特許第6027405号(P6027405)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6027405スライディングノズル用のプレート再生品の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6027405
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】スライディングノズル用のプレート再生品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B22D 41/30 20060101AFI20161107BHJP
   B22D 41/32 20060101ALI20161107BHJP
   B22D 41/36 20060101ALI20161107BHJP
   B22D 11/10 20060101ALI20161107BHJP
   C04B 41/82 20060101ALI20161107BHJP
   C04B 41/89 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   B22D41/30
   B22D41/32
   B22D41/36
   B22D11/10 340D
   C04B41/82 D
   C04B41/89 K
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2012-248410(P2012-248410)
(22)【出願日】2012年11月12日
(65)【公開番号】特開2014-94405(P2014-94405A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2015年6月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220767
【氏名又は名称】東京窯業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098224
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 勘次
(74)【代理人】
【識別番号】100140671
【弁理士】
【氏名又は名称】大矢 正代
(72)【発明者】
【氏名】八反田 浩勝
【審査官】 荒木 英則
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−233685(JP,A)
【文献】 特開平03−180264(JP,A)
【文献】 特開昭58−110472(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 11/00−11/10
B22D 41/00−41/36
C04B 41/80−41/89
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火煉瓦で形成されたプレートのマトリクスに、タール及びピッチの少なくとも一方を含む液体を含浸させることと、
前記液体を含浸させた前記プレートを加熱し、揮発成分を除去することと、
前記液体を含浸させ加熱した後の前記プレートの表面を研磨することと、
研磨した後の前記プレートの片面に板材を貼付することと
前記板材の貼付の前または後に、研磨した後の前記プレートの表面に存する、開口幅及び深さがそれぞれ1mm以下の凹部に、前記プレートをスライディングノズルに取付けて使用する際の加熱に伴う、生成反応及び結晶構造変化の少なくとも一方によって体積が増加する熱膨張性耐火材料として、加熱によってより低密度のスピネルが合成される酸化マグネシウム及び酸化アルミニウムを含有する耐火材料、加熱によってより低密度のチタン酸アルミニウムが合成される酸化チタン及び酸化アルミニウムを含有する耐火材料、並びに、加熱によって結晶構造が変化し、より低密度の結晶相に転移するセラミックス材料を含有する耐火材料、から選ばれる耐火材料を充填すること
を具備する再生処理を、スライディングノズルに使用された後のプレートに施す
ことを特徴とするスライディングノズル用のプレート再生品の製造方法。
【請求項2】
前記再生処理が施された前記プレートを、スライディングノズルに取付けて使用し、その後にスライディングノズルから取外し、再度、前記再生処理を施す
