特許第6027329号(P6027329)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6027329
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/02 20060101AFI20161107BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   G03B17/02
   H04N5/225 D
   H04N5/225 C
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-80386(P2012-80386)
(22)【出願日】2012年3月30日
(65)【公開番号】特開2013-210480(P2013-210480A)
(43)【公開日】2013年10月10日
【審査請求日】2015年3月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 光男
(72)【発明者】
【氏名】白石 誠
【審査官】 辻本 寛司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−234641(JP,A)
【文献】 特開2009−099411(JP,A)
【文献】 特開2007−220511(JP,A)
【文献】 特開2007−022364(JP,A)
【文献】 特開2009−110351(JP,A)
【文献】 特開2005−129454(JP,A)
【文献】 特開2009−038438(JP,A)
【文献】 特開2004−272229(JP,A)
【文献】 実開平05−050679(JP,U)
【文献】 特開平08−279945(JP,A)
【文献】 特開2005−347243(JP,A)
【文献】 特開2006−177996(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 17/02
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ部材及び前記レンズ部材を保護する保護部材の少なくとも一方が取り付けられているとともに、取り付けられた前記レンズ部材及び前記保護部材の少なくとも一方に対向するように形成された開口を有する第1ケースと、
撮像素子と電気的に接続された第1端子が実装され、前記第1ケースの内部に配置された第1基板と、
前記撮像素子が実装されているとともに、前記第1ケースに取り付けられた前記レンズ部材及び前記保護部材の少なくとも一方と第1基板との間に配置された第2基板と、
前記第1ケースの前記開口を塞ぐ第2ケースとを備えた撮像装置であり、
前記第1ケースは、前記第1基板をその平面方向に変位可能に支持する支持部を有し、
前記第1基板には、前記第1端子が収容された収容部が固定され、
前記第1基板と前記第2基板は、可撓性部材によって接続され、
前記第2基板が前記第1ケースに固定された状態で、前記第1基板は前記支持部に支持されながら前記第1基板の平面方向に変位可能であり、
前記第2ケースは、前記収容部が嵌合する嵌合部を有し、
前記嵌合部の内側において、前記第1端子と電気的に接続される第2端子が前記嵌合部の底部から突出しており、
前記収容部と前記嵌合部との嵌合動作時に、前記第2端子が、それらの嵌合方向に前記第1端子に摺動しながら接触することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記嵌合部の側壁部は、前記第2端子の突出方向について前記第2端子の先端よりも前
記底部から遠くまで延在した延在部を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子が搭載された基板を備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等に搭載される撮像装置として、特許文献1に開示されているように、カメラケースと、カメラケースの内部に収容され、撮像素子が搭載された基板とを備えたものが知られている。カメラケースは、レンズを保護する保護部材が取り付けられたカメラ上ケース(フロントケース)と、外部コネクタが嵌合するカメラ下ケース(リアケース)とから構成され、カメラ下ケースには、外部コネクタと電気的に接続する第1端子が設けられている。また、カメラケースの内部に収容される基板には、撮像素子と、撮像素子に電気的に接続した第2端子とが実装されている。そして、カメラ下ケースに設けられた第1端子と、基板に実装された第2端子とが電気的に接続されることにより、外部コネクタと撮像素子とが電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4623744号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載された装置では、基板に実装された第2端子は、先端部が第1端子に向けて山型に屈曲した弾性接触片からなり、第1端子と反対側に向けて変位する。したがって、第1端子を第2端子に押し付けて接触させると、第2端子は第1端子と反対側に向けて弾性変形するのと同時に、第2端子には変形前の形状に戻ろうとする復元力が生じる。これにより、第1端子及びそれが設けられたカメラ下ケースには、カメラ上ケースと反対側(第2端子と反対側)に向かった力が作用し、カメラ下ケースがカメラ上ケースから外れやすい問題がある。
