(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記バイパススイッチが閉じられることにより、結果として、前記第2の抵抗器がバイパスされて、調整可能な抵抗のための第1の抵抗を与え、前記バイパススイッチが開かれることにより、結果として、第2の抵抗が、ほぼ前記第2の抵抗器の値だけ前記第1の抵抗よりも大きくなる、請求項1に記載のRFスイッチ。
前記第2の抵抗が相互変調歪(IMD)性能を改善させるように選択され、前記第1の抵抗が、前記FETのスイチッング時間に対する影響を低減させるように選択される、請求項4に記載のRFスイッチ。
前記第1のノードは、電力値を有するRF信号を受信するように構成され、前記第2のノードは、前記FETがオン状態である場合に前記RF信号を出力するように構成される、請求項1に記載のRFスイッチ。
前記少なくとも1つのFETは、直列に接続されたN個のFETを含み、数量Nは、スイッチ回路が前記RF信号の電力を処理することを可能にするように選択される、請求項1に記載のRFスイッチ。
【発明を実施するための形態】
【0015】
詳細な説明
この明細書中に設けられる標題は、単に便宜的なものに過ぎす、主張される発明の範囲または意味に必ずしも影響を与えるものではない。
【0016】
スイッチングデバイスの例示的なコンポーネント:
図1は、1つ以上の極102と1つ以上の投104との間で1つ以上の信号を切換えるように構成された高周波(RF)スイッチ100を概略的に示す。いくつかの実施形態においては、このようなスイッチは、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)FETなどの1つ以上の電界効果トランジスタ(FET)に基づき得る。特定の極が特定の投に接続されると、このような経路は、一般に、閉じられるかまたはオン状態になると称されている。極と投との間の所与の経路が接続されていない場合、このような経路は、一般に、開かれるかまたはオフ状態になると称されている。
【0017】
図2は、いくつかの実現例において、
図1のRFスイッチ100がRFコア110およびエネルギ管理(EM)コア112を含み得ることを示す。RFコア110は、第1のポートと第2のポートとの間にRF信号をルーティングするように構成することができる。
図2に示される例示的な単極双投(SPDT)構成においては、このような第1のポートおよび第2のポートは、極102aおよび第1の投104a、または極102aおよび第2の投104bを含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態においては、EMコア112は、たとえば、RFコアに電圧制御信号を供給するように構成することができる。EMコア112はさらに、RFスイッチ100に対して論理復号および/または電源調整機能を与えるように構成することができる。
【0019】
いくつかの実施形態においては、RFコア110は、スイッチ100の1つ以上の入力と1つ以上の出力との間をRF信号が通過することを可能にするように1つ以上の極および1つ以上の投を含み得る。たとえば、RFコア110は、
図2に示されるように単極双投(SPDTまたはSP2T)構成を含んでもよい。
【0020】
例示的なSPDTの文脈においては、
図3は、RFコア110のより詳細な例示的構成を示す。RFコア110は、第1のトランジスタ120aおよび第2のトランジスタ120b(たとえばFET)を介して第1の投ノード104aおよび第2の投ノード104bに結合された単極102aを含むように図示されている。第1の投ノード104aは、ノード104aに分路機能を与えるためにFET 122aを介してRF接地に結合されるように図示されている。同様に、第2の投ノード104bは、ノード104bに分路機能を与えるためにFET 122bを介してRF接地に結合されるように図示されている。
【0021】
例示的な動作では、RFコア110が、極102aと第1の投104aとの間にRF信号を通過させている状態である場合、極102aと第1の投ノード104aとの間のFET 120aはオン状態になり得、極102aと第2の投ノード104bとの間のFET 120bはオフ状態になり得る。シャントFET 122aおよび122bに関して、シャントFET 122aは、RF信号が極102aから第1の投ノード104aにまで移動したときに接地へと分路されなくなるように、オフ状態になり得る。第2の投ノード104bに関連付けられるシャントFET 122bは、極と第1の投との間の動作(pole-to-first-throw operation)に対する不所望な干渉作用を低減させるために、第2の投ノード104bを通ってRFコア110に到達するRF信号または雑音がいずれも接地へと分路されるように、オン状態になり得る。
【0022】
上述の例は単極双投構成の文脈において説明されているが、RFコアを他の極数および投数で構成できることが理解されるだろう。たとえば、2つ以上の極があってもよく、投の数は、例示的な数である2未満であってもよく、または2よりも大きくてもよい。
【0023】
図3の例においては、極102aと2つの投ノード104aおよび104bとの間のトランジスタはシングルトランジスタとして示されている。いくつかの実現例においては、極と投との間のこのようなスイッチング機能は、スイッチアームセグメントによって提供することができる。スイッチアームセグメントの各々は、FETなどの複数のトランジスタを含む。
【0024】
このようなスイッチアームセグメントを有するRFコアの例示的なRFコア構成130を
図4に示す。この例においては、極102aおよび第1の投ノード104aは、第1のスイッチアームセグメント140aを介して結合されるように図示されている。同様に、極102aおよび第2の投ノード104bは、第2のスイッチアームセグメント140bを介して結合されるように図示されている。第1の投ノード104aは、第1のシャントアームセグメント142aを介してRF接地にまで分路され得るように図示されている。同様に、第2の投ノード104bは、第2のシャントアームセグメント142bを介してRF接地にまで分路され得るように図示されている。
【0025】
例示的な動作では、RFコア130が、極102aと第1の投ノード104aとの間にRF信号を通過させている状態である場合、第1のスイッチアームセグメント140aにおけるFETはすべてオン状態になり得、第2スイッチアームセグメント104bにおけるFETはすべてオフ状態になり得る。第1の投ノード104aのための第1のシャントアーム142aは、RF信号が、極102aから第1の投ノード104aにまで移動したときに接地へと分路されないように、そのFETがすべてオフ状態になり得る。第2の投ノード104bに関連付けられる第2のシャントアーム142bにおけるFETはすべてオン状態になり得る。このため、第2の投ノード104bを通ってRFコア130に到達するRF信号または雑音はいずれも接地へと分路されて、極と第1の投との間の動作に対する不所望な干渉作用を低減させることとなる。
【0026】
また、SP2T構成の文脈において記載されていたが、他の極数および投数を有するRFコアも実現可能であることが理解されるだろう。
【0027】
いくつかの実現例においては、スイッチアームセグメント(たとえば140a、140b、142a、142b)はFETなどの1つ以上の半導体トランジスタを含み得る。いくつかの実施形態においては、FETは、第1の状態または第2の状態になり得るものであってもよく、ゲート、ドレイン、ソースおよびボディ(基板と称されることもある)を含み得る。いくつかの実施形態においては、FETは金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET:metal-oxide-semiconductor field effect transistor)を含み得る。いくつかの実施形態においては、1つ以上のFETは直列に接続されて第1の端部および第2の端部を形成することができる。このため、FETが第1の状態(たとえばオン状態)である場合に第1の端部と第2の端部との間にRF信号をルーティングすることができるようになる。
【0028】
本開示の少なくともいくつかは、スイッチング機能を望ましい態様で提供するためにFETまたはFETの群をどのように制御するかに関する。
図5は、いくつかの実現例において、FET 120の1つ以上の部分にバイアスをかけるようにおよび/または1つ以上の部分を結合するように構成された回路150によってFET 120のこのような制御が促進され得ることを概略的に示す。いくつかの実施形態においては、このような回路150は、FET 120のゲートにバイアスをかけるおよび/もしくはFET 120のゲートを結合するように構成され、FET 120のボディにバイアスをかけるおよび/もしくはFET 120のボディを結合するように構成され、ならびに/または、FET 120のソース/ドレインを結合するように構成された1つ以上の回路を含み得る。
【0029】
1つ以上のFETのうちさまざまな部分に対するこのようにバイアスかけおよび/または結合を如何に行うかについての概略的な例を
図6を参照して説明する。
図6においては、ノード144とノード146との間の(たとえば、
図4の例における例示的なスイッチアームセグメント140a、140b、142a、142bのうちの1つであり得る)スイッチアームセグメント140は複数のFET 120を含むように図示されている。このようなFETの動作は、ゲートバイアス/カップリング回路150aおよびボディバイアス/カップリング回路150cおよび/またはソース/ドレインカップリング回路150bによって、制御および/または促進され得る。
【0030】
ゲートバイアス/カップリング回路
図6に示される例においては、FET 120の各々のゲートは、ゲートバイアス信号を受信するために、および/または、FET 120の別の部分もしくはスイッチアーム140にゲートを結合するために、ゲートバイアス/カップリング回路150aに接続することができる。いくつかの実現例においては、ゲートバイアス/カップリング回路150aの設計または特徴はスイッチアーム140の性能を改善させることができる。性能についてのこのような改善は、デバイスの挿入損失、絶縁性能、電力処理能力および/またはスイッチングデバイスの直線性を含み得るが、これらに限定されない。
【0031】
ボディバイアス/カップリング回路
図6に図示のとおり、各々のFET 120のボディは、ボディバイアス信号を受信するために、および/または、FET 120の別の部分もしくはスイッチアーム140にボディを結合するために、ボディバイアス/カップリング回路150cに接続することができる。いくつかの実現例においては、ボディバイアス/カップリング回路150cの設計または特徴は、スイッチアーム140の性能を改善させることができる。性能についてのこのような改善は、デバイスの挿入損失、絶縁性能、電力処理能力および/またはスイッチングデバイスの直線性を含み得るがこれらに限定されない。
【0032】
ソース/ドレインカップリング回路
図6に図示のとおり、各々のFET 120のソース/ドレインをカップリング回路150bに接続して、FET 120の別の部分またはスイッチアーム140にソース/ドレインを結合することができる。いくつかの実現例においては、カップリング回路150bの設計または特徴によりスイッチアーム140の性能を改善させることができる。性能についてのこのような改善は、デバイスの挿入損失、絶縁性能、電力処理能力および/またはスイッチングデバイスの直線性を含み得るが、これらに限定されない。
【0033】
スイッチング性能パラメータの例:
挿入損失
スイッチングデバイスの性能パラメータは、挿入損失の基準を含み得る。スイッチングデバイスの挿入損失は、RFスイッチングデバイスを介してルーティングされるRF信号の減衰の基準になり得る。たとえば、スイッチングデバイスの出力ポートにおけるRF信号の大きさは、スイッチングデバイスの入力ポートにおけるRF信号の大きさよりも小さくてもよい。いくつかの実施形態においては、スイッチングデバイスは、スイッチングデバイス挿入損失増加の一因となる寄生容量、インダクタンス、抵抗またはコンダクタンスをデバイスにもたらすデバイスコンポーネントを含む可能性がある。いくつかの実施形態においては、スイッチングデバイスの挿入損失は、スイッチングデバイスの出力ポートにおけるRF信号の電力または電圧に対する入力ポートにおけるRF信号の電力または電圧の比として測定することができる。RF信号送信の改善を可能にするには、スイッチングデバイスの挿入損失を低減させることが望ましいだろう。
【0034】
絶縁
スイッチングデバイス性能パラメータは、絶縁の基準も含み得る。スイッチングデバイス絶縁は、RFスイッチングデバイスの入力ポートと出力ポートとの間のRF絶縁の基準になり得る。いくつかの実施形態においては、これは、スイッチングデバイスの入力ポートと出力ポートとが電気的に絶縁状態である間の、たとえば、スイッチングデバイスがオフ状態である間の、スイッチングデバイスのRF絶縁の基準になり得る。スイッチングデバイスの絶縁性が高まると、RF信号インテグリティを改善させることができる。いくつかの実施形態においては、絶縁性が高まるとワイヤレス通信デバイスの性能を改善させることができる。
【0035】
相互変調歪
スイッチングデバイス性能パラメータはさらに、相互変調歪(IMD)性能の基準を含み得る。相互変調歪(IMD)はRFスイッチングデバイスにおける非線形性の基準になり得る。
【0036】
IMDを発生させる可能性のある2つ以上の信号は、混合されると高調波周波数ではない周波数を発生させ得る。たとえば、2つの信号が周波数空間において互いに比較的近い基本周波数f
1およびf
2(f
2>f
1)を有すると仮定する。このような信号を混合することにより、結果として、2つの信号の基本周波数と高調波周波数とのさまざまな積に対応する周波数で周波数スペクトルがピークになる可能性がある。たとえば、二次相互変調歪(IMD2とも称する)は、典型的には、周波数f
1+f
2、f
2−f
1、2f
1および2f
2を含むものと見なされる。三次IMD(IMD3と称される)は、典型的には、2f
1+f
2、2f
1−f
2、f
1+2f
2、f
1−2f
2を含むものと見なされる。より高次の積は同様の態様で形成することができる。
【0037】
概して、IMD次数が大きくなると、電力レベルが低下する。したがって、二次数および三次数は、特に問題となる不所望な作用をもたらす可能性がある。四次数および五次数などの高次数も、いくつかの状況において問題となる可能性がある。
【0038】
いくつかのRF応用例においては、RFシステム内における干渉に対する感受性を低下させることが望ましいかもしれない。RFシステムにおける非線形性は、結果として、システムにスプリアス信号の投入をもたらす可能性がある。RFシステムにおけるスプリアス信号は、結果として、システム内に干渉をもたらし、RF信号によって送信される情報の品質低下をもたらす可能性がある。非線形性が高いRFシステムは、干渉に対して高い感受性を示し得る。システムコンポーネント、たとえば例示的なスイッチングデバイス、の非線形性は、RFシステムにスプリアス信号が投入される一因となり、これにより、全体的なRFシステム線形性およびIMD性能の低下をもたらす可能性がある。
【0039】
いくつかの実施形態においては、RFスイッチングデバイスは、ワイヤレス通信システムを含むRFシステムの一部として実現することができる。システムのIMD性能は、RFスイッチングデバイスの線形性などのシステムコンポーネントの線形性を高めることによって改善させることができる。いくつかの実施形態においては、ワイヤレス通信システムはマルチバンドおよび/またはマルチモード環境において動作させることができる。相互変調歪(IMD)性能の改善は、マルチバンドおよび/またはマルチモード環境において動作するワイヤレス通信システムにおいて望ましいものとなり得る。いくつかの実施形態においては、スイッチングデバイスIMDの性能を改善させることにより、マルチモードおよび/またはマルチバンド環境において動作するワイヤレス通信システムのIMD性能を改善させることができる。
【0040】
改善されたスイッチングデバイスIMDの性能は、さまざまなワイヤレス通信規格で動作するワイヤレス通信デバイスにとって、たとえばLTE通信規格で動作するワイヤレス通信デバイスにとって望ましいものであり得る。いくつかのRF応用例においては、データおよび音声通信の同時伝送を可能にするワイヤレス通信デバイスにおいて動作するスイッチングデバイスの線形性を改善することが所望され得る。たとえば、スイッチングデバイスにおけるIMD性能の改善は、LTE通信規格で動作して音声およびデータ通信の同時伝送(たとえばSVLTE)を実行するワイヤレス通信デバイスにとって望ましいものとなり得る。
【0041】
高電力処理能力
いくつかのRF応用例においては、他のデバイス性能パラメータの低下を抑制しつつ高電力下でRFスイッチングデバイスを動作させることが所望され得る。いくつかの実施形態においては、相互変調歪、挿入損失および/または絶縁性能を改善させた状態で高電力下でRFスイッチングデバイスを動作させることが所望され得る。
【0042】
いくつかの実施形態においては、トランジスタの数は、スイッチングデバイスのスイッチアームセグメントにおいて増やすことができ、これにより、スイッチングデバイスの電力処理能力の改善を可能にし得る。たとえば、高電力下でのデバイス性能の改善を可能にするために、スイッチアームセグメントが含み得るFETの数を増やして直列に接続してもよく、すなわちFETスタックを高くしてもよい。しかしながら、いくつかの実施形態においては、FETスタックを高くすると、スイッチングデバイスの挿入損失性能が低下する可能性がある。
【0043】
FET構造および作製プロセス技術の例:
スイッチングデバイスは、オンダイ(on-die)、オフダイ(off-die)またはそれらのいくつかの組合せで実現することができる。スイッチングデバイスはまたさまざまな技術を用いて作製することができる。いくつかの実施形態においては、RFスイッチングデバイスはシリコンまたはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)技術で作製することができる。
【0044】
この明細書中に記載されるように、RFスイッチングデバイスはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)技術を用いて実現することができる。いくつかの実施形態においては、SOI技術は、シリコンデバイス層の下に埋込み酸化物層などの電気絶縁材料からなる埋込み層を有する半導体基板を含み得る。たとえば、SOI基板はシリコン層の下に埋込まれた酸化物層を含んでもよい。当該技術において公知の他の絶縁材料を用いることもできる。
【0045】
RFスイッチングデバイスなどのRF応用例をSOI技術を用いて実現すると、スイッチングデバイスの性能を改善させることができる。いくつかの実施形態においては、SOI技術は電力消費の低減を可能にし得る。電力消費の低減は、ワイヤレス通信デバイスに関連するものを含めて、RF応用例においては望ましいものとなり得る。SOI技術は、トランジスタの寄生容量の低下およびシリコン基板に対する相互接続金属化により、デバイス回路類の電力消費を低減させることができる。埋込み酸化物層が存在しているため、接合容量を低下させるかまたは高抵抗基板の使用を減らすことができ、基板に関連するRF損失を低減させることができる。電気的に絶縁されたSOIトランジスタは、積層を容易にし、チップサイズの縮小に寄与し得る。
【0046】
いくつかのSOI FET構成においては、各々のトランジスタはフィンガベースのデバイスとして構成することができる。この構成においては、ソースおよびドレインが(平面視で)長方形に形作られ、ソースとドレインとの間においてゲート構造が長方形の指状に延在している。
図7Aおよび
図7Bは、それぞれ、SOI上で実現された例示的なフィンガベースのFETデバイスの平面断面図および側断面図を示す。図示のとおり、この明細書中に記載されるFETデバイスは、p型FETまたはn型FETを含み得る。このため、いくつかのFETデバイスはこの明細書中においてはp型デバイスとして記載されているが、このようなp型デバイスに関連付けられるさまざまな概念がn型デバイスにも適用され得ることが理解されるだろう。
【0047】
図7Aおよび
図7Bに図示のとおり、pMOSFETは、半導体基板上に形成された絶縁体層を含み得る。絶縁体層は二酸化ケイ素またはサファイアなどの材料から形成することができる。nウェルは、露光面が概して長方形領域を規定するように絶縁体に形成されるように図示されている。ソース(S)およびドレイン(D)は、概して長方形を規定する露光面を有するpドープ領域として図示されている。図示のとおり、S/D領域は、ソースおよびドレインの機能が逆になるように構成することができる。
【0048】
図7Aおよび
図7Bはさらに、ゲート(G)がソースとドレインとの間に位置決めされるようにnウェル上に形成可能であることを示す。ソースおよびドレインとともに延在する長方形状を有する例示的なゲートが図示される。また、n型ボディコンタクトが示される。長方形のウェル領域、ソース領域およびドレイン領域、ならびにボディコンタクトはいくつかの公知の技術によって形成することができる。いくつかの実施形態においては、ソース領域およびドレイン領域は、それぞれの上部絶縁体層の端部に隣接して形成することができ、ボディと、ボディの反対側にあるソース/ドレイン領域との間の接合は、実質的に埋込み絶縁体層の上部にまで延在し得る。このような構成により、たとえば、ソース/ドレイン接合容量を低減させることができる。このような構成のためのボディコンタクトを形成するために、たとえば、絶縁されたP+領域がPウェルと接触することを可能にするような側に付加的なゲート領域が設けられてもよい。
【0049】
図8Aおよび
図8Bは、それぞれ、SOI上で実現されるマルチフィンガFETデバイスの例の平面断面図および側断面図を示す。長方形のnウェル、長方形のpドープ領域、長方形のゲート、およびn型ボディコンタクトは、
図7Aおよび
図7Bを参照して説明されるものと同様の態様で形成することができる。
【0050】
図8Aおよび
図8Bの例示的なマルチフィンガFETデバイスは、1つのFETのドレインがその隣接するFETのソースとして作用するように動作させることができる。このため、マルチフィンガFETデバイスは全体として分圧機能を提供することができる。たとえば、RF信号は、最も外側のpドープ領域(たとえば左端のpドープ領域)のうちの1つに供給することができ、信号がFETの列を通過すると、信号の電圧をFET間で分割することができる。このような例においては、最も右側のpドープ領域は、マルチフィンガFETデバイスの全体的なドレインとして作用し得る。
【0051】
いくつかの実現例においては、複数の上述のマルチフィンガFETデバイスは、たとえば、分圧機能をさらに促進するために、スイッチとして直列に接続することができる。いくつかのこのようなマルチフィンガFETデバイスは、たとえばスイッチの電力処理要件に基づいて選択することができる。
【0052】
改善された性能のためのバイアスおよび/またはカップリング構成の例:
1つ以上の性能改善例をもたらすためにFETベースのスイッチ回路に如何にバイアスがかけられるかおよび/またはFETベースのスイッチ回路が如何に結合されるかについてのさまざまな例をこの明細書中に記載する。いくつかの実施形態においては、このようなバイアシング/カップリング構成は、SOI FETベースのスイッチ回路において実現することができる。例示的なバイアシング/カップリング構成のうちのいくつかを組合わせて、個々の構成には利用できないかもしれない所望の特徴の組合せをもたらし得ることが理解されるだろう。RFスイッチング応用例の文脈において記載してきたが、この明細書中に記載される1つ以上の特徴もSOI FETなどのFETを利用する他の回路およびデバイスに適用可能であることも理解されるだろう。
【0053】
例1の説明
いくつかの高周波(RF)応用例においては、IMD3およびIMD2などの相互変調歪(IMD)の管理に加えて高い線形性を有するスイッチを利用することが望ましい。このようなスイッチ関連の性能特徴は、携帯端末のシステムレベル性能に有意に寄与し得る。シリコン・オン・オキサイド(SOI:silicon-on-oxide)スイッチの文脈においては、(基板寄生成分とも称されることのある)基板カップリングなどのファクタおよびSOIプロセスによって、達成可能な性能が制限されてしまう可能性がある。
【0054】
SOIスイッチの性能のこのような制限は、容量性ガードリングなどの広範な基板クロストーク低減技術によって、および/または、トラップリッチもしくはディープトレンチ絶縁技術によって対処することができる。このような技術は、典型的には、費用がかかり、比較的広い面積を必要とし、追加のプロセスステップを必要とする等の不所望な特徴を伴ってきた。また、このような技術がもたらし得る望ましい作用は絶縁特徴に限定されてしまう。
【0055】
いくつかの実現例においては、SOIスイッチの性能は、基板寄生成分および/またはプロセス変数に関連付けられる上述の影響をなくすかまたは低減させることによって改善させることができる。一例として、
図9は、第1のノード144と第2のノード146との間にスイッチング機能をもたらすように構成されたSOI FET 120を有するスイッチ回路200を示す。FET 120のゲート端子が、ゲートバイアス回路によって供給されるバイアス電圧Vgによってバイアスがかけられるように図示されており、FET 120のボディ端子が、ボディバイアス回路によって供給されるバイアス電圧Vsb1によってバイアスがかけられるように図示されている。いくつかの実施形態においては、ボディ端子はソース端子に接続することができ、このため、両方の端子にはバイアス電圧Vsb1が供給されることとなる。
【0056】
