(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シート状に折り畳まれた長尺筒状のフィルム基材を搬送しつつ所定長さに順次切断して形成された個別のフィルム体を筒状に開口させて下方へ送出することにより、被嵌位置に搬送されてきた被嵌体の周囲に被嵌する筒状フィルム体の被嵌装置であって、
前記フィルム基材の搬送方向を変更しながら下方へ送り出す送出ユニットと、
前記送出ユニットにより送り出されたフィルム基材を切断して形成された前記フィルム体を下方に搬送して被嵌体に被嵌する被嵌ユニットと、を備え、
前記被嵌体の周方向に関する筒状フィルム体の被嵌角度位置を調整可能なように前記被嵌ユニットが前記被嵌体に関して回動可能に設けられている、筒状フィルム体の被嵌装置。
シート状に折り畳まれた長尺筒状のフィルム基材を搬送しつつ所定長さに順次切断して形成された個別のフィルム体を筒状に開口させて下方へ送出することにより、被嵌位置に搬送されてきた被嵌体の周囲に被嵌する筒状フィルム体の被嵌方法であって、
前記送出ユニットにより前記フィルム基材の搬送方向を変更しながら下方へ送り出す工程と、
前記送り出されたフィルム基材を切断ユニットによって所定長さに順次切断して個別の筒状フィルム体を形成する工程と、
前記筒状フィルム体をマンドレルで開口しながら移送ユニットにより下方へ搬送する工程と、
前記開口された筒状フィルム体をショットユニットにより前記マンドレルの下端部から放出して被嵌体に被嵌する工程と、
を含み、
前記切断ユニット、前記マンドレル、および前記移送ユニットを一体的に回動させて前記被嵌体の周方向に関する前記筒状フィルム体の被嵌角度位置を調整する、
筒状フィルム体の被嵌方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。また、以下において複数の実施形態や変形例などが含まれる場合、それらの特徴部分を適宜に組み合わせて用いることは当初から想定されている。
【0016】
さらに、本実施形態においては、筒状フィルム体が被嵌体であるボトル容器の胴部に被嵌されるラベルである例について説明するが、筒状フィルム体がボトル容器のキャップ部に被嵌されるキャップシールであってもよい。さらにまた、筒状フィルム体であるラベルが被嵌される被嵌体は、容器に限定されるものではなく、柱状の外周面形状を有する他の物品であってもよい。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態であるラベル被嵌装置(筒状フィルム体の被嵌装置)1を示す斜視図である。
図2は、ラベル被嵌装置1の上部を構成するラベル基材送出ユニット10を、その下部を構成するラベル被嵌ユニット30の一部とともに示す正面図である。
【0018】
図1に示すように、ラベル被嵌装置1は、その上部にラベル基材送出ユニット10を備えるとともに、その下部にラベル被嵌ユニット30を備えている。ラベル基材送出ユニット10およびラベル被嵌ユニット30は、ラベル被嵌装置1の固定支持壁2に取り付けられている。固定支持壁2は、ラベル被嵌装置1において鉛直方向に沿って固定的に立設された支持部材である。
【0019】
ラベル基材送出ユニット10は、シート状に折り畳まれた長尺筒状のフィルム基材であるラベル基材LMをその搬送方向を変更しながらラベル被嵌ユニット30へ向けて下方へ送出する機能を有する。また、ラベル被嵌ユニット30は、ラベル基材送出ユニット10により送り出されたラベル基材LMを所定長さずつ切断して形成された個別のラベルを下方に搬送してボトル容器に被嵌する機能を有する。ここで、ラベルは、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等からなる厚さ15〜60μmのシュリンクフィルムに印刷等を施して形成された筒状のフィルム体であり、ラベル基材LMはそのラベルが連続的に繋がった状態でシート状に折り畳まれた状態のものである。
【0020】
