(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記織りステップ(210)が、複数の金属経糸によって形成された金属ストランド(301、302)を用いて実行され、各経糸の直径は0.1mm未満であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法(200)。
前記織りステップ(210)が、0.5mm以上の直径を有する金属ストランド(301、302)を用いて実行されることを特徴とする、請求項1から2のいずれか一項に記載の製造方法(200)。
前記織りステップ(210)が、1mm以上の直径を有する金属ストランド(301、302)を用いて実行されることを特徴とする、請求項1から2のいずれか一項に記載の製造方法(200)。
前記織りステップ(210)が、チタニウムの複数の金属経糸によって、または異なる材料の複数の金属経糸によって形成された金属ストランド(301、302)を用いて実行されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法(200)。
前記織りステップ(210)が、異なる直径の複数の金属経糸によって形成された金属ストランド(301、302)を用いて実行されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の製造方法(200)。
前記熱間静水圧加圧ステップ(230)に先立って、前記方法は前記繊維構造(300)を成形するステップ(230)を含み、前記成形は手作業で実行されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の製造方法(200)。
前記繊維構造(300)の前記成形が、前記繊維構造(300)がツール(400)内に配置されたときに実行されることを特徴とする、請求項7に記載の製造方法(200)。
請求項1に記載の方法を実行するための三次元繊維構造(300)であって、縦糸及び横糸の役割を果たす金属ストランド(301、302)を織ることによって形成され、繊維構造の前記縦糸及び横糸が、ストランドの長手軸の周りで互いに撚り合わせられた複数の金属経糸によって形成されていることを特徴とする、三次元繊維構造(300)。
【背景技術】
【0003】
本発明の分野は、タービンエンジンの分野、より具体的には、複合材または金属材料で作られ、その前縁が金属構造補強材を含む、タービンエンジンのファンブレードの分野である。
【0004】
しかしながら、本発明はまた、地上または飛行用の、いずれかの種類のタービンエンジン、具体的にはヘリコプタのタービンエンジンまたは航空機ターボジェットエンジンの、ならびにオープンプロペラなどのプロペラの、前縁または後縁を補強するように意図された金属補強材の製造にも適用可能である。
【0005】
本発明はまた、複雑な幾何学形状を有する一体型部品の製造にも適用される。
【0006】
前縁は気流に直面し、気流を下面気流と上面気流とに分割する、空気力学的プロファイルの前部に対応することが、想起されるだろう。後縁は、下面流および上面流が合流する、空気力学的プロファイルの後部に対応する。
【0007】
タービンエンジンブレード、具体的にはファンブレードは、具体的には回転速度に関わる、相当な機械的応力を受け、重量および空間要件に関わる厳しい条件に適合する必要がある。その結果、より軽量で、熱に対してより高い耐性を有する複合材料で作られたブレードが使用される。
【0008】
欧州特許出願公開第1908919号明細書で言及されるように、ブレードの高さ全体に亘ってその前縁を超えて延在する金属構造補強材を備える、複合材料で製造された、タービンエンジンのファンブレードを提供することが知られている。このような補強材は、たとえば鳥、雹、または石など、ファンに異物が衝突するときに、複合材ブレードが保護されるようにする。
【0009】
具体的には、金属構造補強材は、剥離、繊維破断、または繊維/マトリクス分離による損傷などの危険性を防止することによって、複合材ブレードの前縁を保護する。
【0010】
従来、タービンエンジンブレードは、第1方向において前縁と後縁との間に、および第1方向に対して実質的に直交する第2方向においてブレードの足部と頭部との間に延在する、空気力学的表面を含む。金属構造補強材は、ブレードの空気力学的表面の前縁の形状を取り、第1方向において、ブレードの下面および上面のプロファイルの形状を取っているブレードの空気力学的表面の前縁を超えて、ならびに第2方向においてブレードの足部と頭部との間に延在する。
【0011】
