特許第6026883号(P6026883)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6026883-圧電部品 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6026883
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】圧電部品
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/02 20060101AFI20161107BHJP
   H03H 9/17 20060101ALI20161107BHJP
   H01L 41/09 20060101ALI20161107BHJP
   H01L 41/187 20060101ALI20161107BHJP
   H01L 41/22 20130101ALI20161107BHJP
【FI】
   H03H9/02 N
   H03H9/17 A
   H01L41/08 C
   H01L41/08 L
   H01L41/18 101D
   H01L41/18 101C
   H01L41/18 101B
   H01L41/22
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-285334(P2012-285334)
(22)【出願日】2012年12月27日
(65)【公開番号】特開2014-127973(P2014-127973A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年7月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】毎原 俊介
【審査官】 石川 雄太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−288790(JP,A)
【文献】 特開2009−213024(JP,A)
【文献】 特開昭55−078521(JP,A)
【文献】 特開2006−179772(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/013236(WO,A1)
【文献】 特開2004−155649(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03H 9/02
H01L 41/09
H01L 41/187
H01L 41/22
H03H 9/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘電体の主面に電極が設けられてなる容量基板と、該容量基板の主面上に搭載され、圧電体の表面に対向する電極が設けられた圧電素子とを備え
前記圧電素子が温度上昇とともに発振周波数が下がる特性を有し、前記容量基板が温度上昇とともに容量値が下がる特性を有しており、
前記誘電体が、主成分としてチタン酸バリウムを含んでいるとともに、当該主成分の相転移点を低温側にシフトさせるための添加成分としてMgとYbとを含んでいて、
Baの一部がYで置換されているとともにTiの一部がMnで置換されており、BaとYとの和100molに対してMgが1〜10mol含まれ、TiとMnとの和100molに対してYbが6〜10mol含まれていることを特徴とする圧電部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高信頼性および高精度な周波数特性が得られる圧電部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レゾネータなどの圧電部品は、圧電素子と容量基板から構成されている(例えば特許文献1を参照)。ここで、一般的なレゾネータは、容量基板で形成される容量を大きくするために、例えばチタン酸ジルコン酸鉛のような温度が上がると誘電率が上がる材料が使用されている。
【0003】
これに対し、高精度な発振周波数の圧電部品(レゾネータ)を作るには、発振周波数の温度特性がフラットである圧電素子と、容量の温度特性がフラットな容量基板を使用することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−286665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、発振周波数の温度特性がフラットな圧電素子を構成する圧電体としては、例えばタンタル酸リチウム単結晶が挙げられ、容量の温度特性がフラットな容量基板を構成する誘電体としては、チタン酸マグネシウムに酸化カルシウム、炭酸ストロンチウムを添加した組成系が挙げられる。しかし、このような誘電体は誘電率が低いので、その容量を確保するために積層構造とする必要があることから、高コストで生産性に劣るという問題がある。また、容量基板を積層構造とすると絶縁耐圧が低くなるという問題もある。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、高コストとなるのを抑え、十分な絶縁耐圧で温度特性の良好な圧電部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の圧電部品は、誘電体の主面に電極が設けられてなる容量基板と、該容量基板の主面上に搭載され、圧電体の表面に対向する電極が設けられた圧電素子とを備え
