(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記曲率算出部で算出された曲率のデータを受信するとともに、前記経路に対応する曲率のデータが記憶部に記憶されている場合に、前記曲率算出部で算出された曲率の値と、前記記憶部に記憶された曲率の値に基づき、前記経路における曲率の値を更新する曲率更新部を更に備え、
前記曲率補正部は、前記曲率更新部において更新された曲率の値に基づき、前記経路における曲率を補正することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載のカーブ形状モデル化装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
急カーブを走行しようとする車両に対して、可能な限りドライバにとって自然なフィーリングで適切な車速に変えていけるように、カーブの形状をより正確に抽出することが望まれる。しかしながら、現在普及されているカーナビゲーション向けの地図は、目的地までの経路探索と経路案内を行うための地図であって、制御を行うほどの精度をもっていない。
【0007】
そこで、上記のような地図作成装置において、位置センサの測定誤差によって作成される地図データの精度が低くなってしまうという問題を解決するために、出願人らは特願2011−149514の技術(先願技術)を提案した。この先願技術により、位置センサに誤差が生じた場合であっても、正確な地図情報を生成することが可能となる。
【0008】
しかしながら、上記の先願技術には更なる改良の余地がある。すなわち、実際の道路に存在する定常区間(曲率一定の円弧区間)が、実際の走行軌跡には見られず、上記の先願技術の手法を用いても定常区間の長さを正確に数値化できないことがある。この場合には、車速を制御する区間を決めることが困難になる。
【0009】
本発明は、上記に鑑みなされたものであり、正確なカーブ形状を抽出できるカーブ形状モデル化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のカーブ形状モデル化装置は、経路上の複数のサンプリング点における位置情報に基づき、前記複数のサンプリング点の各々における曲率を算出する曲率算出部と、前記経路が、直線区間、円弧区間及び緩和曲線区間のいずれかで近似されるように、前記曲率算出部が算出した曲率を補正する曲率補正部と、補正後の曲率に基づいて、前記経路に対応する道路上のノードの位置を示すノード情報を生成することで、前記経路のカーブ形状をモデル化するノード情報生成部とを備え、前記曲率補正部は、前記曲率算出部が算出した曲率に基づく方位差を維持するように、前記経路における曲率を補正する。
【0011】
この構成により、サンプリング点における位置情報に基づいてカーブ形状のモデル化を行うに際して、カーブ全体の移動における方位差が維持されるので、カーブ形状のモデル化の正確性が向上する。
【0012】
上記のカーブ形状モデル化装置において、前記曲率補正部は、前記複数のサンプリング点の各々における曲率の中から、最大曲率を抽出する最大曲率抽出部と、前記曲率算出部が算出した曲率の曲率変化量のピーク値を抽出する最大曲率変化抽出部と、前記最大曲率を有するサンプリング点を境として、前記曲率変化量のピーク値が抽出された側の方位差が維持されるように、前記曲率変化量のピーク値を傾きとする緩和曲線区間の位置決めを行う緩和曲線区間調整部とを備えていてよく、前記最大曲率を前記円弧区間の曲率としてよい。
【0013】
この構成により、最大曲率を有するサンプリング点を境として両側の方位差がそれぞれ維持されるので、両側の緩和曲線区間が近づきすぎて円弧区間が極端に短くなるという、カーブ形状モデル化の不正確さを軽減できる。
【0014】
上記のカーブ形状モデル化装置において、前記曲率補正部は、前記複数のサンプリング点の各々について、前記サンプリング点を含む平準化範囲内で方位差が維持されるように、前記平準化範囲の曲率を平準化することで、前記サンプリング点の曲率を調整する曲率調整部と、前記曲率調整部で調整された曲率の中から最大曲率を抽出する最大曲率抽出部とを備えていてよく、前記最大曲率を前記円弧区間の曲率としてよい。
【0015】
この構成により、円弧区間で位置情報が乱れていたとしても、円弧区間の曲率(曲率のピーク)の値を調整して、カーブ形状モデル化の正確性を向上できる。
【0016】
上記のカーブ形状モデル化装置において、前記曲率補正部は、前記曲率算出部が算出した曲率の曲率変化量のピーク値を抽出する最大曲率変化抽出部と、前記最大曲率を有するサンプリング点を境として、前記曲率変化量のピーク値が抽出された側の方位差が維持されるように、前記曲率変化量のピーク値を傾きとする緩和曲線区間の位置決めを行う緩和曲線区間調整部とを備えていてよい。
【0017】
この構成により、最大曲率を有するサンプリング点を境として両側の方位差がそれぞれ維持されるので、両側の緩和曲線区間が近づきすぎて円弧区間が極端に短くなるという、カーブ形状モデル化の不正確さを軽減できる。
