(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6027114
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】ネジ山付き締結具を締め付ける装置
(51)【国際特許分類】
F16B 39/12 20060101AFI20161107BHJP
F16D 1/02 20060101ALI20161107BHJP
F16D 1/05 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
F16B39/12 D
F16D1/02 210
F16D1/05 200
【請求項の数】24
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-523914(P2014-523914)
(86)(22)【出願日】2012年2月2日
(65)【公表番号】特表2015-504141(P2015-504141A)
(43)【公表日】2015年2月5日
(86)【国際出願番号】US2012023693
(87)【国際公開番号】WO2013019278
(87)【国際公開日】20130207
【審査請求日】2015年1月30日
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2011/002658
(32)【優先日】2011年8月2日
(33)【優先権主張国】IB
(73)【特許権者】
【識別番号】510340953
【氏名又は名称】ジェティド コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100130133
【弁理士】
【氏名又は名称】曽根 太樹
(74)【代理人】
【識別番号】100180194
【弁理士】
【氏名又は名称】利根 勇基
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エフ.ドラン
【審査官】
岩田 健一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06220801(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0075027(US,A1)
【文献】
特開2008−256124(JP,A)
【文献】
実開昭52−006967(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 39/12
F16D 1/02
F16D 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネジ山付き締結具及びトルクデバイスと共に使用される装置であって、
前記ネジ山付き締結具に対して回転可能に且つ螺着的に係合可能であり、外側スリーブ部材に対して回転可能に且つテーパ付けされて係合可能であり、且つ前記トルクデバイスの作用部分に対して回転不能に係合可能である、内側スリーブ部材であって、前記ネジ山付き締結具と回転可能に且つ螺着的に係合可能な内面と、テーパを形成する複数の段部により画成されるテーパ付き外面とを有する堅固な内側スリーブ部材と、
前記トルクデバイスの反作用部分に対して回転不能に係合可能である外側スリーブ部材であって、前記内側スリーブ部材のテーパ付き外面と回転可能に係合可能な逆向きテーパ付き内面を有する外側スリーブ部材とを含み、
前記内側スリーブ部材は、前記トルクデバイスの前記作用部分により回転されるとき、前記ネジ山付き締結具に対して負荷を付与する、装置。
【請求項2】
前記内側スリーブ部材と、前記外側スリーブ部材との間の負荷担持表面積は、当該装置の直径を増大せずに増大される、請求項1記載の装置。
【請求項3】