ことを特徴とする請求項1に記載のスライディングノズル用のプレート再生品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製鋼プロセスにおいて溶鋼の排出制御及び流量調整を行うスライディングノズルに使用されたプレートに、耐用期間の延長を図る処理を施すスライディングノズル用のプレート再生品の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スライディングノズルは、製鋼プロセスにおいて取鍋やタンディッシュなどの溶鋼容器から溶鋼を排出する際に、溶鋼の排出制御及び流量調整のために用いられる装置である。一般的なスライディングノズル110は、図8に示すように、それぞれ耐火煉瓦で形成された、固定プレート111及び可動プレート112の二枚のプレートを備えている。固定プレート111は、溶鋼容器の底部90の開口部に嵌め込まれた上ノズル101の底部に固定されている。一方、可動プレート112は、固定プレート111に対してスライドしながら往復動または回転するプレートである。この可動プレート112には、下ノズル102が固定されている。固定プレート111及び可動プレート112にはそれぞれ貫通する孔111h,112hが設けられており、固定プレート111の孔111hは上ノズル101の口101pと、可動プレート112の孔112hは下ノズル102の口102pと位置が一致している。このような構成により、可動プレート112の固定プレート111に対するスライドによって、上ノズル101の口101pと下ノズル102の口102pとが連通または非連通に切り替えられ、溶鋼容器からの溶鋼の排出または排出停止が制御される。また、固定プレート111の孔111hと可動プレート112の孔112hが連通する空間の大きさを変化させることによって、溶鋼の流量調整が行われる。
【0003】
図8では、二枚のプレート(固定プレート111及び可動プレート112)を備えるスライディングノズル110を例示したが、図9に示すように、溶鋼容器の底部90に固定された上ノズル101に固定されている上固定プレート121、下ノズル102が取付けられている動かない下固定プレート122、上固定プレート121と下固定プレート122との間でスライドする可動プレート123の三枚のプレートを備えるスライディングノズル120も、従前より用いられている。
【0004】
上記のようにスライディングノズルに使用されるプレートは、使用に伴う損傷が激しい。例えば、プレートにおいて溶鋼と接触する部分は、流動する溶鋼によって物理的に浸食される。また、溶鋼は極めて高温であるため、熱衝撃によってプレートに亀裂が生じる。亀裂は、プレートのマトリクス内部へ溶鋼が浸入することに起因する構造的スポーリングによっても生じる。更に、プレートを構成する耐火材料の成分が、溶鋼中への溶出やガス化によって失われることにより、マトリクスがポーラスになる。加えて、プレート同士の相対的なスライドにより、接触面が摩耗すると共に、表面の粗さが増大する。
【0005】
このように過酷な環境下で使用されるスライディングノズル用のプレートの耐用期間は短く、頻繁に新品と交換する必要がある。そのため、コストがかかるという問題があった。また、溶鋼漏れなどの重大な事故を回避するために、使用限界より早めに新品に交換されるため、資源の無駄ともなっていた。
【0006】
そこで、本出願人は過去に、使用済みのプレートについて、耐用期間の延長を図る処理を行う再生方法を提案している(特許文献1参照)。この再生方法は、使用済みプレートの耐火物層にタールまたはピッチを含浸させ、その後に加熱することによって、タールまたはピッチから揮発成分を除去するものである。これにより、使用に伴いプレートの耐火物層に生じた亀裂、粗さの増大した表面の凹部、或いは、増加した開気孔に、タールまたはピッチが浸入して、耐火物層が緻密化する。また、タールまたはピッチの粘結作用によって、亀裂の伸展が抑制される。従って、上記の再生方法によれば、使用済みプレートの耐用期間を、延長させることができる。そして、プレート再生品は、新品より低い価格で流通させることが可能である。これにより、スライディングノズルの維持にかかるコストを低減できると共に、資源を有効利用することができる。
【0007】
しかしながら、上記の従来方法では、プレートの使用に伴い発生した亀裂等の凹部が微細な場合は、タールまたはピッチの含浸によって修復できる一方、サイズがある程度大きい凹部は修復することができなかった。そのため、たとえ少数であっても、サイズが大きい凹部が生じてしまった使用済みプレートは、上記方法では再生することができなかった。そこで、サイズの大きな凹部が生じたプレートでも再生可能な、対象となる使用済みプレートの範囲がより広い技術が要請されていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、スライディングノズルに使用されたプレートの損傷を修復して耐用期間を延長することができ、対象となる使用済みプレートの範囲が広い、プレート再生品の製造方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明にかかるスライディングノズル用のプレート再生品の製造方法(以下、単に「製造方法」と称することがある)は、「耐火煉瓦で形成されたプレートのマトリクスに、タール及びピッチの少なくとも一方を含む液体を含浸させることと、前記液体を含浸させた前記プレートを加熱し、揮発成分を除去することと、前記液体を含浸させ加熱した後の前記プレートの表面を研磨することと、研磨した後の前記プレートの片面に板材を貼付することとを具備する再生処理を、スライディングノズルに使用された後のプレートに施す」ものである。