【0018】
上記のカーブ形状モデル化装置において、前記曲率補正部は、前記曲率の上に凸のピークと下に凸のピークを抽出し、下に凸のピークが上に凸のピークよりも所定の基準に従って低いと評価される場合に、当該下に凸のピークを緩曲線のピークとして抽出するとともに、前記上に凸のピークを最大曲率として抽出する最大曲率抽出部を備えていてよく、前記緩曲線のピークを含む区間を曲率の緩やかな前記円弧区間とするとともに、前記上に凸のピークを含む区間を前記円弧区間としてよい。
【0019】
この構成により、カーブの開始点からカーブの終了点までに一又は複数の緩曲線を含む複数の円弧区間があるような複合的なカーブについても、カーブ形状のモデル化の正確性を向上できる。
【0020】
上記のカーブ形状モデル化装置は、さらに、前記曲率算出部で算出された曲率のデータを受信するとともに、前記経路に対応する曲率のデータが記憶部に記憶されている場合に、前記曲率算出部で算出された曲率の値と、前記記憶部に記憶された曲率の値に基づき、前記経路における曲率の値を更新する曲率更新部を備えていてよく、前記曲率補正部は、前記曲率更新部において更新された曲率の値に基づき、前記経路における曲率を補正してよい。
【0021】
上記のカーブ形状モデル化装置は、さらに、走行経路上のサンプリング点における位置情報を検出する位置検出部を備えていてよく、前記曲率算出部は、前記位置検出部が検出した前記位置情報に基づき、前記曲率を算出してよい。
【0022】
上記のカーブ形状モデル化装置は、さらに、地図に含まれる経路上のサンプリング点における位置情報を取得する地図データ取得部を備えていてよく、前記曲率算出部は、前記地図データ取得部が取得した前記位置情報に基づき、前記曲率を算出してよい。
【0023】
本発明の車載用ナビゲーション装置は、上記のいずれかのカーブ形状モデル化装置と、車両の現在位置情報と、前記記憶部に記憶された前記道路情報に基づき、予め設定された目的地までの経路情報を算出するナビゲーション部と、前記車両の現在位置情報を前記道路地図に重ねて表示する表示部を備えている。
【0024】
本発明のカーブ形状モデル化方法は、経路上の複数のサンプリング点における位置情報に基づき、前記複数のサンプリング点の各々における曲率を算出する曲率算出ステップと、前記経路が、直線区間、円弧区間及び緩和曲線区間のいずれかで近似されるように、前記曲率算出ステップで算出された曲率を補正する曲率補正ステップと、補正後の曲率に基づいて、前記経路に対応する道路上のノードの位置を示すノード情報を生成することで、前記経路のカーブ形状をモデル化するノード情報生成ステップとを備え、前記曲率補正ステップは、前記曲率算出ステップで算出された曲率に基づく方位差を維持するように、前記経路における曲率を補正する。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、サンプリング点における位置情報に基づいてカーブ形状のモデル化を行うに際して、カーブ全体の移動における方位差が維持されるので、カーブ形状のモデル化の正確性が向上するという効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。まず、以下の説明において使用する用語の定義を説明する。
図1(A)は、車両の軌跡を示す図である。
図1(B)は、
図1(A)における軌跡の曲率変化を示すグラフである。
【0028】
図1(A)はxy座標(緯度経度上)で車両の軌跡を示している。
図1(A)に示すように、車両は区間I1、I2、I3、I4、I5の順で走行するものとする。このとき、
図1(B)に示すように、この走行軌跡の曲率は、区間Iにおいてゼロであり、区間I2において徐々に増加し、区間I3において一定値を維持し、区間I4においてゼロまで減少し、区間I5でゼロを維持する。
【0029】
曲率がゼロである区間I1及び区間I5は直線区間であり、区間I2は曲率が徐々に増加するクロソイド曲線区間であり、曲率が一定値を保つ区間I3は定常区間(円弧区間ともいう。)であり、区間I4は曲率が徐々に減少するクロソイド曲線区間である。
【0030】
直線区間I1から曲率が徐々に増加するクロソイド曲線区間I2に変わる点を「カーブ開始点」といい、曲率が徐々に増加するクロソイド曲線区間I2から定常区間I3に変わる点を「カーブの入口」といい、定常区間I3から曲率が徐々に減少するクロソイド曲線区間I4に変わる点を「カーブの出口」といい、曲率が徐々に減少するクロソイド曲線区間I4から直線区間I5に変わる点を「カーブの終了点」という。また、定常区間がその曲率中心(基準点)に対して張る角度を「カーブの深さ」という。カーブ深さは、定常区間の長さを表している。
【0031】
(第1の実施形態)
図2は、本発明の第1実施形態に係るカーブ形状モデル化装置を含む、車載用のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、車両情報検出部12、撮像部14、画像解析部16、表示部18、ナビゲーション部20と、地図生成部22とを備える。地図作成部22は、カーブ形状をモデル化することで地図を作成するものであり、カーブ形状モデル化装置に相当するとともに、地図作成装置に相当する。