挟持された前記内側スリーブ部材と、前記外側スリーブ部材との間の負荷担持表面積は、負荷が付与されると、当該装置の直径を増大せずに増大される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記内側スリーブ部材と、前記外側スリーブ部材との間の負荷担持表面積は、2次元平面ではなく、3次元空間内に在る、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記内側スリーブ部材のテーパ付き外面及び前記外側スリーブ部材の逆向きテーパ付き内面は、実質的に円滑である、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記内側スリーブ部材のテーパ付き外面及び前記外側スリーブ部材の逆向きテーパ付き内面は、段状形成された円錐台として形成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記内側スリーブ部材のテーパ付き外面及び前記外側スリーブ部材の逆向きテーパ付き内面は、可変的な段部の量、寸法、幾何学的構造、角度、及び/又は、間隔を有すべく段状形成された円錐台として形成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記外側スリーブ部材は、前記内側スリーブ部材を実質的に囲繞する、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記トルクデバイスは、空気圧的に、電気的に、油圧的に、又は、手動的に駆動される、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記外側スリーブ部材及び前記ネジ山付き締結具は、前記トルクデバイスの反作用部分に対して回転不能に係合可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記内側スリーブ部材は、操作の間、前記トルクデバイスの作用トルクを受け、前記外側スリーブ部材は、前記トルクデバイスの反作用トルクを受ける、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記内側スリーブ部材の内面は、前記ネジ山付き締結具の外面に対して係合し、
前記外側スリーブ部材の内面は、前記内側スリーブ部材の外面及び底面に対して係合し、
前記内側スリーブ部材の頂面は、前記トルクデバイスの作用部分に対して係合し、
前記外側スリーブ部材の外面は、前記トルクデバイスの反作用部分に対して係合し、
前記外側スリーブ部材の底面は、閉じられるべき継手の表面に対して係合する、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載の装置とシャンクとを有する、ネジ山付き締結具。
【請求項14】
請求項13に記載のネジ山付き締結具と、該ネジ山付き締結具を締め付けたり、緩めたりする作用部分と反作用部分とを有するトルクデバイスとを含む、締結用システム。
【請求項15】
トルクデバイスと、テーパ付き内面を有する軸線方向ボアを備えたシャンクを有する種類のネジ山付き締結具とを連結する装置であって、
前記ネジ山付き締結具のシャンクのテーパ付き軸線方向ボアに対して回転不能に係合可能であるという逆向きテーパ付き外面であって、テーパを形成する複数の段部により画成される逆向きテーパ付き外面を有する連結部材を含み、
前記連結部材と、前記ネジ山付き締結具のシャンクとの間の負荷担持表面積は、角部付きとされた円錐台として形成され、当該装置の直径を増大せずに増大される、装置。
【請求項16】
前記連結部材は、前記トルクデバイスの作用部分に形成される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記連結部材と、前記ネジ山付き締結具のシャンクとの間の負荷担持表面積は、2次元平面ではなく、3次元空間内に在る、請求項15又は16に記載の装置。
【請求項18】
前記連結部材のテーパ付き面及び前記ネジ山付き締結具のシャンクの逆向きテーパ付き面は、可変的な段部の量、寸法、幾何学的構造、角度、及び/又は、間隔を有すべく角部付きとされた円錐台として形成される、請求項15から17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記連結部材のテーパ付き面及び前記ネジ山付き締結具のシャンクの逆向きテーパ付き面は、可変的な段部の量、寸法、幾何学的構造、角度、及び/又は、間隔を有すべく角部付きとされて段状形成された円錐台として形成される、請求項15から18のいずれか一項に記載の装置。
【請求項20】
前記ネジ山付き締結具のシャンクの逆向きテーパ付き面が、前記連結部材のテーパ付き面を実質的に囲繞する、請求項15から19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記トルクデバイスは、空気圧的に、電気的に、油圧的に、又は、手動的に駆動される、請求項15から20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