既知の方式において、金属構造補強材は、完全に材料の塊からのフライス加工によって製造されたチタニウム製の金属部品である。
【0012】
しかしながら、ブレードの前縁の金属補強材は、製造するには複雑な部品であり、高い製造費用を伴う数多くの複雑な再加工および工作作業を必要とする。
【0013】
金属糸を織ること、および一体型部品を得るような方式で金属繊維構造の金属糸の凝集を引き起こすツール内での熱間静水圧加圧プロセスを実行することによって製造される三次元金属繊維構造から、一体型部品、具体的にはタービンエンジンブレード用の金属補強材を製造することが知られている。このプロセスは、仏国特許出願公開第20080058996号明細書に記載されている。
【0014】
従来、繊維構造の織りは、複数の金属縦糸および金属横糸を織ることによって実行されており、糸の直径はおよそ数十ミリメートル程度、通常は0.05mmから0.3mmの間である。
【0015】
繊維構造の織りは複雑で困難になっており、すなわち通常は0.4mmを超える直径を備える、より大きい直径の金属糸でより厚い金属繊維構造を製造することが望ましいので、実際に製造するのが難しくなっている。
【0016】
これは、特にチタニウム製の0.4mmを超える直径を有する糸の織物を製造するのに十分な縦糸および横糸の変形を得ることが、はるかに難しくなっているからである。
【0017】
糸の剛性を低減するための解決法は、その剛性を低減するような方式で、糸に熱処理を施すことにある。しかしながら、酸素の下でのこの熱処理は、チタニウム糸の酸化を招き、これが熱間静水圧加圧によって製造された部品の品質を損なうので、チタニウム製の糸には適用され得ない。
【0018】
この不都合を克服するために、1つの解決法は、真空の下で、すなわち酸素の不存在下で、熱処理を実行することにある。この解決法は、チタニウムの酸化の問題を解消することを可能にするが、しかしその一方で、すべての作業が真空の下で実行されなければならないので、製造および取り扱いにおいて困難を生じる。
【0019】
最後に、小さい直径(すなわち0.4mm未満)を有する糸の使用は、織りによる(薄い)多数の繊維構造の製造、次いで熱間圧縮による部品の製造に十分な厚みを得るため、ツールにこれらを1枚ずつ重ねることを必要とする。部品が堅いほど、部品を製造するために必要とされる繊維構造の数が多くなり、これは結果的に作業数、ひいてはこのような部品の製造費用を増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
この文脈において、本発明は、簡単かつ迅速な方式で数ミリメートルの厚みを備える複雑な形状の一体型部品を製造することを可能にし、同時にそのような部品の製造範囲を簡素化して製造費用を削減する製造方法を提案することによって、上述の問題を解決することを目指す。
【課題を解決するための手段】
【0022】
この目的のため、本発明は、一体型部品の製造方法であって、前記方法は順に、
製織によって三次元繊維構造を織るステップであって、前記製織は、ストランドの長手軸の周りで互いに撚り合わせられた複数の金属経糸によって形成された金属ストランドを用いて実行されるステップと、
一体型部品を製造するために前記繊維構造の金属ストランドの凝集を引き起こす、前記繊維構造への熱間静水圧加圧を実行するステップと、を含む製造方法を提案する。
【0023】
金属ストランドは、金属ケーブルを形成するように互いに撚り合わせられた金属経糸のアセンブリを意味すると理解される。
【0024】
一体型部品は、中空部分を含まず、被取付部分を備えない、一体部品を意味すると理解される。
【0025】
本発明の結果、塑性変形、塑性流動、および拡散溶接の組み合わせによって小型で多孔性のない部品が獲得され得るように、金属補強材のプリフォームを形成する繊維構造を織ることによって、および熱間静水圧加圧または圧縮(英語のHot Isostatic Pressingの略であるHIP)のプロセスによって、簡単かつ迅速な方式で、捻られた反り型の部品であるタービンエンジンブレード用の補強材など、複雑な形状の一体型部品を製造することが可能である。
【0026】
本発明による方法の結果、繊維構造は、手作業で容易に変形可能な、可撓性構造である。繊維構造はまた、たとえば曲げなどによって塑性的に手作業で変形可能であってもよく、これはツール内に配置されたときに低温状態で(すなわち周囲温度で)手作業で繊維構造を成形することを可能にする。
【0027】
繊維構造の手作業での低温変形は、熱変形を回避することを可能にするが、これは酸素の下でのチタニウム経糸の酸化、ならびに真空下での熱変形の間のチタニウム部品の操作および取り扱いの複雑さの原因である。