ラベル基材送出ユニット10は、ブラケット11を介して固定支持壁2に取り付けられた第1ベース部材12を含む。第1ベース部材12は、中央孔13が貫通形成された略円環状をなしており、水平方向に沿う姿勢で配置されている。また、第1ベース部材12には、中央孔13を挟んで径方向に対向する位置にそれぞれ円弧状をなすガイド孔14,15が形成されている。
【0021】
また、ラベル基材送出ユニット10は、
図1及び
図2に示すように、それぞれ回転可能に設けられた複数の支持ローラ16を含む。支持ローラ16は、筒状ラベル基材供給装置に装着されたラベルロール(図示せず)から繰り出された長尺帯状の筒状ラベル基材LMがラベル基材送出ユニット10を経由してラベル被嵌ユニット30に向けて送り出される際に、円筒状または円柱状の外周面の一部によって、連続搬送されるラベル基材LMをひねって送り出すことでラベル基材LMの面方向の向きを変更できるようになっている。
【0022】
本実施形態では、ラベル基材送出ユニット10が5本の支持ローラ16a〜16eを含む例が示されている。より詳しくは、ラベル基材LMの搬送方向に関して最上流側に位置する第1支持ローラ16aは、固定支持壁2に回転可能に軸支されており、その外周面上部においてラベル基材LMと接触しつつ回転支持する。
【0023】
ラベル基材LMの搬送方向に関し第1支持ローラ16aの下流側に位置する第2支持ローラ16bは、第1ベース部材12にブラケットを介して回転可能に軸支されている。第2支持ローラ16bは、第1支持ローラ16aに対してほぼ同じ高さ位置で且つ平行に設けられている。これにより、第2支持ローラ16bは、第1支持ローラ16aに支持されつつ搬送されてきたラベル基材LMを外周面半周分で支持しながらラベル基材LMの搬送方向を第3支持ローラ16cに向けて略水平方向にUターンさせるよう構成されている。
【0024】
ラベル基材LMの搬送方向に関し第2支持ローラ16bの下流側に位置する第3支持ローラ16cは、第1ベース部材12の中央孔13内に架設されている。第3支持ローラ16cの一端部には、第1ベース部材12の円弧状の縁部に係合しつつ周方向にスライド移動可能な係合爪17が取り付けられている。これに対し、第3支持ローラ16cの他端部は、ガイド孔14に係合してガイドされるように設けられた取付部材(図示せず)によって回転可能に支持されており、固定ねじ部材18を締め付けることによって第3支持ローラ16cの他端部の位置をガイド孔14上の任意の位置に設定できるようにされている。
【0025】
このようにして第3支持ローラ16cは、中央孔13内側の水平面内において軸心方向を例えば約45度の角度範囲にわたって調整可能になっている。また、
図2に示すように、第3支持ローラ16cは、第2支持ローラ16bに支持されつつ搬送されてきたラベル基材LMを外周面半周分で支持しながらラベル基材LMの搬送方向を第4支持ローラ16dに向けて略水平方向にUターンさせるように構成されている。さらに、第3支持ローラ16cの外周面には、ラベル基材LMが滑りにくくするための多数の小さい突起が形成されている。
【0026】
ラベル基材LMの搬送方向に関して第3支持ローラ16cの下流側に位置する第4支持ローラ16dおよび第5支持ローラ16eは、その両端部が2つのブラケット19a,19bによって回転可能にそれぞれ支持されている。また、第4支持ローラ16dおよび第5支持ローラ16eは、離れた位置で互いに平行な姿勢でブラケット19a,19bに取り付けられている。
【0027】
第4支持ローラ16dは、第3支持ローラ16cに支持されつつ搬送されてきたラベル基材LMを外周面半周分で支持しながらラベル基材LMの搬送方向を第5支持ローラ16eに向けて略水平方向にUターンさせるよう構成されている。また、第5支持ローラ16eは、第4支持ローラ16dに支持されつつ搬送されてきたラベル基材LMを外周面の四半周分で支持しながらラベル基材LMの搬送方向をラベル被嵌ユニット30に向けて鉛直下方に送り出すように構成されている。
【0028】