【0010】
「スライディングノズル用のプレート」は、上述のように、固定プレート及び可動プレートの二枚が組み合わされて使用されるプレートであっても、上固定プレート、下固定プレート、及び、これらの間でスライドする可動プレート、の三枚が組み合わされて使用されるプレートであっても良い。また、プレートの相対的なスライド方向も、往復動及び回転の何れであっても良い。すなわち、他のプレートに対する相対的なスライドにより、それぞれの貫通孔を連通または非連通とするプレートであれば、本発明を適用することができる。
【0011】
「耐火煉瓦」としては、高アルミナ質、アルミナ−マグネシア質、マグネシア質、ジルコニア質、アルミナ−カーボン質、マグネシア−カーボン質、アルミナ−マグネシア−カーボン質、アルミナ−スピネル−カーボン質、アルミナ−ジルコニア−カーボン質の耐火煉瓦を例示することができる。
【0012】
ここで、カーボン質の耐火煉瓦は、耐熱衝撃性が大きい、熱膨張率が小さい、化学的浸食に対する耐性に優れる、溶鋼に対する濡れ性が小さい等の長所を有するため、過酷な環境下で使用されるプレートを構成する耐火煉瓦として適している。その反面で、カーボン質であるがゆえに、大気中で加熱されると酸化し易いという短所を有している。加えて、製鋼プロセスでは溶鋼の炭素含有率は極めて低いため、溶鋼との接触によりカーボン質耐火煉瓦から溶鋼中へ炭素が溶出しやすい。すなわち、カーボン質の耐火煉瓦は、酸化反応や溶出によって炭素分が失われ、マトリクスがポーラスとなることが避けにくい。従って、耐火煉瓦のマトリクスにタール及びピッチの少なくとも一方を含む液体を含浸させる本発明は、使用によりマトリクスがポーラスとなることが避けにくい、カーボン質の耐火煉瓦で形成されたプレートの再生品を製造する方法として、特に適している。
【0013】
「タール及びピッチ」としては、無水タール、石炭系ピッチ、石油系ピッチを例示することができる。ここで、石炭系ピッチはその軟化点により、軟ピッチ(軟化点約70℃以下)、中ピッチ(軟化点70〜85℃)、硬ピッチ(軟化点約85℃以上)に分類されるが、その何れであっても使用することができる。また、タール及びピッチの少なくとも一方を含有する液体は、タール及びピッチの少なくとも一方のみを含有するものであっても、タール及びピッチの少なくとも一方が溶媒で希釈されたものであっても良い。なお、常温で固体であるピッチは、軟化点以上に加温され液体となった状態、または、溶媒に溶解された状態で使用される。
【0014】
含浸の後の加熱は、マトリクスに含浸させたタール及び/又はピッチに含まれる揮発成分を除去するために行われるが、揮発成分を完全に除去することまでを要件とするものではない。
【0015】
本製造方法では、使用により損傷を受けたプレートにおいて、ポーラスとなり脆くなったマトリクスの開気孔に、タール及び/又はピッチを浸入させる。その結果、開気孔はタール及び/又はピッチで充填され、マトリクスが緻密化する。加えて、タール及び/又はピッチの粘結作用によって、亀裂の進展や剥離の拡大が防止される。
【0016】
また、タール及び/又はピッチの含浸は、プレートを丸ごと含浸用の液体に浸漬することによって行うことができるため、プレートの損傷を全体的に修復することができる。これにより、溶鋼を流通させる貫通孔の周縁、溶鋼の排出を停止させている間、溶鋼に接触する面、及び、プレート同士の相対的なスライドによって損傷する面を、同時に修復することができる。
【0017】
ここで、亀裂や剥離などによりプレートに生じた凹部が微小な場合は、タール及び/又はピッチの含浸によって充填されるが、凹部の開口幅や深さがある程度大きくなると、タール及び/又はピッチの含浸のみによっては十分に充填されない。これに対し、本発明では、含浸及び加熱後のプレートの表面を研磨する。例えば、プレートの表面から厚さ0.5mm〜1.0mmが除かれるように、研磨する。この研磨に先立って含浸が行われていることにより、使用によりポーラスとなり脆くなっていたプレートのマトリクスが緻密化している。そのため、機械的な研磨が行いやすく、研磨に伴うプレート表面の剥落が抑制されている。
【0018】
研磨によりプレートの表面が平滑化され、含浸によってはタール及び/又はピッチが充填されなかった、サイズの大きな凹部の数が減少する。従って、本製造方法によれば、損傷した使用済みプレートを修復し、耐用期間が長く延長されたプレート再生品を製造することができる。プレート再生品は、新品より低い価格で流通させることが可能である。これにより、スライディングノズルの維持にかかるコストを低減できると共に、資源を有効利用することができる。
【0019】
