【文献】
NTT DOCOMO,Views on UL RS for UL CoMP,3GPP TSG-RAN WG1#68bis,3GPP,2012年 3月30日,R1-121473
【文献】
3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical Channels and Modulation (Release 10),3GPP TS 36.211,3GPP,2011年12月,V10.4.0,p.27-31
【文献】
Samsung, Huawei, HiSilicon, Intel, Ericsson, ST-Ericsson, Sharp, Nokia,WF on PUSCH DMRS Signaling,3GPP TSG-RAN WG1#68bis,3GPP,2012年 3月30日,R1-121865
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
無線基地局装置と、前記無線基地局装置と通信可能に構成された移動端末装置と、を備え、キャリアアグリゲーションにより、複数のコンポーネントキャリアで構成されるシステム帯域をサポートする無線通信システムであって、
前記無線基地局装置は、上りリンクの復調用参照信号系列を移動端末装置毎及びコンポーネントキャリア毎に割り当てる割当部、及び前記復調用参照信号系列の割り当て情報を通知する通知部を有し、
前記移動端末装置は、前記無線基地局装置から通知された割り当て情報を用いて復調用参照信号系列を生成する生成部を有し、
前記通知部は、複数の復調用参照信号系列候補を前記移動端末装置に通知し、前記複数の復調用参照信号系列候補の一つがセルIDベースの系列の復調用参照信号系列であることを特徴とする無線通信システム。
前記移動端末装置は、前記無線基地局装置からシグナリングされるインデックスより前記復調用参照信号系列の生成に使用される系列番号qを導出することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
前記無線基地局装置は、ハイヤレイヤシグナリング及び下位レイヤシグナリングで前記割り当て情報を前記移動端末装置に通知することを特徴とする請求項1記載の無線通信システム。
前記割り当て情報の下位レイヤの通知が物理下り制御チャネルの下り制御情報及び/拡張物理下り制御チャネルの下り制御情報を用いて行われることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項4記載の無線通信システム。
複数のコンポーネントキャリアで構成されるキャリアアグリゲーション環境において、複数のコンポーネントキャリアでグループ化されたグループ毎に前記割り当て情報が通知されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の無線通信システム。
無線基地局装置と、前記無線基地局装置と通信可能に構成された移動端末装置と、を備え、キャリアアグリゲーションにより、複数のコンポーネントキャリアで構成されるシステム帯域をサポートする無線通信システムの無線基地局装置であって、
上りリンクの復調用参照信号系列を移動端末装置毎及びコンポーネントキャリア毎に割り当てる割当部と、前記復調用参照信号系列の割り当て情報を通知する通知部と、
を具備し、
前記通知部は、複数の復調用参照信号系列候補を前記移動端末装置に通知し、前記複数の復調用参照信号系列候補の一つがセルIDベースの復調用参照信号系列であることを特徴とする無線基地局装置。
無線基地局装置と、前記無線基地局装置と通信可能に構成された移動端末装置と、を備え、キャリアアグリゲーションにより、複数のコンポーネントキャリアで構成されるシステム帯域をサポートする無線通信システムの移動端末装置であって、
前記無線基地局装置から通知された、移動端末装置毎及びコンポーネントキャリア毎に割り当てられた割り当て情報を受信する受信部と、
前記割り当て情報を用いて復調用参照信号系列を生成する生成部と、を有し、
前記受信部は、複数の復調用参照信号系列候補を前記無線基地局装置から受信し、前記複数の復調用参照信号系列候補の一つがセルIDベースの復調用参照信号系列であることを特徴とする移動端末装置。
無線基地局装置と、前記無線基地局装置と通信可能に構成された移動端末装置と、を備え、キャリアアグリゲーションにより、複数のコンポーネントキャリアで構成されるシステム帯域をサポートする無線通信システムの無線通信方法であって、
前記無線基地局装置において、上りリンクの復調用参照信号系列を移動端末装置毎及びコンポーネントキャリア毎に割り当てるステップと、前記復調用参照信号系列の割り当て情報を通知するステップと、
前記移動端末装置において、前記無線基地局装置から通知された割り当て情報を用いて復調用参照信号系列を生成するステップと、を有し、
前記無線基地局は、複数の復調用参照信号系列候補を前記移動端末装置に通知し、前記複数の復調用参照信号系列候補の一つがセルIDベースの復調用参照信号系列であることを特徴とする無線通信方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、LTEの後継のシステムをLTE−Aと称して説明するが、これに名称が限定されるものではなく、例えば、IMT−A、4Gと称してもよい。
【0016】
図1は、下りリンクで無線通信が行われる際の周波数使用状態を説明するための図である。
図1に示す例は、複数の基本周波数ブロック(CC)で構成される相対的に広い第1システム帯域を持つ第1の通信システムであるLTE−Aシステムと、相対的に狭い(ここでは、一つのコンポーネントキャリアで構成される)第2システム帯域を持つ第2の通信システムであるLTEシステムが併存する場合の周波数使用状態である。LTE−Aシステムにおいては、例えば、100MHz以下の可変のシステム帯域幅で無線通信し、LTEシステムにおいては、20MHz以下の可変のシステム帯域幅で無線通信する。LTE−Aシステムのシステム帯域は、LTEシステムのシステム帯域を一単位とする少なくとも一つの基本周波数ブロックとなっている。このように複数の基本周波数ブロックを一体として広帯域化することをキャリアアグリゲーションという。
【0017】
例えば、