上記第4および第5支持ローラ16d,16eを支持するブラケット19a,19bは、固定ねじ部材20a,20bによって第1ベース部材12のガイド孔14,15にそれぞれ取り付けられている。これにより、固定ねじ部材20a,20bを緩めた状態としてブラケット19a,19bをガイド孔14,15に沿って移動させることによって、第4および第5支持ローラ16d,16eを第1ベース部材12に対して約90度の角度範囲で回転させることができる。また、第4および第5支持ローラ16d,16eは、第3支持ローラ16cとは独立に回転可能に構成されているので、上面視で見たときに各ローラの軸心方向が第3支持ローラ16cとは異なる方向に向くように調整および設定することができる。
【0029】
さらに、ラベル基材送出ユニット10は、第5支持ローラ16eの下方にマークセンサユニット21を備える。マークセンサユニット21は、ラベル基材LMの各ラベルに含まれるマークを検出する光学式のマークセンサ22を含む。このマークセンサ22は、上記各ブラケット19a,19bから垂下する支持アーム23a,23bで支持されたセンサブラケット24によって、鉛直下方に搬送されるラベル基材LMに対向するように配置されている。マークセンサから出力されるマーク検出信号に基づいて、後述するラベル被嵌ユニット30の各部の動作が制御されることになる。
【0030】
なお、上記においてはラベル基材送出ユニット10が5本の支持ローラ16a〜16eを含むものとして説明したが、これに限定されるものではなく、適宜に変更可能である。
例えば、第4および第5支持ローラ16d,16eを省略して、第3支持ローラ16cから通過したラベル基材LMがそのまま鉛直下方に導かれてラベル被嵌ユニット30に送出されてもよい。
【0031】
次に、
図1および
図2に加えて
図3ないし
図5を参照して、ラベル被嵌ユニット30について説明する。
図3は、ラベル被嵌ユニット30に含まれるインナーガイド41の斜視図である。
図4は、
図1のラベル被嵌装置1の下部を構成するラベル被嵌ユニット30を示す正面図である。
図5は、
図4のラベル被嵌ユニット30の側面図である。
【0032】
ラベル被嵌ユニット30は、
図4及び
図5に示すように、筒状のラベルLが連続的に繋がった、シート状に折り畳まれた状態のラベル基材LMから個別のラベルLを切り離しながら、このラベルLをラベル被嵌位置αに順次放出することで、ボトル搬送装置3によって所定の搬送ピッチでラベル被嵌位置αに順次搬送されてくるボトル容器Bの胴部に被嵌するようになっている。
【0033】
ラベル被嵌ユニット30は、上から順に、インナーガイドユニット40、ピッチ送りローラユニット50、切断ユニット60、マンドレル70、移送ユニット80、および、ショットローラユニット90を備える。
【0034】
インナーガイドユニット40は、マークセンサーユニット21の下方に設けられており、繋がった状態で連続的に搬送される筒状のラベル基材LMの内側に配置されるインナーガイド41を含む。インナーガイド41は、
図3に示すように、側面視で上下両端がテーパー状に薄くなった板状の上側ガイド部分42と、2枚の薄板が下方に向かって略V字状に広がるように接合されている下側ガイド部分43と、上側ガイド部分42と下側ガイド部分43とを連結する帯状の連結部44とを有する。そして、インナーガイド41は、
図2に示されるように、ピッチ送りローラユニット50を構成するローラ対51,52の間に連結部44がラベル基材LMを介して挟持された状態で保持されている。なお、インナーガイド41の上側ガイド部分42は、
図1に示すように、ラベル基材LMの両側折位置を介して2つの回転可能な支持プーリによって支持される。
【0035】
インナーガイド41の上側ガイド部分42は、インナーガイド41がピッチ送りローラ対51,52間を下方へ抜け落ちないように保持しながらラベル基材LMが鉛直方向に沿ってピッチ送りローラ対51,52に進入するのをガイドする機能を果たす。また、インナーガイド41の下側ガイド部分43は、後述する切断ユニット60によって切断されたラベル基材LMの下端部がマンドレル70の上端部に被嵌されるように開口させるためのものである。
【0036】
ピッチ送りローラユニット50は、ラベル基材LMを切断位置に向けて所定ピッチずつ間欠的に送り出す駆動ローラ51及び従動ローラ52のローラ対からなる。駆動ローラ51は、例えばサーボモータやステッピングモータ等の図示しないモータによって回転駆動される。このモータは、上記マークセンサ22によるマーク検出信号に基づいて、ラベル基材LMがピッチ送りローラユニット50のローラ対51,52間から所定のカット長ずつ下方へ送り出されるように間欠的に駆動制御される。