【0005】
また、特許文献1に開示された装置では、第1端子を第2端子に押し付けて接触させるため、第1端子と第2端子との接触部に塵埃や酸化膜が存在すると、第1端子と第2端子との電気的な接続不良が起こるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、カメラ下ケースがカメラ上ケースから外れにくいとともに、第1端子と第2端子との電気的な接続不良を防止できる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の撮像装置は、レンズ部材及び前記レンズ部材を保護する保護部材の少なくとも一方が取り付けられているとともに、取り付けられた前記レンズ部材及び前記保護部材の少なくとも一方に対向するように形成された開口を有する第1ケースと、撮像素子と電気的に接続された第1端子が実装され、前記第1ケースの内部に配置された第1基板と、前記第1ケースの前記開口を塞ぐ第2ケースとを備えた撮像装置であり、前記第1ケースは、前記第1基板をその平面方向に変位可能に支持する支持部を有し、前記第1基板には、前記第1端子が収容された収容部が固定され、前記第2ケースは、前記収容部が嵌合する嵌合部を有し、前記嵌合部の内側において、前記第1端子と電気的に接続される第2端子が前記嵌合部の底部から突出しており、前記収容部と前記嵌合部との嵌合動作時に、前記第2端子が、それらの嵌合方向に前記第1端子に摺動しながら接触する。
【0008】
本発明によると、収容部と嵌合部との嵌合動作時に、それらの嵌合方向に第2端子が第1端子に摺動するため、第2端子に第1端子と反対側に向けた力が作用しにくい。したがって、第2端子及び第2端子が設けられた第2ケースに第1ケースと反対側に向けた力が作用しにくいため、第2ケースが第1ケースから外れにくい構成にすることができる。また、第2端子が第1端子に摺動接触することにより、これらの接触部に存在する塵埃や酸化膜等が擦りとられる。これにより、第1端子と第2端子との電気的な接続不良を防止できる。さらに、第1ケースの内側面に設けられた支持部により、第2基板と第2基板に固定された収容部とが第1ケースに対して第2基板の平面方向に変位するため、収容部と嵌合部とを嵌合する時にこれらの位置関係を調整することができる。
【0009】
また、本発明において、前記撮像素子が実装されているとともに、前記第1ケースに取り付けられた前記レンズ部材及び前記保護部材の少なくとも一方と第1基板との間に配置された第2基板をさらに備えていることが好ましい。上記構成によると、第2基板を第1基板と分けて動かすことができるため、撮像素子の光軸と、レンズ部材の光軸や保護部材の光軸とを一致させやすくなる。よって、設計の自由度を高めることができる。
【0010】
さらに、本発明において、前記嵌合部の側壁部は、前記第2端子の突出方向について前記第2端子の先端よりも前記底部から遠くまで延在した延在部を有することが好ましい。上記構成によると、嵌合部と収容部との嵌合動作開始時に嵌合部の延在部と収容部とが嵌合し、その後、第2端子を収容部に正規な方向に挿入できる。これにより、第2端子の折れ、曲がり、破損等を防止できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の撮像装置によると、第2ケースを第1ケースから外れにくくすることができるとともに、第2端子が第1端子に摺動接触することにより第1端子と第2端子との電気的な接続不良を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る撮像装置の分解斜視図であり、撮像装置を後方からみた図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る撮像装置の分解斜視図であり、撮像装置を前方からみた図である。
図3図1に示す雌端子と雄端子との構成を示す断面図である。
図4図1に示す収容部と嵌合部との嵌合工程を示す断面図である。
図5図1に示す収容部と嵌合部との嵌合工程を示す断面図である。
図6図1に示す収容部と嵌合部との嵌合工程の一部を示す斜視図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る撮像装置の分解斜視図であり、撮像装置を後方からみた図である。
図8】本発明の第2実施形態に係る撮像装置の分解斜視図であり、撮像装置を前方からみた図である。
図9図7に示す収容部と嵌合部との嵌合工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
〔第1実施形態〕
図1には撮像装置100を後方側からみた図を示し、図2には撮像装置100を前方側からみた図を示している。
【0015】
(撮像装置の全体構成)
図1,2に示すように、撮像装置100は、カメラケース10と、カメラケース10の内部に収容される基板20,30とを備えている。図2に示すように、基板20には、レンズ部材21が取り付けられている。撮像装置100は、車両等に搭載され、車両の外部景色を撮像する。
【0016】
[カメラケース]