前記圧電素子が温度上昇とともに発振周波数が下がる特性を有し、前記容量基板が温度上昇とともに容量値が下がる特性を有しており、前記誘電体が、主成分としてチタン酸バリウムを含んでいるとともに、当該主成分の相転移点を低温側にシフトさせるための添加成分としてMgとYbとを含んでいて、Baの一部がYで置換されているとともにTiの一部がMnで置換されており、BaとYとの和100molに対してMgが1〜10mol含まれ、TiとMnとの和100molに対してYbが6〜10mol含まれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、容量基板が温度上昇とともに容量値が下がる特性を有していることによって、圧電素子自体は温度が上がると発振周波数が下がる特性を有するものの、容量基板の容量値が下がると圧電素子の発振周波数が上がるように作用することから、圧電部品として発振周波数の温度特性がフラットに近づくこととなる。すなわち、容量基板を積層構造としなくても所望の容量を確保できることから高コストとなるのを抑え、電極間距離が長いことから十分な絶縁耐圧で温度特性の良好な圧電部品を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】(a)は本発明の圧電部品の実施の形態の一例を示す外観斜視図であり、(b)は(a)に示す圧電部品の蓋体を取り除いた状態の外観斜視図である。
図2図1に示すA−A線で切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の圧電部品の実施の形態の例について図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1(a)は本発明の圧電部品の実施の形態の一例を示す外観斜視図であり、図1(b)は図1(a)に示す圧電部品の蓋体を取り除いた状態の外観斜視図である。また、図2図1(a)に示すA−A線で切断した断面図である。
【0017】
図1に示す例の圧電部品は、誘電体11の主面に電極12が設けられてなる容量基板1と、容量基板1の主面上に搭載され、圧電体21の表面に対向する電極22(振動電極221、222)が設けられた圧電素子2とを含み、圧電素子2が温度上昇とともに発振周波数が下がる特性を有していて、容量基板1が温度上昇とともに容量値が下がる特性を有している。
【0018】
容量基板1は、例えば、長さが2.5mm〜7.5mm、幅が1.0mm〜3.0mm、厚みが0.1mm〜1mmの長方形状の平板として形成された誘電体11を含んでいる。
【0019】
容量基板1を構成する誘電体11の主面には電極12が設けられている。この電極12は容量を形成するための電極であり、具体的には、誘電体11の一方の主面(本例では上面)から側面を経て他方の主面(本例では下面)にかけて、電極12(第1容量電極121)および電極12(第2容量電極122)がそれぞれ設けられている。この第1容量電極121は誘電体11の長手方向の一方の端部側から中央部に向かって延びて配置され、第2容量電極122は誘電体11の長手方向の他方の端部側から中央部に向かって延びて配置されている。なお、第1容量電極121は誘電体11の他方主面に設けられた信号端子124と電気的に接続されているとともに、第2容量電極は誘電体11の他方主面に設けられた信号端子125と電気的に接続されている。
【0020】
そして、誘電体11の他方の主面(本例では下面)に、誘電体11を挟んで電極12(第1容量電極121)と電極12(第2容量電極122)とにまたがって対向する電極1
2(グランド電極123)が設けられている。
【0021】
本例のように第1容量電極121および第2容量電極122とグランド電極123とが誘電体11を介して対向する場合は、第1容量電極121とグランド電極123とが対向する領域および第2容量電極122とグランド電極123とが対向する領域の面積が等しくなるように設定されることにより、それぞれの対向する領域で得られる静電容量が等しくなる。また、第1容量電極121および第2容量電極122とグランド電極123とが誘電体11を介して対向する場合は、第1容量電極121とグランド電極123とが対向する領域および第2容量電極122とグランド電極123とが対向する領域を大きくすることができるので、容量を大きく形成することができる。なお、それぞれの対向する領域で得られる静電容量は、圧電部品が接続されてともに発振回路を構成する増幅回路素子の特性によって定められる。
【0022】
なお、図では、グランド電極123は誘電体11の側面に到達して厚み方向に伸びるように形成されている。
【0023】
第1容量電極121,第2容量電極122,グランド電極123,信号端子124,125の材料としては、金,銀,銅,アルミニウム,タングステン等の金属粉末を樹脂中に分散させてなる導電性樹脂や、それら金属粉末にガラス等の添加物を加えて焼き付けた厚膜導体等を用いることができる。必要に応じてNi/Au、Ni/Sn等のめっきを形成したものでもよい。
【0024】
容量基板1の上には、圧電素子2が搭載されている。具体的には、圧電素子2の両端部が導電性接合材3によって容量基板1上に振動可能に固定されている。