【0032】
車両情報検出部12は、例えばGPS受信部24、車速センサ26、方向センサ28を備えており、GPS受信部24は、GPS衛星からの電波信号を受信して、車両の位置情報(経度及び緯度情報)を取得する。車速センサ26は、車両の走行速度を測定して、走行速度情報を取得する。また、方向センサ28は、地磁気センサあるいはジャイロセンサであり、車両が走行する絶対方位を示す走行方向情報を取得する。
【0033】
車両情報検出部12には、上記センサの他に、車両の加速度を検出する加速度センサ、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ、ブレーキペダルの操作量を検出するブレーキセンサ、ステアリングの蛇角を検出するステアリングセンサ等を含めることができる。
【0034】
撮像部14は、例えば車両のフロントガラス付近に取り付けられたCCDカメラあるいはCMOSカメラであり、例えば市販のドライブレコーダーに備えられたカメラを用いることができる。撮像部14は、車両前方の状況を撮像して撮像画像を生成するとともに、ホワイトバランス処理、ガンマ補正等の信号処理を施した撮像画像データを出力する。
【0035】
画像解析部16は、撮像部14において得られた画像に対し、周知の画像解析を施すとともに、予め記憶された施設(道路標識、信号、ガソリンスタンド、コンビニ、ホテル等)の特徴量を示すデータと対比することで、現在走行中の道路付近における施設の有無、施設のタイプを検出する。
【0036】
表示部18は、例えば液晶ディスプレイであり、後述する地
図DB32に記憶されている地図データによって生成される地図画像と、自車位置を示すインジケータ等とを重ねて表示することで、運転手に地図情報を提供する。また、図示しない入力部を介して目的地情報が入力される場合は、表示部18は、目的地までの経路情報を併せて表示する。
【0037】
ナビゲーション部20は、ナビゲーション機能を実現するための経路情報を生成するナビECU30と、地図情報を記憶する地図データベース(地
図DB)32とを備えている。ナビECU30は、利用者によって選択された目的地までの経路情報を地図画像に重ねて表示部18に表示させるとともに、車両情報検出部12において検出された車両の位置、速度、走行方向等の情報に基づき、車両の現在位置を表示部18上の地図画像に重ねて表示する。
【0038】
地
図DB32には、ノードデータ、施設データ等の道路地図を構成するのに必要な情報が記憶されている。ノードデータは、地図画像を構成する道路の位置及び形状に関するものであり、例えば道路の分岐点(交差点)を含む道路上の点(ノード点)の座標(経度・緯度)、当該ノード点が含まれる道路種別(例えば、高速道路、幹線道路、市道といった情報)、当該ノード点における道路のタイプ(直線区間、円弧区間、クロソイド曲線区間)及び曲率のデータが含まれる。また、施設データは、各ノード点の付近に存在する施設情報に関するデータを含み、ノードデータと関連づけて記憶されている。
【0039】
地図生成部22は、車両が走行した経路に基づいて道路地図を生成するものであり、走行経路記憶部34、曲率算出部36、曲率補正部38、ノード情報生成部40を備える。地図生成部22において生成された道路地図のデータ(ノードデータ)は、ナビゲーション部20の地
図DB32に順次記憶される。
【0040】
走行経路記憶部34は、車両情報検出部12において一定時間間隔で検出された車両の位置情報(経度・緯度情報)を、順次記憶する。ここで、車両情報検出部12において位置情報が検出された点を「サンプリング点」と称する。なお、サンプリング点の位置情報として、GPS受信部26において受信された位置情報をそのまま用いても良いが、車速センサ28で検出された車速情報及び方向センサ30で検出された走行方向情報を組み合わせて、サンプリング点の位置情報を補正してもよい。
【0041】
曲率算出部36は、走行経路記憶部34で得られたサンプリング点の位置情報に基づき、各サンプリング点における曲率χの値を、以下の方法により算出する。
図3において、点P
0〜P
3は、車両情報検出部12によって検出されたサンプリング点であり、同図においては、点P
0〜P
2が、基準点Oを中心とする半径Rの円周上に位置しているものとする。また、点P
0、基準点O、点P
1がなす角をθ
1とし、点P
1、基準点O、点P
2がなす角をθ
2とする。
【0042】
この場合、点P
0、基準点O、点P
1によって形成される三角形は二等辺三角形となるから、点P
0と点P
1の間の距離L
1は、次式で表すことができる。
L
1=2・Rsin(θ
1/2) ・・・(1)
ここで、サンプリングの時間間隔が短く、θ
1が微小角であると近似することができるから、上式(1)は、次のようになる。
R=(1/χ)=L
1/θ
1 ・・・(2)
【0043】
ここで、L
1の値は、走行経路記憶部34で得られた車両の位置情報に基づき、容易に算出することができる。また、