カメラケース10は、レンズを保護する保護部材40が取り付けられた箱状のフロントケース(第1ケース)50と、外部コネクタが接続されるリアケース(第2ケース)60とを有する。フロントケース50とリアケース60とは、シール部材等を介して当接し、ネジにより一体に固定されることにより、防水構造が構成される。フロントケース50及びリアケース60は樹脂により形成されている。また、保護部材40には、例えば、樹脂により形成された透明な部材やフィルム状の透明な部材を用いることができる。
【0017】
<フロントケース>
図1,2に示すように、フロントケース50の前端部に開口51が形成され、後端部に開口52が形成されている。開口51には保護部材40が配置され(図2参照)、保護部材40に対向するように、開口52が形成されている(図1参照)。また、フロントケース50の内側面には、段部(支持部)53,54,55が設けられている。段部53,54,55は、フロントケース50の内側面の各辺に略全体に亘って設けられている。
【0018】
<リアケース>
図2に示すように、リアケース60は、フロントケース50の後端部の開口52を塞ぐリア部61と、リア部61の前面に設けられた凹形状のハウジング(嵌合部)62と、リア部61の後面に設けられた凹形状のハウジング63とを有する。リア部61の前面に設けられたハウジング62には、基板30に固定されたハウジング(収容部)70が嵌合する。また、リア部61の後面に設けられたハウジング63には、外部のコネクタが嵌合する。
【0019】
図2,3に示すように、リア部61には、複数の長尺状の導電性の雄端子(第2端子)80が挿設されている。雄端子80の前突出部80aはリア部61の前面から前方へ突出し、後突出部80bはリア部61の後面から後方へ突出している。図2,3に示すように、前突出部80aはハウジング62の内側に配置され、後突出部80bはハウジング63の内側に配置されている。
【0020】
また、図2に示すように、ハウジング62の互いに対向する2つの側壁部62A,62Bは、前突出部80a(雄端子80)の先端よりも前方に延在している。本実施形態では、側壁部62A,62Bにおいて、前突出部80aの先端よりもリア部61から遠くまで延在した部分を延在部62a,62bと呼ぶ(図3(a)に示す延在部62a参照)。
【0021】
次に、カメラケース10に収容される基板20,30について説明する。
【0022】
[基板]
図1,2,4に示すように、保護部材40の後方に配置される基板(第2基板)20には、CCD又はCMOS等の撮像素子が実装されているとともに、レンズ部材21が取り付けられている。また、リアケース60側に配置される基板(第1基板)30には、リアケース60に向けて凸型に突出したハウジング70が固定されている。ハウジング70は、基板30をフロントケース50に収容したときの基板30の開口52を向いた面に固定されている(図4(a)参照)。また、ハウジング70には、基板30に実装された複数対の雌端子90が収容されている。雌端子90は、基板30をフロントケース50に収容したときの基板30の開口52を向いた面に実装されている(図4(a)参照)。基板20は、保護部材40と基板30との間に配置され、基板30とFPC等によって接続されている(図4参照)。これにより、基板20に搭載された撮像素子と基板30に実装された雌端子90とが電気的に接続される。
【0023】
そして、図1及び図3(a)に示すように、基板30に固定されたハウジング70には、リアケース60に向けて開口した複数の凹部71が形成されている。凹部71は雌端子90に対応する位置に形成され、凹部71にはリア部61の前面から突出した前突出部80aが挿入される(図3(b)参照)。また、図1,2に示すように、ハウジング70の両側部には、リアケース60の延在部62a,62bと嵌合可能な突出部72,73が形成されている(図5(a)参照)。
【0024】
続いて、図3を参照しつつ、雄端子80と雌端子90との構成について説明する。
【0025】
[雌端子及び雄端子]
図3(a)に示すように、1対の雌端子90は、互いに対向する2個の導電性の端子91,92により構成されている。端子91,92は、その先端部が対向する端子(91又は92)に向かって突出するように屈曲しており、頂点部91a,92aにおいて最も近接している。
【0026】
雄端子80をハウジング70の凹部71に挿入すると、前突出部80aは、2つの端子91,92の間に挿入され、頂点部91a,92aに挟まれる。そして、前突出部80aをさらに凹部71の内部に挿入すると、図3(b)に示すように、前突出部80aは、互いに対向する2つの頂点部91a,92aに摺動しながら接触する。これにより、雌端子90と雄端子80とが電気的に接続される。
【0027】
次に、図4〜6を参照しつつ、撮像装置を組み立てる工程について説明する。図4図5とには、それぞれ異なる断面図を示しており、図4(a)、図4(b)及び図4(c)は、それぞれ、図5(a)、図5(b)及び図5(c)に対応している。また、図5では、フロントケース50及び基板20を省略している。
【0028】
(撮像装置を組み立てる工程)
