(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態を図面を参照しながら説明する。
本実施形態では、本発明に係る遊技機を、
図1に示すように、演出図柄表示装置104で複数の図柄を変動表示するパチンコ機1に適用している。
(遊技機の全体構成)
まず、パチンコ機1の全体構成を説明する。
図1は、パチンコ機の全体構成を示す斜視図である。
図1に示すように、パチンコ機1は、矩形状の枠本体2と、枠本体2の前側に開閉可能に配設された前枠3と、前枠3の前側上部に開閉可能に配設された前扉4と、前扉4の下方に配設された受皿ユニット5と、受皿ユニット5の側方に配設された発射ハンドル6と、を備えている。
【0013】
前枠4の前側には、遊技盤100(
図2参照)が配設さている。
前扉4は、前枠4に配設された遊技盤102の前側に対応する位置に配設された透明板4aと、透明板4aの周囲に配設された装飾部4bと、を有している。
装飾部4bは、前方に向かって膨出する形状を有している。装飾部4bの上部には、装飾部4bの内部に配設されたスピーカ(図示せず)が出力する音声を通過させるための複数の音抜孔4cが設けられている。
受皿ユニット5は、遊技球(貸し球、払出球)を受ける受皿5aと、受皿5aの前側に配設された演出ボタン(操作手段)5bと、を有している。
演出ボタン5bは、遊技者による操作(押される)ことに応じて、操作信号をボタン制御部157(
図3参照)に出力する。
【0014】
(遊技盤の構成)
次に、パチンコ機1における遊技盤100の構成を説明する。
図2は、パチンコ機における遊技盤の正面部、特に説明に必要な部分を模式的に示した図である。
図2に示すように、遊技盤100の前面には、遊技盤面102が形成されている。
遊技盤面102のほぼ中央部には、演出画像を表示することが可能な演出図柄表示装置104が設けられている。演出図柄表示装置104は、例えば、液晶ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置によって構成される。本実施形態では、演出図柄表示装置104は、背景等の演出画像及び複数の図柄を動画として表示可能な可変表示装置によって構成され、多彩な演出画像及び演出図柄を表示可能としている。
【0015】
演出図柄表示装置104は、それぞれにおいて演出図柄Z1(
図18参照)を独立して表示することが可能な3つの領域R1,R2,R3(
図18参照)を有している。
第1から第3の領域R1,R2,R3のそれぞれでは、演出図柄Z1の変動表示及び停止表示が行われる。ここで、演出図柄Z1は、数字を含んで構成される。本実施形態では、演出図柄Z1は、数字及び図柄から構成されている。そして、演出図柄Z1の変動表示とは、第1から第3の領域R1,R2,R3のそれぞれにおいて、複数種類の演出図柄Z1をスクロールさせた状態で表示することをいう。また、演出図柄Z1の停止表示とは、第1から第3の領域R1,R2,R3のそれぞれにおいて、演出図柄Z1を停止させた状態で表示することをいう。
【0016】
そして、演出図柄表示装置104では、第1から第3の領域R1,R2,R3で停止表示される演出図柄Z1の組み合わせによって、当たり抽選の結果を通知する。
演出図柄表示装置104の下方には、遊技球を左右方向及び前後方向に転動させることが可能なステージ108が設けられている。また、演出図柄表示装置104の左側には、流入した遊技球をステージ108に放出させるワープ入口112が設けられている。ステージ108は、前面側が開放しており、放出された遊技球を転動させた後、遊技盤面102に放出する。また、ステージ108の左右方向の中央部の奥側には、遊技球導出路108aが設けられている。そして、遊技球導出路108aに流入した遊技球は、遊技盤面102における、後述する第一始動入賞口111aの真上に導出される。
【0017】
演出図柄表示装置104の左側には、普通図柄始動ゲート122が設けられている。普通図柄始動ゲート122は、遊技球が通過すると、パチンコ機1内部の始動ゲートスイッチ(図示せず)の検出信号により遊技球の入賞を検知し、普通図柄による抽選の契機を与える。また、普通図柄始動ゲート122の下方には、遊技球を常時入賞可能とする2つの一般入賞口124,125が設けられている。
【0018】
演出図柄表示装置104の下方には、始動入賞装置111が設けられている。始動入賞装置111は、第一始動入賞口111aと、第一始動入賞口111aの下側に設けられた第二始動入賞口111bとを有している。第一始動入賞口111aは、常時、遊技球が入賞可能となるように上向きに開口した入賞口(いわゆるヘソ)である。第二始動入賞口111bは、入賞確率を変更することが可能な電動役物(いわゆる電動チューリップ)である。第二始動入賞口111bは、通常時は、遊技球が入賞することができないように閉止状態であるが、普通図柄表示装置106の表示が特定の態様となったときに、所定パターンで開放状態となって遊技球を入賞可能とする。
【0019】
第一始動入賞口111aは、遊技球が入賞すると、パチンコ機1内部の第一始動入賞口スイッチ131a(
図3参照)の検出信号により遊技球の入賞を検知し、演出図柄表示装置104における演出図柄Z1の変動表示開始の契機及び特別図柄表示装置107aにおける特別図柄の変動表示開始の契機を与える。また、第二始動入賞口111bは、遊技球が入賞すると、パチンコ機1内部の第二始動入賞口スイッチ131b(
図3参照)の検出信号により遊技球の入賞を検知し、演出図柄表示装置104における演出図柄Z1の変動表示開始の契機及び特別図柄表示装置107bにおける特別図柄の変動表示開始の契機を与える。特別図柄及び演出図柄Z1の変動表示は、所定の変動時間経過後に停止し、当たり抽選の結果の通知や演出が行われる。
【0020】
始動入賞装置111の右側には、2つの特別図柄表示装置107a,107bが設けられている。各特別図柄表示装置107a,107bは、例えば、液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクスLED等によって構成される。各特別図柄表示装置107a,107bは、数字や図柄等からなる特別図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、各特別図柄表示装置107a,107bは、停止表示された特別図柄によって、当たり抽選の結果を通知する。この際、特別図柄表示装置107aは、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を契機として行われた当たり抽選の結果を通知する。また、特別図柄表示装置107bは、第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を契機として行われた当たり抽選の結果を通知する。ここで、各特別図柄表示装置107a,107bにおいて停止表示された特別図柄が特定の図柄となって生起する遊技状態を「特賞状態(当たり)」という。特賞状態とは、遊技者へ多数の賞球を払い出す等の所定の遊技価値を付与する遊技者にとって有利な遊技状態をいう。また、各特別図柄表示装置107a,107bにおける特別図柄の表示と、演出図柄表示装置104における演出図柄Z1の表示とは、互いに対応付けられている。
【0021】
特別図柄表示装置107a,107bの右側には、普通図柄表示装置106が設けられている。普通図柄表示装置106は、例えば、液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクスLED等によって構成される。普通図柄表示装置106は、数字や図柄等からなる普通図柄の変動表示及び停止表示を行うことが可能となっている。そして、普通図柄表示装置106は、停止表示された普通図柄によって、普通図柄による抽選の結果を通知する。
特別図柄表示装置107a,107bの上側には、特別図柄始動情報記憶数表示装置109a,109b及び普通図柄始動情報記憶数表示部103が設けられている。特別図柄始動情報記憶数表示部109a,109b及び普通図柄始動情報記憶数表示部103は、それぞれ、例えば、LED等によって構成されている。
【0022】
特別図柄始動情報記憶数表示部109a,109bは、後述する特別図柄の始動情報が主制御装置210のRAM240における特別図柄用の始動情報記憶領域に記憶されることに連動して点灯し、連続して特別図柄及び演出図柄Z1の変動表示を行うことが可能な回数(以下、始動情報記憶数(いわゆる、保留玉数)という)を表示する。ここで、パチンコ機1では、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数及び第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数を、それぞれ個別に表示する。すなわち、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数を特別図柄始動情報記憶数表示装置109aに表示するとともに、第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を契機とする始動情報記憶数を特別図柄始動情報記憶数表示装置109bに表示する。
【0023】
普通図柄始動情報記憶数表示部103は、普通図柄の始動情報が主制御装置210のRAM240における普通図柄用の始動情報記憶領域に記憶されることに連動して点灯し、連続して普通図柄の変動表示を行うことが可能な回数を表示する。
始動入賞装置111の下方には、大入賞口115が設けられている。大入賞口115は、通常時は閉止状態であるが、特賞状態が生起されたときに、所定パターンで開放状態となることによって遊技球を入賞可能とする。すなわち、大入賞口115は、特別図柄表示装置107a,107bに停止表示された特別図柄が特定の図柄となり特賞状態が生起された際に、大入賞口115の前面に設置された開閉部材115aを開くことにより開放動作を行う。
【0024】
大入賞口115の開放動作は、所定の時間(例えば、30秒)経過するか、所定数(例えば10個等)の遊技球が入賞するまで(1ラウンド)継続する。また、大入賞口115の開放動作は、特賞状態の種類に応じて設定されたラウンド数だけ繰り返し行われる。そして、大入賞口115に遊技球が入賞すると、パチンコ機1内部の大入賞口スイッチ132(
図3参照)の検出信号により入賞した遊技球数が検出され、入賞した遊技球数に応じて賞球を払い出す。
【0025】
そして、大入賞口115の下方であって遊技盤面102の最下方には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収するためのアウト口110が設けられている。
なお、遊技盤面102においては、各入賞口に遊技球を導くように複数の釘(図示せず)が配置されている。
また、以下、特賞状態の終了後に当たり抽選の当選確率が低確率(通常確率)となる遊技状態を「低確率状態」といい、特賞状態の終了後に当たり抽選の当選確率が低確率状態と比較して高確率(例えば、通常確率の10倍)となる遊技状態を「確率変動状態」という。また、特別図柄及び演出図柄Z1の変動時間が短縮する遊技状態を「時短状態」という。時短状態では、普通図柄の抽選確率が通常時の抽選確率と比較して高確率(例えば、10倍)になるとともに、第二始動入賞口111bの開放時間が通常時の開放時間と比較して延長される。
【0026】
(制御系の構成)
次に、パチンコ機1における制御系の構成を説明する。
図3は、パチンコ機の制御系の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、パチンコ機1は、第一始動入賞口スイッチ131aと、第二始動入賞口スイッチ131bと、大入賞口スイッチ132と、各種入賞口スイッチ133と、を備えている。
第一始動入賞口スイッチ131aは、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置210に出力する。第二始動入賞口スイッチ131bは、第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置210に出力する。大入賞口スイッチ132は、大入賞口115への遊技球の入賞を検出し、検出信号を主制御装置210に出力する。各種入賞口スイッチ133は、普通図柄始動ゲート122への遊技球の通過等を検出し、検出信号を主制御装置210に出力する。
【0027】
また、パチンコ機1は、制御部として、主に、主制御装置210及び演出制御装置150を備えている。不正行為防止等のため、主制御装置210及び演出制御装置150は、それぞれ別々の基板に実装される。また、主制御装置210から演出制御装置150への一方向にのみデータの送信が可能となっている。
主制御装置210は、主として、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞の検出及び第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞の検出に応じて、各種の乱数を発生(抽出)させる。そして、主制御装置210は、発生させた各種乱数に基づいて、制御コマンドの送信及び遊技全体の制御を行う。また、主制御装置210は、特別図柄表示装置107a,107b、普通図柄表示装置106、特別図柄始動情報記憶数表示装置109a,109b、普通図柄始動情報記憶数表示装置103、賞球払出制御装置156、大入賞口ソレノイド158及び電動チューリップ(図示せず)を直接制御(ポート出力制御)する。
