぶ。さらに、本明細書に開示された方法は、そのような疾患または障害を処置するために、有効な量の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸をヒトに投与する工程にまで及ぶ。
【0084】
本発明の方法に従って、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、あるいは、その薬学的に許容可能な塩、エステル、プロドラッグ、溶媒和物、水和物、または誘導体で処置することができる個体は、例えば、痛風、痛風性関節炎、炎症性の関節炎、腎臓病、腎結石症(腎結石)、関節の炎症、関節における尿酸結晶の沈殿、尿路結石症(尿路における結石の形成)、腎実質における尿酸結晶の沈殿、レッシュ−ナイハン症候群、ケリー・シーグミラー症候群、痛風フレア、結節性痛風、腎不全、または、これらの組み合わせを有していると診断された個体を含む。
【0085】
幾つかの実施形態では、異常な尿酸値を抱えている個体は、異常な尿酸値を(例えば、医学的に許容可能な値まで)調節するのに十分な量を投与される。幾つかの実施形態では、t2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、異常な尿酸値を示しており、血液中の尿酸値は医学的に許容される範囲を超えている(すなわち高尿酸血症)。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、異常な尿酸値を示しており、血液中の尿酸値は、メス個体で360μmol/L(6mg/dL)、あるいは、オス個体で400μmol/L(6.8mg/dL)を超えている。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は異常な尿酸値を示しており、尿中の尿酸値は医学的に許容される範囲を超えている(すなわち、高尿酸尿症)。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は異常な尿酸値を示しており、尿中の尿酸値は、(オス個体で)800mg/日、および、(メス個体で)750mg/日を大きく超えている。
【0086】
幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、(1)は異常な尿酸値を示しており、(2)心血管障害に苦しんでいる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、(1)異常な尿酸値を示しており、(2)動脈瘤、狭心症、アテローム性動脈硬化、脳卒中、脳血管障害、うっ血性心不全、冠動脈疾患、および/または、心筋梗塞に苦しんでいる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、(1)異常な尿酸値を示しており、(2)(a)約3.0mg/L以上のc−反応性タンパク質(CRP)レベル、(b)約15.9mmol/L以上のホモシステイン濃度、(c)約160mg/dL以上のLDL値、(d)約40mg/dL未満のHDL値、および/または、(e)約1.5mg/dL以上の血清クレアチニンレベルを呈している。
【0087】
幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、(1)は異常な尿酸値を示しており、(2)糖尿病に苦しんでいる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、(1)異常な尿酸値を示しており、(2)I型糖尿病に苦しんでいる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、(1)異常な尿酸値を示しており、(2)II型糖尿病に苦しんでいる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、(1)異常な尿酸値を示しており、(2)膵臓のランゲルハンス島のβ細胞の損害に苦しんでいる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、(1)異常な尿酸値を示しており、(2)インスリン抵抗性および/またはインスリン感受性の低下に苦しんでいる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、(1)異常な尿酸値を示しており、(2)(a)126mg/dL以上の空腹時血漿グルコース値、(b) 糖負荷試験の2時間後に200mg/dL以上の血漿ブドウ糖レベル、および/または、(c)高血糖症と200mg/dL(11.1mmol/l)以上の時々の血漿ブドウ糖レベルを呈している。
【0088】
幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、(1)異常な尿酸値を示しており、(2)メタボリック症候群に苦しんでいる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、(1)異常な尿酸値を示しており、(a)糖尿病、耐糖能障害、空腹時血中ブドウ糖不良、および/または、インスリン抵抗性、(b)(i)140/90mmHg以上の血圧、(ii)脂質異常症:1.695mmol/L以上のトリグリセリド(TG)、および、0.9mmol/L以下(オス)、1.0mmol/L以下(メス)の高密度リポタンパク質コレステロール(HDL−C)、(iii) 中心性肥満:ウエスト:ヒップ比>0.90(オス)、>0.85(メス)、および/または、肥満度指数>30kg/m2;および、(iv)ミクロアルブミン尿:20mg/min以上の尿アルブミン排泄率、または、30mg/g以上のアルブミン:クレアチニンの比率の少なくとも2つに苦しんでいる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、(1)異常な尿酸値を示しており、(2)インスリン抵抗性(すなわち、糖尿病ではない個体の間で空腹時インスリン値の上位25%)と、(b)(i)94cm(オス)以上、80cm(メス)以上の中心性肥満:ウエスト周囲、(ii) 脂質異常症:2.0mmol/L以上のTG、および/または、1.0mmol/L未満のHDL−C、あるいは、脂質異常症の治療を受けている;(iii) 高血圧症:140/90mmHg以上の血圧、または、降圧薬服用、および、(iv)6.1mmol/L以上の空腹時血漿グルコースの、少なくとも2つに苦しんでいる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、(1)異常な尿酸値を示しており、(2)(a)ウエスト周囲の増加:40インチ以上(オス)、35インチ以上(メス)、(b)150mg/dL以上のトリグリセリド上昇、(c)40mg/dL未満(オス)および50mg/dL未満(メス)のHDLの減少;(d)130/85mmHg以上の高血圧、または、高血圧症のための薬物の使用;および、(e)100mg/dL(5.6mmol/L)以上の空腹時グルコースの上昇、または、高血糖症のための薬物の使用、の少なくとも3つを呈している。
【0089】
幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、(1)異常な尿酸値を示しており、(2)腎臓病または腎不全に苦しんでいる。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、(1)異常な尿酸値を示しており、(2)乏尿症(尿産生の減少)を呈している。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸で処置された個体は、(1)異常な尿酸値を示しており、(2)は、1日当たり400未満mLの尿(大人)を生成し、0.5mL/kg/h未満の尿(子ども)を精製し、あるいは、1mL/kg/hの尿(幼児)を生成する。
【0090】
(尿酸)
特定の例において、食物または組織のターンオーバー(細胞のヌクレオチドが連続的なターンオーバーを受ける)に由来するプリン(アデニン、グアニン)は、ヒトにおいて代謝作用で分解して、その最終的な酸化生成物である尿酸になる。特定の例において、グアニンは酸化してキサンチンになり、その後、キサンチンオキシダーゼの作用によって尿酸に酸化し、アデノシンはイノシンに変換され、さらに酸化してヒポキサンチンになる。特定の例において、キサンチンオキシダーゼは、ヒポキサンチンを酸化してキサンチンにし、さらに尿酸にする。特定の例では、逆のプロセスの一部として、酵素ヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)が、グアニンとヒポキサンチンを再利用する。
【0091】
【化2】
【0092】
特定の例では、尿酸のケト形は、エノール形と平衡状態にあり、これが生理的なpHでプロトンを失うことで尿酸塩が形成される。特定の例では((pH7.40および37°Cの)血清状態では)、尿酸の約98%が尿酸ナトリウム塩としてイオン化される。特定の例において、尿酸は強力な還元剤および有力な酸化防止剤である。ヒトでは、血漿の抗酸化能力およそ半分が尿酸から来る。
【0093】
【化3】
【0094】
特定の例において、ほとんどの尿酸は血液に溶け、腎臓に流れ、そこで、糸球体濾過と尿細管分泌によって排泄される。特定の例では、尿酸の多くが尿細管によって再吸収される。尿酸輸送系の独特の特徴の1つは、尿細管機能の正味の活動は尿酸の再吸収であるが、その分子はネフロンを通る間に分泌され再吸収されるということである。特定の例において、再吸収は近位尿細管のS1とS3の部分に集中しており、分泌物はS2部分で優勢である。特定の例では、双方向輸送は結果として、尿酸の排泄を増加させるというよりもむしろ減少させる尿酸輸送を阻害する薬物をもたらし、その治療上の有用性を損なうことになる。特定の例では、大人の正常な尿酸値(5.1+/−0.93mg/dL)は、尿酸溶解度(37°Cで〜7mg/dL)の範囲に近接しており、これが微妙な生理学的な尿酸バランスを作り出している。特定の例では、女性の正常な尿酸範囲は、男性の範囲よりもおよそ1mg/dL低い。
【0095】
(高尿酸血症)
特定の例において、高尿酸血症は、長時間にわたって持続する、通常よりも高い尿酸の血中濃度を特徴としている。特定の例において、血液尿酸値の上昇は、尿酸産生の増大(〜10−20%)、および/または、尿酸の腎排泄の減少(〜80−90%)が原因となることもある。特定の例では、高尿酸血症の原因は、以下のものを含むこともある:
・肥満/体重増加
・過度のアルコール摂取
・過度の食事によるプリン体の摂取(甲殻類、魚の卵、ホタテガイ、エンドウマメ、レンズマメ、マメ、および、赤身の肉、とりわけ、臓物−脳、腎臓、胃、肝臓)
・低量アスピリン、利尿薬、ニコチン、シクロスポリン、ピラジンアミド、エタンブトール、いくつかの高血圧薬物、および、幾つかの癌の化学療法剤、免疫抑制剤、および細胞毒性薬
・特定の病態、とりわけ、高細胞交替速度に関連付けられるもの(悪性病変、白血病、リンパ腫または乾癬など)、および、高血圧、ヘモグロビン異常、溶血性貧血、鎌状赤血球貧血、様々な腎症、骨髄増殖性疾患およびリンパ増殖性疾患、副甲状腺機能亢進症、腎疾患、インスリン抵抗性と糖尿病に関連付けられる疾病、および、移植レシピエントでは恐らく心臓病
・遺伝性の酵素欠損
・異常な腎臓機能(例えば、ATP代謝回転の増加、糸球体の尿酸ろ過の減少)
・鉛への接触(鉛中毒または「鉛痛風」)
【0096】
特定の例において、高尿酸血症は無症性であることもあるが、以下の疾病に関連付けられる:
・痛風
・痛風性関節炎
・尿路での尿酸結石(尿路結石症)
・軟組織での尿酸の沈殿(痛風結節)
・腎臓での尿酸の沈殿(尿酸腎症)
・慢性および急性の腎不全につながる恐れのある腎機能不全
【0097】
(痛風)
(罹患率)
痛風の発生率は過去20年間にわたって増加しており、米国では、20歳以上の人口の2.7%、合計すると510万人ものアメリカ人の成人がかかっている。痛風は女性よりも男性で多く見られ(3.8%または340万人の男性に対し、女性は1.6%または170万人)、一般に、40代および50で発症している(痛風の発作は思春期の後に起こることがあり、尿酸値の増加がみられる)。1990年から1999年までに1000人当たり2.9人から5.2人まで痛風の罹患の増加が観察され、その増加のほとんどが65歳以上歳の成人で起こっていた。痛風の発作は閉経後の女性で多く見られる。特定の例において、痛風は関節炎の最も一般的な形態のうちの1つであり、すべての関節炎の症例のおよそ5%を占めている。特定の例において、腎不全および尿路結石症は痛風の個体の10−18%で生じ、その疾病からの罹患率および死亡率の共通する原因である。
(主要な原因)
【0098】
ほとんどの場合、痛風は高尿酸血症に関連している。特定の例において、痛風に苦しむ個体は、任意の所定の血漿尿酸濃度に関して、痛風ではない個体のおよそ40%未満の尿酸を排泄する。特定の例においては、尿酸値は飽和点に達するまで増加する。特定の例において、飽和点に到達すると、尿酸結晶の沈澱が起こる。特定の例において、硬化して結晶化したこの沈殿物(痛風結節)は、関節または皮膚に形成され、関節の炎症(関節炎)を引き起こす。特定の例において、沈殿物は、関節液(滑液)および/または関節内層(滑膜表層)で作られる。これらの沈殿物に共通する領域は、親指、足、足首、および、手(共通しない領域は耳と目を含む)である。特定の例において、罹患した関節のまわりの皮膚は光沢が出て赤くなり、罹患した領域は柔らかく触れると痛む。いくつかの例において、痛風の発作は頻度をその頻度を増す。特定の例では、治療していない急性の痛風発作は、絶え間ない関節の損傷と障害を招く。特定の例において、尿酸塩の組織沈殿は、急性の炎症性関節炎、慢性の関節炎、腎実質での尿酸結晶の沈殿、および、尿路結石症を招く。特定の例において、痛風性関節炎の発生率は、血清尿酸値が7〜8.9mg/dLの個体で5倍に増え、9mg/dL(530μmol/L)の個体では最大で50倍に増える。特定の例において、痛風の個体は腎不全と末期の腎疾患(すなわち「痛風性腎症」)を進行させる。特定の例において、痛風性腎症は慢性的な間質性腎症を特徴とし、尿酸ナトリウムの髄質での沈殿によって促進される。