図3において、点P
0から点P
1に至る線分を延長した線と、点P
1からP
2に至る線分とがなす角がθ
1となるから、角度θ
1は、点P
1における走行方向の角度変化を示すこととなる。
【0044】
このように、サンプリング点の間隔L
1と、車両の走行角度の変化量θ
1に基づき、上記の(2)式により、曲率χ(=1/R)の値を算出することができる。このため、円の最小二乗法に基づき曲率を算出する必要がなくなり、曲率χの算出に要する処理量を低減することができる。また、曲率χの算出値の飛びが生じるおそれをなくすことができる。
【0045】
また、点P
1、基準点O、点P
2によって形成される三角形も二等辺三角形となるため、上記と同様に、点P
1と点P
2の距離L
2と、点P
2における走行角度の変化量(=θ
2)に基づき、曲率χ(=1/R)を算出することができる。
【0046】
曲率は、以下のようにして、3点のサンプルポイントの位置情報からも求めることができる。
図3の点P
0、点P
1、点P
2の座標をそれぞれP
0(x
0,y
0)、P
1(x
1,y
1)、P
2(x
2,y
2)とおくと、それらの点を通る円の半径R及び中心O(x,y)は、以下の連立方程式を満足する。
(x
0−x)
2+(y
0−y)
2=R
2
(x
1−x)
2+(y
1−y)
2=R
2
(x
2−x)
2+(y
2−y)
2=R
2
この連立方程式をとくことにより、x、y、Rが求まり、曲率(1/R)を算出することができる。曲率算出部36はこの方法で曲率を求めてもよい。
【0047】
曲率補正部38は、曲率算出部36において算出された曲率χの値を補正し、車両が走行した道路を、直線区間、円弧区間、クロソイド曲線区間のいずれかに分類できるようにする。直線で近似される直線区間と、曲率が一定の円弧区間とを直接に接続してしまうと、車両の運転手は、直線区間と円弧区間の接続部において、円弧の曲率に対応する操舵角まで一気にハンドルを操作する必要が生じる。そこで、直線で近似される直線区間と、円弧で近似される円弧区間との間に、曲率が一定の割合で増加するクロソイド曲線区間が設けられており、これにより、運転手は徐々にステアリングを操作することで、直線区間からカーブに至る経路を通過することができる。
【0048】
まず、先願技術の曲率補正部38における曲率補正処理について、
図4のフローチャート及び
図5の説明図を用いて説明する。上記方法により算出された曲率χの算出値は、各種センサの測定誤差等の要因により、
図5(A)に示すようになだらかに変化している場合が多く、直線区間、円弧区間、クロソイド曲線区間の境界が不明確となっていた。
【0049】
曲率補正部38では、まず、隣接する2つのサンプリング点間の曲率χの変化量Δχを算出し(S11)、
図5(B)に示すような曲率変化量Δχの分布を得る。次に、曲率変化量Δχのピーク値Δχ
peakと、このピーク値をとるサンプリング点(
図5(B)では距離L1)を抽出し(S12)、この値Δχ
peakを、クロソイド曲線区間における曲率χの変化量(一定値)と近似する(
図5(C)の傾きΔχ
peakの直線)(S13)。
【0050】
次に、曲率χがピーク値χ
peak(以下、「最大曲率」ともいう。)をとるサンプリング点(L2)を検出し(S14)、当該サンプリング点(L2)を含む領域を、曲率χが一定(χ
peak)の円弧区間と近似する(S15)。
【0051】
そして、カーブ区間における曲率χの直線と、クロソイド曲線区間の曲率χの直線の交点を、クロソイド曲線区間とカーブ区間の境界(カーブ入口)と設定する。また、クロソイド曲線区間に対応する曲率χの直線と、曲率χ=0との交点を、直線区間とクロソイド曲線区間との境界(カーブ開始点)と設定する(S16)。これにより、車両が走行した経路を、直線区間、クロソイド曲線区間及び円弧区間に分類することができる。
【0052】
以上、先願技術における曲率補正処理を説明したが、以下では本実施の形態の曲率補正部38における先願技術に対する改良について説明する。
図6(A)は、実際の道路線形と走行軌跡との関係を示すグラフである。この
図6(A)に示す例に対して、上記の先願技術の曲率補正処理を行うと、
図6(B)のようにモデル化された道路線形(カーブ形状)が得られる。ここで、
図6(A)と
図6(B)とを比較すると、モデル化したことにより、定常区間が実際よりも短くなってしまっている。これが上記で説明した定常区間の長さを正確に数値化できないという問題である。
【0053】
そこで、本実施の形態の曲率補正部38は、以下の構成を有する。
図7は、曲率補正部38の構成を示すブロック図である。曲率補正部38は、曲率調整部381と、最大曲率抽出部382と、最大曲率変化抽出部383と、クロソイド曲線区間調整部384とを備えている。曲率補正部38は、カーブの深さをある程度の長さで抽出できるように、以下の処理を行う。曲率補正部38における曲率補正処理について、
図8のフローチャートを用いて説明する。
【0054】
