特許第6027072号(P6027072)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブルックス オートメーション インコーポレイテッドの特許一覧

特許6027072複数の独立可動アームを伴う基板搬送装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6027072
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】複数の独立可動アームを伴う基板搬送装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20161107BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20161107BHJP
   B65G 49/06 20060101ALI20161107BHJP
   B65G 49/07 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
   B25J9/06 D
   B65G49/06 Z
   B65G49/07 C
【請求項の数】8
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-224566(P2014-224566)
(22)【出願日】2014年11月4日
(62)【分割の表示】特願2010-502154(P2010-502154)の分割
【原出願日】2008年4月7日
(65)【公開番号】特開2015-53509(P2015-53509A)
(43)【公開日】2015年3月19日
【審査請求日】2014年11月4日
(31)【優先権主張番号】11/697,390
(32)【優先日】2007年4月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505047094
【氏名又は名称】ブルックス オートメーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079119
【弁理士】
【氏名又は名称】藤村 元彦
(72)【発明者】
【氏名】ホーセック マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ギルクリスト ユリシーズ
【審査官】 今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−229087(JP,A)
【文献】 特開平07−227777(JP,A)
【文献】 特開2006−13371(JP,A)
【文献】 特開2002−361577(JP,A)
【文献】 特開2006−120659(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67−21/687
B25J 9/06
B65G 49/06
B65G 49/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板搬送装置であって、
駆動モータを伴う駆動部と、
2つの関節アームであって、それぞれが、各関節アームの伸長および収縮のための前記駆動モータの共通駆動シャフトに動作可能に接続され、前記共通駆動シャフトは1つの独立した回転中心軸を有し、各関節アームが、基板を保持して搬送するエンドエフェクタを有する2つの関節アームと、
前記2つの関節アームの方を前記駆動モータに動作可能に連結するロストモーションシステムを有する連結システムと、を有し、
前記ロストモーションシステムは、前記共通駆動シャフトに連結されて前記共通駆動シャフトの回転軸周りに回転する回転部材、及びそれぞれの連結部材回転軸において前記回転部材に移動可能に連結されかつ可動ジョイントによって前記2つの関節アームの各々に連結されている連結部材を有し、前記ロストモーションシステムが、前記駆動モータが前記共通駆動シャフトによってトルクを前記連結システムに与えたときに、前記共通駆動シャフトによって前記連結システムのみにもたらされたトルクのみが、前記2つの関節アームの一方の関節アームを移動させずに他方の関節アームを共通直線経路に沿って伸長および収縮させ、前記共通駆動シャフトのみが前記2つの関節アームのうちの一方の関節アームの伸長及び収縮をもたらすように動作することを特徴とする基板搬送装置。
【請求項2】
前記連結部材は、互いに移動可能に接続されたリジッドな連結要素を備え、当該連結要素は前記2つの関節アームのそれぞれに移動可能に連結される請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記駆動モータは前記共通駆動シャフトに係合され、前記連結要素のうちの少なくとも1つは、前記共通駆動シャフトに移動可能に連結され、前記共通駆動シャフトによって駆動される請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの連結要素は前記共通駆動シャフトに旋回可能に載置され、前記共通駆動シャフトの回転は、前記駆動部と相対的に前記少なくとも1つの連結要素を旋回させる請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記共通駆動シャフトの回転は、前記少なくとも1つの連結要素を、2つの回転中心軸の周りに前記駆動部と相対的に旋回させ、前記2つの回転中心軸は、オフセットされ、互いに平行であり、前記駆動部は、前記2つの回転中心軸のうちの少なくとも1つからオフセットされる別の回転中心軸を有する請求項3に記載の装置。
【請求項6】
記2つの関節アームの運動と駆動モータの位置との関係は、前記少なくとも2つの関節アームの各々の伸長および収縮に対して可変である請求項1に記載の装置。
【請求項7】
伸長および収縮中に定常状態の運動を維持するよう、前記2つの関節アームの運動を制御するようにプログラムされるコントローラをさらに備える請求項6に記載の装置。
【請求項8】
基板搬送装置であって
1つの独立回転中心軸を有する共通駆動シャフトを備えた駆動部と、
前記駆動部に接続される複数の関節アームであって、前記複数の関節アームのそれぞれが、基板を保持するためのエンドエフェクタを有し、前記基板を直線的に搬送するために伸長および収縮することができる、複数の関節アームと、
前記共通駆動シャフトに連結されて前記共通駆動シャフトの回転軸周りに回転するリジッドな基底部材、及び前記複数の関節アームの各々と前記共通駆動シャフトとを連結する連結部材を有する連結システムと、を有し、
前記基底部材が、前記駆動部と相対的に移動可能であり、前記複数の関節アームの各々と前記基底部材との相対的な移動を許容する可動ジョイントを介して前記連結部材によって前記複数の関節アームに移動可能に接続されており、前記連結部材は、それぞれの連結部材回転軸において前記リジッドな基底部材に接続されており、
前記可動ジョイントは、前記駆動部相対的な前記基底部材の移動が、前記可動ジョイントのそれぞれにおいて、前記基底部材と前記複数の関節アームとの間の相対的移動を生成し、前記複数の関節アームのうちの少なくとも1つの関節アームの関節動作を伴わずに、前記複数の関節アームのうちの少なくとも他の1つの関節アームの共通直線経路に沿った伸長および収縮を生じさせるように構成され前記共通駆動シャフトのみが前記連結システムにトルクを与え、前記共通駆動シャフトによって前記連結システムのみにもたらされるトルクのみが前記複数の関節アームのうちの少なくとも1つの伸長及び収縮をもたらすことを特徴とする基板搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される実施形態は、基板搬送装置に関し、より具体的には、複数の可動アームを伴う基板搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の非同軸並列二重スカラ(selective compliance assembly robot arm(選択的コンプライアンスアセンブリロボットアーム):scara)アームは、MECS Korea,Inc.によるUTWおよびUTVシリーズのロボット、Rorze Automation,Inc.によるRRシリーズのロボット、およびJEL Corp.によるLTHR、STHR、およびSPRシリーズのロボット等、複数の会社によって販売されている。並列二重アームのスカラ移送機器の一実施例は、米国特許第5,765,444号に見ることができる。
【0003】
従来の非同軸並列二重アームロボットの例示的な構成を、図1および1Aに示す。ロボットは、2つのスカラアームまたはリンケージを担持する旋回ハブの周囲に構築される。左リンケージは、回転ジョイントを通じて直列に連結される、上アームと、前アームと、エンドエフェクタと、を有する。ベルトおよびプーリーの配設は、ハブに対する上アームの回転が、前アームの反対方向の回転を生成する(例えば、上アームの時計回りの回転が、前アームの反時計回りの回転を生じさせる)ように、左アームの運動を拘束するのに使用される。別のベルトおよびプーリーの配設は、エンドエフェクタの放射状の配向を維持するのに使用される。右リンケージは、左アームと鏡対称であってもよい。左および右アームのエンドエフェクタは、ロボットの2つのリンケージが無制限に運動できるように、異なる水平面内を移動する。図1B〜1Dで分かるように、左および右の上アームを回転させることによって、それぞれのリンケージを、ハブの旋回点に対して共通の半径方向に独立に伸長させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図1A〜Dに示されている従来の並列ロボットにおいて、ロボットアームまたはリンケージは、例えば同軸の態様で構成され得る、中空軸を通じてロボットに連結される、3つのモータの複雑な配設によって作動される。一般的に、最外軸は、直接的にハブに連結され、一方で、内側軸は、独立したベルトおよびプーリー配設を通じて、左および右リンケージの上アームに連結される。認識され得るように、ロボットアームの移動を生じさせるために採用されるモータの数が多くなるにつれて、ロボットの運動を制御する制御システムへの負担が大きくなる。また、採用されるモータの数が多くなるにつれて、モータが故障する可能性、およびロボットのコストが増加する。