【0099】
特定の例において、痛風は、急性の、単関節の、炎症性の関節炎の痛みを伴う発作、関節における尿酸結晶の沈殿、腎実質における尿酸結晶の沈殿、尿路結石症(尿路における結石の形成)、および、腎結石症(腎結石の形成)を含んでいる。特定の例において、続発性痛風は、癌、とりわけ白血病の個体、および、それ以外の血液疾患(例えば、赤血球増加症、骨髄化生など)の個体で生じる。
【0100】
(症状)
特定の例において、痛風の発作は非常に早く、最初の発作はしばしば夜に起こる。特定の例において、症状は、関節領域の突然の酷い関節痛および極度の圧痛、関節腫脹、関節周辺の光沢のある赤いまたは紫の皮膚を含む。特定の例では、発作はまれに、発症中に何の症状が出ることもなく、5−10日間続く。特定の例において、発作はますます頻繁に生じ、疾患を制御できなければ、もっと長い期間続くこともある。特定の例において、発症は罹患した関節に損傷を与え、凝り、腫脹、運動の制限、および/または、絶え間なく続く軽度から中程度の痛みをもたらす。
【0101】
(処置)
特定の例において、痛風は尿酸の産生を低下させることによって処置される。特定の例においては、痛風は尿酸の排泄を増加させることにより処置される。特定の例においては、痛風は、URAT1、キサンチンオキシダーゼ、キサンチンデヒドロゲナーゼ、キサンチンオキシドリダクターゼ、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP)阻害剤、尿酸輸送体(URAT)阻害剤、ブドウ糖輸送担体(GLUT)阻害剤、GLUT−9阻害剤、溶質担体ファミリー2(促進性ブドウ糖輸送担体)、メンバー9(SLC2A9)阻害剤、有機アニオン輸送体(OAT)阻害剤、OAT−4阻害剤、または、その組み合わせによって処置される。一般に、痛風処置の目的は、i)急性の発作の痛み、腫脹および持続時間を軽減し、および、ii)将来の発作と関節の損傷を防ぐことである。特定の例において、痛風の発作は処置の組み合わせを利用することで成功裡に処置される。特定の例において、痛風は関節炎の最も治療可能な形態の1つである。
【0102】
i)痛風発作の処置。特定の例において、痛風の急性の発作に関連する痛みと腫脹は、アセトアミノフェン、ステロイド、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、または、コルヒチンなど薬物で対処することができる。特定の例では、適切な薬物は12〜24時間以内に痛風を制御し、処置は数日後に止められる。特定の例においては、薬物は、休息、水分摂取量の増加、氷嚢、罹患した領域を持ち上げること、および/または保護することと組み合わせて使用される。特定の例では、前述の処置は再発性発作を防げず、異常な尿酸代謝の根本的な障害に影響を与えない。
【0103】
ii)将来の発作の予防。特定の例においては、血清尿酸値を飽和水準よりも下に下げることが、将来の痛風発作を防ぐための目的である。場合によっては、これは、尿酸産生を減らすこと(例えばアロプリノール)、または、尿酸排泄薬(例えば、プロベネシド、スルフィンピラゾン、ベンズブロマロン)で尿酸の排泄を増加させることによって、達成される。
【0104】
特定の例において、アロプリノールは、血清尿酸値と尿の尿酸値の両方を低下させて尿酸形成を阻害し、2〜3か月後に完全に有効になる。
【0105】
【化4】
【0106】
特定の例において、アロプリノールはヒポキサンチンの構造的なアナログであり(位置7および8における炭素と窒素の原子の転位だけが異なる)、これは、ヒポキサンチンのキサンチンへの変換とキサンチンの尿酸への変換の原因である酵素であるキサンチンオキシダーゼの作用を阻害する。特定の例では、アロプリノールは、キサンチンオキシダーゼの阻害剤でもあるキサンチンアナログ、アロキサンチン(alloxanthine(オキシプリノール(oxypurinol)))に代謝される。特定の例において、アロキサンチンは、キサンチンオキシダーゼの阻害においては強力であるが、経口バイオアベイラビリティが低いため、さほど薬学的に許容可能なわけではない。特定の例において、過敏症、骨髄抑制、肝炎、および血管炎による致死的な反応がアロプリノールで報告されている。特定の例では、副作用の発生率は、この薬物で処置されたすべての個体の合計で20%になることもある。尿酸代謝の疾患の処置は、アロプリノール導入以降の20年間、著しく発展したわけではない。
【0107】
特定の例においては、尿酸排泄薬(例えば、プロベネシド、スルフィンピラゾン、およびベンズブロマロン)は尿酸の排泄を増加させる。特定の例において、プロベネシドは、尿細管による尿酸分泌の増加を引き起こし、長期間使用すると、尿酸塩を身体で蓄積させる。特定の例において、プロベネシドで処置された個体の25−50%は、6mg/dL未満の血清尿酸値の低下を実現できない。特定の例において、プロベネシドに対する無感覚は、薬物不耐性、付随するサリチル酸塩摂取、および、腎機能障害に起因する。特定の例において、個体の3分の一は、プロベネシドに対する不耐性を進行させる。特定の例においては、尿酸排泄薬の投与は、尿石、胃腸管閉塞、黄疸、および貧血ももたらす。
【0108】
(鉛中毒または「鉛痛風」)
特定の例において、鉛への過度の接触(鉛毒または鉛中毒)は、尿細管の尿酸塩の輸送の鉛阻害による、鉛によって誘発された高尿酸血症である「鉛痛風」をもたらし、尿酸の腎排泄を減少させる。特定の例では、鉛ネフロパシーに苦しむ個体の50%以上は痛風に苦しんでいる。特定の例において、鉛痛風の急性の発作は親指よりもむしろ膝で頻繁に生じる。特定の例において、腎疾患は原発性痛風よりも鉛痛風の方で頻繁に生じ、かつ、重篤である。特定の例において、処置は、個体をこれ以上鉛に晒さないようにすること、鉛を取り除くためにキレート剤を使用すること、および、急性の痛風性関節炎および高尿酸血症を制御することからなる。特定の例において、鉛痛風は原発性痛風よりも発作が頻繁ではないことを特徴としている。特定の例において、鉛に関連する痛風は、鉛に関連しない痛風があまり発生しない更年期前の女性で生じる。
【0109】
(レッシュ−ナイハン症候群)
特定の例において、レッシュ−ナイハン症候群(LNSまたはナイハン症候群)は、100,000の出生数にほぼ一人に発症する。特定の例において、LNSは、酵素ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)の遺伝的欠損によって引き起こされる。特定の例において、LNSはX連鎖の劣性遺伝病である。特定の例において、LNSは男の子の赤ん坊では誕生時に存在している。特定の例では、この疾患は、重症の痛風、筋肉制御不全、および、中程度の精神遅滞につながり、これらは生後一年間に現れる。特定の例において、この疾患はさらに、生後2年から自傷行為行動(例えば、唇や指を噛むこと、頭を激しくぶつけること)をもたらす。特定の例では、この疾患はさらに、関節における痛風のような腫脹と重篤な腎臓の問題につながる。特定の例では、この疾患はさらに、ハンチントン病で見られるものに似ている、顔のしかめ面、不髄意性の身もだえ、腕と脚の反復性動作を含む、神経症状を招く。LNSの個体の予後は不良である。特定の例では、LNSを抱えた処置を受けていない個体の平均寿命は約5年未満である。特定の例では、LNSを抱える処置された個体の平均寿命は約40歳よりも大きい。
【0110】
(高尿酸血症および他の疾患)
特定の例においては、高尿酸血症は、心疾患(CVD)および/または腎疾患を患う個体で見られる。特定の例において、高尿酸血症は、高血圧前症、高血圧症、増加した近位のナトリウム再吸収、ミクロアルブミン尿、タンパク尿、腎臓病、肥満、高トリグリセリド血症、低高密度リポタンパク質コレステロール、高インスリン血症、高レプチン血症、低アディポネクチン血症、末梢動脈疾患、頚動脈疾患、および冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化、うっ血性(congenative)心不全、脳卒中、腫瘍崩壊症候群、内皮細胞機能不全、酸化ストレス、レニン値の上昇、エンドセリン値の上昇、および/またはC−反応性タンパク質レベルの上昇を抱えた個体で見られる。特定の例において、高尿酸血症は、肥満(例えば、中心性肥満)、高血圧、高脂血症、および/または、空腹時血中ブドウ糖不良を患う個体で見られる。特定の例においては、高尿酸血症は、メタボリック症候群の個体において見られる。特定の例において、痛風性関節炎は急性心筋梗塞にかかるリスクの増大を示す。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の個体への投与は、限定されないが、高血圧前症、高血圧症、近位でのナトリウム再吸収の増加、ミクロアルブミン尿、タンパク尿、腎臓病、肥満、高トリグリセリド血症、低高密度リポタンパク質コレステロール、高インスリン血症、高レプチン血症、低アディポネクチン血症、末梢動脈疾患、頚動脈疾患、および冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化、うっ血性心不全、脳卒中、腫瘍崩壊症候群、内皮細胞機能不全、酸化ストレス、レニン値の上昇、エンドセリン値の上昇、および/またはC−反応性タンパク質レベルの上昇を含む、高尿酸血症に関係する疾患または疾病に関連した臨床的な事象の可能性を減少させるのに有用である。
【0111】
1つの実施形態は、個体における異常な尿酸の組織レベルまたは器官レベルによって特徴付けられる疾病を処置または予防する方法を提供し、該方法は、有効な量の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を個体に投与する工程を含む。別の実施形態は該方法を提供し、このとき、疾病は、痛風、再発性の痛風発作、痛風関節炎、高尿酸血症、高血圧症、心疾患、冠動脈心疾患、レッシュ−ナイハン症候群、ケリー・シーグミラー症候群、腎臓病、腎結石、腎不全、関節の炎症、関節炎、尿路結石症、鉛中毒、副甲状腺機能亢進症、乾癬、サルコイドーシス、ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)欠乏、または、これらの組み合わせである。別の実施形態は、疾病が痛風であるような該方法を提供する。
【0112】
特定の実施形態は、痛風の処置に有効な第2の薬剤を投与する工程をさらに含む方法を提供する。別の実施形態は、第2の薬剤が、URAT1阻害剤、キサンチンオキシダーゼ阻害剤、キサンチンデヒドロゲナーゼ、キサンチンオキシドリダクターゼ阻害剤、または、その組み合わせである、方法を提供する。別の実施形態は、第2の薬剤が、2−((5−ブロモ−4−(4−シクロプロピル−1−ナフタレニル)−4H−1,2,4−トリアゾル−3−イル)チオ)酢酸、アロプリノール、フェブキソスタット、FYX−051、または、これらの組み合わせである、方法を提供する。
【0113】
幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は、利尿薬による処置を必要とする疾患または疾病に苦しむ個体に投与される。幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は、利尿薬による処置を必要とする疾患または疾病に苦しむ個体に投与され、ここで、利尿薬は、尿酸塩の腎保留を引き起こす。幾つかの実施形態では、疾患または疾病は、うっ血性心不全または本態性高血圧である。
【0114】
幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の個体への投与は、運動性を改善するか、または、生活の質を改善するのに役立つ。
【0115】
幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の個体への投与は、癌治療の副作用を処置するまたは減少させるのに役立つ。
【0116】
幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の個体への投与は、シスプラチンの腎臓毒性を減少させるのに役立つ。
【0117】
(血清尿酸値を下げる方法)
幾つかの実施形態では、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与によって血清尿酸値を下げる方法が本明細書で提供される。幾つかの実施形態では、哺乳動物の血清尿酸値を下げる方法は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。幾つかの実施形態では、哺乳動物はヒトである。幾つかの実施形態では、ヒトの血清尿酸値を下げる方法は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸、あるいは、その薬学的に許容可能な塩またはエステルをヒトに投与する工程を含む。
【0118】
