特許第6027293号(P6027293)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6027293セラミックヒータおよびそれを備える点火装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6027293
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】セラミックヒータおよびそれを備える点火装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/02 20060101AFI20161107BHJP
   H05B 3/18 20060101ALI20161107BHJP
   H05B 3/14 20060101ALI20161107BHJP
   F23Q 7/00 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   H05B3/02 A
   H05B3/18
   H05B3/14 B
   F23Q7/00 V
【請求項の数】8
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-523479(P2016-523479)
(86)(22)【出願日】2015年5月25日
(86)【国際出願番号】JP2015064851
(87)【国際公開番号】WO2015182535
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2016年1月9日
(31)【優先権主張番号】特願2014-109198(P2014-109198)
(32)【優先日】2014年5月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】井筒 祥二
【審査官】 長浜 義憲
(56)【参考文献】
【文献】 実開平4−29192(JP,U)
【文献】 特開平3−149791(JP,A)
【文献】 特開2007−42615(JP,A)
【文献】 特開平5−182746(JP,A)
【文献】 特開2005−135869(JP,A)
【文献】 特開平1−272078(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/105327(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 3/02
H05B 3/14
H05B 3/18
F23Q 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック体と、該セラミック体に埋設された帯状の発熱抵抗体と、前記セラミック体に埋設されて前記発熱抵抗体の端部に接続された帯状のリードとを有し、
前記リードは、前記発熱抵抗体との接続部において前記発熱抵抗体の端部を覆う第1部分と、前記端部の両側に張り出した第2部分とを有しており、前記第1部分の厚みに比べて前記第2部分の厚みが薄くなっているセラミックヒータ。
【請求項2】
前記リードと前記発熱抵抗体との接続部において、前記第2部分の厚みが外側に向かって薄くなっている請求項1に記載のセラミックヒータ。
【請求項3】
前記第1部分の端部における厚みに比べて前記第2部分の張り出す長さが大きい請求項1または請求項2に記載のセラミックヒータ。
【請求項4】
前記セラミック体が複数のセラミック層の積層体から成る請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のセラミックヒータ。
【請求項5】
前記発熱抵抗体と前記リードとが隣り合う2つの前記セラミック層の層間に設けられている請求項4に記載のセラミックヒータ。
【請求項6】
前記発熱抵抗体と前記第2部分とが前記2つのセラミック層のうち一方のセラミック層の1つの面に接している請求項5に記載のセラミックヒータ。
【請求項7】
前記発熱抵抗体と前記第2部分とが前記1つの面上において連続している請求項6に記載のセラミックヒータ。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のセラミックヒータと、該セラミックヒータのうち前記セラミック体に気体燃料を流す流路とを備えた点火装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックヒータおよびそれを備える点火装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガスレンジ、車載暖房装置、石油ファンヒータまたは自動車エンジンのグロープラグあるいは燃料の予備加熱等に用いられるヒータとして、セラミックヒータが知られている。セラミックヒータとしては、例えば、特開2000−156275号公報(以下、特許文献1という)に開示されたセラミックヒータが挙げられる。
【0003】
特許文献1に開示されたセラミックヒータは、セラミック構造体と、このセラミック構造体に埋設された発熱抵抗体と、この発熱抵抗体に接続されてセラミック構造体の表面に引き出された給電線とを備えている。
【0004】