【0028】
主制御装置210は、CPU220と、ROM230と、RAM240と、入力ポート250と、出力ポート255とを備える。
入力ポート250は、第一始動入賞口スイッチ131a、第二始動入賞口スイッチ131b、大入賞口スイッチ132及び各種入賞口スイッチ133のそれぞれから出力された検出信号をCPU220に出力する。
出力ポート255は、演出制御装置150、特別図柄表示装置107a,107b、普通図柄表示装置106、特別図柄始動情報記憶数表示装置109a,109b、普通図柄始動情報記憶数表示装置103、賞球払出制御装置156及び大入賞口ソレノイド158のそれぞれに制御コマンドや制御信号を出力する。また、出力ポート255は、パチンコ機1の出玉情報や異常信号をホールコンピュータ500に出力する。これにより、ホールコンピュータ500においてパチンコ機1の遊技状況等を遠隔監視する。
【0029】
ROM230には、主制御装置210で実行されるパチンコ機1を制御するためのプログラム、遊技制御用のデータ等が記憶されている。遊技制御用のデータには、演出制御装置150を制御するための各種制御コマンド等が含まれる。ここで、各種制御コマンドとしては、図柄指定コマンド、変動パターン指定コマンド、図柄停止コマンド、始動情報記憶数コマンド、演出開始コマンド等がある。
【0030】
RAM240は、主制御装置210に対する入出力データ、演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ、抽選結果や遊技状態を管理するフラグ等を一時的に記憶する。また、RAM240は、特別図柄用の始動情報記憶領域及び普通図柄用の始動情報記憶領域を有する。ここで、特別図柄用の始動情報記憶領域には、第一始動入賞口111aへの遊技球の入賞を契機として取得される始動情報(以下、第一始動情報とする)を記憶する領域(以下、第一始動情報記憶領域とする)及び第二始動入賞口111bへの遊技球の入賞を契機として取得される始動情報(以下、第二始動情報とする)を記憶する領域(以下、第二始動情報記憶領域とする)が設けられている。ここで、始動情報とは、始動入賞口111a,111bへの遊技球の入賞を契機として取得された各種乱数値等の情報(例えば、当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等)をいう。これにより、特別図柄用の始動情報記憶領域では、第一始動情報及び第二始動情報が、それぞれ個別に記憶される。
【0031】
第一始動情報記憶領域及び第二始動情報記憶領域は、それぞれ、始動情報を所定上限数(本実施形態では、4つ)まで記憶する。そして、主制御装置210は、第一始動情報記憶領域及び第二始動情報記憶領域のそれぞれに記憶されている始動情報について、当該始動情報が取得された順に当たり判定を行って消化する。
また、普通図柄の始動情報記憶領域には、普通図柄始動ゲート122への遊技球の通過を契機として取得された乱数等の情報が所定上限数(本実施形態では、4つ)まで記憶される。
【0032】
また、RAM240は、演出制御装置150等に出力すべき制御コマンドを一時的に記憶しておくためのコマンド記憶領域を有する。そして、パチンコ機1では、停電等による電源遮断が発生した場合、停電から復帰した際に、RAM240の記憶内容を停電直前の状態に復元し、RAM240のコマンド記憶領域に記憶されている出力すべき制御コマンドを出力することにより、遊技状態を電源遮断前の状態に復帰させる。
また、主制御装置210には、電源供給を行うための電源回路212が接続されている。
【0033】
演出制御装置150は、主制御装置210と同様に、CPU、ROM、RAM、入力ポート及び出力ポートを備える。
演出制御装置150のROMには、演出を制御するためのプログラム、各種データ等が記憶されている。演出制御装置150のRAMには、主制御装置210から入力された制御コマンド、演算処理を行うためのデータ等が一時的に記憶される。演出制御装置150のCPUは、ROMに記憶されたプログラムにしたがって処理を実行することにより、表示制御部151による演出図柄表示装置104の制御、ランプ制御部152によるランプ154の制御、効果音制御部153によるスピーカ155からの効果音の出力の制御及びボタン制御部157による演出ボタン5bの制御を行う。
【0034】
演出制御装置150は、演出図柄表示装置104における表示を制御する表示制御部151と、ランプ154の点灯、点滅等を制御するランプ制御部152と、スピーカ155からの効果音の出力を制御する効果音制御部153と、演出ボタン5bの操作を検出するとともに、演出ボタンに配設されたランプの点灯、点滅、消灯等を制御するボタン制御部157と、を備える。演出制御装置150は、主制御装置210から受信した制御コマンドにしたがって演出制御装置150内で送信されるコマンドを生成し、該コマンドを送信することによって、表示制御部151、ランプ制御部152、効果音制御部153及びボタン制御部157のそれぞれを制御する。なお、演出制御装置150が、主制御装置210から受信した制御コマンドにしたがって、表示制御部151、ランプ制御部152、効果音制御部153及びボタン制御部157のそれぞれを、制御コマンドの送信によらずに、直接的に制御する構成であっても構わない。
【0035】
特に、演出制御装置150は、主制御装置210から受信した制御コマンドにしたがって、表示制御コマンドを生成する。そして、演出制御装置150は、生成した表示制御コマンドを表示制御部151に送信することにより、表示制御部151を制御する。
ランプ制御部152は、演出制御装置150から入力されるコマンドに応じて、実行すべきランプ演出を決定し、該ランプ演出に対応する制御データをROMから読み出して、該制御データに基づいてランプ154の点灯、点滅、消灯等を行う。
【0036】
効果音制御部153は、演出制御装置150から入力されるコマンドに応じて、実行すべき効果音演出を決定し、該効果音演出に対応する音響データをROMから読み出してスピーカ155に出力する。
表示制御部151は、CPU、ROM、RAM、画像処理用VDP(Video Display Processor)、入力ポート及び出力ポートを備える。
表示制御部151のROMには、表示演出制御を行うためのプログラム、各種画像データ等が記憶されている。表示制御部151のRAMには、CPUに対する入出力データや演算処理のためのデータが一時的に記憶され、ワークエリアやバッファメモリとして機能する。
表示制御部151のCPUは、演出制御装置150から入力される表示制御コマンドに応じて、ROMに記憶されたプログラムにしたがって、該表示制御コマンドに応じた画像データをROMから読み出して、該画像データをVDPに出力する。画像処理用VDPは、CPUからの出力指示にしたがって、出力ポートを介して演出図柄表示装置104に画像データを出力する。
【0037】
特に、表示制御部151は、演出制御装置150から入力された表示制御コマンドが所定の変動パターンを指定する場合、ボタン制御部157から入力される制御信号に応じて、特別な演出処理(以下、ボタン操作演出とする)を実行する。
ボタン制御部157は、演出制御装置150から入力される演出ボタン制御コマンドに応じて、後述する演出ボタン制御処理を実行する。
【0038】
(特別図柄及び演出図柄の停止表示の態様)
次に、特別図柄表示装置107a,107bにおける特別図柄の停止表示の態様及び演出図柄表示装置104における演出図柄Z1の停止表示の態様を説明する。
図4は、特別図柄の停止図柄の態様を示す図である。
パチンコ機1においては、
図4に示すように、当たり(特賞状態)の種別として、「通常大当たり」、「確変1大当たり」、「確変2大当たり」、「確変3大当たり」及び「小当たり」の5つが規定されている。
【0039】
通常大当たりとなったときは、特別図柄表示装置107a,107bにおいて特別図柄を時短図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1を時短図柄で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置104において演出図柄Z1を時短図柄で停止表示する場合、例えば、演出図柄表示装置104の第1から第3の領域R1,R2,R3において、「222」、「444」、「666」等の偶数の同一の数字が揃う組み合わせで第一の演出図柄Z1を停止表示させる。また、通常大当たりとなったときは、当たり時における大入賞口115の最高開放回数、すなわちラウンドの最高継続回数が15回となり、当たり後の100回の抽選において時短作動状態となる。さらに、通常大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が低確率状態に設定される。
【0040】
確変1大当たりとなったときは、特別図柄表示装置107a,107bにおいて特別図柄を確変1図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1を確変1図柄で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置104において演出図柄Z1を確変1図柄で停止表示する場合、例えば、演出図柄表示装置104の第1から第3の領域R1,R2,R3において、「111」、「333」、「555」といった奇数の同一の数字が揃う組み合わせで第一の演出図柄Z1を停止表示させる。また、確変1大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が15回となり、当たり後において時短作動状態となる。さらに、確変1大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【0041】
確変2大当たりとなったときは、特別図柄表示装置107a,107bにおいて特別図柄を確変1図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1を確変2図柄で停止表示させるように制御する。また、確変2大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が2回となり、当たり後において時短作動状態となる。さらに、確変2大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
【0042】
確変3大当たりとなったときは、特別図柄表示装置107a,107bにおいて特別図柄を確変1図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1を確変3図柄で停止表示させるように制御する。また、確変3大当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が2回となる。また、確変3大当たりとなったときは、当たり時(当たり発生を報知する図柄変動パターンが開始された時点)に時短未作動状態である場合は、当たり後において時短未作動状態となり、当たり時に時短作動状態である場合は、当たり後において時短作動状態を継続させる(時短継続制御)ように制御する。さらに、確変3大当たりとなったときは、当たり終了後の遊技状態が確率変動状態に設定される。
確変2大当たり、確変3大当たりは、1ラウンドの期間(大入賞口115の開放時間)が通常大当たりと比較して短く(数ms程度)、ラウンドの最高継続回数も2回しかないので、遊技者に対しては、当たりとならずに確率変動状態に突然移行したかのような意外性を与えることができる。
【0043】
小当たりとなったときは、特別図柄表示装置107a,107bにおいて特別図柄を小当たり図柄で停止表示させるとともに、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1を小当たり図柄で停止表示させるように制御する。演出図柄表示装置104において停止表示される確変3図柄及び小当たり図柄は、1又は複数の特定の図柄の組み合わせからなり、両者を区別することができないようになっている。また、小当たりとなったときは、ラウンドの最高継続回数が2回となり、小当たり後において時短機能の作動、未作動が変化しないように制御する。さらに、小当たりとなったときは、小当たり終了後の遊技状態が、小当たり前の遊技状態と同じ遊技状態に設定される。
【0044】
なお、当たりの種別は、上記種別に限られるものではなく、上記以外の別の種別を備える構成としても構わない。また、上記当たりの種別を全て備える必要はなく、その遊技機の特性に応じて、各当たりの種別を個々に組み合わせて構成することができる。
さらに、第一始動情報に基づいて生起され得る当たりの種別及び第二始動情報に基づいて生起され得る当たりの種別が互いに異なる構成とすることによって、より変化に富んだ遊技が提供され、遊技者の遊技意欲を向上させることができる。
【0045】
