(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のモータユニットでは、以下のような問題がある。すなわち、モータの回路を制御系回路とパワー系回路との2つの回路に分ける必要あり、部品点数の増加及び組付工数の増加を招くという問題がある。また、上述したように、ボトムケース内では、制御系回路とパワー系回路とが上下2段に配設されているため、制御系回路に対する放熱効率が悪くなる。しかも、パワー系素子によって発生した熱によって制御系回路部品が熱せられる畏れがある。
【0005】
これに対して、モータの回路を制御系回路とパワー系回路とを含む平面的な回路で構成することが考えられるが、この場合には、モータユニットの大型化を抑制しつつ、パワー系素子によって発生した熱を放熱する構造にすることが望ましい。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮し、大型化を抑制しつつ放熱性の良い減速機付モータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の減速機付モータは、回転軸を有するモータ本体と、前記回転軸に設けられたウォームと、前記ウォームに噛合されるウォームホイールと、を含んで構成され、前記回転軸の回転を減速させる減速部と、前記減速部を収容し且つ前記ウォームホイールの軸方向一方側へ開口されたハウジング本体と、前記ハウジング本体の開口部を塞ぐハウジングカバーと、を含んで構成されたハウジングと、板厚方向を前記ウォームホイールの軸方向として前記ハウジング内に収容され、前記モータ本体を駆動制御するパワー系素子を一側面に配置した回路基板と、前記ハウジング本体に設けられ、前記ハウジング本体の開口側から見て前記ウォームと隣接し且つ一部が前記ウォームとオーバーラップして配置されると共に、前記回路基板の他側面と接触されて前記パワー系素子によって発生される熱を受ける受熱部と、を備えている。
【0008】
上記構成の減速機付モータによれば、モータ本体の回転軸にウォームが設けられており、ウォームはウォームホイールに噛合されている。そして、これらウォーム及びウォームホイールが、ハウジング本体内に収容されている。ハウジング本体は、ウォームホイールの軸方向一方側へ開口されており、ハウジング本体の開口部はハウジングカバーによって塞がれている。そして、ハウジング内には、回路基板が板厚方向をウォームホイールの軸方向にして収容されており、回路基板の一側面には、モータ本体を駆動制御するパワー系素子が配置されている。
【0009】
さらに、ハウジング本体には受熱部が設けられている。この受熱部は、ハウジング本体の開口側から見てウォームと隣接して配置されており、回路基板の他側面が受熱部に接触されている。これにより、パワー系素子を受熱部に対応して配置することで、回路基板のパワー系素子によって発生される熱を受熱部が受けて、当該熱をハウジング本体へ伝達できる。
【0010】
ここで、受熱部の一部が、ハウジング本体の開口側から見てウォームとオーバーラップして配置されている。このため、ハウジング本体の開口側から見て、仮に受熱部の一部がウォームとオーバーラップしていない比較例と比べて、受熱部の面積を大きく設定できる。すなわち、上記比較例と比べて、ハウジング本体を外側に大きくすることなく、受熱部における回路基板との接触面積を大きくすることができる。これにより、ハウジング本体の大型化を抑制しつつ、パワー系素子によって発生される熱を受熱部によって効果的に受けて、当該熱をハウジング本体から放熱できる。
【0011】
また、本発明の減速機付モータでは、前記ハウジング本体の開口側から見て、前記パワー系素子が前記受熱部とオーバーラップして配置されている。
【0012】
上記構成の減速機付モータによれば、ハウジング本体の開口側から見てパワー系素子が受熱部とオーバーラップして配置されているため、パワー系素子によって発生される熱を受熱部に効率よく伝達できる。
【0013】
また、本発明の減速機付モータでは、前記ハウジング本体が金属製とされると共に、前記受熱部が前記ハウジング本体と一体に形成されている。
【0014】
上記構成の減速機付モータによれば、例えば、ハウジング本体を熱伝導率の高い金属材料で構成することで、受熱部が受けた熱を、ハウジング本体を介してハウジング本体の外側へ効率よく放熱できる。
【0015】
また、本発明の減速機付モータでは、前記受熱部は、前記回路基板と平行な平面を成している。
【0016】