【0037】
切断ユニット60は、ピッチ送りローラユニット50から所定長さずつ下方へ送り出されるラベル基材LMを順次切断することで個別のラベルLを形成する固定刃61及び可動刃62からなるギロチン方式の切断装置である。可動刃62は、例えばサーボモータやステッピングモータ等の図示しないモータによって回転駆動され、上記マークセンサ22によるマーク検出信号に基づいて、ピッチ送りローラユニット50によるラベル基材LMの送出動作が一時停止している間に作動してラベル基材LMからラベルLを切り離すように制御される。なお、切断ユニット60は、上記のような固定刃及び可動刃からなるギロチン式のものに限定されるものではない。例えば、2つの可動刃が相対的に接近および離反するタイプでもよいし、固定刃と回転式の可動刃とによって構成されてもよい。
【0038】
マンドレル70は、ピッチ送りローラユニット50によって送出されてきたラベル基材LMを被嵌することによって所定状態に開口するとともに、ラベル基材LMから切断されたラベルLを移送ユニット80の搬送作用によって下方へ搬送する際のガイドとして機能する。
【0039】
マンドレル70は、
図4及び
図5に示すように、上端側が先細楔状のラベル開口部71と、このラベル開口部71の下部に連設された断面円形状のラベル整形部75とを有しており、ラベル開口部71の上端部に被嵌されたラベル基材LMがラベル開口部71の下方側に移送されることによって徐々に開口されていき、個別のラベルLに切り離された後、ラベル整形部75に被嵌されることで円筒状に整形されるようになっている。
【0040】
マンドレル70のラベル開口部71の下半部には、ボトル容器Bの搬送方向の上流側及び下流側の側面に、周面が僅かに突出した状態で、上から順に、それぞれ対をなす上位ローラ、中位ローラ及び下位ローラ(いずれも図示せず)が回転可能に取り付けられている。
【0041】
マンドレル70のラベル整形部75の外周面には、ラベルLとの接触面積を少なくするために、多数の縦溝が軸方向に沿って形成されている。そして、ラベル整形部75の下端部には、ボトル容器Bの搬送方向に直交する位置に、一対のショットローラ91との間にラベルLを挟み込む一対のローラ(図示せず)が、その周面が僅かに突出した状態で、回転可能に取り付けられている。
【0042】
また、
図4に示すように、ボトル容器Bの搬送方向の上流側には、反射型の光電センサからなるラベル検出センサ100が配設されていると共に、マンドレル70のラベル整形部75の下端部には、ラベル検出センサ100から射出された光を反射する反射鏡が取り付けられており、移送ユニット80によってマンドレル70の下端位置まで移送されてきたラベルLを検出するようになっている。
【0043】
なお、図示していないが、ラベル被嵌位置α付近におけるボトル容器Bの搬送方向の上流側には、ボトル容器Bの搬送経路を挟んでその両側に、反射型の光電センサからなるボトル検出センサと、このボトル検出センサから射出された光を反射する反射鏡とが配設されており、ボトル搬送装置3によって搬送されてくるボトル容器Bを、ラベル被嵌位置αの直前位置で検出するようにしている。このボトル検出センサによる検出に基づいてボトル容器Bがラベル被嵌位置αに来たタイミングでショットローラユニット90を駆動してラベルLをマンドレル70の下端部から放出することで、ボトル容器Bの胴部にラベルLが正確に被嵌されるように構成されている。
【0044】
移送ユニット80は、マンドレル70のラベル開口部71に被嵌した状態で、切断ユニット60によってラベル基材LMから切り離されたラベルLを、ラベル開口部71との間に挟み込んでラベル整形部75に移送する、マンドレル70におけるボトル容器Bの搬送方向の上流側及び下流側にそれぞれ配設されたフィードベルトユニット80A,80Bから構成されている。フィードベルトユニット80A,80Bは、それぞれ駆動プーリ81と4個の従動プーリ82,83,84,85と、これらに掛け渡されるフィードベルト86とから構成されている。
