【課題を解決するための手段】
【0013】
(発明の要旨)
本発明は、核酸ベースのアッセイにおける使用のための独特のプライマーおよびプローブの開発と、感染した可能性がある個体由来の生物学的サンプルにおけるパルボウイルスB19 DNAの検出のための高感度で信頼できる核酸ベースの診断試験の開発とに、基づく。本明細書中に記載される技術は、転写媒介性増幅(TMA)を使用するB19配列のゲノム保存領域の増幅のためのテンプレートとして、ならびに5’ヌクレアーゼアッセイ(例えば、TaqMan
TM技術)において、抽出したサンプルDNAを利用する。これらの方法は、10
3ウイルス粒子/ml程度の低いウイルス力価を有するウイルス血症サンプルにおけるB19 DNAの検出を可能にする。従って、感染したサンプルが同定され得、輸血から排除され得、血液誘導体の調製から排除され得る。本明細書中に記載されるプローブおよびプライマーはまた、例えば、標準的ハイブリダイゼーション法、ならびにPCRベースの技術、核酸配列ベースの増幅(NASBA)、ならびに分枝型DNA分子を利用するアッセイにおいて、有用である。
【0014】
従って、1つの実施形態において、本発明は、生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出する方法に関する。この方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、上記核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)上記単離されたパルボウイルスB19核酸を、第1オリゴヌクレオチドと反応させる工程であって、上記第1オリゴヌクレオチドは、上記RNA標的配列の3’末端部分と複合体を形成するに十分に、上記RNA標的配列の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第1プライマーを含み、上記第1のプライマーは、上記複合体形成配列の5’側に作動可能に連結したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターをさらに含み、上記反応は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下で実施される、工程;
(c)上記RNA標的配列をテンプレートとして使用して、上記RNA標的配列と相補的な第1DNAプライマー伸長産物を生じるように、伸長反応において上記第1プライマーを伸長させる工程;
(d)上記RNA標的配列を選択的に分解する酵素を使用して、上記RNA標的配列から上記第1DNAプライマー伸長産物を分離する工程;
(e)上記DNAプライマー伸長産物を、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下にて、第2オリゴヌクレオチドで処理する工程であって、上記第2オリゴヌクレオチドは、上記DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と複合体形成するに十分に、上記DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第2プライマーを含む、工程;
(f)上記第2プライマーの3’末端を、第2DNAプライマー伸長産物を生じ、それにより上記DNA依存性RNAポリメラーゼのテンプレートを生成するように、DNA伸長反応において伸長させる工程;
(g)上記プロモーター配列を認識するDNA依存性RNAポリメラーゼを使用して、上記標的配列の複数のRNAコピーを生成するように上記テンプレートを使用する工程;ならびに
(h)工程(g)のRNAコピーを使用し、上記標的配列を増幅するように工程(b)〜(g)を自己触媒的に反復する工程;
を包含する。
【0015】
特定の実施形態において、この方法は、
(i)工程(h)の産物に、プローブ:標的複合体を形成する上記プローブと上記標的配列とのハイブリダイゼーションを提供する条件下で、標識オリゴヌクレオチドプローブを付加する工程であって、上記オリゴヌクレオチドプローブは、上記標的配列の一部と相補的である、工程;ならびに
(j)上記標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
をさらに包含する。
【0016】
さらなる実施形態において、上記標識はアクリジニウムエステルである。
【0017】
なおさらなる実施形態において、上記方法において使用される第1プライマーおよび第2プライマーならびにプローブは、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域(例えば、
図2A〜
図2Uまたは
図11A〜
図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列)に由来する。
【0018】
別の実施形態において、本発明は、生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出する方法に関する。この方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、上記核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)上記単離されたパルボウイルスB19核酸を、第1オリゴヌクレオチドと反応させる工程であって、上記第1オリゴヌクレオチドは、上記RNA標的配列の3’末端部分と複合体を形成するに十分に、上記RNA標的配列の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第1プライマーを含み、上記第1のプライマーは、上記複合体形成配列の5’側に作動可能に連結したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターをさらに含み、上記第1プライマーは、
図2A〜
図2Uまたは
図11A〜
図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する配列を含み、上記反応は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下で実施される、工程;
(c)上記RNA標的配列をテンプレートとして使用して、上記RNA標的配列と相補的な第1DNAプライマー伸長産物を生じるように、伸長反応において上記第1プライマーを伸長させる工程;
(d)上記RNA標的配列を選択的に分解する酵素を使用して、上記RNA標的配列から上記第1DNAプライマー伸長産物を分離する工程;
(e)上記DNAプライマー伸長産物を、第2オリゴヌクレオチドで処理する工程であって、上記第2オリゴヌクレオチドは、上記DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と複合体形成するに十分に、上記DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第2プライマーを含み、上記第2プライマーは、
図2A〜
図2Uまたは
図11A〜
図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、上記処理は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下にて実施される、工程;