図1においては、LTE−Aシステムのシステム帯域は、LTEシステムのシステム帯域(ベース帯域:20MHz)を一つのコンポーネントキャリアとする5つのコンポーネントキャリアの帯域を含むシステム帯域(20MHz×5=100MHz)となっている。
図1においては、移動端末装置UE(User Equipment)#1は、LTE−Aシステム対応(LTEシステムにも対応)の移動端末装置であり、100MHzのシステム帯域を持ち、UE#2は、LTE−Aシステム対応(LTEシステムにも対応)の移動端末装置であり、40MHz(20MHz×2=40MHz)のシステム帯域を持ち、UE#3は、LTEシステム対応(LTE−Aシステムには対応せず)の移動端末装置であり、20MHz(ベース帯域)のシステム帯域を持つ。
【0018】
LTE−Aでは、HetNetとキャリアアグリゲーションを組み合わせることにより、周波数リソースの有効利用を実現することが可能である。例えば、
図2に示すように、マクロセル(大規模セル)に低送信電力RREセル(ピコセル)がオーバレイした構成において、マクロセルのコンポーネントキャリア(Pセル)とピコセルのコンポーネントキャリア(Sセル)とをキャリアアグリゲーションするシナリオが考えられる。
図2において、マクロセルの無線基地局装置(eNB)は、ピコセルの無線基地局装置と光ファイバで接続されている。このようなシステムにおいては、例えば、Pセルで制御チャネル信号を送信し、Sセルでデータを送信する。これにより、周波数リソースの有効利用を実現することができる。
【0019】
一方、PUSCH信号やPUCCH信号の復調時のチャネル推定に用いるDM−RSには、下記式(1)に示すZadoff−Chu(ZC)規範の系列を使用している。LTE及びLTE−Aにおいては、近接するセル間に対して異なるZC系列を適用して、DM−RSのセル間でランダマイズしている。
【数1】
【0020】
上記式(1)において、系列長Nと系列番号qが互いに素であれば、相互相関値は1/√Nとなる。これは、系列長Nが素数の場合、(N−1)個の系列を生成することができることを意味する。また、ZC系列は、完全自己相関特性(任意のZC系列に対して、巡回シフト(Cyclic Shift)した系列との相関は0となる)を有する。
【0021】
Rel.8〜Rel.10LTEにおいては、RB(12サブキャリア)単位の処理を行うため、求められるZC系列長は12nとなる。12nは素数でないため、生成できるランダム化系列数が少なく、十分なランダム化系列数が得られない。このため、求められるZC系列長を超えない最大素数の長さのZC系列に対し,前方のデータを後方にコピーする巡回拡張(Cyclic extension)を適用することによりDM−RS系列を生成している。このようにすることにより、系列数を多くすることができる。なお、ZC系列は、下記式(2)に示す式により生成される(ZC系列長(3RB)以上の場合)。また、ランダム化系列数は、参照信号長を超えない素数の長さのZC系列に対応するランダム化系列の数である。
【数2】
式(2)において、uはグループ番号であり、vはベース系列番号であり、qは系列番号である。
【0022】
一方で、Rel.8〜Rel.10LTEにおいては、システムを簡単にするために、DM−RSに使用する系列数は、RB数に応じて30個又は60個に設定している。1RB〜5RBの帯域幅ではDM−RSのランダム化系列数を30個に設定し、6RB〜8RBの帯域幅はDM−RSのランダム化系列数を60個に設定している。
【0023】
この場合において、1RB〜2RBの帯域幅では、上述した巡回拡張を行ってもランダム化系列数が30個にならないので、計算機で算出した30個のランダム化系列を用いる。3RB〜5RBの帯域幅では、上記式(2)を用いて生成したZC系列を巡回拡張して生成したDM−RS系列のうち30個のDM−RS系列を使用する。6RB以上の帯域幅では、上記式(2)を用いて生成したZC系列を巡回拡張して生成したDM−RS系列のうち60個のDM−RS系列を使用する。DM−RSは、DM−RS系列を使用して下記式(3)により生成される。
【数3】
式(3)において、uはグループ番号であり、vはベース系列番号であり、qは系列番号であり、αは巡回シフト番号である。
【0024】
30個のDM−RS系列には、式(2)、(3)中に示されているように、グループ番号(u=0〜29)(インデックス)が付与され、60個のDM−RS系列には、グループ番号(u=0〜29)及びベース系列番号(v=0,1)(インデックス)が付与されることにより識別することが可能となっている。なお、Rel.10LTEにおいては、後述するグループホッピングを行う場合においては、ベース系列番号は”0”で固定である。これらのグループ番号及びベース系列番号は、それぞれセルIDより算出できるようになっている。また、系列番号qは、グループ番号u及びベース系列番号vから算出できるようになっている。また、式(3)中の巡回シフトの情報はL1/L2シグナリングで無線基地局装置から移動端末装置に通知される。
【0025】
Rel.8〜Rel.10LTEにおいては、60個のDM−RS系列を用意でき、グループ番号及びベース系列番号で個々に識別して使用することが可能であるが、後述するグループホッピングを行う場合においては、ベース系列番号0のみを使用して30個のDM−RS系列のみを使用するようになっている。
【0026】
このようなDM−RS系列を割り当てる場合において、例えば、近接するセルで同じDM−RS系列(グループ番号及びベース系列番号)を割り当てると、移動端末装置でDM−RSが衝突してしまい、DM−RSの他セル干渉が大きくなり、チャネル推定精度が低下して復調性能が劣化してしまうことが考えられる。
【0027】
そこで、Rel.8〜Rel.10LTEにおいては、DM−RS系列を生成する際に使用するグループ番号をスロット単位でホッピングして近接するセル間でDM−RSの衝突確率を低減させている(グループホッピング)。このホッピングのパターンはゴールド系列を用いており、その系列数は17である。
【0028】
具体的には、
図3に示すように、セルID#0〜#29のパターンを1つのランダム系列(ゴールド系列)から生成し、セルID#30〜#59のパターンを1つのランダム系列から生成し、セルID#60〜#89のパターンを1つのランダム系列から生成し、…、セルID#480〜#509のパターンを1つのランダム系列から生成する。各パターンにおける各スロットでのグループ番号については巡回シフトされている。例えば、