【0005】
ロボットシステムの複雑さを低減し、かつ信頼性および清潔さを向上させた、独立に移動できるアームを伴うロボットマニピュレータを有することが好都合となるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的な一実施形態では、基板搬送装置が提供される。該装置は、少なくとも1つの駆動軸を有する駆動部と、少なくとも1つの駆動軸に動作可能に連結される少なくとも2つのスカラアームと、を含み、少なくとも1つの駆動軸は、少なくとも2つのスカラアームの伸長および収縮を生じさせる、少なくとも2つのスカラアームのための共通駆動軸であり、少なくとも2つのスカラアームは、少なくとも2つのスカラアームに連結される少なくとも1つの駆動軸によって、駆動軸の回転が、少なくとも2つのスカラアームのうちの別の1つの運動に実質的に関係なく、少なくとも2つのスカラアームのうちの1つの伸長および収縮を生じさせるように、互いに連結される。
【0007】
別の例示的実施形態では、基板搬送装置が提供される。該装置は、駆動軸を伴う駆動部と、2つの関節アームであって、それぞれが、各アームの伸長および収縮のための駆動軸に接続され、各アームが、基板を保持して搬送するように適合されるエンドエフェクタを有する、2つの関節アームと、両方の関節アームを駆動軸に動作可能に連結するロストモーションシステムを有する連結システムであって、ロストモーションシステムが、2つの関節アームのうちの別の1つを実質的に移動させずに、2つの関節アームのうちの1つの伸長および収縮を生じさせるように、駆動軸が回転する時にロストモーションシステムが動作するように配設される、連結システムと、を含む。
【0008】
さらに別の例示的実施形態では、基板搬送装置が提供される。該装置は、駆動軸を伴うドライブ部と、駆動部に接続される複数の関節アームであって、アームのそれぞれが、基板を保持するためのエンドエフェクタを有し、基板を直線的に搬送するために伸長および収縮することができる、複数の関節アームと、各アームを駆動軸に連結する実質的にリジッドな基底部材を有する連結システムであって、基底部材が、駆動部と相対的に移動可能であり、各アームと基底部材との間を相対的に移動できるようにする可動ジョイントによって、複数の関節アームに移動可能に接続される、連結システムと、を含む。可動ジョイントは、駆動部と相対的な基底部材の移動が、複数の関節アームのうちの少なくとも別の1つの実質的な関節を伴わずに、複数の関節アームのうちの少なくとも1つの伸長および収縮を生じさせる、可動ジョイントのそれぞれにおいて、基底部材と複数の関節アームとの間の相対的移動を生成するように配設される。
【0009】
開示される実施形態の上述の側面および他の特徴は、添付図面とともに下記の記述において説明される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】従来の基板搬送装置を示す図である。
図1A】従来の基板搬送装置を示す図である。
図1B】従来の基板搬送装置を示す図である。
図1C】従来の基板搬送装置を示す図である。
図1D】従来の基板搬送装置を示す図である。
図2A】例示的な一実施形態の特徴を組み込んでいる処理装置を示す図である。
図2B】例示的な一実施形態の特徴を組み込んでいる処理装置を示す図である。
図3A】搬送装置が1つの位置で示されている、例示的な一実施形態の特徴を組み込んでいる基板搬送装置の概略図である。
図3B】搬送装置が1つの位置で示されている、例示的な一実施形態の特徴を組み込んでいる基板搬送装置の概略図である。
図3C】搬送装置が1の位置で示されている、例示的な一実施形態の特徴を組み込んでいる基板搬送装置の概略図である。
図4A】異なる位置で示されている、図3A〜3Cの基板搬送装置の一部分の概略図である。
図4B】異なる位置で示されている、図3A〜3Cの基板搬送装置の一部分の概略図である。
図4C】異なる位置で示されている、図3A〜3Cの基板搬送装置の一部分の概略図である。
図5】例示的な一実施形態による基板搬送装置の運動のグラフ図である。
図6A】搬送装置が1つの位置で示されている、例示的な一実施形態の特徴を組み込んでいる基板搬送装置の概略図である。
図6B】搬送装置が1つの位置で示されている、例示的な一実施形態の特徴を組み込んでいる基板搬送装置の概略図である。
図6C】搬送装置が1つの位置で示されている、例示的な一実施形態の特徴を組み込んでいる基板搬送装置の概略図である。
図7A】異なる位置で示されている、図6A〜6Cの基板搬送装置の代表的な部分の概略図である。
図7B】異なる位置で示されている、図6A〜6Cの基板搬送装置の代表的な部分の概略図である。
図7C】異なる位置で示されている、図6A〜6Cの基板搬送装置の代表的な部分の概略図である。
図7D】異なる位置で示されている、図6A〜6Cの基板搬送装置の代表的な部分の概略図である。
図7E】異なる位置を示している、搬送装置の別の代表的な部分の概略図である。
図7F】異なる位置を示している、搬送装置の別の代表的な部分の概略図である。
図8A】異なる位置で示されている、図6A〜6Cの基板搬送装置の一部分の概略図である。
図8B】異なる位置で示されている、図6A〜6Cの基板搬送装置の一部分の概略図である。
図8C】異なる位置で示されている、図6A〜6Cの基板搬送装置の一部分の概略図である。
図8D】異なる位置で示されている、図6A〜6Cの基板搬送装置の一部分の概略図である。
図8E】異なる位置で示されている、図6A〜6Cの基板搬送装置の一部分の概略図である。
図9】例示的な一実施形態による基板搬送装置の運動のグラフ図である。
図10A】一実施形態による、図6A〜6Cの基板搬送装置の一部分の概略図である。
図10B】一実施形態による図6A〜6Cの基板搬送装置の一部分の概略図である。
図11A】一実施形態による図6A〜6Cの基板搬送装置の一部分の概略図である。
図11B-11E】例示的な一実施形態よる、異なる位置で示されている、図6A〜6Cの基板搬送装置の一部分の概略図である。
図12A】例示的な一実施形態よる、異なる位置で示されている、図6A〜6Cの基板搬送装置の一部分の概略図である。
図12B】例示的な一実施形態よる、異なる位置で示されている、図6A〜6Cの基板搬送装置の一部分の概略図である。
図12C】例示的な一実施形態よる、異なる位置で示されている、図6A〜6Cの基板搬送装置の一部分の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図2Aおよび2Bは、例示的な一実施形態による処理装置の概略図を示している。開示されている実施形態は、図面に示されている実施形態を参照して記述されるが、該実施形態は、多数の代替的形態の実施形態に組み込むことができることを理解されたい。加えて、あらゆる好適なサイズ、形状、またはタイプの要素または材料を使用することができる。
【0012】
図2Aおよび2Bを参照すると、例示的な一実施形態による、例えば半導体ツールステーション190のような、処理装置が示されている。図面には半導体ツールが示されているが、本願明細書に記述されている実施形態は、あらゆるツールステーション、またはロボットマニピュレータを採用している用途に適用することができる。本実施例では、クラスタツールとしてツール190が示されているが、例示的実施形態は、例えばリニアツールステーション等の、あらゆる好適なツールステーションに適用されてもよい。ツールステーション190は、概して、大気フロントエンド100と、真空ロードロック110と、真空バックエンド120と、を含む。代替の実施形態では、ツールステーションは、あらゆる好適な構成を有してもよい。フロントエンド100、ロードロック110、およびバックエンド120のそれぞれの構成要素は、クラスタ化アーキテクチャ制御等のあらゆる好適な制御アーキテクチャの一部となり得る、コントローラ200に接続されてもよい。制御システムは、マスタコントローラと、クラスタコントローラと、および自律リモートコントローラと、を有する、閉ループコントローラであってもよい。代替の実施形態では、あらゆる好適なコントローラが利用されてもよい。
【0013】
例示的実施形態では、フロントエンド100は、概して、ロードポートモジュール105と、例えばイクイップメントフロントエンドモジュール(EFEM)等のミニエンバイロメント160と、を含む。ロードポートモジュール105は、300mmロードポート、フロント開口、またはボトム開口のボックス/ポッド、およびカセットのためのSEMI(Semiconductor Equipment and Materials International)規格のE15.1、E47.1、E62、E19.5、またはE1.9に適合する、BOLTS(box opener/loader to tool standard)インターフェースであってもよい。代替の実施形態では、ロードポートモジュールは、200mmのウエハインターフェース、または例えばより大きい、より小さいウエハ、またはフラットパネルディスプレイ用フラットパネル等の、他のあらゆる好適な基板インターフェースとして構成されてもよい。図2Aには2つのロードポートモジュールが示されているが、代替の実施形態では、任意の好適な数のロードポートモジュールが、フロントエンド100に組み込まれてもよい。ロードポートモジュール105は、オーバーヘッド移送システム、自動誘導の輸送手段、人が誘導する輸送手段、レール案内の輸送手段によって、または他のあらゆる好適な搬送方法によって、基板キャリアまたはカセット150を受容するように構成されてもよい。ロードポートモジュール105は、ロードポート140を通じて、ミニエンバイロメント160とインターフェースしてもよい。ロードポート140は、基板カセット150とミニエンバイロメント160との間を、基板が通過できるようにし得る。ミニエンバイロメント160は、下記に詳述するように、概して、搬送ロボット210を含む。ミニエンバイロメント160は、複数のロードポートモジュール間の基板移送に、制御された清浄ゾーンを提供し得る。
