特許第6026876号(P6026876)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6026876
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】ナースコールシステム
(51)【国際特許分類】
   A61G 12/00 20060101AFI20161107BHJP
   H04M 9/00 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   A61G12/00 E
   H04M9/00 H
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-266497(P2012-266497)
(22)【出願日】2012年12月5日
(65)【公開番号】特開2014-110849(P2014-110849A)
(43)【公開日】2014年6月19日
【審査請求日】2015年3月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】楠 浩和
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 優斗
(72)【発明者】
【氏名】水野 智則
【審査官】 大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−271817(JP,A)
【文献】 特開2012−010771(JP,A)
【文献】 特開2011−176785(JP,A)
【文献】 特開2012−157457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 12/00
H04M 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッド毎に設置されて患者が看護師を呼び出して通話するためのナースコール子機と、ナースステーションに設置されて前記ナースコール子機からの呼び出しに応答するためのナースコール親機とを有し、前記ナースコール子機が、呼出操作する呼出ボタンと通話手段及び前記呼出ボタンを接続するための接続端子を備えたプレート子機とで構成されてなるナースコールシステムであって、
前記プレート子機は、前記接続端子に接続された機器の異常発生を検知する接続機器判断部を具備し、
前記ナースコール親機は、前記接続機器判断部の検知動作により前記ナースコール子機から出力される異常発生信号を受けて、異常の発生を警報音により通知動作する報音部と、表示により通知動作する表示部と、警報音を停止させる警報音停止手段と、前記表示及び報音を制御する通知制御部とを有する一方、前記ナースコール子機は、前記異常発生信号の出力を停止する復旧ボタンを有し、
前記表示による通知動作が、ポップアップ表示とテロップ表示であり、
前記通知制御部は、前記異常発生信号を新規に受信したら警報音及び表示による通知動作を開始し、その後前記警報音停止手段が操作されたら警報音を停止して表示による通知動作を継続させ、
更に前記異常発生信号に含まれる情報から病室番号及びベッド番号を読み取り、前記表示部に発生病室番号及びベッド番号をポップアップ表示すると共に、前記異常発生信号に基づく異常内容をテロップ表示し、前記警報音停止操作を受けたらテロップ表示のみ実施することを特徴とするナースコールシステム。
【請求項2】
前記通知制御部は、前記警報音停止操作を受けたら、テロップ表示に病室番号及びベッド番号を合わせて表示することを特徴とする請求項記載のナースコールシステム。
【請求項3】
前記接続端子に接続された前記呼出ボタンに脱落或いは断線が発生したら、前記接続機器判断部が前記呼出ボタンの脱落・断線の発生を検知し、
前記ナースコール子機は、前記接続機器判断部の脱落・断線の検知動作を受けて、脱落・断線信号を生成して前記ナースコール親機に送信する脱落・断線信号生成部を有し、
前記通知制御部は、前記脱落・断線信号を新規に受けたら、警報音を発報すると共に前記表示部に脱落・断線の発生を文字表示して通知することを特徴とする請求項1又は2記載のナースコールシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナースコールシステムに関し、特に患者が呼出操作するナースコール子機側で脱落・断線が発生して呼び出しできない状態の発生をナースコール親機に通知する機能に関する。
【背景技術】
【0002】
