(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記各送信側制御部は、前記加速度センサによって検出される加速度が送信閾値以下のときに前記一定位置信号を送信させ、前記加速度センサによって検出される加速度が前記送信閾値より大きいときに前記位置検出信号を送信させるように構成され、
前記受信側制御部は、前記受信部が前記一定位置信号を受信し、前記位置検出信号を受信しないときには前記第1の特定処理を行い、前記受信部が前記位置検出信号を受信したときには前記第2の特定処理を行うように構成される請求項1に記載の車輪位置特定装置。
前記各送信側制御部は、前記一定位置で前記一定位置信号を送信できない時間が所定時間継続したときに前記位置検出信号を送信させるように構成される請求項1に記載の車輪位置特定装置。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、車輪位置特定装置の一実施形態について説明する。
図1(a)に示すように、車両10は、ABS(アンチロック・ブレーキシステム)20及びタイヤ状態監視装置30を搭載している。ABS20は、ABSコントローラ25と、車両10の4つの車輪11にそれぞれ対応する回転センサユニット21〜24とを備えている。
【0020】
第1回転センサユニット21は、車両10の前側左側に設けられた左前車輪FLに対応し、第2回転センサユニット22は、車両10の前側右側に設けられた右前車輪FRに対応している。第3回転センサユニット23は、車両10の後側左側に設けられたに左後車輪RLに対応し、第4回転センサユニット24は、車両10の後側右側に設けられた右後車輪RRに対応している。
【0021】
各車輪11は、車両用ホイール12と車両用ホイール12に装着されたタイヤ13とから構成されている。ABSコントローラ25はマイクロコンピュータすなわちプロセッサ等の電気回路(circuitry)よりなり、各回転センサユニット21〜24からの信号に基づき各車輪11の回転位置(回転角度)を求めるようにプログラムされている。
【0022】
また、車両10には、エンジンの始動や、停止など車両10の動作を統括的に制御する制御装置14が搭載されている。制御装置14には、車両10の運転者によるエンジンの始動及び停止を可能にするイグニッションスイッチ15が接続されている。
【0023】
図2に示すように、各回転センサユニット21〜24は、車輪11と一体回転する歯車26と、歯車26の外周面に対向するように配置された検出器27とからなる。回転センサユニット21〜24は回転位置検出部として機能する。歯車26の外周部には複数本(本実施形態では48本)の歯が等角度間隔おきに設けられている。そして、検出器27は、歯車26が回転することで生じるパルスを検出する。
【0024】
ABSコントローラ25は、各検出器27に有線接続され、各検出器27のパルスのカウント値(以下、パルスカウント値)に基づき、各車輪11の回転位置を求める。具体的にいえば、歯車26は1回転する毎に、歯の数に対応した数のパルスを検出器27に発生させる。ABSコントローラ25は、検出器27に発生したパルスをカウントする。車輪11が1回転(360度)する間に検出器27に発生するパルス数で360度を除算することでパルスカウント1につき、歯車26が何度回転したかを把握することができる。
【0025】
図3に示すように、本実施形態においては、パルスの立ち上がりと立ち下がりをカウントすることで、ABSコントローラ25は0〜95までカウントを行う。
図1(a)に示すように、タイヤ状態監視装置30は、4つの車輪11にそれぞれ取り付けられた送信機31と、車両10の車体に設置される受信機50とを備えている。各送信機31は、タイヤ13の内部空間に配置されるように、そのタイヤ13が装着された車両用ホイール12に対して取り付けられている。各送信機31は、対応するタイヤ13の状態を検出して、検出されたタイヤ状態を示すデータを含む信号を無線送信する。
【0026】
図4に示すように、各送信機31は、圧力センサ32、温度センサ33、加速度センサ34、コントローラ35、送信回路36、バッテリ37、及び送信アンテナ39を備えている。送信機31は、バッテリ37からの供給電力によって動作し、コントローラ35は送信機31の動作を統括的に制御する。圧力センサ32は、対応するタイヤ13内の圧力(タイヤ空気圧)を検出する。温度センサ33は、対応するタイヤ13内の温度(タイヤ内温度)を検出する。
【0027】
図1(b)に示すように、加速度センサ34の検出軸34aは、送信機31が車輪11の最上位置に位置しているときに鉛直方向(上下方向)の一方向を向き、最下位置に位置しているときに、鉛直方向のうち最上位置に位置しているときとは異なる方向を向く。本実施形態では、加速度センサ34が最上位置に位置しているときに検出軸34aが鉛直方向の上側を向き、加速度センサ34が最下位置に位置しているときに検出軸34aが鉛直方向の下側を向く。加速度センサ34は、検出軸34aに沿う検出部(例えば、ダイアフラム)の歪み量を電圧として出力する。検出軸34aは、車輪11の回転に伴い遠心力が作用する方向への加速度(遠心加速度)を検出する。
【0028】