【0014】
真空ロードロック110は、ミニエンバイロメント160とバックエンド120との間に位置付けられ、これらに接続されてもよい。ロードロック110は、概して、大気および真空スロット弁を含む。スロット弁は、大気フロントエンドから基板を装填した後に、ロードロックを真空にするように、および窒素等の不活性ガスをロックに通気した時に搬送チャンバの真空を維持するように採用される、環境分離を提供してもよい。ロードロック110は、基板の基準点を処理のための所望の位置に整列させるための、整列器310を含んでもよい。代替の実施形態では、真空ロードロックは、処理装置のあらゆる好適な場所に位置付けられてもよく、あらゆる好適な構成を有してもよい。
【0015】
真空バックエンド120は、概して、搬送チャンバ125と、1つ以上の処理ステーション130と、移送ロボット220と、を含む。移送ロボット220は、下記に説明するが、ロードロック110と種々の処理ステーション130との間で基板を搬送するように、搬送チャンバ125内に位置付けられてもよい。処理ステーション130は、電気回路または他の所望の構造を基板上に形成するように、種々の蒸着、エッチング、または他のタイプの処理を通じて、基板上で動作してもよい。代表的な処理には、エッチング、化学気相蒸着法(CVD)、物理気相蒸着法(PVD)、イオン注入、計測学、急速熱処理(RTP)、および乾燥剥離法が挙げられるが、これに限定されるものではない。処理ステーション130は、基板が、搬送チャンバ125から処理ステーション130へ、およびこの逆に通過することができるように、搬送チャンバ125に接続される。
【0016】
以下、図3A〜Cおよび4AおよびCを参照して、例示的な一実施形態による基板搬送部を説明する。基板搬送部は、駆動部と、連結システム499と、アームアセンブリまたはリンケージ491L、491Rと、を含んでもよい。本実施例では、基板搬送部が、2つのスカラ(selective compliance assembly robot arm(選択的コンプライアンスアセンブリロボットアーム):scara)型のアームアセンブリを有して示されているが、代替の実施形態では、基板搬送部は、任意の好適な数および/または構成のアームアセンブリを伴う、あらゆる好適な構成を有してもよい。連結システム499は、以下に詳述するが、1つの駆動部の駆動モータが、2つ以上のスカラアームの伸長および収縮を、実質的に互いに独立して生じさせることを可能にする、機械的スイッチまたはロストモーションシステムとして本願明細書に引用されているものを含んでも、または画定してもよい。
【0017】
駆動部は、例えば同軸駆動アセンブリであってもよい。代替の実施形態では、例えば非同軸駆動アセンブリまたは磁気駆動アセンブリ等の、あらゆる好適な駆動部が採用されてもよい。駆動部は、駆動部の移動部品によって生成され得るあらゆる粒子による基板の汚染または損傷を防止するように、基板搬送部の筐体内に収容されてもよい。本実施例では、同軸駆動アセンブリは、内側および外側駆動軸を有してもよい。同軸駆動部は、例えば、米国特許第5,720,590号および第6,485,250号、および/または特許公開第2003/0223853号に記載のものと実質的に同様であってもよく、参照することによりその全体が本願明細書に組み込まれる。外側駆動軸は、外側駆動軸が回転する時に、基板搬送部300のアーム491L、491Rが、外側駆動軸の回転軸の周囲を回転するように、基板搬送部の筐体に接続されてもよい。認識され得るように、内側駆動軸も、基板搬送部300が回転する時に、搬送部300のアームが伸長または収縮しないように、外側駆動軸と同じ方向に同じ速度で回転させてもよい。内側駆動軸は、下記に述べるように、内側駆動軸が回転する時に、連結システムが、内側駆動軸の回転軸(すなわち、回転点400)の周囲を回転または旋回するように、回転点400において連結システムに接続されてもよい。
【0018】
図4A〜Cを参照すると、例示的な実施形態では、連結システム499は、実質的にリジッドな連結要素421と、422Lと、422Rと、423Lと、423Rと、を含んでもよい。基底要素421は、本願明細書では、便宜上プラットフォームと称され、要素422L、422Rは、本願明細書では、(例えば、2つの長手方向にオフセットされた旋回軸の周囲を旋回することができる)リンクと称する。要素423L、423Rは、それぞれ上アーム490L、490Rの一体部分であってもよく、または上アームにリジッドに従属する部材であってもよい。代替の実施形態では、要素423L、423Rは、運動を上アーム490L、490Rに伝達するためのあらゆる好適な構成を有する、あらゆる好適な部材であってもよい。例示的実施形態では、説明を容易にするために、要素423L、423Rは、実質的に、図3A〜Cおよび図4A〜Cでは旋回リンクとして示されている。図3A〜Cおよび図4A〜Cに示されている実施形態のプラットフォーム421は、例示的な構成を有している。代替の実施形態では、プラットフォーム要素は、あらゆる所望の形状を有してもよい。例示的実施形態のリンク422L、422Rは、以下に詳述するように、旋回可能に解放されたジョイントによって、移動可能に結合されてもよい。代替の実施形態では、リンクは、(ジョイントの旋回可能な解放に加えて、またはその代わりに、平行移動可能に解放されるジョイント等の)他のあらゆる所望の可動ジョイントを介して、隣接する要素に結合されてもよい。連結要素は、基板搬送部300が、大気または真空環境で動作し、あらゆる好適な所定の荷重を担持できるようになる、あらゆる好適な構成を有してもよく、また、金属、プラスチック、セラミック、炭素繊維、複合材等のあらゆる好適な材料で作成されてもよい。本実施例では、プラットフォーム421は、回転ジョイント400において駆動部に移動可能に載置されてもよく、例えば内側駆動軸によって駆動されてもよい。図4Aで最良に分かるように、リンク422Lは、回転ジョイント403において、プラットフォーム421に旋回可能に接続されてもよい。回転ジョイントは、搬送部300によって搬送される基板の汚染を防止するように、生成される粒子の量を制限する、または最小限に抑えるように構成されてもよい。代替の実施形態では、あらゆる好適な回転ジョイントまたは旋回接続部を利用してもよい。旋回リンク423Lは、上述した態様と同様に、回転ジョイント404において、リンク422Lに旋回可能に結合されてもよい。また、リンクという用語は、以下に述べるように、要素が上アームに対するリンクではなくてもよいので、便宜上、要素423L、423Rを指すのに使用されているに過ぎない。リンク422Rおよび423Rは、リンク422Lおよび423Lに対して上記に述べたものと実質的に同様の様態で、回転ジョイント405および406を通じて、プラットフォームに、および互いに旋回可能に接続される。図3Aおよび4Aで分かるように、リンク423L、423Rの端部は、回転ジョイント402、401を通じて、固定された場所に旋回可能に載置されてもよい(例えば、ジョイント402、401は、それぞれ、旋回軸400との位置関係を実質的に一定のままにするように構成されてもよい)。回転ジョイント402、401は、それぞれ、対応するスカラアーム491L、491Rそれぞれの肩部ジョイントとみなされてもよい。プラットフォーム421は、図4A〜4Cに示されているように回転させてもよく、回転ジョイント404、406は、以下に詳述するように、ジョイント402、401のうちのそれぞれの1つの周囲を回転する。プラットフォーム421およびリンク422L、422R、423L、および423Rは、旋回プラットフォーム421を通じて連結される3つ一組のバー機構を形成する。
【0019】
図4Aで分かるように、プラットフォーム421が中立位置(図3Aから認識され得るように、該実施例では、アーム491L、491Rの両方が収縮している位置に対応し得る)時に、リンク423L、423Rは、それらの初期位置にあるとみなしてもよい。連結要素421、422L、422R、423L、423Rのジオメトリは、図4Bおよび4Cで分かるように、プラットフォーム421が中立位置から時計回り方向に回転することで、リンク423Lの角度方向を変化させ、一方で、リンク423Rは、実質的に初期位置に静止したままであり、その逆も同様であるように選択されてもよい(すなわち、ロストモーションシステム)。本実施例では、連結要素は、プラットフォーム421が時計回りまたは反時計回り方向のいずれかに約90°回転することで、リンク423L、423Rを約180°運動させるように構成される。連結499のリンケージの回転は、例示的なものに過ぎず、代替の実施形態では、リンケージは、他方のアームから独立して一方のアームの駆動から切り替える、あらゆる所望の運動範囲を提供および受けるように配設されてもよい。
【0020】
本例示的実施形態では、リンク423L、423Rの角度方向は、プラットフォーム421と同じ回転方向に変化または回転する(例えば、プラットフォームの時計回りの回転が、リンクの時計回りの回転を生じさせる)。代替の実施形態では、連結システムは、リンク423L、423Rが、プラットフォーム421の回転方向とは逆の方向に回転するように構成することができる(例えば、プラットフォームの時計回りの回転が、リンクの反時計回りの回転を生じさせる)。例えば、リンク422L、422Rは、リンク423L、423Rがプラットフォーム421の回転方向とは逆に回転するように、共通の回転ジョイントにおいて、プラットフォームに接続されてもよい。他の代替の実施形態では、連結システムは、リンク423L、423Rを回転させるための、あらゆる好適な構成を有してもよい。さらに他の代替の実施形態では、連結システムは、リンク423L、423Rの回転運動が、平行移動または摺動運動、あるいは摺動および旋回運動の組み合わせと置き換えられるように構成されてもよい。摺動運動は、直接的に搬送アームを作動させてもよく、またはアームを作動させるための回転運動に変換されてもよい。他の代替の実施形態では、アームは、あらゆる好適な様態で作動させてもよい。