いくつかの実施形態においては、FET 120のソース端子は非線形キャパシタ202に接続することができる。FET 120がMOSFETデバイスである実施形態においては、キャパシタ202は、1つ以上の所望の容量値を与えるように構成されたMOSFETキャパシタであってもよい。MOSキャパシタ202は、MOSFET 120によってもたらされる非線形効果を相殺するかまたは低減させるために1つ以上の高調波を生成するように構成することができる。MOSキャップ202は、Vsb2によってバイアスがかけられるように図示されている。いくつかの実施形態においては、Vsb1およびVsb2のいずれかまたは両方は、非線形性を所望のレベルにまで相殺するように調整することができる。FET 120のソース側の文脈において説明してきたが、MOSキャップ202をFETのドレイン側にも実現できることが理解されるだろう。
【0057】
図10は、
図9を参照して説明された複数のスイッチ回路200を有するスイッチアーム210を示す。この例においては、N個のこのようなスイッチ回路が、端子144と端子146との間にスイッチング機能をもたらすように積層して直列に接続されるように図示されている。いくつかの実施形態においては、このように積重ねられたFETの数(N)は端子144と端子146との間で転送される電力に基づいて選択することができる。たとえば、Nはより高い電力を必要とする状況ではより大きくなり得る。
【0058】
いくつかの実施形態においては、複数のFET 120のためのゲートバイアス電圧(Vg)は実質的に同じであってもよく、共通のゲートバイアス回路によって供給することができる。このような共通ゲートバイアス電圧Vgは、ゲート抵抗器Rgを介してゲートに与えられるように図示されている。同様に、複数のFET 120のためのボディバイアス電圧(Vsb1)は実質的に同じであってもよく、共通のボディバイアス回路によって与えることができる。同様に、複数のMOSキャパシタ202のためのボディバイアス電圧(Vsb2)は実質的に同じであってもよく、共通のボディバイアス回路(図示せず)によって与えることができる。いくつかの実現例においては、FET 120のボディおよび/またはMOSキャパシタ202のうちのいくつかまたはすべてに対して別個にバイアスをかけることができる。このような構成は、いくつかの状況においては、動作周波数に応じて有用になり得る。
【0059】
いくつかの実現例においては、
図9および
図10を参照して説明された上述の例示的な構成により、1つ以上のSOI FETベースのRFスイッチに関連付けられる非線形効果の実質的な相殺または実質的に完全な相殺を可能にすることができる。いくつかの実施形態においては、このような構成は、領域の追加が最小限ですむように、または比較的わずかな領域を追加するだけで済むように、実現することできる。
【0060】
例1の概要
いくつかの実現例に従うと、例1は、第1のノードと第2のノードとの間に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む高周波(RF)スイッチに関する。少なくとも1つのFETの各々はそれぞれのソースおよびドレインを有する。スイッチはさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのソースまたはそれぞれのドレインに接続された補償回路を含む。補償回路は、少なくとも1つのFETによってもたらされる非線形効果を補償するように構成される。
【0061】
いくつかの実施形態においては、FETはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)FETであってもよい。いくつかの実施形態においては、補償回路は非線形キャパシタを含み得る。非線形キャパシタは、金属酸化膜半導体(MOS)キャパシタを含み得る。MOSキャパシタは、FETによってもたらされる非線形効果を実質的に相殺するために1つ以上の高調波を生成するように構成することができる。MOSキャパシタはFET構造を含み得る。MOSキャパシタによって生成される1つ以上の高調波は、MOSキャパシタのFET構造に与えられるボディバイアス信号によって少なくとも部分的に制御することができる。
【0062】
いくつかの実施形態においては、非線形キャパシタは、FETのソースに接続することができる。
【0063】
いくつかの実施形態においては、スイッチはさらに、FETのゲートに接続されてFETのゲートにバイアス信号を供給するように構成されたゲートバイアス回路を含み得る。
【0064】
いくつかの実施形態においては、スイッチはさらに、FETのボディに接続されてFETのボディにバイアス信号を供給するように構成されたボディバイアス回路を含み得る。
【0065】
いくつかの実施形態においては、第1のノードは、電力値を有するRF信号を受信するように構成することができ、第2のノードは、FETがオン状態である場合にRF信号を出力するように構成される。少なくとも1つのFETは、直列に接続されたN個のFETを含み得る。数量Nは、スイッチ回路がRF信号の電力を処理することを可能にするように選択される。
【0066】
いくつかの実現例においては、例1は高周波(RF)スイッチを動作させるための方法に関する。当該方法は、第1のノードと第2のノードとの間に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を、その少なくとも1つのFETの各々がオン状態またはオフ状態になるように制御するステップを含む。当該方法はさらに、少なくとも1つのFETのうち各FETのそれぞれのソースまたはそれぞれのドレインに別の非線形信号を印加することによって少なくとも1つのFETの非線形効果を補償するステップを含む。
【0067】
いくつかの実現例に従うと、例1は、半導体基板と、半導体基板上に形成された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)とを含む半導体ダイに関する。ダイはさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのソースまたはそれぞれのドレインに接続された補償回路を含む。補償回路は、少なくとも1つのFETによってもたらされる非線形効果を補償するように構成される。
【0068】
いくつかの実施形態においては、ダイはさらに、FETと半導体基板との間に配置された絶縁体層を含み得る。ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。
【0069】
いくつかの実現例においては、例1は半導体ダイを作製するための方法に関する。当該方法は、半導体基板を設けるステップと、半導体基板上に少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を形成するステップとを含み、少なくとも1つのFETの各々は、それぞれのソースおよびそれぞれのドレインを有する。当該方法はさらに、半導体基板上に補償回路を形成するステップを含む。当該方法はさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのソースまたはそれぞれのドレインに補償回路を接続することにより、補償回路が少なくとも1つのFETによってもたらされる非線形効果を補償することを可能にするステップを含む。
【0070】
いくつかの実施形態においては、当該方法はさらに、FETと半導体基板との間に絶縁体層を形成するステップを含み得る。
【0071】
いくつかの実現例に従うと、例1は、複数のコンポーネントを収容するように構成されたパッケージング基板を含む高周波(RF)スイッチモジュールに関する。モジュールはさらに、パッケージング基板上に実装された半導体ダイを含む。当該ダイは少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を有する。モジュールはさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのソースまたはそれぞれのドレインに接続された補償回路を含む。補償回路は、少なくとも1つのFETによってもたらされる非線形効果を補償するように構成される。
【0072】
いくつかの実施形態においては、半導体ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。いくつかの実施形態においては、補償回路は、少なくとも1つのFETと同じ半導体ダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、補償回路は、パッケージング基板上に実装された第2のダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、補償回路は半導体ダイの外側の位置に配置することができる。
【0073】
いくつかの実現例においては、例1は、RF信号を処理するように構成されたトランシーバを含むワイヤレスデバイスに関する。ワイヤレスデバイスはさらに、増幅されたRF信号の送信を促進するように構成されてトランシーバと通信するアンテナを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、トランシーバに接続されたパワーアンプであって、増幅されたRF信号を生成するように構成されるパワーアンプを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、アンテナおよびパワーアンプに接続されたスイッチであって、増幅されたRF信号をアンテナに選択的にルーティングするように構成されたスイッチを含む。スイッチは少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む。スイッチはさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのソースまたはそれぞれのドレインに接続された補償回路を含む。補償回路は、少なくとも1つのFETによってもたらされる非線形効果を補償するように構成される。
【0074】
例2の説明
この明細書中に記載されるように、相互変調歪(IMD)は、他の高周波(RF)信号からの積を混合することで所望の信号に加えられる不要な信号の基準となる可能性がある。このような歪みは、マルチモード・マルチバンド環境において特に顕著になる可能性がある。
【0075】
IMDを発生させる可能性のある2つ以上の信号は、混合されると高調波周波数ではない周波数を発生させ得る。いくつかの実現例においては、このような干渉に対する感受性は、システムの線形性を改善させることによって抑制することができる。というのも、システムの線形性がどれだけのIMD(さらには干渉)が発生し得るかを管理できるからである。(RFスイッチなどの)システムの構築ブロックの線形性を改善させることにより、干渉に対するシステムの全体的な感受性を低下させることができる。
【0076】
RFスイッチにおけるIMDをより低下させたいという要望は、さまざまなワイヤレスシステム設計において重要な役割を果たし得る。スイッチにおけるIMDを低下させるために無線産業界では多大な労力が果たされてきた。たとえば、ロング・ターム・エボリューション(LTE:Long Term Evolution)システムは、低IMDのRFスイッチによりかなりの恩恵を受けることができる。より具体的な例として、LTE上での同時音声/データ通信サービス(SVLTE:simultaneous voice and data on LTE)のためのシステム設計は、極めて低レベルのIMDを有するRFスイッチから有意に恩恵を受けることができる。
【0077】
いくつかの実現例においては、FETのゲート端子と、ソース端子およびドレイン端子のいずれかとを回路によって結合して、IMD性能を向上させることができる。説明を目的として、このような回路がゲート端子とソース端子とを結合するものと想定する。しかしながら、当該回路がゲート端子とドレイン端子とを結合できることも理解されるだろう。
【0078】
いくつかの実現例においては、FETのボディ端子と、ソース端子およびドレイン端子のいずれかとを回路によって結合して、IMD性能を向上させることができる。説明を目的として、このような回路がボディ端子とソース端子とを結合するものと想定する。しかしながら、当該回路がボディ端子とドレイン端子とを結合できることも理解されるだろう。
【0079】
いくつかの実現例においては、FETのゲート端子およびボディ端子の各々と、ソース端子およびドレイン端子のいずれかとは、IMD性能を向上させるための回路によって結合することができる。説明を目的として、このような回路がゲート端子およびボディ端子の各々をソース端子に結合するものと想定する。しかしながら、ドレイン端子にもこのような結合がなされ得ることが理解されるだろう。
【0080】
図11A〜
図11Fは、第1のノード144と第2のノード146との間にスイッチング機能をもたらすように構成されたSOI FET 120を有する例示的なスイッチ回路220を示す。FET 120のゲート端子は、ゲート抵抗器Rgを介してバイアスがかけられるように図示されている。ゲート抵抗器Rgは、ゲートを浮動させるように構成することができる。
図11A、
図11Cおよび
図11Eは、抵抗性ボディ接続を備えた(ボディを浮動させるように構成可能なボディ抵抗器Rbを備えた)構成を示し、
図11B、
図11Dおよび
図11Fは、ダイオード・ボディ接続を備えた(ダイオード226を備えた)構成を示す。
【0081】
図11A〜
図11Fに示される例の各々においては、ゲート端子およびボディ端子のいずれかまたは両方は、抵抗器224と直列なキャパシタ222を有する1つ以上のカップリング回路によってソース端子と結合させることができる。
図11A〜
図11Fを説明する目的で、カップリング回路をRC回路と称する。
【0082】
このような結合により、結合されたゲートおよび/またはボディから界面電荷を放出させることができる。界面電荷をこのように放出することにより、特に低周波ブロッカのためにIMD性能を改善させることができる。RC回路がゲートに結合されている構成の場合、RC回路によって低周波信号に高インピーダンスを与えることができ、これにより、低周波信号がゲートに漏れるのを防ぐかまたは抑制し得る。同様に、RC回路がボディに結合されている構成の場合、RC回路によって低周波信号に高インピーダンスを与えることができ、これにより、低周波信号がボディに漏れるのを防ぐかまたは抑制し得る。
【0083】
図11Aは、抵抗器224(抵抗R)と直列なキャパシタ222(キャパシタンスC)を有するRC回路がSOI FET 120のゲート端子とソース端子を結合しているスイッチ回路220を示す。この例においては、ゲートおよびボディの両方がそれぞれの抵抗器RgおよびRbによって浮動させられる。
【0084】
図11Bは、抵抗器224(抵抗R)と直列なキャパシタ222(キャパシタンスC)を有するRC回路がSOI FET 120のゲート端子とソース端子を結合しているスイッチ回路220を示す。この例においては、ゲートを抵抗器Rgによって浮動させて、ダイオード・ボディ接続をもたらす。
【0085】
図11Cは、抵抗器224(抵抗R)と直列なキャパシタ222(キャパシタンスC)を有するRC回路がSOI FET 120のボディ端子とソース端子を結合しているスイッチ回路220を示す。この例においては、ゲートおよびボディがともに、それぞれの抵抗器RgおよびRbによって浮動させられる。
【0086】
図11Dは、抵抗器224(抵抗R)と直列なキャパシタ222(キャパシタンスC)を有するRC回路がSOI FET 120のボディ端子とソース端子を結合しているスイッチ回路220を示す。この例においては、ゲートを抵抗器Rgによって浮動させて、ダイオード・ボディ接続をもたらす。
【0087】
図11Eは、抵抗器224(抵抗R)と直列なキャパシタ222(キャパシタンスC)を有するRC回路がSOI FET 120のボディ端子とソース端子を結合しているスイッチ回路220を示す。抵抗器224′(抵抗R′)と直列なキャパシタ222′(キャパシタンスC′)を有する別のRC回路がFET 120のゲート端子とソース端子を結合している。この例においては、ゲートおよびボディがともに、それぞれの抵抗器RgおよびRbによって浮動させられる。
【0088】
図11Fは、抵抗器224(抵抗R)と直列なキャパシタ222(キャパシタンスC)を有するRC回路がSOI FET 120のボディ端子とソース端子を結合しているスイッチ回路220を示す。抵抗器224′(抵抗R′)と直列なキャパシタ222′(キャパシタンスC′)を有する別のRC回路がFET 120のゲート端子とソース端子を結合している。この例においては、ゲートを抵抗器Rgによって浮動させて、ダイオード・ボディ接続をもたらす。
【0089】
図12A〜
図12Fは、それぞれ、
図11A〜
図11Fを参照して説明されたスイッチ回路220を有するスイッチアーム230を示す。例の各々においては、N個のこのようなスイッチ回路は、端子144と端子146との間にスイッチング機能をもたらすように直列に接続されるように図示されている。
【0090】
いくつかの実施形態においては、複数のFET 120のためのゲートバイアス電圧(Vg)は実質的に同じであってもよく、共通のゲートバイアス回路によって与えることができる。このような共通のゲートバイアス電圧Vgは、ゲート抵抗器Rgを介してゲートに供給されるように図示されている。同様に、複数のFET 120のためのボディバイアス電圧(Vb)は実質的に同じであってもよく、抵抗性ボディ接続を有する例のために共通のボディバイアス回路によって供給することができる。
【0091】
いくつかの実施形態においては、FET 120のゲートのうちのいくつかまたはすべてに対して別々にバイアスをかけることができる。FETにわたって実質的に等しい分圧が所望されるようないくつかの状況においては、ゲートにこのように別々にバイアスをかけることは有利であり得る。同様に、いくつかの実施形態においては、FET 120のボディのうちのいくつかまたはすべてに対して別々にバイアスをかけることができる。FETにわたって実質的に等しい分圧が所望されるようないくつかの状況においては、ボディにこのように別々にバイアスをかけることは有利であり得る。
【0092】
いくつかの実現例においては、この明細書中に記載されるように、
図11および
図12を参照して説明された上述の例示的な構成は、特に低周波ブロッカのためにIMD性能を改善させることができる。
【0093】
例2の概要
いくつかの実現例においては、例2は、第1のノードと第2のノードとの間に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む高周波(RF)スイッチに関する。少なくとも1つのFETの各々は、それぞれのソース、ドレイン、ゲートおよびボディを有する。RFスイッチはさらに、第1の経路および第2の経路のうち少なくとも1つを有するカップリング回路を含み、第1の経路は、各FETのそれぞれのソースまたはドレインと対応するゲートとの間にあり、第2の経路は、各FETのそれぞれのソースまたはドレインと対応するボディとの間にある。カップリング回路は、結合されたゲートおよびボディのいずれかまたは両方から界面電荷を放出することを可能にするように構成される。
【0094】
いくつかの実施形態においては、FETはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)FETであってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、第2の経路ではなく第1の経路を含み得る。カップリング回路は、抵抗器と直列なキャパシタを有するRC回路を含み、これにより、ゲートからの放電を可能にし得る。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、第1の経路ではなく第2の経路を含み得る。カップリング回路は、抵抗器と直列なキャパシタを有するRC回路を含み、これによりボディからの放電を可能にし得る。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、第1の経路および第2の経路をともに含み得る。カップリング回路は、第1のRC回路および第2のRC回路を含み得る。第1のRC回路は、第1の抵抗器と直列な第1のキャパシタを有し、これにより、ゲートからの放電を可能にし得る。第2のRC回路は、第2の抵抗器と直列な第2のキャパシタを有し、これにより、ボディからの放電を可能にし得る。
【0095】
いくつかの実施形態においては、第1の経路および第2の経路の各々はドレインに接続することができる。いくつかの実施形態においては、RFスイッチは、ゲートに接続されてゲートを浮動させるように構成されたゲート抵抗器をさらに含み得る。いくつかの実施形態においては、RFスイッチは、ボディに接続されてボディを浮動させるように構成されたボディ抵抗器をさらに含み得る。いくつかの実施形態においては、RFスイッチはさらに、ボディとゲートとの間にダイオード・ボディ接続を含み得る。
【0096】
いくつかの実施形態においては、第1のノードは、電力値を有するRF信号を受信するように構成することができ、第2のノードは、FETがオン状態である場合にRF信号を出力するように構成することができる。少なくとも1つのFETは、直列に接続されたN個のFETを含んでもよく、数量Nは、スイッチ回路がRF信号の電力を処理することを可能にするように選択される。
【0097】
いくつかの実現例に従うと、例2は、高周波(RF)スイッチを動作させるための方法に関する。当該方法は、第1のノードと第2のノードとの間に配置される少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を制御するステップを含む。当該方法はさらに、第1の経路および第2の経路のうち少なくとも1つを設けることによって、各FETのゲートおよびボディのうち少なくとも1つから界面電荷を放出するステップを含む。第1の経路は、各FETのソースまたはドレインとゲートとの間にあり、第2の経路は、各FETのソースまたはドレインとボディとの間にある。
【0098】
いくつかの実現例に従うと、例2は、半導体基板と、半導体基板上に形成された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)とを含む半導体ダイに関する。ダイはさらに、第1の経路および第2の経路のうち少なくとも1つを有するカップリング回路を含む。第1の経路は、各FETのソースまたはドレインとゲートとの間にあり、第2の経路は、各FETのソースまたはドレインとボディとの間にある。カップリング回路は、結合されたゲートおよびボディのいずれかまたは両方から界面電荷を放出することを可能にするように構成される。
【0099】
いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、抵抗器と直列なキャパシタを有する少なくとも1つのRC回路を含み得る。いくつかの実施形態においては、ダイはさらに、FETと半導体基板との間に配置された絶縁体層を含み得る。ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。
【0100】
いくつかの実現例においては、例2は、半導体ダイを作製するための方法に関する。当該方法は、半導体基板を設けるステップと、半導体基板上に少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を形成するステップとを含む。少なくとも1つのFETの各々は、それぞれのゲート、ボディ、ソース、およびドレインを有する。当該方法はさらに、半導体基板上にカップリング回路を形成するステップを含む。当該方法はさらに、カップリング回路で第1の経路および第2の経路のうち少なくとも1つを形成するステップを含む。第1の経路は、各FETのそれぞれのソースまたはドレインとそれぞれのゲートとの間にあり、第2の経路は、各FETのそれぞれのソースまたはドレインとそれぞれのボディとの間にある。カップリング回路は、結合されたゲートおよびボディのいずれかまたは両方から界面電荷を放出することを可能にするように構成される。
【0101】
いくつかの実施形態においては、当該方法は、FETと半導体基板との間に絶縁体層を形成するステップをさらに含み得る。
【0102】
いくつかの実現例に従うと、例2は、複数のコンポーネントを収容するように構成されたパッケージング基板を含む高周波(RF)スイッチモジュールに関する。モジュールはさらに、パッケージング基板上に実装された半導体ダイを含む。当該ダイは、少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を有する。モジュールはさらに、第1の経路および第2の経路のうち少なくとも1つを有するカップリング回路を含む。第1の経路は、各FETのソースまたはドレインとゲートとの間にあり、第2の経路は、各FETのソースまたはドレインとボディとの間にある。カップリング回路は、結合されたゲートおよびボディのいずれかまたは両方から界面電荷を放出することを可能にするように構成される。
【0103】
いくつかの実施形態においては、半導体ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、抵抗器と直列なキャパシタを有する少なくとも1つのRC回路を含み得る。いくつかの実施形態においては、RC回路は、少なくとも1つのFETと同じ半導体ダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、RC回路のうち少なくとものいくらかの部分は、パッケージング基板上に実装された第2のダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、RC回路のうち少なくとものいくらかの部分は、半導体ダイの外側の位置に配置することができる。
【0104】
いくつかの実現例においては、例2は、RF信号を処理するように構成されたトランシーバを含むワイヤレスデバイスに関する。ワイヤレスデバイスはさらに、増幅されたRF信号の送信を促進するように構成されてトランシーバと通信するアンテナを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、トランシーバに接続されたパワーアンプであって、増幅されたRF信号を生成するように構成されたパワーアンプを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、アンテナおよびパワーアンプに接続されたスイッチであって、増幅されたRF信号をアンテナにルーティングするように構成されたスイッチを含む。スイッチは少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む。スイッチはさらに、第1の経路および第2の経路のうち少なくとも1つを有するカップリング回路を含む。第1の経路は、各FETのソースまたはドレインとゲートとの間にあり、第2の経路は、各FETのソースまたはドレインとボディとの間にある。カップリング回路は、結合されたゲートおよびボディのいずれかまたは両方から界面電荷を放出することを可能にするように構成される。