なお、加速度センサ34が検出軸34a以外にも検出軸を有している場合には、それぞれの検出軸に作用する加速度が個別に検出される。以下の説明において、加速度センサ34によって検出される加速度とは、検出軸34aによって検出される加速度を示す。
【0029】
図4に示すように、コントローラ35は、CPU35a、記憶部35b(RAMやROM等)、入出力ポート及びタイマを含むマイクロコンピュータすなわちプロセッサ等の電気回路よりなる。コントローラ35は送信側制御部として機能する。記憶部35bには各送信機31に固有の識別情報であるIDが登録されている。このIDは、各送信機31を受信機50において識別するために使用される情報である。
【0030】
コントローラ35は、圧力センサ32によって検出されたタイヤ空気圧、温度センサ33によって検出されたタイヤ内温度及び加速度センサ34によって検出された加速度を予め定められた取得頻度で取得する。
【0031】
コントローラ35は、加速度センサ34によって検出される加速度から車両10が走行しているか否かを判断している。車両10が走行すると、車輪11が回転することで加速度センサ34に作用する遠心力が大きくなり、加速度センサ34によって検出される加速度が大きくなる。このため、車両10が停止しているときに検出される加速度よりも大きな値を走行判定用閾値として設定し、加速度センサ34によって検出される加速度が走行判定用閾値より大きいか否かを判定することで車両10が走行しているか否かを判断することができる。
【0032】
また、コントローラ35は、タイヤ空気圧データ、タイヤ内温度データ、及びIDを含むデータを、送信回路36に出力する。送信回路36は、信号を生成し、信号を送信アンテナ39から無線送信する。送信回路36は送信部として機能する。コントローラ35は、送信回路36を制御するようにプログラムされている。本実施形態では、定常信号と、位置検出信号との2種類の信号が送信アンテナ39から出力される。定常信号は、データの送信をするために変調された信号であり一定時間毎に送信される信号である。位置検出信号は、データの送信を目的とせず、一定出力で所定の送信時間の間、継続して送信される信号である。
【0033】
定常信号は、車輪11の回転位置が予め定められた一定位置のときに送信される。本実施形態において、コントローラ35は、送信機31の位置が車輪11の最下位置となるときに定常信号を送信している。送信機31が最下位置に位置していることは、加速度センサ34によって検出される加速度から検出することができる。詳細にいえば、加速度センサ34は、検出部の歪み量を直流成分と交流成分とを含んだ電圧として出力する。直流成分が遠心加速度を示し、交流成分が重力加速度を示す。
【0034】
コントローラ35は、加速度センサ34によって検出された重力加速度が+1Gとなるときに定常信号を送信することで、送信機31が車輪11の最下位置(一定位置)に位置しているときに定常信号を送信することができる。したがって、一定位置とは、送信機31が車輪11の最下位置となる位置であり、定常信号は、一定位置で送信される一定位置信号となる。
【0035】
図1(a)に示すように、受信機50は、受信コントローラ51、受信回路52、及び受信アンテナ56を備えている。受信機50の受信コントローラ51には、表示器57が接続されている。また、受信コントローラ51は、ABSコントローラ25及び制御装置14に接続されている。
【0036】
受信コントローラ51はADコンバータ53、CPU54、記憶部55(ROMやRAM等)、及び入出力ポートを含むマイクロコンピュータすなわちプロセッサ等の電気回路よりなり、記憶部55には受信機50の動作を統括的に制御するプログラムが記憶されている。すなわち、受信コントローラ51は、受信機50の動作を統括的に制御するようにプログラムされている。
【0037】
図1(c)に示すように、受信回路52は、各送信機31から受信アンテナ56を通じて受信された信号を復調してタイヤに関する情報を受信コントローラ51に出力する。また、受信回路52は、受信した信号の受信強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)を測定する測定回路を含んでいる。受信回路52は、信号の受信強度を受信コントローラ51に出力する。
【0038】
受信コントローラ51は、受信回路52から送られたタイヤ13の状態に関する情報を取得して、送信元の送信機31に対応するタイヤ状態を把握する。また、受信コントローラ51は、受信回路52から送られた受信強度の情報をADコンバータ53にてデジタル値に変換して取得する。また、受信コントローラ51は、ABSコントローラ25から送られた情報に基づき、各回転センサユニット21〜24のパルスカウント値を取得する。受信コントローラ51は、タイヤ空気圧に関する情報等を表示器57に表示させる。
【0039】
また、受信コントローラ51は、タイヤ13の状態に関する情報から、タイヤ13に異常が生じているか否かを判定する。例えば、受信コントローラ51は、タイヤ13の空気圧が低圧閾値より大きいか否かを判定し、タイヤ13の空気圧が低圧閾値以下の場合には、タイヤ13に異常(空気圧不足)が生じていると判定する。低圧閾値としては、例えば、タイヤ13の推奨空気圧の80%の空気圧などが設定される。そして、受信コントローラ51は、タイヤ13に異常が生じている場合には、運転者にタイヤ13に異常が生じていることを表示器57に表示したり、報知器による報知を行ったりすることで知らせる。
