(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、利用位置や時間帯によって一律に利用を制限すると、緊急的に外部と連絡する必要が生じた場合などに通信装置を利用できず、緊急事態への対応が遅れるという問題が生じる。
【0007】
本発明は、通信装置での通信における情報漏洩のおそれを低減しつつ緊急時には利用可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る通信装置は、移動体通信機能を備え、通信回線を介して他の通信装置および災害情報配信装置と通信する通信部と、通常は前記他の通信装置への発信処理を制限する制限モードに設定し、前記災害情報配信装置から災害情報を受信したとき当該制限を解除する解除モードに切り替えるモード設定部と、を有することを特徴とする。
【0009】
上記の通信装置において、更に、前記受信した災害情報が前記制限の解除対象の特定災害を示す情報か否かを判定する災害判定部を有し、前記モード設定部は、前記災害情報が前記災害判定部にて前記特定災害と判定されたとき前記制限モードから前記解除モードに切り替える。
【0010】
上記の通信装置において、前記モード設定部は、前記解除モードに切り替えてから予め定めた所定時間が経過すると前記解除モードから前記制限モードへ切り替える。
更に、災害情報の内容に応じた所定時間を記憶する記憶部を有し、前記モード設定部は、前記解除モードに切り替えてから、前記受信した災害情報の内容に応じた所定時間が経過すると前記解除モードから前記制限モードへ切り替える。
【0011】
上記の通信装置において、前記通信部は、更に通信回線を介してセンタ装置と通信し、前記モード設定部は、前記災害情報を受信して前記解除モードに設定するとともに前記センタ装置へ災害受信情報を送信し、前記センタ装置からモード復帰信号を受信すると前記解除モードから前記制限モードへ切り替える。
【0012】
また、本発明に係る通信システムは、移動体通信機能を備えた通信装置と、前記通信装置と通信可能なセンタ装置とを含み、前記通信装置は、通信回線を介して前記センタ装置、他の通信装置および災害情報配信装置と通信する通信部と、通常は前記他の通信装置への発信処理を制限する制限モードに設定し、前記災害情報配信装置から災害情報を受信したとき当該制限を解除する解除モードに切り替えるとともに前記センタ装置へ災害受信情報を送信するモード設定部と、を有し、前記センタ装置は、前記通信回線を介して前記通信装置と通信する通信部と、前記通信装置から前記災害受信情報を受信すると、当該通信装置を特定する装置情報を表示部に表示させる制御部と、を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る通信制御プログラムは、移動体通信機能を備えた通信装置に実行させるプログラムであって、通信回線を介して他の通信装置および災害情報配信装置と通信する処理と、通常は前記他の通信装置への発信処理を制限する制限モードに設定し、前記災害情報配信装置から災害情報を受信したとき当該制限を解除する解除モードに切り替える処理と、を少なくとも実行させることを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る通信制御方法は、移動体通信機能を備えた通信装置における通信制御方法であって、通常は他の通信装置への発信処理を制限する制限モードに設定し、災害情報配信装置から災害情報を受信したとき前記制限を解除する解除モードに切り替える ことを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、通常時は通信装置の利用を制限することで情報漏洩を抑制することができ、災害発生時にはその制限を一時的に解除するため、利用者は災害情報の報告や安否確認のための発信を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の実施形態である通信システムの概略の構成を示す模式図である。当該システムは、通信装置2,4、センタ装置6及び通信網8を含んで構成される。通信装置2は情報漏洩の危険防止に係る本発明の特徴を有した通信装置であり、本実施形態ではその所持者は警備会社の警備員10であるとする。通信装置2は、通常時は電話や電子メールの発信が制限され、情報漏洩の防止が図られている。制限される発信処理は、例えば、全ての発信、特定の宛先以外への発信、特定の時間帯の発信、特定の位置以外での発信、所定の通話時間以上の通話、所定の頻度以上の電子メールの送信などである。
【0018】