【0105】
いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、抵抗器と直列なキャパシタを有する少なくとも1つのRC回路を含み得る。いくつかの実施形態においては、ワイヤレスデバイスは、LTE通信システムにおいて動作するように構成することができる。
【0106】
例3の説明
ロング・ターム・エボリューション(LTE)、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMAx:Worldwide Interoperability for Microwave Access)および符号分割多重アクセス方式(CDMA:Code Division Multiple Access)などのいくつかのワイヤレスシステムは、極めて線形性の高い高周波(RF)スイッチを必要とする可能性がある。いくつかの実施形態においては、このようなRFスイッチはSOI FETなどのFETに基づいて実現することができる。
【0107】
このような高線形性のFETスイッチに伴う課題として、所望の低周波数IMD2およびIMD3の性能仕様を提供することが挙げられ得る。いくつかの状況においては、このようなスイッチのためのFETは、FETのボディに一定の電荷があるために、MOSキャパシタのように作用する可能性があり、このようなMOSキャパシタは極めて非線形になる可能性がある。このような影響は、より低い周波数としてはるかに顕著になり得る。IMDの文脈においては、低周波数IMDは、たとえばプロセスに制限があるために、管理するのがはるかに困難になる可能性がある。
【0108】
いくつかの解決策はアンテナ端子における低域フィルタに依拠している。他の解決策では、ガードリング、トラップリッチまたは分離ディープトレンチを利用する。これらの解決策は、比較的高価であり、典型的には余分な間隔およびプロセスステップを必要とする可能性がある。
【0109】
いくつかの実現例においては、上述の課題のうち1つ以上は、FETのボディに周波数同調回路を接続することによって対処することができる。いくつかの実施形態においては、このような回路はオンまたはオフに切換えることができる。したがって、このような構成により、周波数依存性コンポーネントを用いてボディを制御するダイナミックな方法を提供することができる。
【0110】
いくつかの実施形態においては、周波数同調回路は、低周波数で短絡回路のように動作し、動作周波数で開回路のように動作し得る。このような構成では、低周波歪みを有効にRF接地に短絡させながらも、同時に、動作周波数でのスイッチング回路の動作に影響を与えないようにすることにより、低周波数でボディ内の一定の表面電荷を除去することができる。説明を目的として、動作周波数は、たとえば、約700MHzから6,000MHzの範囲の周波数を含み得る。このような動作周波数に対応する低周波数は、たとえば、約200MHzよりも低い周波数(たとえば90MHz〜180MHz)を含み得る。
【0111】
図13は、第1のノード144と第2のノード146との間にスイッチング機能をもたらすように構成されたSOI FET 120を有する例示的なスイッチ回路300を示す。FET 120のゲート端子は、ゲートバイアス回路からバイアスがかけられるように図示されている。
【0112】
図13に図示のとおり、ボディバイアス回路302は、インダクタ308(インダクタンスL)およびキャパシタ310(キャパシタンスC)を有するLC回路を含み得る。LおよびCの値は、LC回路の所望の共振周波数を発生させるように選択することができる。LC回路は、スイッチ306(たとえば「M2」として示される別のFET)によって接地に接続可能であるように図示される。FET M2のゲート制御は、そのゲート抵抗器Rを介してそのゲートバイアス電圧V_controlによってもたらされるように図示されている。
【0113】
(「M1」として示される)SOI FET 120がオンになると、スイッチ300はノード144とノード146との間でオンになり、M2はオフにされる。この構成では、M1のボディを浮動させることによって挿入損失を低減させるかまたは最小限にすることができる。M1がオフである場合、スイッチ300は、ノード144とノード146との間でオフになり、M2はオンにされる。この構成により、(
図13の例に示されるように)DC短絡または一定のDC電圧をボディ基板に与えることができる。このため、この構成では、寄生接合ダイオードがオンにされる可能性をなくすかまたは低くすることができ、これにより、大きな電圧振幅に伴う歪みを減らすことができる。より高い周波数では、LC回路は高インピーダンスを示すことができ、そして、スイッチ300の挿入損失を増加させる可能性のあるローディング効果を最小限にすることができる。
【0114】
図14は、
図13を参照して説明された複数のスイッチ回路300を有するスイッチアーム310を示す。例示的な構成310においては、N個のこのようなスイッチ回路は、端子144と端子146との間にスイッチング機能をもたらすように直列に接続されるように図示されている。
【0115】
いくつかの実施形態においては、複数のFET 120のためのゲートバイアス電圧(Vg)は実質的に同じであってもよく、共通のゲートバイアス回路によって与えることができる。このような共通のゲートバイアス電圧Vgは、ゲート抵抗器Rgを介してゲートに与えられるように図示されている。いくつかの実施形態においては、FET 120のゲートのうちのいくつかまたはすべてに対して別個にバイアスをかけることができる。FETにわたる分圧が実質的に等しい場合、または、FET間に追加の絶縁が所望される場合などのいくつかの状況においては、ゲートにこのように別個にバイアスをかけることは有利であるかもしれない。
【0116】
図14の例示的な構成310においては、各々のスイッチング回路300は、周波数同調型ボディバイアス回路を含むように図示されている。いくつかの実施形態においては、共通の周波数同調型ボディバイアス回路は、FET 120のうちのいくつかまたはすべてのために共通のバイアス接続をもたらすことができる。いくつかの実施形態においては、FET 120のボディのうちのいくつかまたはすべてに別個にバイアスをかけることができる。FETにわたって実質的に等しい分圧が所望されるようないくつかの状況においては、ボディに対してこのように別個にバイアスをかけることが有利であり得る。
【0117】
いくつかの実現例においては、この明細書中に記載されるように、
図13および
図14を参照して説明された上述の例示的な構成により、動作周波数性能にさほど影響を及ぼすことなく、より低い周波数で改善をもたらすことができる。提供できる別の利点として、スイッチがオンである場合にボディを浮動させるためにボディバイアスをオフに切換えることにより、挿入損失性能を改善させ得るという特徴が含まれる。
【0118】
例3の概要
いくつかの実現例に従うと、例3は、第1のノードと第2のノードとの間に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む高周波(RF)スイッチに関する。少なくとも1つのFETの各々はそれぞれのボディを有する。RFスイッチはさらに、各FETのそれぞれのボディを基準ノードに接続する共振回路を含む。共振回路は、選択された値よりも低い低周波数ではほぼ閉じられた回路として動作し、動作周波数ではほぼ開かれた回路として動作するように構成される。ほぼ閉じられた回路は、それぞれのボディから基準ノードまでの表面電荷を除去することを可能にする。
【0119】
いくつかの実施形態においては、FETは、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)FETであってもよい。いくつかの実施形態においては、共振回路は、キャパシタと電気的に並列なインダクタを有するLC回路を含み得る。共振回路はさらに、ボディを基準ノードに接続するかまたはボディを基準ノードから切断するように構成されたボディスイッチを含み得る。ボディスイッチは第2のFETを含み得る。第2のFETは、第1のFETがオンである場合にオフにされることにより、第1のFETのボディを浮動させるように構成することができる。第2のFETはさらに、第1のFETがオフである場合にオンにされることにより、ボディから基準ノードまでの表面電荷の除去を促進するように構成することができる。
【0120】
いくつかの実施形態においては、基準ノードは接地ノードを含み得る。いくつかの実施形態においては、RFスイッチはさらに、FETのゲートに接続されて、FETのゲートにバイアス信号を供給するように構成されたゲートバイアス回路を含み得る。
【0121】
いくつかの実施形態においては、第1のノードは、電力値を有するRF信号を受信するように構成することができ、第2のノードは、FETがオン状態である場合にRF信号を出力するように構成することができる。少なくとも1つのFETは、直列に接続されたN個のFETを含み得る。数量Nは、スイッチ回路がRF信号の電力を処理することを可能にするように選択され得る。
【0122】
いくつかの実現例においては、例3は高周波(RF)スイッチを動作させるための方法に関する。当該方法は、第1のノードと第2のノードとの間に配置される少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を、その少なくとも1つのFETの各々がオン状態またはオフ状態になるように制御するステップを含む。当該方法はさらに、選択された値よりも低い低周波数で少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのボディから表面電荷を選択的に除去するステップを含む。この選択的な除去は、低周波数ではほぼ閉じられた回路として動作する共振回路によって促進される。
【0123】
いくつかの実施形態においては、共振回路はさらに、動作周波数ではほぼ開いた回路として動作し得る。いくつかの実施形態においては、共振回路はLC回路を含み得る。
【0124】
いくつかの実現例においては、例3は、半導体基板と、半導体基板上に形成された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)とを含む半導体ダイに関する。ダイはさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのボディを基準ノードに接続する共振回路を含む。共振回路は、選択された値よりも低い低周波数ではほぼ閉じられた回路として動作し、動作周波数ではほぼ開いた回路として動作するように構成される。ほぼ閉じられた回路は、それぞれのボディから基準ノードまでの表面電荷を除去することを可能にする。
【0125】
いくつかの実施形態においては、ダイはさらに、FETと半導体基板との間に配置された絶縁体層を含み得る。ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。
【0126】
いくつかの実現例に従うと、例3は半導体ダイを作製するための方法に関する。当該方法は、半導体基板を設けるステップと、半導体基板上に少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を形成するステップとを含む。少なくとも1つのFETの各々はボディを有する。当該方法はさらに、半導体基板上に共振回路を形成するステップを含む。共振回路は、選択された値よりも低い低周波数ではほぼ閉じられた回路として動作し、動作周波数ではほぼ開いた回路として動作するように構成される。当該方法はさらに、少なくとも1つのFETのそれぞれのボディと基準ノードとの間に共振回路を接続して、共振回路がほぼ閉じられている場合に、それぞれのボディから基準ノードまでの表面電荷を除去することを可能にするステップを含む。
【0127】
いくつかの実施形態においては、当該方法はさらに、FETと半導体基板との間に絶縁体層を形成するステップを含み得る。
【0128】
いくつかの実現例に従うと、例3は、複数のコンポーネントを収容するように構成されたパッケージング基板を含む高周波(RF)スイッチモジュールに関する。モジュールはさらにパッケージング基板上に実装された半導体ダイを含み、ダイは少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を有する。モジュールはさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのボディを基準ノードに接続する共振回路を含む。共振回路は、選択された値よりも低い低周波数ではほぼ閉じられた回路として動作し、動作周波数ではほぼ開いた回路として動作するように構成される。ほぼ閉じられた回路は、それぞれのボディから基準ノードまでの表面電荷を除去することを可能にする。
【0129】
いくつかの実施形態においては、半導体ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。いくつかの実施形態においては、共振回路は、少なくとも1つのFETと同じ半導体ダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、共振回路は、パッケージング基板上に実装された第2のダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、共振回路は半導体ダイの外側の位置に配置することができる。
【0130】
いくつかの実現例においては、例3は、RF信号を処理するように構成されたトランシーバを含むワイヤレスデバイスに関する。ワイヤレスデバイスはさらに、増幅されたRF信号の送信を促進するように構成されてトランシーバと通信するアンテナを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、トランシーバに接続されたパワーアンプであって、増幅されたRF信号を生成するように構成されたパワーアンプを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、アンテナおよびパワーアンプに接続されたスイッチであって、増幅されたRF信号をアンテナに選択的にルーティングするように構成されたスイッチを含む。スイッチは少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む。スイッチはさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのボディを基準ノードに接続する共振回路を含む。共振回路は、選択された値よりも低い低周波数ではほぼ閉じられた回路として動作し、動作周波数ではほぼ開いた回路として動作するように構成される。ほぼ閉じられた回路は、それぞれのボディから基準ノードまでの表面電荷を除去することを可能にする。
【0131】
例4の説明
多くの高周波(RF)送信応用例においては、スイッチ設計は、典型的には、特に不整合の状態では、高出力の動作能力を必要とする。たとえば、アンテナ調整のために用いられるスイッチは、+35dBmの入力電力下では20:1ほどの高い不整合に耐えるものと予想される。また、GSM(登録商標)などのワイヤレスシステムにおいて利用されるいくつかのスイッチは、+35dBmの入力電力下では5:1の不整合に耐えるものと予想される。高電力に耐えて圧縮点(compression point)を改善させるために、一般に、スタック高がより高い電界効果トランジスタ(FET)が用いられる。
【0132】
線形性についての別の重要な測定基準として相互変調歪(IMD)がある。IMDは、他のRF信号からの積を混合することによって所望の信号に加えられた不要な信号の基準となる。このような影響は、マルチモード・マルチバンド環境においては特に顕著になり得る。IMDを発生させる可能性のある2つ以上の信号は、混合されると高調波周波数ではない周波数を発生させ得る。
【0133】
システム設計者は、典型的には、たとえば線形性を改善させることによって干渉感受性を低下させようとしている。所与のシステムの線形性は、どれくらいのIMDがその範囲内で発生して干渉をもたらし得るかを管理することができる。RFスイッチなどのシステム構築ブロックの線形性を改善させることにより、干渉に対するシステムの全体的な感受性を低下させることができる。
【0134】
図15は、第1のノード144と第2のノード146との間にスイッチング機能をもたらすように構成されたSOI FET 120を有する例示的なスイッチ回路320を示す。ゲート抵抗器Rgを介してFET 120のゲート端子にバイアスをかけることができる。
【0135】
いくつかの実施形態においては、電力処理およびIMD改善のためにFET 120のボディ端子が利用されるように、スイッチ回路320を実現することができる。一例として、抵抗器324(抵抗R)と直列なダイオード322を有する回路は、FET 120のボディとゲートとを結合することができる。この例においては、ダイオード322のアノードは、FET 120のボディに接続することができ、カソードは、抵抗器端子のうち一方に接続することができる。抵抗器324の他方の端子はFET 120のゲートに接続される。このような構成では、ボディからの過剰な電荷をより適切に分布することが容易になり、これにより、たとえば、圧縮ロールオフ特性(たとえばより高いP1dB)およびIMD性能の改善をもたらすことができる。ダイオード322のサイズおよび抵抗器324の値は、P1dBおよびIMDに付随する望ましい性能を最適化するかまたは得られるように選択することができる。
【0136】
図16は、
図15を参照して説明された複数のスイッチ回路320を有するスイッチアーム330を示す。例示的な構成330においては、N個のこのようなスイッチ回路は、端子144と端子146との間にスイッチング機能をもたらすように直列に接続されるように図示されている。数Nは、電力処理要件に基づいて選択することができる。たとえば、Nを大きくすることによって、より高い電力を処理することができる。
【0137】
いくつかの実施形態においては、複数のFET 120のためのゲートバイアス電圧(Vg)は実質的に同じであってもよく、共通のゲートバイアス回路によって与えることができる。このような共通のゲートバイアス電圧Vgは、ゲート抵抗器Rgを介してゲートに与えられるように図示されている。いくつかの実施形態においては、FET 120のゲートのうちのいくつかまたはすべてに別個にバイアスをかけることができる。FETにわたって実質的に等しい分圧が所望されるようないくつかの状況においては、ゲートに対してこのように別個にバイアスをかけることが有利になり得る。
【0138】
図16の例示的な構成330においては、
図15を参照して説明されるダイオードおよび抵抗器を有する回路は、N個の個々のスイッチ回路320の各々のために設けることができ、FETのN個のボディとN個のゲートとの間、またはそれらのいずれかの組合せ、に共通の結合をもたらすことができる。
【0139】
いくつかの実施形態においては、
図15および
図16を参照して説明されるダイオードおよび抵抗器は、スイッチ回路320と同じダイ上で、ダイから離れた箇所で、またはそのいずれかの組合せで実現することができる。
【0140】
いくつかの実現例においては、この明細書中に記載されるように、
図15および
図16を参照して説明された上述の例示的な構成は実現するのが比較的より単純かつ容易であり得、いくつかの改善をもたらし得る。たとえば、この技術では、RFスイッチの圧縮ロールオフ特性を改善させることができる(たとえば滑らかなロールオフ)。別の例においては、この技術は、RFスイッチのIMD性能を改善させることができる。さらに別の例においては、この技術では、RFスイッチ設計により、たとえば、ボディ抵抗器、制御ラインおよびレベルシフタに関連付けられる追加領域のオーバーヘッドを必要とする可能性のある抵抗体(resistive body)コンタクトのトポロジをなくすことができる。
【0141】
例4の概要
いくつかの実現例に従うと、例4は、第1のノードと第2のノードとの間に配置される少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む高周波(RF)スイッチに関する。少なくとも1つのFETの各々は、それぞれのボディおよびゲートを有する。RFスイッチはさらに、各FETのそれぞれのボディとゲートとを結合するカップリング回路を含む。カップリング回路は抵抗器と直列なダイオードを含み、それぞれのボディからの過剰な電荷の除去を促進するように構成される。
【0142】
いくつかの実施形態においては、FETはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)FETであってもよい。いくつかの実施形態においては、ダイオードのアノードはボディに接続することができ、ダイオードのカソードは抵抗器の一方の端部に接続することができ、抵抗器の他方の端部はゲートに接続することができる。ダイオードおよび抵抗器は、スイッチのP1dBおよびIMD性能を改善させるように構成することができる。
【0143】
いくつかの実施形態においては、RFスイッチはさらに、ゲートの浮動を促進するようにゲートに接続されたゲート抵抗器を含み得る。いくつかの実施形態においては、第1のノードは、電力値を有するRF信号を受信するように構成することができ、第2のノードは、FETがオン状態である場合にRF信号を出力するように構成することができる。少なくとも1つのFETは、直列に接続されたN個のFETを含んでもよく、数量Nは、スイッチ回路がRF信号の電力を処理することを可能にするように選択され得る。
【0144】
いくつかの実現例においては、例4は、高周波(RF)スイッチを動作させるための方法に関する。当該方法は、第1のノードと第2のノードとの間に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を、その各々のFETがオン状態またはオフ状態となるように制御するステップを含む。当該方法はさらに、FETのゲートにボディを結合するカップリング回路を介して各FETのボディから過剰な電荷を除去するステップを含む。カップリング回路は抵抗器と直列なダイオードを含む。
【0145】
いくつかの実現例に従うと、例4は、半導体基板と、半導体基板上に形成された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)とを含む半導体ダイに関する。ダイはさらに、各FETのボディとゲートとを結合するカップリング回路を含む。カップリング回路は抵抗器と直列なダイオードを含み、各FETのボディからの過剰な電荷の除去を促進するように構成される。
【0146】
いくつかの実施形態においては、ダイはさらに、FETと半導体基板との間に配置された絶縁体層を含み得る。ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。
【0147】
いくつかの実現例においては、例4は半導体ダイを作製するための方法に関する。当該方法は、半導体基板を設けるステップと、半導体基板上に少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を形成するステップとを含み、FETの各々はそれぞれのゲートおよびボディを有する。当該方法はさらに、半導体基板上にカップリング回路を形成するステップを含む。カップリング回路は抵抗器と直列なダイオードを含む。当該方法はさらに、ボディからの過剰な電荷の除去を促進するように各FETのボディとゲートとの間にカップリング回路を接続するステップを含む。
【0148】
いくつかの実施形態においては、当該方法はさらに、FETと半導体基板との間に絶縁体層を形成するステップを含み得る。
【0149】
いくつかの実現例に従うと、例4は、複数のコンポーネントを収容するように構成されたパッケージング基板を含む高周波(RF)スイッチモジュールに関する。モジュールはパッケージング基板上に実装された半導体ダイをさらに含み、ダイは少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を有する。モジュールはさらに、各FETのボディとゲートとを結合するカップリング回路を含む。カップリング回路は抵抗器と直列なダイオードを含み、各々のFETのボディからの過剰な電荷の除去を促進するように構成される。
【0150】
いくつかの実施形態においては、半導体ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、少なくとも1つのFETと同じ半導体ダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、パッケージング基板上に実装された第2のダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は半導体ダイの外側の位置に配置することができる。
【0151】
いくつかの実現例においては、例4は、RF信号を処理するように構成されたトランシーバを含むワイヤレスデバイスに関する。ワイヤレスデバイスはさらに、増幅されたRF信号の送信を促進するように構成されてトランシーバと通信するアンテナを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、トランシーバに接続されたパワーアンプであって、増幅されたRF信号を生成するように構成されたパワーアンプを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、アンテナおよびパワーアンプに接続されたスイッチであって、増幅されたRF信号をアンテナに選択的にルーティングするように構成されたスイッチを含む。スイッチは少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む。スイッチはさらに、各々のFETのボディとゲートとを結合するカップリング回路を含む。カップリング回路は抵抗器と直列なダイオードを含み、各々のFETのボディからの過剰な電荷の除去を促進するように構成される。