特許文献1に開示されたセラミックヒータは、高温環境下で繰り返し使用した場合に給電線と発熱抵抗体との接続部において、給電線および発熱抵抗体に熱応力が生じることによって、クラックが生じる場合があった。その結果、セラミックヒータを高温環境下において繰り返し使用した場合の長期信頼性を向上させることが困難であった。
【発明の概要】
【0005】
セラミックヒータは、セラミック体と、該セラミック体に埋設された帯状の発熱抵抗体と、前記セラミック体に埋設されて前記発熱抵抗体の端部に接続された帯状のリードとを有し、前記リードは、前記発熱抵抗体との接続部において前記発熱抵抗体の端部を覆う第1部分と、前記端部の両側に張り出した第2部分とを有しており前記第1部分の厚みに比べて前記第2部分の厚みが薄くなっている。
【0006】
点火装置は、上記セラミックヒータと、該セラミックヒータのうち前記セラミック体に気体燃料を流す流路とを備えている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】セラミックヒータを示す縦断面図である。
図2図1に示すセラミックヒータをA−A'線で切断した横断面図である。
図3図2に示すセラミックヒータのうち抵抗体およびリードを示す拡大図である。
図4図1に示すセラミックヒータを用いた点火装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、セラミックヒータ10について図面を参照して説明する。
【0009】
図1に示すように、セラミックヒータ10は、セラミック体1と、セラミック体1の内部に設けられた発熱抵抗体2と、セラミック体1の内部に設けられて発熱抵抗体2に接続されたリード3とを備えている。このようなセラミックヒータ10は、例えば、自動車エンジンのグロープラグあるいは燃料の予備加熱用に、またはガスレンジの着火用等に用いることができる。
【0010】
セラミック体1は、内部にリード3および発熱抵抗体2が埋設された部材である。セラミック体1の内部にリード3および発熱抵抗体2を設けることによって、リード3および発熱抵抗体2の耐久性を向上させることができる。セラミック体1は、例えば、棒状または板状(これらを合わせて柱状ともいえる)の部材である。セラミック体1は、例えば、複数のセラミック層11が積層されてなる。以下の例では、セラミック体1が複数のセラミック層11の積層体からなるセラミックヒータ10を説明するが、これに限られない。すなわち、セラミック体1は一体的に形成されていてもよい。セラミック体1を一体的に形成する方法としては、例えば、射出成型等が挙げられる。
【0011】
セラミック体1は、例えば、酸化物セラミックス、窒化物セラミックスまたは炭化物セラミックス等の電気的な絶縁性を有するセラミックスから成る。具体的には、セラミック体1は、アルミナ質セラミックス、窒化珪素質セラミックス、窒化アルミニウム質セラミックスまたは炭化珪素質セラミックス等から成る。
【0012】
窒化珪素質セラミックスから成るセラミック体1は、以下の方法で得ることができる。具体的には、例えば、主成分の窒化珪素に対して、焼結助剤として5〜15質量%のY、YbまたはEr等の希土類元素酸化物、0.5〜5質量%のAlおよび焼結体に含まれるSiOの量が1.5〜5質量%となるように量が調整されたSiOを混合する。そして、所定の形状に成形した後に1650〜1780℃での温度で焼成することによって、窒化珪素質セラミックスから成るセラミック体1を得ることができる。焼成には、例えばホットプレス法を用いることができる。
【0013】
セラミック体1の形状が棒状である場合、より具体的には四角柱状である場合には、セラミック体1の長さは例えば20〜100mmに設定される。また、セラミック体1の断面は、例えば厚さが1〜6mm、幅が2〜40mmの四角形に設定される。
【0014】
発熱抵抗体2は、電圧が加えられることによって発熱する帯状の部材である。発熱抵抗体2は、セラミック体1の隣り合う2つのセラミック層11の層間に埋設されている。発熱抵抗体2に電圧が加えられることによって電流が流れ、発熱抵抗体2が発熱する。この発熱によって生じた熱がセラミック体1の内部を伝わって、セラミック体1の表面が高温になる。そして、セラミック体1の表面から被加熱物に対して熱が伝わることによって、セラミックヒータ10が機能する。セラミック体1の表面から熱を伝えられることになる被加熱物としては、例えば自動車用ディーゼルエンジンの燃料噴射装置に供給される軽油等が挙げられる。
【0015】
発熱抵抗体2は、セラミック体1の先端側に設けられている。発熱抵抗体2は、縦断面(発熱抵抗体2の長さ方向に対して平行な面)の形状が、例えば折返し形状になっている。詳しくは、発熱抵抗体2は、2つの平行な直線部分21と、外周および内周が略半円形状または略半楕円形状であって2つの直線部分21を折り返して繋ぐ連結部分22とを有している。発熱抵抗体2はセラミック体1の先端付近で折り返している。発熱抵抗体2の先端(連結部分22のうち最も先端側の部分)から発熱抵抗体2の後端(直線部分21の後端)までの長さは、例えば発熱抵抗体2の長さ方向において2〜15mmに設定される。
【0016】
発熱抵抗体2は、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)またはチタン(Ti)等の炭化物、窒化物または珪化物等を主成分とする。セラミック体1が窒化珪素質セラミックスから成る場合には、発熱抵抗体2の主成分が炭化タングステンから成ることが好ましい。これにより、セラミック体1の熱膨張率と発熱抵抗体2の熱膨張率とを近付けることができる。