【0045】
フィードベルトユニット80A,80Bの駆動プーリ81及び従動プーリ84,85は、マンドレル70におけるラベル開口部71の下位ローラ、上位ローラ及び中位ローラに対応する位置にそれぞれ配設されており、下位ローラ、上位ローラ及び中位ローラとの間にフィードベルト86を介して、ラベルLを挟み込むようにしている。
【0046】
また、フィードベルトユニット80A,80Bの駆動プーリ81及び従動プーリ84,85は、それぞれ同一の支持部材に回転可能に支持されており、従動プーリ85が、マンドレル70におけるラベル開口部71に形成された窪み部に入り込むことで、中位ローラを介して、マンドレル70を支持するようになっている。
【0047】
ショットローラユニット90は、一対のショットローラ91を備える。各ショットローラ91は、マンドレル70のラベル整形部75の下部において径方向に対向する位置に設けられている。各ショットローラ91は、サーボモータからなるショットローラモータ92の回転軸にそれぞれ直結されている。本実施形態では、ショットローラ91は、マンドレル70の軸方向に沿って回転するように設けられている。これにより、マンドレル70に被嵌されたラベルLが、ショットローラ91とマンドレル70との間に挟み込まれた状態でショットローラ91を回転させると、ラベルLがマンドレル70のラベル整形部75の外周面に沿って下方側に送出されることになる。
【0048】
図1を再び参照すると、固定支持壁2の下部には、中央に貫通孔31が形成された第2ベース部材4が水平方向に沿った姿勢で取り付けられている。この第2ベース部材4上には、中央部に略円形の貫通孔31を有する回動盤32が回動可能に載置されている。回動盤32の縁部には、回動支持壁5が略垂直に立設されている。これにより、回動支持壁5は、回動盤32と共に第2ベース部材4上において回動可能になっている。固定支持壁2には、ラベル被嵌ユニット30を回動させたときに回動支持壁5と干渉しないようにするための矩形状の切欠部2aが形成されている。
【0049】
そして、上述したインナーガイドユニット40、ピッチ送りローラユニット50、切断ユニット60、マンドレル70、および、移送ユニット80を一体的に含むラベル被嵌ユニット30は、側方において回動支持壁5により支持されるとともに、下方において回動盤32によって支持されている。
【0050】
これにより、ラベル被嵌ユニット30は、第2ベース部材4に対して回動盤32を矢印A方向に約90度の角度範囲内において回動させることができ、その結果、ショットローラユニット90によってラベル被嵌位置αに来たボトル容器Bに向けて放出されるラベルLの被嵌角度位置すなわちラベルLの折位置を、ボトル容器Bの周方向に関して任意に調整および設定することが可能になっている。
【0051】
続いて、
図6〜
図9を参照して、ラベル基材送出ユニット10およびラベル被嵌ユニット30を備えるラベル被嵌装置1におけるラベル被嵌角度位置の調整について詳しく説明する。
図6は、ラベル被嵌ユニット30とラベル基材送出ユニット10の各角度位置が一致した状態に調整されているラベル被嵌装置1を、部分的に省略して示す斜視図である。
図7は、
図6におけるラベル基材送出ユニット10を示す上面図と正面図である。
図8(a)はラベル折位置が角形容器の胴部の平面状の正面および背面に位置して装着されている様子を示す断面図、
図8(b)はラベル折位置が角形容器の胴部の角度に位置して装着されている様子を示す断面図である。
図9は、ラベル被嵌ユニット30とラベル基材送出ユニット10の各角度位置が異なった状態に調整されているラベル被嵌装置を、部分的に省略して示す
図6に対応する斜視図である。
図10は、
図9におけるラベル基材送出ユニット10を示す上面図と正面図である。
【0052】
図6及び
図7に示すように、ラベル被嵌装置1の固定支持壁2は、矢印方向Cで示される容器搬送方向に沿って設置されている。これにより、ラベル基材送出ユニット10を構成する各支持ローラ16a〜16eは、それぞれ、各軸方向が水平方向に沿い且つ固定支持壁2と直交する向きに設定されている。