【0152】
例5の説明
相互変調歪(IMD)は、他のRF信号からの積を混合することにより所望の信号に加えられた不要な信号の基準となる。このような影響は、マルチモード・マルチバンド環境において特に顕著になる可能性がある。IMDを発生させる可能性のある2つ以上の信号は、混合されると高調波周波数ではない周波数を発生させ得る。
【0153】
システム設計者は、典型的には、たとえば線形性を改善させることによって干渉感受性を低下させようとしている。所与のシステムの線形性は、どれくらいのIMDがその範囲内で発生して干渉をもたらし得るかを管理することができる。RFスイッチなどのシステム構築ブロックの線形性を改善させることにより、干渉に対するシステムの全体的な感受性を低下させることができる。
【0154】
RFスイッチにおける低IMDなどの性能特徴は、ワイヤレスデバイス設計における重要なファクタになり得る。たとえば、ロング・ターム・エボリューション(LTE)システムは、IMDを低下させたRFスイッチからかなりの恩恵を受けることができる。より具体的な例として、LTE上での同時音声/データ通信サービス(SVLTE)のためのシステム設計は、極低レベルのIMDを有するRFスイッチから有意に恩恵を受けることができる。
【0155】
図17Aは、第1のノード144と第2のノード146との間にスイッチング機能をもたらすように構成されたSOI FET 120を有する例示的なスイッチ回路340を示す。FET 120のゲートには、ゲート抵抗器(抵抗Rg)を介してゲートバイアス信号を供給することができる。FET 120のボディには、ボディ抵抗器(抵抗Rb)を介してボディバイアス信号を供給することができる。
【0156】
いくつかの実現例においては、余分なゲートおよび/またはボディ抵抗をFET 120のために設けることができる。例示的な構成340においては、余分なゲート抵抗器(抵抗R1)はゲート抵抗器Rgと直列に接続されるように図示されている。いくつかの実施形態においては、このような余分なゲート抵抗は、たとえばスイッチS1(たとえば別のFET)によって、選択的に導入することができる。たとえば、スイッチS1を開くことにより、結果として、余分な抵抗器R1がRgと直列になり、(たとえばスイチッング時間の改善のために)余分な抵抗が不要であるかまたは所望されない場合には、S1を閉じることにより、結果として、余分な抵抗器R1がバイパスされることとなる。
【0157】
例示的な構成340においては、余分なボディ抵抗器(抵抗R2)は、ボディ抵抗器Rbと直列に接続されるように図示されている。いくつかの実施形態においては、このような余分なボディ抵抗は、たとえばスイッチS2(たとえば別のFET)によって選択的に導入することができる。たとえば、スイッチS2を開くことにより、結果として、余分な抵抗器R2がRbと直列になり、(たとえばスイチッング時間の改善のために)余分な抵抗が不要であるかまたは所望されない場合には、S2を閉じることにより、結果として、余分な抵抗器R2がバイパスされることとなる。
【0158】
いくつかの実現例においては、ゲートおよびボディのための余分な抵抗が、ともにオンもしくはオフにされ得るかまたは互いとは別個にオンもしくはオフにされ得る。いくつかの実施形態においては、余分な抵抗のうち1つだけをゲートまたはボディに与えることができる。たとえば、
図17Bは、
図17Aを参照して説明されたように余分なゲート抵抗が設けられているがボディがダイオード(D)ボディコンタクトで構成されている例示的な構成340を示す。
【0159】
図18Aおよび
図18Bは、それぞれ、
図17Aおよび
図17Bを参照して説明されたスイッチ回路を有するスイッチアーム350を示す。
図18Aの例示的な構成350においては、ゲート抵抗Rgおよびボディ抵抗Rbを有するN個のスイッチ回路は、端子144と端子146との間にスイッチング機能をもたらすように直列に接続される。共通の余分な抵抗R1は、FET 120のゲートに設けられるように図示されており、このような余分な抵抗R1は、共通のスイッチS1によってオンおよびオフに切換えることができる。共通の余分な抵抗R2はFET 120のボディに設けられるように図示されており、このような余分な抵抗R2は、共通のスイッチS2によってオンおよびオフに切換えることができる。いくつかの実施形態においては、このような切換え可能な余分な抵抗は、スイッチアーム350におけるFETのゲートおよび/またはボディの個々に、またはいくつかに別個に設けることができる。
【0160】
図18Bの例示的な構成350においては、ゲート抵抗Rgおよびダイオードボディコンタクトを有するN個のスイッチ回路は、端子144と端子146との間にスイッチング機能をもたらすように直列に接続される。共通の余分な抵抗R1は、FET 120のゲートに与えられるように図示されており、このような余分な抵抗R1は、共通のスイッチS1によってオンおよびオフに切換えることができる。いくつかの実施形態においては、このような切換え可能な余分な抵抗は、スイッチアーム350におけるFETのゲートおよび/またはボディの個々に、またはいくつかに別個に設けることができる。
【0161】
スイッチアーム350におけるスイッチ回路の数(N)は、電力処理要件に基づいて選択することができる。たとえば、Nを大きくすることによって、より高い電力を処理することができる。
【0162】
いくつかの実施形態においては、
図17および
図18を参照して説明された余分な抵抗器(R1および/またはR2)ならびにそれぞれのスイッチは、スイッチ回路340と同じダイ上で、ダイから離れた箇所で、またはそのいずれかの組合せで実現することができる。
【0163】
いくつかの実施形態においては、余分な抵抗(R1および/またはR2)の値は、スイッチ回路340のスイチッング時間に対する影響を最小限にするかまたは低減させながらもIMD性能を最適化するかまたは改善させるように選択することができる。このような構成により、低周波のブロッカのための改善を含めて、IMD性能の改善をもたらすことができる。たとえば、余分な抵抗(R1およびR2)は、ゲートおよびボディにおける低周波信号に対して高インピーダンスを与えるように選択することができ、これにより、このような低周波信号がゲートおよびボディに漏れるのを防止するかまたは抑制することができる。
【0164】
いくつかの実現例においては、この明細書中に記載されるように、
図17および
図18を参照して説明された上述の例示的な構成は実現するのが比較的より単純かつ容易であり得、いくつかの改善をもたらし得る。たとえば、この技術により、低周波数の場合のIMD性能を含めて、RFスイッチのIMD性能を改善させることができる。
【0165】
例5の概要
いくつかの実現例に従うと、例5は、第1のノードと第2のノードとの間に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む高周波(RF)スイッチに関する。少なくとも1つのFETの各々は、それぞれのゲートおよびボディを有する。RFスイッチはさらに、各FETのそれぞれのゲートおよびボディのうち少なくとも1つに接続された調整抵抗回路を含む。
【0166】
いくつかの実施形態においては、FETはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)FETであってもよい。いくつかの実施形態においては、調整抵抗回路は、第2の抵抗器とバイパススイッチとの並列な組合せと直列な第1の抵抗器を含んでもよい。バイパススイッチが閉じられていることにより、結果として、第2の抵抗器がバイパスされて調整可能な抵抗のための第1の抵抗をもたらすことができ、バイパススイッチが開かれていることにより、結果として、第2の抵抗を、第2の抵抗器のおおよその値だけ第1の抵抗よりも大きくすることができる。第1の抵抗器はバイアス抵抗器を含んでもよい。第2の抵抗は、相互変調歪(IMD)性能を改善させるように選択することができ、第1の抵抗は、FETのスイチッング時間に対する影響を小さくするように選択することができる。
【0167】
いくつかの実施形態においては、調整抵抗回路はゲートに接続することができる。いくつかの実施形態においては、RFスイッチはさらに、ボディに接続された第2の調整抵抗回路を含み得る。いくつかの実施形態においては、RFスイッチはさらに、ボディに接続されたダイオードボディコンタクトを含み得る。
【0168】
いくつかの実施形態においては、調整抵抗回路はゲートではなくボディに接続することができる。いくつかの実施形態においては、第1のノードは、電力値を有するRF信号を受信するように構成することができ、第2のノードは、FETがオン状態である場合にRF信号を出力するように構成される。少なくとも1つのFETは、直列に接続されたN個のFETを含んでもよく、数量Nは、スイッチ回路がRF信号の電力を処理することを可能にするように選択され得る。
【0169】
いくつかの実現例においては、例5は高周波(RF)スイッチを動作させるための方法に関する。当該方法は、第1のノードと第2のノードとの間に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を、その各FETがオン状態またはオフ状態となるように制御するステップを含む。当該方法はさらに、各々のFETのゲートおよびボディのうち少なくとも1つに接続された回路の抵抗を調整するステップを含む。
【0170】
いくつかの実施形態においては、調整するステップは、直列に接続された第1の抵抗器および第2の抵抗器のうちの1つをバイパスするステップを含み得る。
【0171】
いくつかの実現例に従うと、例5は、半導体基板と、半導体基板上に形成された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)とを含む半導体ダイに関する。ダイはさらに、各々のFETのゲートおよびボディのうち少なくとも1つに接続された調整抵抗回路を含む。
【0172】
いくつかの実施形態においては、ダイはさらに、FETと半導体基板との間に配置された絶縁体層を含んでもよい。ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。
【0173】
いくつかの実現例においては、例5は半導体ダイを作製するための方法に関する。当該方法は、半導体基板を設けるステップと、半導体基板上に少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を形成するステップとを含み、少なくとも1つのFETの各々は、それぞれのゲートおよびボディを有する。当該方法はさらに、半導体基板上に調整抵抗回路を形成するステップを含む。当該方法はさらに、各々のFETのゲートおよびボディのうち少なくとも1つに調整抵抗回路を接続するステップを含む。
【0174】
いくつかの実施形態においては、当該方法はさらに、FETと半導体基板との間に絶縁体層を形成するステップを含み得る。
【0175】
いくつかの実現例に従うと、例5は、複数のコンポーネントを収容するように構成されたパッケージング基板を含む高周波(RF)スイッチモジュールに関する。モジュールはパッケージング基板上に実装された半導体ダイをさらに含み、ダイは少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を有する。モジュールはさらに、各々のFETのゲートおよびボディのうち少なくとも1つに接続された調整抵抗回路を含む。
【0176】
いくつかの実施形態においては、半導体ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。いくつかの実施形態においては、調整抵抗回路は、少なくとも1つのFETと同じ半導体ダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、調整抵抗回路は、パッケージング基板上に実装された第2のダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、調整抵抗回路は半導体ダイの外側の位置に配置することができる。
【0177】
いくつかの実現例においては、例5は、RF信号を処理するように構成されたトランシーバを含むワイヤレスデバイスに関する。ワイヤレスデバイスはさらに、増幅されたRF信号の送信を促進するように構成されてトランシーバと通信するアンテナを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、トランシーバに接続されたパワーアンプであって、増幅されたRF信号を生成するように構成されたパワーアンプを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、アンテナおよびパワーアンプに接続されたスイッチであって、増幅されたRF信号をアンテナに選択的にルーティングするように構成されたスイッチを含む。スイッチは少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む。スイッチはさらに、各々のFETのゲートおよびボディのうち少なくとも1つに接続された調整抵抗回路を含む。
【0178】
例6の説明
相互変調歪(IMD)は、他のRF信号からの積を混合することにより所望の信号に加えられた不要な信号の基準となる。このような影響は、マルチモード・マルチバンド環境において特に顕著になる可能性がある。IMDを発生させる可能性のある2つ以上の信号は、混合されると高調波周波数ではない周波数を発生させ得る。
【0179】
システム設計者は、典型的には、たとえば線形性を改善させることによって干渉感受性を低下させようとしている。所与のシステムの線形性は、どれくらいのIMDがその範囲内で発生して干渉をもたらし得るかを管理することができる。RFスイッチなどのシステム構築ブロックの線形性を改善させることにより、干渉に対するシステムの全体的な感受性を低下させることができる。
【0180】
RFスイッチにおける低IMDなどの性能特徴は、ワイヤレスデバイス設計における重要なファクタになり得る。たとえば、ロング・ターム・エボリューション(LTE)システムは、IMDを低下させたRFスイッチから有意に恩恵を受けることができる。より具体的な例として、LTE上での同時音声/データ通信サービス(SVLTE)のためのシステム設計は、極低レベルのIMDを有するRFスイッチから有意に恩恵を受けることができる。
【0181】
図19は、第1のノード144と第2のノード146との間にスイッチング機能をもたらすように構成されたSOI FET 120を有する例示的なスイッチ回路360を示す。たとえばゲートを浮動させるために、ゲート抵抗器Rgを介してFET 120のゲート端子にバイアスをかけることができる。たとえばボディを浮動させるために、ボディ抵抗器Rbを介してFET 120のボディ端子にバイアスをかけることができる。
【0182】
いくつかの実施形態においては、スイッチ回路360は、FET 120のボディ端子を利用してIMD性能を改善させるように実現することができる。スイッチ回路360においては、抵抗器364(抵抗R)と直列なキャパシタ362(キャパシタンスC)を含むRC回路は、FET 120のボディとゲートとを結合することができる。このような結合により、ボディからの界面電荷の放出を可能にし得る。いくつかの実施形態においては、キャパシタンスCおよび抵抗Rについての値は、スイッチ回路360のIMD性能を最適化するかまたは改善させるように選択することができる。
【0183】
図20は、
図19を参照して説明された複数のスイッチ回路360を有するスイッチアーム370を示す。例示的な構成370においては、N個のこのようなスイッチ回路は、端子144と端子146との間にスイッチング機能をもたらすように直列に接続されるように図示されている。数Nは、電力処理要件に基づいて選択することができる。たとえば、Nを大きくすることによって、より高い電力を処理することができる。
【0184】
いくつかの実施形態においては、複数のFET 120のためのゲートバイアス電圧(Vg)は実質的に同じであってもよく、共通のゲートバイアス回路によって与えることができる。このような共通のゲートバイアス電圧Vgは、ゲート抵抗器Rgを介してゲートに与えられるように図示されている。いくつかの実施形態においては、FET 120のゲートのうちのいくつかまたはすべてに別個にバイアスをかけることができる。FETにわたって実質的に等しい分圧が所望されるようないくつかの状況においては、ゲートに対してこのように別個にバイアスをかけることが有利になり得る。
【0185】
図20の例示的な構成370においては、
図19を参照して説明されたキャパシタ(キャパシタンスC)および抵抗器(抵抗R)を有する回路はN個の個々のスイッチ回路360の各々のために設けることができ、FETのN個のボディとN個のゲートとの間、またはそれらのいずれかの組合せ、に共通の結合をもたらすことができる。
【0186】
いくつかの実施形態においては、
図19および
図20を参照して説明されたキャパシタおよび抵抗器は、スイッチ回路360と同じダイ上で、ダイから離れた箇所で、またはそのいずれかの組合せで実現することができる。
【0187】
いくつかの実現例においては、この明細書中に記載されるように、
図19および
図20を参照して説明された上述の例示的な構成は実現するのが比較的より単純かつ容易であり得、いくつかの改善をもたらし得る。たとえば、この技術により、RFスイッチのIMD性能を改善させることができる。別の例においては、この技術により、P1dBについて改善されたロールオフ特性を提供することができる。
【0188】
例6の概要
いくつかの実現例に従うと、例6は、第1のノードと第2のノードとの間に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む高周波(RF)スイッチに関する。少なくとも1つのFETの各々は、それぞれのボディ
とゲートを有する。RFスイッチはさらに、各FETのそれぞれのボディとゲートとの間に配置されたカップリング回路を含む。カップリング回路は、それぞれのボディからの界面電荷の放出を可能にするように構成される。
【0189】
いくつかの実施形態においては、FETはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)FETであってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、抵抗器と直列なキャパシタを含んでもよい。キャパシタおよび抵抗器は、スイッチの相互変調歪(IMD)性能を改善させるように選択することができる。
【0190】
いくつかの実施形態においては、RFスイッチはさらに、ゲートに接続されたゲートバイアス抵抗器を含み得る。いくつかの実施形態においては、RFスイッチはさらに、ボディに接続されたボディバイアス抵抗器を含んでもよい。
【0191】
いくつかの実施形態においては、第1のノードは、電力値を有するRF信号を受信するように構成することができ、第2のノードは、FETがオン状態である場合にRF信号を出力するように構成することができる。少なくとも1つのFETは、直列に接続されたN個のFETを含み得る。数量Nは、スイッチ回路がRF信号の電力を処理することを可能にするように選択され得る。
【0192】
いくつかの実現例に従うと、例6は高周波(RF)スイッチを動作させるための方法に関する。当該方法は、第1のノードと第2のノードとの間に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を、当該FETがオン状態またはオフ状態になるように制御するステップを含む。当該方法はさらに、各FETのそれぞれのボディから、当該FETのそれぞれのボディと対応するゲートとの間に配置されたカップリング回路を介して界面電荷を放出するステップを含む。
【0193】
いくつかの実現例においては、例6は、半導体基板と、半導体基板上に形成された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)とを含む半導体ダイに関する。ダイはさらに、各々のFETのボディとゲートとの間に配置されたカップリング回路を含む。カップリング回路は、ボディからの界面電荷の放出を可能にするように構成される。
【0194】
いくつかの実施形態においては、ダイはさらに、FETと半導体基板との間に配置された絶縁体層を含んでもよい。ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。
【0195】
いくつかの実現例においては、例6は半導体ダイを作製するための方法に関する。当該方法は、半導体基板を設けるステップと、半導体基板上に少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を形成するステップとを含む。少なくとも1つのFETの各々はゲートおよびボディを有する。当該方法はさらに、それぞれのボディからの界面電荷の放出を可能にするために、各FETのそれぞれのボディおよびゲートに接続されるカップリング回路を半導体基板上に形成するステップを含む。
【0196】
いくつかの実施形態においては、当該方法は、FETと半導体基板との間に絶縁体層を形成するステップをさらに含み得る。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、抵抗器と直列なキャパシタを含み得る。
【0197】
いくつかの実現例に従うと、例6は、複数のコンポーネントを収容するように構成されたパッケージング基板を含む高周波(RF)スイッチモジュールに関する。モジュールはパッケージング基板上に実装された半導体ダイをさらに含み、ダイは少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を有する。モジュールはさらに、各々のFETのボディとゲートとの間に配置されたカップリング回路を含む。カップリング回路は、ボディからの界面電荷の放出を可能にするように構成される。
【0198】
いくつかの実施形態においては、半導体ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、抵抗器と直列なキャパシタを含み得る。
【0199】
いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、少なくとも1つのFETと同じ半導体ダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、パッケージング基板上に実装された第2のダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は半導体ダイの外側の位置に配置することができる。
【0200】
いくつかの実現例に従うと、例6は、RF信号を処理するように構成されたトランシーバを含むワイヤレスデバイスに関する。ワイヤレスデバイスはさらに、増幅されたRF信号の送信を促進するように構成されてトランシーバと通信するアンテナを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、トランシーバに接続されたパワーアンプであって、増幅されたRF信号を生成するように構成されたパワーアンプを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、アンテナおよびパワーアンプに接続されたスイッチであって、増幅されたRF信号をアンテナに選択的にルーティングするように構成されたスイッチを含む。スイッチは少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む。スイッチはさらに、各々のFETのボディとゲートとの間に配置されたカップリング回路を含む。カップリング回路は、ボディからの界面電荷の放出を可能にするように構成される。
【0201】
例7の説明
多くの高周波(RF)応用例においては、低挿入損失および高絶縁値を有するスイッチを利用することが望ましい。このようなスイッチの線形性が高いものであることも望ましい。この明細書中に記載されるように、このような有利な性能特徴はRFスイッチの信頼性を著しく低下させることなく実現することができる。
【0202】
図21は、第1のノード144と第2のノード146との間にスイッチング機能をもたらすように構成されたSOI FET 120を有する例示的なスイッチ回路380を示す。たとえばゲートを浮動させるために、ゲート抵抗器Rgを介してFET 120のゲートにバイアスをかけることができる。FET 120のボディは、抵抗器384(抵抗R)によってゲートに抵抗結合されるように図示されており、このような結合は(M2として示される)第2のFET 382によってオンまたはオフにすることができる。M2の動作は、ゲート抵抗器Rg2を介してM2に与えられるゲートバイアス電圧によって制御することができる。
【0203】
(M1として示される)FET 120がオンである場合に、スイッチ回路380はオンとなり、M2はオフにすることができる。このような構成では、M1のボディを浮動させることによってスイッチ回路380の挿入損失を最小限にするかまたは低減させることができる。M1がオフである場合、スイッチ回路380はオフとなり、M2はオンにすることができる。このような構成により、同じノード(たとえばゲートノード「G」)からM1のボディ
とゲート両方に対してDC電圧を供給することができる。このような構成により、寄生接合ダイオードがオンになるのを防ぐかまたは抑制することができ、大きな電圧振幅を伴う歪みを減らすことができる。いくつかの実施形態においては、このような構成により、M1のボディに余分なバイアス/制御がもたらされるのを排除することができる。
【0204】
図22は、
図21を参照して説明された複数のスイッチ回路380を有するスイッチアーム390を示す。例示的な構成390においては、N個のこのようなスイッチ回路は、端子144と端子146との間にスイッチング機能をもたらすように直列に接続されるように図示されている。数Nは、電力処理要件に基づいて選択することができる。たとえば、Nを大きくすることによって、より高い電力を処理することができる。
【0205】