次に、主制御装置210から演出制御装置150に出力される制御コマンドの構造及び内容を説明する。
図5は、主制御装置から演出制御装置に出力される演出制御コマンドの内容を示す図である。
制御コマンドは、
図5に示すように、制御コマンドの分類を識別するための識別子で1バイト長のディジタルデータであるモード(MODE)と、実行される制御コマンドの内容(機能)を示す1バイト長のディジタルデータであるイベント(EVENT)とからなる。
【0046】
主制御装置210では、コマンド変化時に自身が生成するストローブ信号(DUSTB)の1つ目の立ち上がりを契機として、モード(MODE)データが出力され、次いでストローブ信号(DUSTB)の2つ目の立ち上がりを契機として、イベント(EVENT)データが出力される。これに対応して、演出制御装置150では、CPUにより、ストローブ信号(DUSTB)の入力に応じて割込を発生させ、割込処理によって演出制御コマンドが演出制御装置150のRAMに格納される。
【0047】
図5に示すように、演出制御コマンドとしては、図柄指定コマンド、変動パターン指定コマンド、図柄停止コマンド、始動情報記憶数コマンド、演出開始コマンド等がある。
図柄指定コマンドは、演出図柄表示装置104において停止表示される演出図柄Z1の組み合わせを指定するコマンドである。具体的には、図柄指定コマンドは、演出図柄表示装置104において停止表示させる演出図柄Z1として、はずれ演出図柄、時短図柄、確変1図柄、確変2図柄、確変3図柄及び小当たり図柄のいずれかを指定する。図柄指定コマンドは、演出図柄Z1の変動開始時に出力される。ここで、演出図柄Z1の変動開始時は、特別図柄の変動開始時とほぼ一致している。
【0048】
変動パターン指定コマンドは、演出図柄表示装置104において表示する変動パターンとして、n(n=1〜104)種類の変動パターンのうちいずれかを指定するためのコマンドである。変動パターン指定コマンドは、図柄指定コマンドとともに、演出図柄Z1の変動開始時に出力される。
図柄停止コマンドは、演出図柄Z1の停止表示を指定するためのコマンドである。図柄停止コマンドは、演出図柄Z1の停止表示時に出力される。ここで、演出図柄Z1の停止表示時は、特別図柄の停止表示時とほぼ一致している。
【0049】
始動情報記憶数コマンドは、正確な始動情報記憶数を演出制御装置150に通知するためのコマンドである。主制御装置210は、RAM240の始動情報記憶領域(第一始動情報記憶領域、第二始動情報記憶領域)に記憶されている始動情報(第一始動情報、第二始動情報)の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドを演出制御装置150に出力する。
ここで、始動情報記憶数コマンドは、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数のそれぞれを区別して通知する。始動情報記憶数コマンドは、主制御装置210による始動情報記憶数の更新時に出力される。
演出開始コマンドは、m(m=1〜95)種類の15R当たり(通常大当たり、確変1大当たり)の演出開始、確変2大当たりの演出開始、確変3大当たりの演出開始及び小当たりの演出開始をそれぞれ指定するためのコマンドである。演出開始コマンドは、当たり開始時に出力される。
【0050】
次に、主制御装置210で実行される遊技制御処理を説明する。
CPU220は、マイクロプロセッシングユニット等からなり、所定の動作クロック(例えば、4[ms])で1サイクルを実行可能な遊技制御プログラムに基づいて動作し、ROM230の所定領域に格納されている遊技制御プログラムを起動させ、
図6のフローチャートに示す遊技制御処理を実行する。
【0051】
まず、主制御装置210が実行する遊技制御処理を説明する。
図6は、遊技制御処理を示すフローチャートである。
遊技制御処理は、CPU220において実行されると、
図6に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS100では、遊技者の利益に直接影響する出玉の決定等に関わる各種乱数を更新する当たり決定乱数等更新処理を実行する。ここで、出玉の決定等に直接関わる各種乱数としては、当たりを生起させるか否かの当たり抽選に用いる乱数(以下、当たり決定乱数という)、当たり種別決定乱数、停止図柄決定乱数等がある。なお、当たり決定乱数等更新処理では、当たり決定乱数が一巡するたびに初期値を変化させることにより、当たり決定乱数値を容易に予測することができないようにしている。
【0052】
次いで、ステップS102に移行して、演出に関わる演出制御用乱数(例えば、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数等)を更新する演出制御用乱数更新処理を実行し、ステップS104に移行する。
ステップS104では、入力ポート250を介して、各スイッチ131a,131b,132,133からの信号を入力する入力処理を実行し、ステップS106に移行する。入力処理では、始動入賞口スイッチ131a,131bからの検出信号を入力する。
【0053】
ステップS106では、始動情報を更新する入賞スイッチ入力処理を実行し、ステップS108に移行する。
ステップS108では、当たりの判定を行うとともに演出図柄Z1の変動パターンを決定する当たり判定処理を実行し、ステップS110に移行する。
ステップS110では、大入賞口115を所定パターンで開放させる電動役物作動処理を実行し、ステップS112に移行する。
ステップS112では、賞球払出制御装置156に対して払出し動作を行わせるための制御コマンドをRAM240の所定領域に格納する賞球払出管理処理を実行し、ステップS114に移行する。
【0054】
ステップS114では、遊技制御に関する外部情報信号をホールコンピュータ500に出力する外部情報出力処理を実行し、ステップS116に移行する。
ステップS116では、パチンコ機1の検査に必要な遊技機検査信号を出力する遊技機検査信号出力処理を実行する。なお、場合によっては、ステップS116の処理は省略することもできる。
次いで、ステップS118に移行して、出力ポート255を介して、RAM240に格納した制御コマンドを出力するポート出力処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0055】
ポート出力処理では、演出制御コマンドが、演出制御装置150に対して出力される。この際、演出制御装置150に対しては、まず、ストローブ信号を出力し、モード及びイベントからなる制御コマンドを出力する。また、ポート出力処理では、特別図柄表示装置107a,107b、普通図柄表示装置106、大入賞口ソレノイド158、特別図柄始動情報記憶数表示装置109a,109b、普通図柄始動情報記憶数表示装置103等へも主制御装置210からの制御情報が出力される。
【0056】
次に、ステップS106の入賞スイッチ入力処理を説明する。
図7は、入賞スイッチ入力処理を示すフローチャートである。
入賞スイッチ入力処理は、ステップS106において実行されると、
図7に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、ステップS104の入力処理の処理結果に基づいて、第一始動入賞口スイッチ131aから検出信号を入力したか否かを判定し、検出信号を入力したと判定した場合(Yes)は、ステップS202に移行する。一方、ステップS200で、第一始動入賞口スイッチ131aから検出信号を入力しないと判定した場合(No)は、ステップS204に移行する。
【0057】
ステップS202では、RAM240の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶を更新する第一始動情報記憶更新処理を実行し、ステップS204に移行する。
ステップS204では、ステップS104の入力処理の処理結果に基づいて、第二始動入賞口スイッチ131bから検出信号を入力したか否かを判定し、検出信号を入力したと判定した場合(Yes)は、ステップS206に移行する。一方、ステップS204で、第二始動入賞口スイッチ131bから検出信号を入力しないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS206では、RAM240の第二始動情報記憶領域における第二始動情報の記憶を更新する第二始動情報記憶更新処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0058】
次に、ステップS202の第一始動情報記憶更新処理及びステップS206の第二始動情報記憶更新処理を説明する。
ここで、ステップS202の第一始動情報記憶更新処理及びステップS206の第二始動情報記憶更新処理は、同様の処理である。したがって、以下、ステップS202の第一始動情報記憶更新処理について説明し、ステップS206の第二始動情報記憶更新処理については説明を省略する。
【0059】
図8は、第一始動情報記憶更新処理を示すフローチャートである。
第一始動情報記憶更新処理は、ステップS202において実行されると、
図8に示すように、まず、ステップS300に移行する。
ステップS300では、RAM240の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数が「4」以上であるか否かを判定し、第一始動情報の記憶数が「4」以上ではないと判定した場合(No)は、ステップS302に移行する。一方、ステップS300で、第一始動情報の記憶数が「4」以上であると判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0060】
ステップS302では、当たり決定乱数、当たり種別決定乱数、リーチ決定乱数、変動パターン決定乱数、停止図柄決定乱数等を対応の乱数カウンタから取得し、取得した各乱数値(第一始動情報)を、RAM240の第一始動情報記憶領域における所定の記憶部に記憶する第一始動情報記憶処理を実行する。この際、取得された第一始動情報は、第一始動情報記憶領域において、第一始動情報が記憶されていない記憶部のうち最も上位の記憶部に記憶される。ここで、上位の記憶部とは、特賞状態を生起させるか否かを決定するための当たり判定処理(ステップS108)が先に行われる記憶部をいう(以下、同様)。すなわち、上位の記憶部に記憶されている始動情報は、当たり抽選の結果の表示(演出図柄Z1の変動表示及び停止表示)が先に行われる。これにより、RAM240の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶が更新される。
【0061】
次に、ステップS304に移行して、RAM240の所定領域に記憶されている第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数を1加算する始動情報記憶数加算処理を実行し、ステップS306に移行する。また、始動情報記憶数加算処理では、RAM240の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数が更新されることに伴い、特別図柄始動情報記憶数表示装置109aにおいて表示する第一始動情報数を「1」加算した表示とする。
【0062】
ステップS306では、ステップS304の始動情報記憶数加算処理の処理結果に基づいて、更新後の第一始動情報記憶領域における第一始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドをRAM240の所定領域に格納し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して、始動情報記憶数コマンドが演出制御装置150に送信される。例えば、RAM240の第一始動情報記憶領域に新たな第一始動情報を記憶した結果、第一始動情報記憶数が「1」となった場合、第一始動情報記憶数が「1」であることを示す始動情報記憶数コマンドが演出制御装置150に送信される。
【0063】
次に、ステップS108の当たり判定処理を説明する。
図9は、当たり判定処理を示すフローチャートである。
当たり判定処理は、所定確率で特賞状態を生起させるために、所定の数値範囲に1個の当たり値を設定し、取得した当たり決定乱数と当たり値とが一致しているときに当たり(特賞状態)を生起させる処理である。
当たり判定処理は、ステップS108において実行されると、
図9に示すように、まず、ステップS400に移行する。
ステップS400では、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1が変動中か否かを判定し、演出図柄Z1が変動中でないと判定した場合(No)は、ステップS402に移行する。一方、ステップS400で、演出図柄Z1が変動中であると判定した場合(Yes)は、ステップS422に移行する。
【0064】
ステップS402では、始動情報記憶数(第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数を加算した値)が「1」以上であるか否かを判定し、始動情報記憶数が「1」以上であると判定した場合(Yes)は、ステップS404に移行する。一方、ステップS402で、始動情報記憶数が「1」以上でないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0065】