上記構成の減速機付モータによれば、回路基板の一側面に平面的に配置されたパワー系素子を、受熱部に対して容易に対向配置させることができる。
【0017】
また、本発明の減速機付モータでは、前記ハウジング本体の外面部には、前記受熱部と対応する位置において、放熱フィンが一体に形成されている。
【0018】
上記構成の減速機付モータによれば、受熱部からハウジング本体に伝達された熱を放熱フィンによってハウジング本体の外側へ効率よく放熱できる。
【0019】
また、本発明の減速機付モータでは、前記ハウジング本体には、前記ハウジング本体の開口側から見て、前記ウォームに対して前記ウォームホイールとは反対側に配置された放熱ブロックが一体に形成され、前記放熱ブロックには、前記ウォームよりも前記ハウジング本体の開口側の位置において、前記ウォーム側へ突出された庇部が形成され、前記放熱ブロック及び前記庇部における前記ハウジング本体の開口側の面が、面一に形成されて前記受熱部を構成している。
【0020】
上記構成の減速機付モータによれば、ハウジング本体に放熱ブロックが一体に形成されており、放熱ブロックは、ハウジング本体の開口側から見てウォームに対してウォームホイールとは反対側に配置されている。また、放熱ブロックには庇部が形成されており、庇部は、ウォームよりもハウジング本体の開口側に配置されて、放熱ブロックからウォーム側へ突出されている。そして、放熱ブロック及び庇部のハウジング本体の開口側の面が面一に形成されており、当該面が受熱部とされている。これにより、ハウジング本体におけるデットスペースを有効に活用して放熱ブロック及び庇部を形成することができ、放熱ブロック及び庇部において、比較的大きな面積を有する受熱部を形成できる。
【0021】
また、本発明の減速機付モータでは、前記回路基板の他側面と前記受熱部とは、粘性を有する熱伝導材を介して接触されている。
【0022】
上記構成の減速機付モータによれば、回路基板の他側面と受熱部との間には、粘性を有する熱伝導材が介在されているため、回路基板の他側面と受熱部と接触部分の形状に倣って両者を密着接触させることができる。これにより、回路基板から受熱部への熱伝導効率を一層向上できる。
【0023】
また、本発明の減速機付モータは、回転軸を有するモータ本体と、前記回転軸に設けられたウォームと、前記ウォームに噛合されるウォームホイールと、を含んで構成され、前記回転軸の回転を減速させる減速部と、前記減速部を収容し且つ前記ウォームホイールの軸方向一方側へ開口されたハウジング本体と、前記ハウジング本体の開口部を塞ぐハウジングカバーと、を含んで構成されたハウジングと、板厚方向を前記ウォームホイールの軸方向として前記ハウジング内に収容され、前記モータ本体を駆動制御するパワー系素子を一側面に配置した回路基板と、前記ハウジング本体に一体に形成され、前記ハウジング本体の開口側から見て前記ウォームに対して前記ウォームホイールとは反対側に配置され且つ前記パワー系素子とオーバーラップして配置されると共に、前記回路基板の他側面が接触されて前記パワー系素子によって発生される熱を受ける放熱ブロックと、前記ハウジング本体の外面部における前記放熱ブロックと対応する部位に形成され、前記ハウジング本体の外面部から前記放熱ブロック内に凹設された複数の凹設部と、前記ハウジング本体の外面部に形成され、前記凹設部に隣接して形成された放熱フィンと、を備えている。
【0024】
上記構成の減速機付モータによれば、モータ本体の回転軸に減速部のウォームが設けられており、ウォームは、減速部のウォームホイールに噛合されている。これらウォーム及びウォームホイールは、ハウジング本体内に収容されている。そして、ハウジング本体は、ウォームホイールの軸方向一方側へ開口されており、ハウジング本体の開口部はハウジングカバーによって塞がれている。また、ハウジング内には、回路基板が板厚方向をウォームホイールの軸方向として収容されており、回路基板の一側面には、モータ本体を駆動制御するパワー系素子が配置されている。
【0025】
さらに、ハウジング本体には放熱ブロックが一体に形成されている。この放熱ブロックは、ハウジング本体の開口側から見て、ウォームに対してウォームホイールとは反対側に配置されると共に、パワー系素子とオーバーラップされている。そして、回路基板の他側面が放熱ブロックに接触されて、パワー系素子によって発生される熱を放熱ブロックが受ける。これにより、パワー系素子によって発生される熱がハウジング本体の外側へ放熱される。
【0026】
