(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6027227
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】亜酸化窒素の、再生可能な室温浄化装置及び方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/04 20060101AFI20161107BHJP
B01J 20/06 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
B01D53/04 220
B01J20/06 A
B01J20/06 C
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-507616(P2015-507616)
(86)(22)【出願日】2013年4月23日
(65)【公表番号】特表2015-519192(P2015-519192A)
(43)【公表日】2015年7月9日
(86)【国際出願番号】IB2013000753
(87)【国際公開番号】WO2013160746
(87)【国際公開日】20131031
【審査請求日】2016年2月8日
(31)【優先権主張番号】MI2012A000676
(32)【優先日】2012年4月24日
(33)【優先権主張国】IT
(31)【優先権主張番号】13/866,875
(32)【優先日】2013年4月19日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511020829
【氏名又は名称】サエス・ゲッターズ・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・スッチ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ランドニ
【審査官】
福永 千尋
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−016402(JP,A)
【文献】
特表平08−508968(JP,A)
【文献】
特表2003−506207(JP,A)
【文献】
米国特許第06517797(US,B1)
【文献】
特表2008−517744(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2003/0094098(US,A1)
【文献】
特開昭62−269728(JP,A)
【文献】
特開平05−124813(JP,A)
【文献】
特開平07−197037(JP,A)
【文献】
特開平11−216326(JP,A)
【文献】
特公昭48−037917(JP,B1)
【文献】
特表2003−500323(JP,A)
【文献】
米国特許第06080226(US,A)
【文献】
特開2002−172171(JP,A)
【文献】
特開平8−243356(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/02−53/12
C01B 21/22
CAplus(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入口及び出口を有する導管を備え、活性部分が少なくとも部分的に、酸化ニッケルからなる浄化材料で充填され、前記酸化ニッケルの表面積は50m2/gと等しいか、50m2/gより大きい、再生可能室温N2O浄化装置。
【請求項2】
入口及び出口を有する導管を備え、活性部分が少なくとも部分的に、酸化ニッケル及びニッケル金属を含む浄化材料で充填され、酸化ニッケルに対するニッケル金属の重量比が5%未満であり、酸化ニッケル及びニッケル金属の表面積は50m2/gと等しいか、50m2/gより大きい、再生可能室温N2O浄化装置。
【請求項3】
酸化ニッケル及びニッケル金属の表面積が100m2/gと等しいか、100m2/gより大きい、請求項2に記載の再生可能室温N2O浄化装置。
【請求項4】
前記浄化材料がサポートされる、請求項1または2に記載の再生可能室温N2O浄化装置。
【請求項5】
前記浄化材料が、アモルファスシリカ及び酸化マグネシウムの少なくとも一つの上にサポートされる、請求項4に記載の再生可能室温N2O浄化装置。