ステップS404では、RAM240の始動情報記憶領域(第一始動情報記憶領域又は第二始動情報記憶領域)から始動情報を読み出し、ステップS406に移行する。
ここで、ステップS404の読み出しでは、RAM240の第一始動情報記憶領域に記憶されている第一始動情報及び第二始動情報記憶領域に記憶されている第二始動情報のうち、最も先に取得された始動情報(以下、最先始動情報とする)が読み出される。すなわち、パチンコ機1では、第一始動情報及び第二始動情報を通じて、該始動情報が取得された順番で当たり判定が実行される。なお、第二始動情報に基づく当たり判定が、第一始動情報に基づく当たり判定に対して優先して実行される構成としても構わない。
【0066】
ステップS406では、ステップS404で読み出した最先始動情報に係る当たり決定乱数の値が当たり値と一致しているか否かを判定し、当たり決定乱数の値が当たり値と一致していると判定した場合(Yes)は、ステップS408に移行する。一方、ステップS406で、当たり決定乱数の値が当たり値と一致していないと判定した場合(No)は、ステップS418に移行する。
【0067】
ステップS408では、当たりの種別を決定する当たり種別決定処理を実行し、ステップS410に移行する。
ここで、ROM230には、当たり種別決定乱数の値と当たり種別番号との対応を登録した当たり種別決定テーブルが格納されている。そして、当たり種別決定処理では、最先始動情報に係る当たり種別決定乱数の値に対応する当たり種別番号を当たり種別決定テーブルから読み出して当たりの種別を決定する。これにより、通常大当たり、確変1大当たり、確変2大当たり、確変3大当たり、小当たりの別が決定される。
【0068】
ステップS410では、当たり時に停止表示する特別図柄及び演出図柄Z1の組み合わせを決定する当たり時停止図柄決定処理を実行し、ステップS412に移行する。
ここで、ROM230には、各当たり種別ごとに設定された停止図柄決定テーブルが格納されている。各停止図柄決定テーブルには、停止図柄決定乱数の値と停止表示する演出図柄Z1の組み合わせを示す停止図柄番号との対応が登録されている。そして、当たり時停止図柄決定処理では、まず、ステップS408で決定された当たり種別番号に対応する停止図柄決定テーブルを読み出す。そして、最先始動情報の停止図柄決定乱数の値に対応する停止図柄番号を停止図柄決定テーブルから読み出す。さらに、読み出した停止図柄番号に対応する停止図柄指定コマンドをRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して停止図柄指定コマンドが演出制御装置150に送信される。
【0069】
一方、停止表示する特別図柄は、停止図柄決定乱数の値と停止表示する特別図柄との対応が登録された特別図柄決定テーブルに基づいて、演出図柄Z1の場合と同様の処理により決定する。ただし、停止表示する特別図柄は、停止表示する演出図柄Z1の組み合わせの決定に先立って決定される。すなわち、停止表示する特別図柄を決定した後に、これに対応させて停止表示する演出図柄Z1の組み合わせを決定する。そのため、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄Z1の組み合わせは、ともに、同一の停止図柄決定乱数値に基づいて決定される。そして、停止表示する特別図柄を指定するための指令情報をRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して特別図柄表示装置107a,107bに指令情報が直接送信される。
【0070】
ステップS412では、当たり時に変動表示する演出図柄Z1の変動パターンを決定する当たり時変動パターン決定処理を実行し、ステップS414に移行する。
ここで、ROM230には、当たり種別、現在の遊技状態等の組み合わせごとに設定された変動パターン決定テーブルが格納されている。各変動パターン決定テーブルには、変動パターン決定乱数の値と変動パターン番号との対応が登録されている。そして、当たり時変動パターン決定処理では、まず、ステップS408で決定された当たり種別番号及び現在の遊技状態に対応する変動パターン決定テーブルを読み出す。そして、最先始動情報の変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターン番号を変動パターン決定テーブルから読み出す。さらに、読み出した変動パターン番号に対応する変動パターン指定コマンドをRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して変動パターン指定コマンドが演出制御装置150に送信される。
【0071】
ステップS414では、演出図柄Z1の変動表示時間を設定する変動設定処理を実行し、ステップS416に移行する。
変動設定処理では、演出図柄Z1の変動表示時間は、ステップS412又はS420で決定した変動パターン番号に基づいて決定する。また、当たりを生起させることが決定された場合の変動設定処理では、大入賞口115の開放回数及び開放時間を設定する。
ステップS416では、始動情報記憶数を「1」減算する始動情報記憶数減算処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0072】
始動情報記憶数減算処理では、最先始動情報をRAM240における変動中の始動情報を記憶する領域に移す。そして、始動情報記憶領域(第一始動情報記憶領域又は第二始動情報記憶領域)における2番目以降の記憶部に記憶されている始動情報(第一始動情報又は第二始動情報)を、それぞれ、1つ上の順位の記憶部に繰り上げて記憶する。これにより、RAM240の始動情報記憶領域における始動情報の記憶が更新される。
【0073】
また、始動情報記憶数減算処理では、RAM240の始動情報記憶領域における始動情報の記憶が更新されることに伴い、特別図柄始動情報記憶数表示装置109a,109bにおいて表示する始動情報記憶数を「1」減算した表示とする。
さらに、始動情報記憶数減算処理では、RAM240の始動情報記憶領域における始動情報の記憶が更新されることに伴い、更新後の始動情報の記憶数に応じた始動情報記憶数コマンドをRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して始動情報記憶数コマンドが演出制御装置150に送信される。
【0074】
一方、ステップS418では、はずれ時に停止表示する演出図柄Z1の組み合わせを決定するはずれ時停止図柄決定処理を実行し、ステップS420に移行する。
はずれ時停止図柄決定処理は、ステップS410と同様に構成される。ここで、はずれ時停止図柄決定処理では、演出図柄表示装置104で停止表示する具体的なはずれ演出図柄Z1の組み合わせを指定するのではなく、当たり抽選の結果がはずれであるという結果だけを指定するためのコマンドであるはずれ演出図柄指定コマンドをRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介してはずれ演出図柄指定コマンドが演出制御装置150に送信される。そして、演出制御装置150は、はずれ演出図柄指定コマンドを入力したときは、はずれになる演出図柄Z1の組み合わせを決定し、決定した組み合わせで演出図柄Z1を停止表示する。
【0075】
ステップS420では、はずれ時に変動表示する演出図柄Z1の変動パターンを決定するはずれ時変動パターン決定処理を実行し、ステップS414に移行する。
はずれ時変動パターン決定処理は、ステップS412と同様に構成される。ただし、ROM230には、現在の遊技状態、始動情報記憶数、リーチ決定乱数等の組み合わせごとに設定された変動パターン決定テーブルが格納されている。そして、はずれ時変動パターン決定処理では、まず、現在の遊技状態、始動情報記憶数及びリーチ決定乱数に対応する変動パターン決定テーブルを読み出す。そして、最先始動情報の変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターン番号を変動パターン決定テーブルから読み出す。さらに、読み出した変動パターン番号に対応する変動パターン指定コマンドをRAM240の所定領域に格納する。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して変動パターン指定コマンドが演出制御装置150に送信される。
【0076】
一方、ステップS422では、演出図柄Z1の変動表示を開始してから所定の変動表示時間が経過したか否かを判定し、所定の変動表示時間が経過したと判定した場合(Yes)は、ステップS424に移行する。一方、ステップS422で、所定の変動表示時間が経過していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。ここで、所定の変動表示時間とは、ステップS414で設定される演出図柄Z1の変動表示時間である。
ステップS424では、図柄停止コマンドをRAM240の所定領域に格納する図柄停止処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。これにより、ステップS118のポート出力処理では、出力ポート255を介して図柄停止コマンドが演出制御装置150に送信される。
【0077】
次に、演出制御装置150で実行される処理を説明する。
演出制御装置150のCPUは、所定の動作クロック(例えば、2[ms])で1サイクルを実行可能な制御プログラムに基づいて動作し、ROM230の所定領域に格納されている制御プログラムを起動させ、
図10のフローチャートに示す演出制御処理を繰り返し実行する。
図10は、演出制御装置が実行する演出制御処理を示すフローチャートである。
演出制御処理は、演出制御装置150のCPUにおいて実行されると、
図10に示すように、まず、ステップS500に移行する。
ステップS500では、演出制御装置150は、始動情報記憶数コマンドを受信する始動情報記憶数コマンド受信処理を実行し、ステップS502に移行する。
【0078】
始動情報記憶数コマンド受信処理は、演出制御装置150は、主制御装置210から始動情報記憶数コマンドを受信し、受信した始動情報記憶数コマンドが示す始動情報記憶数をRAMの所定領域に記憶する。この際、演出制御装置150は、主制御装置210から始動情報記憶数コマンドを受信するごとに、RAMの所定領域に記憶されている始動情報記憶数を更新する。ここで、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数を、それぞれ個別に記憶する。
【0079】
また、演出制御装置150は、受信した始動情報記憶数コマンドに対応する表示制御コマンド(以下、始動情報記憶数表示コマンドとする)を生成し、生成した始動情報記憶数表示コマンドを表示制御部151に送信する。
そして、表示制御部151は、始動情報記憶数表示コマンドを受信すると、該始動情報記憶数表示コマンドが示す始動情報記憶数を、演出図柄表示装置104において表示させる。ここで、表示制御部151は、演出図柄表示装置104において、第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数を、それぞれ個別に表示する。表示制御部151は、演出図柄表示装置104において表示される第一始動情報記憶数及び第二始動情報記憶数のそれぞれを、新たな始動情報記憶数表示コマンドを受信するまで維持する。
【0080】
ステップS502では、演出制御装置150は、変動パターン指定コマンドを受信する変動パターン指定コマンド受信処理を実行し、ステップS504に移行する。
変動パターン指定コマンド受信処理では、演出制御装置150は、主制御装置210から変動パターン指定コマンドを受信する。そして、演出制御装置150は、受信した変動パターン指定コマンドに対応する表示制御コマンド(以下、変動パターン表示コマンドとする)を生成し、生成した変動パターン表示コマンドを表示制御部151に送信する。
【0081】
そして、表示制御部151は、変動パターン表示コマンドを受信すると、演出図柄表示装置104において変動パターン表示コマンドで指定されている変動パターンによる演出図柄Z1の変動表示を開始させる。
ここで、演出制御装置150は、主制御装置210から受信した変動パターン指定コマンドが特定の変動パターン(以下、ボタン操作演出実行変動パターンとする)を指定する場合、RAMの所定領域において、ボタン操作演出実行フラグをON状態に設定する。本実施形態では、通常大当たりを生起させることが決定された場合に選択され得る複数の変動パターンのうち一の変動パターンが、ボタン操作演出実行へ動パターンに設定されている。
【0082】
ステップS504では、演出制御装置150は、図柄指定コマンドを受信する図柄指定コマンド受信処理を実行し、ステップS506に移行する。
図柄指定コマンド受信処理では、演出制御装置150は、主制御装置210から図柄指定コマンドを受信する。そして、演出制御装置150は、受信した図柄指定コマンドに対応する表示制御コマンド(以下、停止図柄表示コマンドとする)を生成し、生成した停止図柄表示コマンドを表示制御部151に送信する。