幾つかの実施形態では、血清尿酸値を下げる方法は、100mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。特定の実施形態では、方法は、50mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。幾つかの実施形態では、血清尿酸値を下げる方法は、150mg未満、125mg未満、100mg未満、90mg未満、80mg未満、70mg未満、60mg未満、50mg未満、45mg未満、40mg未満、35mg未満、30mg未満、25mg未満、20mg未満、10mg未満、または、5mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。幾つかの実施形態では、血清尿酸値を下げる方法は2mgまたは1mg未満の2−(3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル・チオ)(2−メチルプロパン酸。)未満を投与することを含む。幾つかの実施形態では、血清尿酸値を下げる方法は、多くて150mg、多くて125mg、多くて100mg、多くて90mg、多くて80mg、多くて70mg、多くて60mg、多くて50mg、多くて45mg、多くて40mg、多くて35mg、多くて30mg、多くて25mg、多くて20mg、多くて10mg、または、多くて5mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。幾つかの実施形態では、血清尿酸値を下げる方法は、多くて2mgまたは多くて1mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。
【0119】
特定の実施形態では、血清尿酸値を下げる方法は、約40mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。幾つかの実施形態では、方法は、約20mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。他の実施形態では、方法は、約5mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。特定の実施形態では、血清尿酸値を下げる方法は、約150mg、約125mg、約100mg、約90mg、約80mg、約70mg、約60mg、約50mg、約45mg約40mg、約35mg、約30mg、約25mg、約20mg、約10mg、または、約5mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、血清尿酸値を下げる方法は、約4mg、約3mg、約2mg、約1mg、または、約0.5mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。
【0120】
幾つかの実施形態では、血清尿酸値を下げる方法は、1日当たり100mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。特定の実施形態では、方法は、1日当たり50mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。幾つかの実施形態では、血清尿酸値を下げる方法は、1日当たり150mg未満、1日当たり125mg未満、1日当たり100mg未満、1日当たり90mg未満、1日当たり80mg未満、1日当たり70mg未満、1日当たり60mg未満、1日当たり50mg未満、1日当たり45mg未満、1日当たり40mg未満、1日当たり35mg未満、1日当たり30mg未満、1日当たり25mg未満、1日当たり20mg未満、1日当たり10mg未満、または、1日当たり5mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。幾つかの実施形態では、血清尿酸値を下げる方法は、1日当たり2mg未満または1日当たり1mg未満の2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。幾つかの実施形態では、血清尿酸値を下げる方法は、1日当たり多くて150mg、1日当たり多くて125mg、1日当たり多くて100mg、1日当たり多くて90mg、1日当たり多くて80mg、1日当たり多くて70mg、1日当たり多くて60mg、1日当たり多くて50mg、1日当たり多くて45mg、1日当たり多くて40mg、1日当たり多くて35mg、1日当たり多くて30mg、1日当たり多くて25mg、1日当たり多くて20mg、1日当たり多くて10mg、または、1日当たり多くて5mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。幾つかの実施形態では、血清尿酸値を下げる方法は、1日当たり多くて2mgまたは1日当たり多くて1mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。
【0121】
特定の実施形態では、血清尿酸値を下げる方法は、1日当たり約40mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。幾つかの実施形態では、方法は、1日当たり約20mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。他の実施形態では、方法は、1日当たり約5mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。特定の実施形態では、血清尿酸値を下げる方法は、1日当たり約150mg、1日当たり約125mg、1日当たり約100mg、1日当たり約90mg、1日当たり約80mg、1日当たり約70mg、1日当たり約60mg、1日当たり約50mg、1日当たり約45mg、1日当たり約40mg、1日当たり約35mg、1日当たり約30mg、1日当たり約25mg、1日当たり約20mg、1日当たり約10mg、または、1日当たり約5mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。幾つかの実施形態では、血清尿酸値を下げる方法は、1日当たり約4mg、1日当たり約3mg、1日当たり約2mg、1日当たり約1mg、または、1日当たり約0.5mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を投与する工程を含む。
【0122】
血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に、少なくとも0.3mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に、少なくとも0.5mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に、少なくとも0.8mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に、少なくとも1mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法のある実施形態では、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に、少なくとも2mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に、少なくとも3mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態では、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に、少なくとも4mg/dL下がる。
【0123】
血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態では、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に、少なくとも0.5mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態では、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に、少なくとも0.8mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態では、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に、少なくとも1mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に、少なくとも2mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態では、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に、少なくとも3mg/dL下がる。
【0124】
血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に、少なくとも0.5mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に、少なくとも0.8mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に、少なくとも1mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態では、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に、少なくとも2mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に、少なくとも3mg/dL下がる。
【0125】
血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態では、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与後の6時間、12時間、18時間、24時間、30時間、36時間、42時間、48時間、54時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、または、120時間で、少なくとも0.5 mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与後の6時間、12時間、18時間、24時間、30時間、36時間、42時間、48時間、54時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、または、120時間で、少なくとも0.8 mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法のある実施形態では、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与後の6時間、12時間、18時間、24時間、30時間、36時間、42時間、48時間、54時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、または、120時間で、少なくとも1mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与後の6時間、12時間、18時間、24時間、30時間、36時間、42時間、48時間、54時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、または、120時間で、少なくとも2mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態では、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与後の6時間、12時間、18時間、24時間、30時間、36時間、42時間、48時間、54時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、または、120時間で、少なくとも3mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与後の6時間、12時間、18時間、24時間、30時間、36時間、42時間、48時間、54時間、60時間、72時間、84時間、96時間、108時間、または、120時間で、少なくとも4mg/dL下がる。
【0126】
血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に、約0.5mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に、約0.8mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に、約1mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態では、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に、約2mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に、約3mg/dL下がる。
【0127】