いくつかの実施形態においては、複数のFET 120のためのゲートバイアス電圧(Vg)は実質的に同じであってもよく、共通のゲートバイアス回路によって与えることができる。このような共通のゲートバイアス電圧Vgは、ゲート抵抗器Rgを介してゲートに与えられるように図示されている。いくつかの実施形態においては、FET 120のゲートのうちのいくつかまたはすべてに別個にバイアスをかけることができる。FETにわたって実質的に等しい分圧が所望されるようないくつかの状況においては、ゲートに対してこのように別個にバイアスをかけることが有利になり得る。
【0206】
図22の例示的な構成390においては、
図21を参照して説明された各FET 120のボディとゲートとの間における(M2によって)切換え可能な抵抗カップリング回路は、N個の個々のスイッチ回路380の各々のために設けることができ、FETのN個のボディとN個のゲートとの間、またはそれらのいずれかの組合せ、に共通の結合をもたらすことができる。いくつかの実施形態においては、FET 120のボディのうちのいくつかまたはすべてに別個にバイアスをかけることができる。FETにわたって実質的に等しい分圧が所望されるようないくつかの状況においては、ボディに対してこのように別個にバイアスをかけることが有利になり得る。
【0207】
いくつかの実施形態においては、
図21および
図22を参照して説明された第2のFETおよび抵抗器は、スイッチ回路380と同じダイ上で、ダイから離れた箇所で、またはそのいずれかの組合せで実現することができる。
【0208】
いくつかの実現例においては、この明細書中に記載されるように、
図21および
図22を参照して説明された上述の例示的な構成は実現するのが比較的より単純かつ容易であり得、いくつかの改善をもたらし得る。たとえば、この技術により、スイッチ回路380またはアーム390の挿入損失を最小限にするかまたは低減させることができる。別の例においては、この技術により、寄生接合ダイオードがオンになるのを防ぐかまたは抑制することができ、大きな電圧振幅を伴う歪みを減らすことができる。
【0209】
例7の概要
いくつかの実現例においては、例7は、第1のノードと第2のノードとの間に配置された少なくとも1つの第1の電界効果トランジスタ(FET)を含む高周波(RF)スイッチに関する。少なくとも1つの第1のFETの各々は、それぞれのボディおよびゲートを有する。RFスイッチはさらに、少なくとも1つの第1のFETの各FETのそれぞれのボディとゲートとを結合するカップリング回路を含む。カップリング回路は、抵抗結合モードとボディ浮動モードとの間で切換え可能となるように構成される。
【0210】
いくつかの実施形態においては、第1のFETはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)FETであってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路はカップリングスイッチと直列な抵抗を含み得る。カップリングスイッチは第2のFETを含み得る。ボディ浮動モードにするために、第1のFETがオンである場合に第2のFETをオフにすることができる。抵抗結合モードにするために、第1のFETがオフである場合に第2のFETをオンにすることができる。
【0211】
いくつかの実施形態においては、RFスイッチはさらに、ゲートに接続されたゲートバイアス抵抗器を含み得る。いくつかの実施形態においては、第1のノードは、電力値を有するRF信号を受信するように構成することができ、第2のノードは、第1のFETがオン状態である場合にRF信号を出力するように構成される。少なくとも1つの第1のFETは、直列に接続されたN個のFETを含んでもよく、数量Nは、スイッチ回路がRF信号の電力を処理することを可能にするように選択され得る。
【0212】
いくつかの実現例に従うと、例7は高周波(RF)スイッチを動作させるための方法に関する。当該方法は、第1のノードと第2のノードとの間に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を、その少なくとも1つのFETの各々がオン状態またはオフ状態となるように制御するステップを含む。当該方法はさらに、各FETがオンである場合のボディ浮動モードと、各FETがオフである場合の抵抗結合モードとを切換えるステップを含む。
【0213】
いくつかの実現例においては、例7は、半導体基板と、半導体基板上に形成された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)とを含む半導体ダイに関する。ダイはさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのボディとゲートとを結合するカップリング回路を含む。カップリング回路は、抵抗結合モードとボディ浮動モードとの間で切換え可能に構成される。
【0214】
いくつかの実施形態においては、ダイはさらに、FETと半導体基板との間に配置された絶縁体層を含んでもよい。いくつかの実施形態においては、ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。
【0215】
いくつかの実現例に従うと、例7は半導体ダイを作製するための方法に関する。当該方法は、半導体基板を設けるステップと、半導体基板上に少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を形成するステップとを含む。少なくとも1つのFETの各々は、それぞれのゲートおよびボディを有する。当該方法はさらに、半導体基板上にカップリング回路を形成するステップを含む。当該方法はさらに、カップリング回路を少なくとも1つのFETのそれぞれのボディおよびゲートと接続するステップを含む。カップリング回路は、抵抗結合モードとボディ浮動モードとの間で切換え可能に構成される。
【0216】
いくつかの実施形態においては、当該方法は、FETと半導体基板との間に絶縁体層を形成するステップをさらに含み得る。
【0217】
いくつかの実現例においては、例7は、複数のコンポーネントを収容するように構成されたパッケージング基板と、パッケージング基板上に実装された半導体ダイとを含む高周波(RF)スイッチモジュールに関する。ダイは、少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を有する。スイッチモジュールはさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのボディとゲートとを結合するカップリング回路を含む。カップリング回路は、抵抗結合モードとボディ浮動モードとの間で切換え可能に構成される。
【0218】
いくつかの実施形態においては、半導体ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、少なくとも1つのFETと同じ半導体ダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、パッケージング基板上に実装された第2のダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は半導体ダイの外側の位置に配置することができる。
【0219】
いくつかの実現例に従うと、例7は、RF信号を処理するように構成されたトランシーバと、増幅されたRF信号の送信を促進するように構成されてトランシーバと通信するアンテナとを含むワイヤレスデバイスに関する。ワイヤレスデバイスはさらに、トランシーバに接続されたパワーアンプであって、増幅されたRF信号を生成するように構成されたパワーアンプを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、アンテナおよびパワーアンプに接続されたスイッチであって、増幅されたRF信号をアンテナに選択的にルーティングするように構成されたスイッチを含む。スイッチは、少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)と、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのボディとゲートとを結合するカップリング回路とを含む。カップリング回路は、抵抗結合モードとボディ浮動モードとの間で切換え可能に構成される。
【0220】
例8の説明
CMOS/SOI(complementary metal-oxide-semiconductor/silicon-on-insulator:相補型金属酸化膜半導体/シリコン・オン・インシュレータ)またはpHEMT(pseudomorphic high electron mobility transistor:擬似格子整合型高電子移動度トランジスタ)トランジスタを用いるいくつかの高周波スイッチは、FCC規格を満たすことができない等の悪影響をもたらす非線形の歪みを発生させる可能性がある。このような歪みを減じるためにさまざまな技術が用いられてきたが、これらの技術は概して、高調波に関連付けられる根本的な問題(たとえば、三次相互変調歪(IMD3)および二次相互変調歪(IMD2))のうちのいくつかに必ずしも対処するものではない。たとえば、(IMD3およびIMD2のうちの)どちらか一方を改善させることにより、結果として、他方を悪化させる可能性がある。
【0221】
図23Aは、第1のノード144と第2のノード146との間にスイッチング機能をもたらすように構成されたSOI FET 120を有する例示的なスイッチ回路400を示す。たとえば、ゲートを浮動させるために、ゲート抵抗器Rgを介してFET 120のゲートにバイアスをかけることができる。FET 120のボディは、ダイオード404に対して電気的に並列に配置されたキャパシタ402(キャパシタンスC)を有する回路によってゲートに結合されるように図示されている。この例においては、ダイオード404のアノードがFET 120のボディに接続され、ダイオード404のカソードがFET 120のゲートに接続される。いくつかの実施形態においては、ダイオード404はPMOSダイオードであってもよく、結果としてキャパシタ402とPMOSダイオードとが並列に組合されることにより、IMD3およびIMD2を含む高調波管理の改善を促進することができる。
【0222】
図23Bは、第1のノード144と第2のノード146との間にスイッチング機能をもたらすように構成されたSOI FET 120を有するスイッチ回路400の別の例を示す。たとえばゲートを浮動させるために、ゲート抵抗器Rgを介してFET 120のゲートにバイアスをかけることができる。FET 120のボディは、キャパシタ402(キャパシタンスC)を有する回路によってゲートに結合されるように図示されている。この例においては、キャパシタ402を用いてボディとゲートとを結合することができるが、ボディ抵抗器Rbを介して別個のボディバイアスを与えることができる。いくつかの実施形態においては、このようなボディ抵抗器がボディを浮動させ得る。
【0223】
図24Aは、
図23Aを参照して説明された複数のスイッチ回路400を有するスイッチアーム410を示す。同様に、
図24Bは、
図23Bを参照して説明された複数のスイッチ回路400を有するスイッチアーム410を示す。例示的な構成410の各々においては、N個のこのようなスイッチ回路は、端子144と端子146との間にスイッチング機能をもたらすように直列に接続されるように図示されている。数Nは電力処理要件に基づいて選択することができる。たとえば、Nを大きくすることによって、より高い電力を処理することができる。
【0224】
いくつかの実施形態においては、複数のFET 120のためのゲートバイアス電圧(Vg)は実質的に同じであってもよく、共通のゲートバイアス回路によって与えることができる。このような共通のゲートバイアス電圧Vgは、ゲート抵抗器Rgを介してゲートに与えられるように図示されている。いくつかの実施形態においては、FET 120のゲートのうちのいくつかまたはすべてに別個にバイアスをかけることができる。FETにわたって実質的に等しい分圧が所望されるようないくつかの状況においては、ゲートに対してこのように別個にバイアスをかけることが有利になり得る。
【0225】
図24Aおよび
図24Bの例示的な構成410においては、それぞれ、
図23Aおよび23Bを参照して説明された各FET 120のボディとゲートとの間のカップリング回路はN個の個々のスイッチ回路400の各々のために設けることができる。いくつかの実施形態においては、FETのN個のボディのうち少なくともいくつかとN個のゲートのうち少なくともいくつかとの間に共通の結合を実現することもできる。
【0226】
いくつかの実施形態においては、
図23および
図24を参照して説明されたキャパシタおよびダイオードは、スイッチ回路400と同じダイ上で、ダイから離れた箇所で、またはそのいずれかの組合せで実現することができる。
【0227】
いくつかの実現例においては、この明細書中に記載されるように、
図23および
図24を参照して説明された上述の例示的な構成は実現するのが比較的より単純かつ容易であり得、いくつかの改善をもたらし得る。たとえば、
図23Aおよび
図24Aの構成は余分な外部バイアスネットワーク無しでも実現することができる。別の例においては、この技術は、IMD3性能を実質的に維持しつつもIMD2性能を改善させることができる。いくつかの実現例においては、抵抗(たとえば抵抗器)は、各々のFETのソースとドレインとの間に設けることができる。このような構成は、積層して配置されたFETにわたる分圧を安定させる助けになり得る。
【0228】
図25A〜
図25Dは、
図23および
図24を参照して説明されたRFスイッチ構成によって与えることができる有利な特徴のうちのいくつかを表わすシミュレーション結果の例を示す。
図25Aは、3つの例示的なスイッチ構成に関するシミュレートされたIMD2対位相シフトのプロットを示す。プロット412aは、キャパシタ無しの標準的なスイッチのIMD2に関するものである。プロット412bは、キャパシタ(
図23Aにおける402)を備えた標準的なスイッチのIMD2に関するものである。プロット412cは、キャパシタ(
図23Aにおける402)を備えた「TR」(「Trap Rich(トラップリッチ)」構成)スイッチのIMD2に関するものである。キャパシタを備えた2つのスイッチ構成(412b、412c)は、位相シフト範囲全体にわたってキャパシタ無しの構成(412a)の場合よりも著しく改善されたIMD2値を有するように図示されている。
【0229】
図25Aは、上述の3つの例示的なスイッチ構成に関するシミュレートされたIMD3対位相シフトのプロットをさらに示す。プロット414aは、キャパシタ無しの標準的なスイッチのIMD3に関するものである。プロット412bは、キャパシタ(
図23Aにおける402)を備えた標準的なスイッチのIMD3に関するものである。プロット412cは、キャパシタ(
図23Aにおける402)を備えた「TR」(「トラップリッチ」構成)スイッチのIMD3に関するものである。3例の各々に関して、IMD3の性能が概ね維持されることが分かる。このため、キャパシタ402を追加することによってもたらされるIMD3の劣化は、IMD2の著しい改善に比べてわずかなものとなる。
【0230】
図25B〜
図25Dは、シミュレートされた高調波歪み対dBmでの入力電力(P_in)のプロットを示す。
図25Bは、標準的なダイオードボディバイアス(「w/oキャップ」)を有しダイオード・並列キャパシタ構成(「w/キャップ」)を備えた例示的なSP8Tスイッチについての第2および第3の高調波およびゲインを合成したものである。
図25Cは、上述のダイオード・並列キャパシタ構成についてのプロットを示す。
図25Dは、上述のダイオード専用構成についてのプロットを示す。32dBmのP_inにおけるさまざまなグラフマーカーを見ると、第2の高調波が、「w/oキャップ」の場合には約−34.5dBmの値を有し、「w/キャップ」の場合には約−48.4dBmの値を有することが分かる。第3の高調波に関して、「w/oキャップ」の場合、約−50.7dBmの値を有し、「w/キャップ」の場合、約−51.8dBmの値を有する。ゲインを比較すると、「w/oキャップ」の場合、約0.536dBの値を有し、「w/キャップ」の場合、約0.606dBの値を有することにも留意されたい。上述の例に基づき、キャパシタを追加することによって、第2の高調波性能が約14dBだけ改善されており、この場合、第3の高調波に対する影響は比較的小さく、かつ、ハイバンド挿入損失に対する影響は予想される程度(約0.07dB)となることが分かる。
【0231】
例8の概要
いくつかの実現例においては、例8は、第1のノードと第2のノードとの間に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む高周波(RF)スイッチに関する。少なくとも1つのFETの各々は、それぞれのボディおよびゲートを有する。RFスイッチはさらに、各FETのそれぞれのボディとゲートとを結合するカップリング回路を含む。カップリング回路はダイオードと電気的に並列なキャパシタを含む。
【0232】
いくつかの実施形態においては、FETはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)FETであってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、三次相互変調歪(IMD3)性能を著しく低下させることなく、二次相互変調歪(IMD2)性能を改善させるように構成することができる。いくつかの実施形態においては、ダイオードはPMOSダイオードを含み得る。ダイオードのアノードはボディに接続することができ、ダイオードのカソードはゲートに接続することができる。
【0233】
いくつかの実施形態においては、RFスイッチはさらに、ゲートに接続されたゲートバイアス抵抗器を含み得る。いくつかの実施形態においては、第1のノードは、電力値を有するRF信号を受信するように構成することができ、第2のノードは、FETがオン状態である場合にRF信号を出力するように構成することができる。少なくとも1つのFETは、直列に接続されたN個のFETを含み得る。数量Nは、スイッチ回路がRF信号の電力を処理することを可能にするように選択され得る。
【0234】
いくつかの実現例に従うと、例8は高周波(RF)スイッチを動作させるための方法に関する。当該方法は、第1のノードと第2のノードとの間に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を、その少なくとも1つのFETの各々がオン状態またはオフ状態となるように制御するステップを含む。当該方法はさらに、キャパシタとダイオードとを並列に組合わせることによって少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのボディとゲートとを結合するステップを含む。
【0235】
いくつかの実現例に従うと、例8は、半導体基板と、半導体基板上に形成された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)とを含む半導体ダイに関する。ダイはさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのボディとゲートとを結合するカップリング回路を含む。カップリング回路はダイオードと電気的に並列なキャパシタを含む。
【0236】
いくつかの実施形態においては、ダイはさらに、FETと半導体基板との間に配置された絶縁体層を含む。ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。
【0237】
いくつかの実現例においては、例8は半導体ダイを作製するための方法に関する。当該方法は、半導体基板を設けるステップと、半導体基板上に少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を形成するステップとを含み、少なくとも1つのFETの各々は、それぞれのゲートおよびボディを有する。当該方法はさらに、各FETのそれぞれのボディとゲートとの間にあるカップリング回路を半導体基板上に形成するステップを含む。カップリング回路はダイオードと電気的に並列なキャパシタを含む。
【0238】
いくつかの実施形態においては、当該方法はさらに、FETと半導体基板との間に絶縁体層を形成するステップを含み得る。
【0239】
いくつかの実現例においては、例8は、複数のコンポーネントを収容するように構成されたパッケージング基板を含む高周波(RF)スイッチモジュールに関する。モジュールは、パッケージング基板上に実装された半導体ダイをさらに含み、ダイは少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を有する。モジュールはさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのボディとゲートとを結合するカップリング回路を含む。カップリング回路はダイオードと電気的に並列なキャパシタを含む。
【0240】
いくつかの実施形態においては、半導体ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、少なくとも1つのFETと同じ半導体ダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、パッケージング基板上に実装された第2のダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は半導体ダイの外側の位置に配置することができる。
【0241】
いくつかの実現例に従うと、例8は、RF信号を処理するように構成されたトランシーバを含むワイヤレスデバイスに関する。ワイヤレスデバイスはさらに、増幅されたRF信号の送信を促進するように構成されてトランシーバと通信するアンテナを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、トランシーバに接続されたパワーアンプであって、増幅されたRF信号を生成するように構成されたパワーアンプを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、アンテナおよびパワーアンプに接続されたスイッチであって、増幅されたRF信号をアンテナに選択的にルーティングするように構成されたスイッチを含む。スイッチは少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む。スイッチはさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのボディとゲートとを結合するカップリング回路を含む。カップリング回路はダイオードと電気的に並列なキャパシタを含む。
【0242】
いくつかの実現例においては、例8は、第1のノードと第2のノードとの間に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む高周波(RF)スイッチに関する。少なくとも1つのFETの各々は、それぞれのボディおよびゲートを有する。RFスイッチはさらに、各FETのそれぞれのボディとゲートとを結合するカップリング回路を含む。カップリング回路はキャパシタを含む。
【0243】
いくつかの実施形態においては、FETはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)FETであってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、三次相互変調歪(IMD3)性能をさほど低下させることなく、二次相互変調歪(IMD2)性能を改善させるように構成することができる。
【0244】
いくつかの実施形態においては、RFスイッチはさらに、ゲートに接続されたゲートバイアス抵抗器を含んでもよい。いくつかの実施形態においては、第1のノードは、電力値を有するRF信号を受信するように構成することができ、第2のノードは、FETがオン状態である場合にRF信号を出力するように構成することができる。少なくとも1つのFETは、直列に接続されたN個のFETを含み得る。数量Nは、スイッチ回路がRF信号の電力を処理することを可能にするように選択され得る。
【0245】
例9の説明
高周波(RF)スイッチが低挿入損失、高絶縁および非常に高い線形性を有することが極めて望ましい。これらの性能パラメータは、通常、互いに競合し合う可能性がある。いくつかの状況においては、これらの競合し合うパラメータは、FETのボディのためにゲートバイアス抵抗器およびバイアス電圧を調整することによって動的に調整することができる。
【0246】
いくつかの状況においては、上述の課題は高値のゲート抵抗器で対処することができる。しかしながら、FETがオフ状態である場合、および信号を接地に短絡させる必要がある場合、このような高値ゲート抵抗が一定であることが問題になる可能性がある。また、いくつかの状況においては、ボディバイアスは、FETがオン状態である場合にボディを浮動させるために加えられ、オフ状態であれば接地されて、挿入損失、絶縁および線形性を改善させることができる。
【0247】
図26は、第1のノード144と第2のノード146との間にスイッチング機能をもたらすように構成されたSOI FET 120(M1とも示される)を有する例示的なスイッチ回路500を示す。FET 120のゲートには、以下に記載されるように、第2のFET 502(M2とも示される)によって切換え可能な態様で抵抗器R1を通じてVctrlでバイアスをかけることができる。FET 120のボディは、以下に同様に記載されるように、第3のFET 506(M3とも示される)によって切換え可能な態様で接地に抵抗結合されるように図示されている。M2の動作は、そのゲート抵抗器R2を介してM2に与えられるそのゲートバイアス電圧V_ctrl_compによって制御することができる。M3の動作は、ゲート抵抗器無しで、M3に与えられる同じゲートバイアス電圧Vctrl_compによって制御することができる。
【0248】
スイッチ回路500がオンである場合、M1はオンであり、M2およびM3の各々はオフにされ得る。このような構成により、ボディを浮動させて高インピーダンスをM1のゲートに与えることにより(たとえばオフである場合にM2を高値抵抗器のように動作させることにより)、挿入損失を最小限にするかまたは低減させることができる。