図3におけるセルID#0とセルID#1では1シフトされており、セルID#0とセルID#29では29シフトされている。また、セルID#30とセルID#31では1シフトされている。
【0029】
このように、グループホッピングを用いることにより、近接するセル間でDM−RSの衝突確率を低減させることができる。この場合、ランダム系列(ゴールド系列)数は17個であり、グループ番号が0〜29で30個であるので、合計510個のDM−RS系列を確保することができ、Rel.10LTEにおいては、そのうちの504セル分のDM−RS系列を使用している。なお、グループホッピングの適用やホッピング方法などについては、ハイヤレイヤシグナリング(例えば、報知情報)で無線基地局装置から移動端末装置に通知する。
【0030】
上述したRel.10LTEにおけるDM−RS系列のパラメータのシグナリングは、セル単位でのシグナリングであり、上述のキャリアアグリゲーションやHetNetのような複雑なセル構成ではDM−RSのリソース割り当ての自由度が低かった。特に、コンポーネントキャリア毎に接続セルが異なる場合に、DM−RSの直交化をユーザ毎、コンポーネントキャリア毎に行うことにより、より精度の高い干渉回避が可能となる。そこで、本発明者らは、上述のキャリアアグリゲーションやHetNetのような複雑なセル構成を有するシステムにおいて、DM−RSのリソース割り当ての自由度を向上させるためのDM−RS系列のパラメータのシグナリングを見出して本発明をするに至った。
【0031】
すなわち、本発明の骨子は、無線基地局装置において、上りリンクのDM−RS系列を移動端末装置毎及びコンポーネントキャリア毎に割り当て、DM−RS系列の割り当て情報を通知し、移動端末装置において、無線基地局装置から通知された割り当て情報を用いてDM−RS系列を生成することにより、DM−RSのリソース割り当ての自由度を向上させるためのDM−RS系列のパラメータのシグナリングを実現することである。
【0032】
本発明においては、上りリンクのDM−RS系列を移動端末装置毎及びコンポーネントキャリア毎に割り当て、DM−RS系列の割り当て情報を無線基地局装置から移動端末装置に通知する(シグナリングする)。例えば、複数のコンポーネントキャリア(セル)で構成される周波数帯域を持つシステムで、移動端末装置UE毎及びコンポーネントキャリア毎に割り当てられたDM−RS系列の生成に必要なパラメータをシグナリングする。例えば、
図2に示すシステム構成においては、無線基地局装置eNBは、移動端末装置UEのPセルに一つのDM−RS系列を割り当て、移動端末装置UEのSセルに別のDM−RS系列を割り当てる。そして、無線基地局装置は、この割り当て情報を移動端末装置UEにシグナリングする。この方法としては、以下の方法が挙げられる。
【0033】
ここで、割り当て情報とは、DM−RS系列を生成するために必要な情報であって、DM−RS系列を割り当てる際に用いられる情報をいう。割り当て情報としては、例えば、後述するようにDM−RS系列の生成式で用いられるパラメータ、DM−RS系列を導出するために必要となるインデックス、前記インデックスに関連するパラメータなどが挙げられる。
【0034】
(第1の方法)
第1の方法においては、DM−RS系列の生成に使用される系列番号q(上記式(2)のZC系列生成式における系列番号q)を直接シグナリングする(通知する)。
Rel.10LTEでは、上記式(2)のZC系列生成式(DM−RS生成式)のグループ番号u及びベース系列番号vをシグナリングしていた。また、系列番号qは、シグナリングされたグループ番号u及びベース系列番号vより移動端末装置において求められる。このグループ番号u及びベース系列番号vは、いずれもセルIDより求められる値である。このため、Rel.10LTEでは、ZC系列のシグナリングはセル単位のシグナリングであった。
【0035】
しかしながら、上述したように、複雑なセル構成を考慮して、DM−RS系列の割り当ての自由度を向上させるためには、セル単位ではなく、UE単位でのシグナリングが必要になる。式(2)のZC系列生成式の系列番号qは、グループ番号u及びベース系列番号vから求められるので、必然的に系列番号qもセルIDに括りつけられたパラメータである。
【0036】
そこで、第1の方法では、系列番号qを直接無線基地局装置から移動端末装置にシグナリングすることにより、系列番号qをUE単位のパラメータとして用いる。これにより、UE単位のシグナリングを行うことができ、DM−RSのリソース割り当ての自由度を向上させることが可能となる。
【0037】
第1の方法においては、上記インデックスを用いてインプリシットに複数の系列番号候補を予め導出しておき、そのうちのどの系列番号候補を用いるかを下位レイヤでシグナリングしても良い。すなわち、複数の系列番号候補を下位レイヤのシグナリングでダイナミックに切り替える。例えば、HetNet環境において、近接するマクロセル及びピコセルに用いられるセルIDやV
cellIDを基に複数の系列番号候補を導出しておくことにより、シグナリングのオーバーヘッドを低減させることが可能となる。なお、上記インデックスからインプリシットに系列番号qを導出する方法は後述する。
【0038】
系列番号qのシグナリングとしては、報知チャネルやRRCシグナリングなどのハイヤレイヤシグナリングを用いても良く、下位レイヤのシグナリングを用いても良い。なお、下位レイヤのシグナリングでは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)の(DCI:Downlink Control Information)を用いて通知しても良く、拡張PDCCH(e−PDCCH)のDCIを用いて通知しても良く、両方を用いて通知しても良い。
【0039】
(第2の方法)
第2の方法では、無線基地局装置から移動端末装置に対してハイヤレイヤシグナリングされるインデックス、例えばセルID、バーチャルセルID(V
cellID)、UEID、バーチャルUEID(V
UEID)からインプリシットに系列番号qを移動端末装置で導出する方法である。
【0040】
セルIDの場合
この場合においては、例えば、Rel.10LTEと同一のシグナリング方法を用いる。具体的には、下記式(4)〜式(8)によりグループ番号u及びベース系列番号vの導出し、導出されたグループ番号u及びベース系列番号vを用いて系列番号qを導出する。