まず、カーブの開始点から終了点までの移動における方位差について説明する。
図9は、方位差を示すグラフである。
図9において、縦軸は曲率算出部36で算出された曲率であり、横軸は距離である。
図9に示す面積S、すなわちカーブ開始点からカーブ終了点までの曲率の積分が方位差である。曲率補正部38は、カーブ形状をモデル化するために曲率を補正するが、このとき、カーブ全体での方位差が変化しないように曲率を補正する。以下、具体的に説明する。
【0055】
曲率調整部381は、各点の曲率を調整する(S51)。曲率調整部381は、曲率を算出した各点について、当該点を含みその前後の所定の範囲(平準化範囲)内の方位差を求め、その方位差を維持するような、当該平準化範囲において均一な曲率を求める。このようにして得られた曲率が、当該点の調整後の曲率となる。曲率調整部381は、このような曲率の調整をすべての点について行う。最大曲率抽出部382は、曲率調整部381にて調整済みの曲率が最も大きい点とその最大の曲率を抽出する(S52)。
【0056】
なお、平準化範囲の距離方向の幅は、調整すべき点から前後にそれぞれ所定の長さとしてもよいし、最大曲率の大きさに応じて動的に調整してもよい。幅を固定する場合には、その幅は、想定される最も曲率の大きいカーブに対して、平準化範囲が定常区間より大きくならない程度に設定される。平準化範囲の幅を動的に設定する場合には、最大曲率が大きいほど平準化範囲の幅が小さくなるようにする。この場合に、平準化範囲の幅は、最大曲率の大きさを変数とする関数を用意して決定してもよいし、最大曲率の大きさとそれに対応する平準化範囲の幅を規定したテーブルを参照することで決定してもよい。また、平準化範囲は、調整すべき点の前後に同じ幅だけとらなくてもよい。
【0057】
図10は、曲率調整部381及び最大曲率抽出部382における処理を説明するグラフである。
図10は、特に、点P
5の曲率を調整する処理を示している。曲率調整部381は、点P
5の曲率を調整する際に、点P
5を含む平準化範囲の方位差を算出する。
図10の例では、点P
5の前後の点(点P
4及び点P
6)までの範囲を平準化範囲としている。
【0058】
曲率調整部381は、この平準化範囲の方位差(
図10の斜線領域の面積)を維持するように、平準化範囲の曲率を一定とする。このとき、
図10に示す長方形の面積は斜線領域の面積と等しくなる。そして、曲率調整部381は、そのようにして求めた長方形の上辺の値(曲率)をこの点P
5の調整後の曲率P
5´とする。
【0059】
図10には、他の点P
1〜P
4、P
6〜P
8についても同様の処理を行った結果得られた調整後の曲率P
1´〜P
4´、P
6´〜P
8´が示されている。最大曲率抽出部382は、調整後に最大の曲率を有する点を曲率のピークχ
peakとして抽出する。
図10の例では、最大曲率抽出部382は、調整後の曲率P
5´を曲率のピークとして抽出する。
【0060】
ここで、各点について、平準化範囲に含まれる他の点(周囲の他の点)を含めた平均の曲率を当該点の調整後の曲率とすることも考えられるが、本実施の形態においてそのようにしていないのは、点と点の間の距離が等間隔ではないためである。なお、実走行データの曲率が滑らかである場合には、曲率調整部381及び最大曲率抽出部382は上記の処理を行わなくてよい。
【0061】
最大曲率変化抽出部383は、上記の先願技術と同様にして、曲率変化量Δχのピーク値Δχ
peakを算出して(S53)、クロソイド曲線区間における曲率χの変化量をこの値Δχ
peakで近似する(S54)。なお、この処理では、曲率算出部36で求めた各点の曲率について、その変化量のピークを求める。
【0062】
クロソイド曲線区間調整部384は、最大曲率変化抽出部383で算出されたクロソイド曲線区間の曲率χの変化量(傾き)の距離方向の位置決めを行う(S55)。ここで、定常区間での曲率(曲率のピーク値χ
peak)はすでに得られているので、クロソイド曲線区間の曲率χの変化量(傾き)の距離方向の位置を決めることは、すなわち、定常区間の長さを決定することを意味する。
【0063】
図11(A)〜(D)は、クロソイド曲線区間を調整して最終的にカーブ形状を決定する処理を説明する図である。
図11(A)は、曲率の変化を示すグラフであり、
図9及び
図10と同じ例を扱っている。すでに最大曲率χ
peakは最大曲率抽出部382によって求められており、曲率変化量Δχのピーク値Δχ
peakは最大曲率変化抽出部383で求められている。クロソイド曲線区間調整部384は、この曲率変化量Δχのピーク値Δχ
peak(傾き)を有する直線の距離方向の位置決めをする。
【0064】
クロソイド曲線区間調整部384は、まず、調整後の最大曲率を有する点を境にして、方位差を左右に分割する。左側の方位差について説明すると、その境界線と、最大曲率抽出部382で求めた最大曲率χ
peakと、グラフの底辺(曲率=0の線)と、最大曲率変化抽出部383で求めた傾きを有する直線とで、台形が形成される。最大傾きの直線を距離方向に平行移動すると、この台形の面積が変化する。クロソイド曲線区間調整部384は、この台形の面積(