血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に約0.5mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に約0.8mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に約1mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に約2mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に約3mg/dL下がる。
【0128】
血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に約0.5mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に約0.8mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に約1mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に約2mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に約3mg/dL下がる。
【0129】
血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に約0.5mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に約0.8mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に約1mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に約2mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に約3mg/dL下がる。
【0130】
血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から少なくとも10%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から少なくとも15%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から少なくとも20%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から少なくとも30%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から少なくとも40%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から少なくとも50%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から少なくとも60%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%又は少なくとも60%下がる。
【0131】
血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から少なくとも10%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から少なくとも20%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から少なくとも30%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から少なくとも40%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から少なくとも50%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%下がる。
【0132】
血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に基準値から少なくとも15%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に基準値から少なくとも20%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に基準値から少なくとも30%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に基準値から少なくとも40%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に基準値から少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%下がる。
【0133】
血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に基準値の少なくとも10%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に基準値の少なくとも15%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に基準値の少なくとも20%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に基準値の少なくとも30%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に基準値の少なくとも40%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に基準値の少なくとも50%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に基準値の少なくとも60%下がる。
【0134】
血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から約15%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から約20%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から約30%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から約40%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から約50%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から約60%下がる。
【0135】
血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から約10%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から約15%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から約20%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から約30%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から約40%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から約50%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から約60%下がる。
【0136】
血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に基準値から約10%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に基準値から約15%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に基準値から約20%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に基準値から約30%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に基準値から約40%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に基準値から約50%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に基準値から約60%下がる。
【0137】
血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に基準値の約10%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に基準値の約15%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に基準値の約20%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に基準値の約30%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に基準値の約40%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に基準値の約50%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に基準値の約60%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の6時間後、12時間後、18時間後、24時間後、30時間後、36時間後、42時間後、48時間後、54時間後、60時間後、72時間後、84時間後、96時間後、108時間後又は120時間後に基準値の約70%下がる。
【0138】
血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約1mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に少なくとも0.5mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は約1mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に少なくとも0.5mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約1mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に少なくとも0.5mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約1mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に少なくとも1mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は約1mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に少なくとも1mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約1mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に少なくとも1mg/dL下がる。
【0139】
血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約2mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に少なくとも0.5mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は約2mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に少なくとも0.5mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約2mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に少なくとも0.5mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約2mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に少なくとも1mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は約2mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に少なくとも1mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約2mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に少なくとも1mg/dL下がる。
【0140】
血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約5mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に少なくとも1mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は約5mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に少なくとも1mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約5mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に少なくとも1mg/dL下がる。