【数4】
【数5】
【数6】
【数7】
【数8】
【0041】
V
cellIDの場合
この場合においては、例えば、上記式(6)のセルID番号N
IDcellの代わりにV
cellID番号を用い、上記式(5)及び式(8)におけるcをV
cellIDに関連づけられたものとし、上記式(7)におけるΔ
SSをV
cellIDに関連づけられたものとしてグループ番号u及びベース系列番号vを導出し、導出されたグループ番号u及びベース系列番号vを用いて系列番号qを導出する。この方法は、Rel.10LTEのスキームとの互換性が良いので実現的な方法である。
【0042】
UEIDの場合
この場合においては、例えば、上記式(6)のセルID番号N
IDcellの代わりにUEID番号を用い、上記式(5)及び式(8)におけるcをUEIDに関連づけられたものとし、上記式(7)におけるΔ
SSをUEIDに関連づけられたものとしてグループ番号u及びベース系列番号vを導出し、導出されたグループ番号u及びベース系列番号vを用いて系列番号qを導出する。あるいは、この場合においては、システム上確保できるDM−RS系列の最大数をXとした場合に、UEIDとXとの間で剰余演算を行って系列番号qを導出しても良い(UEID%X)。
【0043】
V
UEIDの場合
この場合においては、例えば、上記式(6)のセルID番号N
IDcellの代わりにV
UEID番号を用い、上記式(5)及び式(8)におけるcをV
UEIDに関連づけられたものとし、上記式(7)におけるΔ
SSをV
UEIDに関連づけられたものとしてグループ番号u及びベース系列番号vを導出し、導出されたグループ番号u及びベース系列番号vを用いて系列番号qを導出する。あるいは、この場合においては、システム上確保できるDM−RS系列の最大数をXとした場合に、V
UEIDとXとの間で剰余演算を行って系列番号qを導出しても良い(V
UEID%X)。
【0044】
UEIDやV
UEIDを用いる方法は、セル内ユーザ間で異なるDM−RS系列を用いて簡易にランダマイズ化を図る際に特に有効である。
【0045】
(第3の方法)
第3の方法は、ハイヤレイヤ及び下位レイヤのシグナリングを組み合わせる方法である。すなわち、この方法は、ハイヤレイヤシグナリング及び下位レイヤシグナリングでDM−RS系列の割り当て情報を移動端末装置に通知する方法である。例えば、下位レイヤで通知するビットとDM−RS系列(例えば、N個)とを対応づけた情報(例えば、テーブル)をハイヤレイヤシグナリングで通知し、DM−RS系列を示すビットを下位レイヤ(PDCCHのDCI)でダイナミックにシグナリングする。具体的には、第3の方法としては、以下の3つの方法が挙げられる。
【0046】
(3−1)
この方法は、
図2に示すようなキャリアアグリゲーション環境において、Pセルのハイヤレイヤシグナリングで、コンポーネントキャリア毎に複数(例えば、N個)のDM−RS系列候補を移動端末装置に通知し、下位レイヤのシグナリングで、コンポーネントキャリア毎にDM−RS系列候補のうちの1つを選択する方法である。コンポーネントキャリア毎に通知を行うことにより、より精度の高いシグナリングの実現又はNを低減する効果が見込まれる。
【0047】
(3−2)
この方法は、
図2に示すようなキャリアアグリゲーション環境において、Pセルのハイヤレイヤシグナリングで、全コンポーネントキャリア共通の複数(例えば、N個)のDM−RS系列候補を移動端末装置に通知し、下位レイヤのシグナリングで、コンポーネントキャリア毎にDM−RS系列候補のうちの1つを選択する方法である。この方法では、コンポーネントキャリア間で共通の特徴(例えば隣接セル)などを重複してシグナリングする手続きが不要となり、シグナリングオーバヘッドの低減に有効であると考えられる。
【0048】
(3−3)
この方法は、ハイヤレイヤシグナリングで通知されるN個のDM−RS候補のうち、1つはRel.10LTE仕様に従う旨の情報とする方法である。具体的には、
図4に示すように、ビット”00”にRel.10仕様に対応させ、その他のビット”01”,”10”,”11”には各DM−RS系列候補(候補1〜候補3)を対応させる。なお、
図4に示すテーブルは一例であり、これに限定されない。この方法では、Rel.10LTE仕様と同一の制御を実現することにより、システム運用の簡単化が期待できる。
【0049】
また、この方法において、ハイヤレイヤシグナリングで通知されるN個のDM−RS候補のうち、1つをデフォルト値とし、その他のN−1個に関して、デフォルト値からの相対関係で表すように設定しておき、その相対関係を下位レイヤでシグナリングする。相対関係としては、例えば、デフォルト値との差分値などが挙げられる。このようにすることで、シグナリングのオーバーヘッドを低減することができる。
【0050】
第3の方法においては、ハイヤレイヤシグナリングについて、セル内の移動端末装置間で共通にすることによりシグナリングのオーバーヘッドを削減することができ、セル内の移動端末装置間で独立にすることによりシグナリングの自由度を高めることができる。
【0051】
上記第1の方法〜第3の方法については、複数のコンポーネントキャリアで構成されるキャリアアグリゲーション環境において、1つのコンポーネントキャリア(セル)毎にシグナリングしても良く、複数のコンポーネントキャリア(セル)をグループ化してグループ毎にシグナリングしても良い。後者の場合の例としては、Pセル、Sセルを個別のグループとして設定しても良く、周波数バンド毎にグループとして設定しても良い。また、このグループ化については、ハイヤレイヤシグナリング又は下位レイヤシグナリングのいずれかで行っても良く、両方で行っても良い。
【0052】
以下、本発明の一実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。
図5は、本発明の一実施の形態に係る無線通信システムを示す概略図である。
【0053】
無線通信システム1は、例えば、LTE−Aが適用されるシステムである。無線通信システム1は、無線基地局装置20と、無線基地局装置20と通信する複数の移動端末装置10とを備える。無線基地局装置20は、上位局、例えば、上位局装置30と接続され、上位局装置30は、コアネットワーク40と接続される。移動端末装置10は、セル50において無線基地局装置20とEvolved UTRA and UTRANにより通信を行っている。なお、上位局装置30は、MME/SGW(Mobility Management Entity/Serving Gateway)と呼ばれてもよい。