ナースコールシステムでは、ナースコール子機の呼出ボタンの接続状態を監視し、脱落・断線が発生したらナースコール親機に通知するよう構成されたものがある。例えば、特許文献1では、ナースコール子機に脱落・断線の発生を検知する検知手段を設けて、脱落・断線が発生したら非接続信号を制御機に出力し、ナースコール親機では制御機から子機断線信号を受けて発生場所等をディスプレイに表示した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−125190号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなナースコールシステムにおいて、ナースコール子機の呼出ボタンが脱落断線した場合のナースコール親機での通知動作は、警報音の発報と表示部での例えばポップアップ表示とで実施され、警報音はナースコール親機に設けられているハンドセットのアップ操作で停止させることができた。また、その後のハンドセットダウン操作で表示が終了した。
しかしながら、脱落・断線を回復させるか、発生したナースコール子機において復旧ボタンを操作してリセット処理しないでいると、例えば20秒等の一定時間が経過したら再度警報発報動作を実施した。この通報動作は、脱落・断線の復旧を促すためには必要な動作であるが、簡単に復旧できない状況では警報音が繰り返されることになり、その都度ナースコール親機で警報音の停止操作(ハンドセット操作)が必要となっていた。この作業は煩わしく、看護業務に支障をきたすおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、ナースコール子機に脱落・断線が発生した際にナースコール親機において実施される通報動作は、復旧が成されなくても警報音の発報を最小限にとどめて、看護師の警報音停止操作のための負担を軽減できるナースコールシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、ベッド毎に設置されて患者が看護師を呼び出して通話するためのナースコール子機と、ナースステーションに設置されてナースコール子機からの呼び出しに応答するためのナースコール親機とを有し、ナースコール子機が、呼出操作する呼出ボタンと通話手段及び呼出ボタンを接続するための接続端子を備えたプレート子機とで構成されてなるナースコールシステムであって、プレート子機は、接続端子に接続された機器の異常発生を検知する接続機器判断部を具備し、ナースコール親機は、接続機器判断部の検知動作によりナースコール子機から出力される異常発生信号を受けて、異常の発生を警報音により通知動作する報音部と、表示により通知動作する表示部と、警報音を停止させる警報音停止手段と、表示及び報音を制御する通知制御部とを有する一方、ナースコール子機は、異常発生信号の出力を停止する復旧ボタンを有し、表示による通知動作が、ポップアップ表示とテロップ表示であり、通知制御部は、異常発生信号を新規に受信したら警報音及び表示による通知動作を開始し、その後警報音停止手段が操作されたら警報音を停止して表示による通知動作を継続させ、更に異常発生信号に含まれる情報から病室番号及びベッド番号を読み取り、表示部に発生病室番号及びベッド番号をポップアップ表示すると共に、異常発生信号に基づく異常内容をテロップ表示し、警報音停止操作を受けたらテロップ表示のみ実施することを特徴とする。
この構成によれば、接続端子へ接続された機器に異常が発生したら、ナースコール親機において警報音と表示により異常発生が通知されるため、看護師は接続機器に異常が発生したことを確実に認識できる。
そして、接続機器の異常が復旧しなくても或いは異常発生の通知を停止させる復旧ボタンが操作されなくても、警報音停止操作が成されたならば、その後は警報音が鳴動しないため、看護師は異常発生機器の復旧を意識すること無く看護業務に専念できる。また、ナースコール親機での機器異常の表示は復旧操作されるまで継続されるため、接続機器の復旧がおろそかになる恐れがない。
【0007】
加えて、機器異常が発生したら病室番号及びベッド番号をポップアップ表示するし、異常内容がテロップ表示されるため、表示部自体が比較的小さな画面であっても場所を確認し易いし、異常内容を容易に把握できる。また、ポップアップ表示して通知する構成であっても、警報音停止操作後はポップアップ表示がないため、表示部に表示されている他の情報が隠れる問題を解消でき、看護師業務を邪魔することがない。
【0008】
請求項の発明は、請求項に記載の構成において、通知制御部は、警報音停止操作を受けたら、テロップ表示に病室番号及びベッド番号を合わせて表示することを特徴とする。
この構成によれば、場所を表示するポップアップ表示がない場合はテロップ表示に場所情報も表示されるので、場所を特定できスムーズに対処できる。