【0141】
血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約20mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に少なくとも1mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は約20mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に少なくとも1mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約20mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に少なくとも1mg/dL下がる。
【0142】
血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約40mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に少なくとも2mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は約40mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に少なくとも2mg/dL下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約40mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に少なくとも1mg/dL下がる。
【0143】
血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約1mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から少なくとも5%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は約1mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から少なくとも10%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約1mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から少なくとも15%下がる。
【0144】
血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約2mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から少なくとも8%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は約2mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から少なくとも10%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約2mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から少なくとも15%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約2mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から少なくとも10%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は約2mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から少なくとも15%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約2mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に基準値から少なくとも15%下がる。
【0145】
血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約5mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から少なくとも20%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は約5mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から少なくとも20%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約5mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に基準値から少なくとも20%下がる。
【0146】
血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約20mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の24時間後に基準値から少なくとも40%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は約20mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から少なくとも30%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は約20mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に基準値から少なくとも20%下がる。
【0147】
血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約40mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与後に基準値から少なくとも50%下がる。血清尿酸値を下げる方法の特定の実施形態において、血清尿酸値は約40mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の48時間後に基準値から少なくとも40%下がる。血清尿酸値を下げる方法の幾つかの実施形態において、血清尿酸値は約40mgの2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の投与の72時間後に基準値から少なくとも20%下がる。
【0148】
<キット>
本明細書中に記載されている化合物、組成物及び方法は、本明細書中に記載されているような障害の処置のためのキットを提供する。これらのキットは容器に入った単一の化合物、複数の化合物又は組成物及び随意に本明細書中に記載されている様々な方法及びアプローチに基づいたキットの使用を教示する取扱説明書を含む。このようなキットは、科学論文の参考文献、添付文書の資料(package insert materials)、臨床試験結果及び/又はこれらの要約等の情報も含み、該キットは組成物の活性及び/又は利益を示す又は証明する、及び/又は投薬、投与、副作用、薬物間相互作用又はヘルスケア提供者にとって有用なその他の情報を記載している。このような情報は様々な研究の結果、例えばインビボモデルを含む実験動物を使用する研究及びヒトの臨床試験に基づく研究を基盤としたものであり得る。本明細書中に記載されているキットは、医師、看護師、薬剤師、処方職員(formulary officials)等を含む医療従事者に提供、販売及び/又は推進(promoted)することができる。幾つかの実施形態において、キットは消費者に直接販売されても良い。
【0149】
2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は診断及び研究用試薬として利用できる。例えば2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は、単独でも他の化合物との組み合わせでも細胞及び組織内で発現する遺伝子の発現パターンを明らかにするための差異及び/又は組み合わせ分析のツールとして使用することができる。限定しない例の1つとして、1つ以上の化合物で処置された細胞及び組織内の発現パターンを化合物で処置していない対照の細胞及び組織と比較し、これにより生成されたパターンを分析し、例えば試験された遺伝子の疾患との関連、シグナル経路、細胞の局在、発現レベル、大きさ、構造又は機能に関連する遺伝子発現の差異レベルを得た。これらの分析は刺激した又は刺激していない細胞、及び発現パターンに影響する他の化合物の存在下又は非存在下で行うことができる。
【0150】
ヒトの処置に使用される他に、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸及びその製剤はほ乳類、げっ歯類等のコンパニオンアニマル、珍しい動物(exotic animal)及び家畜の獣医学的処置にも有用であり得る。より好ましい動物はウマ、イヌ及びネコを含む。
【実施例】
【0151】
以下に提供される実施例及び製剤は本願発明をさらに説明し例証する。本願発明の範囲は以下の実施例の範囲によって決して限定されない。
【0152】
<実施例1:2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸の調製>
2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸は米国仮特許出願第61/355,491号及びPCT/US/11/40585及び以下に記載されているように調製された。
【0153】
(工程A)
DMF(100mL)中の3−ブロモ−4−クロロピリジン(10.0g、52mmol)及び硫酸ナトリウム(12.2g、156mmol)の混合物を130℃で2時間撹拌した。混合物を氷水浴で冷やし、激しく撹拌しながら水性HCL(6N, 45mL)を滴下した。結果として得られた黄色のペーストをウォーターバス(80℃)上のロータリーエバポレーターを用いて乾燥するまで濃縮した。結果として生じた黄色の固体はメタノール(4×50mL)で抽出され、まとめた抽出物を濃縮し、黄色の固体(9.5g、96%)を得た。
【0154】
(工程B)
DMF(50mL)中の3−ブロモ−4−チオール(工程A、4.75g、25mmol)、エチル2−ブロモイソブチレート(9.75g、50mmol)及び炭酸ナトリウム(7.95g、75mmol)の混合物を60℃で1時間撹拌した。反応混合物を水(100mL)及び酢酸エチル(100mL)で分離した。有機相を水(2×100mL)及び飽和塩化ナトリウム(100mL)で洗浄した。洗浄水は戻され、酢酸エチル(2×100mL)で抽出された。まとめた有機相を硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮し、順相クロマトグラフィ(ヘキサン中の0−25%酢酸エチル勾配)で精製し、薄黄色の油であるエチル2−(3−ブロモピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸(6.6g、88%)を得た。
【0155】
(工程C)
(4−シアノナフタレン−1−イル)ボロン酸及びPd(dppf)Clの混合物にTHF、アセトニトリル及び炭酸ナトリウム中のエチル2−(3−ブロモピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸溶液を加えた。結果として得られた混合物を1分間の窒素バブリングによって脱気し、マイクロ波照射下の150℃で30分間加熱した。ISCO充填カートリッジに混合物を充填し、ISCOカラム上でのヘキサン中の0−100%酢酸エチル勾配によって溶出し、エチル2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を得た。
【0156】
(工程D)
メタノールと水酸化ナトリウムをエチル2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸に加え、周囲温度で2時間撹拌した。ロータリーエバポレーターで容量を減らした。残渣にHCl(6N水性)を加えpH6まで撹拌し、結果として白色沈殿物の製剤を得て、ろ過によって分離した。個体を水で洗浄し、空気で乾燥させ、真空(P)下で一晩乾燥させ、2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチロプロパン酸を得た。
【0157】
1H NMR (400MHz, DMSO−d6)δppm 13.22 (bs, 1H), 8.61 (s, 1H), 8.34−8.39 (m, 2H), 8.02 (dd, J=7.2, 7.2Hz, 1H), 7.74−7.79 (m, 2H), 7.60 (dd, J=7.6, 7.6Hz, 1H), 7.44−7.53 (m, 2H), 1.61 (s, 3H), 1.54 (s, 3H).