【0054】
各移動端末装置10は、同一の構成、機能、状態を有する。説明の便宜上、無線基地局装置20と無線通信するのは移動端末装置10であるが、より一般的には移動端末も固定端末も含むユーザ装置(UE:User Equipment)でよい。
【0055】
無線通信システム1では、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)に基づく無線アクセスが適用される。ここで、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)は、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータを載せて伝送を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)は、システム帯域を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。
【0056】
ここで、Evolved UTRA and UTRANにおける通信チャネルについて説明する。下りリンクについては、各移動端末装置10で共有されるPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)と、下りリンクの制御チャネルであるPDCCH(下りL1/L2制御チャネルともいう)とが用いられる。上記PDSCHにより、ユーザデータ、すなわち、通常のデータ信号が伝送される。また、PDSCHにより、上りリンクMIMO伝送のためのプリコーディング情報、PDSCHを用いて通信を行うユーザIDや、そのユーザデータのトランスポートフォーマットの情報(すなわち、Downlink Scheduling Information)、並びに、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)を用いて通信を行うユーザIDや、そのユーザデータのトランスポートフォーマットの情報(すなわち、Uplink Scheduling Grant)などがフィードバックされる。
【0057】
また、下りリンクにおいては、P−BCH(Physical-Broadcast Channel)やD−BCH(Dynamic Broadcast Channel)等の報知チャネルが送信される。P−BCHにより伝送される情報は、MIB(Master Information Block)であり、D−BCHにより伝送される情報は、SIB(System Information Block)である。D−BCHは、PDSCHにマッピングされて、無線基地局装置20より移動端末装置10に伝送される。
【0058】
上りリンクについては、各移動端末装置10で共有して使用されるPUSCHと、上りリンクの制御チャネルであるPUCCH(Physical Uplink Control Channel)とが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータ、すなわち、通常のデータ信号が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクMIMO伝送のためのプリコーディング情報、下りリンクの共有チャネルに対する送達確認情報や、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)などが伝送される。
【0059】
また、上りリンクにおいては、初期接続などのためのPRACH(Physical Random Access Channel)が定義されている。移動端末装置10は、PRACHにおいて、ランダムアクセスプリアンブルを無線基地局装置20に送信するものとなっている。
【0060】
次に、
図6を参照しながら、本実施の形態に係る無線基地局装置20の構成について説明する。本実施の形態に係る無線基地局装置20は、
図6に示すように、MIMO伝送のための2つの送受信アンテナ202a,202bと、アンプ部204a、204bと、送受信部206a,206bと、ベースバンド信号処理部208と、呼処理部210と、伝送路インターフェース212とを備えている。
【0061】
下りリンクにより無線基地局装置20から移動端末装置10に送信されるユーザデータは、無線基地局装置20の上位に位置する上位局、例えば、上位局装置30から伝送路インターフェース212を介してベースバンド信号処理部208に入力される。
【0062】
ベースバンド信号処理部208では、PDCPレイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理が行われて、送受信部206a,206bに転送される。また、PDCCHの信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換等の送信処理が行われて、送受信部206a,206bに転送される。
【0063】
また、ベースバンド信号処理部208は、上述した報知チャネルにより、移動端末装置10に対して、当該セルにおける通信のための制御情報をフィードバックする。当該セルにおける通信のための制御情報には、例えば、上りリンク又は下りリンクにおけるシステム帯域幅、移動端末装置10に割り当てたリソースブロック情報、PRACHにおけるランダムアクセスプリアンブルの信号を生成するためのルート系列の識別情報(Root Sequence Index)などが含まれる。
【0064】
送受信部206a,206bでは、ベースバンド信号処理部208からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する周波数変換処理が施され、その後、アンプ部204a,204bで増幅されて送受信アンテナ202a,202bより送信される。なお、送受信部206a,206bは、本発明においてDM−RS系列の割り当て情報を通知する通知部を構成する。
【0065】
一方、上りリンクにより移動端末装置10から無線基地局装置20に送信されるデータについては、送受信アンテナ202a,202bで受信された無線周波数信号がアンプ部204a,204bで増幅され、送受信部206a,206bで周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部208に入力される。