【0083】
ステップS506では、演出制御装置150は、図柄停止コマンドを受信する図柄停止コマンド受信処理を実行し、ステップS508に移行する。
図柄停止コマンド受信処理では、演出制御装置150は、主制御装置210から図柄停止コマンドを受信する。そして、演出制御装置150は、受信した図柄停止コマンドに対応する表示制御コマンドを生成し、生成した表示制御コマンドを表示制御部151に送信する。
【0084】
そして、表示制御部151は、図柄停止コマンドに対応する表示制御コマンドを受信すると、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1を停止表示させる。この際、表示制御部151は、ステップS504で受信した停止図柄表示コマンドで指定されている組み合わせで、演出図柄Z1を停止表示させる。
ステップS508では、演出制御装置150は、演出開始コマンドを受信する演出開始コマンド受信処理を実行し、ステップS510に移行する。
演出開始コマンド受信処理では、演出制御装置150は、主制御装置210から演出開始コマンドを受信して、受信した演出開始コマンドに応じて当たり演出を実行する。
ステップS510では、演出制御装置150は、ボタン操作演出実行処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0085】
次に、ステップS510のボタン操作演出実行処理を説明する。
図11は、ボタン操作演出実行処理を示すフローチャートである。
ボタン操作演出実行処理は、ステップS510において実行されると、
図11に示すように、まず、ステップS600に移行する。
ステップS600では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、ボタン操作演出実行フラグがON状態に設定されているか否かを判定し、ボタン操作演出実行フラグがON状態に設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS602に移行する。一方、ステップS600で、ボタン操作演出実行フラグがON状態に設定されていない(OFF状態に設定されている)と判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0086】
ステップS602では、演出制御装置150は、タイマ設定処理を実行し、ステップS604に移行する。
タイマ設定処理では、演出制御装置150は、タイマSをスタートして、ボタン操作演出実行変動パターン(演出図柄Z1の変動表示)を開始してからの経過時間の計数を開始する。
ステップS604では、演出制御装置150は、ボタン操作有効期間を設定するためのボタン操作有効期間設定処理を実行し、ステップS606に移行する。
ステップS606では、演出制御装置150は、適正期間設定処理を実行し、ステップS608に移行する。
ステップS608では、演出制御装置150は、ボタン操作判定処理を実行し、ステップS610に移行する。
ステップS610では、演出制御装置150は、ボタン操作演出開始処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0087】
次に、ステップS604のボタン操作有効期間設定処理を説明する。
ボタン操作有効期間設定処理とは、演出ボタン5bの操作が有効となる期間であるボタン操作有効期間を設定するための処理である。
図12は、ボタン操作演出実行変動パターンの一の例を示す図である。
図13は、ボタン操作演出実行変動パターンの他の例を示す図である。
図12及び
図13に示すように、ボタン操作演出実行変動パターン(演出図柄Z1が変動表示される期間内)においては、ボタン操作有効期間が設定されている。
【0088】
ここで、演出制御装置150のRAMには、操作有効期間フラグを設定する所定領域が設けられている。演出制御装置150は、ボタン操作有効期間中には、RAMの所定領域において、操作有効期間フラグをON状態に設定する。一方、演出制御装置150は、ボタン操作有効期間以外の期間(以下、ボタン操作無効期間とする)中には、RAMの所定領域において、操作有効期間フラグをOFF状態に設定する。
【0089】
そして、ボタン制御部157は、RAMの所定領域において、操作有効期間フラグがON状態に設定されている場合(ボタン操作有効期間内)には、演出ボタン5bが操作されることによって出力される操作信号の入力を受け付ける。一方、ボタン制御部157は、RAMの所定領域において、操作有効期間フラグがOFF状態に設定されている場合(ボタン操作無効期間内)には、演出ボタン5bが操作されることによって出力される操作信号の入力を受け付けない。
【0090】
また、ボタン制御部157は、RAMの所定領域において、操作有効期間フラグがON状態に設定されている際(ボタン操作有効期間内)には、演出ボタン5bのランプを点灯状態とする。一方、ボタン制御部157は、RAMの所定領域において、操作有効期間フラグがOFF状態に設定されている際(ボタン操作無効期間内)には、演出ボタン5bのランプを消灯状態とする。したがって、遊技者は、演出ボタン5bの点灯状態を確認することによって、ボタン操作有効期間内であるか否かを認識することが可能となる。
【0091】
図14は、ボタン操作有効期間設定処理を示すフローチャートである。
ボタン操作有効期間設定処理は、ステップS604において実行されると、
図14に示すように、まず、ステップS700に移行する。
ステップS700では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、操作有効期間フラグがON状態に設定されているか否かを判定し、操作有効期間フラグがON状態に設定されていない(OFF状態に設定されている)と判定した場合(No)は、ステップS702に移行する。一方、ステップS700で、操作有効期間フラグがON状態に設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS706に移行する。
【0092】
ステップS702では、演出制御装置150は、ボタン操作有効期間を開始するか否かを判定し、ボタン操作有効期間を開始すると判定した場合(Yes)は、ステップS704に移行する。一方、ステップS702で、ボタン操作有効期間を開始しないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
図12及び
図13に示すように、本実施形態では、演出制御装置150は、タイマSの値がT1に達したか否かを判定し、タイマSの値がT1に達したと判定した場合に、ボタン操作有効期間を開始すると判定する。
【0093】
ステップS704では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、操作有効期間フラグをON状態に設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS706では、演出制御装置150は、ボタン操作有効期間を終了するか否かを判定し、ボタン操作有効期間を終了すると判定した場合(Yes)は、ステップS708に移行する。一方、ステップS706で、ボタン操作有効期間を終了しないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0094】
図12及び
図13に示すように、本実施形態では、演出制御装置150は、タイマSの値がT3に達したか否かを判定し、タイマSの値がT3に達したと判定した場合に、ボタン操作有効期間を終了すると判定する。
ステップS708では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、操作有効期間フラグをOFF状態に設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0095】
次に、ステップS606の適正期間設定処理を説明する。
適正期間設定処理は、ボタン操作有効期間内において、適正期間を設定するための処理である。ここで、適正期間とは、ボタン操作有効期間における演出ボタン5bが操作されたタイミングを判定するための期間である。
図12及び
図13に示すように、ボタン操作有効期間内においては、適正期間が設定されている。
ここで、演出制御装置150のRAMには、適正期間フラグを設定する所定領域が設けられている。演出制御装置150は、適正期間中には、RAMの所定領域において、適正期間フラグをON状態に設定する。一方、演出制御装置150は、適正期間以外の期間(以下、不適正期間とする)中には、RAMの所定領域において、適正期間フラグをOFF状態に設定する。
【0096】
そして、表示制御部151は、RAMの所定領域において、適正期間フラグがON状態に設定されている際(適正期間内)には、演出図柄表示装置104において適正期間報知演出を表示する。ここで、適正期間報知演出とは、例えば、「大当たり!?」のメッセージの表示が該当する。一方、表示制御部151は、RAMの所定領域において、適正期間フラグがOFF状態に設定されている際(不適正期間内)には、演出図柄表示装置104において適正期間報知演出と異なる内容の不適正期間報知演出を表示する。ここで、不適正期間報知演出とは、例えば、「はずれ!?」のメッセージの表示が該当する。なお、表示制御部151は、RAMの所定領域において、適正期間フラグがOFF状態に設定されている際(不適正期間内)には、演出図柄表示装置104において演出を表示しない構成としても構わない。したがって、遊技者は、演出図柄表示装置104の表示を確認することによって、適正期間内であるか否かを認識することが可能となる。
【0097】
図15は、適正期間設定処理を示すフローチャートである。
適正期間設定処理は、ステップS606において実行されると、
図15に示すように、まず、ステップS800に移行する。
ステップS800では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、操作有効期間フラグがON状態に設定されているか否かを判定し、操作有効期間フラグがON状態に設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS802に移行する。一方、ステップS800で、操作有効期間フラグがON状態に設定されていない(OFF状態に設定されている)と判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0098】
ステップS802では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、適正期間フラグがON状態に設定されているか否かを判定し、適正期間フラグがON状態に設定されていない(OFF状態に設定されている)と判定した場合(No)は、ステップS804に移行する。一方、ステップS802で、適正期間フラグがON状態に設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS808に移行する。
【0099】
ステップS804では、演出制御装置150は、適正期間を開始するか否かを判定し、適正期間を開始すると判定した場合(Yes)は、ステップS806に移行する。一方、ステップS804で、適正期間を開始しないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
図12及び
図13に示すように、本実施形態では、演出制御装置150は、タイマSの値がT1に達したか否かを判定し、タイマSの値がT1に達したと判定した場合に、適正期間を開始すると判定する。すなわち、本実施形態では、ボタン操作有効期間及び適正期間が、同じタイミングで開始する。
【0100】
ステップS806では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、適正期間フラグをON状態に設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS808では、演出制御装置150は、適正期間を終了するか否かを判定し、適正期間を終了すると判定した場合(Yes)は、ステップS810に移行する。一方、ステップS808で、適正期間を終了しないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0101】
図12及び
図13に示すように、本実施形態では、演出制御装置150は、タイマSの値がT2に達したか否かを判定し、タイマSの値がT2に達したと判定した場合に、適正期間を終了すると判定する。
ステップS810では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、適正期間フラグをOFF状態に設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0102】
次に、ステップS608のボタン操作判定処理を説明する。
ボタン操作判定処理は、演出ボタン5bが操作されたタイミングを判定するための処理である。