MS(m/z), M+1, 349.14
【0158】
<実施例2:URAT1−モデルアッセイによる評価>
HEK293ヒト胚性腎細胞(ATCC#CRL−1573)を、ATCCが説明するように5%CO及び95%空気の空間で、EMEM組織培養液中で増殖させた。HEK293細胞へのモデルURAT1コンストラクトの形質移入は、製造業者が説明するようにL2000形質移入試薬(Invitrogen)を用いて行った。24時間後形質移入細胞を10cmの組織培養プレートに分離し、0.5mg/mlの最終濃度のG418(Gibco)を含む新しい成長培地に取り換えた後1日増殖させた。約8日後薬物耐性コロニーを選抜し、次に14C−尿酸輸送活性を試験した。HEK293/URAT1−モデル細胞を各ウェル125,000細胞の濃度で、ポリ−D−リシンを被覆した96ウェルプレートに塗抹した。
【0159】
細胞は37℃のインキュベーター内で一晩(20−26時間)増殖させた。プレートを室温に戻し、培養液を250μlの洗浄バッファー(125mMグルコン酸塩ナトリウム、10mM Hepes pH7.3)の1回の洗浄で洗い流した。2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸又はビヒクルを、最終濃度125μM尿酸の54 mCi/mmolの比放射性を有する14C−尿酸を含むアッセイバッファーに加えた。アッセイバッファーは125mMグルコン酸ナトリウム、4.8mMグルコン酸カリウム、1.2mMリン酸カリウム、一塩基、1.2mM硫酸マグネシウム、1.3mMグルコン酸カルシウム、5.6mMグルコース、25mMHEPES、pH7.3である。プレートを室温で10分間培養し、その後50μlの洗浄バッファーで3回洗浄し、250μlの洗浄バッファーで3回洗浄した。Microscint20シンチレーション流体を加え、プレートを平衡にするために室温で一晩培養した。プレートをその後TopCountプレートリーダーで読み込み、EC50値を導き出した(Enomoto et al, Nature 2002, 417, 447−451及びAnzai et al, J. Biol. Chem., 2004, 279, 45942−45950を参照されたい)。
【0160】
2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を、上記のプロトコルに従って、URAT−1に対して試験した。2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸はEC50値≦0.05μMを有する。
【0161】
<実施例3:単回投与第I相臨床試験>
下記の臨床試験に従って2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を評価した。
【0162】
<研究>
健康な成人男性のボランティアにおける、URAT1阻害剤の単回投与の安全性、耐性、薬物動態及び予備的食効を評価するための第I相の、無作為化された、二重盲検のプラセボ比較研究。
【0163】
<目的>
錠剤形態での単回投与として経口投与した後の安全性、耐性、薬物動態及び尿酸排泄効果、及び生物学的利用能に対する食物の効果を評価すること。
【0164】
<調査計画/研究設計>
被験体は以下の投与量で活性又はプラセボの単一の経口投与を受ける。
群1:2mg(絶食)
群2:5mg(絶食)
群3:5mg(栄養摂取)
群4:20mg(絶食)(標識投与)
群5:20mg(栄養摂取)
群6:40mg(絶食)
【0165】
<研究の詳細>
(被験体)
6つの投与群中の48の被験体、つまり8被験体/群を活性薬剤(6/群)を受ける被験体又はプラセボ(2/群)を受ける被験体へ3:1に無作為に振り分けた。全ての研究手順は、被験体が活性薬剤又はプラセボのどちらを受けているかに関わらず同じである。スクリーニング期間を含む被験体の合計参加期間は2−4週間であり、研究の全期間の間各被験体から採取した血液の合計容量は<500mLであった(ボランティアの献血の間に採取される典型的な血液量よりも少ない)。
【0166】
(研究薬剤)
35個入りのHDPEボトルに包装された、それぞれ5mg及び20mgである活性薬剤及びプラセボの錠剤を制御された室温(15−30℃)で保管した。プラセボ錠剤は活性薬剤の錠剤と一致するように、つまり同一のサイズ、形態、味及び色になるように設計されており、同じ賦形剤を含む。2mgを経口溶液として投薬した。
【0167】
<参加基準>
(包含基準)
健康な成人男性、18−45歳、体重が>50kg及びBMIが18−30kg/mであること。
【0168】
全ての実験室パラメーター(化学、血液、検尿)が正常限界内であること、sUA≧5mg/dL。
【0169】
臨床的に重要な疾患がなく、正常な血圧(90−140/50−90mmHg)、心拍数(50−100bpm)、体温(35.0−37.5℃)及び呼吸数(8−20bpm)を含む、正常な健康診断の結果を有し、心電図の異常がない被験体であること。
【0170】
(除外基準)
投薬後1週間以内の任意の病気、あるいはHIV,HepB又はHepC陽性であること。
【0171】
腎結石、重要な代謝異常、血液異常、心血管異常、胃腸異常、神経異常、肝臓異常、腎臓異常、泌尿器異常、精神障害及び心臓性異常の病歴、又は過去3か月以内に大手術をしたことがあること。
【0172】
血液又は血漿の提供、又は先の3か月以内に治験中の治療を受けたこと。
【0173】
規定/OTC(市販の)薬物又は薬草の調合剤を含む任意の薬物処置を過去14日間で受けたこと。
【0174】
薬物中毒、過度のアルコール摂取、重度のカフェイン愛飲者、先の30日以内のたばこ製品の使用の前歴があること及び/又はたばこ、アルコール、カフェインを研究中避けることに対して拒絶していること。
【0175】
研究中精力的な運動を差し控えることに対して拒絶していること。
【0176】
治験薬への任意の成分に対してアレルギー又は過敏性を有する被験体。
【0177】
<研究活動/イベントの予定の要約>
図1Aはイベントの予定の略図である。
【0178】
(スクリーニングの来院:−21日目から−3日目)
書面によるインフォームドコンセントを得た後、被験体は研究への適格性を確認するためにスクリーニングされた。
【0179】
(前治療:−2日目から−1日目)
投薬前48時間以内に被験体はCRUへ許可され、全ての研究評価が完了するまでセンターに残り、適切な時間に標準的な食事が与えられた。
【0180】
24時間の事前投薬から始めて−1日目に以下を行った。
【0181】
尿(総採取量)を以下の期間にわたって採取した;−24から−18時間、−18から−12時間、−12時間から0時間。
【0182】
血清サンプルを−24時間、−18時間及び−12時間に採取した。
【0183】
(処置期間:1日目から4日目)
処置期間中に以下を行った。
・240ml以下の室温の水を1日目の朝に投与された被験体。
絶食:被験体は一晩の絶食>10時間の後投薬され、投薬後>4時間まで絶食させたままにした。
栄養摂取:被験体は一晩の絶食>10時間の後、標準的な適度の脂肪分を含む朝食(ブドウ糖果糖液糖なし)を終えた後30分後に投薬された。
・血漿サンプルは−0.5時間(投薬前)、0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、2.5、3、4、5、6、8、10、12、24、30、36、48、54、60及び72時間(投薬後)に採取した。
・投薬後4時間で追加の血漿サンプル(20mL)(代謝産物試験)
・尿サンプル(総採取量)を以下の期間で採取した:投薬後0から6時間、6から12時間、12から24時間、24から36時間、36から48時間、48から60時間及び60から72時間。