【0066】
ベースバンド信号処理部208では、入力されたベースバンド信号に含まれるユーザデータに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース212を介して上位局装置30に転送される。
【0067】
呼処理部210は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局装置20の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0068】
ここで、
図7を参照し、本実施の形態に係る無線基地局装置20のベースバンド信号処理部208の構成について説明する。
図7は、本実施の形態に係る無線基地局装置20のベースバンド信号処理部208の機能ブロック図である。なお、
図7においては、説明の便宜上、スケジューラ234などの構成を含めている。
【0069】
受信信号に含まれる参照信号(品質測定用参照信号)は、チャネル品質測定部221に入力される。チャネル品質測定部221は、移動端末装置10から受信した参照信号の受信状態に基づいて上りリンクのチャネル品質情報(CQI)を測定する。一方、ベースバンド信号処理部208に入力した受信信号は、受信信号に付加されたサイクリックプレフィックスがCP(Cyclic Prefix)除去部222a,222bで除去された後、高速フーリエ変換部(FFT)224a,224bでフーリエ変換されて周波数領域の情報に変換される。なお、シンボル同期部223a,223bは、受信信号に含まれる参照信号から同期タイミングを推定し、その推定結果をCP除去部222a,222bに通知する。
【0070】
周波数領域の情報に変換された受信信号は、サブキャリアデマッピング部225a,225bにて周波数領域でデマッピングされる。サブキャリアデマッピング部225a,225bは、移動端末装置10でのマッピングに対応してデマッピングする。周波数領域等化部226は、チャネル推定部227から与えられるチャネル推定値に基づいて受信信号を等化する。チャネル推定部227は、受信信号に含まれる参照信号からチャネル状態を推定している。
【0071】
DM−RS系列生成部231は、上りリンクのDM−RS系列(DM−RS)を生成する。DM−RS系列生成部231は、後述する割当部243で割り当てた割り当て情報に基づいてDM−RS系列を生成する。DM−RS系列の生成は、上記式(2)、式(3)を用いる。DM−RS系列生成部231は、生成したDM−RS系列を直交化処理部232に出力する。
【0072】
直交化処理部232は、DM−RSに対して上りリンクの送信の際に施された直交化処理を基に戻す処理を行う。すなわち、直交化処理部232は、DM−RSに施されたCSに対しては逆方向のCSを加え、DM−RSに施されたOCCに対しては逆拡散処理を施す。直交化処理部232は、元に戻されたDM−RSをチャネル推定部227に出力する。
【0073】
逆離散フーリエ変換部(IDFT)228a,228bは、受信信号を逆離散フーリエ変換して、周波数領域の信号を時間領域の信号に戻す。データ復調部229a,229b及びデータ復号部230a,230bは、伝送フォーマット(符号化率、変調方式)に基づいて送信データを再生する。これにより、第1のトランスポートブロックに対応するコードワード#1の送信データ、第2のトランスポートブロックに対応するコードワード#2の送信データが再生される。
【0074】
再生されたコードワード#1、#2の送信データは、再送情報チャネル選択部233に出力される。再送情報チャネル選択部233は、コードワード#1、#2の送信データにおける再送の要否(ACK/NACK)を判定する。そして、コードワード#1、#2の送信データにおける再送の要否に基づいて、NDI情報やRV情報などの再送関連情報を生成する。また、再送情報チャネル選択部231は、再送情報を送信するチャネル(PHICH又はPDCCH(UL grant))を選択する。
【0075】
スケジューラ234は、チャネル品質測定部221から与えられるチャネル品質情報(CQI)と、後述するプリコーディングウェイト・ランク数選択部235から与えられるPMI情報及びRI情報とに基づいて、上下リンクのリソース割り当て情報を決定する。
【0076】
プリコーディングウェイト・ランク数選択部235は、チャネル品質測定部221から与えられるチャネル品質情報(CQI)に基づいて、移動端末装置10に割り当てたリソースブロックでの上りリンクの受信品質から当該移動端末装置10においてアンテナ毎に送信信号の位相及び又は振幅を制御するためのプリコーディングウェイト(PMI)を決定する。また、プリコーディングウェイト・ランク数選択部235は、チャネル品質測定部221から与えられるチャネル品質情報(CQI)に基づいて、上りリンクにおける空間多重のレイヤ数を示すランク数(RI)を決定する。
【0077】
MCS選択部236は、チャネル品質測定部221から与えられるチャネル品質情報(CQI)に基づいて、変調方式・チャネル符号化率(MCS)を選択する。
【0078】
個別ユーザデータ生成部237は、上位局装置30などの上位局装置より入力されるユーザデータから、スケジューラ234から与えられるリソース割り当て情報に従って移動端末装置10毎の個別の下り送信データ(個別ユーザデータ)を生成する。
【0079】
UL grant情報生成部238は、再送情報チャネル選択部233から与えられるACK/NACK情報及び再送関連情報(NDI情報、RV情報)、スケジューラ234から与えられるリソース割り当て情報、プリコーディングウェイト・ランク数選択部233から与えられるPMI及びRI情報、並びに、MCS選択部236から与えられるMCS情報に基づいて、上述したUL grantを含むDCIフォーマットを生成する。
【0080】
PHICH信号生成部239は、再送情報チャネル選択部233から与えられるACK/NACK情報及び再送関連情報(NDI情報、RV情報)に基づいて、移動端末装置10に対してトランスポートブロックを再送すべきか否かを示すためのハイブリッドARQの確認応答を含むPHICH信号を生成する。
【0081】