【0025】
この圧電素子2は、圧電体21と、圧電体21の両主面にそれぞれ設けられた電極(振動電極22、23)とを備えるものである。そして、この圧電素子2は、それ自体が温度上昇とともに発振周波数が下がる特性を有するものである。
【0026】
圧電素子2を構成する圧電体21は、例えば、長さが1.0mm〜4.0mm、幅が0.2mm〜2mm、厚みが40μm〜1mmの四角形状の平板に形成されたものである。この圧電体21は、例えばチタン酸鉛,チタン酸ジルコン酸鉛,ニオブ酸ナトリウム,ニオブ酸カリウム,ビスマス層状化合物等を基材とする圧電セラミックスを用いて形成することができる。
【0027】
また、圧電素子2は、圧電体21の一方主面および他方主面にそれぞれ互いに対向する領域を有するように配置された電極22(振動電極221、222)を備えている。圧電体の21の上側の主面に設けられた振動電極221は長手方向の一方の端部から他方の端部側に向けて延びるように設けられ、圧電体の21の下側の主面に設けられた振動電極222は長手方向の他方の端部から一方の端部側に向けて延びるように設けられ、それぞれ互いに対向する領域を有している。この振動電極221、222は、例えば金,銀,銅,アルミニウム等の金属を用いることができ、それぞれ圧電体21の表面に例えば0.1μm〜3μmの厚みに被着される。そして、導電性接合材3を介して圧電素子2の振動電極221が第1容量電極121と電気的に接続されているとともに、導電性接合材3を介して圧電素子2の振動電極222が第2容量電極122と電気的に接続されている。
【0028】
導電性接合材3は、容量基板1の上面と圧電素子2の下面との間に所定の空間(間隙)を確保する機能も有している。このような導電性接合材3としては、例えばはんだや導電性接着剤等が用いられ、はんだであれば、例えば銅,錫,銀からなる鉛を含まない材料等を用いることができ、導電性接着剤であれば、銀,銅,ニッケル等の導電性粒子を75〜
95質量%含有したエポキシ系の導電性樹脂またはシリコーン系の樹脂を用いることができる。
【0029】
このような圧電素子2は、両端部から振動電極221および振動電極222間に電圧を印加したとき、振動電極221と振動電極222とが対向する領域において、特定の周波数で厚み縦振動もしくは厚みすべり振動の圧電振動を発生させるようになっているものである。
【0030】
なお、容量基板1の上には圧電素子2を覆うように蓋体4が設けられている。この蓋体4は、容量基板1の上面の周縁部に接着剤などで接合されていて、これにより、容量基板1とともに形成した空間に収容されている圧電素子2を外部からの物理的な影響や化学的な影響から保護する機能と、容量基板1とともに形成した空間内への水等の異物の浸入を防ぐための気密封止機能を有している。なお、蓋体4の材料として、例えば、SUSなどの金属、アルミナなどのセラミックス,樹脂,ガラス等を用いることができる。また、エポキシ樹脂等の絶縁性樹脂材料に無機フィラーを25〜80質量%の割合で含有させて容量基板1との熱膨張係数の差を小さくするようにしたものでもよい。
【0031】
そして、誘電体11の主面に電極12が設けられてなる容量基板1と、容量基板1の主面上に搭載され、圧電体21の表面に対向する電極22(振動電極221、222)が設けられた圧電素子2とを含み、容量基板1が温度上昇とともに容量値が下がる特性を有している(誘電体11が温度上昇とともに容量値が下がるものである)。
【0032】
容量基板1が温度上昇とともに容量値が下がる特性を有するものであることによって、圧電素子2自体は温度が上がると発振周波数が下がる特性を有するものの、容量基板1の容量値が下がると圧電素子2の発振周波数が上がるように作用することから、当該発振周波数の温度特性がフラットに近づくこととなる。すなわち、容量基板1が温度上昇とともに容量値が下がる特性を有するために用いられる誘電体11として、容量値の温度特性がフラットになる誘電体よりも誘電率の高い材料を用いることができることから、容量基板1を積層構造としなくても所望の容量を確保できる。したがって、高コストとなるのを抑え、電極間距離が長いことから十分な絶縁耐圧で温度特性の良好な圧電部品を実現することができる。
【0033】
ここで、容量基板1が温度上昇とともに容量値が下がるようにするために用いられる誘電体11としては、誘電率が高く、温度上昇とともに容量基板1の容量値が下がるように作用する材料、例えばチタン酸バリウム系、チタン酸鉛+ランタン系などの材料が挙げられるが、これらを主成分とし、さらに当該主成分の相転移点を低温側にシフトさせるための添加成分を含んでいるのが好ましい。
【0034】
これにより、温度が上がると容量値が下がり続ける容量基板1ができるため、低温側の発振周波数の温度特性を精度よく調整できる。
【0035】
また、主成分としては、チタン酸バリウムであるのがよい。チタン酸バリウムの0℃付近の相転移点において温度が上がると容量値が下がるという特性を利用することで、発振周波数の温度特性をフラットに近づけることができるからである。
【0036】
また、添加成分としては、アルカリ土類金属元素のうちの少なくとも一種および希土類元素のうちの少なくとも一種とする構成が挙げられる。
【0037】