【0040】
次に、4つの送信機31から送信された定常信号に含まれるタイヤ状態の情報が、4つの車輪11のうち、どの車輪11に関する情報であるかを特定する車輪位置特定処理について説明する。
【0041】
まず、各送信機31のコントローラ35が行う制御について説明する。
図5に示すように、ステップS10において、コントローラ35は、加速度センサ34によって検出される加速度が走行判定用閾値よりも大きいか否かを判断する。ステップS10の判定結果が否定の場合、コントローラ35は、ステップS10の処理を繰り返す。一方で、ステップS10の判定結果が肯定の場合、コントローラ35は、ステップS11の処理を行う。コントローラ35は、ステップS11において、定常信号を送信させる。定常信号には、IDのデータ、タイヤ13の空気圧データ、車両10の状態を示すステータス、及びCRC(cyclic redundancy check)などの誤り訂正のための符号が含まれている。
【0042】
次に、ステップS12において、コントローラ35は、加速度センサ34によって検出される加速度が送信閾値より大きいか否かを判定する。送信閾値としては、例えば、加速度センサ34の検出部の歪み量が限界に達する加速度よりも若干低い値に設定される。ステップS12の判定結果が否定の場合、コントローラ35は、処理を終了する。
【0043】
一方で、ステップS12の判定結果が肯定の場合、コントローラ35はステップS13の処理を行う。ステップS13において、コントローラ35は、温度センサ33によって検出されるタイヤ13内の温度が、低温閾値以下か否かを判定する。低温閾値としては、定常信号を送信するのに支障が生じるほどにバッテリ37の電圧が低下する温度が設定される。バッテリ37の電圧が信号を送信するのに支障が生じるほど低下すると、信号を送信することが困難になる。このため、ステップS13の判定結果が肯定の場合、コントローラ35は、位置検出信号よりも優先的に定常信号の送信を行うため、処理を終了する。
【0044】
ステップS13の判定結果が否定の場合、コントローラ35は、ステップS14の処理を行う。ステップS14において、コントローラ35は、加速度センサ34によって検出される加速度から位置検出信号の送信時間を決定する。
【0045】
本実施形態において、位置検出信号の送信時間は、車輪11が1回転するのに要する時間以上の時間に設定される。車輪11が1回転するのに要する時間は、車両10の速度によって異なり、車両10の速度が速ければ速いほど車輪11が1回転するのに要する時間は短くなる。車両10の速度が速くなると、これに従い加速度センサ34によって検出される加速度が大きくなるため、コントローラ35は、加速度センサ34によって検出される加速度が大きくなるにしたがって、位置検出信号の送信時間を短くする。
【0046】
本実施形態では、送信閾値よりも値の大きい高速閾値が設定されており、加速度センサ34によって検出される加速度が高速閾値より大きくなると、加速度が高速閾値以下の場合に比べて位置検出信号の送信時間が短くなる。
【0047】
次に、ステップS15において、コントローラ35は位置検出信号を送信させる。位置検出信号は、一定出力で、ステップS14で決定された送信時間だけ送信される。位置検出信号には、少なくともIDを示すデータが含まれる。
【0048】
位置検出信号は、ステップS14で定常信号が送信された後、次回の定常信号が送信されるまでの期間内に送信される。また、位置検出信号は、車両10が走行を開始してから、予め定められた回数送信され、予め定められた回数の送信が行われた後には、加速度センサ34によって検出される加速度が送信閾値よりも大きくなった場合でも位置検出信号が送信されない。予め定められた回数としては、位置検出信号を送信した各送信機31が設けられた車輪11の位置を特定することができると予想される回数が設定される。
【0049】
一定時間以上継続して加速度センサ34によって検出される加速度が走行判定用閾値以下となった場合、換言すれば、車両10が一定時間以上継続して停止した場合、コントローラ35は、位置検出信号の送信回数をリセットする。したがって、その後、加速度センサ34によって検出される加速度が走行判定用閾値より大きくなった際には、予め定められた回数の位置検出信号の送信が再度行われる。
【0050】
すなわち、コントローラ35は、一定時間の停車を契機として、位置検出信号の送信停止を解除する。一定時間としては、タイヤローテーションなど、車輪11の位置変更に要すると予想される時間が設定される。そして、車輪11の位置変更が行われた後には、車輪11の位置特定を行うことができる。
【0051】
次に、受信機50の受信コントローラ51が行う制御について説明を行う。
図6に示すように、ステップS21において、受信コントローラ51は、受信回路52が位置検出信号を受信したか否かを判定する。ステップS21の判定結果が否定の場合、すなわち、受信回路52が受信した信号が定常信号のみである場合には、受信コントローラ51は、ステップS22の処理を行う。
【0052】