【請求項6】
浄化材料の再生を実行するためのヒーター及び温度制御を備える、請求項1または2に記載の再生可能室温N2O浄化装置。
【請求項7】
前記活性部分が、長さL、幅Wを有する体積を区切り、長さと幅との間の比L/Wが、1から15の間である、請求項1または2に記載の再生可能室温N2O浄化装置。
【請求項8】
前記活性部分の体積の少なくとも30%が前記浄化材料で充填される、請求項1、2または4に記載の再生可能室温N2O浄化装置。
【請求項9】
前記活性部分の体積が、実質的に完全に前記浄化材料で充填される、請求項8に記載の再生可能室温N2O浄化装置。
【請求項10】
ガスマニホールドと、その自動制御と、少なくとも二つの、請求項1または2に記載の再生可能N2O浄化装置とを備える、再生可能室温N2O浄化装置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、亜酸化窒素の、室温における浄化方法及び室温での再生可能な浄化システムに関連する。
【背景技術】
【0002】
亜酸化窒素は、このガス中の不純物レベルの精密な制御を必要とする多くの工業的利用を有する。最も要求が厳しいものの中には、化学気相堆積等の半導体製造プロセス、ディスプレイ製造等における選択酸化、及び金属酸化物半導体(MOS)キャパシタの製造用の高速熱酸窒化プロセスがある。
【0003】
これら全ての用途において、H
2O、CO
2、CO等の不純物は、プロセスガスとしてN
2Oが用いられる素子/コンポーネントの特性及び性能を低下させ、それらと干渉することによって、有害な役割を果たす。
【0004】
最も重大な不純物はCO
2であり、CO
2とN
2Oは凝縮温度が近い値であるために、特許文献1等に記述されているような通常の工業的な蒸留プロセスによっては簡単かつ効率的に取り除かれない。このため、CO
2量に関しては、分離プラントは、電子級N
2Oに十分なレベルの純度を達成するのに適していない。
【0005】
浄化された亜酸化窒素の工業的利用の文脈では、浄化装置の寿命を長くするために、通常、室温で運転可能であり、再生可能な浄化装置を有することが重要である。
【0006】
N
2O浄化プロセスのためには、過剰量の浄化メディアの使用を避けるために、十分に高い容量を達成することができる解決手段を開発することが重要である。過剰量の浄化メディアの使用は、関連するコストと、そのようなメディアを使用する浄化システムにとられる体積との両方から不利益だろう。さらに、高容量によって過度な頻度で再生プロセスに戻る必要が避けられる。浄化材料についての適当な目標容量は、0.5
l/lまたはそれ以上である。リットル/リットル単位は、(大気圧、0℃で測定された際に)標準リットルで表される、ある体積のガス不純物を除去するための、(リットルで表される)所定の体積の浄化メディアの能力を示す。
【0007】
従来技術の亜酸化窒素浄化システムは、一般的に、特許文献2に記述されるように、効率レベルに達するために、冷却装置を必要とし、亜酸化窒素を含む様々なガス気流の、異なる材料での低温浄化を備える。冷却装置はそのようなシステムのコストと複雑さを増やす。
【0008】
従来技術の、これらの、及び他の限定は、以下の記述及び図面のいくつかの図の研究を読むことで、当業者に明らかとなるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許第0636576号明細書
【特許文献2】米国特許第7314506号明細書
【特許文献3】米国特許第6436352号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここに、本明細書及び図面の開示の範囲内での、要素及び作用の様々な組み合わせを描写する目的で、様々な例が明らかとされる。当業者には明らかであるように、要素及び作用の他の組み合わせ並びにそのバリエーションもまた、この中にサポートされる。
【0011】
ここに明らかとされる実施形態の目的は、N
2Oのための、高容量の室温浄化装置を提供することである。
【0012】
ここに明らかとされる実施形態の別の目的は、連続的に運転できる、複数の浄化導管(purification vessel)を有するN
2O浄化システムを提供することである。
【0013】