PDSCH信号生成部240は、個別ユーザデータ生成部237で生成された下り送信データ(個別ユーザデータ)に基づいて、PDSCH(Physical Downlink Shard Channel)で実際に送信する下り送信データを生成する。PDCCH信号生成部241は、UL grant情報生成部238で生成されたてUL grantを含むDCIフォーマットに基づいて、PDCCHに多重するPDCCH信号を生成する。
【0082】
これらのPHICH信号生成部239、PDSCH信号生成部240及びPDCCH信号生成部241で生成されたPHICH信号、PDSCH信号及びPDCCH信号がOFDM変調部242に入力される。OFDM変調部242は、これらのPHICH信号、PDSCH信号及びPDCCH信号を含んだ2系列の信号にOFDM変調処理を施し、送受信部206a,206bへ送出する。
【0083】
割当部243は、DM−RSのリソース割り当てを移動端末装置単位で行う。割当部243は、このように割り当てられたDM−RS系列の情報(第1の方法から第3の方法における各パラメータなど)をDM−RS系列生成部231に出力する。また、割当部243は、DM−RS系列の情報(第1の方法から第3の方法における各パラメータなど)のうち下位レイヤでシグナリングする情報をUL grant情報生成部238に出力する。
【0084】
DM−RS系列の割り当て情報の一部は、移動端末装置10にシグナリングされる。例えば、第1の方法においては、系列番号qがシグナリングされる。また、第2の方法においては、系列番号qの導出に必要なパラメータがシグナリングされる。また、第3の方法においては、DM−RS系列候補がハイヤレイヤシグナリングで通知され、DM−RS系列候補の中から特定するための情報が下位レイヤでシグナリングされる。
【0085】
次に、
図8を参照しながら、本実施の形態に係る移動端末装置10の構成について説明する。本実施の形態に係る移動端末装置10は、
図8に示すように、MIMO伝送のための2つの送受信アンテナ102a,102bと、アンプ部104a,104bと、送受信部106a,106bと、ベースバンド信号処理部108と、アプリケーション部110とを備えている。
【0086】
下りリンクのデータについては、2つの送受信アンテナ102a,102bで受信された無線周波数信号がアンプ部104a,104bで増幅され、送受信部106a,106bで周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部108でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などがなされる。このような下りリンクのデータのうち、下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部110に転送される。アプリケーション部110は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理等を行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報も、アプリケーション部110に転送される。
【0087】
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部110からベースバンド信号処理部108に入力される。ベースバンド信号処理部108では、再送制御(H−ARQ:Hybrid ARQ)の送信処理や、チャネル符号化、プリコーディング、DFT処理、IFFT処理等が行われて送受信部106a,106bに転送される。送受信部106a,106bでは、ベースバンド信号処理部108から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する周波数変換処理が施され、その後、アンプ部104a,104bで増幅されて送受信アンテナ102a,102bより送信される。
【0088】
ここで、
図9を参照し、本実施の形態に係る移動端末装置10のベースバンド信号処理部108の構成について説明する。
図9は、本実施の形態に係る移動端末装置10のベースバンド信号処理部108の機能ブロック図である。
【0089】
送受信部106a,106bから出力される受信信号がOFDM復調部111で復調される。OFDM復調部111で復調された下りリンクの受信信号のうち、PDSCH信号は下りPDSCH復号部112に入力され、PHICH信号は下りPHICH復号部113に入力され、PDCCH信号は下りPDCCH復号部114に入力される。下りPDSCH復号部112は、PDSCH信号を復号し、PDSCH送信データを再生する。下りPHICH復号部113は、下りリンクのPHICH信号を復号する。下りPDCCH復号部114は、PDCCH信号を復号する。PDCCH信号には、本発明に係る通信制御方法で用いられるUL grantを含むDCIフォーマットが含まれる。
【0090】
下りPDCCH復号部114は、UL grantに指定される制御情報を取得する。データ新規送信/再送判定部115は、下りPHICH復号部113により復号されたPHICH信号にハイブリッドARQの確認応答(ACK/NACK)が含まれる場合、そのハイブリッドARQの確認応答(ACK/NACK)に基づいて、新規のデータ送信又は再送を判定する。また、PDCCH信号のUL grantにハイブリッドARQの確認応答(ACK/NACK)が含まれる場合、そのハイブリッドARQの確認応答(ACK/NACK)に基づいて、新規のデータ送信又は再送を判定する。これらの判定結果を新規送信データバッファ部116及び再送データバッファ部117に通知する。
【0091】
新規送信データバッファ部116は、アプリケーション部110から入力された上りリンクの送信データをバッファリングしている。再送データバッファ部117は、新規送信データバッファ部116から出力された送信データをバッファリングする。データ新規送信/再送判定部115から新規のデータ送信である旨の判定結果が通知されると、新規送信データバッファ部116内の送信データから上り送信データが生成される。一方、データ新規送信/再送判定部115からデータ再送である旨の判定結果が通知されると、再送データバッファ部117内の送信データから上り送信データが生成される。
【0092】