受信回路52が受信した信号が定常信号のみの場合、加速度センサ34によって検出された加速度は送信閾値以下である。ステップS22において、受信コントローラ51は、第1の特定処理を行う。第1の特定処理は、定常信号を受信回路52が受信した時点での、各回転センサユニット21〜24のパルスカウント値から、送信機31が設けられた車輪11の位置を特定する処理である。以下、具体的に説明を行う。
【0053】
図7に示すように、ID1の送信機31が左前車輪FLに装着され、ID2の送信機31が右前車輪FRに装着され、ID3の送信機31が左後車輪RLに装着され、ID4の送信機31が右後車輪RRに装着されている場合を想定する。
【0054】
このとき、ID1の送信機31が設けられた車輪11に着目すると、この送信機31は、時刻t1,t2,t3,t4、すなわち送信機31が車輪11の最下位置に移動する時刻で定常信号を出力している。時刻t1,t2,t3,t4は、ID1の送信機31が車輪11の最下位置に移動した時刻なので、それぞれの時刻で、ID1の送信機31が設けられた車輪11の回転位置は同一となる。
【0055】
一方で、各車輪11の回転数はデファレンシャルギアなどの影響によって異なるため、時刻t1,t2,t3,t4で、ID2、3、4の送信機31が設けられたそれぞれの車輪11の回転位置は異なる。このため、受信回路52がID1の送信機31から送信された定常信号を受信したときに、各回転センサユニット21〜24によって検出されるパルスカウント値、すなわち、車輪11の回転位置を検出すると、
図8に示すように、左前車輪FLに対応して設けられた第1回転センサユニット21が最もばらつきが少なくなる。
【0056】
受信コントローラ51は、送信機31から送信された信号を複数回受信したときに各回転センサユニット21〜24によって検出されたパルスカウント値を検出し、パルスカウント値のばらつきが最も少ない回転センサユニット21〜24に対応した車輪11が、ID1の送信機31が設けられた車輪と特定することができる。例えば、ID1の送信機31からの定常信号を複数回受信したときに、第1回転センサユニット21のパルスのカウント数のばらつきが最も少なければ、ID1の送信機31は、左前車輪FLに設けられていると特定することができる。
【0057】
同様に、ID2、3、4の送信機31からの定常信号を複数回受信したときの回転センサユニット21〜24のパルスのカウント数のばらつきから、ID2、3、4の送信機31が設けられた車輪11の位置を特定することができる。
【0058】
図6に示すように、ステップS21の判定結果が肯定の場合、すなわち、受信回路52が位置検出信号を受信した場合、受信コントローラ51は、ステップS23の処理を行う。受信回路52が位置検出信号を受信した場合、加速度センサ34によって検出された加速度が送信閾値より大きい。したがって、受信機50では、送信閾値を境にして第1の特定処理と第2の特定処理とが切り替えられる。
【0059】
ステップS23において、受信コントローラ51は、第2の特定処理を行う。第2の特定処理は、位置検出信号の受信強度から対応する送信機31が設けられた車輪11の位置を特定する処理である。以下、具体的に説明を行う。
【0060】
図9に示すように、受信コントローラ51に取得される位置検出信号の受信強度は、車輪11の回転位置、すなわち、ABSコントローラ25によって検出される各回転センサユニット21〜24のパルスカウント値によって異なる。車輪11に設けられた送信機31は、車輪11とともに回転しながら位置検出信号を送信する。
【0061】
送信機31から送信された位置検出信号は、受信機50に受信されるまでの間に、車両10内の乗員や積載物などの車両10内の障害物によって減衰される。ここで、障害物による位置検出信号の減衰量は、送信機31(送信アンテナ39)と受信機50(受信アンテナ56)との位置関係によって異なる。これは、送信機31と受信機50との位置関係が変わると、送信機31から受信機50までの距離、送信アンテナ39の指向性、及び送信機31と障害物との位置関係などが変わるからである。
【0062】
したがって、送信機31が車輪11とともに回転しながら位置検出信号を送信すると、送信機31と受信機50との位置関係が変動しながら位置検出信号を送信することになるため、車輪11の回転位置(回転角度)のうち、障害物により位置検出信号が減衰されにくい範囲と、障害物により位置検出信号が減衰されやすい範囲とが生じる。
【0063】
したがって、車輪11が1回転する間に位置検出信号が送信されると、位置検出信号が減衰されにくい範囲で送信された信号の部分ほど受信強度が強く、減衰されやすい範囲で送信された信号の部分ほど受信強度が弱くなる。
【0064】
また、全ての車輪11が同一の回転速度で1回転したときに各送信機31から送信された位置検出信号の受信強度が取得される場合、位置検出信号を送信した送信機31毎に、受信強度の受信レベル(絶対値)、及び、受信強度が極値となるときのパルスカウント値(車輪11の回転位置)が異なっている。これは、送信機31の位置の差異によって、障害物などによる減衰量が異なるからである。
【0065】