【0017】
リード3は、セラミック体1に埋設されて一端がセラミック体1の側面に引き出された帯状の部材である。リード3は、隣り合う2つのセラミック層11の層間に位置している。リード3は発熱抵抗体2に電気的に接続されている。リード3は発熱抵抗体2と外部の電源とを電気的に接続するために用いられる。
【0018】
リード3は、発熱抵抗体2の2つの直線部分21のそれぞれに対応して、セラミック体1の長さ方向に沿って2本設けられており、セラミック体1の後端側で折り曲げられてセラミック体1の側面に引き出されている。リード3は、セラミック体1の後端側において90°に曲げられて、セラミック体1の側面に引き出されている。
【0019】
リード3は、例えばWまたはMo等の耐熱性に優れた金属材料が用いられる。特に、熱膨張率の観点から発熱抵抗体2と同じ炭化タングステンを用いることが好ましい。リード3は、例えば、幅が1〜20mm、発熱抵抗体2の長さ方向に沿った部分の長さが10〜80mm、セラミック体1の側面に引き出されるために、発熱抵抗体2の長さ方向に対して垂直な方向に延びた部分の長さが2〜30mm、厚みが10〜50μm程度に設定される。
【0020】
図2は、図1に示すセラミックヒータ10のうち、発熱抵抗体2とリード3との接続部を通るA−A'線で切断した横断面図である。図2は、発熱抵抗体2の主面に垂直な断面を示している。なお、図2においては、複数のセラミック層11の境界の一部を点線で示している。また、図3は、図2における抵抗体2およびリード3の拡大図である。図2および図3に示す通り、リード3は、発熱抵抗体2の端部を覆う第1部分31と、端部の両側に張り出している第2部分32とを有している。このように、リード3が発熱抵抗体2の端部を覆って端部の両側に張り出していることによって、リード3と発熱抵抗体2との境界が平面状でなくなるので、リード3と発熱抵抗体2との境界にクラックが進行しにくくすることができる。特に、リード3と発熱抵抗体2とが重なっている部分(第1部分31)の端部におけるリード3の厚みT(図3において破線で示している)よりも張り出している部分(第2部分32)の張り出す長さWが大きいことが好ましい。これにより、リード3の端部を発熱抵抗体2よりも十分に遠ざけることができるので、第2部分32の端部にクラックが生じたときに、リード3と発熱抵抗体2との間にクラックが進行するおそれを低減できる。特に、第2部分32の張り出す長さWを、第1部分31の端部におけるリード3の厚みTの2倍以上にしてもよい。これにより、第2部分32をセラミック体1中に薄く広げることができる。その結果、第2部分32が熱膨張したときに、セラミック体1に生じる熱応力を低減できる。
【0021】
さらに、リード3のうち発熱抵抗体2に重なっている部分(第1部分31)の厚みに比べて張り出している部分(第2部分32)の厚みが薄くなっている。これにより、発熱抵抗体2に熱応力が生じた場合に、張り出している部分に熱応力を集中しやすくすることができる。
【0022】
そのため、リード3のうち発熱抵抗体2に重なっている部分(第1部分31)にクラックが生じる可能性を低減できる。これらの結果、セラミックヒータ10を高温環境下において繰り返し使用した場合の長期信頼性を向上させることができる。リード3の厚みは、例えば、第1部分31の厚みを5〜50μmに、第2部分32の厚みを0.5〜10μmに設定できる。
【0023】
第1部分31の厚みと第2部分32の厚みとの比較は、例えば、第1部分31の平均の厚みと第2部分32の平均の厚みとを比較することによって行うことができる。第1部分31および第2部分32の平均の厚みは、例えば、以下の方法で求めることができる。具体的には、第1部分31および第2部分32に、第1部分31および第2部分32を幅方向に4等分する3本の仮想線を引く。そして、第1部分31および第2部分32において、この3本の仮想線が引かれた位置の厚みのそれぞれの平均値を求める。このそれぞれの平均値を第1部分31の平均の厚みおよび第2部分32の平均の厚みと見なすことができる。
【0024】
また、図2および図3に示すように、リード3と発熱抵抗体2との接続部において、第2部分32の厚みが外側に向かって薄くなっていることが好ましい。このように、第2部分32が外側に向かって薄くなっていることによって、第2部分32の中でも特に先端付近に熱応力が集中しやすくなる。これにより、リード3に熱応力が生じたとしても、リード3のうち発熱抵抗体2と第1部分31から遠のいた位置においてクラックを生じさせることができる。そのため、リード3と発熱抵抗体2との接続信頼性が低下するおそれを低減できる。
【0025】
さらに、図2および図3に示すように、発熱抵抗体2とリード3とが隣り合う2つのセラミック層11の層間に設けられていてもよい。これにより、セラミック体1に生じるクラックを低減できる。セラミック体1においては、特に、セラミック層11の層間において応力が集中しやすい。このような、セラミック層11の層間に、上述のように第2部分32に応力を集中させることができる発熱抵抗体2とリード3とを設けることによって、セラミック層11の層間に生じた応力を第2部分32で吸収できる。そのため、セラミック層11の層間から、セラミック体1にクラックが生じてしまうことを低減できる。