【0249】
スイッチ回路500がオフである場合、M1はオフであり、M2およびM3の各々はオンにされ得る。このような構成により、M1のボディに接地バイアスを与え、M1のゲートにRF接地を与えることができ、これにより、寄生接合ダイオードの影響が現われるのを防ぐかまたは抑制し、かつ、大きな電圧振幅に関連付けられる歪みを減らすことができる。M1がオフである場合、M1のゲートのRF短絡によっても絶縁性能を改善させることができる。
【0250】
図27は、
図26を参照して説明された複数のスイッチ回路500を有するスイッチアーム510を示す。例示的な構成510においては、N個のこのようなスイッチ回路は、端子144と端子146との間にスイッチング機能をもたらすように直列に接続されるように図示されている。数Nは電力処理要件に基づいて選択することができる。たとえば、Nを大きくすることによって、より高い電力を処理することができる。
【0251】
いくつかの実施形態においては、
図26を参照して説明されたR1、R2、R3、M2およびM3のうちのいくつかまたはすべてを含む回路は、N個の個々のスイッチ回路500の各々のために設けることができ、N個のスイッチ回路500のすべてに対して共通回路として設けることができるか、またはそのいずれかの組合せで設けることができる。
【0252】
いくつかの実施形態においては、
図26および
図27を参照して説明されたR1、R2、R3、M2およびM3は、スイッチ回路500と同じダイ上で、ダイから離れた箇所で、またはそのいずれかの組合せで実現することができる。
【0253】
いくつかの実現例においては、この明細書中に記載されるように、
図26および
図27を参照して説明された上述の例示的な構成は実現するのが比較的より単純かつ容易であり得、いくつかの改善をもたらし得る。たとえば、この技術により、スイッチ回路500またはアーム510がオンである場合に挿入損失を最小限にするかまたは低減させることができ、スイッチ回路500またはアーム510がオフである場合に、寄生接合ダイオード影響の低減、大きな電圧振幅を伴う歪みの抑制および絶縁性能の改善などの所望の特徴を与えることができる。
【0254】
例9の概要
いくつかの実現例に従うと、例9は、第1のノードと第2のノードとの間に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む高周波(RF)スイッチに関する。少なくとも1つのFETの各々は、それぞれのゲートおよびボディを有する。RFスイッチはさらに、それぞれのゲートに接続された切換え可能な抵抗カップリング回路と、少なくとも1つのFETの対応するボディに接続された切換え可能な抵抗接地回路とを含む。
【0255】
いくつかの実施形態においては、FETはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)FETであってもよい。いくつかの実施形態においては、切換え可能な抵抗カップリング回路は、第1のカップリングスイッチと直列なバイアス抵抗器を含み得る。切換え可能な抵抗接地回路は、第2のカップリングスイッチと直列なボディ抵抗器を含み得る。FETがオンである場合に第1および第2のカップリングスイッチの各々をオフにすることができ、これにより、ボディおよびゲートを浮動させることによって挿入損失を低減させることができる。FETがオフである場合に第1および第2のカップリングスイッチの各々をオンにすることができ、これにより、ボディに接地バイアスを与え、ゲートにRF接地を与えることにより、RFスイッチの絶縁性能を改善させることができる。
【0256】
いくつかの実施形態においては、第1のノードは、電力値を有するRF信号を受信するように構成することができ、第2のノードは、FETがオン状態である場合にRF信号を出力するように構成することができる。少なくとも1つのFETは、直列に接続されたN個のFETを含み得る。数量Nは、スイッチ回路がRF信号の電力を処理することを可能にするように選択され得る。
【0257】
いくつかの実現例においては、例9は高周波(RF)スイッチを動作させるための方法に関する。当該方法は、第1のノードと第2のノードとの間に配置された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を、その少なくとも1つのFETの各々がオン状態またはオフ状態となるように制御するステップを含む。当該方法はさらに、各FETがオン状態である場合に少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのゲートおよびボディを浮動させるステップを含む。当該方法はさらに、各FETがオフ状態である場合に、それぞれのボディに接地バイアスを与え、それぞれのゲートにRF接地を与えるステップを含む。
【0258】
いくつかの実現例においては、例9は、半導体基板と、半導体基板上に形成された少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)とを含む半導体ダイに関する。ダイはさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのゲートに接続された切換え可能な抵抗回路を有するカップリング回路を含む。カップリング回路はさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのボディに接続された切換え可能な抵抗接地回路を含む。
【0259】
いくつかの実施形態においては、ダイはさらに、FETと半導体基板との間に配置された絶縁体層を含んでもよい。ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。
【0260】
いくつかの実現例に従うと、例9は半導体ダイを作製するための方法に関する。当該方法は半導体基板を設けるステップを含む。当該方法はさらに、半導体基板上に少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を形成するステップを含む。少なくとも1つのFETの各々は、それぞれのゲートおよびボディを有する。当該方法はさらに、少なくとも1つのFETのそれぞれのゲートに接続される切換え可能な抵抗カップリング回路を半導体基板上に形成するステップを含む。当該方法はさらに、少なくとも1つのFETのそれぞれのボディに接続される切換え可能な抵抗接地回路を半導体基板上に形成するステップを含む。
【0261】
いくつかの実施形態においては、当該方法は、FETと半導体基板との間に絶縁体層を形成するステップをさらに含み得る。
【0262】
いくつかの実現例においては、例9は、複数のコンポーネントを収容するように構成されたパッケージング基板を含む高周波(RF)スイッチモジュールに関する。モジュールはパッケージング基板上に実装された半導体ダイをさらに含み、ダイは少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を有する。モジュールはさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのゲートに接続された切換え可能な抵抗回路を有するカップリング回路を含む。カップリング回路はさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのボディに接続された切換え可能な抵抗接地回路を含む。
【0263】
いくつかの実施形態においては、半導体ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、少なくとも1つのFETと同じ半導体ダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は、パッケージング基板上に実装された第2のダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、カップリング回路は半導体ダイの外側の位置に配置することができる。
【0264】
いくつかの実現例においては、例9は、RF信号を処理するように構成されたトランシーバを含むワイヤレスデバイスに関する。ワイヤレスデバイスはさらに、増幅されたRF信号の送信を促進するように構成されてトランシーバと通信するアンテナを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、トランシーバに接続されたパワーアンプであって、増幅されたRF信号を生成するように構成されたパワーアンプを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、アンテナおよびパワーアンプに接続されたスイッチであって、増幅されたRF信号をアンテナに選択的にルーティングするように構成されたスイッチを含む。スイッチは少なくとも1つの電界効果トランジスタ(FET)を含む。スイッチはさらに、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのゲートに接続された切換え可能な抵抗回路と、少なくとも1つのFETの各FETのそれぞれのボディに接続された切換え可能な抵抗接地回路とを有するカップリング回路を含む。
【0265】
例10の説明
多くの高周波(RF)送信応用例においては、スイッチ設計は、典型的には、特に不整合がある場合には、高出力動作能力を必要とする。たとえば、アンテナ調整のために用いられるスイッチは、+35dBmの入力電力下では20:1ほどの高い不整合に耐えると予想される。また、GSMなどのワイヤレスシステムにおいて利用されるいくつかのスイッチは、+35dBmの入力電力では5:1の不整合に耐えると予想される。不整合の状態で高電力に耐えるためには、一般に、スタック高がより高い電界効果トランジスタ(FET)が用いられる。しかしながら、FETスタックにわたる電圧分布が不均等であれば、高調波ピーキング、圧縮点の低下および/またはSOIベースのスイッチの相互変調歪(IMD)をもたらす可能性がある。
【0266】
図28は、第1のノード144と第2のノード146との間でRF信号を切換えるように構成されたFETスタック520の例示的な構成を示す。第1のノード144および第2のノード146は、たとえば、それぞれRF入力およびRF出力であってもよい。
【0267】
いくつかの実現例においては、スタック520は、ノード144とノード146との間に直列に接続された(M1、M2、…、MNと示される)N個のSOI FETを含んでもよい。数Nは電力処理要件に基づいて選択することができる。たとえば、Nを大きくすることによって、より高い電力を処理することができる。
【0268】
例示的なスタック構成520においては、FETの各ゲートは、ゲート抵抗器Rgを介してバイアスがかけられるように図示されている。N個のFETに対応するN個のこのようなゲート抵抗器は、共通のゲートバイアス電圧源「G」に接続されるように図示されている。
【0269】
例示的なスタック構成520においては、FETの各ボディは、ボディ抵抗器Rbを介してバイアスがかけられるように図示されている。N個のFETに対応するN個のこのようなボディ抵抗器は、共通のボディバイアス電圧源「B」に接続されるように図示されている。
【0270】
いくつかの実現例においては、FETのゲートのうちのいくつかまたはすべては、スタック520における各FETにわたる電圧分布を改善させるように電圧補償することができる。電圧分布をこのように改善させることにより、結果として、圧縮点、高調波および/またはIMD性能を改善させることできる。
【0271】
図28に示される例においては、ゲートの上述の電圧補償は、FETのゲートを容量性素子Cgg(たとえばキャパシタ)と結合することによって達成することができる。たとえば、Cgg1は、M1のゲートとM2のゲートとを結合し、Cgg2は、M2のゲートとM3のゲートとを結合する、等であり、Cgg(N−2)はM(N−2)のゲートとM(N−1)のゲートとを結合し、Cgg(N−1)はM(N−1)のゲートとMNのゲートとを結合する。
【0272】
いくつかの実施形態においては、結合容量性素子Cggは実質的に同じ値を有し得る。いくつかの実施形態においては、容量性素子Cggは、Cgg1、Cgg2、Cgg3などについてさまざまな値でスタック520内においてスケーリングおよび/または最適化され得る。所望の結果を得るためにCgg値をこのようにスケーリングする例が、
図31を参照してより詳細に説明される。
【0273】
いくつかの実施形態においては、端のFET(たとえばM1)のソース/ドレインとゲートとを結合するために、フィードフォワードキャパシタCfwdを設けてもよい。いくつかの実施形態においては、フィードフォワードキャパシタCfwdは、FETスタック内において端以外のFETのソース/ドレインとゲートとを結合することができる。フィードフォワードキャパシタCfwdは、ノード144とノード146との間のRF信号経路がFETのゲートのうち少なくとも1つに結合されることを確実にし得る。
【0274】
図29は、いくつかの実現例において、抵抗素子Rgg(たとえば抵抗器)とFETのゲートを結合することによってゲートの電圧補償が実現可能であることを示す。たとえば、Rgg1は、M1のゲートとM2のゲートとを結合し、Rgg2は、M2のゲートとM3のゲートとを結合する、等であり、Rgg(N−2)はM(N−2)のゲートとM(N−1)のゲートとを結合し、Rgg(N−1)はM(N−1)のゲートとMNのゲートとを結合する。
図29の例においては、FET(たとえばM1)のソース/ドレインとゲートとの間におけるフィードフォワード結合が抵抗器Rfwdと直列なキャパシタCfwdを含むように図示されている。
【0275】
いくつかの実施形態においては、結合抵抗素子Cggは実質的に同じ値を有し得る。いくつかの実施形態においては、抵抗素子Rggは、所望の結果を達成するように選択されるさまざまな値を有し得る。
【0276】
図30は、いくつかの実現例において、容量性素子Cgg(たとえばキャパシタ)および抵抗素子Rgg(たとえば抵抗器)とFETのゲートを結合することによって、ゲートの電圧補償を達成することができることを示す。たとえば、直列なCgg1およびRgg1は、M1のゲートとM2のゲートとを結合し、直列なCgg2およびRgg2は、M2のゲートとM3のゲートとを結合する、等であり、直列なCgg(N−2)およびRgg(N−2)はM(N−2)のゲートとM(N−1)のゲートとを結合し、直列なCgg(N−1)およびRgg(N−1)はM(N−1)のゲートとMNのゲートとを結合する。
図30の例においては、FET(たとえばM1)のソース/ドレインとゲートとの間のフィードフォワード結合が抵抗器Rfwdと直列なキャパシタCfwdを含むように図示されている。
【0277】
いくつかの実施形態においては、結合容量性素子Cggは実質的に同じ値を有し得る。いくつかの実施形態においては、容量性素子Cggは、所望の結果を達成するように選択されるさまざまな値を有し得る。同様に、結合抵抗素子Rggは実質的に同じ値を有し得るか、または所望の結果を達成するように選択されたさまざまな値を有し得る。
【0278】
図31は、16個のFETを有する例示的なスタックにおけるFETの各々にわたる電圧振幅のプロットを示す。「ベースライン」構成は、ゲートが電圧補償されない場合のスタックに対応する。「ゲート補償」構成は、
図28を参照して説明されるように、ゲートが電圧補償される場合のスタックに対応する。
図31に示されるプロットに関して、Cggの値はCgg1>Cgg2>Cgg3>…>CggNとなるように選択されている。このような構成に関連付けられる電圧振幅は、ベースラインの場合よりも著しく小さくなるように図示されている。
【0279】
いくつかの実施形態においては、
図28および
図30を参照して説明された容量性素子Cggは、FET(M1、M2など)と同じダイ上で、ダイから離れた箇所で、またはそのいずれかの組合せで実現することができる。容量性素子Cggのこのようなオンダイおよび/またはオフダイの実現例は、たとえば、MIMキャパシタおよび/または容量性金属トレースを含み得る。
【0280】
いくつかの実施形態においては、
図29および
図30を参照して説明された抵抗素子Rggは、FET(M1、M2など)と同じダイ上で、ダイから離れた箇所で、またはそのいずれかの組合せで実現することができる。
【0281】
いくつかの実現例においては、この明細書中に記載されるように、
図28〜
図31を参照して説明された上述の例示的な構成は、実現するのが比較的より単純かつ容易であり得、いくつかの改善をもたらし得る。たとえば、この技術により、スイッチスタックにおける各々のFETにわたる電圧振幅の変動を小さくすることができる。このような特徴により、高調波およびIMD性能の改善とともに、圧縮点の改善などの他の所望の特徴を与えることができる。
【0282】
いくつかの実現例においては、ゲート間補償に関するさまざまな例示的な構成を、所与のスタックにおけるFETのうち1つ以上のFETの性能を改善させることのできる1つ以上の特徴と組合わせてもよい。
【0283】
例10の概要
いくつかの実現例においては、例10は、第1のノードと第2のノードとの間に直列に接続された複数の電界効果トランジスタ(FET)を含む高周波(RF)スイッチに関する。各FETはゲートを有する。RFスイッチはさらに、隣接するFETからなる対の各々のゲート同士を結合するカップリング回路を有する補償ネットワークを含む。
【0284】
いくつかの実施形態においては、FETのうち少なくともいくつかはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)FETであってもよい。いくつかの実施形態においては、補償ネットワークは、複数のFETの各々にわたる電圧振幅を低減させるように構成することができる。いくつかの実施形態においては、スイッチはさらに、端のFETのゲートに端のFETのソースを結合するフィードフォワード回路を含み得る。フィードフォワード回路はキャパシタを含み得る。フィードフォワード回路はさらに、キャパシタと直列な抵抗器を含み得る。
【0285】
いくつかの実施形態においては、カップリング回路はキャパシタを含み得る。複数のキャパシタが有する容量値は、FETが第1のノードから第2のノードにまで横断するのに応じて連続的に小さくなり得る。カップリング回路はさらに、キャパシタと直列な抵抗器を含み得る。
【0286】
いくつかの実施形態においては、カップリング回路は抵抗器を含み得る。いくつかの実施形態においては、スイッチはさらに、FETのゲートに接続されてFETのゲートにバイアス信号を供給するように構成されたゲートバイアスネットワークを含み得る。ゲートバイアスネットワークは、すべてのゲートが共通のバイアス信号を受信するように構成することができる。
【0287】
いくつかの実施形態においては、スイッチはさらに、FETのボディに接続されてFETのボディにバイアス信号を供給するように構成されたボディバイアスネットワークを含み得る。ボディバイアスネットワークは、すべてのボディが共通のバイアス信号を受信するように構成することができる。
【0288】
いくつかの実施形態においては、第1のノードは、電力値を有するRF信号を受信するように構成することができ、第2のノードは、FETがオン状態である場合にRF信号を出力するように構成することができる。少なくとも1つのFETは、直列に接続されたN個のFETを含み得る。数量Nは、スイッチ回路がRF信号の電力を処理することを可能にするように選択され得る。
【0289】
いくつかの実現例に従うと、例10は高周波(RF)スイッチを動作させるための方法に関する。当該方法は、第1のノードと第2のノードとの間に直列に接続された複数の電界効果トランジスタ(FET)を、これらFETがまとめてオン状態またはオフ状態になるように制御するステップを含む。各々のFETはゲートを有する。当該方法はさらに、複数のFETの各々にわたる電圧振幅を低減させるように、隣接するFETの各々のゲート同士を結合するステップを含む。
【0290】
いくつかの実現例に従うと、例10は、半導体基板と、半導体基板上に形成されて直列に接続される複数の電界効果トランジスタ(FET)とを含む半導体ダイに関する。各々のFETはゲートを有する。ダイはさらに、半導体基板上に形成された補償ネットワークを含み、補償ネットワークは、隣接するFETからなる対の各々のゲート同士を結合するカップリング回路を含む。
【0291】
いくつかの実施形態においては、ダイはさらに、FETと半導体基板との間に配置された絶縁体層を含み得る。ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。
【0292】
いくつかの実現例においては、例10は、半導体ダイを作製するための方法に関する。当該方法は、半導体基板を設けるステップと、複数の電界効果トランジスタ(FET)を半導体基板上に直列に接続されるように形成するステップとを含む。各々のFETはゲートを有する。当該方法はさらに、隣接するFETからなる対の各々のゲート同士を結合するように半導体基板上にカップリング回路を形成するステップを含む。
【0293】
いくつかの実施形態においては、当該方法はさらに、FETと半導体基板との間に絶縁体層を形成するステップを含み得る。
【0294】
いくつかの実現例においては、例10は、複数のコンポーネントを収容するように構成されたパッケージング基板を含む高周波(RF)スイッチモジュールに関する。モジュールはさらに、パッケージング基板上に実装された半導体ダイを含む。ダイは、直列に接続された複数の電界効果トランジスタ(FET)を含む。各々のFETはゲートを有する。モジュールはさらに、隣接するFETからなる対の各々のゲート同士を結合するカップリング回路を有する補償ネットワークを含む。
【0295】
いくつかの実施形態においては、半導体ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。いくつかの実施形態においては、補償ネットワークは、少なくとも1つのFETと同じ半導体ダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、補償ネットワークは、パッケージング基板上に実装された第2のダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、補償ネットワークは半導体ダイの外側の位置に配置することができる。
【0296】
いくつかの実現例に従うと、例10は、RF信号を処理するように構成されたトランシーバを含むワイヤレスデバイスに関する。ワイヤレスデバイスはさらに、増幅されたRF信号の送信を促進するように構成されてトランシーバと通信するアンテナを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、トランシーバに接続されたパワーアンプであって、増幅されたRF信号を生成するように構成されたパワーアンプを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、アンテナおよびパワーアンプに接続されたスイッチであって、増幅されたRF信号をアンテナに選択的にルーティングするように構成されたスイッチを含む。スイッチは、直列に接続された複数の電界効果トランジスタ(FET)を含む。各々のFETはゲートを有する。スイッチはさらに、隣接するFETからなる対の各々のゲート同士を結合するカップリング回路を有する補償ネットワークを含む。
【0297】
例11の説明
相互変調歪(IMD)は、他のRF信号からの積を混合することにより所望の信号に加えられた不要な信号の基準となる。このような影響は、マルチモード・マルチバンド環境において特に顕著になる可能性がある。IMDを発生させる可能性のある2つ以上の信号は、混合されると高調波周波数ではない周波数を発生させ得る。
【0298】
システム設計者は、典型的には、たとえば線形性を改善させることによって干渉感受性を低下させようとしている。所与のシステムの線形性は、どれくらいのIMDがその範囲内で発生して干渉をもたらし得るかを管理することができる。RFスイッチなどのシステム構築ブロックの線形性を改善させることにより、干渉に対するシステムの全体的な感受性を低下させることができる。
【0299】
RFスイッチにおける低IMDなどの性能特徴はワイヤレスデバイス設計における重要なファクタになり得る。たとえば、ロング・ターム・エボリューション(LTE)システムは、IMDを低下させたRFスイッチからかなりの恩恵を受けることができる。より具体的な例として、LTE上での同時音声/データ通信サービス(SVLTE)のためのシステム設計は、極低レベルのIMDを有するRFスイッチから有意に恩恵を受けることができる。
【0300】
図32は、単極双投(SPDT)応用例の例示的な文脈におけるスイッチング構成250を示す。単極は、アンテナ252に接続されるように図示されている。双投のうちの一方は、スイッチ回路Sを介して受信(Rx)ポートに結合されるように図示されている。Rxポートはシャントスイッチ回路を介して接地に結合することができる。
【0301】
同様に、他方の投は、スイッチ回路Sを介して送信(Tx)ポートに結合されるように図示されている。Txポートはシャントスイッチ回路を介して接地に結合することができる。
【0302】
いくつかの実施形態においては、スイッチ回路(「S」および「シャント」)の各々はSOI FETなどの1つ以上のFETを含み得る。単一のFETは、この明細書中においては、参照番号120または122と称されることもあり、このようなFETのスタックは、この明細書中においては、参照番号140または142と称されることもある。いくつかの実施形態においては、「S」および「シャント」スイッチは、さまざまな有利な機能を与えるために、この明細書中において記載される1つ以上の特徴を含んでもよい。
【0303】
図32のスイッチング構成は、低周波ブロッカが基本周波数と混合することを抑制するためにキャパシタを含むように図示されている。たとえば、キャパシタC1は、アンテナノードとTx投のスイッチアームSとの間に設けられる。同様に、キャパシタC2は、アンテナノードとRx投のスイッチアームSとの間に設けられる。シャントアームの場合、キャパシタC3は、Txノードとそのシャントスイッチアームとの間に設けられる。同様に、キャパシタC4は、Rxノードとそのシャントスイッチアームとの間に設けられる。いくつかの実施形態においては、シャントアームはRxノードのために設けられても設けられなくてもよい。上述のキャパシタを用いると、低周波数ジャマー信号がいずれかのオン経路またはオフ経路と混合するのを阻止または抑制することができる。これにより、特に低周波数ブロッカ信号のためにIMD性能を改善させることができる。
