特許第6026114号(P6026114)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6026114保護シート保持部材および使い捨て医療機器セット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6026114
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】保護シート保持部材および使い捨て医療機器セット
(51)【国際特許分類】
   A61B 46/23 20160101AFI20161107BHJP
   A61B 50/33 20160101ALI20161107BHJP
   A61B 90/50 20160101ALI20161107BHJP
【FI】
   A61B46/23
   A61B50/33
   A61B90/50
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-46924(P2012-46924)
(22)【出願日】2012年3月2日
(65)【公開番号】特開2013-180112(P2013-180112A)
(43)【公開日】2013年9月12日
【審査請求日】2015年1月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000110044
【氏名又は名称】株式会社リブドゥコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【弁理士】
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【弁理士】
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅也
【審査官】 井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05201704(US,A)
【文献】 特開2009−089899(JP,A)
【文献】 特開2009−153859(JP,A)
【文献】 特開2009−034331(JP,A)
【文献】 特表2010−502345(JP,A)
【文献】 特開2010−094286(JP,A)
【文献】 特開2009−061186(JP,A)
【文献】 特開2005−305044(JP,A)
【文献】 特開2002−325774(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 46/23
A61B 50/33
A61B 90/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術用の術部保護シートを保持する保護シート保持部材であって、
生理食塩水を含浸した複数の術部保護シートが、前記生理食塩水を利用して張り付けられる表面と、
裏面と、
を備え、
前記表面および前記裏面が、熱可塑性樹脂により形成された薄板状の本体部の両主面であり、
前記本体部の手術用ドレープへの取り付けに利用される取付部をさらに備え
前記取付部が、前記本体部に形成された穴であり、
前記手術用ドレープの前記穴に重なる部位が前記本体部の両側から挟まれることにより、前記本体部が前記手術用ドレープに取り付けられることを特徴とする保護シート保持部材。
【請求項2】
請求項1に記載の保護シート保持部材であって、
他の取付部をさらに備え、
前記本体部が略矩形状であり、
前記取付部が、前記本体部の第1エッジの中央部近傍に設けられ、
前記他の取付部が、前記本体部の前記第1エッジに隣接する第2エッジの中央部近傍に設けられることを特徴とする保護シート保持部材。
【請求項3】
請求項1または2に記載の保護シート保持部材であって、
前記表面がシボ面であることを特徴とする保護シート保持部材。
【請求項4】
手術用の術部保護シートを保持する保護シート保持部材であって、
生理食塩水を含浸した複数の術部保護シートが、前記生理食塩水を利用して張り付けられる表面と、
裏面と、
を備え、
前記表面および前記裏面が、熱可塑性樹脂により形成された薄板状の本体部の両主面であり、
前記本体部の手術用ドレープへの取り付けに利用される取付部および他の取付部をさらに備え、
前記本体部が略矩形状であり、
前記取付部が、前記本体部の第1エッジの中央部近傍に設けられ、
前記他の取付部が、前記本体部の前記第1エッジに隣接する第2エッジの中央部近傍に設けられることを特徴とする保護シート保持部材。
【請求項5】
手術用の術部保護シートを保持する保護シート保持部材であって、
生理食塩水を含浸した複数の術部保護シートが、前記生理食塩水を利用して張り付けられる表面と、
裏面と、
を備え、
前記表面および前記裏面が、熱可塑性樹脂により形成された薄板状の本体部の両主面であり、
前記本体部の手術用ドレープへの取り付けに利用される取付部をさらに備え、
前記表面がシボ面であることを特徴とする保護シート保持部材。
【請求項6】
請求項1ないしのいずれかに記載の保護シート保持部材であって、
前記本体部がオレフィン系樹脂により形成されることを特徴とする保護シート保持部材。
【請求項7】
請求項に記載の保護シート保持部材であって、
前記本体部がポリプロピレンにより形成されることを特徴とする保護シート保持部材。
【請求項8】
使い捨て医療機器セットであって、