ここで、演出制御装置150のRAMには、ボタン操作演出開始フラグを設定する所定領域が設けられている。ボタン制御部157は、ボタン操作有効期間内に演出ボタン5bが操作されたと判定した場合、RAMの所定領域において、ボタン操作演出開始フラグをON状態に設定する。また、ボタン制御部157は、ボタン操作有効期間内に演出ボタン5bが操作されたと判定した場合、ボタン操作有効期間における演出ボタン5bが操作されたタイミングに応じて、ボタン操作演出の開始時間Rを設定する。
【0103】
図16は、ボタン操作判定処理を示すフローチャートである。
ボタン操作判定処理は、ステップS608において実行されると、
図16に示すように、まず、ステップS900に移行する。
ステップS900では、演出制御装置150は、演出ボタン5bから操作信号を受信したか否かを判定し、演出ボタン5bから操作信号を受信したと判定した場合(Yes)は、ステップS902に移行する。一方、ステップS900で、演出ボタン5bから操作信号を受信していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0104】
ステップS902では、演出制御装置150は、操作有効期間フラグがON状態に設定されているか否かを判定し、操作有効期間フラグがON状態に設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS904に移行する。一方、ステップS902で、操作有効期間フラグがON状態に設定されていないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS904では、演出制御装置150は、ボタン操作演出開始フラグがON状態に設定されているか否かを判定し、ボタン操作演出開始フラグがON状態に設定されていないと判定した場合(No)は、ステップS906に移行する。一方、ステップS904で、ボタン操作演出開始フラグがON状態に設定されていると判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0105】
ステップS906では、演出制御装置150は、適正期間フラグがON状態に設定されているか否かを判定し、適正期間フラグがON状態に設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS908に移行する。一方、ステップS906で、適正期間フラグがON状態に設定されていないと判定した場合(No)は、ステップS912に移行する。
ステップS908では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、ボタン操作演出の開始時間Rとして第1の開始時間t1を設定し、ステップS910に移行する。
【0106】
ここで、ボタン操作演出の開始時間Rとは、演出ボタン5bから操作信号を受信してからボタン操作演出を開始するまでの遅延時間を意味する。
そして、
図12に示すように、第1の開始時間t1は、演出ボタン5bから操作信号が入力された直後にボタン操作演出が開始される時間(例えば、0.1[s])に設定されている。これにより、適正期間内において演出ボタン5bが操作されたと判定した場合(演出ボタン5bが操作されたタイミングが所定の適正条件を満たすと判定した場合)には、演出ボタン5bが操作された直後にボタン操作演出が開始される。なお、第1の開始時間t1は、0[s]であっても構わない。
【0107】
ステップS910では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、ボタン操作演出開始フラグをON状態に設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS912では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、ボタン操作演出の開始時間Rとして第2の開始時間t2を設定し、ステップS910に移行する。
ここで、
図13に示すように、第2の開始時間t2は、第1の開始時間よりも長い時間(例えば、10[s])に設定されている。これにより、不適正期間内において演出ボタン5bが操作されたと判定した場合(演出ボタン5bが操作されたタイミングが所定の適正条件を満たさないと判定した場合)には、演出ボタン5bが操作されてから所定の間をおいてボタン操作演出が開始される。
【0108】
次に、ステップS610のボタン操作演出開始処理を説明する。
ボタン操作演出開始処理は、ボタン操作演出を開始するための処理である。
図17は、ボタン操作演出開始処理を示すフローチャートである。
ボタン操作演出開始処理は、ステップS610において実行されると、
図17に示すように、まず、ステップS1000に移行する。
ステップS1000では、演出制御装置150は、ボタン操作演出開始フラグがON状態に設定されているか否かを判定し、ボタン操作演出開始フラグがON状態に設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS1002に移行する。一方、ステップS1000で、ボタン操作演出開始フラグがON状態に設定されていないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0109】
ステップS1002では、演出制御装置150は、RAMの所定領域に設定されているボタン操作演出の開始時間Rに達したか否かを判定し、開始時間Rに達したと判定した場合(Yes)は、ステップS1004に移行する。一方、ステップS1002で、開始時間Rに達していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS1004では、演出制御装置150は、ボタン操作演出を開始し、ステップS1006に移行する。
【0110】
本実施形態では、演出制御装置150は、ボタン操作演出として、演出図柄表示装置104において所定の演出画像を表示する。
ステップS1006では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、ボタン操作演出開始フラグをOFF状態に設定し、ステップS1008に移行する。
ステップS1008では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、ボタン操作演出実行フラグをOFF状態に設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0111】
(パチンコ機1の動作)
次に、パチンコ機1の動作を説明する。
図18は、演出図柄表示装置における演出図柄の変動表示の一例を示す図である。
図19は、演出図柄表示装置に表示される適正期間報知演出の一例を示す図である。
図20は、演出図柄表示装置に表示される不適正期間報知演出の一例を示す図である。
図21は、演出図柄表示装置に表示されるボタン操作演出の一例を示す図である。
図22は、演出図柄表示装置における演出図柄の停止表示の一例を示す図である。
【0112】
遊技盤面102に発射された遊技球が始動入賞口111a,111bに入賞すると、始動入賞口スイッチ131a,131bにより検出信号が出力される。
主制御装置210では、始動入賞口スイッチ131a,131bから検出信号が入力されると、ほぼそのタイミングで当たり決定乱数等の各種乱数が取得される。そして、取得された各種乱数は、始動入賞情報として、RAM240の始動入賞情報記憶領域に記憶される。この際、第一始動入賞口スイッチ131aの検出信号を契機として取得された第一始動情報は、RAM240における第一始動情報記憶領域に最大4つまで記憶される。また、第二始動入賞口スイッチ131bの検出信号を契機として取得された第二始動情報は、RAM240における第二始動情報記憶領域に最大4つまで記憶される。
【0113】
そして、主制御装置210は、始動情報記憶領域に記憶されている始動情報について、当たり判定を行う。
そして、当たり判定の結果、当たりを生起させることを決定した場合、当たりの種別、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄Z1の組み合わせ、並びに当たり時の変動パターンが決定される。一方、当たり判定の結果、はずれを生起させることを決定した場合、停止表示する特別図柄及び停止表示する演出図柄Z1の組み合わせ、並びにはずれ時の変動パターンが決定される。
【0114】
主制御装置210は、当たり判定により、当たり及びはずれのうちいずれかを生起させることを決定すると、演出図柄Z1を変動表示し特定の組み合わせで停止表示させるために、変動パターン指定コマンド及び停止図柄指定コマンド等の制御コマンドを演出制御装置150に送信する。そして、演出制御装置150は、主制御装置210から制御コマンドを受信すると、演出図柄表示装置104において、決定された変動パターンで演出図柄Z1を変動表示させ、所定の変動時間経過後に、決定された組み合わせで演出図柄Z1を停止表示させる。
【0115】
具体的には、
図18に示すように、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1の変動表示を行う場合、第1から第3の領域R1,R2,R3のそれぞれにおいて、数字及び図柄からなる演出図柄Z1が変動表示(スクロール)される。そして、演出図柄表示装置104において演出図柄Z1の停止表示を行う場合、第1から第3の領域R1,R2,R3のそれぞれにおいて演出図柄Z1が停止表示される(
図22参照)。
【0116】
また、主制御装置210は、始動情報記憶数(第一始動情報記憶数、第二始動情報記憶数)の更新時に、更新された始動情報数を示す始動情報記憶数コマンドを演出図柄表示置150に送信する。そして、演出制御装置150は、始動情報記憶数コマンドを受信すると、RAMの所定領域に記憶されている始動情報記憶数を更新し、更新した始動情報記憶数を、演出図柄表示装置104において表示させる。
【0117】
図18から
図22に示すように、演出図柄表示領域104では、第一始動情報記憶数を表示する第一始動情報数表示図柄Xが表示されるとともに、第二始動情報記憶数を表示する第二始動情報数表示図柄Yが表示される。第一始動情報数表示図柄X及び第二始動情報数表示図柄Yは、それぞれ、始動情報数記憶領域に記憶されている始動情報数に応じた数だけ点灯される。例えば、
図18では、第一始動情報数表示図柄Xが3つ点灯するとともに、第二始動情報数表示図柄Yが2つ点灯していることによって、第一始動情報記憶領域における第一始動情報記憶数が3つ、第二始動情報記憶領域における第二始動情報記憶数が2つであることを示す。
【0118】
ここで、演出制御装置150は、主制御装置210から受信した変動パターン指定コマンドがボタン操作演出実行変動パターンを指定する場合、ボタン操作演出を表示するための処理を実行する。
具体的には、まず、RAMの所定領域において、ボタン操作演出実行フラグをON状態に設定し、タイマSをスタートしてボタン操作演出実行変動パターンを開始してからの経過時間の計数を開始する。
【0119】
また、演出制御装置150は、タイマSの値がT1に達してからT3に達するまでの間、ボタン操作有効期間を設定する。そして、演出制御装置150は、ボタン操作有効期間内には、演出ボタン5bの操作を有効とする。
また、演出制御装置150は、ボタン操作有効期間中は、演出ボタン5bのランプを点灯状態とする。これにより、遊技者は、演出ボタン5bの点灯状態を確認することによって、ボタン操作有効期間中であるか否かを認識することが可能となる。
【0120】
そして、演出制御装置150は、ボタン操作有効期間内に演出ボタン5bが操作されたと判定した場合、ボタン操作演出の実行を決定する。
なお、本実施形態では、演出制御装置150は、ボタン操作有効期間内に演出ボタン5bが操作されていない場合、ボタン操作演出を実行しない構成となっている。
さらに、演出制御装置150は、ボタン操作有効期間内において、タイマSの値がT1に達してからT2に達するまでの間に適正期間を設定するとともに、タイマSの値がT2に達してからT3に達するまでの間に不適正期間を設定する。そして、演出制御装置150は、ボタン操作有効期間内に演出ボタン5bが操作されたと判定した場合、該演出ボタン5bが操作されたタイミングが、適正期間内及び不適正期間内のうちいずれのタイミングであるかを判定する。
【0121】
ここで、
図19に示すように、演出制御装置150は、適正期間中は、演出図柄表示装置104において、適正期間報知演出として「大当たり!?」のメッセージを表示する。一方、
図20に示すように、演出制御装置150は、不適正期間中は、演出図柄表示装置104において、不適正期間報知演出として「はずれ!?」のメッセージを表示する。これにより、遊技者は、演出図柄表示装置104の表示を確認することによって、適正期間中及び不適正期間中のうちいずれかであるかを認識することが可能となる。
【0122】
そして、演出制御装置150は、適正期間内において演出ボタン5bが操作されたと判定した場合(適正条件を満たすと判定した場合)には、演出ボタン5bが操作されてから第1の開始時間t1が経過した後にボタン操作演出を開始する。一方、演出制御装置150は、不適正期間内において演出ボタン5bが操作されたと判定した場合(適正条件を満たさないと判定した場合)には、演出ボタン5bが操作されてから第1の開始時間t1よりも長い時間に設定された第2の開始時間t2が経過した後にボタン操作演出を開始する。