前記連結部材は、前記トルクデバイスの作用部分により回転されると、前記ネジ付き締結具に対して負荷を付与する、請求項15から21のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
請求項15から22のいずれか一項に記載の装置と共に使用される、テーパ付き内面を有する軸線方向ボアを備えるシャンクを有する、ネジ山付き締結具。
【請求項24】
請求項23に記載のネジ山付き締結具と、該ネジ山付き締結具を締め付けたり、緩めたりする作用部分と反作用部分とを有するトルクデバイスとを含む、締結用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に関する相互参照
本出願は、2010年8月2日の出願日を有すると共に「ボルト締めの間における捩れ連結のための円錐状の幾何学的構造」と称された同時係属中の米国特許出願第61/370,015号の継続出願であり、且つ、2011年8月2日の出願日を有すると共に「ネジ山付き締結具を締め付ける装置」と称された同時係属中のPCT国際出願第PCT/IB2011/002658号の継続出願であり、それらの全ての内容は参照したことにより本明細書中に援用される。
【0002】
本出願中に開示される技術的革新は、本出願と同様に本出願人が所有する以下の発行済み特許及び特許出願中に開示された技術を進歩させるものであり、それらの開示内容は参照したことにより本出願中に援用される。すなわち、1991年12月3日の出願日を有すると共に「締着デバイス」と称された特許文献1と、1992年5月7日の出願日を有すると共に「機械的テンショナ」と称された特許文献2と、1996年4月26日の出願日を有すると共に「固定ナット」と称された特許文献3と、1995年6月13日の出願日を有すると共に「スタッドを伸張かつ弛緩させる方法及びデバイス」と称された特許文献4と、1997年10月17日の出願日を有すると共に「固定ナット」と称された特許文献5と、1998年3月3日の出願日を有すると共に「ボルト部材を備えるボルト、該ボルト部材及びスリーブに対して力を付与するワッシャ及びスリーブ」と称された特許文献6とである。
【背景技術】
【0003】
慣用的なネジ山付き締結具(threaded fastener)が知られている。典型的に、螺旋状にネジ山形成された構成要素による機械的締着は典型的にボルト、スタッド、ネジ、ナット及びワッシャにより達成される。ワッシャは、締結具と、締着される構成要素との間に載置され得る薄寸部材である。ワッシャは典型的に、組立てられた各構成要素に対する摩擦的損傷を防止すべく使用される。ワッシャはまた一般的に、応力を均一に分布させ、且つ、摩擦損失を制御するためにも使用される。ナットは、内側にネジ山形成された締着部材であって、外側にネジ山形成された締結具を保持し、且つ/又は、該締結具に対して負荷を伝達すべく一般的に使用されるものである。ナットは典型的に、トルク入力用のデバイス又は機械に対する回転的連結を許容する幾何学的外側構造を有している。
【0004】
自己反作用式ナットは典型的に、内側スリーブ、外側スリーブ、及び、ワッシャを備える。HYTORC Nutのような自己反作用式締結具は、上記ワッシャを、外側スリーブに対して入力トルクを付与するための反作用点として使用する。自己反作用式締結具において、上記外側スリーブはナットとして機能する一方、上記内側スリーブは、スタッドの延長部になると共に、上記ワッシャに対して回転的に結合される。この回転的結合は、上記外側スリーブに対するトルクの付与の間に、上記内側スリーブとスタッド・ネジ山との間の滑り動作を防止する。慣用的なナットと同一の幾何学的外側構造を備える自己反作用式ナットは、より大きな座面応力を蒙る。上記座面応力がより大きいのは、上記外側スリーブの内径が内側スリーブに対するスペースを許容すべく増大されることで、壁厚が標準的なナットよりも薄くされるからである。
【0005】
慣用的なネジ山付き締結具とは対照的に、HYTORC Nutのような、自己反作用的である3部材式の機械的張設型の締結具は、外側スリーブ、内側スリーブ及びワッシャを含んでいる。HYTORC Nutのような自己反作用式締結具は、上記ワッシャを、外側スリーブに対して入力トルクを付与するための反作用点として使用する。自己反作用式締結具において、上記外側スリーブはナットとして機能する一方、上記内側スリーブは、スタッドの延長部になると共に、上記ワッシャに対して回転的に結合される。この回転的結合は、上記外側スリーブに対するトルクの付与の間に、上記内側スリーブとスタッド・ネジ山との間の滑り動作を防止する。慣用的なナットと同一の幾何学的外側構造を備える自己反作用式ナットは、より大きな座面応力を蒙る。上記座面応力が更に大きいのは、上記外側スリーブの内径が内側スリーブに対するスペースを許容すべく増大されることで、壁厚が標準的なナットよりも薄くされるからである。