【0028】
可撓性ストランドによる繊維構造の製織はまた、0.4mmを超える直径を有するチタニウムベース糸の剛性に関わる、著しい弾性回復の問題を回避することも可能にする。
【0029】
したがって、可撓性繊維構造の変形は、曲げプレスを用いることなく、繊維構造に特定の角度を付与するようなツーリングによる冷間および/または熱間鍛造を用いる必要もなく、実行される。
【0030】
この製造方法は、特にそのような部品の製造に必要とされる作業工数を減少させることによってコスト削減された金属ストランドの織りプリフォームの製造によって、複雑な部品の製造法を作り出せるようにする。
【0031】
本発明による一体型部品の製造方法はまた、別々にまたは技術的に可能なすべての組み合わせで検討される、下記の特徴の1つ以上を含むこともできる:
− 前記織りステップは、複数の金属経糸によって形成された金属ストランドを用いて実行され、各経糸の直径は0.1mm未満である。
− 前記織りステップは、0.5mm以上の直径を有する金属ストランドを用いて実行される。
− 前記織りステップは、1mm以上の直径を有する金属ストランドを用いて実行さる。
− 前記織りステップは、チタニウムの複数の金属経糸によって、または異なる材料の複数の金属経糸によって形成された金属ストランドを用いて実行される。
− 前記織りステップは、異なる直径の複数の金属経糸によって形成された金属ストランドを用いて実行される。
− 前記熱間静水圧加圧ステップに先立って、前記方法は前記繊維構造を成形するステップを含み、前記成形は手作業で実行される。
− 前記繊維構造の前記成形は、前記繊維構造がツール内に配置されたときに実行される。
− 前記熱間静水圧加圧ステップに先立って、前記方法は前記繊維構造を洗浄するステップを含む。
− 前記一体型部品は、タービンエンジンのファンブレードの前縁用または後縁用の金属補強材である。
【0032】
本発明の対象はまた、ストランドの長手軸の周りで互いに撚り合わせられた複数の金属経糸によって形成された金属ストランドを織ることによって形成される繊維構造でもある。
【0033】
本発明の対象はまた、中空一体型部品の製造方法にも関し、前記方法は順に、
金属糸および/または金属ストランドを織ることによって三次元繊維構造を織るステップと、
前記繊維構造内に少なくとも1つの一時的インサートを組み込むステップと、
一体型部品を製造するために、前記少なくとも1つの一時的インサートの周りで前記繊維構造の金属糸の凝集を引き起こすように、前記繊維構造および前記少なくとも1つの組み込まれた一時的インサートによって形成されたアセンブリに対して熱間静水圧加圧を実行するステップと、
中空一体型部品を製造するような方式で、前記インサートを溶解して前記一体型部品内に内部空洞を形成するように、前記少なくとも1つの一時的インサートを薬品侵食するステップと、を含む。
【0034】
「一時的インサート」は、恒久的であることが意図されず、前縁の中空金属補強材の製造のためにのみ必要とされる、インサートを意味すると理解される。したがって一時的インサートは、その最終状態において金属補強材の中に存在せず、いかなる状況においても金属補強材の機械的特性に関与しない。
【0035】
本発明の結果、中空一体型部品は、塑性変形、塑性流動、および拡散溶接の組み合わせによって小型で多孔性のない部品が獲得され得るように、金属補強材のプリフォームを形成する繊維構造を織ることによって、および熱間静水圧加圧または圧縮プロセス(英語のHot Isostatic Pressingの略であるHIP)によって、簡単かつ迅速な方式で製造される。
【0036】
繊維構造への一時的インサートの組み込みは、区切られた領域が形成されるようにし、熱間静水圧加圧ステップの間、繊維構造の金属材料はそこに流入することができない。繊維構造とは異なる材料で製造されたこのインサートはその後、一体型部品内に内部空洞を形成し、そうして軽量化された部品を製造するような方式で、薬品侵食によって溶解される。
【0037】
有利なことに、中空一体型部品は、前縁または後縁の中空金属補強材である。
【0038】
したがって、この製造方法は、大量の材料が使用され、結果的に原材料の供給のために相当な費用を必要とする平棒を用いる、ブローチングタイプのフライス加工の、固体からの機械加工による、補強材の複雑な製造を回避することを可能にし、これはまた、金属補強材が容易に、厳しい質量および/または幾何学的要件に適合するように、製造されることを可能にする。
【0039】
本発明による中空一体型部品を製造する方法はまた、個別にまたは技術的に可能なすべての組み合わせで検討される、下記の特徴の1つ以上を含むこともできる:
− 前記中空一体型部品は、タービンエンジンのファンブレードまたはプロペラの前縁または後縁の中空金属補強材である。
− 前記熱間静水圧加圧ステップに先立って、前記方法は、前記アセンブリをツール内に配置するステップを含む。
− 前記アセンブリの配置および前記ツール内の前記アセンブリの成形は同時に実行される。
− 前記方法は、変形ツールによるアセンブリの予備変形の先行ステップを含む。
− 前記熱間静水圧加圧ステップに先立って、前記方法は、前記アセンブリを脱脂するステップを含む。
− 前記薬品侵食ステップは、化学剤の液槽内で、熱間加圧ステップの間に得られた、前記一体型部品の浸漬によって実行される。
− 前記少なくとも1つの一時的インサートを組み込む前記ステップは、織りステップで製造された前記繊維構造を形成する2つの独立したプリフォームの間に前記少なくとも1つの一時的インサートを配置することによって実行される。
− 前記少なくとも1つの一時的インサートを組み込む前記ステップは、前記一時的インサートの周りに、織りステップで製造された前記繊維構造を形成する、単層プリフォームを巻き付けることによって実行される。
− 前記少なくとも1つの一時的インサートを組み込む前記ステップは、前記繊維構造を織る前記ステップの間に前記繊維構造を形成する単層プリフォーム中に事前に形成されたスロットを通じて、前記少なくとも1つの一時的インサートを空洞内に配置することによって実行される。
【0040】
本発明のその他の特徴および利点は、以下の添付図面を参照して、例示によって、何ら限定することなく、以下に示される説明により、さらに明らかとなるだろう。
【発明を実施するための形態】
【0042】
すべての図面において、特に指定のない限り、共通の要素は同じ参照番号を有する。
【0043】
図1は、本発明による製造方法によって得られる前縁の金属構造補強材を含むブレードの側面図である。
【0044】
図示されるブレード10は、たとえば、タービンエンジン(図示せず)の可動ファンブレードである。
【0045】
ブレード10は、第1軸方向14において前縁16と後縁18との間に、および第1方向14に対して実質的に直交する第2半径方向20において足部22と頭部24との間に延在する、空気力学的表面12を含む。
【0046】
空気力学的表面12は、ブレード10の上表面13および下表面11を形成し、ブレード10の上表面13のみが
図1に示されている。下表面11および上表面13は、ブレードの前縁16を後縁18に接続する、ブレード10の側面を形成する。
【0047】
この実施形態において、ブレード10は、通常は織り繊維状組織をドレーピングまたは成形することによって得られる、複合材ブレードである。一例として、使用される複合材料は、織り炭素繊維および樹脂マトリクスのアセンブリを含むことができ、このアセンブリは(「樹脂トランスファ成形(Resin Transfer Molding)」を意味する)RTMタイプの樹脂注入プロセスによる成形によって、形成される。
【0048】
ブレード10は、その前縁16に接着され、第1方向14においてブレード10の空気力学的表面12の前縁16を超え、第2方向20においてブレードの足部22と頭部24との間に延在する、金属構造補強材30を含む。
【0049】
図2に示されるように、構造補強材30は、いわゆる補強材の前縁と称される、前縁31を形成するように延在する、ブレード10の空気力学的表面12の前縁16の形状を取る。
【0050】
従来、構造補強材30は、前縁31を形成し、それぞれがブレードの空気力学的表面12の下表面11および上表面13の形状を取る2つの側面35、37によって延在する、基部39を含む基本的にV字型の断面を有する一体部品である。側面35、37は、ブレードの後縁の方向に先細になるまたは細くなるプロファイルを有している。
【0051】
基部39は、ブレード10の前縁16の丸みを帯びた形状を辿ることが可能な、丸みを帯びた内部プロファイル33を有する。
【0052】
構造補強材30は金属製であり、好ましくはチタニウムベースである。実際にこの材料は、衝撃によるエネルギー吸収の優れた能力を有している。補強材は、たとえばシアノアクリレート接着剤またはエポキシ接着剤など、当業者にとって既知の接着剤によって、ブレード10に接着される。
【0053】
複合材タービンエンジンブレードの補強材に使用されるこのタイプの金属構造補強材30は、欧州特許出願公開第1908919号明細書に、より具体的に記載されている。
【0054】
本発明による方法は、特に
図2に示されるような構造補強材を製造することを可能にするが、