【0021】
再び図3A〜3Cを参照すると、例示的な実施形態では、搬送部300のアーム491L、491Rは、上アーム部材490L、490Rと、前アーム部材460L、460Rと、それぞれの回転ジョイント492、493、494、495を通じて互いに接続されるエンドエフェクタ430L、430Rと、を含む。代替の実施形態では、アームは、より多くの、またはより少ない関節を有してもよい。ここで、上アーム490L、490Rは、回転ジョイント402、401(例えば肩部ジョイント)の周囲を旋回する。上アーム490L、490Rの近位端は、上述のように、回転ジョイント404、406を通じて、連結システムのリンク422L、422Rに旋回可能に結合される。上アーム490L、490Rの遠位端は、例えば、回転ジョイント492、493において、前アーム460L、460Rのそれぞれの近位端に旋回可能に結合されてもよい。例示的な実施形態では、前アーム460L、460Rの遠位端は、回転ジョイント494、495において、エンドエフェクタ430L、430Rに旋回可能に結合されてもよい。エンドエフェクタ430L、430Rは、エンドエフェクタの前部からエンドエフェクタの後部まで延びる長手方向軸を有してもよい。エンドエフェクタの長手方向軸は、以下に述べるように、アームの伸長および収縮経路Pと整列させてもよい。代替の実施形態では、アームは、伸長/収縮の軸Pと相対的に、あらゆる所望の構成を有してもよい。
【0022】
本例示的実施形態では、連結システムのリンク423L、423Rは、上述のように、リンク423L、423Rが、それらのそれぞれのアームの一部分または拡張部を形成するように、それぞれ、上アーム490L、490R内に組み込まれてもよく、またはその一部分としてもよい。代替の実施形態では、アームは、あらゆる好適な様態で、上アーム部分423L、423Rを含めるように構成されてもよい。上記にも述べたように、静止回転ジョイント402、401は、それぞれ、上アーム490L、490Rの旋回点であってもよい。図3A〜3Cに示されている上アーム490L、490Rの形状は、例示的なものに過ぎず、代替の実施形態では、上アームは、あらゆる好適な形状を有してもよく、例えば、上アームは、直線状、「L」字、あるいは湾曲形状等であってもよい。他の代替の実施形態では、上アーム部分423L、423Rは、上アーム部分423L、423Rが点402、401の周囲を回転する時に、それぞれのディスクが点402または401の周囲を回転し、それによって、それぞれの上アーム491L、491Rが回転するように上アームに載置される、プーリーまたはディスクに接続されてもよい。さらに他の代替の実施形態では、上アーム部分は、トルクを上アームに与えるために、アームのあらゆる部分に従属してもよい。認識され得るように、図3A〜3Cに示されているように、他の上アームに対する上アーム部分423L、423Rの関係または配向は、例示的なものに過ぎず、上アーム部分423L、423Rは、上アームに対してあらゆる好適な関係/配向を有してもよい。
【0023】
プラットフォーム421の角度位置の関数としての、上アーム部分423L、423Rの角度方向を、図5にグラフで示す。図5において、θ1は、プラットフォーム421の角度位置を示し、θ3L、θ3Rは、それぞれ、上アーム部分432L、432Rの角度方向である。角度方向θ1、θ3L、およびθ3Rは、図4Aに示されるように、プラットフォーム421の初期位置に対してラジアンで測定され、プラットフォーム421の初期位置がゼロラジアンに対応する。θ1およびθ3Rは、反時計回り方向が正であり、θ3Lは、時計回り方向が正である。本例示的実施形態では、連結システムは、プラットフォーム421の90°の回転が、作動を受ける上アーム部分423L、423Rの180°の運動を生成するように構成される。代替の実施形態では、それに応じて連結システムの構成要素の寸法を選択することによって、あらゆる好適な運動範囲を達成することができる。
【0024】
図5で分かるように、プラットフォーム421が、例えば上アーム部分423Lを作動させるように回転する時には、静止上アーム部分423Rのいくらかの軽微な残留運動が存在し得る。他方の上アーム部分423Lが移動する間の静止上アーム部分423R残留運動量は、l2対l1の比率によって制御することができ、l1は、プラットフォーム421の旋回点400と、上アーム部分423L、423Rをプラットフォーム421に連結する回転ジョイント403、405との間の距離として定義される。l2は、上アーム部分422L、422Rの長さとして定義される。図5に示されているように、本実施例では423Rである静止上アーム部分の残留運動量は、l2/l1の比率が値1に近づくにつれて減少する。したがって、図5から認識され得るように、連結システムは、実質的に独立した運動(例えば、共通の駆動モータまたは駆動軸からの伸長/収縮)を生成するように、駆動を機械的に切り替えるロストモーション特性を提供する。
【0025】
アーム491L、491Rはまた、前アームを駆動するためのベルトおよびプーリーシステムを含んでもよい。例えば、プーリー435L、435Rは、上アームが回転する時に、それらのそれぞれのプーリー435L、435Rが、装置フレームと相対的に静止したままである(例えば、上アームの運動が、上アームと対応するプーリーとの間の相対的な移動を生じさせる)ように、ジョイント402、401において、静止固定具またはハブに連結されてもよい。第2の(アイドラ)プーリー450L、450Rは、ジョイント492、493の周囲に、前アーム460L、460Rに連結されてもよい。プーリー435L、450Lおよび435R、450Rは、上アーム490L、490Rが回転する時に、プーリー435L、435Rとの相対運動で、プーリー445L、445Rがベルトを介して駆動回転されるように、あらゆる好適なベルトまたはバンド440L、440Rによって接続されてもよい。代替の実施形態では、プーリーは、プーリーにピン留めされるか、そうでない場合は固定されてもよい1つ以上の金属バンドによって接続されてもよい。他の代替の実施形態では、あらゆる好適な可撓性バンドがプーリーを接続してもよい。さらに他の代替の実施形態では、プーリーは、あらゆる好適な様態で接続されてもよく、または他のあらゆる好適な伝達システムが使用されてもよい。プーリー435L、435R、450L、450Rは、ジョイント402、401の周囲の上アーム490L、490Rの回転が、前アーム460L、460Rのうちのそれぞれ1つの所望の回転を、反対方向に生成するように、アーム部材の移動が拘束されるように構成されてもよい。例えば、この回転関係を達成するために、プーリー445L、445Rに対するプーリー450L、450Rの半径の比率は、2:1の比率であってもよい。
【0026】
例示的実施形態では、プーリー445L、445R、465L、465R、およびベルト455L、455Rを含む、第2のベルトおよびプーリーの配設は、共通の進行経路Pに沿ったエンドエフェクタ430L、430Rの半径方向の配向または長手方向軸が、アーム491L、491Rの伸長または収縮時に維持されるように、エンドエフェクタ430L、430Rを駆動するように提供されてもよい。プーリー445L、445Rは、ジョイント492、493の周囲に、それらのそれぞれのアーム490L、490Rに連結されてもよく、プーリー465L、465Rは、ジョイント494、495の周囲に、それらのそれぞれのアーム430L、430Rに連結されてもよい。本実施例では、プーリー465L、465Rに対するプーリー445L、445Rの比率は、1:2の比率であってもよい。図3A〜Cで分かるように、例示的な実施形態では、プーリー450L、450Rは、プーリー450L、450Rが前アーム460L、460Rとともに回転する時に、プーリー445L、445Rが、それらのそれぞれの上アーム490L、490Rに対して静止したままであるように、ジョイント492、493の周囲に、プーリー445L、445Rのうちのそれぞれ1つと一致して載置される。あらゆる好適なベルト455L、455Rは、前アーム460L、460Rが回転する時に、プーリー465L、465Rが駆動回転するように、プーリーのそれぞれの対を接続してもよい。代替の実施形態では、プーリーは、プーリーにピン留めされるか、そうでない場合は固定されてもよい1つ以上の金属バンドによって接続されてもよい。他の代替の実施形態では、あらゆる好適な可撓性バンドが、プーリーを接続してもよい。さらに他の代替の実施形態において、プーリーは、あらゆる好適な様態で接続されてもよい。
【0027】
エンドエフェクタ430L、430Rは、回転ジョイント494、495において、それぞれの前アームに連結されてもよい。エンドエフェクタ430L、430Rは、図3B、3Cで分かるように、アームが伸長または収縮した時に、エンドエフェクタ430L、430Rが、共通の進行経路Pと長手方向に整列されたままになるように、プーリー465L、465Rのうちのそれぞれ1つに駆動連結されてもよい。本願明細書に記述されているベルトおよびプーリーシステムは、生成されるいかなる粒子もアームアセンブリ内に入らないように、アームアセンブリ491L、491R内に収容されてもよい。好適な通気/真空システムを、粒子が基板を汚染するのをさらに防止するように、アームアセンブリ内に採用してもよい。代替の実施形態では、同期システムを、アームアセンブリの外側に位置付けてもよい。他の代替の実施形態では、同期システムは、あらゆる好適な場所にあってもよい。