請求項1ないしのいずれかに記載の保護シート保持部材を含むことを特徴とする使い捨て医療機器セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術用の術部保護シートを保持する保護シート保持部材、および、当該保護シート保持部材を備える使い捨て医療機器セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、脳外科手術の際に、切開部から露出する脳を被覆して保護する術部保護シートが利用されている。例えば、特許文献1ないし4には、脳外科手術の際に神経組織を保護したり血液を吸収するために使用されるパッドが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−325773号公報
【特許文献2】特開2002−325774号公報
【特許文献3】意匠登録第1398578号公報
【特許文献4】意匠登録第1398872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、脳外科手術では、様々な大きさの術部保護シートを使用して脳表面等を被覆するため、複数種類の術部保護シートが看護師等の手元に準備される。そして、施術者は、必要とする大きさの術部保護シートを、複数の術部保護シートの中から取り上げる。脳外科手術では、多種類かつ多数の術部保護シートが使用されるため、施術者自身が所望の大きさの術部保護シートを選び出すことができるように、複数の術部保護シートをまとめて施術者の近傍に配置することが求められている。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、複数の術部保護シートをまとめて施術者の近傍にて容易に取り扱うことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、手術用の術部保護シートを保持する保護シート保持部材であって、生理食塩水を含浸した複数の術部保護シートが、前記生理食塩水を利用して張り付けられる表面と、裏面とを備え、前記表面および前記裏面が、熱可塑性樹脂により形成された薄板状の本体部の両主面であり、前記本体部の手術用ドレープへの取り付けに利用される取付部をさらに備え、前記取付部が、前記本体部に形成された穴であり、前記手術用ドレープの前記穴に重なる部位が前記本体部の両側から挟まれることにより、前記本体部が前記手術用ドレープに取り付けられる
【0009】
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の保護シート保持部材であって、他の取付部をさらに備え、前記本体部が略矩形状であり、前記取付部が、前記本体部の第1エッジの中央部近傍に設けられ、前記他の取付部が、前記本体部の前記第1エッジに隣接する第2エッジの中央部近傍に設けられる。
【0010】
請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の保護シート保持部材であって、前記表面がシボ面である。
請求項4に記載の発明は、手術用の術部保護シートを保持する保護シート保持部材であって、生理食塩水を含浸した複数の術部保護シートが、前記生理食塩水を利用して張り付けられる表面と、裏面とを備え、前記表面および前記裏面が、熱可塑性樹脂により形成された薄板状の本体部の両主面であり、前記本体部の手術用ドレープへの取り付けに利用される取付部および他の取付部をさらに備え、前記本体部が略矩形状であり、前記取付部が、前記本体部の第1エッジの中央部近傍に設けられ、前記他の取付部が、前記本体部の前記第1エッジに隣接する第2エッジの中央部近傍に設けられる。
請求項5に記載の発明は、手術用の術部保護シートを保持する保護シート保持部材であって、生理食塩水を含浸した複数の術部保護シートが、前記生理食塩水を利用して張り付けられる表面と、裏面とを備え、前記表面および前記裏面が、熱可塑性樹脂により形成された薄板状の本体部の両主面であり、前記本体部の手術用ドレープへの取り付けに利用される取付部をさらに備え、前記表面がシボ面である。
【0011】
請求項に記載の発明は、請求項1ないしのいずれかに記載の保護シート保持部材であって、前記本体部がオレフィン系樹脂により形成される。
【0012】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の保護シート保持部材であって、前記本体部がポリプロピレンにより形成される。
【0013】
請求項に記載の発明は、使い捨て医療機器セットであって、請求項1ないしのいずれかに記載の保護シート保持部材を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明では、複数の術部保護シートをまとめて施術者の近傍にて容易に取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一の実施の形態に係る保護シート保持部材を示す図である。
図2】使い捨て医療機器セットを示す図である。
図3】手術台上に横たわる患者を頭頂部側から見た図である。
図4】保護シート保持部材近傍の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の一の実施の形態に係る保護シート保持部材1を示す平面図である。保護シート保持部材1は、手術用の術部保護シート9を保持する部材である。術部保護シート9は、脳外科手術において脳の表面や脳神経を被覆し、脳の乾燥を防止したり脳神経等を保護するために使用される。保護シート保持部材1には、様々な大きさの複数の術部保護シート9が保持される。