位置検出信号が減衰されにくい範囲と、減衰されやすい範囲とは、障害物の有無や、位置によって変化するが、1回の走行(例えば、イグニッションスイッチ15をオンしてからオフするまで)の期間中であれば、車両10内の障害物の位置などは同一であると考えられる。また、仮に乗員や積載物の移動など、障害物の移動があったとしても、車両10の走行中であれば、頻繁に障害物が移動することはないと予想される。したがって、受信強度が極値となるときの各車輪11の回転位置(回転角度)は、誤差などを加味しなければ、毎回同一位置にあると捉えることができる。
【0066】
前述したように、車両10が走行しているときの各車輪11の回転数(回転速度)は異なっている。このため、同一IDの送信機31から送信された位置検出信号の受信強度が極値となるときの車輪11の回転位置を複数回検出すると、位置検出信号を送信した送信機31が設けられた車輪11のみにおいて、受信強度が極値となるときの車輪11の回転位置が毎回同一位置にある。実際には、車輪位置特定装置の各部材の公差や、測定誤差によって、受信強度が極値となるときの各車輪11の回転位置には、検出する度に若干のばらつきが生じる。
【0067】
したがって、受信コントローラ51は、4つの送信機31の各々から複数回送信された位置検出信号をID毎に分類し、受信強度が極値となるときの車輪11の回転位置のばらつきが最も少ない車輪11に、対応するIDの送信機31が設けられていると特定することができる。したがって、受信コントローラ51が受信側制御部として機能する。各送信機31から送信される位置検出信号の受信強度に複数の極値が存在する場合、複数の極値のうちの一つから対応する車輪11の位置特定を行ってもよいし、複数の極値から対応する車輪11の位置特定を行ってもよい。
【0068】
一例として、
図1(a)に示すように、ID1の送信機31が左前車輪FLに装着され、ID2の送信機31が右前車輪FRに装着され、ID3の送信機31が左後車輪RLに装着され、ID4の送信機31が右後車輪RRに装着されている場合を想定する。そして、受信コントローラ51は、受信強度の極値のうち最小値から対応する車輪11の位置特定を行う場合を想定する。
【0069】
図10(a)〜
図10(d)の各々は、ID1の送信機31から送信された位置検出信号(以下では「ID1の位置検出信号」という。)に着目して、各車輪11が1回転するときの回転位置(パルスカウント値)でのID1の位置検出信号の受信強度を4回分示している。
【0070】
受信コントローラ51は、ID1の位置検出信号の受信強度が最小値となるときの各車輪11の回転位置、すなわち、各回転センサユニット21〜24によって検出されたパルスカウント値を参照する。そして、受信コントローラ51は、ID1の位置検出信号の受信強度が最小値となるときのパルスカウント値のばらつきが最も少ない回転センサユニットを特定する。例えば、受信コントローラ51は、ID1の位置検出信号の受信強度を各回転センサユニット21〜24から複数回取得し、受信強度の最小値が所定の範囲に含まれている回数を回転センサユニット21〜24毎に計数する。
【0071】
所定の範囲とは、各部材の公差や、測定誤差などを加味して設定される範囲であり、受信強度の極値が同一位置にあるとみなすことができる範囲である。受信コントローラ51は、上記受信強度の最小値が所定の範囲内に含まれている回数(割合)が最も多い(大きい)回転センサユニット21〜24が、受信強度が最小値となるときのパルスカウント値のばらつきが最も少ない車輪11に対応していると判定する。
【0072】
そして、本実施形態において、受信コントローラ51は、第1回転センサユニット21で検出されたパルスカウント値が最もばらつきが少ないことを把握する。第1回転センサユニット21は、左前車輪FLに対応して設けられているため、ID1の送信機31は、左前車輪FLに設けられていると特定することができる。そして、ID2の送信機31、ID3の送信機31、及び、ID4の送信機31についても同様に車輪11の位置を特定することができる。
【0073】
また、
図10(a)〜
図10(d)に示すように、位置検出信号を複数回受信したときに、受信強度の受信レベル(絶対値)に差異が生じている。これは、周辺環境などによって位置検出信号の減衰量が異なるからである。受信強度の絶対値は、周辺環境による影響によって上下するおそれがあるが、受信信号の絶対値が上下した場合であっても、受信強度が極値となるときの車輪11の回転位置は変動しにくい。
【0074】
また、複数回受信強度を検出したときに、車両10内の障害物の移動がないにも関わらず、受信強度の極値が一定位置にない場合がある。これは、周辺環境によっては、受信強度の極値の位置が変動するおそれがあるためである。
【0075】
すなわち、車両10の周囲に他の車両10が存在する場合など、車両10の近傍に受信強度に影響を及ぼす物が存在する場合に、受信強度の極値の位置が変動する。ただし、このような場合には、車両10が信号待ちなどで一時的に停止しているときが多く、車両10が停止しているときであれば、位置検出信号は送信されない。
【0076】
また、車両10が走行中に他の車両10などが接近した場合であっても、その状態が長時間継続することは稀だと考えられる。したがって、位置検出信号を複数回検出すれば、受信強度の極値は、車輪11の一定位置(一定の回転位置)に収束すると考えられる。本実施形態において、定常信号及び位置検出信号を送信する送信機31、及び、送信機31から送信された信号を受信して送信機31が設けられた車輪11の位置を特定する受信機50が車輪位置特定装置として機能している。