【0009】
請求項の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、接続端子に接続された呼出ボタンに脱落或いは断線が発生したら、接続機器判断部が呼出ボタンの脱落・断線の発生を検知し、ナースコール子機は、接続機器判断部の脱落・断線の検知動作を受けて、脱落・断線信号を生成してナースコール親機に送信する脱落・断線信号生成部を有し、通知制御部は、脱落・断線信号を新規に受けたら、警報音を発報すると共に表示部に脱落・断線の発生を文字表示して通知することを特徴とする。
この構成によれば、呼出ボタンの脱落・断線が発生したら速やかにナースコール親機において脱落・断線の発生を表示して通知動作する。よって、呼出ボタンが抜けて呼出信号が送信されないような事態を看護師は速やかに把握して対処することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、接続機器の異常が復旧しなくても或いは異常発生の通知を停止させる復旧ボタンが操作されなくても、警報音停止操作が成されたならば、その後は警報音が鳴動しないため、看護師は異常発生機器の復旧を意識すること無く看護業務に専念できる。また、ナースコール親機での機器異常の表示は復旧操作されるまで継続されるため、接続機器の復旧がおろそかになる恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係るナースコールシステムの一例を示す構成図である。
図2】プレート子機の回路ブロック図である。
図3】廊下灯の回路ブロック図である。
図4】ナースコール親機の回路ブロック図である。
図5】新規に脱落・断線が発生した際にナースコール親機での表示を示す説明図である。
図6】警報音停止操作してからの脱落・断線の発生を通知するナースコール親機の表示を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係るナースコールシステムの一例を示す構成図であり、1はベッド毎に設置されて患者が看護師を呼び出して通話するためのナースコール子機、2は各病室の出入口に設置されて患者からの呼出発生を報知する表示灯2aと患者名表示部2bとを備えた廊下灯、3はナースステーションに設置されて患者からの呼び出しを受けて応答するためのナースコール親機、4は機器間の通信を制御する制御機、5はベッド毎に設置されて患者を撮像するカメラ、6は看護師が携行して患者からの呼び出しに応答するための携帯端末、7は基地局8を介して実施される携帯端末6の通信を管理する交換機である。
【0013】
廊下灯2、ナースコール親機3、制御機4、カメラ5等はそれぞれHUB10を介してLAN接続され、ナースコール子機1は病室毎に廊下灯2に伝送線L1を介して接続されている。また、交換機7は伝送線L2を介して制御機4に接続されている。
【0014】
ナースコール子機1は、呼出ボタン1aと壁面に設置されて呼出ボタン1aが接続されるプレート子機1bとで構成され、呼出ボタン1aはコード18を介してプレート子機1bに接続されている。
図2はプレート子機1bの回路ブロック図を示している。この図2に示すように、プレート子機1bは、患者が看護師と通話するためにマイク及びスピーカを備えた通話部11、呼出ボタン1aの脱落・断線を検知する脱落・断線検知部12、呼出ボタン1aを接続するための接続端子13、脱落・断線検知部12の検知動作をリセットする復旧ボタン14、ナースコール子機1を制御する子機CPU15、廊下灯2を介して制御機4やナースコール親機3と通信する子機通信IF16等を備えている。
尚、接続端子13は呼出ボタン1aを接続するためのものであるが、例えば体温や脈拍等を測定する生体情報測定装置を接続して測定情報をナースコール親機3へ送信することも可能となっている。
【0015】
図3は廊下灯2の回路ブロック図を示している。図3に示すように、廊下灯2は呼び出しを発光して通知する表示灯2a、液晶ディスプレイから成る患者名表示部2bに加えて、患者氏名情報やナースコール子機情報を記憶する廊下灯記憶部22、ナースコール子機1とナースコール親機3及び制御機4との間の通信を管理すると共に廊下灯2を制御する廊下灯CPU23、他のナースコール機器とHUB10を介してLAN接続するための廊下灯第1IF24、ナースコール子機1と通信する廊下灯第2IF25等を備えている。
【0016】
ナースコール親機3は、患者と通話したり放送するためのハンドセット41を備えた通話部3a、液晶ディスプレイから成り各種情報を表示する表示部3b、個々の患者の患者情報表示部Mが一覧表示されたボード部3c等を有している。