図4(a)に示すように、基板20と基板30とをフロントケース50の内部に収容する。ここで、基板20に搭載された撮像素子の光軸と保護部材40の光軸とが一致するように、基板20をフロントケース50に固定する。また、基板30を、フロントケース50の内側面に設けられた段部53,54,55,56に接するように配置する(図4(a)及び図5(a)参照)。このとき、基板30は、段部53,54,55,56に支持されながら、基板30の平面方向に変位可能となっている(例えば、図4(a)に示すY方向、図5(a)に示すX方向及び図6に示すX,Y,Z方向)。
【0029】
次に、ハウジング62をハウジング70に嵌合する。最初に、図5(b)に示すように、ハウジング62の延在部62a,62bをハウジング70の突出部72,73に嵌合させる(ハウジングの仮嵌合)。ここで、ハウジング70は、基板30とともに、基板30の平面方向に変位することから、ハウジング62をハウジング70に嵌合するときに、これらの位置関係を調整することができる。このとき、雄端子80の前突出部80aは、ハウジング70の凹部71の内部に挿入されていない(図4(b)及び図5(b)参照)。
【0030】
そして、図4(c)及び図5(c)に示すように、ハウジング62とハウジング70とを完全嵌合させるとともに、フロントケース50の開口52をリアケース60のリア部61で塞ぐ。雄端子80の前突出部80aは、1対の雌端子90の間に挿入され、ハウジング62とハウジング70との嵌合方向に、1対の雌端子90の頂点部91a,92aに摺動しながら接触する。そして、リア部61をフロントケース50にネジにより固定する。
【0031】
その後、外部のコネクタをリアケース60のハウジング63に嵌合させる。これにより、外部のコネクタと雄端子80の後突出部80bとが電気的に接続される。その結果、撮像素子と外部のコネクタとが電気的に接続される。
【0032】
以上に述べたように、本実施の形態の撮像装置によると以下の効果を奏する。ハウジング62とハウジング70との嵌合動作時に、それらの嵌合方向に前突出部80aが頂点部91a,92aに摺動することにより、ハウジング62にハウジング70と反対側に向かう力が作用しにくい。これにより、リアケース60がフロントケース50から外れにくい構成にすることができる。
【0033】
また、雄端子80の前突出部80aと、雌端子90の頂点部91a,92aとが摺動接触することにより、前突出部80a及び頂点部91a,92aに存在する塵埃や酸化膜等が擦りとられるため、雄端子80と雌端子90との接続不良を防止できる。
【0034】
さらに、フロントケース50の内部において、基板30とハウジング70とが、フロントケース50に対して基板30の平面方向に変位するため、ハウジング62とハウジング70とを嵌合する時にこれらの位置関係を調整することができる。
【0035】
加えて、ハウジング62の延在部62a,62bが、雄端子80の突出方向について雄端子80の先端よりもハウジング70の底部から遠くまで延在していることから、ハウジング62とハウジング70との嵌合動作開始時にハウジングの延在部62a,62bとハウジング70の突出部72,73とが嵌合し、その後、雄端子80をハウジング70の凹部71に正規な方向に挿入できる。これにより、雄端子80の折れ、曲がり及び破損等を防止できる。
【0036】
また、基板20を基板30とは別に動かすことができるため、撮像素子の光軸と保護部材40の光軸とを一致させやすい。したがって、設計の自由度を高めることができる。
【0037】
さらに、1対の雌端子90の間に雄端子80が挿入され、雄端子80がその突出方向(基板30の平面に対して垂直な方向)に雌端子90に摺動しながら接触するように構成されていることから、基板30の平面方向に雄端子80及び雌端子90の配置スペースを確保できる。これにより、雄端子80及び雌端子90の配置パターンの自由度を高めることができる。
【0038】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の撮像装置は、第1実施形態では基板20に撮像素子が実装されているとともにレンズ部材21が取り付けら、基板30に雌端子90が実装されているのに対して、第2実施形態では1つの基板220に撮像素子及び雌端子90が実装されているとともにレンズ部材21が取り付けられている点において、第1実施形態に係る撮像装置と異なっている。なお、その他の構成は、上記第1実施形態と同様であるため、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。
【0039】
(撮像装置の全体構成)
図7,8に示すように、撮像装置200は、カメラケース210と、カメラケース210の内部に収容される基板220とを備えている。カメラケース210は、図8に示す保護部材240が取り付けられた箱状のフロントケース(第1ケース)250と、リアケース60とを有する。図7に示すように、フロントケース250の内側面には、4つの段部(支持部)が設けられている(図7に示す段部253,254参照)。4つ段部は、フロントケース250の内側面の各辺に略全体に亘って設けられている。
【0040】
[基板]
図7,8に示すように、基板(第1基板)220には、保護部材240に対向する面に、CCD又はCMOS等の撮像素子が実装されているとともに、レンズ部材21が取り付けられている。また、基板220には、基板220をフロントケース250に収容したときの開口252を向いた面に、ハウジング70が固定されているとともに、雌端子90が実装されている(図9(a)参照)。
【0041】
(撮像装置を組み立てる工程)