【0028】
以下、さらに図3A〜Cを参照して、基板搬送部300の動作を、アーム491Lに関して説明する。図3Aで分かるように、基板搬送部300は、収縮位置にある両方のアーム491L、491Rとともに、初期または中立位置にある。連結システムおよびアームの一部分は、基板搬送部の移動部品によって生成される粒子が基板を汚染するのを防止するように好適に構成された筐体内に位置付けられてもよい。例えば、アームが通過するように、スロットが筐体内に提供されてもよく、スロットとアームとの間のいかなる開口部も可撓性シールで封止されている。代替の実施形態では、筐体は、基板が、搬送部の移動部品によって生成され得る粒子による基板の汚染を防止するように、あらゆる好適な構成を有してもよい。他の代替の実施形態では、連結システムは、筐体内になくてもよい。
【0029】
アーム491Lを伸長させるために、プラットフォーム421は、駆動システムを介して、回転ジョイント400の周囲を時計回り方向に回転する。プラットフォーム421の回転は、リンク422Lの角度方向を変化させ、よって、リンク423Lおよび上アーム490Lを、静止回転ジョイント402の周囲を回転させる。よって、上アーム490Lの回転は、アームが伸長する時に、前アーム460Lが、回転ジョイント492の周囲を反対方向に同じ量だけ回転するように、ベルト440Lを介して、静止プーリー435Lにプーリー445Lを駆動させる。よって、前アーム460Lの回転は、アームが伸長する時に、エンドエフェクタ430Lの半径方向の配向または長手方向軸が、進行経路Pに沿って維持されるように、ベルト455Lを介して、プーリー450Lにプーリー465Lを駆動させる。したがって、前アーム460Lの回転は、点402の周囲の上アーム490Lの回転に従動し、エンドエフェクタ430Lの回転は、点492の周囲の前アーム460Lの回転に従動する。その結果、アーム491Lは、プラットフォーム421の旋回点400に対して半径方向に伸長し、一方で、アーム491Rは、実質的にその収縮位置に静止したままである。アーム491Lの収縮は、実質的に逆の様態で生じる。アーム491Rの伸長は、アーム491Rを伸長させるために、プラットフォームが反時計回り方向に回転することを除いて、アーム491Lに関して上述したものと実質的に同様である。認識され得るように、エンドエフェクタ430L、430Rは、共通の進行経路Pに沿って進行するので、エンドエフェクタは、進行経路Pに沿って異なる平面内にあるように構成されてもよい。代替の実施形態では、アーム491L、491Rは、エンドエフェクタが共通の経路Pに沿って進行することができるように、異なる高さになるように構成されてもよい。他の代替の実施形態では、エンドエフェクタおよびアームは、エンドエフェクタが、共通の進行経路に沿って同じ方向に進行することができるように、あらゆる好適な構成を有してもよい。さらに他の代替の実施形態では、スカラおよび切り替えリンケージは、互いに関して反対方向またはある角度に配向される方向等の、異なる方向へのエンドエフェクタの独立した進行を生成するように配設されてもよい。
【0030】
連結システム499によって、上アーム490L、490Rのジョイント402、401の周囲の回転は、アーム491L、491Rのそれぞれの伸長および収縮にわたって、対応する駆動システムの駆動軸の回転に関して可変である。コントローラ200は、アーム491L、491Rが、伸長および収縮中に、実質的に定常状態を維持するように、好適なアルゴリズムを通じて構成されてもよい。例えば、コントローラは、アームの伸長および収縮が実質的に均一な運動になるように、アームの伸長または収縮位置に応じて常に異なる速度で、駆動システムがプラットフォーム421を回転させるようにしてもよい。代替の実施形態では、アームの運動は、あらゆる好適な様態で制御されてもよい。アームの伸長および収縮を検出および追跡するためのセンサまたは符号化器は、例えば(認識され得るように、どちらも独立に移動可能なアーム491L、491Rの運動を感知および制御する共通のセンサとして十分なものとなり得る)ジョイント400にある、または他の実施形態では、回転ジョイント402、401、492、および/または493にあるセンサのように、アーム491L、491Rに沿ったあらゆる好適な点に位置付けられてもよい。あらゆる好適な数またはタイプのセンサが、利用されてもよい。例えば、センサは、無線センサまたは有線センサであってもよい。センサからのフィードバックは、駆動軸の回転速度を調節するためのコントローラ200によって使用されてもよい。
【0031】
以下、図6A〜8Eを参照すると、別の例示的実施形態による基板搬送部700が示されている。この例示的実施形態では、以下に詳述するように、基板搬送部700は、アーム650L、650Rが、駆動部の一部分の揺動運動を通じて作動され得るように動作する。基板搬送部700は、駆動部と、連結システム800と、アームアセンブリまたはリンケージ650L、650Rと、を含んでもよい。アームアセンブリ650L、650Rは、特に明記されておらず、また同じ特徴に同じ参照番号が付されていない限り、それぞれ、アームアセンブリ491Lおよび491Rと実質的に同様である。本実施例では、基板搬送部が、2つのアームアセンブリを有して示されているが、代替の実施形態では、基板搬送部は、任意の好適な数のアームアセンブリを伴う、あらゆる好適な構成を有してもよい。連結システム800は、以下に詳述するが、1つまたは共通の駆動部の駆動モータが、2つ以上のスカラアームの伸長および収縮を、実質的に互いに独立して生じさせることを可能にする、機械的スイッチまたはロストモーションシステムとして本願明細書に引用されているものを含んでも、または画定してもよい。
【0032】
例示的な実施形態では、図7A〜Fおよび8A〜Eに示されているように、連結システムは、実質的にリジッドな連結要素731と、730Lと、730Rと、732Lと、732Rと、733Lと、733Rと、を含んでもよい。基底要素731は、本願明細書では、便宜上プラットフォームと称され、要素730L、730R、732L、および732Rは、リンクではなく、リンクとして作用するためのあらゆる好適な構成を有し得るが、連結要素730L、730R、732L、および732Rは、本願明細書では、便宜上リンクと称する。要素733L、733Rは、それぞれ上アーム610L、610Rの一体部分であってもよく、または上アームにリジッドに従属する部材であってもよく、本願明細書では、便宜上上アーム部分と称される。代替の実施形態では、上アーム部分733L、733Rは、運動を上アーム610L、610Rに移すためのあらゆる好適な構成を有する、あらゆる好適な部材であってもよい。例示的実施形態では、説明を容易にするために、上アーム部分733L、733Rは、実質的に、図7E〜Fおよび8A〜Eに旋回リンクとして示されている。
【0033】
図6A〜C、7A〜F、および8A〜Eに示されている実施形態のプラットフォーム731は、例示的な構成を有している。代替の実施形態では、プラットフォーム要素は、あらゆる所望の形状を有してもよい。例示的実施形態のリンク732L、732Rは、以下に詳述するように、旋回可能に解放されたジョイントによって、移動可能に結合されてもよい。代替の実施形態では、リンクは、(ジョイントの旋回可能な解放に加えて、またはその代わりに、平行移動可能に解放されるジョイント等の)他のあらゆる所望の可動ジョイントを介して、隣接する要素に結合されてもよい。連結要素は、基板搬送部300が、大気または真空環境で動作し、あらゆる好適な所定のロードを担持できるようになる、金属、プラスチック、セラミック、炭素繊維、複合材等のあらゆる好適な材料で作成されてもよい。
【0034】
以下に述べるように、リンク730Lおよび730Rは、図11A−11Eに示されているように、それぞれ、駆動要素1160および1150に対応してもよい。図7A〜Bおよび7Eで最良に分かるように、リンク730L、730Rは、それぞれ、回転ジョイントBおよびAにおいてプラットフォーム731に旋回可能に連結されてもよい。本例示的実施形態では、リンク730L、730Rの長さは、回転ジョイントAとBとの間の距離に実質的に等しい。代替の実施形態では、リンクは、あらゆる好適な長さを有してもよい。リンク730L、730Rの他端は、それぞれ、静止(アームアセンブリのハブと相対的に)回転ジョイントCおよびDに旋回可能に連結されてもよい。本例示的実施形態では、ジョイントCとDとの間の距離は、リンク730L、730Rの長さに実質的に等しい。代替の実施形態では、ジョイントCとDとの間の距離は、あらゆる好適な距離であってもよい。図7Bおよび7Eで分かるように、プラットフォームが、例えばそのように称され得る、中立位置にある時に、回転ジョイントAおよびCは、実質的に、互いに一致していてもよく、一方で、回転ジョイントBおよびDは、実質的に、互いに一致する(例えば、実質的に共通の回転軸を有する)。
【0035】
図7Eおよび7Fで分かるように、プラットフォーム731は、回転ジョイントEを含んでもよい。リンク732L、732Rの一端は、ジョイントEにおいてプラットフォームに旋回可能に連結される。本例示的実施形態では、リンク732L、732Rの長さは、それぞれ、ジョイントAとE、およびジョイントBとEとの間の距離に実質的に等しい。リンク732L、732Rの他端は、回転ジョイントFおよびGの周囲に、上アーム部分733L、733Rの一端に旋回可能に接続される。上アーム部分733L、733Rの他端は、静止(アームアセンブリのハブと相対的に)回転ジョイントまたは旋回軸HおよびIに旋回可能に連結されてもよい。本例示的実施形態では、上アーム部分733L、733Rの寸法、および静止旋回軸H、Iの場所は、ジョイントFおよびGの回転軌跡R1、R2が、それぞれ、点CおよびDを通過するように選択される(図7Eを参照されたい)。この例示的構成は、以下に詳述するように、プラットフォーム731が回転する時に、ジョイントA、Bの運動を拘束し得る。代替の実施形態では、上アーム部分733L、733Rは、あらゆる好適な寸法を有してもよく、静止旋回軸H、Iは、あらゆる好適な場所に位置付けられてもよい。図7Fで分かるように、連結システムが中立位置にある時に、回転ジョイントA、C、Fは、互いに実質的に一致し、回転ジョイントB、D、Gは、互いに実質的に一致する。図6Aに示されているように、連結システムがその中立位置にある時に、基板搬送部のアームも収縮位置にある。図に示されている連結システムのリンケージの運動は、例示的なものに過ぎず、代替の実施形態では、リンケージは、互いに独立して、アームの駆動から切り替える、あらゆる所望の運動範囲を提供および受けるように配設されてもよい。