図11(C)の面積s2)が、もとの曲率から算出される方位差(
図11(B)の面積s1)と等しくなるように、最大傾きの直線の距離方向の位置を決定する。
【0065】
クロソイド曲線区間調整部384は、右側の方位差についても同様にして最大傾きの直線の距離方向の位置決めをする。このようにして左右の(曲率が増加するとき及び曲率が減少するときの)最大傾きの直線の位置が決まると、
図11(D)に示すように、カーブ開始点、曲率が増加するクロソイド曲線区間、カーブ入口、定常区間、カーブ出口、曲率が減少するクロソイド曲線区間がいずれも確定し、カーブ形状が確定する。
【0066】
上記のようにしてカーブ形状をモデル化することにより、実測で得られた方位差を維持することができるので、カーブ形状のモデル化によって生じる、車両が実際に走行した道路形状との方位差のずれを軽減できる。
【0067】
ノード情報生成部40は、曲率補正部38によって補正された各サンプリング点の曲率に基づき、車両が走行した道路形状を再現するとともに、再現された道路上で任意に選択された点及び交差点(ノード点)の座標を算出し、カーブ開始点、カーブ入口、カーブ出口、及びカーブ終了点等のノードデータを含むカーブ形状モデルを地
図DB32に出力する。地
図DB32に記憶されたノードデータは、ナビゲーション動作が行われる際に読み出される。
【0068】
以下、上記構成によるカーブ形状モデル化装置の動作について、
図12のフローチャートを参照して説明する。ナビゲーション装置10の起動後に車両を走行させると、車両位置検出部12において、現在走行中の車両の位置情報を含む走行データを取得する(S21)。また、撮像部16において車両の前方の状況を撮影し、画像解析部28において、当該撮影画像に含まれる施設の有無及び施設タイプの情報を取得する。
【0069】
車両位置検出部12において検出されたサンプリング点の位置情報を示すデータは、地図生成部22の走行経路記憶部34に記憶される。曲率算出部36において、走行経路記憶部34に記憶されたサンプリング点の位置情報に基づき、走行方向の角度変化及びサンプリング点間の距離を算出するとともに、これら角度変化及び距離の情報に基づき、各サンプリング点における曲率χの値を算出する(S22)。これにより、走行経路上の道路における曲率χを算出するにあたり、円の最小二乗法を用いる必要がなく、処理に必要な演算量を低減することができる。
【0070】
曲率算出部36で得られた曲率χの情報は、曲率補正部38に送る。曲率補正部38は、前述した曲率補正処理を行い、サンプリング点における曲率の値を補正するとともに、走行経路を直線区間、クロソイド曲線区間及び円弧区間のいずれかに分類する(S23)。ノード情報生成部40は、曲率補正処理が施された曲率の補正値に基づき、直線区間、クロソイド曲線区間及び円弧区間に区分けされた道路地図を生成する(S24)。そして、ノード情報生成部40は、生成された道路地図上の点をノード点として抽出し、当該ノード点における座標や道路種別の情報をノードデータとして地
図DB32に出力する(S25)。
【0071】
なお、上記の実施の形態において、クロソイド曲線区間調整部384が、曲率が増加するクロソイド曲線区間の位置決めをして、カーブ形状モデルのカーブ開始点及びカーブ入口を確定し、又は、曲率が減少するクロソイド曲線区間の位置決めをして、カーブ形状モデルのカーブ終了点及びカーブ出口を確定する際に、上記のようにして方位差を維持しようとすると、場合によっては、次のような不都合が生じることがある。
【0072】
まず、カーブ開始点がもとの曲率データでカーブが開始された点よりも前方になり、又は、カーブ終了点がもとの曲率のデータでカーブが終了している点よりも後方になることがある。よって、クロソイド曲線区間調整部384は、曲率が増加するクロソイド曲線区間については、その距離方向の位置の下限を、カーブ開始点がもとの曲率データでカーブが開始された点よりも前方にならない限度とし、それ以降は、方位差を維持するようにクロソイド曲線区間の傾きを大きくすることで方位差を維持してよい。また、クロソイド曲線区間調整部384は、曲率が減少するクロソイド曲線区間については、その距離方向の位置の上限を、カーブ終了点がもとの曲率データでカーブが終了する点よりも後方にならない限度とし、それ以降は、方位差を維持するようにクロソイド曲線区間の傾きを大きくすることで方位差を維持してよい。
【0073】
また、最大曲率をとる点よりもカーブ入口が後方になり、又は、最大曲率をとる点よりもカーブ出口が前方になることがある。よって、クロソイド曲線区間調整部384は、曲率が増加するクロソイド曲線区間については、その距離方向の位置の上限を、最大曲率をとる点よりもカーブ入口が後方にならない限度とし、それ以降は、方位差を維持するようにクロソイド曲線区間の傾きを大きくすることで方位差を維持してよい。また、クロソイド曲線区間調整部384は、曲率が減少するクロソイド曲線区間については、その距離方向の位置の下限を、最大曲率をとる点よりもカーブ出口が前方にならない限度とし、それ以降は、方位差を維持するようにクロソイド曲線区間の傾きを大きくすることで方位差を維持してよい。