【0006】
これに加え、ボルト締めにおいて使用される締結具に対し、トルク出力デバイスの反作用又は出力シャフトを連結又は噛合させるデバイスも知られている。自己反作用的である3部材式の機械的張設型の締結具は典型的に、スプライン、六角又は正方形のような特定構造を有することで、トルク入力デバイスの反作用部材に対する捩れ連結を許容する。これは、2つの部材間において、機械加工された回転干渉部により達成される。上記干渉部は典型的に、上記2つの部材間における回転を防止する任意の2つの噛合特定構造の間における雌雄係合により形成される。
【0007】
3部材式の機械的張設型のスタッド・デバイスも知られている。それらは、スタッド、ナット及びワッシャから成る。上記スタッドは、両端部に外側ネジ山を有している。上側ネジ山の下方にて、上記スタッドは、上記ワッシャの内径に対する回転的連結を生成するスプライン又は他の幾何学的構造も有している。上記スタッドの頂部側は、トルク入力デバイスの反作用シャフトに対する回転的連結を許容するスプライン又は他の幾何学的構造も有している。上記ナットは、スタッドの頂部側における上記ネジ山と噛合すべく、内側にネジ山形成される。該ナットは、トルク入力デバイスからトルクを導入できるようにするスプライン又は他の幾何学的構造を有する。上記ワッシャは、上記スタッドの頂部ネジ山の下方における上記スプライン又は他の幾何学的構造に対して回転的に噛合する幾何学的内側形状を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5,137,408号
【特許文献2】米国特許第5,318,397号
【特許文献3】米国特許第5,622,465号
【特許文献4】米国特許第5,640,749号
【特許文献5】米国特許第5,888,041号
【特許文献6】米国特許第6,254,322号
【発明の概要】
【0009】
ボルト締め用途において、応力は典型的に、材料の弾性限界の付近である。3部材式の機械的張設型のスタッドをトルク入力デバイスに対して連結する反作用特定構造は典型的に、弾性材料の破損を阻止すべく過大寸法とされねばならない。故に、公知の連結用特定構造によれば、スタッドの頂面における正方形、六角形又は内側スプライン孔のような内側特定構造により、高度のトルクを担持することはできない。結果として、高度のボルト締め応力に委ねられる先行技術用途は、スタッドの頂部側における外側特定構造であって、トルク入力デバイスからの十分なサイズとされた反作用シャフトの連結を許容するという外側特定構造を有さねばならない。
【0010】
故に本発明は、これらの問題に対処すべく案出された。
【0011】
本発明の第1の見地に依れば、
ネジ山付き締結具と共に使用される装置であって、
上記締結具に対して螺着的に係合可能である内面と、テーパ付き外面とを有する内側スリーブ部材と、
上記内側スリーブ部材の上記テーパ付き外面に対して回転可能に係合可能である逆向きテーパ付き内面を有する外側スリーブ部材とを含む装置が提供される。
【0012】
好適には、本発明は、装置の全体的な直径を増大させることなく、挟持される内側スリーブ部材と外側スリーブ部材との間で負荷担持表面積を増大させることと、慣用的な2次元的な平面ではなく、3次元的な負荷担持表面積と、該負荷担持表面積の全体に亙って負荷応力分布をより効率的且つ均一に分布させることと、捩れ強度をより大きくすることと、より小さい質量、寸法及び体積を有する装置とを可能にする。
【0013】
本発明の更なる特徴は、添付の特許請求の範囲の請求項2から24中に示される。
【0014】