(f)上記第2プライマーの3’末端を、第2DNAプライマー伸長産物を生じ、それにより上記DNA依存性RNAポリメラーゼのテンプレートを生成するように、DNA伸長反応において伸長させる工程;
(g)上記プロモーター配列を認識するDNA依存性RNAポリメラーゼを使用して、上記標的配列の複数のRNAコピーを生成するように上記テンプレートを使用する工程;ならびに
(h)工程(g)のRNAコピーを使用し、上記標的配列を増幅させるように工程(b)〜(g)を自己触媒的に反復する工程;
(i)工程(h)の産物に、アクリジニウムエステル標識オリゴヌクレオチドプローブを付加する工程であって、上記オリゴヌクレオチドプローブは、上記標的配列の一部と相補的であり、上記プローブは、
図2A〜
図2Uのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、上記プローブは、プローブ:標的複合体を形成する上記プローブと上記標的配列とのハイブリダイゼーションを提供する条件下で付加される、工程;ならびに
(j)上記標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
を包含する。
【0019】
なお別の実施形態において、本発明は、標的パルボウイルスB19ヌクレオチド配列を増幅するための方法に関する。この方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、上記核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)上記RNA標的配列とハイブリダイズし得る1つ以上のプライマーを添加する工程であって、上記1つ以上のプライマーは、
図2A〜
図2Uまたは
図11A〜
図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、工程;
(c)上記1つ以上のプライマーに対して3’側に、上記RNA標的配列とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブを付加する工程;
(d)ポリメラーゼを使用して、上記1つ以上のプライマーを伸長させる工程;
を包含する。
【0020】
特定の実施形態において、工程(a)のRNA標的配列は、cDNAを提供するように逆転写される。この方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)または非対称ギャップリガーゼ連鎖反応(RT−AGLCR)を使用して、上記cDNAを増幅させる工程をさらに包含し得る。他の実施形態において、上記ポリメラーゼは、熱安定性ポリメラーゼ(例えば、TaqポリメラーゼまたはVentポリメラーゼであるが、これらに限定されない)である。さらなる実施形態において、上記ポリメラーゼは、E.coli DNAポリメラーゼI、E.coli DNAポリメラーゼIのクレノーフラグメント、またはT4 DNAポリメラーゼである。
【0021】
上記の種々の方法の特定の実施形態において、内部コントロールが、提供される。上記内部コントロールは、
図12の配列(配列番号92)に由来し得る。さらなる実施形態において、上記内部コントロールは、配列番号90を含む。
【0022】
さらなる実施形態において、本発明は、生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出するための方法に関する。この方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、上記核酸は、標的配列を含む、工程;
(b)上記単離されたパルボウイルスB19核酸を、上記標的配列と十分に相補的でありかつ上記標的配列とハイブリダイズし得る、検出可能に標識されたプローブと反応させる工程であって、上記プローブは、
図2A〜
図2Uまたは
図11A〜
図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、さらに上記反応は、プローブ/標的配列複合体の形成を提供する条件下で実施される、工程;ならびに
(c)上記標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
を包含する。
【0023】
さらなる実施形態において、本発明は、ポリヌクレオチドに関し、このポリヌクレオチドは、
図2A〜
図2Uまたは
図11A〜
図11Zに示されるヌクレオチド配列のうちのいずれか1つを含むヌクレオチド配列を含む。
【0024】
さらなる実施形態において、本発明は、上記のようなポリヌクレオチドに関し、上記ヌクレオチド配列は、
図2A、
図2B、
図2C、
図2D、
図2E、
図2F、
図2G、
図2H、
図2I、
図2J、
図2K、
図2L、
図2M、
図2N、
図2O、
図2P、
図2Q、
図2R、
図2S、
図2T、
図2U、
図11A、
図11B、
図11C、
図11D、
図11E、
図11F、
図11G、
図11H、
図11I、
図11J、
図11K、
図11L、
図11M、
図11N、
図11O、
図11P、
図11Q、
図11R、
図11S、
図11T、
図11U、
図11V、
図11W、
図11X、
図11Yまたは
図11Zに示されるヌクレオチド配列からなる。
【0025】
なおさらなる実施形態において、本発明は、
図3A〜
図3Cまたは4A〜
図4Cに示されるヌクレオチド配列のうちのいずれか1つを含むヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチドに関する。
【0026】
さらなる実施形態において、本発明は、上記のようなポリヌクレオチドに関し、上記ヌクレオチド配列は、
図3A〜
図3Cまたは
図4A〜
図4Cに示されるヌクレオチド配列からなる。
【0027】
別の実施形態において、本発明は、約10ヌクレオチド〜約75ヌクレオチドのヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列と作動可能に連結した、DNA依存性RNAポリメラーゼにより認識されるプロモーター領域からなる、オリゴヌクレオチドプライマーに関する。特定の実施形態において、上記プロモーター領域はT7プロモーターであり、上記ポリメラーゼはT7 RNAポリメラーゼである。さらに、上記ヒトパルボウイルスB19特異的配列は、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域(例えば、
図2A〜
図2Uまたは
図11A〜
図11Zのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列)に由来し得る。
【0028】
なおさらなる実施形態において、本発明は、約10ヌクレオチド〜約75ヌクレオチドのヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列と作動可能に連結した、T7プロモーターからなる、オリゴヌクレオチドプライマーに関し、上記ヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列は、
図2A〜
図2Uまたは
図11A〜