ここで、ハウジング本体の外面部における放熱ブロックと対応する部位には、凹設部が形成されており、この凹設部は、ハウジング本体の外面部から放熱ブロック内に向けて凹設されている。また、ハウジング本体の外面部には、凹設部に隣接して放熱フィンが形成されている。これにより、放熱フィンの基端部が放熱ブロックの内部にまで位置して形成され、放熱フィンのハウジング本体の外面部からの突出を抑制しつつ比較的大きな表面を有した放熱フィンを形成できる。したがって、ハウジング本体の大型化を抑制しつつ、ハウジング本体に伝達された熱を放熱フィンから放熱できる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を用いて本実施の形態に係る減速機付モータ10について説明する。減速機付モータ10は、車両(自動車)のワイパ装置(図示省略)の駆動源として用いられている。
図2に示されるように、減速機付モータ10は、モータ本体12と、モータ本体12の回転を減速するための減速部22と、モータ本体12を駆動制御するための回路基板60(
図3参照)及び減速部22を収容するハウジング30と、を含んで構成されている。
【0029】
モータ本体12は、所謂ブラシ付直流モータとして構成されている。モータ本体12は、略有底円筒状のモータヨーク14を備えている。このモータヨーク14の内周面には、複数の永久磁石(図示省略)が固定されており、永久磁石はモータヨーク14の周方向に沿って交互に磁極が異なるように配置されている。
【0030】
モータヨーク14内には、永久磁石の内側において、アーマチャ16が回転自在に収容されている。このアーマチャ16は回転軸18を含んで構成されており、回転軸18は、略丸棒状に形成されて、モータヨーク14と同軸上に配置されている。そして、回転軸18の軸方向一端部(
図2の矢印A方向側端部)が、軸受(図示省略)を介してモータヨーク14の底部に回転自在に支持されている。一方、回転軸18の軸方向他端部(
図2の矢印B方向側端部)は、後述するハウジング30内に配置されると共に、ハウジング30を構成するギヤハウジング32に回転自在に支持されている。また、回転軸18の軸方向他端側の部分には、減速部22を構成するウォーム24が一体に形成されており、ウォーム24の外周にウォームギヤ24Aが形成されている(
図5参照)。
【0031】
また、モータ本体12はブラシホルダ装置20を備えている。ブラシホルダ装置20は、略環状に形成されて、回転軸18の軸方向中間部において、回転軸18の径方向外側に配置されている。さらに、ブラシホルダ装置20は複数のブラシ(図示省略)を備えており、ブラシはアーマチャ16の整流子(図示省略)に摺接可能に当接されている。
【0032】
図4に示されるように、ハウジング30は、略箱形状に形成されると共に、モータヨーク14に対して回転軸18の軸方向他方側(モータヨーク14の開口部側、つまり、
図4の矢印B方向側)に配置されている。このハウジング30は、上下方向に分割されるように構成されている。すなわち、ハウジング30は、ハウジング30の下方側(
図4の矢印D方向側)の部分を構成するハウジング本体としてのギヤハウジング32と、ハウジング30の上方側(
図4の矢印C方向側)の部分を構成するハウジングカバーとしてのカバープレート58と、を有している。
【0033】
図6に示されるように、ギヤハウジング32は、アルミニウム(又はアルミニウム合金)によるダイカスト成形等で製作されると共に、全体として回転軸18の直交方向で上方側(
図6の矢印C方向側)へ開口された略箱形状に形成されている。このギヤハウジング32には、前述したモータ本体12のブラシホルダ装置20を収容支持するためのホルダ収容部34が一体に形成されている。ホルダ収容部34は、前述したモータヨーク14の開口部と対向する位置に配置されると共に、回転軸18の軸方向一方側(
図6の矢印A方向側)へ開放された略有底円筒状に形成されている。そして、ホルダ収容部34は、モータヨーク14の開口部に固定されており、これにより、モータヨーク14の開口部が閉塞されている(
図2〜
図4参照)。さらに、ホルダ収容部34の底壁には、略矩形状の挿通孔36が回転軸18の軸方向に貫通形成されており、挿通孔36内にホルダ収容部34側(モータヨーク14側)から回転軸18が挿通されている(
図1参照)。
【0034】
また、ギヤハウジング32には、回転軸18のウォーム24を収容するためのウォーム収容部38が形成されており、ウォーム収容部38は、ホルダ収容部34に対して回転軸18の軸方向他方側(