【0017】
図2に示すように、保護シート保持部材1は、医療処置の内容に合わせて用意された複数の使い捨ての医療機器のセットである使い捨て医療機器セット6に含まれている。保護シート保持部材1は、折り畳まれた状態のドレープ8等と共に、使い捨て医療機器セット6のトレイ61に収容される。
【0018】
図1に示す保護シート保持部材1は、熱可塑性樹脂により形成された薄板状の本体部2と、本体部2に形成された2つの略円形の穴3とを備える。本体部2は、好ましくはオレフィン系樹脂により形成され、より好ましくはポリプロピレン(PP)により形成される。本体部2は、平面視において略矩形状であり、4つの角部の輪郭は略円弧状である。本体部2の長辺を第1エッジ23と呼び、短辺を第2エッジ24と呼ぶと、一方の穴3は、本体部2の第1エッジ23の中央部近傍に設けられ、他方の穴3は、第1エッジ23に隣接する第2エッジ24の中央部近傍に設けられる。本実施の形態では、本体部2の縦および横の長さは、約14cmおよび約18cmである。また、穴3の直径は、約12mmであり、穴3と本体部2のエッジとの最短距離は、約4mmである。なお、本体部2および穴3の大きさや穴3の位置等は、適宜変更されてよい。
【0019】
本体部2は、両主面である表面21および裏面22を備える。本体部2の表面21はシボ面である。シボ面は、例えば、保護シート保持部材1の形成に利用される金型面に刻み込まれた微細パターンが、本体部2に転写されることにより形成される。シボ面の形成は、薬品加工等、他の方法により行われてもよい。本体部2の表面21には、生理食塩水を含浸した複数の術部保護シート9が、生理食塩水により生じる張力(表面張力や界面張力等)を利用して張り付けられる。
【0020】
本体部2の裏面22は、シボ面であっても、通常の平滑面であってもよい。裏面22がシボ面である場合、本体部2の表裏を気にすることなく保護シート保持部材1を利用することができる。また、裏面22が平滑面である場合、保護シート保持部材1の製造コストを低減することができる。なお、裏面22が平滑面である場合、表面21と裏面22とを容易に区別するために、表面21および裏面22の少なくとも一方に目印が設けられてもよい。目印としては、例えば、「表」等の文字や図形であってもよく、互いに異なる表面21および裏面22の色であってもよい。
【0021】
術部保護シート9は、略矩形状の白色のシート本体91、および、シート本体91から延びるX線造影糸92を備える。シート本体91は、例えば、コットンやセルロース等により形成される。X線造影糸92の色は、例えば、黒色、紺色または緑色である。術部保護シート9は、X線造影糸92を有しないものもある。
【0022】
保護シート保持部材1の本体部2の色は、例えば、オレンジ色、黄色または黒色である。本体部2の色がオレンジ色や黄色である場合は、本体部2上に張り付けられた術部保護シート9のX線造影糸92の視認が容易となる。また、本体部2の色が黒色である場合は、本体部2上に張り付けられた術部保護シート9のシート本体91の視認が容易となる。
【0023】
図3は、手術台上に横たわる患者を頭頂部側から見た図である。患者は手術用ドレープ8(以下、単に「ドレープ8」という。)により覆われており、患者の頭部5がドレープ8に設けられた開口81から露出している。図示はしていないが、施術者は、ドレープ8の手前側に配置された椅子に座り、手術用顕微鏡を介して頭部5の術野を見ながら手術を行う。
【0024】
保護シート保持部材1は、ドレープ8の開口81近傍(例えば、開口81の側方)において、表面21を施術者に対向させてドレープ8の清潔面82に取り付けられる。具体的には、図4に示すように、保護シート保持部材1がドレープ8に重ねられ、ドレープ8の一方の穴3に重なる部位が、本体部2の両側(すなわち、表面21側および裏面22側)から手術用クリップ7(例えば、タオル鉗子)により挟まれる。手術用クリップ7(以下、単に「クリップ7」という。)の先端部71は、穴3を介してドレープ8を挟むとともに、穴3のエッジの上端部、すなわち、穴3のエッジのうち本体部2の第1エッジ23近傍の部位に当接する。これにより、保護シート保持部材1の本体部2がドレープ8に取り付けられる。換言すれば、保護シート保持部材1は、ドレープ8に固定されたクリップ7の先端部71に係止される。
【0025】
保護シート保持部材1では、上述の穴3が、本体部2のドレープ8への取り付けに利用される取付部の役割を果たす。本体部2の第2エッジ24近傍に配置される他方の穴3も、同様に、本体部2のドレープ8への取り付けに利用される取付部の役割を果たす。
【0026】
保護シート保持部材1では、本体部2の表面21に複数の術部保護シート9が保持される。これにより、複数の術部保護シート9をまとめて施術者の近傍にて容易に取り扱うことができる。複数の術部保護シートをまとめて取り扱うという観点からは、ステンレス鋼等により形成された手術用の金属トレイ等に複数の術部保護シートを張り付けることも考えられる。しかしながら、金属トレイは比較的重く、取り扱いが容易とは言い難い。これに対し、本実施の形態に係る保護シート保持部材1では、本体部2が、上述のように熱可塑性樹脂により形成された薄板状の部材であり、金属トレイに比べて軽量である。このため、金属トレイ等により複数の術部保護シートを保持する場合に比べて、複数の術部保護シート9をまとめて、施術者の近傍にてより容易に取り扱うことができる。