図4はナースコール親機3の主要部の回路ブロック図を示している。図4に示すように、ナースコール親機3は、通話部3a、表示部3bに加えて、表示部3bに表示する画像或いは映像を制御する映像処理部32、表示部3bに組み付けられた操作部としてのタッチパネル33、ナースコール子機1とカメラ5との対応関係や各種設定情報、更に表示部3bに表示する文字情報や画像や映像を記憶する情報記憶部34、ナースコール親機3全体を制御する親機CPU35、通話部3aで報音或いは通話部3aから入力される音声信号を処理する音声処理部37、呼出音や警報音等を報音する報音部38、ボード部3cの個々の患者情報表示部Mに設けられて発光して呼出元を通知する通知灯39、制御機4等の他のナースコール機器とLAN接続するための親機通信IF40等を備えている。
尚、42はハンドセット41をオン/オフするためのフックスイッチであり、後述する警報音停止の機能を有している。
【0017】
上記の如く構成されたナースコールシステムの動作は以下のようである。尚、ナースコール子機1の呼出操作を受けて廊下灯2が報知動作し、ナースコール親機3或いは携帯端末6で応答する動作は従来と同様であるため説明を省略し、ここでは呼出ボタン1aの脱落・断線を通知、即ちプレート子機1bから呼出ボタン1aが抜け落ちたり、呼出ボタン1aのプレート子機1bに接続するためのコード18に断線が発生した場合の通知動作を中心に説明する。
プレート子機1bの接続端子13に接続された呼出ボタン1aが外れたら、或いは呼出ボタン1aのコード18内に断線が発生したら、脱落・断線検知部12がそれを検知し、子機CPU15に脱落・断線の発生を通知する。例えば、脱落・断線検知部12は、接続端子13の端子間抵抗値の変化を検出し、その抵抗値が変化したら(大きくなったら)呼出ボタン1aの脱落・断線が発生したと判断する。
【0018】
脱落・断線検知部12が脱落・断線の発生を検知したら、子機CPU15がそれを受けて一定時間(例えば20秒)監視し、一定時間が経過した後も脱落・断線検知部12が脱落・断線の発生を検知し続けたら、子機通信IF16を介して廊下灯2へ脱落・断線信号を送信する。子機CPU15は、脱落・断線検出部12が脱落・断線の発生を検知し続ける限り一定の時間間隔で脱落・断線信号を出力する。
尚、脱落・断線の発生を検知しても一定時間待つことで、接続をし直すため等の故意の取り外し操作等を脱落と判断するのを防止している。また、復旧ボタン14の操作で脱落・断線信号の出力は一旦リセットされる。
【0019】
ナースコール子機1から脱落・断線信号を受信した廊下灯2は、廊下灯CPU23が病室番号情報と送信元ナースコール子機1のベッド番号情報を廊下灯記憶部22から読み取って附加し、呼出元情報を附加した脱落・断線信号をHUB10を介してナースコール親機3及び制御機4へ送信する。
【0020】
この脱落・断線信号を受信したナースコール親機3は、親機CPU35の制御で表示部3bに脱落・断線の発生を表示し、同時に報音部38から警報音を報音して脱落・断線の発生の通知動作を実施する。詳しくは、受信した脱落・断線信号から病室番号及びベッド番号を読み取り、映像処理部32を制御して病室番号とベッド番号を表示部3bにポップアップ表示させる。更に、脱落・断線信号から異常内容を把握し、通知する異常内容を表示部3bの下部にテロップ表示させる。そして、報音部38から警報音を鳴動させる。
【0021】
尚、警報音の報音は、親機CPU35が新規に脱落・断線信号を受信した場合であり、一旦後述する警報音停止操作が成されたら、同一の送信元から送信される脱落・断線信号に対しては、復旧操作が成されない限り警報音の報音はない。また、脱落・断線信号を受信した制御機4は、呼出履歴に脱落・断線の発生を記録する。
【0022】
図5は、表示部3bが脱落・断線の発生を表示している状態を示している。この図5に示すように、表示部3bの主要エリアに病室番号「102」の表示E1とベッド番号「4」の表示E2とがポップアップ表示D1により大きく表示され、また表示部3bの下部には「コンセントからボタンが外れています」のテロップD2が表示される。ここでは、ポップアップ表示D1においても、異常発生の原因情報(脱落・断線の発生が原因)も合わせて表示している。また、テロップの文字情報は、予め情報記憶部34に保存され、表示「コンセントからボタンが外れています」は確認する看護師に対して優しく表示したもので、「接続端子に脱落・断線が発生しました」と正確に表示しても良い。
【0023】