【0077】
次に、車輪位置特定装置の作用について説明する。
図11(a)に示すように、車両10が加速し、車輪11の回転数(回転速度)が上昇していくと、これに従い加速度センサ34によって検出される加速度も大きくなる。
【0078】
図11(a)及び
図11(b)に示すように、加速度センサ34によって検出される加速度が、時刻T1で走行判定用閾値より大きくなると、送信機31からは一定位置で定常信号が送信される。
【0079】
図11(a)及び
図11(b)に示すように、加速度センサ34によって検出される加速度が、時刻T2で送信閾値より大きくなると、送信機31からは定常信号に続いて位置検出信号が送信される。
【0080】
図11(c)に示すように、受信コントローラ51は、定常信号のみを受信している間、すなわち、加速度センサ34によって検出される加速度が送信閾値以下の場合には、第1の特定処理を行う。また、受信コントローラ51は、定常信号に加えて、位置検出信号を受信すると、第2の特定処理を行う。
【0081】
図11(a)及び(b)に示すように、加速度センサ34によって検出される加速度が、時刻T3で高速閾値より大きくなると、加速度センサ34によって検出される加速度が送信閾値より大きく、高速閾値未満の場合に比べて、位置検出信号の送信時間が短くなる。
【0082】
送信機31は、走行開始から(イグニッションスイッチ15がオンしてから)予め定められた回数の位置検出信号を送信すると、位置検出信号の送信を停止する。
したがって、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0083】
(1)受信コントローラ51は、第1の特定処理と、第2の特定処理とを行うことができる。受信強度から送信機31が設けられた車輪11の位置を特定する第2の特定処理では、位置検出信号が送信される位置に関わらず送信機31が設けられた車輪11の位置を特定することができる。
【0084】
車両10の速度が速くなることで加速度センサ34の検出部の歪み量が限界に達すると、一定位置で信号を送信できなくなり、第1の特定処理を行えなくなるおそれがあるが、その場合であっても第2の特定処理により送信機31が設けられた車輪11の位置を特定することができる。同様に、起伏の大きな道路を車両10が走行することで、重力加速度が+1Gになることを検出できず、第1の特定処理を行えない場合であっても、第2の特定処理により送信機31が設けられた車輪11の位置を特定することができる。
【0085】
(2)加速度センサ34によって検出される加速度が送信閾値よりも大きい場合に位置検出信号を送信している。受信強度によって送信機31が設けられた車輪11の位置を特定する場合には、車輪11が所定の角度(実施形態でいえば、360度以上)回転するまで継続して位置検出信号を送信する必要がある。車輪11の回転速度は、車両10の速度に応じて速くなるため、車両10の速度が速いときに位置検出信号を送信するほうが位置検出信号を送信する時間を短くすることができる。
【0086】
また、加速度センサ34の検出部の歪み量が限界に達しない車速のときには第1の特定処理を行うことで、位置検出信号を常に送信する場合に比べて、位置検出信号の送信回数を減らすことができる。したがって、位置検出信号の送信によるバッテリ37の電力消費を低減させることができる。
【0087】
(3)加速度センサ34によって検出される加速度が大きいほど位置検出信号の送信時間を短くしている。このため、加速度センサ34によって検出される加速度の大きさに関わらず、常に同一の送信時間だけ位置検出信号を送信する場合に比べて、バッテリ37の消費電力を低減させることができる。
【0088】
(4)位置検出信号の受信強度は、車輪11の回転に伴い変動し、これにより極値が生じる。受信強度の極値は、1回の走行の期間内であれば、変動しない、あるいは、変動したとしても頻繁に変動することはないと考えられる。このため、受信コントローラ51は、受信強度が極値となるときの車輪11の回転位置のばらつきから送信機31が設けられた車輪11の位置を特定することができる。したがって、周辺環境などによって受信強度の絶対値の大小関係が変化した場合であっても、受信強度の極値が変化しなければ車輪11の位置を特定することができる。
【0089】
(5)位置検出信号は、イグニッションスイッチ15がオンされた後、送信機31から予め定められた回数送信される。このため、送信機31が設けられている車輪11の位置が特定された後も、継続して位置検出信号が送信される場合に比べて、位置検出信号を送信する回数が少なくなる。したがって、位置検出信号の送信に伴うバッテリ37の消費電力を低減させることができる。
【0090】