これらの組み合わせによれば、添加成分の粒成長抑制効果と相転移点を低温側へ移動させる効果とが合わさって、高温側の誘電率を抑えることができる。これにより、温度が上
がると容量値は下がる容量基板1ができるため、発振周波数の温度特性をよりフラットに近づけることができる。
【0038】
さらに、アルカリ土類金属元素のうちの少なくとも一種がMgであり、希土類元素のうちの少なくとも一種がYbであるのが好ましい。Ybは希土類の中でも、イオン半径が小さく、粒成長を抑える効果がある。また、Mgはデプレッサ効果とアルカリ土類金属の中でも相転移点を低温側へ移動させる効果が大きい。したがって、単独でMgを添加するよりも、Ybを添加して粒成長を抑えるとともに、Mgを添加することで相転移点をより低温側へ移動させるのが好ましく、これにより、発振周波数の温度特性をさらにフラットに近づけることができる。
【0039】
特に、チタン酸バリウム(BaTiO)におけるBaの一部がYで置換されているとともにTiの一部がMnで置換されており、BaとYとの和100molに対してMgが1〜10mol含まれ、TiとMnとの和100molに対してYbが6〜10mol含まれているのが好ましく、これにより、温度が上がると容量値は下がる容量基板組成が出来るため、発振周波数の温度特性がフラットになる。
【0040】
なお、誘電体11の相転移点が−40℃以下であり、また誘電体11のキュリー点が130℃以上であるのが効果的である。
【0041】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更・改良等が可能である。
【0042】
次に、本実施の形態の圧電部品の製造方法について説明する。
【0043】
まず、容量基板1を作製するための多数個取り基板を作製する。例えば、原料粉末を水や分散剤と共にボールミルを用いて混合した後に、バインダ,溶剤,可塑剤等を加えてグリーンシートとする。これを例えば900℃〜1600℃のピーク温度で焼成する。この基板に、金,銀,銅,アルミニウム,タングステン等の金属粉末を含む導電性ペーストを印刷・焼付けを行う。なお、原料粉末としては、例えば炭酸バリウム99mol、酸化チタン98mol、酸化イットリウム1mol、酸化マンガン2molを調合する。調合総重量、溶媒、メディアを1:2:15比で混合する。混合した原料で800〜1100℃のピークで仮焼を行う。これに炭酸マグネシウム1〜10mol、酸化イッテリビウム6〜10molを添加する。添加後の総重量、溶媒、メディアを1:2:15の割合で粉砕を行う。このようにして得られた原料にバインダ、可塑剤等を加え、プレス成型後、1100〜1400℃のピーク温度で焼成し、誘電体磁器を得る。
【0044】
次に、圧電素子2を構成する圧電体21は、例えば、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛などの原料粉末を水や分散剤と共にボールミルを用いて混合した後に、バインダ、可塑剤等を加え、乾燥、整粒する。このようにして得られた原料をプレス成型後、焼成し、圧電磁器を得る。得られた圧電磁器の端面に電極を形成し、例えば25℃〜300℃の温度にて厚み方向に例えば0.4kV/mm〜6kV/mmの電圧をかけて分極処理を行う。
【0045】
圧電体21の上下面に形成される振動電極221および振動電極222は、得られた圧電磁器に、真空蒸着法,PVD法,スパッタリング法等を用いて圧電体21の上下面に金属膜を被着させ、厚みが1μm〜10μm程度のフォトレジスト膜をそれぞれの金属膜上にスクリーン印刷等を用いて形成した後に、フォトエッチングによってパターニングすることによって、形成することができる。パターンニングされた圧電磁器を所定のサイズにダイシング等でカットすることにより圧電素子2が作製される。
【0046】
そして、導電性接合材3を用いて、圧電素子2を多数個取り基板の上に搭載し、固定する。導電性接合材3が金属粉末を樹脂中に分散させてなる導電性接着剤の場合は、この導電性接着剤をディスペンサ等を用いて第1容量電極121、第2容量電極122の上に塗布しておいて、圧電素子2を載せ、加熱または紫外線照射により導電性接着剤の樹脂を硬化させればよい。
【0047】
そして、圧電素子2を覆うようにして、蓋体4の開口周縁面を容量基板1の上面の周縁部に接合する。蓋体4としては複数の凹部有する多数個取りの集合蓋体シートを用いて、凹部が圧電素子2を覆うようにして集合蓋体シートを多数個取り基板の上に乗せ、蓋体4の開口周縁面となる集合蓋体シートの凸部を容量基板1の上面の周縁部に接合する。例えば、準備しておいた蓋体4の開口周縁面となる集合蓋体シートの凸部に熱硬化性の絶縁性接着剤を塗布し、蓋体4を容量基板1の上面に載せる。しかる後に、蓋体4または容量基板1を加熱することにより絶縁性接着剤を100〜150℃に温度上昇させて硬化させ、蓋体4を容量基板1の上面に接合する。
【0048】
最後に、各圧電部品(個片)の境界にそってダイシング等で切断する。
【0049】
以上の方法により、本発明の圧電部品が作製される。
【符号の説明】
【0050】
1:容量基板
11:誘電体
12:電極
121:第1容量電極
122:第2容量電極
123:グランド電極
124、125:信号端子
2:圧電素子
21:圧電体
22:電極
221、222:振動電極
3:導電性接合材
4:蓋体
図1
図2