しかし、例えば大地震など各種の災害が発生した状況では、警備会社は警備員10の安否確認や被災地域の状況報告を受ける必要がある。このため、通信装置2は通信網8に接続された災害情報配信装置9から災害情報を受信すると、一時的に電話や電子メールの発信制限を解除し、警備員10による電話や電子メール等の発信操作を許容する。
なお、通信装置4は通信装置2の通信相手を例示したものであり、必ずしも本発明の特徴を有した通信装置である必要はない。
【0019】
通信装置2,4は移動体通信機能を有する。例えば、通信装置2,4はスマートフォン、タブレット型コンピュータや携帯電話である。通信装置2,4はその近傍の移動体通信基地局16と無線接続され、移動体通信基地局16及び通信網8を介して他の通信端末等と通信することができる。
【0020】
災害情報配信装置9は、災害情報の配信プロバイダ(携帯電話の通信事業者などの災害情報配信サービスを提供する事業者)が管理する装置である。なお、以下の本実施形態では、配信プロバイダが災害情報として緊急地震速報を配信する例について説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。本発明の災害情報として、例えば、津波予測の情報、台風や竜巻に関する警報、火災に関する情報、避難勧告に関する情報など、種々の災害に関する情報が適用され得る。
【0021】
この災害情報配信装置9は、地震発生時に気象庁などの機関により解析された地震震源地と規模(マグニチュード)などの情報を受信すると、その地震の影響が及ぶ地域(例えば震度3以上と予測される地域)の移動体通信基地局16から、この地震の情報を緊急地震速報として一斉同報で配信する機能を備えている。これにより、配信対象の移動体通信基地局16の通信エリアに存在する通信装置2、4に緊急地震速報が送達される。
【0022】
なお、この例では、地震の影響及び地域の通信装置2、4にのみ緊急地震速報が配信される場合について説明するが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。例えば、災害情報配信装置9は、すべての通信装置2、4に対して緊急地震速報を配信し、通信装置2、4にて自己の位置情報から地震の影響が及ぶ地域であるか否かを判定してもよい。このような緊急地震速報など災害情報の配信方法については、既に広く知られるところであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
【0023】
次に、本発明の通信制限機能を有した通信装置2について詳細に説明する。
図2は、通信装置2の概略の構成を示すブロック図である。通信装置2は、制御部20、記憶部22の他、無線部24、操作部26、カメラ28、マイクロフォン30、スピーカー32、表示部34、振動モータ36を含んで構成される。
【0024】
無線部24は、基地局通信部及びGPS受信部を含んで構成される。基地局通信部は、移動体通信基地局16との間で無線通信を行う移動体通信部であり、通信装置2は基地局通信部により移動体通信基地局16及び通信網8を介して監視センタ14のセンタ装置6や他の通信装置4、災害情報配信装置9と通信を行うことができる。GPS受信部はGPS衛星からGPS信号を受信して、自己の現在位置に応じたGPS情報を取得する。
【0025】
操作部26は、警備員10が通信装置2の動作を選択したり制御部20に指示を与えるための入力手段であり、例えば、各種ボタンスイッチやタッチパネルなどから構成される。
【0026】
カメラ28は、操作部26の操作に応じて人物や風景等の被写体を撮像する撮像部である。
マイクロフォン30は、音声通信時等に警備員10の声等を集音する集音部である。
スピーカー32は、音声通信時において通話相手(通信装置4を所持する第三者)側の音声を出力したり、着信があった場合や電子メールを受信した場合に、呼び出し音を出力したりする音声出力部である。
表示部34は液晶ディスプレイ等の画像表示手段である。
振動モータ36は通信装置2を振動させるバイブレータ機能を提供する。
【0027】
無線部24、操作部26、カメラ28、マイクロフォン30、スピーカー32、表示部34及び振動モータ36は制御部20に接続され、制御部20からの信号を受けて動作したり、制御部20へ信号を出力したりする。
【0028】
記憶部22は、ROM(Read Only
Memory)、RAM(Random Access