【0053】
また、この場合、ラベル被嵌ユニット30は、これを支持する回動支持壁5が固定支持壁2と同様に容器搬送方向Cに沿うように設定されている。これにより、ラベル被嵌ユニット30に含まれるピッチ送りローラユニット50および切断ユニット60は、そこを通って搬送されるラベル基材LMおよびラベルLの面方向が鉛直方向に沿い且つ固定支持壁2と直交する向きとなるように設定されている。
【0054】
ラベル基材送出ユニット10およびラベル被嵌ユニット30がこのように設定されているとき、
図7に示されるように、シート状に折り畳まれた長尺筒状のラベル基材LMは、その面方向が水平方向に沿うとともに固定支持壁2に沿った状態で、ラベル基材送出ユニット10に搬送されてくる。そして、ラベル基材LMは、第1ないし第5支持ローラ16a〜16eに支持されながら、面方向が鉛直下方に沿うとともに固定支持壁2および可動支持壁5に直交する向きとなってラベル被嵌ユニット30へ向けて下方に送り出されることになる。この場合、ラベル被嵌ユニット30におけるラベル基材LMおよびこれを切断して形成されるラベルLの面方向は容器搬送方向Cと直交する向きとなる。
【0055】
このように設定されたラベル被嵌装置1によってラベルLが角形容器Bに被嵌されたとき、
図8(a)に示すように、熱収縮後の最終装着状態になったラベルLの折位置102,104がボトル容器Bの略平面状の正面側部および背面側部に位置することがある。この場合、熱収縮される前は略円筒状に開口されて比較的緩く被嵌された状態となるラベルLが容器Bの周方向に関して横ずれし易くなる。そうすると、ラベルLに印刷された商品名等が容器Bによってばらつきが生じることになり、ラベル装着不良となることがある。
【0056】
これに対し、
図8(b)に示すように、ラベルLの折位置102,104をボトル容器Bの容器角部に合わせるようにしてラベルLを被嵌すると、筒状に開口して容器胴部に被嵌されるラベルLが容器Bの平面側部を含む外周面に沿いやすく、その結果、上記のようなラベル横ずれおよびラベル装着不良の発生を抑制することができる。そこで、本実施形態のラベル被嵌装置1では、ラベル基材送出ユニット10およびラベル被嵌ユニット30を回動させて、容器Bに対するラベルLの折位置102,104が容器角部に位置して被嵌されるようにしている。
図8(b)では、容器Bに対するラベルLの被嵌角度位置を約50度程度だけ反時計周り方向に回転させた例が示されている。
【0057】
図9に示すように、ラベル基材送出ユニット10では、第3支持ローラ16cが
図6に示す状態から時計周り方向に約45度だけ回動させた位置に設定されており、第4支持ローラ16dおよび第5支持ローラ16eが
図6に示す状態から時計周り方向に約90度だけ回動させた位置に設定されている。また、ラベル被嵌ユニット30では、インナーガイドユニット40、ピッチ送りローラユニット50、切断ユニット60および移送ユニット80が
図6に示す状態から時計周り方向に約90度だけ一体的に回動させた位置に設定されている。
【0058】
これにより、
図10に示すように、面方向が水平方向に沿って搬送されてきたラベル基材LMが、第2支持ローラ16bからUターンしてきたラベル基材LMに対して約45度に傾斜した姿勢で接触および支持することになる。その結果、ラベル基材LMは、搬送方向が約90度だけ変更されて第3支持ローラ16cを通過し、そして、第4および第5支持ローラ16d,16eを経て、ラベル基材面方向が固定支持壁2に沿った姿勢で鉛直下方に向かって送り出されることになる。
【0059】
したがって、このようにしてラベル基材送出ユニット10から送り出されたラベル基材LMは、その後、上記第5支持ローラ16eと同じ向きに設定されているマークセンサユニット21、インナーガイドユニット40およびピッチ送りローラユニット50を通過して切断ユニット60によって順次切断されて個別のラベルLが生成される。そして、個別のラベルLは、マンドレル70の周囲で開口しながら移送ユニット80によって下方に移送され、ショットローラユニット90によりマンドレル70の下端部から放出されて、ラベル被嵌位置αに来たボトル容器Bの胴部の周囲に被嵌されることになる。このとき、ラベルLの折位置102,104は、