【0123】
具体的には、
図21に示すように、演出制御装置150は、ボタン操作演出として、演出図柄表示装置104において「大当たり確定!」のメッセージを含む大当たり予告演出を表示する。
このように、パチンコ機1では、演出ボタン5bが操作されるタイミングによってボタン操作演出が開始するタイミングが変わるため、遊技が単調となることを抑制することが可能となる。
【0124】
また、パチンコ機1では、遊技者が、演出ボタン5bの点灯状態により操作有効期間内であることを知ることができるとともに、演出図柄表示装置104の表示により適正期間内であることを知ることができる。したがって、パチンコ機1によれば、ボタン操作演出が開始されるタイミングを遊技者に選択させることができ、遊技者の遊技に対する興趣を向上することが可能となる。
【0125】
(第一実施形態の変形例)
以上、本発明の第一実施形態について説明したが、上記実施形態では、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上記実施形態においては、適正期間内において演出ボタン5bが操作されたと判定した場合に、適正条件を満たすと判定する。しかしながら、適正期間内において予め設定した所定回数(例えば、3回)の演出ボタン5bが操作されたと判定した場合に、適正条件を満たすと判定する構成としても構わない。
また、上記実施形態においては、操作手段として、演出ボタン5bを採用している。しかしながら、操作手段として、スイッチ、タッチ(圧力)センサ、光センサ等を採用しても構わない。
【0126】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態を図面を参照しながら説明する。
本発明の第二実施形態に係るパチンコ機の基本構成は、第一実施形態に係るパチンコ機1の構成と同様となっている。以下、第一実施形態に係るパチンコ機の構成と同一の部分については、説明を省略する。
本発明の第二実施形態に係るパチンコ機では、演出制御装置150が実行する適正期間設定処理(ステップS606)及びボタン操作判定処理(ステップS608)が、第一実施形態と異なっている。
【0127】
図23は、第二実施形態に係るボタン操作演出実行変動パターンの一の例を示す図である。
図24は、第二実施形態に係るボタン操作演出実行変動パターンの他の例を示す図である。
図23及び
図24に示すように、第二実施形態に係る適正期間設定処理では、演出制御装置150は、ボタン操作有効期間内において、複数の適正期間(1番目から5番目)及び複数の不適正期間(1番目から5番目)を設定する。
【0128】
ここで、演出制御装置150のRAMには、複数の適正期間のそれぞれに対応する適正期間フラグを設定する所定領域が設けられている。そして、演出制御装置150は、各順番の適正期間中には、RAMの所定領域において、対応する適正期間フラグをON状態に設定する。また、演出制御装置150のRAMには、複数の不適正期間のそれぞれに対応する不適正期間フラグを設定する所定領域が設けられている。そして、演出制御装置150は、各順番の不適正期間中には、RAMの所定領域において、対応する不適正期間フラグをON状態に設定する。
【0129】
そして、表示制御部151は、RAMの所定領域において、各適正期間フラグがON状態に設定されている際(各適正期間内)には、演出図柄表示装置104において、各適正期間に対応する適正期間報知演出を表示する。一方、表示制御部151は、RAMの所定領域において、各不適正期間フラグがON状態に設定されている際(各不適正期間内)には、演出図柄表示装置104において、各不適正期間に対応する不適正期間報知演出を表示する。
【0130】
また、演出制御装置150は、主制御装置210からボタン操作演出実行変動パターンを受信した場合、RAMの所定領域において、適正期間設定カウント値F及び不適正期間設定カウント値Nのそれぞれの初期値として1を設定するとともに、適正期間設定完了値X及び不適正期間設定完了値Yを設定する。本実施形態では、ボタン操作演出実行変動パターンにおいて5つの適正期間が設定されているため、適正期間設定完了値Xとして、適正期間の設定数に1を加算した6を設定する。また、ボタン操作演出実行変動パターンにおいて5つの不適正期間が設定されているため、不適正期間設定完了値Yとして、不適正期間の設定数に1を加算した6を設定する。
【0131】
本実施形態に係る適正期間設定処理を説明する。
図25は、第二実施形態に係る適正期間設定処理を示すフローチャートである。
適正期間設定処理は、ステップS606において実行されると、
図25に示すように、まず、ステップS1100に移行する。
ステップS1100では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、操作有効期間フラグがON状態に設定されているか否かを判定し、操作有効期間フラグがON状態に設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS1102に移行する。一方、ステップS1100で、操作有効期間フラグがON状態に設定されていない(OFF状態に設定されている)と判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS1102では、演出制御装置150は、適正期間フラグ設定処理を実行し、ステップS1104に移行する。
ステップS1104では、演出制御装置150は、不適正期間フラグ設定処理を実行し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0132】
次に、ステップS1102の適正期間フラグ設定処理を説明する。
図26は、適正期間フラグ設定処理を示すフローチャートである。
適正期間フラグ設定処理は、ステップS1102において実行されると、
図26に示すように、まず、ステップS1200に移行する。
ステップS1200では、演出制御装置150は、適正期間設定カウント値Fが適正期間設定完了値Xに達しているか否かを判定し、適正期間設定カウント値Fが適正期間設定完了値Xに達していないと判定した場合(No)は、ステップS1202に移行する。一方、ステップS1200で、適正期間設定カウント値Fが適正期間設定完了値Xに達していると判定した場合[Yes]は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0133】
ステップS1202では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、F番目の適正期間フラグがON状態に設定されているか否かを判定し、F番目の適正期間フラグがON状態に設定されていない(OFF状態に設定されている)と判定した場合(No)は、ステップS1204に移行する。一方、ステップS1202で、F番目の適正期間フラグがON状態に設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS1208に移行する。
ステップS1204では、演出制御装置150は、F番目の適正期間を開始するか否かを判定し、F番目の適正期間を開始すると判定した場合(Yes)は、ステップS1206に移行する。一方、ステップS1204で、F番目の適正期間を開始しないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0134】
図23及び
図24に示すように、本実施形態では、演出制御装置150は、タイマSの値に応じて、各適正期間を開始するか否かを判定する。具体的には、演出制御装置150は、タイマSの値がT1に達したと判定した場合に1番目の適正期間を開始すると判定し、タイマSの値がT3に達したと判定した場合に2番目の適正期間を開始すると判定し、タイマSの値がT5に達したと判定した場合に3番目の適正期間を開始すると判定し、タイマSの値がT7に達したと判定した場合に4番目の適正期間を開始すると判定し、タイマSの値がT9に達したと判定した場合に5番目の適正期間を開始すると判定する。なお、本実施形態では、ボタン操作有効期間及び1番目の適正期間が、同じタイミングで開始する。
【0135】
ステップS1206では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、F番目の適正期間に対応する適正期間フラグをON状態に設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS1208では、演出制御装置150は、F番目の適正期間を終了するか否かを判定し、F番目の適正期間を終了すると判定した場合(Yes)は、ステップS1210に移行する。一方、ステップS1208で、F番目の適正期間を終了しないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0136】
図23及び
図24に示すように、本実施形態では、演出制御装置150は、タイマSの値に応じて、各適正期間を終了するか否かを判定する。具体的には、演出制御装置150は、タイマSの値がT2に達したと判定した場合に1番目の適正期間を終了すると判定し、タイマSの値がT4に達したと判定した場合に2番目の適正期間を終了すると判定し、タイマSの値がT6に達したと判定した場合に3番目の適正期間を終了すると判定し、タイマSの値がT8に達したと判定した場合に4番目の適正期間を終了すると判定し、タイマSの値がT10に達したと判定した場合に5番目の適正期間を終了すると判定する。
ステップS1210では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、F番目の適正期間に対応する適正期間フラグをOFF状態に設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0137】
次に、ステップS1104の不適正期間フラグ設定処理を説明する。
図27は、不適正期間フラグ設定処理を示すフローチャートである。
不適正期間フラグ設定処理は、ステップS1104において実行されると、
図27に示すように、まず、ステップS1300に移行する。
ステップS1300では、演出制御装置150は、不適正期間設定カウント値Nが不適正期間設定完了値Yに達しているか否かを判定し、不適正期間設定カウント値Nが不適正期間設定完了値Yに達していないと判定した場合(No)は、ステップS1302に移行する。一方、ステップS1300で、不適正期間設定カウント値Nが不適正期間設定完了値Yに達していると判定した場合[Yes]は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0138】
ステップS1302では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、N番目の不適正期間フラグがON状態に設定されているか否かを判定し、N番目の不適正期間フラグがON状態に設定されていない(OFF状態に設定されている)と判定した場合(No)は、ステップS1304に移行する。一方、ステップS1302で、N番目の不適正期間フラグがON状態に設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS1308に移行する。
【0139】
ステップS1304では、演出制御装置150は、N番目の不適正期間を開始するか否かを判定し、N番目の不適正期間を開始すると判定した場合(Yes)は、ステップS1306に移行する。一方、ステップS1304で、N番目の不適正期間を開始しないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
図23及び
図24に示すように、本実施形態では、演出制御装置150は、タイマSの値に応じて、各不適正期間を開始するか否かを判定する。具体的には、演出制御装置150は、タイマSの値がT2に達したと判定した場合に1番目の不適正期間を開始すると判定し、タイマSの値がT4に達したと判定した場合に2番目の不適正期間を開始すると判定し、タイマSの値がT6に達したと判定した場合に3番目の不適正期間を開始すると判定し、タイマSの値がT8に達したと判定した場合に4番目の不適正期間を開始すると判定し、タイマSの値がT10に達したと判定した場合に5番目の不適正期間を開始すると判定する。
【0140】
ステップS1306では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、N番目の不適正期間に対応する適正期間フラグをON状態に設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS1308では、演出制御装置150は、N番目の不適正期間を終了するか否かを判定し、N番目の不適正期間を終了すると判定した場合(Yes)は、ステップS1310に移行する。一方、ステップS1308で、N番目の不適正期間を終了しないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0141】