・血清サンプルは投薬後0(投薬後30分以内)、6、12、24、30、36、48、54、60及び72時間に採取した。
1回の解析的な実行において評価された一定の被験体からの全てのサンプルであるPDサンプルは凍結させて(−20℃)保存した。
【0184】
(研究の終了)
4日目の朝にわたって予定されていた全てのサンプルを採取するまで、被験体は研究施設に留まった。研究に関連する全ての手順及び評価が完了後、被験体は退院した。
【0185】
被験体は、健康診断、バイタルサイン、ECG、安全性実験室試験、AE及び併用薬のための経過観察来院として8±1日目に研究施設に戻った。
【0186】
<有害事象、深刻な有害事象及び臨床試験からの離脱>
有害事象(AE)は、薬物の関連であると考慮されていてもされていなくても、薬物の使用に関連した任意の有害な医療上の出来事である。有害事象は研究全体にわたって連続的に観察した。
【0187】
AEの重篤度は軽度、中程度、重度又は致命的と特定されるべきである。AEの研究薬剤との関係は関連なし、疑わしい又は可能性ありと特定されるべきである。
【0188】
深刻な有害事象(SAE)は、死亡、致命的なAE、入院、持続的又は重要な障害/不能、又は通常の生命機能を指揮する能力の実質的な失調、あるいは先天異常/出産異常の結果をもたらす任意のAEである。
【0189】
被験体はプロトコル違反、深刻なAE、実験室パラメーターの臨床的に重要な変化又は被験体の要望によって離脱し得る。投薬後離脱した被験体は交代しなかった。
【0190】
<結果の評価>
薬物動態(PK)、薬力学(PD)及び安全性と有害事象を評価した。評価可能なPKデータを有する投薬された全ての被験者がPK集団を構築した。投薬された全ての被験者が安全性集団を構築した。全ての投薬時間は投薬の始まり(被験体が最初の錠剤を摂取した)と関連する。
【0191】
<実施例4A:群1の単回投与臨床試験結果>
実施例3に記載した臨床試験に基づいて2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を評価した。
【0192】
群1(2mg、絶食)における8の被験体の結果を以下の表に示す。被験体1及び2はプラセボを摂取し、被験体3−8は活性薬剤を摂取した。
投薬後0−72時間のsUA絶対濃度(mg/dL)を以下の表に示し、図2Aにおいてグラフ形状で示す。
【0193】
【表1】
【0194】
投薬後0−72時間後の%sUA変化(基準値から)を以下の表に示し、図2Bにおいてグラフ形状で示す。
【0195】
【表2】
【0196】
<実施例4B:群2の単回投与臨床試験結果>
実施例3に記載した臨床試験に基づいて2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を評価した。
【0197】
群2(2mg、絶食)における8の被験体の結果を以下の表に示す。被験体1及び2はプラセボを摂取し、被験体3−8は活性薬剤を摂取した。
投薬後0−72時間のsUA絶対濃度(mg/dL)を以下の表に示す。
【0198】
【表3】
【0199】
投薬後0−72時間後の%sUA変化(基準値から)を以下の表に示す。
【0200】
【表4】
【0201】
<実施例4C:群3の単回投与臨床試験結果>
実施例3に記載した臨床試験に基づいて2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を評価した。
【0202】
群3(5mg、栄養摂取)における8の被験体の結果を以下の表に示す。被験体1及び2はプラセボを摂取し、被験体3−8は活性薬剤を摂取した。
投薬後0−72時間のsUA絶対濃度(mg/dL)を以下の表に示す。
【0203】
【表5】
【0204】
投薬後0−72時間後の%sUA変化(基準値から)を以下の表に示す。
【0205】
【表6】
【0206】
群2及び3の投薬後0−72時間の絶対sUA(mg/dL)及び%sUA変化はそれぞれ図3A及び図3Bにおいてグラフ形状で示す。
【0207】
<実施例4D:群4の単回投与臨床試験結果>
実施例3に記載した臨床試験に基づいて2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を評価した。
【0208】
群4(20mg、絶食)における8の被験体の結果を以下の表に示す。被験体1及び2はプラセボを摂取し、被験体3−8は活性薬剤を摂取した。
投薬後0−72時間のsUA絶対濃度(mg/dL)を以下の表に示す。
【0209】
【表7】
【0210】
投薬後0−72時間後の%sUA変化(基準値から)を以下の表に示す。
【0211】
【表8】
【0212】
<実施例4E:群5の単回投与臨床試験結果>
実施例3に記載した臨床試験に基づいて2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を評価した。
【0213】
群5(20mg、栄養摂取)における8の被験体の結果を以下の表に示す。被験体1及び2はプラセボを摂取し、被験体3−8は活性薬剤を摂取した。
投薬後0−72時間のsUA絶対濃度(mg/dL)を以下の表に示す。
【0214】
【表9】
【0215】
投薬後0−72時間後の%sUA変化(基準値から)を以下の表に示す。
【0216】
【表10】
【0217】
群4及び5の投薬後0−72時間の絶対sUA(mg/dL)及び%sUA変化はそれぞれ図4A及び図4Bにおいてグラフ形状で示す。
【0218】
<実施例4F:群6の単回投与臨床試験結果>
実施例3に記載した臨床試験に基づいて2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を評価した。
【0219】
群6(40mg、絶食)における8の被験体の結果を以下の表に示す。被験体1及び2はプラセボを摂取し、被験体3−8は活性薬剤を摂取した。
投薬後0−72時間のsUA絶対濃度(mg/dL)を以下の表に示し、図5Aにグラフ形状を示す。
【0220】
【表11】
【0221】
投薬後0−72時間後の%sUA変化(基準値から)を以下の表に示し、図5Bにグラフ形状を示す。
【0222】
【表12】
【0223】
群1、2、4及び6(2mg、5mg、20mg、及び40mg、全て絶食)の投薬後0−72時間の絶対sUA(mg/dL)及び%sUA変化はそれぞれ図6A及び図6Bにおいてグラフ形状で示す。
【0224】
<実施例5:複数回投与第I相臨床試験>
以下に記載した臨床試験に基づいて2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を評価した。
【0225】
<研究>
健康な成人男性のボランティアにおける、URAT1阻害剤の複数回漸増投与の安全性、耐性、薬物動態及び予備的食効を評価するための第I相の、無作為化された、二重盲検のプラセボ比較研究。
【0226】
<調査計画/研究設計>
絶食した被験体は以下の投与量で活性又はプラセボの経口投与を10日間受ける。
群7:1mg
群8:5mg
群9:10mg
【0227】
<研究の詳細>
(被験体)
3つの投与群中の36の被験体、つまり12被験体/群を活性薬剤(9/群)を受ける被験体又はプラセボ(2/群)を受ける被験体へ4:1に無作為に振り分けた。全ての研究手順は、被験体が活性薬剤又はプラセボのどちらを受けているかに関わらず同じである。スクリーニング期間を含む被験体の合計参加期間は2−4週間であり、研究の全期間の間各被験体から採取した血液の合計容量は<500mLであった(ボランティアの献血の間に採取される典型的な血液量よりも少ない)。
【0228】
(研究薬剤)
