特許第6026310号(P6026310)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6026310-衣服 図000002
  • 特許6026310-衣服 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6026310
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】衣服
(51)【国際特許分類】
   A41B 1/02 20060101AFI20161107BHJP
   A41B 1/08 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   A41B1/02
   A41B1/08 G
【請求項の数】2
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2013-26173(P2013-26173)
(22)【出願日】2013年2月14日
(65)【公開番号】特開2014-152434(P2014-152434A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年4月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】509068770
【氏名又は名称】株式会社HUG COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】有薗 誠二
【審査官】 笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−121608(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0135910(US,A1)
【文献】 特開平10−273807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41B 1/00 〜 1/02
A41B 1/08
A41D 27/00 〜 27/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表前立てと裏前立てとを裏前立てに1列に取り付けた釦で留めるようにしたワイシャツにおいて、部に相当する位置から裾の部分における裏前立ての幅を均一で4〜10cmに腹部より上部の位置における裏前立ての幅をそれより狭く上方に向けて漸次減少するように形成してなることを特徴とするワイシャツ
【請求項2】
表前立てと裏前立てとを裏前立てに1列に取り付けた釦で留めるようにしたブラウスにおいて、部に相当する位置から裾の部分における裏前立ての幅を均一で4〜10cmに腹部より上部の位置における裏前立ての幅をそれより狭く上方に向けて漸次減少するように形成してなることを特徴とするブラウス
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服に関し、特に、ワイシャツやブラウス等の表前立てと裏前立てとを裏前立てに取り付けた釦で留めるようにした衣服に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ワイシャツやブラウス等の表前立てと裏前立てとを裏前立てに取り付けた釦で留めるようにした衣服においては、表前立てと裏前立てとが重なり合う幅を、台衿の部分から裾の部分まで均一になるように形成されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このため、上記従来の表前立てと裏前立てとを裏前立てに取り付けた釦で留めるようにした衣服をメタボ体型の人が着用すると、釦で留められた間の表前立て及び裏前立てが引っ張られて歪みが生じ、表前立てと裏前立てとの重なり合い部分がなくなり、隙間から下着や肌が見えるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記従来の表前立てと裏前立てとを裏前立てに取り付けた釦で留めるようにした衣服の有する問題点に鑑み、メタボ体型の人が着用しても、表前立てと裏前立てとの重なり合い部分が確保されて下着や肌が見えることのない衣服を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明のワイシャツは、表前立てと裏前立てとを裏前立てに1列に取り付けた釦で留めるようにしたワイシャツにおいて、部に相当する位置から裾の部分における裏前立ての幅を均一で4〜10cmに腹部より上部の位置における裏前立ての幅をそれより狭く上方に向けて漸次減少するように形成してなることを特徴とする。
【0006】
また、同じ目的を達成するため、本発明のブラウスは、表前立てと裏前立てとを裏前立てに1列に取り付けた釦で留めるようにしたブラウスにおいて、腹部に相当する位置から裾の部分における裏前立ての幅を均一で4〜10cmに、腹部より上部の位置における裏前立ての幅をそれより狭く上方に向けて漸次減少するように形成してなることを特徴とする
【発明の効果】
【0007】
本発明のワイシャツ及びブラウスによれば、表前立てと裏前立てとを裏前立てに取り付けた釦で留めるようにしたワイシャツやブラウスにおいて、少なくとも腹部に相当する位置における裏前立ての幅を、それより上部の位置における裏前立ての幅より広く形成することにより、この衣服をメタボ体型の人が着用し、釦で留められた間の表前立て及び裏前立てが引っ張られて歪みが生じても、幅を広く形成した裏前立てによって表前立てと裏前立てとの重なり合い部分が確保されて下着や肌が見えることがなく、ファッション性を良好に維持することができる。
【0008】
また、裏前立ての幅を、胸部に相当する位置から漸次増加させ、少なくとも腹部に相当する位置から裾の部分まで均一になるように形成することにより、衣服の着用時に幅を広く形成した裏前立てに皺が生じたり、裏前立てが折れ曲がることを防止し、シルエットを良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の衣服の一実施例のワイシャツを示す正面図である。
図2】同ワイシャツの裏前立てを露出した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の衣服の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0011】
図1図2に、本発明の衣服の構成をワイシャツに適用した一実施例を示す。
このワイシャツ1は、表前立て2と裏前立て3とを裏前立て3に取り付けた釦4で留めるようにしたワイシャツ1において、腹部に相当する位置Bにおける裏前立て3の幅Wbを、それより上部の位置Aにおける裏前立て3の幅Waより広く形成するようにしている。
【0012】
このように、腹部に相当する位置Bにおける裏前立て3の幅Wbを、それより上部の位置Aにおける裏前立て3の幅Waより広く形成することにより、このワイシャツ1をメタボ体型の人が着用し、釦4で留められた間の表前立て2及び裏前立て3が引っ張られて歪みが生じても、幅を広く形成した裏前立て3によって表前立て2と裏前立て3との重なり合い部分が確保されて下着や肌が見えることがなく、ファッション性を良好に維持することができる。
【0013】
この場合において、裏前立て3の幅は、より具体的には、腹部に相当する位置Bより上部の位置A、すなわち、胸部に相当する位置から漸次増加させ、少なくとも腹部に相当する位置Bから裾の部分Cまで均一になるように形成することが好ましい。
これにより、このワイシャツ1の着用時に幅を広く形成した裏前立て3に皺が生じたり、裏前立て3が折れ曲がることを防止し、シルエットを良好に維持することができる。
【0014】
また、裏前立て3の幅は、上部の位置Aにおける裏前立て3の幅Waが2〜4cm、腹部に相当する位置Bにおける裏前立て3の幅Wbが、その2倍程度の4〜10cm、好ましくは、5〜8cmに設定することが好ましい。
腹部に相当する位置Bにおける裏前立て3の幅Wbが、4cm未満であると、釦4で留められた間の表前立て2及び裏前立て3が引っ張られて歪みが生じた場合に表前立て2と裏前立て3との重なり合い部分が確保されにくく、また、10cmを超えると、裏前立て3に皺が生じたり、裏前立て3が折れ曲がりやすくなり、いずれも適当でない。
【0015】
以上、本発明の衣服を、その構成をワイシャツに適用した実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明の衣服は、メタボ体型の人が着用しても、表前立てと裏前立てとの重なり合い部分が確保されて下着や肌が見えることのないという特性を有していることから、ワイシャツの用途に好適に用いることができるほか、例えば、ブラウス等の表前立てと裏前立てとを裏前立てに取り付けた釦で留めるようにした衣服の用途に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0017】
1 ワイシャツ(衣服)
2 表前立て
3 裏前立て
4 釦
Wa 腹部より上部の位置における裏前立ての幅
Wb 腹部に相当する位置における裏前立ての幅
図1
図2