図9(a)に示すように、撮像素子の光軸と保護部材240の光軸とが一致するように、基板220をフロントケース250の内部に収容する。ここで、基板220を、フロントケース250の内側面に設けられた段部253,255に接するように配置する。基板220は、段部253,254,255に支持されながら、基板220の平面方向に変位可能となっている。
【0042】
次に、図9(b)に示すように、ハウジング62をハウジング70に仮嵌合させる。このとき、ハウジング70は、基板220とともに、基板220の平面方向に変位するため、ハウジング62とハウジング70との位置関係を調整することができる。
【0043】
そして、図9(c)に示すように、ハウジング62とハウジング70とを完全嵌合させるとともに、フロントケース250の開口252をリアケース60のリア部61で塞ぐ。
【0044】
以上に述べたように、本実施形態の撮像装置200によると、第1実施形態の撮像装置100と同様に、リアケース60がフロントケース250から外れにくい構成にすることができる。
【0045】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。
【0046】
例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、リアケース60のリア部61に雄端子80が挿設され、基板30,220に雌端子90が実装されている場合について説明したが、リアケースに雌端子が設けられ、基板に雄端子が実装されてもよい。また、雄端子及び雌端子の形状や構成は変更可能である。
【0047】
さらに、第1実施形態及び第2実施形態では、フロントケース50,250とリアケース60とがシール部材等を介して当接される場合について説明したが、フロントケースとリアケースとの間にシール部材が設けられていなくてもよい。
【0048】
そして、第1実施形態及び第2実施形態では、フロントケース50,250の内側面に形成された段部53,54,55,56,253,254,255が、フロントケース50,250の内側面の各辺に略全体に亘って設けられている場合について説明したが、段部の構成(形状、大きさ等)は変更可能である。例えば、段部は、フロントケースの内側面から突出した凸形状のリブであってもよい。
【0049】
また、第1実施形態では、フロントケース50の内側面の全ての辺に段部53,54,55が形成されている場合について説明したが、段部は内側面の全ての辺に設けられていなくてもよい。
【0050】
さらに、第1実施形態及び第2実施形態では、ハウジング70がリアケース60に向けて凸型に突出し、ハウジング62が凹形状に形成されている場合について説明したが、ハウジングの形状は上述した形状に限られない。
【0051】
そして、第1実施形態及び第2実施形態では、レンズ部材21が基板20,220(撮像素子が実装された基板)に取り付けられている場合について説明したが、レンズ部材21はフロントケース50,250に取り付けられてもよい。例えば、フロントケース50,250の開口51に、保護部材40の代わりにレンズ部材21が配置されてもよい。また、上述の実施形態において、2つのレンズ部材を用い、一方のレンズ部材を基板20,220に取り付け、他方のレンズ部材をフロントケース50,250に取り付けてもよい。この場合、フロントケース50,250の開口51に、レンズ部材だけを配置してもよく、保護部材が取り付けられたレンズ部材を配置してもよい。また、フロントケース50,250の開口51に保護部材40を配置し、レンズ部材をフロントケース50,250の内部に配置されるようにフロントケース50,250に取り付けてもよい。
【0052】
また、第1実施形態及び第2実施形態では、図2,3,8等において6極のコネクタを用いた場合を図示したが、コネクタの極数は変更可能である。
【0053】
さらに、第1実施形態及び第2実施形態において、ハウジング70を基板30,220に対して固定するときに、補強タブなどを用いてもよい。
【0054】
そして、第1実施形態及び第2実施形態では、保護部材40(240)と、保護部材40(240)が取り付けられたフロントケース50(250)とが別部材である場合について説明したが、保護部材とフロントケースとが別部材でなくてもよい。例えば、フロントケースの一部が透明な部材(保護部材)で形成されていてもよい。また、保護部材とフロントケースとがインサート成形により一体となっていてもよい。
【0055】
また、レンズ部材及び保護部材は、第1実施形態及び第2実施形態に示す構成(形状や材料等)に限られず、変更可能なものである。
【符号の説明】
【0056】
20 基板(第2基板)
21 レンズ部材
30,220 基板(第1基板)
40,240 保護部材
50,250 フロントケース(第1ケース)
51,52,252 開口
53,54,55,56,253,254,255 段部(支持部)
60 リアケース(第2ケース)
61 リア部(底部)
62 ハウジング(嵌合部)
62A,62B 側壁部
62a,62b 延在部
70 ハウジング(収容部)
80 雄端子(第2端子)
80a 前突出部
90 雌端子(第1端子)
100,200 撮像装置
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9