本発明は、添付図面を参照して例示的にのみ記述される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態におけるネジ山付き締結具の斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態の内側スリーブの側断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態の外側スリーブの側断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態において使用されるネジ山付き締結具の側面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態の側断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態の側断面図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態の側断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態の側断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
例示的に
図1から
図4を参照すると、これら図は、本発明の実施形態に係る装置1、すなわち段状形成された円錐状の締結具組立体を示している。装置1は、内側スリーブ部材100及び外側スリーブ部材200を有すると共に、例示的に、ネジ山形成スタッド300と共に使用される。内側スリーブ部材100は、スタッド300に対しては回転可能に且つ螺着的に係合可能であり、外側スリーブ部材200に対しては回転可能に且つテーパ付けされて係合可能であり、且つ、トルク入力デバイスの作用部分に対しては回転不能に係合可能である。外側スリーブ部材200は、上記トルク入力デバイスの反作用部分に対しては回転不能に係合可能であり、且つ、内側スリーブ部材100に対しては回転可能に且つテーパ付けされて係合可能である。内側スリーブ部材100は、トルク入力デバイスの作用部分により回転されるとき、スタッド300に対して負荷を付与して(不図示の)継手を閉じる。
【0017】
内側スリーブ部材100は、環状体であると共に、
図1及び
図2に示されたように、スリーブとして形成される。内側スリーブ部材100は、内側螺旋状ネジ山手段120を備えた内面110を有し、内面110はスタッド300の外側螺旋状ネジ山手段320を備える外面310に対して係合可能である。内側スリーブ部材100はまた円筒状形成部121を備えた外面111を有し、円筒状形成部121は外側スリーブ部材200の円筒状形成部220を備えた内面210に対して回転可能に係合可能である。内側スリーブ部材100は更に、内面210に対して回転可能に係合可能である下面113を有する。
【0018】
円筒状形成部121は、底部から頂部にかけてテーパ付けされ又は円錐状の外観を有すべく段状形成された逆向き円錐台として形作られる。外面111上の各段部は、頂部から底部にかけて漸進的に小さくなる。浅底の深度にて、内側スリーブ部材100の外部からは、中空の外側円筒状特定構造が除去される。規則的な長さ及び幅の間隔にて、順次的な中空の外側円筒状特定構造が除去される。順次的な特定構造の各々は、先行する特定構造が終了したところで開始する。除去された外側円筒状特定構造の幾何学的パターンは、更なるひとつの内側円筒状特定構造の付加がスペースにより制限されるまで、継続する。
【0019】
内側スリーブ部材100は更に、軸線方向に延在する複数のボアであって、円周方向において相互から離間されたという複数のボアにより形成され得る連結手段130を備えた上面112を有している。連結手段130は、トルク入力デバイスの作用部分に対して、回転不能に係合する。
【0020】
外側スリーブ部材200は、環状体であると共に、
図3に示されたように、スリーブとして形成される。外側スリーブ部材200は、円筒状形成部220を備えた内面210を有しており、内面210は内側スリーブ部材100の円筒状形成部121を備えた外面111に対して回転可能に係合可能である。外側スリーブ部材200は、連結手段230を備えた外面211を有する。連結手段230は、軸線方向に延在する複数の外側尾根状突起であって、円周方向において相互から離間された外側尾根状突起により形成される。連結手段230は、トルク入力デバイスの反作用部分の内側尾根状突起に対して回転不能に係合する。
【0021】
円筒状形成部220は、頂部から下方にかけてテーパ付けされ又は円錐状の外観を有すべく段状形成された円錐台として形成される。内面210上の各段部は、頂部から底部にかけて漸進的に小さくなる。外側スリーブ部材200の内部からは、浅底の深度にて、内側円筒状特定構造が除去される。規則的な長さ及び幅の間隔にて、順次的な内側円筒状特定構造が除去される。順次的な特定構造の各々は、先行する特定構造が終了したところで開始する。除去された内側円筒状特定構造の幾何学的パターンは、更なるひとつの内側円筒状特定構造の付加がスペースにより制限されるまで、継続する。