また、本製造方法では、再生処理において、含浸に加えて研磨を行うことにより、従来では修復できなかった大きな凹部を有する使用済みプレートを再生することが可能であり、対象となる使用済みプレートの範囲が広いものとなる。なお、研磨は、プレートの片面のみを行うものであっても、両面を行うものであっても良い。
【0020】
加えて、本製造方法では、研磨によってプレートが元の厚さより薄くなった分を、板材で調整する。貼付する板材の厚さは、プレートがスライディングノズルに取り付けられて使用される状態で、板材が貼付された研磨後のプレートの厚さが、研磨前のプレートの厚さと等しくなるように設定することが望ましい。このようにすることで、スライディングノズル側で何らかの調整をする必要なく、スライディングノズルにプレート再生品を取付けて使用することができる。なお、板材としては、金属製やセラミックス製の板材を使用可能である。また、板材は、プレートが他のプレートと相対的にスライドする面とは反対側の面に、貼付する。
【0021】
本発明にかかるスライディングノズル用のプレート再生品の製造方法は、上記構成に加え、「前記再生処理は、前記板材の貼付の前または後に、研磨した後の前記プレートの表面に存する、開口幅及び深さがそれぞれ1mm以下の凹部に、前記プレートをスライディングノズルに取付けて使用する際の加熱に伴う、生成反応及び結晶構造変化の少なくとも一方によって体積が増加する熱膨張性耐火材料として、加熱によってより低密度のスピネルが合成される酸化マグネシウム及び酸化アルミニウムを含有する耐火材料、加熱によってより低密度のチタン酸アルミニウムが合成される酸化チタン及び酸化アルミニウムを含有する耐火材料、並びに、加熱によって結晶構造が変化し、より低密度の結晶相に転移するセラミックス材料を含有する耐火材料、から選ばれる耐火材料を充填することを、更に具備する」ものである
【0022】
「加熱に伴う生成反応によって体積が増加する熱膨張性耐火材料」としては、加熱によりセラミックスが合成される原材料であって、原材料より低密度のセラミックスが生成する原材料を含有する耐火材料を、使用することができる。或いは、加熱に伴い酸化が進行して金属酸化物が生成する金属粉末を、含有する耐火材料を使用することができる。
【0023】
「加熱に伴う結晶構造変化によって体積が増加する熱膨張性耐火材料」としては、加熱により結晶構造が変化し、より低密度の結晶相に転移するセラミックス材料を、含有する耐火材料を、使用することができる。
【0024】
本製造方法では、含浸によってはタール及び/又はピッチで十分に充填されず、しかも、研磨によっても除かれなかったサイズの大きな凹部に、熱膨張性耐火材料が充填される。凹部に充填された熱膨張性耐火材料は、プレートが再使用される際の高温環境下で加熱され、熱膨張する。すなわち、一般的なモルタルとは異なり、高温下で熱収縮しない材料で凹部が充填されるため、凹部が充填された状態が長く維持される。従って、本製造方法によれば、耐用期間が長く延長されたプレート再生品を製造することができる。
【0025】
更に、本製造方法は、タール及び/又はピッチでは充填されず、しかも、研磨によっても除かれなかったサイズの大きな凹部を有する、損傷の著しい使用済みプレートであっても再生できるため、対象となる使用済みプレートの範囲が広い。
【0026】
なお、熱膨張性耐火材料を充填する凹部の大きさを「開口幅及び深さが1.0mm以下」としたのは、開口幅及び深さが1.0mmより大きな凹部は、熱膨張性耐火材料による充填が不十分となるおそれがあるからである。
【0027】
本発明にかかるスライディングノズル用のプレート再生品の製造方法は、上記構成に加え、「前記再生処理が施された前記プレートを、スライディングノズルに取付けて使用し、その後にスライディングノズルから取外し、再度、前記再生処理を施す」ものとすることができる。
【0028】
従来では、プレートの再使用はせいぜい一回に留まっていた。これに対し、少なくともタール及び/又はピッチの含浸と、プレート表面の研磨との両方を行う本発明は、使用により損傷したプレートが修復される度合いが高い。これにより、プレート再生品をスライディングノズルに取付けて使用した後、更に再生処理を施してプレート再生品とする、上記構成を採用することができる。
【0029】
従って、本製造方法によれば、一つのプレートの耐用期間がより長いものとなる。その結果、スライディングノズルの稼動のためのコストをより削減でき、資源をより有効に活用することができる。
【発明の効果】
【0030】
以上のように、本発明の効果として、スライディングノズルに使用されたプレートの損傷を修復して耐用期間を延長することができ、対象となる使用済みプレートの範囲が広い、プレート再生品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】第一実施形態の製造方法における再生処理のフローチャートである。
図2】第二実施形態の製造方法における再生処理のフローチャートである。
図3】第三実施形態の製造方法における再生処理のフローチャートである。
図4】第四実施形態の製造方法における再生処理のフローチャートである。