【0036】
プラットフォーム731の角度位置の関数としての、要素733L、733Rの角度方向を、図9にグラフで示す。図9において、θ1’は、プラットフォーム731の角度位置を示し、θ3L’、θ3R’は、それぞれ、要素733L、733Rの角度方向である。角度方向θ1’、θ3L’、およびθ3R’は、図8Aに示されるように、プラットフォーム731の初期位置に対してラジアンで測定され、プラットフォーム731の初期位置がゼロラジアンに対応する。θ1’およびθ3R’は、反時計回り方向が正であり、θ3L’は、時計回り方向が正である。プラットフォーム731の運動範囲は、l3対l1’の比率によって制御することができ、l1’は、プラットフォーム731の旋回点C、Dと、リンク732L、732Rをプラットフォーム731に連結する回転ジョイントEとの間の距離として定義される。参照符号l3は、リンク732L、732Rの長さとして定義される。図9に示されているように、連結システム800の回転による静止リンクの残留運動は、実質的に存在しない。
【0037】
以下、図11A〜11Eを参照して、基板搬送部のための駆動部の例示的な一実施形態を説明する。駆動部は、例えば、磁気駆動アセンブリ、同軸駆動アセンブリ、非同軸駆動アセンブリ、またはそれらの組み合わせ等の、あらゆる好適な駆動部であってもよい。図11A〜11Eに示されている駆動部は、搬送ロボットの方向(例えば、角度方向)を変化させるための第1の駆動軸1190と、回転要素1150、1160を駆動する(例えば、互いに独立して、アームの伸長/収縮を生じさせる)ための第2の駆動軸1120と、を含んでもよい。上述のように、回転要素1150、1160は、それぞれ、リンク730Rおよび730Lに対応してもよい。ここでも、回転要素1150、1160が、リンク730R、730Lに対応する場合であっても、これらの要素は、以下に述べるように、その回転軸の対向端部において、部材731が解放される、または回転できるようにすることができる、リンクとして単に作用するだけでもよい。代替の実施形態では、要素1150、1160は、あらゆる好適な構成を有してもよい。駆動部はまた、上述のように、プラットフォーム731を有する連結システム800を含んでもよい。駆動部は、トルクをプラットフォーム731に印加して、プラットフォームに、中立位置から点Dの周囲を反時計回り方向に、および中立位置から点Cの周囲を時計回り方向に回転させる(例えば、ジョイントCおよびDの周囲を揺動運動させる)ことができる。
【0038】
本例示的実施形態では、第1の駆動軸1190は、第1の駆動軸1190が回転する時に、アームアセンブリ650L、650Rが、駆動軸1190の軸Xの周囲を回転するように、基板搬送部の筐体1100等の、筐体に連結されてもよい。第2の駆動軸は、例えば、駆動軸1120と一致したままに構成される別々に載置されたモータを通じて、または駆動軸1190と同軸である駆動軸によって駆動される伝達システム(例えば、プーリーシステム)を通じて、等のあらゆる好適な様態で駆動されてもよい。図では、第2の駆動軸1120が軸Cに沿って示されているが、代替の実施形態では、第2の駆動軸1120の場所は、軸1140と逆にしてもよい。他の代替の実施形態では、第2の駆動軸は、あらゆる好適な場所に位置付けられてもよい。
【0039】
駆動軸1120は、駆動軸1120が要素1160を回転させるように、回転要素1160に固定連結されてもよい。本例示的実施形態では、図11Aで分かるように、駆動軸1120は、駆動軸が要素1150に干渉しないように、トルク伝達アームを有するように示されている。代替の実施形態では、駆動軸1120および要素1150は、あらゆる好適な構成を有してもよい。
【0040】
本例示的実施形態では、要素1160は、第1および第2のプーリー1160A、1160Bと、駆動ベルト1160Cと、を含む。駆動ベルトは、例えば、プーリーにピン留めされるか、そうでない場合は固定される金属バンド等の、あらゆる好適なベルトであってもよい。ベルト1160Cは、要素1160が、例えばプラットフォーム731等の片持ち荷重を担持することができる、実質的にリジッドな部材としての役割を果たすように、好適な横断面を有してもよい。代替の実施形態では、要素1160は、バー、軸であってもよく、または、プラットフォーム731を回転させるための、他のあらゆる好適な構成を有してもよい。
【0041】
要素1160は、以下に述べるように、プーリー1160Aが軸Cの周囲を回転する時に、プラットフォーム731も軸Dの周囲を回転し得るように、プラットフォーム731の係合部材1170に連結されてもよい。係合部材1170は、例えばプーリー1160Bにおいて、要素1160に連結されてもよい。係合部材は、あらゆる好適な係合部材であってもよい。係合部材1170は、実質的に軸Dに沿っていてもよく、また、要素1160および軸1120とともにプラットフォーム731を支持するように好適に構成されてもよい。代替の実施形態では、駆動部は、本願明細書に述べられているように、基板搬送部の作動を生じさせるためのあらゆる好適な構成を有してもよい。
【0042】
軸1140は、軸1140が、いかなる偏心または揺れも伴わずに、軸Dの周囲を回転するように、例えば回転軸Dの周囲に回転可能に載置され、かつ好適に支持されてもよい。代替の実施形態では、軸は、回転可能でなくてもよい。軸1140は、回転要素1150が回転する時に、軸1140も回転するように、回転要素1150に固定連結されてもよい。本実施例では、要素1150は、一端が軸1140にピン留めされ、他端が部材1180にピン留めされる、バンドであってもよい。軸1140が回転可能でない代替の実施形態では、バンド1150は、プラットフォームが回転する時に、軸1140に巻き付いてもよい。代替の実施形態では、要素1150は、あらゆる好適な様態で軸1140および部材1180に連結されてもよい。要素1150は、要素1150が、例えばプラットフォーム731等の片持ち荷重を担持することができる、実質的にリジッドな部材としての役割を果たすように、好適な横断面を有してもよい。代替の実施形態では、要素1150は、バー、軸であってもよく、または、プラットフォーム731を回転させるための、他のあらゆる好適な構成を有してもよい。要素1150は、以下に述べるように、プラットフォーム731が軸Dの周囲を回転する時に、要素1150も軸Dの周囲を回転するように、上述のように、実質的に軸Cに沿って、プラットフォーム731の係合部材1180に連結されてもよい。係合部材1180は、軸Cの周囲に、プラットフォーム731に回転可能に連結されてもよく、また、要素1160および軸1120への干渉を回避するように好適に構成されてもよい。代替の実施形態では、係合部材1180は、プラットフォームが回転する時に、バンド1150が部材1180に巻き付くように、プラットフォーム731に固定されてもよい。係合部材はまた、要素1150および軸1140とともにプラットフォーム731を支持するように構成されてもよい。認識され得るように、要素1150、1160は、要素1150、1160と、駆動軸と、係合部材との間のいかなる干渉も回避する、好適な構成を有してもよい。認識され得るように、図11A〜Eに示されている駆動部は、例示的なものに過ぎず、駆動部は、あらゆる好適な構成を有してもよい。
【0043】
図6A〜C、8A〜E、および11A〜Eを参照して、基板搬送部の作動を説明する。上述のように、上アーム部分733Lは、左アームが点Hの周囲を旋回するように、左アーム650Lの一部分を形成する。同様に、上アーム部分733Rは、右アームが点Iの周囲を旋回するように、右アーム650Rの一部分を形成する。連結システム800およびアームアセンブリは、図8Aおよび6Aにおいて、それらの中立位置で示されている。図6A〜6Cに示されている上アームの形状は、例示的なものに過ぎず、上アームは、あらゆる好適な形状を有することができ、例えば、上アームは、直線状、「L」字、あるいは湾曲形状等であってもよい。他の代替の実施形態では、上アーム部分733L、733Rは、上アーム部分733L、733Rが点H、Iの周囲を回転する時に、それぞれのディスクが点HまたはIの周囲を回転し、それによって、それぞれの上アーム650L、650Rが回転するように上アームに載置される、プーリーまたはディスクに接続されてもよい。さらに他の代替の実施形態では、上アーム部分は、トルクを上アームに与えるために、アームのあらゆる部分に従属してもよい。認識され得るように、図6A〜6Cに示されているように、他の上アームに対する上アーム部分733L、733Rの関係または配向は、例示的なものに過ぎず、上アーム部分733L、733Rは、上アームに対してあらゆる好適な関係/配向を有してもよい。
【0044】