【0304】
図33は、上述のキャパシタのうちのいくつかが所望のスイッチング機能を提供することのできる例示的な動作構成を示す。この例においては、スイッチング構成は送信モードである。したがって、送信スイッチアームはオンであり(閉じられている)、受信スイッチアームはオフである(開かれている)。Txノードのためのシャントアームはオフである(開かれている)。
【0305】
いくつかの実施形態においては、
図32および
図33を参照して説明されたキャパシタC1〜C4は、それらのそれぞれのスイッチ回路と同じダイ上で、ダイから離れた箇所で、またはそのいずれかの組合せで実現することができる。
【0306】
いくつかの実現例においては、この明細書中に記載されるように、
図32および
図33を参照して説明された上述の例示的な構成は実現するのが比較的より単純かつ容易であり得、いくつかの改善をもたらし得る。たとえば、この技術により、低周波数ブロッカ信号が基本周波数信号と混合するのを防ぐことによって、IMD性能を改善させることができる。
【0307】
例11の概要
いくつかの実現例においては、例11は、第1のノードと第2のノードとの間に直列に接続された電界効果トランジスタ(FET)のスタックを有するスイッチを含む高周波(RF)スイッチシステムに関する。当該システムはさらに、スイッチと直列に接続されたキャパシタであって、スイッチにおいて低周波数ブロッカ信号が基本周波数信号と混合することを抑制するように構成されたキャパシタを含む。
【0308】
いくつかの実施形態においては、FETはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)FETであってもよい。いくつかの実施形態においては、第1のノードはアンテナノードであってもよい。キャパシタは、スイッチとアンテナノードとの間に配置することができる。スイッチは、スイッチの第2のノードが増幅されたRF信号のための入力ノードとなるように、送信経路の一部であってもよい。スイッチは、スイッチの第2のノードがアンテナから受信されたRF信号のための出力ノードとなるように、受信経路の一部であってもよい。
【0309】
いくつかの実現例に従うと、例11は、半導体基板と、半導体基板上に形成されたスイッチとを有する半導体ダイに関する。当該スイッチは、直列に接続された電界効果トランジスタ(FET)のスタックを有する。ダイはさらに、半導体基板上に形成されてスイッチと直列に接続されたキャパシタを含む。キャパシタは、スイッチにおいて低周波数ブロッカ信号が基本周波数信号と混合することを抑制するように構成される。
【0310】
いくつかの実施形態においては、ダイはさらに、FETと半導体基板との間に配置された絶縁体層を含み得る。ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。
【0311】
いくつかの実現例においては、例11は半導体ダイを作製するための方法に関する。当該方法は、半導体基板を設けるステップと、電界効果トランジスタ(FET)のスタックを直列に接続されるように半導体基板上に形成するステップとを含む。当該方法はさらに、スタックの端と直列に接続されるように半導体基板上にキャパシタを形成するステップを含む。キャパシタは、スタックにおいて低周波数ブロッカ信号が基本周波数信号と混合することを抑制するように構成される。
【0312】
いくつかの実施形態においては、当該方法はさらに、FETと半導体基板との間に絶縁体層を形成するステップを含み得る。
【0313】
いくつかの実現例に従うと、例11は、複数のコンポーネントを収容するように構成されたパッケージング基板を含む高周波(RF)スイッチモジュールに関する。モジュールはさらに、パッケージング基板上に実装された半導体ダイを含む。ダイは、直列に接続された電界効果トランジスタ(FET)のスタックを有するスイッチを含む。モジュールはさらに、スイッチと直列に接続されたキャパシタを含む。キャパシタは、スイッチにおいて低周波数ブロッカ信号が基本周波数信号と混合することを抑制するように構成される。
【0314】
いくつかの実施形態においては、半導体ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。いくつかの実施形態においては、キャパシタは、FETと同じ半導体ダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、キャパシタは、パッケージング基板上に実装された第2のダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、キャパシタ回路は半導体ダイの外側の位置に配置することができる。
【0315】
いくつかの実現例においては、例11は、RF信号を処理するように構成されたトランシーバを含むワイヤレスデバイスに関する。ワイヤレスデバイスはさらに、トランシーバと通信するアンテナを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、アンテナおよびトランシーバに相互接続されたスイッチモジュールであって、アンテナとの間でRF信号を選択的にルーティングするように構成されたスイッチモジュールを含む。スイッチモジュールは、直列に接続された電界効果トランジスタ(FET)のスタックを有するスイッチを含む。スイッチモジュールはさらに、スイッチと直列に接続されたキャパシタを含む。キャパシタは、スイッチにおいて低周波数ブロッカ信号が基本周波数信号と混合することを抑制するように構成される。
【0316】
例12の説明
いくつかの実現例においては、ボディ間の補償技術を、SOI FETなどのFETのスタックに適用することができる。このような技術により、たとえば、スイッチスタックにおける各FETにわたる電圧振幅の変動を小さくすることができる。このような特徴により、高調波およびIMD性能の改善とともに、圧縮点の改善などの他の所望の特徴を得ることができる。
【0317】
いくつかの高周波(RF)応用例においては、高不整合状態で動作する応用例を含めて、高電力下で送信スイッチを動作させることが望ましい場合もある。たとえば、GSMスイッチは、5:1の不整合では35dBm未満で動作させてもよく、アンテナ調整において用いられるスイッチは、20:1ほどの高い不整合では35dBm未満で動作させてもよい。
【0318】
いくつかのRF応用例においては、高電力下で動作する送信スイッチは、当該スイッチにわたる電圧分布が不均一になる可能性がある。スイッチにわたる電圧振幅が不均一であれば、デバイス性能に対して、高調波ピーキング、圧縮点の低下、およびスイッチの相互変調歪(IMD)性能の低下を含む悪影響がもたらされる可能性がある。
【0319】
デバイス性能を改善させるために送信スイッチにわたる電圧振幅をより均一にするための回路、デバイスおよび方法がこの明細書中に記載される。いくつかの実現例においては、送信スイッチにわたる電圧振幅の均一性を高めることにより、結果として、圧縮点、高調波および相互変調歪性能が改善される可能性がある。
【0320】
スイッチングデバイスは、当該スイッチングデバイスが第1の状態および第2の状態のうちの一方の状態である間に第1のポートと第2のポートとの間でのRF信号の送信を可能にし得るように、第1の状態または第2の状態になることが可能であり得る。たとえば、オン状態などの第1の状態である場合、RFスイッチングデバイスは、入力ポートなどの一方のポートから出力ポートなどの第2のポートにRF信号を送信することを可能にし得る。オフ状態などの第2の状態である場合、RFスイッチングデバイスは、入力ポートから出力ポートへのRF信号の送信を阻止し、これにより、入力ポートを出力ポートから電気的に絶縁させ得る。
【0321】
図34を参照すると、第1のポートおよび第2のポートを有するスイッチングデバイス10はスイッチング回路11を含み得る。いくつかの実施形態においては、スイッチング回路11はさらに電圧分布等化回路12を含み得る。電圧分布等化回路12は、RF信号を入力ポートと出力ポートとの間で伝送することができるようなスイッチング回路オン状態の場合、スイッチング回路11にわたるより均一な電圧分布を可能にし得る。いくつかの実施形態においては、電圧分布等化回路12は、高電力下で動作するスイッチング回路11にわたる電圧分布を改善させ得る。スイッチング回路11にわたる電圧振幅の均一性が高められると、圧縮点、高調波および相互変調歪性能の改善を含む、スイッチングデバイス10の性能の改善が可能になり得る。
【0322】
スイッチングデバイス10は半導体基板上において実現されてもよい。半導体基板の文脈においては、スイッチングデバイス10は、FETスタックを有するスイッチング回路11を含み得る。いくつかの実施形態においては、FETスタックは1つ以上のFETを含み得る。この場合、各FETはソース、ドレイン、ボディノードまたはゲートノードを有する。付加的なFETが、入力端と出力端との間にRF信号経路を規定するように直列に接続されてもよい。いくつかの実施形態においては、FETスタックは、第1または第2状態にすることが可能であり、このため、第1の状態である場合、たとえばオン状態である場合に、RF信号を入力端から出力端に送信することができ、これにより、スイッチングデバイス10が入力ポートから出力ポートにRF信号を送信することを可能にする。これに対し、FETが第2の状態、たとえばオフ状態である場合、FETは、入力端と出力端との間におけるRF信号の送信を阻止することにより、スイッチングデバイス10の出力ポートから入力ポートを電気的に絶縁させ得る。
図35は、直列に接続されて入力端および出力端を規定する5つのFET、すなわちFET1、FET2、FET3、FET4およびFET5、を含むFETスタックを有する例示的なスイッチング回路を示す。
【0323】
スイッチング回路におけるFETスタックの高さを増すかまたはFETの数を増やすと、高電力下での動作中の性能を含め、スイッチングデバイス性能が改善される可能性がある。しかしながら、スイッチングデバイスがオン状態であり、その入力ポートでRF信号を受けた場合、このスイッチングデバイスはスイッチングデバイスFETスタックにわたって不均一な電圧分布を呈する可能性がある。いくつかの実施形態においては、スイッチングデバイスは、高電力下での動作中にスイッチングデバイスFETスタックにわたって不均一な電圧分布を呈する可能性がある。FETスタックにわたる電圧振幅が不均一であれば、デバイス性能に対して、高調波ピーキング、相互変調歪(IMD)または圧縮点低下を含む悪影響が及ぼされる可能性がある。
【0324】
スイッチング回路にわたる電圧振幅の均一性を改善させるために電圧分布等化回路がスイッチング回路に結合されてもよい。FETスタックを有するスイッチング回路は電圧分布等化回路を含んでもよい。この電圧分布等化回路は、電圧補償のためにボディ接触型FETのボディノードを利用し、これにより、FETスタックにわたる電圧分布の均一性を改善させるかまたは電圧分布変動を抑制する。いくつかの実施形態においては、電圧分布等化回路は、ボディノード電圧補償技術を含んでもよい。たとえば、スイッチング回路の電圧分布等化回路は、FETスタックにおいてFETのボディノードに結合された容量性素子を含んでもよい。いくつかの実施形態においては、容量性素子が、FETスタックにおける各FETのボディノードに結合される。電圧分布等化回路はまた、任意には、FETスタックにおけるFETのボディノードに結合された抵抗素子を含み得る。いくつかの実施形態においては、抵抗素子は、FETスタックにおける各FETのボディノードに結合される。さらに、主RF信号は、FETスタックにおけるFETのボディノードに結合されてもよい。いくつかの実施形態においては、RF信号は、フィードフォワード容量性素子Cfwdまたはフィードフォワード抵抗素子Rfwdを介してFETスタックにおけるFETのボディノードに結合される。
【0325】
図36を参照すると、FETスタックを有するスイッチング回路の電圧分布等化回路は、任意には、容量性素子CbbをFETスタックにおけるFETのボディノードで結合し得る。5つのFET、すなわちFET1、FET2、FET3、FET4およびFET5、を含む
図36の例示的なスイッチング回路においては、FET1、FET2、FET3、FET4およびFET5のボディノードが容量性素子Cbb1、Cbb2、Cbb3およびCbb4に結合される。容量性素子Cbbの容量値は、スイッチングデバイス性能を改善させるためにスケーリングされてもよい。Cbbの容量値は、FETスタックにわたる電圧振幅の均一性を高めるように選択することができる。いくつかの実施形態においては、容量性素子Cbbのキャパシタンスはまた、任意には、別個の値を有してもよい。加えて、いくつかの実施形態においては、容量性素子Cbbは、Cbb素子のキャパシタンスがFETスタックにおける第1のFETに結合されたCbbから始めて降順になるように実現することができる。
図36に示される実施形態を参照すると、Cbb1、Cbb2、Cbb3およびCbb4の容量値は互いに異なっていてもよい。Cbb1、Cbb2、Cbb3またはCbb4の容量値は各々、FET1、FET2、FET3、FET4およびFET5にわたる電圧分布の均一性を高めるように選択され得る。さらに、素子Cbbは各々、Cbb1の容量値がCbb2の容量値よりも大きくなり、Cbb2の容量値がCbb3の容量値よりも大きくなり、Cbb3の容量値がCbb4の容量値よりも大きくなるように、別個の容量値を有してもよい。
【0326】
いくつかの実施形態においては、FETスタックを有するスイッチング回路におけるボディノード電圧補償技術の実現例はまた、ボディノードに主RF信号経路を結合するフィードフォワード容量性素子Cfwdを含む。RF信号経路は、FETスタックにおけるFETを介してボディノードに結合されてもよい。例示的な実施形態においては、
図36に示されるように、フィードフォワード容量性素子Cfwdは、FETスタックにおける第1のFETのボディノードにRF信号経路を結合することができる。このような実施形態においては、RF信号経路が第1のFETのソースまたはドレインを介して第1のFETのボディノードに結合される。代替例においては、RF信号経路は、任意には、FETスタック内において別のFETのソースまたはドレインを介して結合することができる。
【0327】
さらに、
図36に示されるように、ボディノード電圧補償技術はまた、FETスタックにおける各FETのボディノードを浮動させるように実現される
図36の抵抗素子Rb1、Rb2、Rb3、Rb4およびRb5などの抵抗素子Rbを含んでもよい。これに対し、
図36における抵抗素子Rg1、Rg2、Rg3、Rg4、Rg5などの抵抗素子Rgは、FETスタックにおける各FETのゲートノードを浮動させるように実現することができる。
【0328】
電圧分布等化回路の実施形態を実現するスイッチング回路のFETスタックにわたる電圧振幅性能の改善例が
図37に示される。
図37は、20:1の不整合状態で35dBmで動作する2つの例示的なスイッチングデバイスのFETスタックにわたる電圧振幅性能を比較する。グラフ化された比較に関して、ボディノード電圧補償技術の実施形態を含むスイッチングデバイスにわたる電圧振幅性能が、ボディノード電圧補償技術の実施形態を含まないスイッチングデバイスの電圧振幅性能と比較される。ボディノード電圧補償技術の実施形態に結合されたスイッチングデバイスは、Cbb1のキャパシタンスがCbb2のキャパシタンスよりも大きくなり、Cbb2のキャパシタンスがCbb3のキャパシタンスよりも大きくなる等のように、別個の容量値を有するCbb素子を備える。
図37を参照すると、ボディノード電圧補償技術の実施形態を含む例示的なスイッチングデバイスの各FETにわたる電圧振幅は、ボディノード電圧補償技術を含まないスイッチングデバイスよりもはるかに狭い範囲内に留まる。したがって、ボディノード電圧補償技術の実施形態を実現する例示的なスイッチングデバイスは、電圧分布等化回路を実現しない例示的なFETスタックと比べて、構成要素であるFETにわたる電圧振幅の均一性が高くなっている。
【0329】
図38を参照すると、抵抗素子Rbbは、デバイス性能を改善させるためにスイッチング回路のFETスタックにおけるFETのボディノードに結合されてもよい。いくつかの実施形態においては、スイッチング回路のFETスタックにわたる電圧分布の均一性を高めるために、抵抗素子Rbbが、FETスタックにおける各FETのボディノードに結合されてもよい。たとえば、より低周波数でのRF信号の送信に用いられるスイッチング回路は、任意には、ボディノード電圧補償技術の実施形態を実現し得る。この技術では、FETスタックにわたる電圧振幅の均一性を高めるために、抵抗素子RbbがFETスタックにおける各FETのボディノードに結合される。抵抗素子Rbbの抵抗は、FETスタックにわたる電圧振幅の均一性を高めるように選択され得る。スイッチング回路のFETスタックにおけるFETのボディノードに結合される抵抗素子Rbbは別個の抵抗値を有し得る。いくつかの実施形態においては、抵抗素子Rbbは、FETスタックにおける第1のFETに結合された抵抗素子Rbbから始めて降順となるように抵抗値を有してもよい。
【0330】
たとえば、
図38に示されるように、直列に接続された5つのFETからなるFETスタックを有するスイッチング回路のいくつかの実施形態においては、抵抗素子Rbb1、Rbb2、Rbb3およびRbb4は、FET1、FET2、FET3、FET4およびFET5のボディノードの各々に結合することができる。FETスタックにわたる電圧振幅分布の均一性を改善させるために、抵抗素子Rbb1、Rbb2、Rbb3およびRbb4はまた、Rbb1の抵抗値がRbb2の抵抗値よりも大きくなり、Rbb2の抵抗値がRbb3の抵抗値よりも大きくなり、Rbb3の抵抗値がRbb4の抵抗値よりも大きくなるように、抵抗値を降順で有してもよい。
【0331】
図38を参照すると、ボディノード電圧補償技術のいくつかの実施形態においては、フィードフォワード抵抗素子が、任意には、主RF信号経路からFETスタックのボディノードにいたるまで用いられてもよい。さらに、抵抗素子RbbがFETスタックにおけるFETのボディノードに結合されているボディノード電圧補償技術のいくつかの実施形態においては、フィードフォワード容量性素子Cfwdは、主RF信号経路からFETスタックのボディノードにいたるまで用いることができる。RF信号経路は、FETスタックにおけるFETを介してボディノードに結合されてもよい。フィードフォワード容量性素子およびフィードフォワード抵抗素子の両方が実現されているいくつかの実施形態においては、フィードフォワード容量性素子は、フィードフォワード抵抗素子と直列に接続されてもよい。
図38を参照すると、フィードフォワード抵抗素子と直列に接続されたフィードフォワード容量性素子Cfwdを用いて、FETスタックにおける第1のFETのボディノードにRF信号を結合することができる。このような実施形態においては、RF信号経路は、第1のFETのソースまたはドレインを介して第1のFETのボディノードに結合される。代替例においては、RF信号経路は、任意には、FETスタック内における別のFETのソースまたはドレインを介して結合することができる。
【0332】
図38を参照すると、抵抗素子RbbがFETスタックにおけるFETのボディノードに結合されているボディノード電圧補償技術のいくつかの実施形態においては、スイッチング回路はまた、FETスタックにおける各FETのボディノードを浮動させるために実現される
図38の抵抗素子Rb1、Rb2、Rb3、Rb4およびRb5などの抵抗素子Rbを含み得る。これに対し、
図38における抵抗素子Rg1、Rg2、Rg3、Rg4、Rg5などの抵抗素子Rgは、FETスタックにおける各FETのゲートノードを浮動させるように実現することができる。
【0333】
電圧分布等化回路を有するスイッチング回路は、FETスタックにおけるFETが抵抗素子Rbbと直列に接続される容量性素子Cbbに結合されているボディノード電圧補償技術の実施形態を実現し得る。
図39を参照すると、ボディノード電圧補償技術の実施形態を実現する例示的なスイッチング回路は、FETスタックにおける各FETのボディノードを、抵抗素子Rbbと直列に接続されている容量性素子Cbbに結合し得る。たとえば、FET1、FET2、FET3、FET4およびFET5のボディノードは、それぞれ、Rbb1に直列に接続されたCbb1、Rbb2に直列に接続されたCbb2、Rbb3に直列に接続されたCbb3、およびRbb4に直列に接続されたCbb4と結合される。
【0334】
図39を参照すると、FETスタックにおけるFETのボディノードが抵抗素子Rbbと直列に接続された容量性素子Cbbに結合されているいくつかの実施形態においては、フィードフォワード容量性素子Cfwdは、主RF信号経路からFETスタックのボディノードにいたるまで用いることができる。フィードフォワード抵抗素子Rfwdはまた、任意には、主RF信号経路からFETスタックのボディノードにいたるまで用いられてもよい。フィードフォワード容量性素子Cfwdおよびフィードフォワード抵抗素子Rfwdの両方が実現されているいくつかの実施形態においては、フィードフォワード容量性素子Cfwdはフィードフォワード抵抗素子Rfwdと直列に接続されてもよい。
図39を参照すると、フィードフォワード抵抗素子Rfwdと直列に接続されたフィードフォワード容量性素子Cfwdを用いて、FETスタックにおける第1のFETのボディノードにRF信号を結合することができる。このような実施形態においては、RF信号経路は、第1のFETのソースまたはドレインを介して、FETスタック内における第1のFETのボディノードに結合される。代替例においては、RF信号経路は、任意には、FETスタック内における別のFETのソースまたはドレインを介して結合することができる。
【0335】
さらに、
図39に示されるように、FETスタックにおけるFETのボディノードが抵抗素子Rbbと直列に接続された容量性素子Cbbに結合されているボディノード電圧補償技術のいくつかの実現例においては、
図39における抵抗素子Rb1、Rb2、Rb3、Rb4およびRb5などの抵抗素子Rbは、FETスタックにおける各FETのボディノードを浮動させるように実現され得る。これに対して、
図39における抵抗素子Rg1、Rg2、Rg3、Rg4、Rg5などの抵抗素子Rgは、FETスタックにおける各FETのゲートノードを浮動させるように実現することができる。
【0336】
電圧分布等化回路は、FETスタックにおけるさまざまな数のFETを含むスイッチング回路のために実現されてもよい。たとえば、
図40は、2つのFET、すなわちFET1およびFET2を有するスイッチング回路を示す。この明細書中に記載される特徴を有するボディノード電圧補償技術の実施形態を含む電圧分布等化回路が、このようなスイッチング回路のために実現され得る。このようなスイッチング回路のいくつかの実施形態においては、ボディノード電圧補償技術の実現例は、FET1およびFET2のボディノードに結合された容量性素子Cbb1を含み得る。例示的なスイッチング回路のボディノード電圧補償技術はさらに、任意には、FETスタックにおけるFET、たとえば第1のFET、すなわちFET1など、のボディノードに主RF信号経路を結合するフィードフォワード容量性素子Cfwdを含んでもよい。加えて、抵抗素子Rb1およびRb2は、それぞれ、FET1およびFET2のボディノードを浮動させるように実現され得る。これに対し、抵抗素子Rg1およびRg2は、FET1およびFET2のゲートノードを浮動させるように実現され得る。
【0337】
図41は、この明細書中に記載される1つ以上の特徴を有する電圧振幅分布等化回路を作製するために実現可能なプロセス700を示す。ブロック702においては、スイッチのアレイを形成し得る。スイッチが半導体基板上に形成されている実施形態においては、FETなどの半導体スイッチを基板上に形成することができる。ブロック704においては、スイッチの各々に結合された抵抗素子を形成することができる。半導体基板の文脈においては、抵抗素子は、FETのボディノードまたはゲートノードに結合することができる。ブロック706に示されるように、スイッチに結合された容量性素子を形成することができる。FETを含むスイッチを半導体基板上に形成する文脈においては、FETのボディノードに結合された容量性素子を形成することができる。ブロック708においては、容量性素子がまた、RF経路からアレイにおけるスイッチにまで形成され得る。このような容量性素子は、任意には、RF経路からアレイにおける第1のスイッチを含む任意のスイッチにまで形成されてもよい。スイッチのアレイが半導体基板上に形成されたFETを含んでいるいくつかの実施形態においては、ブロック708の容量性素子は、第1のFETのソースまたはドレインから第1のFETのボディノードにまで形成することができる。
【0338】
図42は、
図41に示されるプロセスのより具体的な例であり得るプロセス800を示す。ブロック802においては、複数のFETを半導体基板上に形成することができる。ブロック804においては、入力端および出力端を規定するように複数のFETを直列に接続することができる。ブロック806においては、抵抗素子は、入力端および出力端を規定する直列なFETの各々のボディノードまたはゲートノードに結合することができる。ブロック808においては、各FETのボディノードに結合された容量性素子を形成することができる。さらに、ブロック810においては、容量性素子をFETのソースまたはドレインからFETのボディノードにまで形成して、FETのボディノードに主RF信号を結合することができる。容量性素子は、任意には、入力端および出力端を規定するFETの列において第1のFETのソースまたはドレインから第1のFETのボディノードにまで形成することができる。
【0339】
例12の概要