図2はその最終状態の補強材30を示している。
【0055】
図3は、
図1および
図2に示されるようなブレード10の前縁の金属構造補強材30の製造のための、本発明による製造方法200の主要ステップを示すブロック図である。
【0056】
製造方法200の第1ステップ210は、
図4に示される、金属ストランド301、302を織ることによって、三次元繊維構造300を織るステップである。
【0057】
織りステップ210は、最終部品が製造されるように1つ以上の三次元繊維構造300を製造することを可能にする。
【0058】
この点に関して、繊維構造300は、「縦糸」および「横糸」の役割を果たす複数の織りストランド301、302によって形成される。
【0059】
金属ストランド301、302の直径は、ユーザの要求、および部品を製造するために必要とされる材料厚に応じて異なってもよい。ストランドの直径の決定は、繊維構造の可撓性とツールにおいて必要とされる材料厚との間の妥協に基づいてなされる。
【0060】
ストランド301、302の直径、およびストランドを構成する経糸の性質もまた、特に縦糸301を形成するのに適したストランドと横糸302を形成するのに適したストランドとの間で異なってもよい。
【0061】
金属ストランド301、302は、ストランドの長手軸の周りでらせん状に捻られ、織られ、または巻き付けられた、複数の金属経糸で形成される。有利なことに、ストランドを形成する各金属経糸は、0.1mm未満の直径を有する。金属ストランドを製造する原理は有利なことに、捻られた金属経糸で織られた金属ケーブルを製造する原理である。
【0062】
一例として、金属ストランド301、302は、20から30の巻き付け経糸を含む。
【0063】
このため複数の巻き付け金属経糸によって形成された金属ストランド301、302の使用は、低温状態で(すなわち、たとえば周囲温度で)手作業で変形可能な可撓性ストランドを製造することを可能にする。
【0064】
0.5mmを超える、あるいは数ミリメートルもの直径を有する金属ストランドを製造することによって、金属ストランド301、302は、支障のない繊維構造300の取り扱い、手作業変形、および織りを可能にするのに十分なほど、可撓性のままである。
【0065】
繊維構造300の製織パターンは、好都合なことに、たとえば欧州特許出願公開第1526285号明細書に記載される製織パターンなど、たとえば複合繊維を織る領域に使用される製織パターンである。
【0066】
ストランド301、302を製造するために使用される金属経糸は、主にチタニウムベースの経糸である。しかしながら、炭化ケイ素およびチタニウムベース(SiC−Ti)の経糸、ホウ素で被覆された(SiC−ホウ素)でまたは炭化ケイ素で被覆された(SiC−SiC)経糸を、織りに組み込むことも可能である。
【0067】
図5に示される、製造方法200の第2ステップ220は、ツール400内で繊維構造300を成形するステップである。有利なことに、繊維構造300の成形は、これがツール400内に配置されるときに、手作業で実行される。
【0068】
ツール400は、製造される部品の最終形状に対応する、型(下型)410および対型(抜き型)420を含む。
【0069】
先のステップで製造された繊維構造300は、手作業で容易に変形可能な可撓性構造である。繊維構造300はまた、たとえば曲げによってなど、手作業で塑性的に変形可能でもあり、これはツール内に配置されたときに繊維構造300が手作業で成形され得るようにする。
【0070】
製造方法の第3ステップ230は、
図6に示される、ツール内で繊維構造の熱間静水圧加圧(英語のHot Isostatic Pressingの略であるHIP)を実行するステップである。
【0071】
熱間静水圧加圧は、たとえばセラミックなど、金属の多孔率を低下させ、多数の金属の密度に影響を及ぼすための、非常に広範に使用される既知の製造プロセスである。静水圧加圧プロセスはまた、材料の機械的特性および使いやすさを改善することも可能にする。
【0072】
静水圧加圧は、高温で(従来は400℃から1400℃の間、およびチタニウムには1000℃程度)、および静水圧で、実行される。
【0073】
したがって、内圧と組み合わせた熱の印加は、一体型部品430を形成するような方式で、塑性変形、塑性流動、および拡散溶接の組み合わせによって、繊維構造300内の中空空間、ならびに微細孔性も排除する。
【0074】
タービンエンジンブレードの金属補強材の製造の場合、静水圧加圧ステップから得られる一体型部品430は、金属補強材30の内部プロファイルおよび外部プロファイルを含む。一体型部品430はその後、ツール400から取り出される。