そして、報音動作は所定の停止操作(ここでは通話部3aのハンドセット41のアップ操作)を受けるまで継続される。ハンドセット41をアップすることで、フックスイッチ42がオフすることで報音停止のトリガーが発生し、このトリガー信号を受けた親機CPU35が報音を停止させる。一方、テロップD2による表示は継続して実施される。
但し、継続される表示により通知動作は、ポップアップ表示D1及び報音通知は実施せず、テロップD2の表示のみ実施する。その際、テロップD2には病室番号とベッド番号が合わせて表示される。
【0024】
図6はこの2度目以降の脱落・断線発生通知の表示状態を示している。具体的に、呼び出しを受けて呼出元の患者情報及び患者映像が表示された状態で、報音停止操作を受けた後の脱落・断線発生の通知が成された状態を示している。図6に示すように、ポップアップによる表示は行われず、テロップD2の表示のみで通知動作が実施されるため、患者からの呼び出しが発生し、患者情報が表示部3bに表示されている状態で脱落・断線発生の通知が成されても、呼出元の患者情報の表示が隠れるようなことがない。
【0025】
一方、復旧操作が成されない限りナースコール子機1からは、所定の時間(例えば20秒)で脱落・断線信号が送出される。そのため、警報音停止操作しない場合、テロップによる表示は継続して或いは断続的に実施されるし、警報音も停止操作されるまで継続して或いは断続的に報音される。
そして、脱落・断線発生元のナースコール子機1の復旧ボタン14が押下されると、普及信号が子機CPU15から送信され、子機CPU15から脱落・断線信号が停止し、ナースコール親機3の通知動作は終了する。
【0026】
但し、復旧ボタン14の操作だけでは、脱落・断線が直った訳ではないので、脱落・断線検知部12が脱落・断線を検知したら、子機CPU15は一定時間後に新たな脱落・断線信号を送出を開始する。この場合、親機CPU35は新規の脱落・断線信号と認識するため、警報音及び表示による通知を開始する。
また、脱落・断線を修理や交換等で復旧させた場合は、その後、脱落・断線の通報は発生しない。
【0027】
このように、接続端子13に接続された呼出ボタン1aに脱落・断線が発生した場合、ナースコール親機3において警報音と表示によりそれが通知されるため、看護師はそれを速やかに、そして確実に把握できる。よって、呼出ボタン1aが操作されても呼出信号が送信されないような事態を防ぐことが可能となる。
また、脱落・断線が復旧しなくても或いは復旧ボタン14が操作されなくても、警報音停止操作が成されたならば、復旧操作が遅れても警報音は鳴動しないため、看護師は異常発生機器の復旧を意識すること無く看護業務に専念できる。また、ナースコール親機3での脱落・断線の表示は復旧操作されるまで継続されるため、呼出ボタン1aの復旧がおろそかになる恐れがない。
更に、脱落・断線が発生したら病室番号及びベッド番号をポップアップ表示するし、脱落・断線発生による警報であることがテロップ表示されるため、表示部自体が比較的小さな画面であっても場所を確認し易いし、異常内容を容易に把握できる。
また、ポップアップ表示して通知する構成であっても、警報音停止操作後はポップアップ表示がないため、表示部に表示されている他の情報が隠れる問題を解消でき、看護師業務を邪魔することがない。そして、場所を表示するポップアップ表示がない場合は、テロップに場所情報も表示されるので、スムーズに対処できる。
【0028】
尚、上記実施形態では、呼出ボタン1aの脱落・断線の発生を通知する構成を説明したが、他の機器を接続端子13に接続する場合、例えば生体情報測定装置を接続した場合でも、同様に脱落・断線の検出を行うことができる。
更に、脱落・断線検知部12は端子間の抵抗値の変化等で脱落・断線を検出するが、検出抵抗値に複数の閾値を設けて判断する等他の検知機能を附加すれば、例えば接続機器の動作不良等を検知して通知することも可能となる。
また、表示部3bが例えば20インチ程度の大型ディスプレイで形成されている場合は、警報音停止操作した後もポップアップ表示により脱落・断線の発生を通知しても良いし、テロップ表示でも最初の表示から脱落・断線の発生元情報を表示しても良い。
【符号の説明】
【0029】
1・・ナースコール子機、1a・・呼出ボタン、1b・・プレート子機、2・・廊下灯、3・・ナースコール親機、3b・・表示部、11・・通話部(通話手段)、12・・脱落・断線検知部(接続機器判断部)、13・・接続端子、15・・子機CPU(脱落・断線信号生成部)、35・・親機CPU(通知制御部)、38・・報音部、41・・ハンドセット、42・・フックスイッチ(警報音停止手段)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6