生成された上り送信データは、図示しない直並列変換部に入力される。この直並列変換部においては、上り送信データが、上りリンクのランク数に応じてコードワード数分に直並列変換される。なお、コードワード(符号語)とは、チャネル符号化の符号化単位を示しており、その数(コードワード数)は、ランク数及び又は送信アンテナ数により一意に決定される。上り送信データは、データ符号化部118a,118bに入力される。
【0093】
データ符号化部118aでは、上り送信データが符号化される。データ符号化部118aで符号化された上り送信データは、データ変調部119aで変調され、多重部122aに出力される。また、データ符号化部118bでは、上り送信データが符号化される。データ符号化部118bで符号化された上り送信データは、データ変調部119bで変調され、多重部122bに出力される。
【0094】
DM−RS系列生成部120は、上りリンクのDM−RS系列(DM−RS)を生成する。DM−RS系列生成部120は、無線基地局装置から通知されたDM−RS系列の割り当て情報を用いてDM−RS系列を生成する。DM−RS系列の生成は、上記式(2)、式(3)を用いる。DM−RS系列生成部120においては、セル間のランダム化を実現する。
【0095】
このとき、DM−RS系列生成部120においては、第1の方法において、系列番号qが通知される場合には、系列番号qを用いて上記式(2)、式(3)によりDM−RS系列を生成する。また、DM−RS系列生成部120においては、第2の方法において、無線基地局装置からシグナリングされるインデックスを用いて系列番号qを導出しても良い。また、第3の方法においては、無線基地局装置からハイヤレイヤシグナリング及び下位レイヤシグナリングされた情報を用いてDM−RS系列を生成する。DM−RS系列生成部120は、生成したDM−RS系列を直交化処理部121に出力する。
【0096】
直交化処理部121は、DM−RSに対して直交化処理を施す。すなわち、直交化処理部121は、DM−RSに対してCSやOCCを施す。直交化処理部121は、直交化処理を施したDM−RSを多重部122a,122bに出力する。
【0097】
多重部122aは、変調後の送信データとDM−RS系列とを多重し、多重した信号をフーリエ変換部(DFT)123aに出力する。多重部122bは、変調後の上り送信データとDM−RS系列とを多重し、多重した信号をフーリエ変換部(DFT)123bに出力する。
【0098】
フーリエ変換部(DFT)123a,123bは、多重信号をフーリエ変換して時系列の情報を周波数領域の情報に変換する。フーリエ変換部(DFT)123a,123bは、それぞれDFT後の信号をサブキャリアマッピング部124a,124bに出力する。サブキャリアマッピング部124a,124bでは、下りPDCCH復号部114からのスケジューリング情報に基づいて周波数領域でのマッピングを行う。そして、サブキャリアマッピング部124a,124bは、マッピング後の送信データをコードワードレイヤマッピング部125に出力する。
【0099】
コードワードレイヤマッピング部125では、下りPDCCH復号部114からの上りリンクのランク数情報に応じて、サブキャリアマッピング部124a,124bから入力された上り送信データがレイヤ数分に分配される。そして、分配された上り送信データがプリコーディングウェイト乗算部126に入力される。
【0100】
プリコーディングウェイト乗算部126では、下りPDCCH復号部114からの上りリンクのプリコーディング情報に基づいて、送受信アンテナ102a,102b毎に送信信号を位相及び又は振幅シフトする(プリコーディングによる送信アンテナの重み付け)。これにより、無線基地局装置20での受信信号の受信電力を増大でき、スループット特性を改善できる。プリコーディング後、多重部127による多重処理を経て、逆高速フーリエ変換部(IFFT)128a,128bにて送信信号を逆高速フーリエ変換して周波数領域の信号を時間領域の信号に変換する。そして、サイクリックプレフィックス(CP)付与部129a,129bにて送信信号にサイクリックプレフィックスを付与する。ここで、サイクリックプレフィックスは、マルチパス伝搬遅延及び無線基地局装置20における複数ユーザ間の受信タイミングの差を吸収するためのガードインターバルとして機能する。サイクリックプレフィックスが付与された送信信号は、送受信部106a,106bへ送出される。
【0101】
本発明の無線通信方法においては、無線基地局装置20の割当部243で、上りリンクのDM−RS系列を割り当てる。また、無線基地局装置20は、DM−RS系列の割り当て情報を移動端末装置10にシグナリングする。例えば、第1の方法においては、系列番号qをシグナリングする。また、第2の方法においては、系列番号qの導出に必要なパラメータをシグナリングする。また、第3の方法においては、DM−RS系列候補をハイヤレイヤシグナリングで通知し、DM−RS系列候補の中から特定するための情報を下位レイヤでシグナリングする。
【0102】
移動端末装置10のDM−RS系列生成部120においては、上りリンクのDM−RS系列(DM−RS)を生成する。DM−RS系列生成部120は、無線基地局装置から通知されたDM−RS系列の割り当て情報を用いてDM−RS系列を生成する。DM−RS系列の生成は、上記式(2)、式(3)を用いる。このとき、DM−RS系列生成部120においては、第1の方法において、系列番号qが通知される場合には、系列番号qを用いて上記式(2)、式(3)によりDM−RS系列を生成する。また、DM−RS系列生成部120においては、第2の方法において、無線基地局装置からシグナリングされるインデックスを用いて系列番号qを導出する。また、第3の方法においては、無線基地局装置からハイヤレイヤシグナリング及び下位レイヤシグナリングされた情報を用いてDM−RS系列を生成する。
【0103】
このように、本発明においては、上りリンクのDM−RS系列を移動端末装置毎及びコンポーネントキャリア毎に割り当て、DM−RS系列の割り当て情報を通知するので、DM−RSのリソース割り当ての自由度を向上させるためのDM−RS系列のパラメータのシグナリングを実現することができる。本発明は、特に、
図2に示すようなHetNetとキャリアアグリゲーションを組み合わせた複雑なセル構成を有するシステムにおいて有効である。
【0104】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。