【0075】
静水圧加圧ステップは、二次真空が生成される溶接ツール内、またはオートクレーブバッグ内のいずれかで、真空下、有利なことには二次真空下で実行され、プロセスの選択は、製造される部品の数に依存する。二次真空は、チタニウムの静水圧加圧ステップの間、ツールおよび繊維構造内の酸素の存在を回避できるようにする。
【0076】
ツールは、機械的合金、いわゆる超合金または高性能合金で製造される。
【0077】
静水圧加圧ステップは、繊維構造の残留不純物を除去するために、可撓性繊維構造の洗浄、脱脂、および/または薬品侵食のステップ235を事前に含むことができる。
【0078】
有利なことに、不純物を洗浄するステップは、洗浄剤または化学剤の液槽での繊維アセンブリの浸漬によって実行される。
【0079】
図7から
図13に示される本発明の実施形態の第2の例によれば、本発明による方法は、
図7に示されるような、内部空洞を含む構造補強材を製造することを可能にするが、
図7は、その最終状態における補強材130の実施形態の第2の例を示す。
【0080】
図8は、
図7に示されるような、ブレード110の前縁の金属構造補強材130の製造方法1200の第2の実施形態の主要ステップを示すブロック図を表示する。
【0081】
製造方法1200の第1ステップ1210は、金属糸を織ることによって三次元繊維構造1300を織るステップである。
【0082】
第1ステップ1210は、単独で最終部品のプリフォームが形成され得るようにする繊維構造を形成するような方法で、三次元に織られた金属糸1301、1302の少なくとも1つのプリフォーム1310、1320を製造することを可能にする。
【0083】
図9に示される第1の実施形態において、繊維構造1300は、繊維構造1300の内側を形成する第1プリフォーム1310、および繊維構造1300の上側を形成する第2プリフォーム1320によって形成された多層構造である。内側は、ブレードの表面112(
図7)と接触する金属補強材の内側部分を形成するように意図された繊維構造1300の部分を意味すると理解され、上側は、金属補強材130の外側部分を形成するように意図された繊維構造1300の部分を意味すると理解される。
【0084】
繊維構造1300の製織パターンは、たとえば欧州特許出願公開第1526285号明細書に記載される製織パターンなどの、たとえば複合繊維を織る領域で使用される、従来の製織パターンである。
【0085】
この点に関して、繊維構造1300は、複数の縦糸1301および複数の横糸1302を含む。
【0086】
繊維構造の縦糸1301および/または横糸1302の、金属糸のサイズは、ユーザの要求、金属補強材130の剛性および必要な材料厚に応じて、異なってもよい。
【0087】
繊維構造1300を織るために使用される金属糸は、主にチタニウム糸である。しかしながら、炭化ケイ素およびチタニウムベース(SiC−Ti)の糸、ホウ素で被覆された(SiC−ホウ素)でまたは炭化ケイ素で被覆された(SiC−SiC)糸を、チタニウム糸の織りに組み込むことも可能である。
【0088】
別の実施形態によれば、繊維構造1300は、「縦糸」および「横糸」の役割を果たす複数の織りストランドによって形成されることも可能である。金属ストランドの直径は、ユーザの要求、および部品を製造するために必要とされる材料厚に応じて、異なってもよい。ストランドの直径の決定は、繊維構造の可撓性とツールにおいて必要とされる材料厚との間の妥協に基づいてなされる。ストランドの直径、およびストランドを構成する経糸の性質もまた、特に縦糸を形成するのに適したストランドと横糸を形成するのに適したストランドとの間で、異なってもよい。金属ストランドは、ストランドの長手軸の周りでらせん状に捻られ、織られ、または巻き付けられた複数の金属経糸で形成される。有利なことに、ストランドを形成する各金属経糸は、0.1mm未満の直径を有する。金属ストランドを製造する原理は有利なことに、捻られた金属経糸で織られた金属ケーブルを製造する原理である。一例として、金属ストランドは、20から30の巻き付け経糸を含む。このため複数の巻き付け金属経糸によって形成された金属ストランドの使用は、可撓性であって手作業で変形可能なストランドを製造することを可能にする。0.5mmを超える、あるいは数ミリメートルもの直径を有する金属ストランドを製造することによって、金属ストランドは、その取り扱い、その手作業変形を可能にするのに十分なほど、可撓性のままである。
【0089】