Memory)等のメモリ装置で実現され、制御部20にて実行される各種プログラムやそれに必要なデータを格納する。特に、記憶部22には災害基準情報50及びセンタ装置アドレス情報52が予め登録されている。災害基準情報50は、通信装置2における発信制限を解除する対象の災害(以下、特定災害という)を定義する情報であり、災害判定手段42が配信された災害情報に示される災害が特定災害であるか否か利用する。緊急地震速報を対象とする場合、例えば、解除対象の基準震度として震度4以上を設定しておく。センタ装置アドレス情報52は、センタ装置6の電話番号又はIPアドレスであり、センタ装置6との通信に利用される。また、記憶部22には使用者による電話や電子メール等の発信履歴54が記録される。
【0029】
制御部20は、マイクロプロセッサ等を用いて構成され、実行されるプログラムに応じて各種の処理を行う。例えば、制御部20は、通信制御手段40、災害判定手段42、モード設定手段44及び発信履歴保護手段46として機能する。
【0030】
通信制御手段40は、無線部24と共に音声通信機能やインターネット接続機能を担う通信部を構成する。具体的には、音声通信では通話相手端末との間の回線接続を確立し、マイクロフォン30にて電気信号に変換された音声信号を通信制御手段40を経由して無線部24に入力して、無線部24にて無線信号に変換された音声信号を移動体通信基地局16へ送信する。また、移動体通信基地局16から受信した無線信号は無線部24にて検波され、通信制御手段40は取り出された音声信号を入力し、音声出力回路を経由してスピーカー32から出力させる。
【0031】
また、通信制御手段40は、モード設定手段44にて設定されている通信モードに従い、無線部24を介した外部への発信動作を制限する。通信制御手段40は、制限モードが設定されている場合、操作部26を介して電話や電子メール等の発信操作が入力されると、この発信操作に対する発信処理を制限する。一方、解除モードが設定されている場合には、発信処理を制限せず、入力された発信操作に従って発信処理を実行する。
【0032】
災害判定手段42は、災害情報配信装置9から配信された災害情報を無線部24を介して受信すると、記憶部22の災害基準情報50を参照して、受信した災害情報が特定災害に該当するか否か判定する。具体的には、災害基準情報50に基準震度4以上が設定されている場合、受信した緊急地震速報が例えば震度5弱を示すときは特定災害であると判定し、震度3を示すときは特定災害ではないと判定する。
【0033】
モード設定手段44は、使用者による発信の許否についてのモードを設定する。設定されるモードは2種類あり、1つは電話や電子メールの発信を制限する制限モードであり、もう1つは発信制限が解除され発信を許容する解除モードである。モード設定手段44は、通常は通信装置2を制限モードに設定し、特定災害を示す災害情報を受信すると、一時的に解除モードに切り替える。ここで、制限モードにおいては、通信装置2による発信処理が禁止される。
なお、制限される発信処理はこれに限定するものではなく、例えば、特定の宛先以外への発信を禁止、特定の時間帯における発信を禁止、特定の位置以外での発信を禁止、所定の通話時間以上の通話を禁止、所定の頻度以上の電子メールの発信を禁止などとすることができる。また、これらの制限内容を複数組み合わせて利用してもよい。
モード設定手段44は、特定災害を示す災害情報を受信して解除モードに切り替える際、記憶部22のセンタ装置アドレス情報52を参照し、センタ装置6に災害受信情報を送信する。この災害受信情報には受信した災害情報の内容が含まれる。
【0034】
モード設定手段44は、通信モードを制限モードから解除モードに切り替えてからの経過時間をカウントし、予め設定された解除時間が経過すると、自動的に解除モードから制限モードに再び切り替える。また、解除時間が経過する前に、センタ装置6からモード復帰信号を受信すると通信モードを制限モードに切替設定する。さらに、災害情報配信装置9から配信済みの災害情報に対して訂正災害情報が配信され、この訂正災害情報が特定災害を示すものではなかった場合、通信モードを制限モードに切替設定する。
【0035】
発信履歴保護部48は、記憶部22に記憶している電話や電子メールの発信履歴54を、警備員10が通信装置2を操作して消去することを禁止する。なお、モード設定手段44により解除モードが設定されているときであっても、発信履歴保護部48は発信履歴54の消去を禁止する。
【0036】
次に、センタ装置6について詳細に説明する。センタ装置6は、警備会社などが監視区域を監視するために運営する監視センタ14に設置される。この他、センタ装置6は警備員10を派遣する警備本部、警備員10に遠隔から指示を出すための指令本部、大型ビル内の防災センターに設けられた防災本部など、警備員10の管理を行う施設に設置されてもよい。
【0037】
図3はセンタ装置6の概略のブロック構成図である。センタ装置6は、通信部60、表示部62、操作部64、記憶部66、制御部68を含んで構成される。