【0022】
スタッド300は、内側スリーブ100の内側螺旋状ネジ山手段120と噛合する外側螺旋状ネジ山手段320を備えた円筒形状を有する。スタッド300の端部312は、この場合には六角形状である多角形状形成部330により形成され得る連結手段314を有する。多角形状形成部330は、トルク入力デバイスに対する回転的連結を許容する。
【0023】
第2連結部材150は、継手の上面上に着座する下側表面163を更に有している。下側表面163は、実質的に粗面であり得ると共に、たとえば、複数の隆起部、波状部又は歯部などにより、多くの異なる様式で作成され得る。
【0024】
装置1の段状形成された円錐状の締結具の幾何学的構造は、スタッドのネジ山320と内側スリーブ部材のネジ山120との間における螺旋状の傾斜平面を介した機械的な摺動作用により、スタッド300に引張荷重を生成する。摺動的な螺旋状ネジ山の作用は、上記トルク入力デバイスを使用し、内側スリーブ部材の連結手段130に対してトルク下で回転を付与する一方、外側スリーブ部材の外側スプライン230上では上記トルクに反作用させることで、生成される。外面111及び内面210は実質的に円滑であり、外側スリーブ部材200は、内側スリーブ部材200が回転する間に静止的なままである。トルク入力デバイスの反作用要素は、連結手段314によりスタッド300の端部312に対して回転的に連結される。これにより、スタッド300の回転が阻止されると共に、内側スリーブ部材のネジ山120とスタッドのネジ山320との間の相対的な摺動作用が許容される。スタッドの並進は、斯かる並進に対する抵抗に比例して行われる。なぜなら、トルク入力デバイスは、内側スリーブ部材100に対して連続的にトルクを付与する一方で、外側スリーブ部材の外側スプライン230においては反作用を行うと共に、スタッド300に対しては連結手段314により回転的に連結されるからである。
【0025】
内側スリーブ部材の連結手段130は、任意の適切な幾何学的構造により形成されるか、又は、ギヤ歯、六角形、二重六角形、城砦形状、もしくは回転的連結を許容する他の任意の一般的な幾何学的構造のような、トルク入力デバイスと回転的に連結する他の手段もしくは特定構造と共に使用され得る。ひとつの可能的な代替策は、
図5において530として示された六角の幾何学的構造である。
【0026】
外側スリーブ部材の連結手段221は、任意の適切な幾何学的構造により形成されるか、又は、ギヤ歯、六角形、二重六角形、城砦形状、もしくは回転的連結を許容する他の任意の一般的な幾何学的構造のような、トルク入力デバイスと回転的に連結する他の手段もしくは特定構造と共に使用され得る。ひとつの可能的な代替策は、
図6において621として示された六角の幾何学的構造である。
【0027】
なお、除去される外側円筒状特定構造(内側スリーブ部材100)及び内側円筒状特定構造(外側スリーブ部材200)の量、寸法、幾何学的構造及び間隔は、用途に応じ、たとえば応力負荷量のような装置1の特性を最適化すべく変更され得る。
【0028】
図2は、規則的な長さ及び幅の間隔にて4個の外側円筒状特定構造が除去された内側スリーブ部材100を示している。
図3は、規則的な長さ及び幅の間隔にて4個の内側円筒状特定構造が除去された外側スリーブ部材200を示している。
図7に示されたように、除去されるひとつの外側及び内側の円筒状特定構造から、次の円筒状特定構造までの量、寸法、幾何学的構造及び間隔を変更すると、円筒状形成部721を備えた外面711及び円筒状形成部720を備えた内面710の呼び角度、段部高さ、及び、段部幅が変更される。代替的に、段部の長さは、略々円滑なテーパを生成するために、無限に小さくサイズ設定され得る。内側スリーブ部材100の外側部分及び外側スリーブ部材200の内側部分は、ひとつの段部において除去されることで、夫々、円滑な円錐状表面を形成し得る。
【0029】
図8は、円筒状形成部821を備えた外面811、及び、円筒状形成部820を備えた内面810を示しており、ここでは噛合面は鉛直間隔又は段部高さが変化している。これにより、他の段部に負荷が加わっているときに選択的な段部のみにおける移動が許容される。塑性的な変形は鉛直移動を許容し、したがって、段状形成された各面に亙って戦略的な付勢応力の分布を許容する。換言すると、内側スリーブ部材100及び外側スリーブ部材200の噛合面の間において増大された隙間又は間隔は、負荷の間における径方向の拡張を許容する。