図11Zのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する。
【0029】
別の実施形態において、本発明は、アクリジニウムエステル標識に連結した、約10ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドのパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成(hybridizing)配列を含む、オリゴヌクレオチドプローブに関する。特定の実施形態において、上記ヒトパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列は、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域(例えば、
図2A〜
図2Uまたは
図11A〜
図11Zのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列)に由来する。
【0030】
なおさらなる実施形態において、本発明は、診断試験キットに関し、このキットは、本明細書中に記載の1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマーと、該診断試験を実施するための指示書とを備える。特定の実施形態において、上記試験キットは、アクリジニウムエステル標識に連結した、約10ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドのパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列を含むオリゴヌクレオチドプローブをさらに含む。
【0031】
本発明のこれらの局面および他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照することによって、明らかになる。
上記目的を達成するために、本発明は、例えば、以下の手段を提供する。
(項目1)
生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出する方法であって、
該方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、該核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)該単離されたパルボウイルスB19核酸を、第1オリゴヌクレオチドと反応させる工程であって、該第1オリゴヌクレオチドは、該RNA標的配列の3’末端部分と複合体を形成するに十分に、該RNA標的配列の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第1プライマーを含み、該第1のプライマーは、該複合体形成配列の5’側に作動可能に連結したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターをさらに含み、該反応は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下で実施される、工程;
(c)該RNA標的配列をテンプレートとして使用して、該RNA標的配列と相補的な第1DNAプライマー伸長産物を生じるように、伸長反応において該第1プライマーを伸長させる工程;
(d)該RNA標的配列を選択的に分解する酵素を使用して、該RNA標的配列から該第1DNAプライマー伸長産物を分離する工程;
(e)該DNAプライマー伸長産物を、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下にて、第2オリゴヌクレオチドで処理する工程であって、該第2オリゴヌクレオチドは、該DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と複合体形成するに十分に、該DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第2プライマーを含む、工程;
(f)該第2プライマーの3’末端を、第2DNAプライマー伸長産物を生じ、それにより該DNA依存性RNAポリメラーゼのテンプレートを生成するように、DNA伸長反応において伸長させる工程;
(g)該プロモーター配列を認識するDNA依存性RNAポリメラーゼを使用して、該標的配列の複数のRNAコピーを生成するように該テンプレートを使用する工程;ならびに
(h)工程(g)のRNAコピーを使用し、該標的配列を増幅させるように工程(b)〜(g)を自己触媒的に反復する工程;
を包含する、方法。
(項目2)
項目1に記載の方法であって、該方法は、
(i)工程(h)の産物に、プローブ:標的複合体を形成する前記プローブと前記標的配列とのハイブリダイゼーションを提供する条件下で、標識オリゴヌクレオチドプローブを付加する工程であって、該オリゴヌクレオチドプローブは、該標的配列の一部と相補的である、工程;ならびに
(j)該標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
をさらに包含する、方法。
(項目3)
項目2に記載の方法であって、前記標識がアクリジニウムエステルである、方法。
(項目4)
項目2に記載の方法であって、前記第1プライマーおよび第2プライマーならびにプローブが、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域に由来する、方法。
(項目5)
項目4に記載の方法であって、前記第1プライマーおよび第2プライマーならびにプローブが、
図2A〜
図2Uまたは
図11A〜
図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、方法。
(項目6)
項目1に記載の方法であって、工程(b)において内部コントロールを提供する工程をさらに包含する、方法。
(項目7)
項目6に記載の方法であって、前記内部コントロールが、
図12の配列(配列番号92)に由来する、方法。
(項目8)
項目6に記載の方法であって、前記内部コントロールが、配列番号90を含む、方法。
(項目9)
生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出する方法であって、
該方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、該核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)該単離されたパルボウイルスB19核酸を、第1オリゴヌクレオチドと反応させる工程であって、該第1オリゴヌクレオチドは、該RNA標的配列の3’末端部分と複合体を形成するに十分に、該RNA標的配列の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第1プライマーを含み、該第1のプライマーは、該複合体形成配列の5’側に作動可能に連結したDNA依存性RNAポリメラーゼプロモーターをさらに含み、該第1プライマーは、
図2A〜
図2Uまたは
図11A〜
図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する配列を含み、該反応は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下で実施される、工程;