ストランドを製造するために使用される金属経糸は、主にチタニウムベースの経糸である。しかしながら、炭化ケイ素およびチタニウムベース(SiC−Ti)の経糸、ホウ素で被覆された(SiC−ホウ素)でまたは炭化ケイ素で被覆された(SiC−SiC)経糸を、織りに組み込むことも可能である。
【0090】
本発明の第2の実施形態によれば、繊維構造300は、単一のプリフォームによって形成された単層構造である。
【0091】
製造方法1200の第2ステップ1220は、
図5に示されるような、インサート150を繊維構造1300に組み込むステップである。
【0092】
繊維構造1300が2つの独立したプリフォーム1310、1320によって形成されるとき、インサート150は、2つの織り層を形成する2つのプリフォームの間に位置する。この場合、第2ステップ1220の間に、インサート150を所定位置に保持するような方式で、独立したプリフォーム1310、1320を組み立てる必要があり得る。
【0093】
2つの独立したプリフォーム1310、1320の組み立ては、たとえばストップを形成してインサートを所定位置に保持することが可能な、局所的な余肉を形成するために、2つの独立したプリフォームの間に縫い目を形成するように糸によって、ストランドの異なる経糸のスポット溶接によって、または1つ以上のプリフォームの特殊な織り形状によって実行されることが可能である。
【0094】
別の実施形態によれば、一時的インサートはまた、たとえば独立したプリフォーム1310、1320内に押し込まれるバーブを用いて、1つ以上のプリフォームに係止されることも可能である。
【0095】
最後に、一時的インサートは、独立したプリフォーム1310、1320が組み立てられなくても、ツール内に単純に保持されることが可能である。
【0096】
繊維構造が単一のプリフォームによって形成された単層構造で形成されるとき、インサートは、インサートの周りに単層構造を巻き付けることによって、または織りステップの間に単層構造内に設けられたスロットによって事前に作られた空洞内にインサートを摺動することによって、組み込まれることが可能である。
【0097】
インサート150は、繊維構造1300の織りに使用される金属糸の材料とは異なる材料で製造される。インサート150は、900℃程度の高温、1000バール程度の高圧に耐えることができ、繊維構造1300上に不純物または酸化を形成しないように織り糸の材料と適合する材料で、製造される。
【0098】
インサート150の材料はまた、化学剤による溶解によって化学的に侵食されることが可能でなければならない。
【0099】
有利なことに、インサート150は銅、または石英またはシリカで作られる。
【0100】
繊維構造1300に組み込まれるインサート150の形状は、
図7に示される最終的な内部空洞140の形状と同一であり、いかなる種類のプロファイルをも含むことが可能である。
【0101】
インサート150は、鍛造プロセスによって、機械加工によって、または鋳造によって、等しく得られる。
【0102】
別の実施形態によれば、複数のインサート150が、繊維構造1300の内部に組み込まれる。
【0103】
製造方法1200の第3ステップ1230は、繊維構造1300およびインサート150によって形成された繊維アセンブリ1500をツール1400内の所定位置に配置して成形するステップである。このステップ1230は、
図11に具体的に示されている。ツール1400は、金属補強材130の最終的な外部形状に対応する型1410(下型)、および前縁の金属補強材の最終的な内部形状に対応する対型1420(抜き型)を含む。
【0104】
製造方法1200は、繊維アセンブリをツール内の所定位置に配置する第3ステップに先立って、特定のツールにおける予備変形のステップ1225を含むことができる。この繊維アセンブリの予備変形ステップは、特に直径の大きい金属糸を使用する際に、有用であり得る。
【0105】
繊維構造の織りが可撓性ストランドによって実行されるとき、予備変形ステップ1225は必要とされない。実際、ストランドの使用は、0.4mmを超える直径を有するチタニウムベース糸の剛性に関わる著しい弾性回復の問題を回避することを可能にする。
【0106】
製造方法1200の第4ステップ1240は、
図12に示される、ツール1400内で繊維アセンブリ1500の熱間静水圧加圧(英語のHot Isostatic Pressingの略であるHIP)を実行するステップである。
【0107】
熱間静水圧加圧は、たとえばセラミックなど、金属の多孔率を低下させ、多数の金属の密度に影響を及ぼすための、非常に広範に使用される既知の製造プロセスである。静水圧加圧プロセスはまた、材料の機械的特性および使いやすさを改善することも可能にする。
【0108】