通信部60は、通信網8に接続され、警備員10が携行する通信装置2との通信を行う。
表示部62は、液晶ディスプレイなどの表示装置や、ブザー、LED等で構成される。
操作部64は、キーボード、マウスなどの入力装置で構成される。
【0038】
記憶部66は、ROM、RAM等のメモリ装置で実現され、制御部68にて実行される各種プログラムやそれに必要なデータを格納する。特に、記憶部66は災害報告情報70を記憶する。災害報告情報70は、災害受信情報を送信した通信装置2のアドレス情報(電話番号、IPアドレス、または使用者である警備員に関する情報)、災害の内容(震度など)、災害受信情報の受信時刻をそれぞれ対応付けた情報である。
【0039】
制御部68は、マイクロプロセッサ等を用いて構成され、実行されるプログラムに応じて各種の処理を行う。制御部68は、通信部60を介して通信装置2が送信した災害受信情報を受信すると、災害受信情報から読み取った災害内容および受信時刻を送信元の通信装置2のアドレス情報と関連付け、災害報告情報70として記憶部66に記憶する。災害受信情報を送信した通信装置2ごとの災害報告情報は、予め設定された解除時間が経過した時点で自動的に消去される。なお、通信装置2から制限モードに復帰した旨の信号を受信する構成として、この信号を受信した時点で該当する通信装置2に関する災害報告情報を消去してもよい。
【0040】
また、制御部68は、災害報告情報70に基づき、少なくとも災害受信情報を送信した通信装置2が特定可能な画面情報を生成して表示部62に表示させる。これにより、どの警備員10が被災地域にいるか、どの通信装置2が発信制限を解除された状態にあるかを監視センタ14の監視員が確認できるようにする。災害表示画面を確認した監視員は、被災地域にいる通信装置2に対して安否確認の報告要請を電子メールで配信したり、他の警備員が携行している通信装置2に連絡して被災地域の警備員10の元に他の警備員を派遣するなど状況に応じた適切なオペレーションを行う。また、制御部68は、災害報告情報70に含まれる通信装置2から安全確認の報告を受けると、或いは監視員による操作に応じて、通信装置2に対してモード復帰信号を送信する。
【0041】
次に、
図4を用いて、通信装置2における通信モードの設定処理の流れを説明する。
図4は、通信装置2の制御部20により実行される通信モードの設定処理を示す概略のフローチャートである。
上述したように、通信装置2の通信モードは、通常時は制限モードに設定されている。災害情報配信装置9から配信された災害情報を受信したとき、以下の処理を実行する。
【0042】
通信装置2は、災害情報を受信すると、その災害情報が発信制限の解除対象として定められた特定災害を示しているか否か判定する(S100)。特定災害を示していない場合、制限モードを維持して本処理を終了する。
特定災害を示す災害情報を受信した場合、通信装置2は、通信モードを制限モードから解除モードに切り替えて発信制限を解除し(S102)、災害受信情報をセンタ装置6へ送信する(S104)。
【0043】
通信装置2は災害受信情報を送信すると、所定時間を計時するタイマを起動して解除モードが設定されてからの経過時間を計時開始する(S106)。例えば、タイマの計時時間(解除時間)は120分に設定される。そして、設定された解除時間が経過するまでの間、災害情報配信装置9から発信される訂正災害情報の受信、およびセンタ装置6から送信されるモード復帰信号の受信を待機する(S108〜S112)。
【0044】
解除時間が経過するまでに訂正災害情報を受信し、その災害情報の内容が特定災害でないことを示す場合(S108のYes)、通信モードを解除モードから制限モードに復帰する(S114)。また、解除時間が経過するまでにモード復帰信号を受信すると(S110のYes)、通信モードを制限モードに復帰する(S114)。
訂正災害情報およびモード復帰信号を受信することなく、解除モードに切り替えてから解除時間が経過すると(S112のYes)、通信モードを制限モードに復帰する(S114)。通信装置2は、解除モードから制限モードに切替設定すると本処理を終了する。
【0045】
以上に説明したように、本実施形態の通信システムに用いられる通信装置2は、通常時は発信処理を制限され、特定の災害情報を受信した場合には発信制限が解除されて発信を行うことができる。このため、通常時は不要不急の通話や電子メールの使用が抑制され情報漏洩のリスクを低減しつつ、災害発生時には被災状況や自身の安否を速やかに報告することができる。
【0046】
なお、本発明の通信装置および通信システムは上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が適用可能である。