(6)タイヤ13内の温度が低温閾値以下のときには、加速度センサ34によって検出される加速度が送信閾値を超えている場合であっても、位置検出信号を送信しない。バッテリ37は、温度が過剰に低い場合、電圧が著しく低下する。タイヤ状態監視装置30としては、どのIDの送信機31がどの車輪11に設けられているかを特定できることが望ましい。ただし、いずれかの車輪11に異常が生じていることを報知することができれば、送信機31が設けられた車輪11の位置が特定されていない場合であっても、運転者に異常を知らせることができる。バッテリ37の電圧が著しく低下し、信号の送信が困難な場合には、位置検出信号を送信せず定常信号のみを送信することで、位置検出信号の送信による電圧不足で定常信号が送信できず、車輪11の異常を報知できなくなることが抑制される。
【0091】
なお、実施形態は、以下のように変更してもよい。
・実施形態において、コントローラ35は、加速度センサ34によって検出される加速度が送信閾値よりも大きくなったことを契機として位置検出信号の送信を開始させたが、これに限られない。例えば、一定位置で信号を送信できない時間(回数)が所定時間継続したときに位置検出信号を送信するようにしてもよい。車両10の速度が速くなり、加速度センサ34の検出部の歪み量が限界に達すると、重力加速度を検出することが困難となり、+1Gを検出しにくくなる。
【0092】
また、車両10が起伏の大きな悪路(凹凸路)を走行しているときには、加速度センサ34によって検出される加速度に含まれるノイズが大きくなり、+1Gを検出しにくくなる。コントローラ35は、+1Gを検出できない場合(一定位置を検出できない場合)、定常信号に一定位置非検出フラグのデータを含めて受信機50に送信する。受信機50は、一定位置非検出フラグのデータを含んだ定常信号を受信すると、位置検出信号が送信機31から送信されることを認識し、第2の特定処理を行う。
【0093】
この場合、車両10の速度が速くなり、一定位置信号を送信できなくなったときに位置検出信号が送信されるため、常に位置検出信号が送信される場合に比べて、バッテリ37の電力消費が低減される。
【0094】
・実施形態では、受信強度が極値となるときの車輪11の回転位置のばらつきから送信機31が設けられた車輪11の位置を特定したが、これに限られず、受信強度の大小関係から車輪11の位置を特定してもよい。
【0095】
例えば、受信機50(受信アンテナ56)を、各送信機31からの距離が異なるように配置し、各送信機31から送信される位置検出信号の受信強度を測定する。各送信機31から送信される位置検出信号は、受信機50から離間しているほど減衰するため、受信強度の最も大きい位置検出信号を送信した送信機31が最も受信機50に近い車輪11に設けられていると特定することができる。このように、受信した位置検出信号の受信強度が大きい順に、受信機50に近い順に車輪11に設けられていると特定することができる。
【0096】
・一定位置信号が送信される位置は、車輪11の最下位置とは異なる位置でもよい。例えば、加速度センサ34が−1Gを検出した場合に一定位置信号が送信されると、車輪11の最上位置で一定位置信号が送信されることになる。
【0097】
・第1の特定処理と第2の特定処理は並行して行われてもよい。例えば、定常信号を一定位置で送信するとともに、定常信号の送信時間を第2の特定処理によって車輪11の位置が特定できる程度に長くする。受信コントローラ51は、定常信号を受信した時点での各回転センサユニット21〜24のパルスカウント値から第1の特定処理を行い、定常信号の受信強度から第2の特定処理を行う。この場合、定常信号が一定位置信号及び位置検出信号として機能する。すなわち、一定位置信号と位置検出信号は、個別の信号でなくてもよく、同一の信号でもよい。
【0098】
・位置検出信号は、IDを示すデータを含んでいなくてもよい。例えば、コントローラ35は、位置検出信号を送信する直前に、位置検出信号を送信することを受信機50に認識させる認識信号を受信機50に送信してもよい。認識信号には、IDを示すデータが含まれており、受信機50は、位置検出信号を受信すると、この位置検出信号を受信する直前に受信した認識信号と同一IDの送信機31から位置検出信号が送信されたと把握する。
【0099】
・受信強度が、その複数の極値のうち最大値となるときのパルスカウント値のばらつきから車輪11の位置を特定してもよい。同様に、受信強度が、その複数の極値のうち最小値及び最大値とは異なる極値となるときのパルスカウント値のばらつきから車輪11の位置を特定してもよい。
【0100】
・受信強度に複数の極値が存在する場合、受信強度が各極値となるときの車輪11の回転位置のばらつきから送信機31が設けられている車輪11の位置を特定してもよい。
例えば、複数の極値のうちの一つを第1の極値、他の極値を第2の極値とすると、受信強度が第1の極値となるときの車輪11の回転位置のばらつきから車輪11の位置特定を行えなかったときに、受信強度が第2の極値となるときの車輪11の回転位置のばらつきから送信機31が設けられた車輪11の位置特定を行ってもよい。
【0101】
また、受信強度が第1の極値となるとき、及び、受信強度が第2の極値となるときの車輪11の回転位置のばらつきからそれぞれ送信機31が設けられている車輪11の位置を特定してもよい。この場合、受信コントローラ51は、受信強度が第1の極値及び第2の極値の各々となるときの車輪11の回転位置のばらつきが最も少ない車輪11を判定し、ばらつきが最も少ないと判定された回数(割合)が多い(高い)車輪11に送信機31が設けられていることを特定してもよい。