図23及び
図24に示すように、本実施形態では、演出制御装置150は、タイマSの値に応じて、各不適正期間を終了するか否かを判定する。具体的には、演出制御装置150は、タイマSの値がT3に達したと判定した場合に1番目の不適正期間を終了すると判定し、タイマSの値がT5に達したと判定した場合に2番目の不適正期間を終了すると判定し、タイマSの値がT7に達したと判定した場合に3番目の不適正期間を終了すると判定し、タイマSの値がT9に達したと判定した場合に4番目の不適正期間を終了すると判定し、タイマSの値がT11に達したと判定した場合に5番目の不適正期間を終了すると判定する。
ステップS1310では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、N番目の不適正期間に対応する適正期間フラグをOFF状態に設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0142】
次に、本実施形態に係るボタン操作判定処理を説明する。
ここで、演出制御装置150のRAMには、複数の適正期間のそれぞれに対応する適正条件充足フラグを設定する所定領域が設けられている。そして、演出制御装置150は、各適正期間内において演出ボタン5bが操作された場合には、当該適正期間に対応する適正条件充足フラグをON状態に設定する。また。演出制御装置150のRAMには、複数の不適正期間のそれぞれに対応する不適正条件充足フラグを設定する所定領域が設けられている。そして、演出制御装置150は、各不適正期間内において演出ボタン5bが操作された場合には、当該不適正期間に対応する不適正条件充足フラグをON状態に設定する。
【0143】
図28は、ボタン操作判定処理を示すフローチャートである。
ボタン操作判定処理は、ステップS608において実行されると、
図28に示すように、まず、ステップS1400に移行する。
ステップS900では、演出制御装置150は、演出ボタン5bから操作信号を受信したか否かを判定し、演出ボタン5bから操作信号を受信したと判定した場合(Yes)は、ステップS1402に移行する。一方、ステップS1400で、演出ボタン5bから操作信号を受信していないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0144】
ステップS1402では、演出制御装置150は、操作有効期間フラグがON状態に設定されているか否かを判定し、操作有効期間フラグがON状態に設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS1404に移行する。一方、ステップS1402で、操作有効期間フラグがON状態に設定されていないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS1404では、演出制御装置150は、ボタン操作演出開始フラグがON状態に設定されているか否かを判定し、ボタン操作演出開始フラグがON状態に設定されていないと判定した場合(No)は、ステップS1406に移行する。一方、ステップS1404で、ボタン操作演出開始フラグがON状態に設定されていると判定した場合(Yes)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0145】
ステップS1406では、演出制御装置150は、複数の適正期間のそれぞれに対応する適正機関フラグのうちいずれかの適正期間フラグがON状態に設定されているか否かを判定し、いずれか適正期間フラグがON状態に設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS1408に移行する。一方、ステップS1406で、いずれか適正期間フラグがON状態に設定されていないと判定した場合(No)は、ステップS1416に移行する。
ステップS1408では、演出制御装置150は、適正期間フラグがON状態に設定されている適正期間に対応する適正条件充足フラグをON状態に設定し、ステップS1410に移行する。
【0146】
ステップS1410では、演出制御装置150は、複数の適正期間のそれぞれに対応する適正条件充足フラグの全てがON状態に設定されているか否かを判定し、全ての適正条件充足フラグがON状態に設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS1412に移行する。一方、ステップS1410で、全ての適正条件充足フラグがON状態に設定されていないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
【0147】
ステップS1412では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、ボタン操作演出の開始時間Rとして第1の開始時間t1を設定し、ステップS1414に移行する。
ここで、ボタン操作演出の開始時間Rとは、演出ボタン5bから操作信号を受信してからボタン操作演出を開始するまでの遅延時間を意味する。
そして、
図23に示すように、第1の開始時間t1は、演出ボタン5bから操作信号が入力された直後にボタン操作演出が開始される時間(例えば、0.1[s])に設定されている。
【0148】
ステップS1414では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、ボタン操作演出開始フラグをON状態に設定し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS1416では、演出制御装置150は、不適正期間フラグがON状態に設定されている不適正期間に対応する不適正条件充足フラグをON状態に設定し、ステップS1418に移行する。
【0149】
ステップS1418では、演出制御装置150は、複数の不適正期間のそれぞれに対応する不適正条件充足フラグの全てがON状態に設定されているか否かを判定し、全ての不適正条件充足フラグがON状態に設定されていると判定した場合(Yes)は、ステップS1420に移行する。一方、ステップS1418で、全ての不適正条件充足フラグがON状態に設定されていないと判定した場合(No)は、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS1420では、演出制御装置150は、RAMの所定領域において、ボタン操作演出の開始時間Rとして第2の開始時間t2を設定し、ステップS910に移行する。
ここで、
図24に示すように、第2の開始時間t2は、第1の開始時間よりも長い時間(例えば、10[s])に設定されている。
【0150】
(第二実施形態に係るパチンコ機の動作)
次に、第二実施形態に係るパチンコ機の動作を説明する。
図29は、演出図柄表示装置に表示される1番目の適正期間を報知する適正期間報知演出の一例を示す図である。
図30は、演出図柄表示装置に表示される2番目の適正期間を報知する適正期間報知演出の一例を示す図である。
図31は、演出図柄表示装置に表示される3番目の適正期間を報知する適正期間報知演出の一例を示す図である。
図32は、演出図柄表示装置に表示される4番目の適正期間を報知する適正期間報知演出の一例を示す図である。
図33は、演出図柄表示装置に表示される5番目の適正期間を報知する適正期間報知演出の一例を示す図である。
図34は、演出図柄表示装置に表示される不適正期間報知演出の一例を示す図である。
【0151】
演出制御装置150は、主制御装置210から受信した変動パターン指定コマンドがボタン操作演出実行変動パターンを指定する場合、ボタン操作演出を表示するための処理を実行する。
具体的には、まず、RAMの所定領域において、ボタン操作演出実行フラグをON状態に設定し、タイマSをスタートしてボタン操作演出実行変動パターンを開始してからの経過時間の計数を開始する。
【0152】
また、演出制御装置150は、タイマSの値がT1に達してからT11に達するまでの間、ボタン操作有効期間を設定する。そして、演出制御装置150は、ボタン操作有効期間内には、演出ボタン5bの操作を有効とする。
また、演出制御装置150は、ボタン操作有効期間中は、演出ボタン5bのランプを点灯状態とする。これにより、遊技者は、演出ボタン5bの点灯状態を確認することによって、ボタン操作有効期間中であるか否かを認識することが可能となる。
【0153】
そして、演出制御装置150は、ボタン操作有効期間内に演出ボタン5bが操作されたと判定した場合、ボタン操作演出の実行を決定する。
なお、本実施形態では、演出制御装置150は、ボタン操作有効期間内に演出ボタン5bが操作されていない場合、ボタン操作演出を実行しない構成となっている。
さらに、演出制御装置150は、ボタン操作有効期間内において、複数の適正期間(1番目から5番目の適正期間)を設定するとともに、複数の不適正期間(1番目から5番目の不適正期間)を設定する。
【0154】
ここで、
図29に示すように、演出制御装置150は、1番目の適正期間中は、演出図柄表示装置104において、適正期間報知演出として「大当たり!?」の文字のうち「大」の文字のみを他の文字と比較して明るく発光させて拡大したメッセージを表示する。また、
図30に示すように、演出制御装置150は、2番目の適正期間中は、演出図柄表示装置104において、適正期間報知演出として「大当たり!?」の文字のうち「当」の文字のみを他の文字と比較して明るく発光させて拡大したメッセージを表示する。また、
図31に示すように、演出制御装置150は、3番目の適正期間中は、演出図柄表示装置104において、適正期間報知演出として「大当たり!?」の文字のうち「た」の文字のみを他の文字と比較して明るく発光させて拡大したメッセージを表示する。
図32に示すように、演出制御装置150は、4番目の適正期間中は、演出図柄表示装置104において、適正期間報知演出として「大当たり!?」の文字のうち「り」の文字のみを他の文字と比較して明るく発光させて拡大したメッセージを表示する。さらに、
図33に示すように、演出制御装置150は、5番目の適正期間中は、演出図柄表示装置104において、適正期間報知演出として「大当たり!?」の文字のうち「!?」の文字のみを他の文字と比較して明るく発光させて拡大したメッセージを表示する。一方、
図34に示すように、演出制御装置150は、各不適正期間中は、演出図柄表示装置104において、不適正期間報知演出として全て同一の明るさ及びサイズの「大当たり!?」の文字からなるメッセージを表示する。これにより、遊技者は、演出図柄表示装置104の表示を確認することによって、適正期間中及び不適正期間中のうちいずれかであるかを認識することが可能となる。
【0155】
そして、演出制御装置150は、1番目から5番目の適正期間のそれぞれにおいて、当該適正期間内に演出ボタン5bが操作されたと判定した場合(適正条件を満たすと判定した場合)には、演出ボタン5bが操作されてから第1の開始時間t1が経過した後にボタン操作演出を開始する。
一方、演出制御装置150は、1番目から5番目の不適正期間のそれぞれにおいて、当該不適正期間内に演出ボタン5bが操作されたと判定した場合(適正条件を満たさないと判定した場合)には、演出ボタン5bが操作されてから第2の開始時間t2が経過した後にボタン操作演出を開始する。
このように、パチンコ機1では、演出ボタン5bが操作されるタイミングによってボタン操作演出が開始するタイミングが変わるため、遊技が単調となることを抑制することが可能となる。
【0156】
(第二実施形態の変形例)
以上、本発明の第二実施形態について説明したが、上記実施形態では、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、上記実施形態においては、各適正期間内において演出ボタン5bが操作されたと判定した場合に、当該適正期間に対応する適正条件充足フラグをON状態に設定する。しかしながら、各適正期間にいて必要操作回数を設定し、各適正期間内において必要操作回数の演出ボタン5bが操作されたと判定した場合に、当該適正期間に対応する適正条件充足フラグをON状態に設定する構成としても構わない。同様に、各不適正期間にいて必要操作回数を設定し、各不適正期間内において必要操作回数の演出ボタン5bが操作されたと判定した場合に、当該不適正期間に対応する不適正条件充足フラグをON状態に設定する構成としても構わない。
【0157】
また、上記実施形態においては、複数の適正期間は、互いに同一の時間に設定されている。しかしながら、複数の設定期間は、互いに異なる時間に設定しても構わない。この際、複数の適正期間のうち、後の順位の適正期間ほど、短時間となるように設定しても構わない。
また、上記実施形態においては、1番目から5番目の不適正期間のそれぞれにおいて、当該不適正期間内に演出ボタン5bが操作されたと判定した場合に、演出ボタン5bが操作されてから第2の開始時間t2が経過した後にボタン操作演出を開始する。しかしながら、1番目から5番目の不適正期間のうちいずれかにおいて、当該不適正期間内に演出ボタン5bが操作されたと判定した場合に、演出ボタン5bが操作されてから第2の開始時間t2が経過した後にボタン操作演出を開始する構成としても構わない。