以下、左アームの動作を、図11A〜Eに示されている駆動部に関して説明する。左アーム650Lを、中立位置または収縮位置から伸長させるために、プラットフォーム731は、図6B、11D、および8B〜Cに示されているように、軸または点Dの周囲を反時計回り方向に回転する。反時計回り方向に回転している間、プラットフォーム731は、多数の場所で支持されてもよい。例えば、プラットフォーム731は、係合部材1170および駆動軸1120によって、要素1160、および例えば軸または図11Aに示されているもの等のあらゆる好適な連結支持体を通じて、点Dの周囲に直接的に支持されてもよい。プラットフォームは、点Hにおいてリンク733L、732Lを通じて、および点Iでリンク733R、732Rを通じて、間接的に支持されてもよい。プラットフォームはまた、部材1180、要素1150、および軸1140を介して、点Aの周囲に支持されてもよい。代替の実施形態では、プラットフォーム731は、3つ以上または未満の点によって支持されてもよい。
【0045】
軸Dの周囲にプラットフォーム731の反時計回り方向の回転を生じさせるために、軸1120は、プーリー1160Aにトルクを与えるように反時計回り方向に回転させてもよい。そのトルクは、バンド1160Cを介して、プーリー1160Bに平行移動される。プーリー1160Bは、プラットフォーム731が軸または点Dの周囲を反時計回り方向に回転するように、係合部材1170を介してプラットフォーム731にトルクを伝達する。認識され得るように、連結システムは、駆動軸1120の反時計回り回転、したがって、プラットフォーム731への反時計回りトルクの印加によって、プラットフォームが軸Dの周囲を旋回するように拘束される。プラットフォーム731が回転する時には、係合部材1180および回転部材1150を介して、点Aにおいて支持されてもよい。図11Dで最良に分かるように、回転部材1150は、プラットフォーム731とともに点Dの周囲を反時計回り方向に回転する。
【0046】
点Dと一致する(図7B、7E〜7Fに示される初期位置にある)プラットフォーム731の点Bは、点Bが、プラットフォーム731の反時計回り回転中に、点Cと一致したままとなるように、平行移動が拘束されてもよい。本例示的実施形態では、反時計回りトルクが点Bに印加される時に、点Bは、リンク732R、733RとジョイントI、DおよびEとの関係のため、拘束される。図7で最良に分かるように、例示的な実施形態では、ジョイントGは、回転経路R2、R3に沿って通過することができるようになり得、一方で、ジョイントFは、回転経路R1、R3に沿って通過することができるようになり得る。プラットフォームが回転する時に、リンク732L、733Lの角度方向は、図8B〜Cで分かるように、ジョイントFが経路R1に沿って点Hの周囲を回転するように、リンク732L、733Lが、それぞれ、ジョイントEおよびHの周囲を回転するように変化する。リンク733Lは、アーム650Lの上アーム610Lの一部分であるので、上アームは、点Hの周囲を回転する。代替の実施形態では、リンク733Lは、上アーム610Lを回転させるための点Hにおいて、軸に駆動接続されてもよい。他の代替の実施形態では、リンク733Lは、あらゆる好適な様態で上アームの回転を生じさせる。プラットフォーム731が反時計回り方向に回転する時に、リンク733Lは、時計回り方向に回転し、一方で、リンク733Rは、アーム650Rが移動してロストモーションシステムを生じないように、静止したまま(すなわち、回転ジョイントGが旋回軸Dと一致したまま)であることに留意されたい。
【0047】
上アーム610Lの回転は、アームが伸長する時に、前アーム655Lが、回転ジョイント625Lの周囲を反対方向に同じ量だけ回転するように、ベルト615Lを介して、静止プーリー605Lにプーリー630Lを駆動させる。よって、前アーム655Lの回転は、エンドエフェクタが点640Lの周囲を回転するように、ベルト635Lを介して、プーリー620Lにプーリー645を駆動させる。エンドエフェクタの点640Lの周囲の回転は、アーム650Lが伸長または収縮する時に、エンドエフェクタ600Lの半径方向の配向または長手方向軸が、共通の進行経路Pに沿って維持される程度である。したがって、図3A〜Cに関して上述したように、前アーム655Lの回転は、点Hの周辺の上アーム610Lの回転に従動し、エンドエフェクタ600Lの回転は、点625Lの周囲の前アーム655Lの回転に従動する。その結果、アーム650Lは、半径方向に伸長し、一方で、アーム650Rは、実質的にその収縮位置に静止したままである。アーム650Lの収縮は、実質的に逆の様態で生じる。
【0048】
右アーム650Rを、中立位置または収縮位置から伸長させるために、プラットフォーム731は、図6C、11E、および8D〜Eに示されているように、点Cの周囲を時計回り方向に回転する。時計回り方向に回転している間、プラットフォームは、多数の場所で支持されてもよい。例えば、係合部材1180および駆動軸1140によって、要素1150、および例えば軸または図11Aに示されているもの等のあらゆる好適な連結支持体を通じて、点Cの周囲に直接的に支持されてもよい。プラットフォームは、点Hにおいてリンク733L、732Lを通じて、および点Iでリンク733R、732Rを通じて、間接的に支持される。プラットフォームはまた、部材1170、要素1160、および軸1120によって支持されてもよい。代替の実施形態では、プラットフォームは、3つ以上または未満の点によって支持されてもよい。
【0049】
プラットフォーム731の時計回り方向の回転を生じさせるために、軸1120は、プーリー1160Aに時計回りのトルクを与えるように時計回り方向に回転する。そのトルクは、バンド1160Cを介して、プーリー1160Bに平行移動される。プーリー1160Bは、係合部材1170を介してプラットフォーム731に時計回りのトルクを伝達し、拘束により、プラットフォーム731は、軸または点Cの周囲を時計回り方向に回転する。本例示的実施形態では、プラットフォーム731および点Cは、リンク733L、732Lと、ジョイントH、F、およびEとの関係によって、時計回りのトルクが軸1120によって印加される時に、中立配向を通過して移動しないように、平行移動が拘束されてもよい。図7Eで最良に分かるように、ジョイントFは、回転経路R1、R3に沿って通過することができるようになり、一方で、ジョイントGは、回転経路R2、R3に沿って通過することができるようになる。時計回りのトルクが、係合部材1170を介してプラットフォームの点Bに印加される時に、点Fは、経路R1またはR3に沿って通過することができず(すなわち、点Aを拘束している)、点Gを経路R2に沿って通過させる。ここでも、点Aは、部材1180、回転要素1150、および軸1140を介して支持される。
【0050】
プラットフォームが回転する時に、リンク732R、733Rの角度方向は、ジョイントGが点Iの周囲を回転するよう、リンク732R、733Rが、それぞれ、点EおよびIの周囲を回転するように変化する。リンク733Rは、アーム650Rの上アーム610Rの一部分であるので、上アームは、点Iの周囲を回転する。代替の実施形態では、リンク733Rは、上アーム610Rを回転させるための点Iにおいて、軸に駆動接続されてもよい。他の代替の実施形態では、リンク733Rは、あらゆる好適な様態で上アームの回転を生じさせる。
【0051】
例示的な実施形態では、プラットフォーム731が時計回り方向に回転する時に、リンク733Rは、反時計回り方向に回転してもよく、一方で、リンク733Lは、アーム750Lが移動しないように、静止したまま(すなわち、回転ジョイントFが旋回軸Cと一致したまま)である。代替の実施形態では、連結システムは、例えばリンク732L、732Rをリンク733R、733Lが、非配列様態でプラットフォーム731に連結される、等によって、プラットフォームと同じ方向に回転するように構成することができる。他の代替の実施形態では、連結システムは、リンク733L、733Rの回転運動が、上アームを回転させるのに直接的に使用することができる、または上アームを回転させるための回転運動に変換することができる、摺動運動と置き換えられるように構成されてもよい。さらに他の代替の実施形態では、上アームは、あらゆる好適な様態で回転させることができる。
【0052】
上アーム610Rの回転は、アームが伸長する時に、前アーム655Rが、回転ジョイント625Rの周囲を反対方向に同じ量だけ回転するように、ベルト615Rを介して、静止プーリー605Rにプーリー630Rを駆動させる。よって、前アーム655Rの回転は、エンドエフェクタ600Rが点640Rの周囲を回転するように、ベルト635Rを介して、プーリー620Rにプーリー645Rを駆動させる。エンドエフェクタ600Rの点640Rの周囲の回転は、アーム650Rが伸長または収縮する時に、エンドエフェクタ600Rの半径方向の配向または長手方向軸が、共通の進行経路Pに沿って維持される程度である。したがって、アーム650Lに関して上述したように、前アーム655Rの回転は、点Iの周辺の上アーム610Rの回転に従動し、エンドエフェクタ600Rの回転は、点625Rの周囲の前アーム655Rの回転に従動する。その結果、アーム650Lは、半径方向に伸長し、一方で、アーム650Rは、実質的にその収縮位置に静止したままである。アーム650Rの収縮は、実質的に逆の様態で生じる。
【0053】
認識され得るように、エンドエフェクタ600L、600Rは、共通の進行経路Pに沿って進行するので、エンドエフェクタは、進行経路Pに沿って異なる平面内にあるように構成されてもよい。代替の実施形態では、アーム650L、650Rは、エンドエフェクタが共通の経路Pに沿って進行することができるように、異なる高さになるように構成されてもよい。他の代替の実施形態では、搬送部は、複数のエンドエフェクタが共通の進行経路に沿って進行できるようにするための、あらゆる好適な構成を有してもよい。図に示されている連結システムのリンケージの運動は、例示的なものに過ぎず、代替の実施形態では、リンケージは、互いに独立して、アームの駆動から切り替える、あらゆる所望の運動範囲を提供および受けるように配設されてもよい。
【0054】