35個入りのHDPEボトルに包装された、それぞれ5mgである活性薬剤及びプラセボの錠剤を制御された室温(15−30℃)で保管した。プラセボ錠剤は活性薬剤の錠剤と一致するように、つまり同一のサイズ、形態、味及び色になるように設計されており、同じ賦形剤を含む。1mgを経口溶液として投薬した。
【0229】
<参加基準>
(包含基準)
健康な成人男性、18−45歳、体重が>50kg及びBMIが18−30kg/mであること。
【0230】
全ての実験室パラメーター(化学、血液、検尿)が正常限界内であること、sUA≧5mg/dL。
【0231】
臨床的に重要な疾患がなく、正常な血圧(90−140/50−90mmHg)、心拍数(50−100bpm)、体温(35.0−37.5℃)及び呼吸数(8−20bpm)を含む、正常な健康診断の結果を有し、心電図の異常がない被験体であること。
【0232】
(除外基準)
投薬後1週間以内の任意の病気、あるいはHIV,HepB又はHepC陽性であること。
【0233】
腎結石、重要な代謝異常、血液異常、心血管異常、胃腸異常、神経異常、肝臓異常、腎臓異常、泌尿器異常、精神障害及び心臓性異常の病歴、又は過去3か月以内に大手術をしたことがあること。
【0234】
血液又は血漿の提供、又は先の3か月以内に治験中の治療を受けたこと。
【0235】
規定/OTC(市販の)薬物又は薬草の調合剤を含む任意の薬物処置を過去14日間で受けたこと。
【0236】
薬物中毒、過度のアルコール摂取、重度のカフェイン愛飲者、先の30日以内のたばこ製品の使用の前歴があること及び/又はたばこ、アルコール、カフェインを研究中避けることに対して拒絶していること。
【0237】
研究中精力的な運動を差し控えることに対して拒絶していること。
【0238】
治験薬への任意の成分に対してアレルギー又は過敏性を有する被験体。
【0239】
<研究活動/イベントの予定の要約>
図1Bはイベントの予定の略図を示す。
【0240】
(スクリーニングの来院:−21日目から−3日目)
書面によるインフォームドコンセントを得た後、被験体は研究への適格性を確認するためにスクリーニングされた。
【0241】
(前治療:−2日目から−1日目)
投薬前48時間以内に被験体はCRUへ許可され、全ての研究評価が完了するまでセンターに残り、適切な時間に標準的な食事が与えられた。
【0242】
24時間の事前投薬から始めて−1日目に尿、血清及び血漿を採取した。
【0243】
(処置期間:1日目から13日目)
処置期間中に以下を行った。
【0244】
被験体は240ml以下の室温の水を1日目の朝に投与された。
・尿、血清及び血漿サンプルを定期的に採取した。
1回の解析において評価された所定の被験体からの全てのサンプルであるPDサンプルは凍結させて(−20℃)保存した。
【0245】
(研究の終了)
13日目の朝にわたって予定されていた全てのサンプルを採取するまで、被験体は研究施設に留まった。研究に関連する全ての手順及び評価が完了後、被験体は退院した。
【0246】
被験体は、健康診断、バイタルサイン、ECG、安全性実験室試験、AE及び併用薬のための経過観察来院として17±1日目に研究施設に戻った。
【0247】
<有害事象、深刻な有害事象及び臨床試験からの離脱>
有害事象(AE)は、薬物の関連であると考慮されていてもされていなくても、薬物の使用に関連した任意の有害な医療上の出来事である。有害事象は研究全体にわたって連続的に観察した。
【0248】
AEの重篤度は軽度、中程度、重度又は致命的と特定されるべきである。AEの研究薬剤との関係は関連なし、疑わしい又は可能性ありと特定されるべきである。
【0249】
深刻な有害事象(SAE)は、死亡、致命的なAE、入院、持続的又は重要な障害/不能、又は通常の生命機能を指揮する能力の実質的な失調、あるいは先天異常/出産異常の結果をもたらす任意のAEである。
【0250】
被験体はプロトコル違反、深刻なAE、実験室パラメーターの臨床的に重要な変化又は被験体の要望によって離脱し得る。投薬後離脱した被験体は交代しなかった。
【0251】
<結果の評価>
薬物動態(PK)、薬力学(PD)及び安全性と有害事象を評価した。評価可能なPKデータを有する投薬された全ての被験者がPK集団を構築した。投薬された全ての被験者が安全性集団を構築した。全ての投薬時間は投薬の始まり(被験体が最初の錠剤を摂取した)と関連する。
【0252】
<実施例6A:群7の複数回投与臨床試験結果>
実施例5に記載した臨床試験に基づいて2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を評価した。
【0253】
10日間毎日1回1mgの活性薬剤又はプラセボを摂取した、群7における12の被験体の結果を以下の表に示す。被験体1、2及び3はプラセボを摂取し、被験体4−12は活性薬剤を摂取した。
基準時点(すなわち0−9日目までは一日一回の投与時、10−13日目は投与後)でのsUA絶対濃度(mg/dL)を以下の表に示し、図7Aにおいてグラフ形状で示す。
【0254】
【表13】
【0255】
基準時点(すなわち0−9日目までは一日一回の投与時、10−13日目は投与後)での%sUA変化(基準値から)を以下の表に示し、図7Bにおいてグラフ形状で示す。
【0256】
【表14】
【0257】
<実施例6B:群8の複数回投与臨床試験結果>
実施例5に記載した臨床試験に基づいて2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を評価した。
【0258】
10日間毎日1回5mgの活性薬剤又はプラセボを摂取した、群8における10の被験体の結果を以下の表に示す。被験体1、2及び3はプラセボを摂取し、被験体4−12は活性薬剤を摂取した。
基準時点(すなわち0−9日目までは一日一回の投与時、10−13日目は投与後)でのsUA絶対濃度(mg/dL)を以下の表に示し、図8Aにおいてグラフ形状で示す。
【0259】
【表15】
【0260】
基準時点(すなわち0−9日目までは一日一回の投与時、10−13日目は投与後)での%sUA変化(基準値から)を以下の表に示し、図8Bにおいてグラフ形状で示す。
【0261】
【表16】
【0262】
<実施例6C:群9の複数回投与臨床試験結果>
実施例5に記載した臨床試験に基づいて2−((3−(4−シアノナフタレン−1−イル)ピリジン−4−イル)チオ)−2−メチルプロパン酸を評価した。
【0263】
10日間毎日1回10mgの活性薬剤又はプラセボを摂取した、群9における11の被験体の結果を以下の表に示す。被験体1及び2はプラセボを摂取し、被験体3−11は活性薬剤を摂取した。
基準時点(すなわち0−9日目までは一日一回の投与時、10−13日目は投与後)でのsUA絶対濃度(mg/dL)を以下の表に示し、図9Aにおいてグラフ形状で示す。
【0264】
【表17】
【0265】
基準時点(すなわち投薬後0−9日目の毎日1回の投与に加えて、投薬後10−13日目)での%sUA変化(基準値から)を以下の表に示し、図9Bにおいてグラフ形状で示す。
【0266】
【表18】
【0267】
群7、8及び9(1mg、5mg、及び10mg、全て絶食、プラセボ群はプールした)の基準時点(すなわち0−9日目までは一日一回の投与時、10−13日目は投与後)での絶対sUA(mg/dL)及び%sUA変化はそれぞれ図10A及び図10Bにおいてグラフ形状で示す。
【0268】
本明細書中に記載される実施例及び実施形態は単に例示を目的とするものであり、当業者に提示される様々な改良又は変更が、本出願及び添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内に包含される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B