例示としてであり、限定としてではなく明らかにされる、ある実施形態において、N
2Oの浄化の改善した方法は、入口と出口とを有する導管にN
2Oのガス気流を導入するステップを含み、導管は、酸化ニッケルと、任意でニッケル元素とを含む浄化材料で、少なくとも部分的に充填され、酸化ニッケルと任意のニッケル元素との重量比は3と等しいか、それより大きく、酸化ニッケル及び任意のニッケル元素の表面積は50m
2/gと等しいか、それより大きい。
【0014】
上述した方法に使用されるのに適した例示的な導管は密閉された導管であり得り、通常金属製である。非限定の例として、導管はステンレス鋼から作られ得る。この例では、浄化材料を収容している導管の部分は導管の「活性部分」と定められ、活性部分の内部体積を画定する。活性部分は、例えば粒子フィルター等の素子を維持することによって区切られ得る。
【0015】
ここでサポートされる要素及び作用の組み合わせの、これらの及び他の例は、その利点と同様に、以下の記述及び図面のいくつかの図の研究を読むことで当業者に明らかとなるであろう。
【0016】
いくつかの例が図面を参照して記述される。同様の要素及び/または作用は同様の参照番号が与えられる。例は、ここに開示された思想を、限定ではなく、描写することが意図される。図面は以下の図を含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】例示的なN
2O浄化装置の、部分的に破壊された正面図である。
【
図2】浄化材料が除去された、
図1の2−2線に沿った断面図である。
【
図3】例示的なN
2O浄化装置システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここで用いられる「浄化メディア」、「材料」及び同様の語は、ここに記述するNiO/Ni重量比及び表面積の観点で特徴を伴うことを意味する。好ましい実施形態において、ここで記述される浄化材料は少なくとも100m
2/gの表面積を有し、NiO/Ni重量比は5と等しいか、それより大きい。例示的な実施形態において、浄化材料は基本的に完全に酸化され、基本的にNiOから構成される(例えば、NiOに対するNiの重量分率は5%未満である)。
【0019】
当業者には理解されるだろうが、浄化材料は不活性材料もまた含むことができる。例えば、例示的な実施形態では、NiO及び/またはNiの高表面積サポートとしてアモルファスシリカが用いられ得る。別の例では、酸化マグネシウムがNiO及び/またはNiのサポートとして用いられ得る。更なる非限定の例として、当業者には理解されるだろうが、NiO及び/またはNiは、アモルファスシリカ及び酸化マグネシウムの少なくとも一つ(つまり、アモルファスシリカ、酸化マグネシウム、またはその両方)によってコート、接着、さもなければサポートされることができる。また、好ましくは、N
2Oを浄化する方法は室温で実施される(例えば約20〜25℃)。
【0020】
驚くべきことに、目標不純物がマトリクスガスとしてのN
2O中のCO
2である時には、酸化されたニッケルを(または、より詳細には、酸化されたニッケルベースの高表面積メディアであり、ニッケル元素に関してはNiOフラクションが優勢である)、室温における効率的な浄化メディアとして使用可能であることを発明者らは見出した。より具体的には、この材料について実施された試験は、容量が0.5
l/lより一貫して高く、この材料が完全に再生可能でもあることを示し、容量及びメディア寿命の観点からの両方の要求を満たす。
【0021】
この解決法は、水素気流から一酸化炭素を除去するためのニッケル元素の使用に関する、同一出願人の特許文献3に記述されたものと完全に逆である。上記特許文献が示す通り、目標不純物に対する容量及び効率の観点からの挙動、並びにマトリクスガスに対する親和性のある程度は、予想不可能であることが強調されるべきである。より具体的には、特許文献3に記述された解決法は、材料がN
2Oに露出された際の発熱挙動に関するハンドリングの問題を引き起こす。
【0022】
N
2Oの浄化のための例示的な方法及び装置は、追加の不純物を除去するために一より多くの材料を使用する。非限定の例として、湿気除去にモレキュラーシーブが使用され得る。
【0023】
図1及び
図2を参照すると、例示的なN