図5】プレート再生品をスライディングノズルに取付けた状態の断面図である。
図6】再生処理を一回行う製造方法のフローチャートである。
図7】再生処理を二回行う製造方法のフローチャートである。
図8】二枚のプレートを備える一般的なスライディングノズルの断面図である。
図9】三枚のプレートを備える一般的なスライディングノズルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の具体的な実施形態について、図1乃至図7を用いて説明する。第一実施形態〜第四実施形態の製造方法は、何れも図6に示すように、使用済みプレートをスライディングノズルから取外し、再生処理P1を施すものであり、製造されたプレート再生品は、再度スライディングノズルに取付けられて使用される。
【0033】
第一実施形態の製造方法における再生処理P1は、その流れを図1に示すように、含浸S1、加熱S2、ブラストS3、研磨S4の順に行われる。
【0034】
含浸S1:
タール及びピッチの少なくとも一方を含有する液体に、使用済みプレートを浸漬し、プレートのマトリクスに含浸させる。含浸用の液体は、加熱することにより、或いは、希釈により、粘度を変化させて、マトリクス内への浸入し易さを調整することができる。含浸に先立ち、使用済みプレートを減圧下において、マトリクスの開気孔を脱気しておけば、効率的に液体が含浸される。液体を加圧しながら含浸させることにより、より多くの液体を強制的にマトリクス内に浸入させることができる。
【0035】
使用済みプレートのマトリクスは、溶鋼中への溶出やガス化により成分が失われ、開気孔が増加している。この開気孔内にタール及び/又はピッチを含む液体が浸入し、タール及び/又はピッチの層が形成される。また、プレートの表面には、亀裂や剥離痕など凹部が形成されているが、微小な凹部にもタール及び/又はピッチが充填される。
【0036】
加熱S2:
温度条件は、200℃〜400℃(ベーキング)、500℃〜700℃(コーキング)とすることができる。加熱することにより、プレートのマトリクスに含浸したタール及び/又はピッチ中の揮発成分が除去される。これにより、スライディングノズルに取付けて使用している際に、プレートから発煙することが防止される。
【0037】
ブラストS3:
加熱された後のプレートの表面には、タール及び/又はピッチの滓が残留している。そこで、プレートの表面に粒体(投射材)を投射し、滓の除去を行なう。投射材の種類、粒子径、投射速度などの条件は、プレートを構成する耐火煉瓦の種類やタール及び/又はピッチの種類等に応じて、適宜設定することができる。
【0038】
研磨S4:
プレートの表面を、グラインダで研磨する。例えば、円盤状の砥石を備えるグラインダを使用し、砥石をプレートの面に対して垂直な軸周りに回転させながら、プレートの表面に対して平行に移動させて研磨する。その際、プレートの表面から厚さ0.5mm〜1.0mmが除かれるように、研磨することができる。研磨S4に先立って含浸S1が行われていることにより、使用によりポーラスとなり脆くなっていたプレートのマトリクスが緻密化している。そのため、機械的な研磨が行いやすく、研磨に伴うプレート表面の剥落が抑制されている。
【0039】
研磨S4により、プレートの表面が平滑化され、含浸S1ではタール及び/又はピッチが充填されなかった凹部の数が減少する。また、研磨S4を経て残存する凹部も、研磨S4を行う前より浅くなる。従って、研磨S4を再生処理P1に含めることにより、サイズの大きな凹部を有する使用済みプレートを再生することが可能となり、対象となる使用済みプレートの範囲がより広いものとなる。
【0040】
特に、プレート表面のうち、他のプレートと相対的にスライドする側の面は、荷重を受けつつ摺り合わされることにより損傷が大きい。また、摺り合わされる二枚のプレートのうち下方に位置するプレートは、溶鋼の排出を停止させている間溶鋼に接触し続けるため、損傷が大きい。そのため、プレート表面のうち、少なくとも他のプレートと相対的にスライドする側の面に対して研磨S4を行うと、効果的である。
【0041】
研磨S4により、プレートは元の厚さより薄くなる。そこで、プレートが他のプレートと相対的にスライドする面とは反対側の面に板材を貼着し、厚さを調整する。ここで、スライディングノズルに取り付けられたプレートには、相対的にスライドさせる他のプレートとの接触面からの溶鋼の漏れを防止するために、上下から大きな圧力が加えられる。このような圧力は、例えば、上下に重ね合わされたプレートをそれぞれを支持する枠体が、押圧し合うように付勢するバネ部材によって、40kN〜100kNの大きさで加えられる。従って、研磨後のプレートに貼付する板材の厚さは、板材が貼付されたプレートがスライディングノズルに取り付けられ、相手のプレートと共に上下から加圧された状態で、元のプレートの厚さと等しくなるように設定する。このように、プレート再生品の厚さを、使用時の状態で元のプレートの厚さと等しくすることにより、スライディングノズルに取付け使用する際、相対的にスライドさせる二枚のプレートを当接させるために、新たな調整用の部材を要することがない。