【0102】
・位置検出信号は、車輪11が1回転するのに要する時間よりも短い時間継続して送信機31から送信されてもよい。
例えば、位置検出信号が送信される時間は、車輪11が300度回転(5/6回転)するのに要する時間や、車輪11が270度回転(3/4回転)するのに要する時間であってもよい。すなわち、位置検出信号の送信時間とは、少なくとも一つの極値が検出できる時間であればよい。
【0103】
また、位置検出信号が送信される時間を、車輪11が1回転するのに要する時間よりも短い時間とする場合、位置検出信号が送信される車輪11の回転位置を送信毎に一定位置にすることが好ましい。
【0104】
例えば、送信機31(加速度センサ34)が車輪11の最下位置に位置するときの車輪11の回転位置を一定位置とし、送信機31が車輪11の最下位置に移動した時点で送信回路36から位置検出信号を送信すればよい。送信機31が車輪11の最下位置に移動したことは、加速度センサ34によって重力加速度が1G(±1G)になったことを検出したり、車輪11の回転位置を検出したりすることで把握することができる。
【0105】
・高速閾値は、複数段階設定されていてもよい。例えば、第1の高速閾値と、第1の高速閾値よりも値の大きい第2の高速閾値が設定されていてもよい。この場合、加速度センサ34によって検出される加速度が第1の高速閾値より大きくなると、加速度センサ34によって検出される加速度が第1の高速閾値以下の場合に比べて位置検出信号の送信時間が短くなる。加速度センサ34によって検出される加速度が第2の高速閾値より大きくなると、更に位置検出信号の送信時間が短くなる。
【0106】
・実施形態では、温度センサ33によって検出されるタイヤ13内の温度が低温閾値以下のときに、位置検出信号の送信を行わないようにしたが、これに代えて、位置検出信号の送信頻度を減らしてもよい。
【0107】
・温度センサ33によって検出されるタイヤ13内の温度に関わらず、位置検出信号を送信するようにしてもよい。この場合、温度センサ33を設けなくてもよい。
・実施形態では、温度センサ33によって検出されるタイヤ13内の温度が低温閾値以下となったときには、位置検出信号を送信していないが、これに代えて、バッテリ37の電圧を検出して、バッテリ37の電圧が電圧閾値以下となったときに位置検出信号の送信をしないようにしてもよい。電圧閾値としては、例えば、定常信号を送信することができなくなる値よりも若干高めの値に設定される。また、温度センサ33によって検出されるタイヤ13内の温度、及び、バッテリ37の電圧の両方から位置検出信号を送信するか否かを判定してもよい。
【0108】
・実施形態において、送信回路36に並列接続されるコンデンサを設けてもよい。この場合、コンデンサには、バッテリ37からの電力供給により電荷が蓄えられる。そして、コンデンサに蓄えられた電荷によって定常信号を送信させることができる。実施形態に記載のように、タイヤ13内の温度が低温閾値以下の場合、バッテリ37の電圧が低下し、定常信号を送信できないほどにバッテリ37の電圧が低下してしまうおそれがある。この場合であっても、定常信号を送信していないときにコンデンサに電荷を蓄えて、この電荷により定常信号を送信させることができる。
【0109】
・車両10は、複数の車輪11を有している車両であればよく、4輪以外の車両であってもよい。
・パルスの立ち上がりと立ち下がりの両方をカウントしたが、パルスの立ち上がり又はパルスの立ち下がりのみをカウントしてもよい。この場合、パルスカウント値は、立ち上がりと立ち下がりの両方をカウントするときの半分となる。
【0110】
・歯車の歯数は変更してもよい。すなわち、車輪11が1回転することで回転センサユニット21〜24に生じるパルス数を変更してもよい。
・送信閾値は、走行判定用閾値と同一の値であってもよい。すなわち、定常信号の送信が位置検出信号の送信と同時に開始されてもよい。
【0111】
・表示器57は、車両10に設けられていなくてもよく、代わりに運転者の所持する携帯端末などを表示器として用いてもよい。
・定常信号には、タイヤ13内の温度を示すデータが含まれていてもよい。
【0112】
・位置検出信号の受信強度が極値となるときの車輪11の回転位置を取得する回数は、車輪11の位置を特定することができれば、何回でもよい。
・位置検出信号の送信停止は、トリガ装置から送信機31に送信停止の解除を指示する信号を送信することで行ってもよい。
車輪位置特定装置は、複数の車輪それぞれに設けられた送信機と、車両の車体に設けられた受信機と、を備える。各送信機は、受信機に向けて信号を送信するように構成される送信部と、対応する車輪とともに回転して、自身に作用する加速度を検出する加速度センサと、加速度センサによって検出される加速度に基づいて一定位置で送信される一定位置信号、及び、一定出力で送信される位置検出信号を送信部から送信させるように構成される送信側制御部と、を有する。受信機は、信号を受信するように構成される受信部と、一定位置信号を受信した時点での各車輪の回転位置のばらつきから対応する送信部が設けられた車輪の位置を特定する第1の特定処理と、位置検出信号の受信強度から対応する送信機が設けられた車輪の位置を特定する第2の特定処理と、を行うように構成される受信側制御部と、を有する。