(c)該RNA標的配列をテンプレートとして使用して、該RNA標的配列と相補的な第1DNAプライマー伸長産物を生じるように、伸長反応において該第1プライマーを伸長させる工程;
(d)該RNA標的配列を選択的に分解する酵素を使用して、該RNA標的配列から該第1DNAプライマー伸長産物を分離する工程;
(e)該DNAプライマー伸長産物を、第2オリゴヌクレオチドで処理する工程であって、該第2オリゴヌクレオチドは、該DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と複合体形成するに十分に、該DNAプライマー伸長産物の3’末端部分と相補的な複合体形成配列を含む第2プライマーを含み、該第2プライマーは、
図2A〜
図2Uまたは
図11A〜
図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、該処理は、オリゴヌクレオチド/標的配列複合体の形成およびDNA合成の開始を提供する条件下にて実施される、工程;
(f)該第2プライマーの3’末端を、第2DNAプライマー伸長産物を生じ、それにより該DNA依存性RNAポリメラーゼのテンプレートを生成するように、DNA伸長反応において伸長させる工程;
(g)該プロモーター配列を認識するDNA依存性RNAポリメラーゼを使用して、該標的配列の複数のRNAコピーを生成するように該テンプレートを使用する工程;ならびに
(h)工程(g)のRNAコピーを使用し、該標的配列を増幅させるように工程(b)〜(g)を自己触媒的に反復する工程;
(i)工程(h)の産物に、アクリジニウムエステル標識オリゴヌクレオチドプローブを付加する工程であって、該オリゴヌクレオチドプローブは、該標的配列の一部と相補的であり、該プローブは、
図2A〜
図2Uまたは
図11A〜
図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、該プローブは、プローブ:標的複合体を形成する該プローブと該標的配列とのハイブリダイゼーションを提供する条件下で付加される、工程;ならびに
(j)該標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
を包含する、方法。
(項目10)
項目9に記載の方法であって、工程(b)において内部コントロールを提供する工程をさらに包含する、方法。
(項目11)
項目10に記載の方法であって、前記内部コントロールが、
図12の配列(配列番号92)に由来する、方法。
(項目12)
項目10に記載の方法であって、前記内部コントロールが、配列番号90を含む、方法。
(項目13)
標的パルボウイルスB19ヌクレオチド配列を増幅するための方法であって、
該方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、該核酸は、RNA標的配列を含む、工程;
(b)該RNA標的配列とハイブリダイズし得る1つ以上のプライマーを添加する工程であって、該1つ以上のプライマーは、
図2A〜
図2Uまたは
図11A〜
図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、工程;
(c)該1つ以上のプライマーに対して3’側に、該RNA標的配列とハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブを付加する工程;
(d)ポリメラーゼを使用して、該1つ以上のプライマーを伸長させる工程;
を包含する、方法。
(項目14)
項目13に記載の方法であって、工程(a)のRNA標的配列が、cDNAを提供するように逆転写される、方法。
(項目15)
項目14に記載の方法であって、ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)または非対称ギャップリガーゼ連鎖反応(RT−AGLCR)を使用して、前記cDNAを増幅させる工程をさらに包含する、方法。
(項目16)
項目13に記載の方法であって、前記ポリメラーゼが、熱安定性ポリメラーゼである、方法。
(項目17)
項目16に記載の方法であって、前記熱安定性ポリメラーゼが、TaqポリメラーゼまたはVentポリメラーゼである、方法。
(項目18)
項目13に記載の方法であって、前記ポリメラーゼが、E.coli DNAポリメラーゼI、E.coli DNAポリメラーゼIのクレノーフラグメント、またはT4 DNAポリメラーゼである、方法。
(項目19)
項目13に記載の方法であって、工程(b)において内部コントロールを提供する工程をさらに包含する、方法。
(項目20)
項目19に記載の方法であって、前記内部コントロールが、
図12の配列(配列番号92)に由来する、方法。
(項目21)
項目19に記載の方法であって、前記内部コントロールが、配列番号90を含む、方法。
(項目22)
ポリヌクレオチドであって、
図2A〜
図2Uまたは
図11A〜
図11Zに示されるヌクレオチド配列のうちのいずれか1つを含むヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチド。(項目23)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Aに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目24)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Bに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目25)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Cに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目26)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Dに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目27)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Eに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目28)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Fに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目29)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Gに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目30)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Hに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目31)