【0042】
次に、第二実施形態の製造方法について説明する。第一実施形態との相違は、再生処理P1において、更にプレートに対して孔縁切削S5が行われることである。この孔縁切削S5は、研磨S4の前または後に行うことができる。すなわち、第二実施形態の製造方法における再生処理P1は、図2に示すように、含浸S1、加熱S2、ブラストS3、研磨S4、孔縁切削S5の順に行っても、含浸S1、加熱S2、ブラストS3、孔縁切削S5、研磨S4の順に行ってもよい。なお、前者の場合、研磨S4の後に行う板材の貼付は、孔縁切削S5の前または後に行うことができる。
【0043】
孔縁切削S5:
使用済みプレートの貫通孔の周縁を、切削工具で切削する。一般的なプレートの貫通孔は、断面形状が円形であり、同心円状に切削する。孔縁切削S5に先立って含浸S1が行われていることにより、使用によりポーラスとなり脆くなっていたプレートのマトリクスが緻密化している。そのため、機械的な切削が行い易く、きれいに孔縁を切削することができる。
【0044】
プレートにおいて貫通孔の周縁は、損傷が最も著しい部分である。貫通孔内を流下する溶鋼により、物理的浸食を受けやすく、高温の溶鋼との接触により、熱衝撃による亀裂が生じ易いためである。貫通孔の周縁を切削することにより、損傷の最も著しい部分が取り除かれ、貫通孔の内壁は損傷のほとんどない新しい面となるため、溶鋼に対する耐性が回復する。従って、孔縁切削S5を再生処理P1に含めることにより、貫通孔の周縁の損傷が著しい使用済みプレートを再生することが可能となり、対象となる使用済みプレートの範囲がより広いものとなる。
【0045】
なお、孔縁切削S5によりプレートの貫通孔は拡大するが、その貫通孔の大きさのままで、プレート再生品として使用される。例えば、一般的なスライディングノズルは、60mm,65mm,70mm等、ノズルの口径が相違している複数種類がある。そこで、同一の施設で、ノズルの口径が相違する複数種類のスライディングノズルを使用している場合は、ノズル径が小さい方のスライディングノズルに使用されたプレートを再生し、ノズル径が大きい方のスライディングノズルに取付けて再使用することができる。また、重ね合わされて相対的にスライドするプレートの貫通孔の径が相違していても、溶鋼の排出・停止の制御や流量調整は、特に支障なく行うことができる。
【0046】
次に、第三実施形態の製造方法について説明する。第一実施形態との相違は、再生処理P1において、更に凹部の充填が行われることである。第三実施形態の製造方法における再生処理P1は、図3に示すように、含浸S1、加熱S2、ブラストS3、研磨S4、充填S6の順に行われる。なお、研磨S4の後に行う板材の貼付は、充填S6の前または後に行うことができる。
【0047】
充填S6:
開口幅及び深さがそれぞれ1mm以下の凹部に、プレートをスライディングノズルに取付けて使用する際の加熱に伴う、生成反応及び結晶構造変化の少なくとも一方によって体積が増加する熱膨張性耐火材料を充填する。これにより、含浸S1の際にタール及び/又はピッチが十分に充填されず、しかも、研磨S4によっても除かれなかったサイズの大きな凹部が、熱膨張性耐火材料で充填される。なお、研磨S4を経て残存する凹部のうち、開口幅及び深さが0.01mmより小さい凹部は、含浸S1の際に浸入したタール及び/又はピッチによって充填されている。そのため、熱膨張性耐火材料は、開口幅及び深さが0.01mm以上1.0mm以下の凹部に充填すれば良い。
【0048】
熱膨張性耐火材料としては、(1)加熱によりセラミックスが合成される原材料であって、原材料より低密度のセラミックスが生成する原材料を含有する耐火材料、(2)加熱に伴い酸化が進行して金属酸化物が生成する金属粉末を含有する耐火材料、(3)加熱により結晶構造が変化し、より低密度の結晶相に転移するセラミックス材料を含有する耐火材料を、液媒体(水、有機溶媒)と混練した材料を使用することができる。
【0049】
(1)加熱によりセラミックスが合成される原材料であって、原材料より低密度のセラミックスが生成する原材料しては、加熱によりムライトが合成される酸化アルミニウム及び二酸化珪素、加熱によりスピネルが合成される酸化マグネシウム及び酸化アルミニウム、加熱によりチタン酸アルミニウムが合成される酸化チタン及び酸化アルミニウム、を例示することができる。
【0050】
ここで、ムライトの合成(生成反応)による体積変化を説明すると、酸化アルミニウム(Al)、二酸化珪素(SiO)、及び、ムライト(3Al・2SiO)の分子量、及び密度は、それぞれ以下のようである。
酸化アルミニウム:分子量102、密度3.99(コランダムとして)
二酸化珪素:分子量60、密度2.53(石英として)
ムライト:分子量426、密度3.17
従って、ムライト1モルの生成前と生成後とでは、体積は次のように増加する。
生成前(3Al+2SiO)の体積:124.1cm