図6に示す状態と比べて、約90度だけ周方向にずれた被嵌角度位置となる。
【0060】
次に、
図11を参照して本実施形態におけるラベル被嵌方法を説明する。
【0061】
まず、ステップS10において、ラベル被嵌位置αに搬送されてきた容器Bの周方向に関するラベル被嵌ユニット10の回動位置が調整され、容器Bに対するラベルLの被嵌角度位置が設定される。この設定はオペレータが手動で行ってもよいし、あるいは、モータおよびラックアンドピニオン等を用いて回転盤32を回動させる自動調整機構を設けておき、操作盤におけるオペレータの入力値に応じて自動設定されてもよい。
【0062】
続いて、ラベル被嵌装置1が作動して、ステップS12により、ラベル基材送出ユニット10からラベル基材LMがラベル被嵌ユニット30に向けて下方に送り出される。
【0063】
次いで、ステップS14により、ピッチ送りローラユニット50から所定ピッチずつ下方へ送り出されるラベル基材LMが切断ユニット60によって切断されて、個別のラベルLが形成される。
【0064】
それから、ステップS16により、ラベルLがマンドレル70に被嵌されることによって開口されながら移送ユニット80によって下方に搬送される。
【0065】
そして、ステップS18により、ショットローラユニット90によって筒状に開口したラベルLがマンドレル70の下端部から放出されて、ラベル被嵌位置αにあるボトル容器Bの胴部周囲に被嵌される。
【0066】
このようなステップS12〜S18の動作を、ステップS20の判定によってオペレータ等による装置停止指示があるまで継続する。
【0067】
上述したように本実施形態のラベル被嵌装置1によれば、ラベル被嵌位置αに搬送されてきたボトル容器Bの周方向に関するラベルLの被嵌角度位置を調整可能なように例えば切断ユニット等を含むラベル被嵌ユニット30が上記ボトル容器Bに関して回動可能に設けられているので、ボトル容器Bに被嵌される筒状ラベルの折位置の設定を任意に行うことができる。これにより、ラベル被嵌位置αへの搬送途中にボトル容器Bを回転させて角度を変えることなく、筒状ラベルの折位置を角形状横断面のボトル容器Bの角部に合わせることができ、その結果、ボトル容器Bに被嵌されたラベルの周方向に関する横ずれを抑制することができる。
【0068】
また、本実施形態のラベル被嵌装置1では、ラベル基材送出ユニット10における送出方向変更手段に相当する第3支持ローラ16cを、ラベル被嵌ユニット30のピッチ送りローラユニット50等とは独立して回動可能にしてある。そのため、容器搬送方向Cに対するラベルLの折位置が所望の方向となるように回転位置が設定されているラベル被嵌ユニット30に対して、第3支持ローラ16cを異なる角度位置に設定することで、ラベル基材LMの面方向を変えながらラベル被嵌ユニット30に受け渡すことが無理なく円滑に行うことが可能になる。
【0069】
さらに、上述したように容器搬送方向Cに対してラベル被嵌ユニット30を回動させることによってボトル容器Bに対するラベルLの折位置を任意に設定できる。これにより、ラベル被嵌位置αに搬送されてくる途中でボトル容器を水平面内で回転位置を変更しながら搬送しなくてもよいので、容器搬送装置のスクリューやガイド等を特別なものにする必要がなく、装置コストを大幅に低減することができるとともに容器の安定した搬送等が可能となる。
【0070】
なお、本発明は上記の実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載される事項の範囲内において種々の変更や改良が可能である。
【0071】
例えば、上記実施形態では、マークセンサーユニット21がラベル基材送出ユニット10に含まれるものとして説明したが、ラベル被嵌ユニット30に含まれるものとしてピッチ送りローラ50等と一体的に回動するようにしてもよい。
【0072】
また、上記においては、ラベル被嵌ユニット30のうちショットローラユニット90は容器搬送方向Cに対して回動させない構成としたが、これに限定されるものではなく、移送ユニット80等と共に回動する構成としてもよい。