例えば、モード設定手段44は、解除モードに設定後、警備員10が掛けた電話の終了や、電子メールの送信を検知したタイミングで禁止モードへの復帰を行う構成とすることもできる。また、タイマを用いる構成において、設定された解除時間が経過するか、電話終了やメール送信完了のいずれか先のタイミングで制限モードへの復帰を行ってもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、受信した災害情報が特定災害を示す場合に解除モードに切り替える構成としたが、災害情報の内容にかかわらず解除モードに切り替える構成とすることもできる。この場合、
図4のフローチャートにおいてS100の判定処理は省略される。
また、災害情報配信装置9から受信した災害情報の種類や災害レベルに応じて、解除モードに設定する期間を異ならせてもよい。例えば、緊急地震速報が示す内容が震度3のときは10分、震度4のときは30分、震度5弱のときは60分、震度5強以上のときは12時間とする。また、台風警報のときは120分、竜巻警報のときは60分、避難勧告のときは180分とする。この場合、通信装置2は、災害内容に応じた解除時間を記憶部50に記憶しておき、災害判定手段42は、受信した災害情報がいずれの特定災害に該当するかを判定する。そして、モード設定手段44は、判定された特定災害の内容に応じた解除時間を計時し、解除モードに切り替えてからその解除時間が経過した時点で制限モードに復帰する。
【0048】
また、上記実施形態において、解除モードの終了条件に災害情報の訂正を考慮しなくてもよい。この場合、
図4のフローチャートにおいてS108の処理が省略される。
また、センタ装置6からのモード復帰信号の受信、および解除時間の経過の一方のみを用いる構成としてもよい。モード復帰信号を用いず解除時間のみで復帰する構成とする場合、
図4のフローチャートにおいてS110の処理が省略され、モード復帰信号のみで復帰する構成とする場合、
図4のフローチャートにおいてS112の処理が省略される。
【0049】
また、通信装置2にて解除時間を計時する構成に代えて、センタ装置6にて解除時間を計時する構成とすることもできる。この場合、センタ装置6は、通信装置2から災害受信情報を受信してから所定の解除時間が経過すると、その通信装置2に対してモード復帰信号を送信する。通信装置2との接続を試みて話中であるなど接続に失敗した場合は、センタ装置6は所定時間間隔でモード復帰信号の送信を繰り返して試みる。通信装置2は、モード復帰信号を受信すると解除モードから制限モードへ切り替える。なお、この構成では、センタ装置6は解除モードの制限時間を、例えば、一日のうちの時間帯に応じて異なる長さに設定することができる。
【0050】
また、通信装置2は、制限モードから解除モードに切替設定したとき、表示部34に解除時間を表示する構成としてもよい。これにより、警備員10は与えられた通信許可時間を認識し、当該時間内に電話等を終了するように留意することができる。
【0051】
また、本実施形態では通信装置2での発信の宛先や通話時間(又は通話終了時刻)或いは電子メール本文などは発信履歴54に記録され、当該発信履歴54は消去、改竄されないよう発信履歴保護部46で保護されるが、これら発信履歴をさらにセンタ装置6において記録してもよい。その構成では、例えば、通話或いは電子メール送信が終了すると通信装置2が発信した宛先や、電話であれば通話時間を、また電子メールであれば本文及び件名等をセンタ装置6へ送信し、センタ装置6は当該発信履歴を記憶部66に記録する。なお、通信装置2が解除モードから制限モードに復帰したタイミングで、通信装置2からセンタ装置6へ解除モード中の発信履歴を送信し、センタ装置6で災害報告情報と対応付けて当該発信履歴を記録する構成とすることもできる。これにより、監視センタ14では解除モード中の通信装置2を使用した通話履歴を把握できる。
【0052】
なお、上記実施形態では、通信装置2からの発信に対しては制限が設けられる構成としたが、通信装置2への着信に対しても一定の制限を設け、解除モードでは制限を解除する構成としてもよい。
【0053】
また、通信装置2は許可モードに設定されている期間中、連続して、又は断続的にスピーカー32から音を発生させたり、振動モータ36を駆動して振動を発生させたりする構成とすることもできる。このように構成することで、通話中やメール内容を入力している間においても、上述の注意を持続させることができ情報漏洩防止に資する。
【0054】
なお、上記に説明した実施形態では、通信装置2からの発信を制限する例について説明したが、110番(警察)・118番(海上保安)・119番(消防)などのいわゆる緊急特番については例外として無条件に発信を可能としてよい。