生成後(3Al・2SiO)の体積:134.4cm
【0051】
スピネルの合成(生成反応)による体積変化を説明すると、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al)、及び、スピネル(MgO・Al)の分子量、及び密度は、それぞれ以下のようである。
酸化マグネシウム:分子量40、密度3.65
酸化アルミニウム:分子量102、密度3.99(コランダムとして)
スピネル:分子量142、密度3.60
従って、スピネル1モルの生成前と生成後とでは、体積は次のように増加する。
生成前(MgO+Al)の体積:36.5cm
生成後(MgO・Al)の体積:39.4cm
【0052】
チタン酸アルミニウムの合成(生成反応)による体積変化を説明すると、酸化チタン(TiO)、酸化アルミニウム(Al)、及び、チタン酸アルミニウム(TiO・Al)の分子量、及び密度は、それぞれ以下のようである。
酸化チタン:分子量80、密度4.25(ルチルとして)
酸化アルミニウム:分子量102、密度3.99(コランダムとして)
チタン酸アルミニウム:分子量182、密度3.65
従って、チタン酸アルミニウム1モルの生成前と生成後とでは、体積は次のように増加する。
生成前(TiO+Al)の体積:44.3cm
生成後(TiO・Al)の体積:49.8cm
【0053】
なお、上記の酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化チタンのような、加熱により原材料より低密度の複酸化物セラミックスが合成される原材料としての金属酸化物は、平均粒子径を0.1μm〜20μmとすると望ましく、平均粒子径を0.1μm〜10μmとすると、より望ましい。平均粒子径が上記範囲内の微細粒子とすることにより、加熱に伴い複酸化物セラミックス(ムライト、スピネル、チタン酸アルミニウム)が生成しやすいため、熱膨張性耐火材料が加熱によって体積増加する作用を、発揮し易い。なお、粒子径は、レーザー回折散乱法により回折散乱径(直径)として求めることができる。
【0054】
また、ムライトを生成する原材料となる酸化アルミニウム及び二酸化珪素の割合を、ムライトの化学量論組成に近い割合とすることにより、酸化アルミニウム及び二酸化珪素のほぼ全量がムライトとなり、加熱下で熱膨張性耐火材料が体積増加する程度を大きなものとすることができる。一方、ムライトを生成する原材料となる酸化アルミニウム及び二酸化珪素の割合を、ムライトの化学量論組成からシフトさせることにより、加熱下で熱膨張性耐火材料が体積増加する程度を、調整することが可能である。このことは、スピネルを生成する原材料となる酸化マグネシウム及び酸化アルミニウムの割合、チタン酸アルミニウムを生成する原材料となる酸化チタン及び酸化アルミニウムの割合についても、同様である。
【0055】
加熱によりムライトが合成される熱膨張性耐火材料としては、例えば、次の組成の耐火材料を、水や有機溶媒と混練した材料を例示することができる。
Al(平均粒子径:5μm) 71質量%
SiO(平均粒子径:1μm) 24質量%
その他の成分(バインダー等) 5質量%
【0056】
また、加熱によりスピネルが合成される熱膨張性耐火材料としては、次の組成の耐火材料を、水や有機溶媒と混練した材料を例示することができる。なお、以下の組成は、酸化マグネシウムの割合を小さくすることにより、熱膨張の程度を抑えた熱膨張性耐火材料の例である。
MgO(平均粒子径:20μm) 5質量%
Al(平均粒子径:5μm) 92質量%
その他の成分(バインダー等) 3質量%
【0057】
なお、従前より、耐火煉瓦どうしを接合するために用いられて目地部を形成している耐火モルタルは、一般的に、耐火材料と、結合剤(可塑剤)としての粘土や水ガラスとを配合し、水と混練したものである。耐火材料としては、ドロマイト、ムライト、スピネル等の他、酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化マグネシウムが用いられる場合がある。しかしながら、従来の耐火モルタルでは、耐火材料の粉末の平均粒子径は70μm以上と粗大である。そのため、酸化アルミニウムや二酸化珪素を上記組成と重複する割合で含んでいたとしても、加熱によりムライトが生成することはなく、酸化マグネシウム及び酸化アルミニウムを上記組成と重複する割合で含んでいたとしても、加熱によりスピネルが生成することはない。
【0058】
(2)加熱に伴い酸化が進行して金属酸化物が生成する金属粉末を含有する耐火材料としては、アルミニウムの粉末、鉄の粉末を含有する耐火材料を、例示することができる。また、このような耐火材料には、金属粉末に加えて、酸化アルミニウム、ムライト、スピネル等を含有させることができる。なお、金属粉末は水と反応して発熱し水素ガスを発生するため、金属粉末を含有する耐火材料は、有機溶媒または有機溶媒の割合が高い液媒体で混練して使用することが望ましい。
【0059】