【0030】
図9は、円筒状形成部921を備えた外面911、及び、円筒状形成部920を備えた内面910を示しており、ここでは噛合面は段部面角度が変化している。これにより、各段部に亙ってより均一に制御された付勢応力分布が促進される。換言すると、内側スリーブ部材100及び外側スリーブ部材200のいずれか又は両方が、変化するピッチ角度を備えて段状形成された鉛直的表面を有することで、選択的で水平的な段状形成表面に対する応力を付勢し得る。
【0031】
図10は、底部における内側特定構造であって、スタッド300に付加された同様の噛合用の外側特定構造に対して結合するという内側特定構造を有する外側スリーブ部材200を示している。これらの例としては、スプライン、ローレット掛け、六角形、スロット、二重六角形、又は、他の幾何学的構造が挙げられる。それらは、スタッド300の軸線方向の並進は許容するが、外側スリーブ部材200とスタッド300との回転運動は連結する。多角形状形成部330で形成された連結手段314と、トルク入力デバイスの反作用部材に対してこの六角形を連結する必要性とは、もはや必要でない。内側スプライン1040及び噛合用の外側スプライン1041は、外側スリーブ部材200とスタッド300との間にスプライン・インタフェースを形成する。
【0032】
標準的なボルト締め業界の表現において、装置1は、ナット(内側スリーブ部材100)及びワッシャ(外側スリーブ部材200)を含む。標準的なボルト締め用に平坦表面とされたナット及びワッシャのインタフェースが変更されている。トルク反作用点は、慣用的な3部材式締結具と比較して、上方に移動される。本発明の装置は、慣用的な3部材式締結具の概念であって、外側スリーブの表面調整できるようにすることで慣用的なナット/ワッシャ配置構成により増幅される摩損を阻止するという概念を利用しており、このことは、内側スリーブは最小限の破砕の虞れを以て表面調整され得るように、径方向緊張を保持するものである。
【0033】
好適には、本発明は、装置の全体的な直径を増大させることなく、挟持される内側スリーブ部材と、外側スリーブ部材との間の負荷担持表面積を増大させることと、慣用的な2次元的な平面ではなく、3次元的な負荷担持表面積と、該負荷担持表面積の全体に亙って負荷応力分布をより効率的且つ均一に分布させることと、捩れ強度をより大きくすることと、より小さな質量、寸法及び体積を有する装置とを可能にする。
【0034】
例示的に
図11から
図14を参照すると、これら図は、本発明の実施形態に係る、ネジ山付き締結具1110及びトルク入力デバイス1102を捩れ連結する装置1101を示している。該装置1101は、テーパ付き外面1104及び多角形状形成部1105を備えた第1連結部材1103と、第2連結部材1113であって、第1連結部材1103のテーパ付き外面1104に対して回転不能に係合可能である逆向きのテーパ付き内面1114及び多角形状形成部1115を有するという第2連結部材1113とを有する。
【0035】
換言すると、装置1101は、トルク入力デバイス1102と、一端にてテーパ付き軸線方向ボア1112を備えたシャンク1111を有する種類のネジ山付き締結具1110とを捩れ連結する。装置1101は、テーパ付き軸線方向ボア1112に対して回転不能に係合可能である逆向きのテーパ付き外面1104を有する連結部材1103を含む。
【0036】
図1から
図10において除去された外側円筒状特定構造(内側スリーブ部材100)及び内側円筒状特定構造(外側スリーブ部材200)の量、寸法、幾何学的構造及び間隔に関する考察は、
図11から
図14において除去された外側多角形特定構造(第1連結部材1103)及び内側多角形特定構造(第2スリーブ部材1113)の量、寸法、幾何学的構造及び間隔に対し、概略的に当てはまる。なお、内側スリーブ部材100及び外側スリーブ部材200の間におけるインタフェースは、円筒状で円滑なので、相対回転を許容する。しかし、第1連結部材と第2連結部材との間のインタフェースは多角形状であり且つ角部付きとされているので、相対回転が可能でない。
【0037】
ネジ山付き締結具と、トルク出力デバイスとの間における捩れ連結のための円錐状の幾何学的構造によれば、より良好な負荷応力分布がもたらされる。
図11から