【0074】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る地図生成装置について説明する。実際の走行軌跡においては、必ずしも第1の実施の形態のようにカーブ形状が台形とはならず、複合的なカーブ形状となることもある。
【0075】
図13(A)に示すように、連続するカーブの間に緩やかな曲線(曲率が小さい円弧区間を含む区間)がある道路を走行する場合、曲率χの変化量Δχがピーク値をとる点のみを抽出して曲率補正を行うと、同図(B)で示すように、当該緩曲線を挟んだ2つのカーブを含む領域で曲率補正を行ってしまう場合があり、かかる場合には、緩曲線とすべき区間を曲率が大きな円弧区間であるとしてモデル化されてしまう。
【0076】
本実施形態に係るカーブ形状モデル化装置では、カーブ開始点とカーブ終了点との間に複数の定常区間を抽出する。このため、
図14(B)に示すように、曲率の変化量Δχがピーク値をとる点(L1,L3,L5,L7)のみならず、Δχが0をとる点(L2,L4,L6)も抽出し、これらΔχが0をとる点を含む領域を円弧区間と近似して、曲率補正を行う。以下、Δχが0をとる点のうち、変化量Δχが正から負に変化する点を「上に凸のピーク」といい、変化量Δχが負から正に変化する点を「下に凸のピーク」という。
【0077】
このとき、
図14(C)に示すように、上に凸のピークから進行方向と逆方向に隣接する、下に凸のピークの曲率が、当該上に凸のピークの曲率の70%未満である場合には、当該下に凸のピーク付近を緩曲線区間(曲率が小さい定常区間)であると判断する。さらに、下に凸のピーク付近が緩曲線区間であると判断された場合には、下に凸のピーク付近に別の上に凸のピークが存在していたとしても、そのような上に凸のピークの曲率が下に凸のピークの曲率の100/70を超えない場合には、そのような上に凸のピークは別のカーブの定常区間であるとは判断しようにしてよい。
【0078】
なお、入力の長さと曲率のデータ列の中において、複数のカーブと判断するか一つのカーブと判断するかの指標である「70%未満」「100/70」は例示にすぎず、センサ精度(曲率データの信頼度)等に基づいて適切な値に設定することができる。また、変化量を算出してピークを求めるのに用いる曲率は、上記の曲率調整部381で調整された曲率でもよいし、曲率算出部36で取得されたもとの曲率でもよい。
【0079】
図15は、本発明の第2の実施形態に係るカーブ形状モデル化装置における曲率補正処理のフローチャートである。まず、曲率調整部381が、上記と同様にして、各点について、平準化範囲内で方位差を平準化することで曲率を調整する(S61)。次に、最大曲率抽出部382は、曲率調整部381にて調整済みの各点の曲率について、その変化量Δχを求めて、曲率変化量Δχがゼロとなる点を求める(S62)。
【0080】
そして、最大曲率抽出部382は、上に凸のピークの曲率と距離軸上でその前方にある下に凸のピークの曲率とを比較して、下に凸のピークの曲率が上に凸のピークの曲率の70%未満であるか否かを判断する(S63)。下に凸のピークの曲率が上に凸のピークの曲率の70%未満である場合には(S63でY)、最大曲率抽出部382は、その下に凸のピークを含む区間を緩曲線区間として、そのピークの曲率を緩曲線区間の曲率として抽出する(S64)。
【0081】
緩曲線区間の曲率を抽出した後(S64の後)、及び緩曲線として判断されなかった場合(S63でN)には、最大曲率抽出部382は、上に凸のピークの曲率を最大曲率として抽出する(S65)。
【0082】
最大曲率変化抽出部383は、上記の先願技術と同様にして、曲率変化量Δχのピーク値Δχ
peakを算出して(S66)、クロソイド曲線区間における曲率χの変化量をこの値Δχ
peakで近似する(S67)。ここで、最大曲率変化抽出部383は、最大曲率抽出部382にて緩曲線区間の曲率が抽出されている場合には、緩曲線区間の両側の曲率変化量のピーク値Δχ
peakも抽出する。
【0083】
クロソイド曲線区間調整部384は、最大曲率変化抽出部383で算出されたクロソイド曲線区間の曲率χの変化量(傾き)の位置決めを行う(S68)。本実施の形態では、クロソイド曲線区間調整部384は、最大曲率抽出部382で抽出した最大曲率の点及び緩曲線区間の曲率をとる点ごとに、方位差を分割して、当該分割された方位差が維持されるように、クロソイド曲線区間の位置決めを行う。
【0084】
これにより、緩やかな曲線を挟んだ2つのカーブを含む領域で曲率補正を行う場合であっても、当該緩曲線の区間を正確に抽出することができるので、より正確な地図情報を生成することが可能となる。
【0085】
なお、上記の実施の形態では、緩曲線と判断するための基準を上に凸のピークの70%未満としているが、この基準は適宜変更可能である。すなわち、最大曲率抽出部382は、下に凸のピークが上に凸のピークよりも所定の基準に従って低いと評価される場合に、その下に凸のピークを含む区間を緩曲線区間として判断すればよい。例えば、上に凸のピークと下に凸のピークとの差が所定の曲率以上であるという基準であってもよい。