(3)加熱により結晶構造が変化し、より低密度の結晶相に転移するセラミックス材料を含有する耐火材料としては、石英の微細粉末を含有する耐火材料を、例示することができる。微細な石英からは、加熱に伴いクリストバライトが析出する。クリストバライトは約230℃付近でα型からβ型に結晶相が転移し、体積が増加する。
【0060】
熱膨張性耐火材料を凹部に充填した後は、例えば、100℃〜300℃の温度で加熱し、熱膨張性耐火材料を乾燥させる。
【0061】
次に、第四実施形態の製造方法について説明する。第四実施形態における再生処理P1では、第三実施形態における再生処理P1に加えて、更に孔縁切削S5が行われる。この孔縁切削S5は、研磨S4の前または後に行うことができる。すなわち、第四実施形態の製造方法における再生処理P1は、図4に示すように、含浸S1、加熱S2、ブラストS3、研磨S4、孔縁切削S5、充填S6の順に行っても、含浸S1、加熱S2、ブラストS3、孔縁切削S5、研磨S4、充填S6の順に行ってもよい。なお、前者の場合、研磨S4の後に行う板材の貼付は、孔縁切削S5の前または後、或いは充填S6の後に行うことができる。また、後者の場合、研磨S4の後に行う板材の貼付は、充填S6の前または後に行うことができる。
【0062】
このように、研磨S4に加えて、孔縁切削S5及び充填S6を再生処理P1に含めることにより、より大きな損傷を受けた使用済みプレートを再生することができ、対象となる使用済みプレートの範囲がより広いものとなる。
【0063】
第一実施形態〜第二実施形態の製造方法により製造されたプレート再生品は、スライディングノズルに取付けて、再使用することができる。このとき、図5に示すように、プレート再生品1において、板材19が貼付された側の面12とは反対側の面11が、重ね合わされる他のプレート2と相対的にスライドする面となるように、スライディングノズルに取付ける。図5では、上ノズル40にプレート再生品1が取付けられ、下ノズル50側には新品のプレート2が取付けられている状態を例示している。
【0064】
また、充填S6を経て再生されたプレート再生品(第三実施形態及び第四実施形態の製造方法により製造されたプレート再生品)を、スライディングノズルに取付けて再使用した場合は、使用時の高温環境下で加熱され、凹部に充填された熱膨張性耐火材料が膨張する。このように、加熱により収縮しない材料で凹部が充填されていることにより、プレートが修復された状態が長く維持されるため、従来に比べてプレートの耐用期間を長く延長させることができる。
【0065】
以上のように、第一実施形態〜第四実施形態の製造方法によれば、含浸S1及び研磨S4を行うことにより、従来では修復できなかった大きさの損傷を有するプレートであっても再生することができるため、対象となる使用済みプレートの範囲が、従来に比べて広いものとなる。
【0066】
そして、従来に比べ、使用により損傷したプレートが修復される度合いが高いため、使用済みプレートをプレート再生品とする再生処理を、複数回備える製造方法も採用し得る。例えば、図7に示すように、スライディングノズルからプレートを取外し、一回目の再生処理P1を施したプレート再生品を、スライディングノズルに取付けて使用した後、これを取外し、更に二回目の再生処理P2を施してプレート再生品とする製造方法を採用し得る。
【0067】
このような製造方法において、二回目の再生処理P2は、上述の再生処理P1と同様とすることができる。すなわち、第一実施形態の製造方法における再生処理P1と同一の再生処理P2(S1−S2−S3−S4)、第二実施形態の製造方法における再生処理P1と同一の再生処理P2(S1−S2−S3−S4−S5、または、S1−S2−S3−S5−S4)、第三実施形態の製造方法における再生処理P1と同一の再生処理P2(S1−S2−S3−S4−S6)、或いは、第四実施形態の製造方法における再生処理P1と同一の再生処理P2(S1−S2−S3−S4−S5−S6、または、S1−S2−S3−S5−S4−S6)とすることができ、これらの再生処理P1と再生処理P2を適宜組み合わせることができる。
【0068】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0069】
例えば、上記では、再生処理を一回行う製造方法、及び、再生処理を二回行う製造方法を例示したが、これに限定されず、再生処理を三回以上行う製造方法とすることもできる。
【0070】
なお、本発明の製造方法により製造されたプレート再生品は、プレート再生品同士を組み合わせて使用することも、新品のプレートと組み合わせて使用することもできる。
【符号の説明】
【0071】
S1 含浸
S2 加熱
S3 ブラスト
S4 研磨
S5 孔縁切削
S6 充填
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】
【特許文献1】特許第4980275号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9