2O浄化装置10は、入口14及び出口16を有する導管12を含む。この例では、第一粒子フィルター18は入口14に隣接し、第二粒子フィルター20は出口16に隣接する。例示的な浄化装置10は以下で非常に詳細に議論される。
【0024】
ある実施形態では、例示としてであり限定ではなく開示されるが、室温で再生可能なN
2O浄化装置10は入口14及び出口16を有する導管12を含み、活性部分Aは少なくとも部分的に、酸化ニッケル及び任意のニッケル元素を含む浄化材料22で充填され、酸化ニッケルと任意のニッケル元素との重量比は3と等しいか、それより大きく、酸化ニッケル及び任意のニッケル元素の表面積は50m
2/gと等しいか、それより大きい。例示的な実施形態において、酸化ニッケルと任意のニッケル元素との重量比は、好ましくは5と等しいか、それより大きく、酸化ニッケル及び任意のニッケル元素の表面積は100m
2/gと等しいか、それより大きい。
【0025】
この非限定の例では、室温浄化装置10は導管12の温度を下げるための活性機構を含まない。以降非常に詳細に議論されるように、再生プロセスを実施し、制御するために、特定の例示的な実施形態では、ヒーター及び、熱電対などの温度制御コンポーネントが提供され得る。
【0026】
非限定の例では、浄化装置10の導管12は密閉された導管であり、通常金属製である。例えば、導管12はステンレス鋼を含むことができる。浄化材料22を収容している導管12の部分が活性部分Aとして画定され、活性部分の内部体積を定める。この部分は通常、粒子フィルター18及び20等の固定器具によって区切られる。
【0027】
特に
図2を参照すると、導管12の活性部分Aは長さL、幅Wを有する体積を画定する。典型的には、長さと幅の比は、浄化されるガスと浄化材料との十分な接触時間を保証するために、少なくとも1である。浄化メディアによって引き起こされる過剰な圧力低下を避けるために、上記の比は、好ましくは15以下である。より好ましくは、長さと幅との間の比L/Wは1から15の間である。
【0028】
例示的な浄化装置10は、亜酸化窒素ガスのフローレート及び所望のレベルの浄化に対処するために異なる量のN
2Oニッケル浄化メディアを収容するために、導管の活性部分の長さ/幅比についての上記寸法の限定にもかかわらず、異なる体積を有し得ることが理解されよう。特定の非限定の例では、活性部分の体積の寸法(リットルで表される)と、N
2Oフロー(m/時で表される)との比が0.05から2リットル/m/時である。
【0029】
目標不純物が基本的には主にCO
2である例示的な実施形態では、浄化装置の活性部分Aは、N
2Oニッケル浄化メディアで完全に充填され得る。これは、非限定の例として蒸留塔及び/または水除去システム等の、他の浄化装置システムの上流または下流に浄化装置システムが用いられる際に典型な場合である。代替の例示的な実施形態では、例えば浄化装置システムがメインガスの供給の後に、ガス配給系に取り付けられた際には、浄化装置の密閉導管は他の浄化材料も含む。
【0030】
様々な非限定の例では、N
2Oニッケル浄化メディアは、浄化装置10の密閉された導管12の活性部分Aの少なくとも30%を充填し、好ましくは活性体積の少なくとも60%を充填する。
【0031】
図3は、第一浄化装置10A、第二浄化装置10B、マニホールド26及びコントローラ28を含む例示的なN
2O浄化装置システム24のブロック図である。N
2Oニッケル浄化メディアを含んだ、少なくとも二つの浄化装置導管10A/10Bと、適当なガスマニホールド26と、再生プロセスによって浄化されたN
2Oのフローが中断しないように、ガス浄化に一方の浄化装置を、再生に他方の浄化装置を選択的に選択するガスマニホールド26の自動弁とを有する点で、浄化装置システム24は有利であることが理解されよう。
【0032】
N
2O浄化システム24において、浄化装置10A及び10Bは、
図1及び2の浄化装置10と同様、または同一であり得る。ガスマニホールドは、多くの自動弁32と同様に、好ましくはステンレス鋼から作られる一連の管30を含み、自動弁32は、コントローラ28の制御下で開閉され得る。弁32を適切に開閉することによって、不純なN
2Oを浄化装置10A及び10Bの一つに通し、一方で、再生プロセスを促進するために、例えばN