【0027】
保護シート保持部材1では、本体部2が熱可塑性樹脂により形成されることにより、金属トレイ等に比べて、照明光の反射が抑制されるため、本体部2の表面21からの反射光が施術者等の視界を妨げることが抑制される。さらに、本体部2の表面がシボ面であるため、表面21における照明光の反射がより一層抑制される。また、保護シート保持部材1が熱可塑性樹脂により形成されることにより、金属トレイ等に比べて照明光による表面21の温度上昇が抑制される。その結果、表面21上の術部保護シート9の乾燥を抑制することができる。このように、照明光の反射および表面21の温度上昇を抑制することができる保護シート保持部材1は、比較的強い照明光が必要となる顕微鏡を利用した手術、特に、脳外科手術に適している。
【0028】
保護シート保持部材1では、ドレープ8への取り付けに利用される取付部が設けられることにより、ドレープ8の施術者が使いやすい位置に保護シート保持部材1を取り付けることができる。保護シート保持部材1は、例えば、術野の近傍にてドレープ8に取り付けられる。これにより、施術者が術野から視線を大きく動かすことなく、保護シート保持部材1上の複数の術部保護シート9を視認し、使用したい大きさの術部保護シート9を得ることができる。その結果、手術を効率的に行うことができるとともに施術者の視線移動によるストレスを軽減することもできる。また、2つの取付部が、略矩形状の本体部2の第1エッジ23近傍、および、第2エッジ24近傍に設けられることにより、保護シート保持部材1を使用しやすい向きでドレープ8に取り付けることができる。
【0029】
保護シート保持部材1では、取付部が本体部2に形成された穴3であり、ドレープ8の穴3に重なる部位が本体部2の両側から挟まれる。これにより、保護シート保持部材1を簡単な構成で安定してドレープ8に取り付けることができる。また、穴3が略円形であることにより、穴3のエッジの上端部が、クリップ7の先端部71に自然に当接するとともにクリップ7の先端部71からずれてしまうことが抑制される。その結果、保護シート保持部材1をより安定してドレープ8に取り付けることができる。
【0030】
ところで、金属トレイ等を術部保護シートの保持に利用した場合、手術の終了後、金属トレイを洗浄したり滅菌する必要があり、看護師の作業が増大してしまう。一方、保護シート保持部材1の本体部2は、比較的安価な熱可塑性樹脂により形成されており、使用後は廃棄される。このため、看護師の負担を軽減することができる。
【0031】
本体部2は、上述のように、オレフィン系樹脂により形成されることが好ましい。これにより、耐薬品性が高い保護シート保持部材1を提供することができる。また、本体部2は、ポリプロピレンにより形成されることがより好ましい。これにより、比較的安価であり、耐熱性も高く、適当な剛性を有する保護シート保持部材1を提供することができる。
【0032】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0033】
取付部である穴3の形状は、長円、三角形、矩形等のように、略円形以外の様々な形状であってもよい。また、取付部として、穴3以外の構造が設けられてもよい。例えば、取付部として、本体部2に凹凸が形成され、ドレープ8が当該凹凸と共にクリップ7により挟まれる。クリップ7の先端部71が当該凹凸に引っかかることにより、保護シート保持部材1がドレープ8に安定して取り付けられる。また、ドレープ8を挟持可能なクリップ等が、取付部として本体部2の上部や裏面22に設けられてもよい。
【0034】
本発明に関連する技術に係る保護シート保持部材1では、本体部2をドレープ8と共にクリップ7等で挟むことにより本体部2をドレープ8に取り付けることができるのであれば、取付部は必ずしも設けられなくてよい。また、本発明に係る保護シート保持部材1は、ドレープ8に取り付けられることなく、施術者の手元等、施術者の使いやすい位置に載置される等して使用されてもよい。
【0035】
本体部2の平面視における形状は、略矩形状以外(例えば、略円形)であってもよい。また、本体部2は、ポリプロピレン以外のオレフィン系樹脂により形成されてもよく、オレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂により形成されてもよい。例えば、本体部2は、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリカーボネイト(PC)またはポリアセタール(POM)により形成されてもよい。
【0036】
保護シート保持部材1は、脳外科手術以外の切開手術において利用されてもよい。この場合も、保護シート保持部材1により、切開部から露出する組織を保護する複数の術部保護シート9をまとめて施術者の近傍にて容易に取り扱うことができる。
【0037】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【符号の説明】
【0038】
1 保護シート保持部材
2 本体部
3 穴
8 ドレープ
9 術部保護シート
21 表面
22 裏面
23 第1エッジ
24 第2エッジ
図1
図2
図3
図4