図14の実施形態は、スタッドの頂部における捩れ連結用特定構造が内側に形成されることを許容する低プロフィルの連結用幾何学的構造を導入している。これは応力をより均一に分布させることから、各連結用特定構造の更に効率的な組み合わせが許容される。
【0038】
概略的に、3部材式の機械的スタッド張設デバイスに対し、及び/又は、スタッドと共に使用される装置に対し、捩れ連結のためには、スタッドの頂面における段状形成された12端孔(12-point hole)が使用される。スタッドの頂部には、浅底深度にて、内側の12端特定構造が配置される。各々が浅底深度におけると共に、各々が、先行する12端が終了する箇所にて開始するという、順次的な12端特定構造が、更に小さな12端サイズにて、漸進的に付加される。減少する12端幾何学的構造のパターンは、別の12端の付加をスペースが制限するまで、減少される。好適には、段部の各々に対して合致する外側特定構造を備えたトルク入力デバイスのシャフトによれば、スタッドの質量及び体積を減少しつつ、均一に分布された応力分布及び大きな捩れ強度を可能にする。
【0039】
図16及び
図17に示されたように、ひとつの12端特定構造から次の特定構造までの深度及びサイズ変化を変更すると、これらの特定構造が形成する円錐形状の名目的角度が増大又は減少する。上記12端特定構造は、
図15における六角形のように、2つの部材間の回転を阻止する任意の幾何学的構造により置き換えられ得る。これに加え、段部の深度は、円滑なテーパを生成すべく無限に小さくサイズ設定され得る。斯かる連結の生成を最適化すべく、種々の段部サイズ及び幾何学的構造が併用され得る。
【0040】
なお、本発明の装置に対しては、たとえば、木ネジ、小ネジ、ネジ切り用小ネジ、板金ネジ、自己穿孔SMS、六角ボルト、根角ボルト、ラグボルト、ソケットネジ、止めネジ、J−ボルト、ショルダボルト、雌雄ネジ、嵌合ネジ、ハンガボルトなどの締結具カテゴリ;たとえば、平坦、楕円形、皿状、トラス、丸形、六角、六角ワッシャ、スロット付き六角ワッシャ、ソケット・キャップ、ボタンなどの頭部形式;たとえば、フィリップス、フレアソン、スロット付き、組み合わせ型、ソケット、六角、六角穴つき、正方形、トルクス(torx)(登録商標)、他の複数の幾何学的構造などの駆動形式;たとえば、六角、薄型、キャップ、袋型、フランジ、正方形、トルク固定、スロット形成、溝付きなどのナット形式;たとえば、平坦、フェンダ、仕上げ、正方形、ドックなどのなどのワッシャ形式;及び、たとえば、鋭利なV形状、アメリカ、ユニファイ、メートル、角、ACME、ウィット標準、ナックル、鋸歯、単一、二重、三重、二重角、三重ACMEなどのネジ山形式;などの任意の種類の適切な構成要素、サイズ、材料が使用され得る。
【0041】
上述された要素の各々、又は、組み合わされた2つ以上の要素は、上述された形式とは異なる他の形式の構成においても有用な適用性を見出し得ることは理解される。上述の説明、又は、以下の各請求項、又は、添付図面中に開示された特徴であって、それらの特定の形態において表現され、又は、開示された機能を実施する手段、又は、開示された成果を達成する方法もしくはプロセスに関して表現された特徴は、個別的に、又は、斯かる特徴の任意の組合せにおいて、本発明をその多様な形態で実現するために活用され得る。
【0042】
本発明は流体動作式工具において具現されるものとして図示かつ記述されてきたが、本発明が、示された詳細に限定されることは意図されるものではなく、本発明の精神から何ら逸脱せずに種々の改変及び構造的変更が為され得るものである。
【0043】
更に検討せずとも、上記内容は、本発明の主旨であって、先行技術の観点から、本発明の包括的な又は詳細な見地の本質的な特性を相当に構成する特徴を除外することなく、他者が現在の知見を適用することにより種々の用途に適合させ得る、という主旨を十分に明らかとしている。
【0044】
本明細書及び各請求項において使用されたとき、「テーパ付けされた」、「テーパ付けされて」という語句、及び、その変化形は、指定された特定構造、段部、量、寸法、幾何学的構造及び間隔が、ひとつの端部から別の端部にかけて、漸進的に、急激に、段階的に、且つ/又は、円錐状に、整合せず、変化し、狭幅となり、縮小し、更に小寸となり、細くなり得ることなどを意味する。
【0045】
本明細書及び各請求項において使用されたとき、「備える」、「含む」、「有する」、及び、それらの変化形は、指定された特徴、段階、又は、整数が包含されることを意味する。該語句は、他の特徴、段階又は構成要素の存在を除外すると解釈されるべきでない。