図6の矢印B方向側)に配置されている。そして、ウォーム収容部38は回転軸18の軸方向に沿って形成されており、ウォーム収容部38内とホルダ収容部34内とが挿通孔36によって連通されている。これにより、回転軸18をウォーム収容部38内へ収容させる際には、回転軸18の軸方向一方側から回転軸18を挿通孔36内に挿通させつつウォーム収容部38内へ収容させるようになっている。
【0035】
さらに、ギヤハウジング32には、ウォームホイール収容部40が形成されており、ウォームホイール収容部40は、ギヤハウジング32の開口側から見て、ウォーム収容部38の側方(回転軸18に対する直交方向一方側(
図6の矢印E方向側))に隣接して配置されている。また、ウォームホイール収容部40は、上方側へ開放された断面略円形の凹状に形成されており、ウォームホイール収容部40内とウォーム収容部38内とが連通されている。
【0036】
ウォームホイール収容部40内には、減速部22を構成する略円盤状のウォームホイール26(
図5参照)が収容されている。
図1に示されるように、ウォームホイール26はウォームホイール収容部40と同軸上に配置されており、ウォームホイール26の軸方向一方側(
図1の矢印C方向側)がギヤハウジング32の上方側と一致されている。また、ウォームホイール26の軸心部には、略円柱状の出力軸28が設けられており、出力軸28はウォームホイール26からウォームホイール26の軸方向他方側(
図1の矢印D方向側)へ突出されている。この出力軸28は、ギヤハウジング32の底壁32Aに形成された略円筒形状の筒部42内に同軸上に配置されて、回転自在に支持されている。そして、出力軸28は、車両のワイパ装置を構成するピボット軸(図示省略)にリンク機構などを介して駆動連結されている。さらに、ウォームホイール26の外周部が回転軸18のウォーム24と噛合されており、これにより、回転軸18が回転されることで、出力軸28が減速して回転されるようになっている。
【0037】
また、
図5及び
図6にも示されるように、ギヤハウジング32には、略ブロック状の放熱ブロック44が一体に形成されている。放熱ブロック44は、ギヤハウジング32の開口側(
図1等の矢印C方向側)から見て、ウォーム収容部38(ウォーム24)に対してウォームホイール収容部40(ウォームホイール26)とは反対側に隣接して配置されている。また、放熱ブロック44は、ギヤハウジング32の開口側から見て、略逆L字形状に形成されている。具体的には、放熱ブロック44は、ギヤハウジング32の開口側から見て、回転軸18の軸方向を長手方向とする略矩形状を成すブロック本体部46と、ブロック本体部46における一端部からウォームホイール26側へ延出されたブロック延出部48と、を含んで構成されている。このブロック延出部48には、図示しない軸受が設けられており、該軸受によって回転軸18の軸方向他端部が回転自在に支持されている。
【0038】
さらに、
図1に示されるように、ブロック本体部46におけるギヤハウジング32の開口側の部分には、庇部50が一体に形成されている。庇部50は、ウォーム収容部38におけるギヤハウジング32の開口側を塞ぐように、ブロック本体部46からウォーム収容部38側へ突出される(せり出される)と共に、回転軸18の軸方向に亘って延在されている。これにより、ブロック本体部46と庇部50とによって、ウォーム収容部38の内周面の一部が構成されると共に、ギヤハウジング32の開口側から見て、ウォーム24と庇部50とがオーバーラップして配置されている。より詳細には、ウォーム収容部38のブロック本体部46側の側壁からウォームホイール組付け状態のウォームホイール26外周部に至るまでの間で、ウォーム組付け状態のウォーム24の上方に向けて突出形成されている。つまり、ウォームホイール26をウォームホイール収容部40内に収容する際に、ウォームホイール26が庇部50に干渉しないように、庇部50の突出量が設定されている。
【0039】
また、放熱ブロック44及び庇部50におけるギヤハウジング32の開口側の面は、ウォーム24よりもウォームホイール26の軸方向一方側(ギヤハウジング32の開口側)へ配置されると共に、ウォームホイール26の軸方向に対して直交する方向に沿って形成されている。つまり、放熱ブロック44及び庇部50におけるギヤハウジング32の開口側の面が面一に形成されており、この面が受熱部としての受熱面52とされている。
【0040】
さらに、
図3及び
図4に示されるように、ギヤハウジング32の外面部分には、放熱ブロック44に対応する位置において、複数の凹設部54が形成されている。この凹設部54は、ギヤハウジング32の外側面から放熱ブロック44内へ向けて深く堀込まれるように凹設されて、ウォームホイール26の軸方向他方側(