【0086】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係るカーブ形状モデル化装置について説明する。この実施形態に係るカーブ形状モデル化装置では、過去に走行したことのある道路を走行した場合に、検出された位置情報に基づき算出された曲率データと、地
図DBに記憶済みの曲率データとを用いて曲率データを更新した後に、曲率補正処理を行うものである。
【0087】
図16は、第3の実施形態に係るカーブ形状モデル化装置を備えたナビゲーション装置50を示すブロック図であり、
図2のブロック図と比較すると、地図生成部52において曲率情報更新部54が更に備えられている点で相違する。なお、
図16のブロック図において、
図2で説明したのと同じ構成部材については、同じ符番を付して詳細な説明を省略する。
【0088】
曲率情報更新部52は、曲率算出部36において得られた曲率データを受信するとともに、対応する道路における曲率データが地
図DB32に存在する場合は、この曲率データを地
図DB32から読み出して、これらの加重平均をとることにより、当該道路における曲率データを更新する。その後、曲率補正部38において曲率補正処理が行われる。
【0089】
図17は、この実施形態における地図生成処理の手順を示すフローチャートである。ナビゲーション装置10の起動後に車両を走行させると、車両位置検出部12において、現在走行中の車両の位置情報を含む走行データを取得し、地図生成部52の走行経路記憶部34に記憶される(S41)。次いで、曲率算出部36において、走行経路記憶部34に記憶されたサンプリング点の位置情報に基づき、走行方向の角度変化及び走行距離を算出し、これらの値に基づき、各サンプリング点における曲率χの値を算出する(S42)。
【0090】
次に、曲率情報更新部54は、上記の曲率χが算出された道路に対応する道路のノードデータが地
図DBに含まれているか(すなわち、現在走行中の道路につき、道路地図が既に生成されているか否か)を判定する(S43)。この判定は、例えば、車両情報検出部において検出されたサンプリング点の経度・緯度情報とほぼ一致するノードデータが地
図DB32に記憶されているか否か、あるいは、画像解析部16において解析された施設と同一の施設情報が地
図DB32に記憶されているか否かにより、行うことができる。
【0091】
そして、現在走行中の道路に対応する道路データが地
図DBに記憶されている場合には(S43でY)、曲率情報更新部54は、対応する道路のノードデータ(曲率データ)を読み出して(S44)、今回算出された曲率データとの平均値(あるいは所定の重み付け演算)を行うことで、曲率補正を行うべき基準点を算出する。
【0092】
すなわち、
図18に示すように、曲率算出部36において算出されたサンプリング点における曲率の値と、地
図DBに記憶された曲率との平均値を算出する(あるいは重み付け演算を行う)ことで、基準点(
図18において▲で示した点)の曲率を算出する(S45)。そして、算出された基準点の曲率の値に基づき、第1の実施形態(あるいは第2の実施形態)で説明したのと同様の曲率補正処理を行う(S46)。
【0093】
ノード情報生成部40は、曲率補正処理が施された曲率の補正値に基づき、直線区間、クロソイド曲線区間及び円弧区間に区分けされた道路地図を生成する(S47)。そして、ノード情報生成部40は、生成された道路地図上の点をノード点として抽出し、当該ノード点における座標や道路種別の情報をノードデータとして地
図DB32に出力する(S48)。これにより、地
図DB32のノードデータが更新される。
【0094】
このように、同じ道路を走行する毎に、地
図DBに記憶されるノードデータが更新されていくので、例えば普段から走行している道路について、より正確な道路地図を生成することができる。
【0095】
なお、現在走行中の道路に対応する道路データが地
図DBに記憶されていない場合には(ステップS43でN)、前記第1の実施形態と同様に、曲率補正処理を行って道路地図を生成した後に、ノードデータを地
図DB32に記憶する。
【0096】
上記の第1〜第3の実施形態では、直線区間と円弧区間との間の区間を、曲率が一定割合で変化するクロソイド曲線区間としているが、本発明はこれに限定されることはなく、あらゆるタイプの緩和曲線(例えば、スプライン曲線、ベジエ曲線)で当該区間を近似することができる。
【0097】
また、上記の第1〜第3の実施の形態のカーブ形状モデル化装置は、走行経路記憶部34を備え、曲率算出部36が車両の走行軌跡から曲率を算出したが、本発明のカーブ形状モデル化装置は走行経路記憶部34の代わりに、地図に含まれる経路上のサンプリング点における位置情報を含む地図データを取得して記憶する地図データ記憶部を備え、当該地図データ記憶部に記憶された地図データからカーブ形状を抽出してモデル化するものであってもよい。