2を浄化装置10A及び10Bの他方に通すことができる。再生された浄化装置は、好ましくはヒーター34によって加熱され、温度センサ36によってモニタされ、それらも好ましくはコントローラ28に接続される。
【0033】
再生操作は、浄化装置導管12を加熱しつつ、不活性ガス、好ましくは窒素、を浄化装置にフローさせることによって実行される。窒素フローに特段の制約はない。10リットルの活性部分Aを有する導管については、窒素フローは有利に0.5から5m
3/時の間である。より一般的には、そのような間隔は導管の体積にリニアに比例する。
【0034】
再生プロセスの温度はより重要である。特に、1時間から24時間の範囲の再生時間について、温度は好ましくは150℃から300℃の間である。再生プロセスの期間は、導管12の温度と直接関連する。
【0035】
本発明の様々な実施形態及び態様が、以下の非限定的な実施例の補助とともにさらに記述される。
【0036】
[実施例1]
長さ4.8cm、直径1.04cmの、体積が4ccである円柱状の浄化装置導管が、異なる浄化材料で充填され、表1のスキームに従う活性化プロセスの対象となり、表1は活性化プロセス中の材料及び平衡温度を示す。表1において、全てのサンプルに共通のパラメータは省略された。すなわち、活性化中にフローされたガスの種類(窒素)、フロー(0.5L/分)、及び活性化プロセスの全体にわたる長さ(21時間)である。
【0038】
サンプル1は、活性化プロセスに先立って材料が大気に露出されたので、サポートされた完全に酸化されたニッケル(NiO)で基本的には構成された。サンプルS1に使用されたニッケルは、180m
2/gの表面積を有した。
【0039】
全ての以前のサンプルは約50ppmのCO
2を含むN
2Oの0.1L/分のフローに露出され、浄化装置の出口は、浄化装置の容量が消耗されたこと、つまり測定器の指示値が0.5ppmに到達したこと、を決定するためにTrace Analytical RGA5ガスクロマトグラフに接続された。
【0040】
表2にこの試験の結果が報告され、評価された四サンプルのそれぞれの容量を示す。
【0042】
CO
2除去に使用されるガス浄化で使用されるモレキュラーシーブの、最も一般的な三種類でできた比較サンプルC1〜C3は、マトリクスガスがN
2Oの際には、二酸化炭素に対して容量をほとんど持たないことを観察することができ、別のマトリクスガスで採用されると浄化装置メディアの挙動が予測不可能であることを更に指摘する。
【0043】
[実施例2]
ある例示的な実施形態に従ってつくられたサンプルS1が再活性化プロセスの対象とされた。すなわち、導管中のメディアが、その容量を使い果たした(下流に接続された分析装置が0.5ppmに到達した)後で、表1に記述された活性化プロセスが繰り返された。再活性化の後で、材料が完全に再生可能であり、応用と相性がよいことの証明として、サンプルS1の容量が測定され、同一の値を得た。
【0044】
[比較例3]
ニッケル浄化メディアは、10%の水素を含む窒素気流をフローさせることによって、ニッケルへの還元を引き起こす活性化処理の対象とされた。室温にされた後で、材料を条件づけるために、浄化装置は一連の制御されたサイクル中のN
2Oに露出された。これほど用心したにも関わらず、システム温度は250℃を超え、安全の観点から重大な問題を提起した。このテストは、上述の特許文献3で開示されたメディアは、工業スケールのプロセスで亜酸化窒素の浄化に使用されるのに適していないことを示している。
【0045】
特定の用語及び素子を用いて様々な実施例が記述されたが、そのような記述は例示の目的だけである。用いられた語は、限定ではなく記述の語である。ここで記述されたいずれの実施例の精神または範囲から逸脱することなく、当業者は変更または変化を行い得ることを理解されたい。さらに、他の様々な実施例の態様が、全体的にまたは部分的に交換され得ることを理解されたい。従って、以降に表される特許請求の範囲は、それらの真の精神及び範囲に従って、制限または禁反言なしに解釈される。
【符号の説明】
【0046】
10 浄化装置
12 浄化装置導管
14 入口
16 出口
18 第一粒子フィルター
20 第二粒子フィルター
22 浄化材料
24 浄化装置システム
26 マニホールド
28 コントローラ
30 管
32 弁
34 ヒーター
36 温度センサ