いくつかの実現例においては、例12は、第1のノードと第2のノードとの間に直列に接続された複数の電界効果トランジスタ(FET)を含む高周波(RF)スイッチに関する。各々のFETはボディを有する。RFスイッチはさらに、隣接するFETからなる対の各々のボディ同士を結合するカップリング回路を有する補償ネットワークを含む。
【0340】
いくつかの実施形態においては、FETのうち少なくともいくつかはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)FETであってもよい。いくつかの実施形態においては、補償ネットワークは、複数のFETの各々にわたる電圧振幅を小さくするように構成することができる。いくつかの実施形態においては、スイッチはさらに、端のFETのボディに端のFETのソースを結合するフィードフォワード回路を含み得る。フィードフォワード回路はキャパシタを含み得る。フィードフォワード回路はさらに、キャパシタと直列な抵抗器を含み得る。
【0341】
いくつかの実施形態においては、カップリング回路はキャパシタを含み得る。カップリング回路はさらに、キャパシタと直列な抵抗器を含み得る。
【0342】
いくつかの実施形態においては、カップリング回路は抵抗器を含み得る。いくつかの実施形態においては、スイッチはさらに、FETのボディに接続されてFETのボディにバイアス信号を供給するように構成されたボディバイアスネットワークを含み得る。ボディバイアスネットワークは、すべてのボディが共通のバイアス信号を受信するように構成することができる。
【0343】
いくつかの実施形態においては、スイッチはさらに、FETのゲートに接続されてFETのゲートにバイアス信号を供給するように構成されたゲートバイアスネットワークを含み得る。ゲートバイアスネットワークは、すべてのゲートが共通のバイアス信号を受信するように構成することができる。
【0344】
いくつかの実施形態においては、第1のノードは、電力値を有するRF信号を受信するように構成することができ、第2のノードは、FETがオン状態である場合にRF信号を出力するように構成することができる。少なくとも1つのFETは、直列に接続されたN個のFETを含み得る。数量Nは、スイッチ回路がRF信号の電力を処理することを可能にするように選択され得る。
【0345】
いくつかの実現例に従うと、例12は高周波(RF)スイッチを動作させるための方法に関する。当該方法は、第1のノードと第2のノードとの間に直列に接続された複数の電界効果トランジスタ(FET)を、それらFETがまとめてオン状態またはオフ状態になるように制御するステップを含む。各々のFETはボディを有する。当該方法はさらに、複数のFETの各々にわたる電圧振幅を低減させるように、隣接するFETの各々のボディ同士を結合するステップを含む。
【0346】
いくつかの実現例に従うと、例12は、半導体基板と、半導体基板上に形成されて直列に接続された複数の電界効果トランジスタ(FET)とを含む半導体ダイに関する。各々のFETはボディを有する。ダイはさらに、半導体基板上に形成された補償ネットワークを含み、補償ネットワークは、隣接するFETからなる対の各々のボディ同士を結合するカップリング回路を含む。
【0347】
いくつかの実施形態においては、ダイはさらに、FETと半導体基板との間に配置された絶縁体層を含んでもよい。ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。
【0348】
いくつかの実現例においては、例12は半導体ダイを作製するための方法に関する。当該方法は、半導体基板を設けるステップと、半導体基板上に直列に接続されるように複数の電界効果トランジスタ(FET)を形成するステップとを含む。各々のFETはボディを有する。当該方法はさらに、半導体基板上において、隣接するFETからなる対の各々のボディ同士を結合するようにカップリング回路を形成するステップを含む。
【0349】
いくつかの実施形態においては、当該方法はさらに、FETと半導体基板との間に絶縁体層を形成するステップを含み得る。
【0350】
いくつかの実現例においては、例12は、複数のコンポーネントを収容するように構成されたパッケージング基板を含む高周波(RF)スイッチモジュールに関する。モジュールはさらに、パッケージング基板上に実装された半導体ダイを含む。ダイは、直列に接続された複数の電界効果トランジスタ(FET)を含む。各々のFETはボディを有する。モジュールはさらに、隣接するFETからなる対の各々のボディ同士を結合するカップリング回路を有する補償ネットワークを含む。
【0351】
いくつかの実施形態においては、半導体ダイはシリコン・オン・インシュレータ(SOI)ダイであってもよい。いくつかの実施形態においては、補償ネットワークは、少なくとも1つのFETと同じ半導体ダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、補償ネットワークは、パッケージング基板上に実装された第2のダイの一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、補償ネットワークは半導体ダイの外側の位置に配置することができる。
【0352】
いくつかの実現例に従うと、例12は、RF信号を処理するように構成されたトランシーバを含むワイヤレスデバイスに関する。ワイヤレスデバイスはさらに、増幅されたRF信号の送信を促進するように構成されてトランシーバと通信するアンテナを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、トランシーバに接続されたパワーアンプであって、増幅されたRF信号を生成するように構成されたパワーアンプを含む。ワイヤレスデバイスはさらに、アンテナおよびパワーアンプに接続されたスイッチであって、増幅されたRF信号をアンテナに選択的にルーティングするように構成されたスイッチを含む。スイッチは、直列に接続された複数の電界効果トランジスタ(FET)を含む。各々のFETはボディを有する。スイッチはさらに、隣接するFETからなる対の各々のボディ同士を結合するカップリング回路を有する補償ネットワークを含む。
【0353】
いくつかの実現例においては、例12は、高周波(RF)信号を受信するように構成された入力ポートとRF信号を出力するように構成された出力ポートとを含むスイッチング回路に関する。スイッチング回路はまた、入力ポートと出力ポートとの間にRF信号経路を規定する1つ以上の電界効果トランジスタ(FET)を含み得る。各々のFETは、ソース、ドレイン、ゲートノードおよびボディノードを有する。スイッチは、第1の状態および第2の状態となり得るように構成され得る。第1の状態は、入力ポートおよび出力ポートがそれらの間をRF信号が通過できるように電気的に接続されている状態に対応し、第2の状態は、入力ポートおよび出力ポートが電気的に絶縁されている状態に対応する。スイッチング回路はさらに、スイッチにわたる電圧分布変動を低減させるように構成された電圧分布回路を含んでもよく、電圧分布回路は、スイッチが第1の状態であり入力ポートでRF信号を受けた場合に、スイッチにわたる電圧分布変動を抑制するために、1つ以上のFETのうちの選択されたボディノードに結合された1つ以上の素子を含んでもよい。
【0354】
いくつかの実施形態においては、1つ以上のFETのうちの選択されたボディノードに結合された1つ以上の素子は容量性素子を含み得る。1つ以上のFETのうちの選択されたボディノードに結合された1つ以上の素子は抵抗素子を含み得る。さらに、いくつかの実施形態においては、1つ以上のFETのうちの選択されたボディノードに結合された1つ以上の素子は、抵抗素子に直列に接続された容量性素子を含み得る。
【0355】
いくつかの実施形態においては、電圧分布回路は、RF信号経路を規定する第1のFETのボディノードを含むRF信号経路を規定するFETのボディノードに対してRF信号経路を結合するように構成されたフィードフォワード容量性素子を含み得る。いくつかの実施形態においては、電圧分布回路は、RF信号経路を規定するFETのボディノードにRF信号経路を結合するように構成された、フィードフォワード抵抗素子に直列に接続されたフィードフォワード容量性素子を含む。
【0356】
いくつかの実施形態においては、電圧分布回路は、RF信号経路を規定するFETのゲートノードに結合されることによってFETのゲートノードの浮動を可能にする抵抗素子を含んでもよい。抵抗素子はまた、RF信号経路を規定するFETのボディノードに結合されることによってFETのボディノードの浮動を可能にし得る。
【0357】
いくつかの実現例に従うと、例12はダイ上に形成された集積回路(IC:integrated circuit)に関する。ICは、入力ポートと出力ポートとの間にRF信号経路を規定する1つ以上の電界効果トランジスタ(FET)を有するスイッチを含み得る。各々のFETはボディノードを有する。スイッチは、オン状態およびオフ状態になり得るように構成され得る。いくつかの実施形態においては、電圧分布回路はスイッチに結合され、スイッチにわたる電圧分布変動を低減させるように構成されてもよい。電圧分布回路は、スイッチがオン状態であり入力ポートでそれぞれのRF信号を受けた場合に、スイッチにわたる電圧分布変動を低減させるために、1つ以上のFETのうちの選択されたボディノードに結合された1つ以上の素子を含み得る。
【0358】
いくつかの実施形態においては、トランシーバ回路が、スイッチに電気的に接続され、RF信号を処理するように構成され得る。
【0359】
いくつかの実現例において教示されるように、例12は高周波(RF)デバイスのためのパッケージモジュールに関する。モジュールは、パッケージング基板と、半導体ダイ上に形成され、パッケージング基板上に実装される集積回路(IC)とを含む。ICは、入力ポートと出力ポートとの間にRF信号経路を規定する1つ以上の電界効果トランジスタ(FET)を有するスイッチを含み得る。各々のFETはボディノードを有し、スイッチは、オン状態およびオフ状態になり得るように構成され得る。電圧分布回路は、スイッチがオン状態であり入力ポートでそれぞれのRF信号を受けた場合に、スイッチにわたる電圧分布変動を低減させるために、スイッチに結合されてもよい。いくつかの実施形態においては、電圧分布回路は、RF信号経路を規定する1つ以上のFETのうち選択されたボディノードに結合された1つ以上の素子を含み得る。
【0360】
いくつかの実施形態においては、パッケージモジュールはまた、スイッチへの信号の送達およびスイッチからの信号の送達を促進するように構成された少なくとも1つの接続を含み得る。いくつかの実施形態においては、パッケージモジュールはまた、スイッチを保護するように構成されたパッケージング構造を含んでもよい。
【0361】
いくつかの実現例に従うと、例12はワイヤレスデバイスに関する。ワイヤレスデバイスは、高周波(RF)信号の送信および受信を促進するように構成された少なくとも1本のアンテナを含み得る。さらに、ワイヤレスデバイスはまた、アンテナに結合されて高周波(RF)信号を処理するように構成されたトランシーバを含み得る。いくつかの実施形態においては、ワイヤレスデバイスは、入力ポートと出力ポートとの間にRF信号経路を規定する1つ以上の電界効果トランジスタ(FET)を有するスイッチを含み得る。各々のFETはボディノードを有する。加えて、スイッチは、オン状態およびオフ状態になり得るように構成されてもよい。いくつかの実施形態においては、電圧分布回路は、スイッチがオン状態であり入力ポートでRF信号を受けた場合に、スイッチにわたる電圧分布変動を低減させるために、スイッチに結合され得る。電圧分布回路は、RF信号経路を規定する1つ以上のFETのうち選択されたボディノードに結合された1つ以上の素子を含み得る。
【0362】
いくつかの実施形態においては、ワイヤレスデバイスはまた、バッテリを収容し、バッテリとスイッチとの間に電気的接続をもたらすように構成されたレセプタクルを含んでもよい。
【0363】
いくつかの実現例に従うと、例12は、高周波(RF)スイッチング回路を作製するための方法に関する。当該方法は、基板を設けるかまたは形成するステップと、入力端と出力端との間にRF信号経路を規定するように直列に接続された1つ以上のFETを基板上に形成するステップとを含む。各々のFETは、ソース、ドレイン、ゲートノードおよびボディノードを有する。当該方法はさらに、直列に接続された1つ以上のFETのうちの選択されたボディノードに結合されることにより、スイッチング回路にわたる電圧分布変動を低減させる素子を形成するステップを含み得る。
【0364】
いくつかの実施形態においては、1つ以上のFETのうちの選択されたボディノードに結合された素子を形成するステップは、容量性素子を形成するステップを含む。1つ以上のFETのうちの選択されたボディノードに結合された素子を形成するステップはまた、抵抗素子を形成するステップを含み得る。いくつかの実施形態においては、基板は半導体基板を含み得る。いくつかの実施形態においては、当該方法は、RF信号経路から、入力端と出力端との間にRF信号経路を規定する選択されたFETのボディノードにまでフィードフォワード容量性素子を形成するステップをさらに含み得る。当該方法はさらに、入力端および出力端を規定するFETのゲートノードに結合されることによりFETのゲートノードの浮動を可能にする抵抗素子を形成するステップを含み得る。いくつかの実施形態においては、当該方法は、入力端および出力端を規定するFETのボディノードに結合されることにより、FETのボディノードの浮動を可能にする抵抗素子を形成をステップを任意に含んでもよい。
【0365】
製品の実現例:
この明細書中に記載されるFETベースのスイッチ回路およびバイアス/カップリング構成のさまざまな例は、いくつかのさまざまな方法で、かつさまざまな製品レベルで実現することができる。このような製品の実現例のうちのいくつかを一例として説明する。
【0366】
半導体ダイの実現例
図43Aから
図43Dは、1つ以上の半導体ダイ上におけるこのような実現例の非限定的な例を概略的に示す。
図43Aは、いくつかの実施形態において、この明細書中に記載される1つ以上の特徴を有するスイッチ回路120およびバイアス/カップリング回路150がダイ800上で実現可能であることを示す。
図43Bは、いくつかの実施形態において、バイアス/カップリング回路150のうちの少なくともいくらかが
図43Aのダイ800の外側で実現可能であることを示す。
【0367】
図43Cは、いくつかの実施形態において、この明細書中に記載される1つ以上の特徴を有するスイッチ回路120が第1のダイ800a上で実現可能であり、この明細書中に記載される1つ以上の特徴を有するバイアス/カップリング回路150が第2のダイ800b上で実現可能であることを示す。
図43Dは、いくつかの実施形態において、バイアス/カップリング回路150のうちの少なくともいくらかが
図43Cの第1のダイ800aの外側で実現可能であることを示す。
【0368】
パッケージモジュール実現例
いくつかの実施形態においては、この明細書中に記載される1つ以上の特徴を有する1つ以上のダイは、パッケージモジュールにおいて実現することができる。このようなモジュールの一例が
図44A(平面図)および
図44B(側面図)において示される。同じダイ上にあるスイッチ回路およびバイアス/カップリング回路の両方(たとえば
図44Aの例示的な構成)の文脈において記載されているが、パッケージモジュールが他の構成にも基づき得ることが理解されるだろう。
【0369】
モジュール810はパッケージング基板812を含むように図示されている。このようなパッケージング基板は、複数のコンポーネントを収容するように構成することができ、たとえばラミネート基板を含み得る。パッケージング基板812上に実装されたコンポーネントは1つ以上のダイを含み得る。図示される例においては、スイッチング回路120およびバイアス/カップリング回路150を有するダイ800はパッケージング基板812上に実装されるように図示されている。ダイ800は、接続ワイヤボンド816などの接続を介して、モジュールのうちの他の部分に(2つ以上のダイが利用されている場合には、互いに)電気的に接続することができる。このような接続ワイヤボンドは、ダイ800上に形成されたコンタクトパッド818と、パッケージング基板812上に形成されたコンタクトパッド814との間に形成することができる。いくつかの実施形態においては、1つ以上の表面実装デバイス(SMD:surface mounted device)822をパッケージング基板812上に実装して、モジュール810のさまざまな機能を促進することができる。
【0370】
いくつかの実施形態においては、パッケージング基板812は、さまざまなコンポーネントを互いに相互接続するおよび/または外部接続のための接続パッドと相互接続するための電気接続経路を含み得る。たとえば、接続経路832は、例示的なSMD 822とダイ800とを相互接続するものとして示されている。別の例においては、接続経路832はSMD 822を外部接続コンタクトパッド834と相互接続するものとして示されている。さらに別の例においては、接続経路832は、ダイ800を接地接続コンタクトパッド836と相互接続するものとして示されている。
【0371】
いくつかの実施形態においては、パッケージング基板812およびその上に実装されるさまざまなコンポーネントの上方の空間は、オーバーモールド構造830で充填することができる。このようなオーバーモールド構造により、外部素子からコンポーネントおよびワイヤボンドを保護すること、およびパッケージモジュール810をより容易に操作することを含むいくつかの望ましい機能を提供することができる。
【0372】
図45は、
図44Aおよび
図44Bを参照して説明されたモジュール810において実現することのできる例示的なスイッチング構成の概略図を示す。この例においては、スイッチ回路120は、極がアンテナに接続可能であり、投がさまざまなRx経路およびTx経路に接続可能であるSP9Tスイッチとして示されている。このような構成により、たとえば、ワイヤレスデバイスにおけるマルチモード・マルチバンド動作が容易になり得る。
【0373】
モジュール810はさらに、スイッチ回路120および/またはバイアス/カップリング回路150の動作を促進するために電力(たとえば供給電圧VDD)および制御信号を受信するためのインターフェイスを含み得る。いくつかの実現例においては、供給電圧および制御信号は、バイアス/カップリング回路150を介してスイッチ回路120に印加することができる。
【0374】
ワイヤレスデバイスの実現例
いくつかの実現例においては、この明細書中に記載される1つ以上の特徴を有するデバイスおよび/または回路をワイヤレスデバイスなどのRFデバイスに含めることができる。このようなデバイスおよび/または回路は、ワイヤレスデバイスにおいて直接、この明細書中に記載されるようなモジュラー形式で、またはこれらのいくつかの組合せで実現することができる。いくつかの実施形態においては、このようなワイヤレスデバイスは、たとえば、携帯電話、スマートフォン、電話機能付きまたは電話機能無しの携帯型ワイヤレスデバイス、ワイヤレスタブレットなどを含み得る。
【0375】
図46は、この明細書中に記載される1つ以上の有利な特徴を有する例示的なワイヤレスデバイス900を概略的に示す。この明細書中に記載されるさまざまなスイッチおよびバイアシング/カップリング構成の文脈においては、スイッチ120およびバイアス/カップリング回路150はモジュール810の一部であってもよい。いくつかの実施形態においては、このようなスイッチモジュールにより、たとえば、ワイヤレスデバイス900のマルチバンド・マルチモード動作を促進することができる。
【0376】
例示的なワイヤレスデバイス900においては、複数のパワーアンプ(PA:power amplifier)を有するPAモジュール916は、増幅されたRF信号を(デュプレクサ920を介して)スイッチ120に供給することができ、スイッチ120は、増幅されたRF信号をアンテナにルーティングすることができる。PAモジュール916は、既知の態様で構成および動作が可能であるトランシーバ914から未増幅のRF信号を受信することができる。トランシーバはまた、受信した信号を処理するように構成することができる。トランシーバ914は、ユーザにとって適したデータおよび/または音声信号と、トランシーバ914にとって適したRF信号とを変換するように構成されたベースバンドサブシステム910と連携動作するように図示されている。トランシーバ914はさらに、ワイヤレスデバイス900の動作のための電力を管理するように構成される電力管理コンポーネント906に接続されることが示される。このような電力管理コンポーネントはさらに、ベースバンドサブシステム910およびモジュール810の動作を制御し得る。
【0377】
ベースバンドサブシステム910は、音声および/またはデータのさまざまな入力および出力がユーザに提供されることおよびユーザから受信されることを促進するよう、ユーザインターフェイス902に接続されるように図示されている。ベースバンドサブシステム910はさらにメモリ904に接続され得、メモリ904は、ワイヤレスデバイスの動作を促進し、ならびに/または、ユーザのために情報の格納を提供するようデータおよび/もしくは指示を格納するように構成される。
【0378】
いくつかの実施形態においては、デュプレクサ920は、送信動作および受信動作が共通のアンテナ(たとえば924)を用いて同時に行なわれることを可能にし得る。
図46においては、受信された信号は、たとえば低ノイズアンプ(LNA:low-noise amplifier)を含み得る「Rx」経路(図示せず)にルーティングされるように図示されている。
【0379】
いくつかの他のワイヤレスデバイス構成は、この明細書に記載される1つ以上の特徴を利用し得る。たとえば、ワイヤレスデバイスはマルチバンドデバイスである必要はない。別の例においては、ワイヤレスデバイスは、ダイバーシティアンテナなどの付加的なアンテナと、Wi−Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)およびGPSなどの付加的な接続機能とを含み得る。
【0380】
さまざまな例の特徴の組合せ:
この明細書中に記載されるように、各々の例に関連付けられる1つ以上の特徴は1つ以上の望ましい構成をもたらすことができる。いくつかの実現例においては、この明細書中に記載されたさまざまな例からのさまざまな特徴を組合わせて、1つ以上の所望の構成をもたらすことができる。
図47は、第1の特徴(i、x)が第2の特徴(j、y)と組合わされていることが示されている組合せ構成1000を概略的に示す。指数「i」および「j」はN個の例のうち例示的な番号に関するものであり、i=1、2、…、N−1、Nおよびj=1、2、…、N−1、Nである。いくつかの実現例においては、i≠jは、組合せ構成1000の第1の特徴および第2の特徴に関するものである。指数「x」は、i番目の例に関連付けられる個々の特徴を表わし得る。指数「x」はまた、i番目の例に関連付けられる特徴の組合せを表わし得る。同様に、指数「y」は、j番目の例に関連付けられる個々の特徴を表わし得る。指数「y」はまた、j番目の例に関連付けられる特徴の組合せを表わし得る。この明細書中に記載されるように、Nの値は12であってもよい。
【0381】
2つの異なる例からの特徴を組合わせる文脈において記載してきたが、2例未満または3例以上の例の特徴も組合わせ可能であることが理解されるだろう。たとえば、1例、3例、4例、5例などの特徴を組合わせて組合わせ構成を得ることができる。
【0382】
概略的解説:
文脈が明確に他の態様を必要としなければ、明細書および請求の範囲の全体にわたって、「備える」および「備え」などといった文言は、排他的または網羅的な意味ではない包括的な意味、すなわち、「を含むがこれらに限定されない」という意味で解釈されるべきである。本願明細書に全体において使用される「結合される」という文言は、直接的に接続されるかまたは1つ以上の中間要素を経由して接続され得る2つ以上の要素を指す。さらに、「本願明細書において」、「上で」、「以下に」および同様の主旨の文言は、本願において使用される場合、本願の任意の特定の部分ではなく、本願を全体として指す。文脈が許容する場合、単数または複数を使用する、上記の詳細な説明における文言は、それぞれ複数または単数を含んでもよい。2つ以上の項目のリストを参照する「または」という文言は、リストにおける項目のいずれか、リストにおける項目のすべて、およびリストにおける項目の任意の組合せを含む当該文言の以下の解釈のすべてをカバーする。
【0383】
本発明のいくつかの実施形態の上記の詳細な説明は、網羅的であるよう意図されず、または、本発明を上に開示されたそのものの形態に限定するよう意図されない。本発明の特定の実施形態および本発明についての例は、上で例示的な目的のために記載されているが、関連する技術における当業者が認識し得るように、本発明の範囲内でさまざまな同等な修正が可能である。たとえば、プロセスまたはブロックが所与の順番で提示されているが、代替的な実施形態は、異なる順番でステップを有するルーチンを実行するか、または異なる順番でブロックを有するシステムを使用してもよく、いくつかのプロセスまたはブロックは、削除、移動、付加、細分、組み合わせ、および/または修正されてもよい。これらのプロセスまたはブロックの各々は、さまざまな異なる態様で実行されてもよい。さらに、プロセスまたはブロックは時に、連続して行なわれるものとして示されているが、これらはその代わりに並列に行なわれてもよく、または異なる時間に行なわれてもよい。
【0384】
本願明細書において提供される本発明の教示は、必ずしも上に記載されたシステムではなく、他のシステムに適用されてもよい。上に記載されるさまざまな実施形態の要素および動作は、さらに別の実施形態を提供するよう組み合わせられてもよい。
【0385】
本発明のいくつかの実施形態を記載してきたが、これらの実施形態は例示のためにのみ提示されたものであって、開示の範囲を限定するようには意図されたものではない。実際には、この明細書中に記載される新規な方法およびシステムは他のさまざまな形態で具体化され得る。さらに、この明細書中に記載される方法およびシステムの形態に対して、開示の精神から逸脱することなくさまざまな省略、置換えおよび変更がなされてもよい。添付の特許請求の範囲およびそれらの同等例は、開示の範囲および精神の範囲内に収まるような形態または変更例を包含するように意図されたものである。