図4の矢印D方向側)へ開放されている。そしてさらに、この凹設部54に隣接して(凹設部54を挟むように)放熱フィン56がギヤハウジング32の外側面から立設形成されている。より詳細には、凹設部54の側面と放熱フィン56の側面が一様な面となるように連続して凹設部54と放熱フィン56が形成されている。これにより、ギヤハウジング32の外面部分には、凹設部54に隣接する位置において、複数の放熱フィン56が一体に形成されている。この放熱フィン56は、略台形板状に形成されて、板厚方向を回転軸18の軸方向にして、回転軸18の軸方向に所定間隔毎に配置されている。そして、放熱フィン56の基端部が、放熱ブロック44内に配置されており、放熱フィン56の先端部は、ギヤハウジング32の底壁32Aにおける外側面32Aaよりもウォームホイール26の軸方向一方側に配置されている。すなわち、放熱フィン56の先端部は、側面視で、ギヤハウジング32の底壁32Aにおける外側面32Aaから突出しないように構成されている。
【0041】
一方、
図4に示されるように、カバープレート58は、絶縁性を有する樹脂材料で製作されると共に、ギヤハウジング32の開口側に配置されている。また、カバープレート58は、ギヤハウジング32側へ開口された略直方体箱状に形成されて、ギヤハウジング32の開口部を閉塞している。
【0042】
そして、
図1、
図3、及び
図5に示されるように、ハウジング30内には回路基板60が収容されており、回路基板60は、略矩形板状に形成されると共に、板厚方向をウォームホイール26の軸方向にして配置されている。具体的には、回路基板60の下面60A(他側面)の一部が、放熱ブロック44の受熱面52と対向して配置されており、回路基板60が、ギヤハウジング32の開口側からウォームホイール26及びウォーム24を覆うように、放熱ブロック44の受熱面52上に螺子などにより固定的に組付けられている。つまり、本実施の形態の減速機付モータ10では、回路基板60が、平面的な1枚の基板で構成されている。
【0043】
また、回路基板60は、モータ本体12を駆動制御するためのFET等のパワー系素子62と、回転軸18(出力軸28)の回転を制御するCPUや回転センサ、メモリ等の制御系素子64と、を有しており、これらパワー系素子62及び制御系素子64は、回路基板60の上面60B(一側面)に配置されている。そして、パワー系素子62は、放熱ブロック44の受熱面52に対応する位置に配置されている。すなわち、パワー系素子62が、ギヤハウジング32の開口側から見て、放熱ブロック44の受熱面52とオーバーラップした位置、言い換えれば対向した位置に配置されている。そして、回路基板60がモータ本体12のブラシホルダ装置20を介してアーマチャ16と電気的に接続されており、回路基板60によってモータ本体12が駆動制御されると共に、モータ本体12の回転軸の回転が制御され、その結果、減速機付モータの出力軸28の回転が制御されるようになっている。
【0044】
さらに、回路基板60の下面60Aと受熱面52との間には、熱伝導材としての熱伝導性接着剤66(
図1参照)が介在されている。この熱伝導性接着剤66は、粘性及び熱伝導性を有した粘土状の接着剤であり、これにより、受熱面52と回路基板60の下面60Aとが熱伝導性接着剤66によって密着接触されている。
【0045】
次に、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0046】
上記のように構成された減速機付モータ10では、モータ本体12を駆動制御及び回転制御するための回路基板60がハウジング30内に収容されている。この回路基板60は、板厚方向をウォームホイール26の軸方向として配置されており、回路基板60の上面60Bには、モータ本体12を駆動制御するパワー系素子62が配置されている。
【0047】
さらに、ギヤハウジング32には、放熱ブロック44及び庇部50が一体に形成されており、放熱ブロック44及び庇部50におけるギヤハウジング32の開口側の面が受熱面52とされている。そして、受熱面52上に回路基板60の下面60Aが対向して配置されている。これにより、回路基板60のパワー系素子62によって発生される熱を受熱面52が受けて、当該熱がギヤハウジング32に伝達される。
【0048】