以下、図10Aを参照すると、駆動部の別の例示的実施形態が示されている。図10Aには、明確にするため、連結システムの最小限の要素だけが示されている。図10Aに示されている駆動部は、第1の磁気固定子1001と、第2の磁気固定子1002と、磁気または磁気アレイプラテン1010と、を含んでもよい。磁気プラテンは、あらゆる好適な永久磁石または磁石アレイであってもよく、ブラシレスDCまたはACモータのためのあらゆる好適な構成を有してもよい。代替の実施形態では、プラテンは、磁気材料で形成されてもよく、またはモータのための好適なコイルを有してもよい。プラテン1010は、レバー1003に載置されて示されている。図10Aでは、トルクの印加を例示する目的で、レバー1003が、プラットフォーム731の周辺を越えて伸長しているように示されているが、代替の実施形態では、レバーは、あらゆる好適なサイズおよび構成を有してもよい。図10に示されているプラテン1010の配置は、例示的なものに過ぎず、プラテンは、プラットフォームが回転ジョイントCまたはDのいずれかの周囲を回転できるように、トルクをプラットフォームに印加するために、点CおよびDからのあらゆる好適な場所に配置されてもよい。磁気固定子1002、1001は、プラットフォーム731が点CまたはDの周囲を回転するのに好適な円弧に沿って磁石1010を駆動するように構成される、あらゆる好適な回転子であってもよい。図10Aで分かるように、磁気固定子1002は、例えば、点Cを中心としてもよく、一方で、磁気固定子1001は、点Dを中心としてもよい。代替の実施形態では、磁気固定子は、プラットフォームの回転を生じさせるための、あらゆる好適な構成を有してもよい。磁気固定子は、上述のように磁石を駆動するための磁場を生成するのに好適な様態で、コントローラに接続されてもよい。ホール効果センサ等のプラテン上の共通のセンサを使用して、両アームの移動を互いに独立して制御してもよい。
【0055】
プラットフォーム731に点Cの周囲を時計回り方向に回転させるために、図8A〜Eに示されているように、プラットフォーム731の点Bが、矢印1030の方向に回転するように、磁気トルクをプラテン1010に印加するよう、電力が磁気固定子1002に印加される。プラットフォームに点Dの周囲を反時計回り方向に回転させるために、図8A〜Cに示されているように、プラットフォームの点Aが、矢印1040の方向に回転するように、磁気トルクを磁石1010に印加するよう、電力が磁気固定子1001に印加される。認識され得るように、磁気固定子の極性は、図8Aに示されているように、点AおよびBを回転させてそれらの開始位置に戻すために、逆のトルクが磁石に印加されるように逆にされてもよい。
【0056】
図10Bを参照すると、例示的な一実施形態による別の駆動部が示されている。ここでも、明確にするため、図10Bには、連結システムの最小限の要素だけが示されている。本例示的実施形態では、駆動部は、第1の磁気固定子1002’と、第2の磁気固定子1001’と、第1の磁気プラテン1020と、第2の磁気プラテン1015と、を含んでもよい。本例示的実施形態では、プラテン1020、1015は、それぞれ、点AおよびBにおいてプラットフォーム731に載置されているように示されている。代替の実施形態では、プラテンは、あらゆる好適な場所でプラットフォームに載置されてもよい。磁気固定子1002’および1001’は、図10Aに関して上述したものと実質的に同様であってもよい。
【0057】
プラットフォーム731に点Cの周囲を時計回り方向に回転させるために、図8A〜Eに示されているように、プラットフォーム731の点Bが、矢印1030の方向に回転するように、磁気トルクを磁気プラテン1015に印加するよう、電力が磁気固定子1002’に印加される。プラットフォームに点Dの周囲を反時計回り方向に回転させるために、図8A〜Cに示されているように、プラットフォームの点Aが、矢印1040の方向に回転するように、磁気トルクを磁気プラテン1020に印加するよう、電力が磁気固定子1001’に印加される。認識され得るように、磁気固定子の極性は、図8Aに示されているように、点AおよびBを回転させてそれらの開始位置に戻すために、逆のトルクが磁石に印加されるように逆にされてもよい。
【0058】
以下、図12A〜12Cを参照すると、駆動部のさらに別の例示的実施形態が示されている。図12A〜12Cで分かるように、駆動部は、駆動軸1200と、駆動軸1200に連結されるクランク部材1210と、摺動旋回配設でクランク部材1210の一端に連結される接続リンク1220と、を含んでもよい。摺動旋回配設は、スロット1225と、ピン1226と、を含んでもよい。ピン1226は、クランク1210内の孔を通って、かつスロット1225を通って延在してもよい。ピンは、クランク1210および接続リンク1220が分離しないように、好適な端部(例えば、マッシュルーム状の端部、蓋付きの端部等)を有してもよい。接続リンク1220の他端は、プラットフォーム731に旋回可能に連結されてもよい。図12Bに示されているように、プラットフォームを時計回り方向1240に回転させるために、クランク部材1210も時計回り方向1250に回転するように、駆動軸1200は、時計回り方向1250に回転する。クランク部材が時計回り方向に回転する時に、ピン1226は、クランク1210に連結される接続リンクの端部が、矢印1245’の方向に移動する程度に、接続リンク1220のスロット1225内を摺動する。クランク1210が回転する時に、ピン1226がスロット1225の第1の端部1227を係合するので、クランク1210がさらに回転し、クランク1210の回転は、接続リンク1220に、プラットフォーム731を矢印1246’の方向に引っ張らせ、それによって、プラットフォーム731は、矢印1240の方向に回転する。
【0059】
同様に、図12Cに示されているように、プラットフォームを反時計回り方向1270に回転させるために、クランク部材1210も反時計回り方向1260に回転するように、駆動軸1200は、反時計回り方向1270に回転する。クランク部材が反時計回り方向に回転する時に、ピン1226は、クランク1210に連結される接続リンクの端部が、矢印1245’’の方向に移動する程度に、接続リンク1220のスロット1225内を摺動する。クランク1210が回転する時に、ピン1226がスロット1225の第1の端部1227を係合するので、クランク1210がさらに回転し、クランク1210の回転は、接続リンク1220に、プラットフォーム731を矢印1246’’の方向に引っ張らせ、それによって、プラットフォーム731は、矢印1270の方向に回転する。認識され得るように、接続リンク1220内のスロット1225、接続リンク1210、クランク1210、および駆動軸1200は、クランク部材1210が、図12Aに示されている中立位置に戻る時に、プラットフォーム731が、図12Aに示されている中立位置に戻ることができるよう、矢印1270の方向に好適に進行するように、好適に構成/間隔を置いてもよい。例えば、クランク1210が中立位置に戻る時に、ピン1226は、プラットフォーム731が中立位置に戻るように、旋回点1230が矢印1270の方向に移動するよう、スロットの第2の端部1228を係合する。
【0060】
同じく認識され得るように、搬送部700の動作は、図10A〜Bの磁気駆動または図11A〜Cのクランク駆動を採用した時には、図11に関して上述したものと実質的に同様である。
【0061】
連結システム800によって、上アーム610L、610RのジョイントH、Iの周囲の回転は、アーム650L、650Rのそれぞれの伸長および収縮にわたって、対応する駆動システムの駆動軸の回転に関して可変である。コントローラ200は、アーム650L、650Rが、伸長および収縮中に、実質的に定常状態を維持するように、好適なアルゴリズムを通じて構成されてもよい。例えば、コントローラは、アームの伸長および収縮が実質的に均一な運動になるように、アームの伸長または収縮位置に応じて常に異なる速度で、駆動軸がプラットフォーム731を回転させるようにしてもよい。代替の実施形態では、アームの運動は、あらゆる好適な様態で制御されてもよい。アームの伸長および収縮を検出および追跡するためのセンサは、例えば回転ジョイントH、I、625L、および/または625R等の、アーム650L、650Rに沿ったあらゆる好適な点に位置付けられてもよい。あらゆる好適な数またはタイプのセンサが利用されてもよい。例えば、センサは、無線センサまたは有線センサであってもよい。センサからのフィードバックは、駆動軸の回転速度を調節するためのコントローラ200によって使用されてもよい。
【0062】
本願明細書に記述されている連結システムは、プラットフォーム421およびリンク422L、422Rが、各駆動部が2つのプーリーと、1つのベルトと、1つのベルトテンショナーとを含む一対のベルト駆動部を置き換えるので、基板搬送部300の機械的な複雑さは増加しないことに留意されたい。また、ベルト駆動部は、粒子の発生および信頼性の問題に関係するので、本願明細書に記述されている連結システムは、より清浄かつより信頼性のある駆動システムを象徴している。加えて、2つのアーム491L、492Rの半径方向の運動が単一のモータによって制御され、それによって、従来の基板搬送部にあるモータのうちの1つを排除し、その電子回路の信頼性がさらに向上し、基板搬送システムのコスト面を改善するので、基板搬送部の全体的な複雑さは、該連結システムによって減じられる。
【0063】
上述の記述は、本発明を例証するに過ぎないものであると理解されたい。種々の代替物および修正物は、本実施形態から逸脱することなく、当業者によって案出することができる。したがって、本実施形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内にある、全ての当該の代替物、修正物、および変更物を全て包含することを意図するものである。
図1
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9
図10A
図10B
図11A
図11B-11E】
図12A
図12B
図12C