静水圧加圧は、高温で(従来は400℃から1400℃の間、およびチタニウムには1000℃程度)、および静水圧で実行される。
【0109】
したがって、内圧と組み合わせた熱の印加は、一体型部品1430を形成するような方式で、塑性変形、塑性流動、および拡散溶接の組み合わせによって、繊維構造1300内の中空空間、ならびに微細孔性も排除する。
【0110】
静水圧加圧ステップから得られる一体型部品1430は、金属補強材130の内部および外部プロファイルを含む。次いで、一体型部品1430は、ツール1400から引き出される。
【0111】
静水圧加圧ステップは、二次真空が生成される溶接ツール内、またはオートクレーブバッグ内のいずれかで、真空下、有利なことには二次真空下で実行され、プロセスの選択は、製造される部品の数に依存する。二次真空は、チタニウムの静水圧加圧ステップの間、ツールおよび繊維構造内の酸素の存在を回避できるようにする。
【0112】
ツール1400は、機械的合金、いわゆる超合金または高性能合金で製造される。
【0113】
静水圧加圧ステップ1240は、繊維構造1300の残留不純物を除去するために、繊維アセンブリ1500の洗浄、脱脂、および/または薬品侵食のステップ1235を事前に含むことができる。
【0114】
有利なことに、不純物を洗浄するステップは、洗浄剤または化学剤の液槽での繊維アセンブリの浸漬によって実行される。
【0115】
製造方法1200の第5ステップ1250は、インサート150が製造される材料を侵食することが可能な化学剤による、一体型部品1430の材料に組み込まれたインサート150の薬品侵食のステップである。このステップは、
図13に示されている。
【0116】
インサート150の薬品侵食は、溶解されたインサート50によって開放された空間が、
図7に示される金属補強材130の内部空洞140を形成するような方式で、インサート150を溶解することを可能にする。
【0117】
有利なことに、薬品侵食ステップ1250は、インサート150を溶解することが可能な化学剤を収容する液槽での一体型部品1430の浸漬によって実行される。
【0118】
化学剤は、たとえば酸または塩基である。
【0119】
有利なことに、化学剤は、銅、石英、またはシリカを溶解することができる。
【0120】
これらの主要製造ステップ、および本発明のいずれの実施形態にも関連して、本発明による方法はまた、補強材30、130を製造するために、ツールの取り出し口から得られた一体型部品を機械加工することによって、仕上げおよび再加工するステップも含むことができる。この再加工ステップは、
補強材30、130の基部39、139のプロファイル、および具体的には前縁31、131の空気力学的プロファイルをリファインするために、補強材30、130の基部39、139のプロファイルを再加工するステップと、
側面35、135、37、137を再加工するステップであって、このステップは具体的には側面35、135、37、137をトリミングし、下表面および上表面側を薄化することからなる、ステップと、
必要とされる表面状態が得られるようにする仕上げステップと、を含む。
【0121】
これらの主要製造ステップに関連して、本発明による方法はまた、得られたアセンブリの幾何学的および冶金学的コンプライアンスが保証されるようにする、補強材30、130の非破壊制御のステップも含むことができる。一例として、非破壊制御は、X線プロセスによって実行されることが可能である。
【0122】
本発明は主に、ストランドを製造するためのチタニウムベース金属経糸の使用に関して説明されてきた。しかしながら、製造方法はまた、いかなる種類の金属経糸にも適用可能である。
【0123】
本発明による方法は、より簡単な方式で、複雑な形状および基本的に0.1から70mmの間で異なる厚みを備える部品を製造することを可能にする。したがって、本発明による方法は、一体型部品および薄い部品の両方を製造することを可能にする。
【0124】
本発明は、具体的には複合材タービンエンジンブレードの金属補強材の製造に関して説明されてきた。しかしながら、本発明はまた、金属タービンエンジンブレードの金属補強材の製造にも適用可能である。
【0125】
本発明は、具体的にはタービンエンジンブレードの前縁の金属補強材の製造に関して説明されてきた。しかしながら、本発明はまた、タービンエンジンブレードの後縁の金属補強材の製造、あるいは複合材プロペラまたは金属プロペラの金属補強材の製造にも適用可能である。
【0126】
本発明のその他の利点は、具体的には以下の通りである:
− 製造費用の削減
− 製造時間の短縮
− 製造範囲の簡素化
− 材料費の削減