ここで、受熱面52の一部(庇部50)が、ギヤハウジング32の開口側から見て、ウォーム24とオーバーラップして配置されている。このため、ギヤハウジング32の開口側から見て、仮に庇部50が省略された比較例と比べて、受熱面52の面積を大きく設定できる。すなわち、上記比較例と比べて、ギヤハウジング32を外側(
図1の矢印F方向側)に大きくすることなく、受熱面52における回路基板60の下面60Aと対向する面積を大きくすることができる。これにより、ギヤハウジング32の大型化を抑制しつつ、パワー系素子62によって発生される熱を受熱面52によって効果的に受けて、当該熱をギヤハウジング32から放熱できる。
【0049】
また、ギヤハウジング32の開口側から見て、パワー系素子62が受熱面52とオーバーラップして配置されている。このため、パワー系素子62によって発生される熱を受熱面52に効率よく伝達できる。
【0050】
さらに、ギヤハウジング32は、熱伝導性のよいアルミニウム(又はアルミニウム合金)で製作されると共に、受熱面52がギヤハウジング32と一体に形成されている。このため、熱伝導性のよいギヤハウジング32に、受熱面52が受けた熱を効果的に伝達でき、当該熱をギヤハウジング32の外側へ放熱できる。
【0051】
また、受熱面52は回路基板60と平行な平面を成しているため、回路基板60の上面60Bに平面的に配置されたパワー系素子62を、受熱面52に対して容易に対向配置させることができる。
【0052】
さらに、放熱ブロック44は、ギヤハウジング32の開口側から見て、ウォーム24に対してウォームホイール26とは反対側に配置されている。また、庇部50は、ウォーム24よりもギヤハウジング32の開口側に配置されると共に、放熱ブロック44からウォーム24側へ突出されている。これにより、ギヤハウジング32におけるデットスペースを有効に活用して放熱ブロック44及び庇部50を形成することができ、放熱ブロック44及び庇部50に、大きな面積を有する受熱面52を形成できる。
【0053】
また、回路基板60の下面60Aと受熱面52とは直接的に接触していなくともよく、両者の間には熱伝導性接着剤66が介在されていることが好ましい。これにより、回路基板60の下面60Aと受熱面52との形状に倣って両者を密着接触させることができる。これにより、回路基板60から受熱面52への熱伝導効率を一層向上できる。
【0054】
さらに、ギヤハウジング32の外面部における放熱ブロック44と対応する部位には、凹設部54が形成されており、凹設部54は、ギヤハウジング32の外面部から放熱ブロック44内に向けて深く堀込まれるように凹設されている。これにより、ギヤハウジング32の外面部には、凹設部54に隣接して放熱フィン56が形成される。そして、放熱フィン56の基端部が放熱ブロック44の内部に配置されるため、放熱フィン56のギヤハウジング32の外面部からの突出を抑制しつつ放熱フィン56の表面積を大きく形成できる。したがって、ギヤハウジング32の大型化を抑制しつつ、ギヤハウジング32に伝達された熱を放熱フィン56から効果的に放熱できる。さらに、凹設部54は放熱ブロック44内へ向けて深く堀込んで形成したのでギヤハウジング32の材料を低減でき、材料費の低減とともに軽量化も図れる。
【0055】
なお、本実施の形態では、放熱ブロック44及び庇部50がギヤハウジング32と一体に構成されているが、放熱ブロック44及び庇部50をギヤハウジング32と別体で構成して、別体に構成された放熱ブロック44及び庇部50をギヤハウジング32に組付けるように構成してもよい。この場合には、放熱フィン56を別体にした放熱ブロック44に形成してもよい。このとき、放熱ブロック44の凹設部54による放熱面(ギヤハウジング32の外側面)と放熱フィン56の放熱面とはそれぞれ別々に形成される。
【0056】
また、本実施の形態では、ギヤハウジング32の開口側から見て、パワー系素子62が受熱面52とオーバーラップして配置されているが、パワー系素子62の一部を受熱面52とオーバーラップして配置してもよい。
【0057】
さらに、本実施の形態では、回路基板60の下面60Aと受熱面52との間には、熱伝導性接着剤66が介在されているが、熱伝導性接着剤66を省略してもよい。
【0058】
また、モータ本体12は、所謂ブラシ付直流モータとして構成されているが、モータ本体12をブラシレスモータとして構成してもよい。
【0059】
さらに、本実施の形態では、車両のワイパ装置に減速機付モータ10が適用されているが、減速機付モータ10を他の装置に適用してもよい。例えば、減速機付モータ10を車両(自動車)のパワーウィンド装置やサンルーフ装置やパワーシート装置等に適用してもよい。