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Iに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目32)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Jに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目33)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Kに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目34)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Lに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目35)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Mに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目36)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Nに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目37)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Oに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目38)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Pに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目39)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Qに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目40)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Rに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目41)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Sに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目42)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Tに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目43)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図2Uに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目44)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Aに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目45)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Bに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目46)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Cに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目47)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Dに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目48)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Eに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目49)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Fに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目50)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Gに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目51)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Hに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目52)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Iに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目53)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Jに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目54)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Kに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目55)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Lに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目56)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Mに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目57)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Nに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目58)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Oに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目59)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Pに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目60)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Qに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目61)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Rに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目62)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Sに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目63)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Tに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目64)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Uに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目65)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Vに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目66)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Wに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目67)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Xに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目68)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Yに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目69)
項目22に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図11Zに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目70)
ポリヌクレオチドであって、
図3A〜
図3Cまたは4A〜
図4Cに示されるヌクレオチド配列のうちのいずれか1つを含むヌクレオチド配列を含む、ポリヌクレオチド。
(項目71)
項目70に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図3A〜
図3Cに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目72)
項目70に記載のポリヌクレオチドであって、前記ヌクレオチド配列が、
図4A〜
図4Cに示されるヌクレオチド配列からなる、ポリヌクレオチド。
(項目73)
オリゴヌクレオチドプライマーであって、約10ヌクレオチド〜約75ヌクレオチドのヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列と作動可能に連結した、DNA依存性RNAポリメラーゼによって認識されるプロモーター領域からなる、オリゴヌクレオチドプライマー。
(項目74)
項目73に記載のオリゴヌクレオチドプライマーであって、前記プロモーター領域がT7プロモーターであり、前記ポリメラーゼがT7 RNAポリメラーゼである、オリゴヌクレオチドプライマー。
(項目75)
項目73に記載のオリゴヌクレオチドプライマーであって、前記ヒトパルボウイルスB19特異的配列が、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域に由来する、オリゴヌクレオチドプライマー。
(項目76)
項目75に記載のオリゴヌクレオチドプライマーであって、前記ヒトパルボウイルスB19特異的配列が、
図2A〜2Uのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、オリゴヌクレオチドプライマー。
(項目77)
オリゴヌクレオチドプライマーであって、約10ヌクレオチド〜約75ヌクレオチドのヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列と作動可能に連結した、T7プロモーターからなり、該ヒトパルボウイルスB19特異的複合体形成配列は、
図2A〜
図2Uまたは
図11A〜
図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、オリゴヌクレオチドプライマー。
(項目78)
アクリジニウムエステル標識に連結した、約10ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドのパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列を含む、オリゴヌクレオチドプローブ。
(項目79)
項目78に記載のオリゴヌクレオチドプローブであって、前記ヒトパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列が、ヒトパルボウイルスB19ゲノムのVP1領域に由来する、オリゴヌクレオチドプローブ。
(項目80)
項目79に記載のオリゴヌクレオチドプローブであって、前記ヒトパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列が、
図2A〜2Uまたは
図11A〜
図11Zのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来する、オリゴヌクレオチドプローブ。
(項目81)
診断試験キットであって、項目73に記載のオリゴヌクレオチドプライマーと、該診断試験を実施するための指示書とを備える、キット。
(項目82)
項目81に記載の診断試験キットであって、アクリジニウムエステル標識に連結した、約10ヌクレオチド〜約50ヌクレオチドのパルボウイルスB19特異的ハイブリッド形成配列を含むオリゴヌクレオチドプローブをさらに含む、キット。
(項目83)
生物学的サンプルにおけるヒトパルボウイルスB19感染を検出するための方法であって、
該方法は、
(a)ヒトパルボウイルスB19 DNAを含むと疑われる生物学的サンプルから核酸を単離する工程であって、該核酸は、標的配列を含む、工程;
(b)該単離されたパルボウイルスB19核酸を、該標的配列と十分に相補的でありかつ該標的配列とハイブリダイズし得る、検出可能に標識されたプローブと反応させる工程であって、該プローブは、
図2A〜
図2Uまたは
図11A〜
図11Zのうちのいずれか1つに示されるポリヌクレオチド配列に由来し、さらに該反応は、プローブ/標的配列複合体の形成を提供する条件下で実施される、工程;ならびに
(c)該標的配列の存在または非存在の指標として、標識の存在または非存在を検出する工程;
を包含する、方法。