【0026】
また、リード3と発熱抵抗体2との接続部において、発熱抵抗体2と第2部分32とが2つのセラミック層11のうち一方のセラミック層11の1つの面に接していてもよい。これにより、発熱抵抗体2と第2部分32とが同じ面に接していることによって、セラミック体1に熱応力が発生したときに、発熱抵抗体2とリード3の両方で力を吸収できる。言い換えると、発熱抵抗体2にのみに力が加わったり、リード3にのみ力が加わったりすることを低減できる。そのため、例えば、発熱抵抗体2とリード3との界面にクラックが発生してしまうことを低減できる。
【0027】
さらに、発熱抵抗体2と第2部分32とが1つの面上で連続していてもよい。ここでいう「1つの面上で連続」とは、発熱抵抗体2とリード3とを通る断面を見たときに、隣り合う2つのセラミック層11のうち一方のセラミック層11の1つの面上で発熱抵抗体2とリード3とが接しているという意味である。これにより、発熱抵抗体2と第2部分32との界面において、クラックの起点となる隙間を減らすことができるので、発熱抵抗体2とリード3との界面にクラックが発生してしまうことを低減できる。
【0028】
さらに、図2および図3に示すように、リード3の第2部分32のうち、一方の主面が発熱抵抗体2と共に隣り合う2つのセラミック層11のうち一方のセラミック層11の1つの面に接しているとともに、他方の主面が内側に凹む弧状になっていてもよい。これにより、第2部分32の先端部分にさらに応力を集中させやすくすることができる。その結果、第2部分32に熱応力が生じたとしても、リード3のうち第1部分31から遠のいた位置においてクラックを生じさせることができる。そのため、リード3と発熱抵抗体2との接続の信頼性を向上させることができる。
【0029】
さらに、リード3と発熱抵抗体2とが金属材料および金属材料中に混合されたセラミック材料から成っていてもよい。このような金属材料としては、WC等が挙げられる。また、セラミック材料としてはSiまたはBN等が挙げられる。このとき、第2部分32におけるセラミック材料の含有量を、第1部分31におけるセラミック材料の含有量よりも多くしてもよい。これにより、リード3の全体に応力が加わった際に第1部分31よりも第2部分32にクラックを生じやすくできる。これは、第2部分32において、第1部分31よりも金属材料の割合を減らして、セラミック材料の割合を増やすことによって、第2部分32が第1部分31よりも弾性変形しにくくなるためである。第1部分31と第2部分32の組成を変えるための方法としては、例えば、第1部分31と第2部分32とを別々のグリーンシートによって形成する方法が挙げられる。
【0030】
さらに、発熱抵抗体2の熱膨張係数をリード3の熱膨張係数よりも小さくなるようにしてもよい。これにより、焼成後に、リード3が発熱抵抗体2を挟みこむように残留応力が残る。そのため、発熱抵抗体2とリード3との間で剥がれが生じることを低減できる。なお、発熱抵抗体2の熱膨張係数をリード3の熱膨張係数よりも小さくするためには、例えば、以下の方法を用いることができる。具体的には、リード3と発熱抵抗体2の主成分をWCとして、副成分として熱膨張係数がWCよりも小さいSiを添加する。このとき、発熱抵抗体2に添加するSiの量をリード3に添加するSiの量よりも多くすることによって、発熱抵抗体2の熱膨張係数をリード3の熱膨張係数よりも小さくできる。
【0031】
上記のセラミックヒータ10は、例えばホットプレス法を用いて作製できる。具体的には、まず、セラミック層11の一部となるグリーンシートに対して、発熱抵抗体2およびリード3となるペーストを積層する。このとき、リード3の第2部分32が発熱抵抗体2の両側に張り出すようにするために、リード3のうち第2部分32となる部位に対して、微小な圧力を加えて、第2部分32となる部位とグリーンペーストとを密着させる。その後、別のグリーンシートを発熱抵抗体2およびリード3を挟むようにして、上述のグリーンシートに積層して積層体を得る。その後、この積層体をホットプレス法を用いて焼成することによって、セラミックヒータ10を作成できる。
【0032】
セラミックヒータ10は、例えば、図4に示すような点火装置100として用いられる。点火装置100は、セラミックヒータ10とセラミックヒータ10に気体燃料を流す流路20とによって構成される。流路20は、例えば、ガスバルブ21と噴出口23を有する通風管22とによって構成される。ガスバルブ21は、気体燃料の流量を制御する機能を有している。ガスバルブ21から供給される気体燃料としては、例えば、天然ガスまたはプロパンガス等が挙げられる。通風管22は、ガスバルブ21から供給された気体燃料を噴出口23からセラミックヒータ10に向かって噴出する。そして、噴出された気体燃料をヒータ10を用いて加熱することによって、気体燃料を点火することができる。点火装置100は、長期信頼性が向上しているセラミックヒータ10を有していることによって、気体燃料の点火の安定性が向上している。
【符号の説明】
【0033】
1:セラミック体
11:セラミック層
2:発熱抵抗体
21:直線部分
22:連結部分
3:リード
31:第1部分
32:第2部分
10:セラミックヒータ
100:点火装置
図1
図2
図3
図4