特許第6027411号(P6027411)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6027411
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】造影剤供給装置及び造影剤供給方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/14 20060101AFI20161107BHJP
   A61K 49/04 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   A61M5/14 582
   A61K49/04 A
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-252038(P2012-252038)
(22)【出願日】2012年11月16日
(65)【公開番号】特開2014-100158(P2014-100158A)
(43)【公開日】2014年6月5日
【審査請求日】2015年11月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231235
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【弁理士】
【氏名又は名称】伏見 俊介
(72)【発明者】
【氏名】中島 昭人
(72)【発明者】
【氏名】藤田 進
【審査官】 渋谷 善弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−094183(JP,A)
【文献】 特表2014−503280(JP,A)
【文献】 特開2010−037257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/14
A61K 49/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭酸ガスが充填された第1の容器と、
等張液を含む液体が充填された第2の容器と、
前記第1の容器の外部に前記炭酸ガスよりなるガス状造影剤を輸送するガス状造影剤輸送ラインと、
前記第2の容器から導出した前記液体中に、前記第1の容器から導出した前記炭酸ガスの気泡を発生させて、前記液体及び前記炭酸ガスの気泡よりなる液状造影剤を生成する気泡化部と、
前記第2の容器から前記液体を前記気泡化部に輸送する液体輸送ラインと、
前記ガス状造影剤輸送ラインから分岐し、かつ前記液体輸送ラインに前記炭酸ガスを輸送する第1のガス輸送ラインと、
前記気泡化部の外部へ前記液状造影剤を輸送する液状造影剤輸送ラインと、
使用先に前記液状造影剤または前記ガス状造影剤を供給する造影剤供給ラインと、
前記ガス状造影剤輸送ラインを介して、前記ガス状造影剤を前記造影剤供給ラインに供給するか、或いは、前記液状造影剤輸送ラインを介して、前記液状造影剤を前記造影剤供給ラインに供給するかを切り替える切り替え手段と、
を有することを特徴とする造影剤供給装置。
【請求項2】
前記ガス状造影剤輸送ラインから分岐し、前記液体輸送ラインを流れる前記液体に前記炭酸ガスを輸送する第2のガス輸送ラインを有することを特徴とする請求項1記載の造影剤供給装置。
【請求項3】
前記第1の容器、前記第2の容器、及び前記気泡化部を収容する筐体を有することを特徴とする請求項1または2記載の造影剤供給装置。
【請求項4】
前記造影剤供給ラインは、前記ガス状造影剤輸送ライン及び前記液状造影剤輸送ラインと接続されており、
前記切り替え手段は、前記ガス状造影剤輸送ラインに設けられた第1のバルブと、前記液状造影剤輸送ラインに設けられた第2のバルブと、
を有することを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の造影剤供給装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の容器の内容積が、5〜300mLの範囲内であることを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の造影剤供給装置。
【請求項6】
前記気泡化部は、所定の方向に延在する絞り管、オリフィス、及びスタティックミキサーのうち、少なくとも1つよりなることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の造影剤供給装置。
【請求項7】
前記造影剤供給ラインから分岐したパージ用ラインを有することを特徴とする請求項1ないし6のうち、いずれか1項記載の造影剤供給装置。
【請求項8】
前記ガス状造影剤輸送ラインに、前記第1の容器から導出される前記炭酸ガスの圧力を測定する第1の圧力計と、
前記液体輸送ラインに、前記第2の容器から導出される前記液体の圧力を測定する第2の圧力計と、
を有することを特徴とする請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載の造影剤供給装置。
【請求項9】
造影剤供給装置内に炭酸ガスよりなるガス状造影剤を充填する工程と、
前記造影剤供給装置内で等張液を含む液体、及び前記液体中に存在する前記炭酸ガスの気泡よりなる液状造影剤を生成する工程と、
記ガス状造影剤及び前記液状造影剤のうち、いずれか一方の造影剤をカテーテルに供給する工程と、
を含むことを特徴とする造影剤供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、X線造影に使用する造影剤供給装置及び造影剤供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、X線を利用した血管造影用造影剤としてヨード造影剤が使用されている。ヨード造影剤は、陽性造影剤であり、X線の吸収量が大きい物質で構成されている。
また、上記陽性造影剤以外の血管造影用の造影剤としては、陰性造影剤がある。陰性造影剤は、X線の吸収量の小さい物質である空気、酸素、及び炭酸ガス等により構成されている。
【0003】
ヨード造影剤は、周囲組織とのコントラストの差が大きく現れることから描写能に優れている反面、腎毒性やアレルギー性の副作用がある。このため、ヨード造影剤は、重篤な腎障害のある患者(例えば、腎腫瘍を有する患者や透析をしている患者等)や造影剤アレルギーを有する患者には投与することができない。
【0004】
このような患者に対しては、ヨード造影剤ではなく、陰性造影剤であるガドリニウム造影剤や炭酸ガス造影剤等を使用することが考えられる。
【0005】
しかしながら、ガドリニウム造影剤は、保険の適応がないため高価である。一方、炭酸ガスは、安価である。
炭酸ガスは、ヨード造影剤のような副作用がなく、安全性が高いが、描写能がヨード造影剤の描写能よりも劣っていた。
【0006】
しかしながら、近年の医療機器の描写能の向上により、造影剤として炭酸ガスを用いることが普及しつつある(例えば、非特許文献1参照。)。
これにより、現在、炭酸ガスよりなる造影剤は、透析シャント造影、肝血管造影、後腹膜気腹造影、気縦隔造影、及び脳室造影等、多くの造影検査に使用されつつある。
【0007】
ところで、炭酸ガスは、気体であるため、血管内に炭酸ガスを注入すると、血液と炭酸ガスからなる気液二相流が生じてしまうため、実際の血管径よりも小さく計測されてしまう。
また、血液から分離した炭酸ガスは、分岐枝管に流入しにくいため、微細な血管を診断することができないという課題がある。
【0008】
上記課題により、血液と同じ液体であるヨード造影剤が多く使用され、安価な造影剤である炭酸ガスは、重篤な腎障害のある患者や造影剤アレルギーを有する患者に使用するのが現状である。
【0009】
特許文献1には、等張液が充填された等張液容器と、炭酸ガスが充填された炭酸ガスボンベと、カテーテルと、等張液容器とカテーテルとを接続する等張液流路と、炭酸ガスボンベとカテーテルとを接続する炭酸ガス流路と、カテーテルの先端に設けられ、該カテーテルに供給された等張液及び炭酸ガスをマイクロバブル化するマイクロバブル発生器と、を備えてなるマイクロバブル造影剤製造装置が開示されている。
【0010】
このように、気体の炭酸ガスと比較して血液内で極めて遅く浮上する特性を有するマイクロバブル化された炭酸ガスを含んだ造影剤を用いることで、炭酸ガスを血液内に均一に分散させることが可能となる。
【0011】
これにより、気液二相流となることがなくなるため、微細な血管内に上記造影剤を流入させることが可能となるので、実際の血管径よりも小さく計測されることなく、かつ微細な血管を診断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−37257号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】清水史孝他、「炭酸ガスとcone beam CTを組み合わせて術前副腎静脈サンプリングにおける標準血管のマッピングを行った原発性アルドステロン症の一例」、第24回日本内分泌外科学会総会要旨集、p.88
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、必ずしも特許文献1に記載のように、マイクロバブル化された炭酸ガスを含んだ造影剤を用いる必要はなく、炭酸ガスよりなる造影剤の注入のみで十分に描画できる患者も多数存在する。
このような、炭酸ガスよりなる造影剤の投与で本来足りる患者に、いきなりマイクロバブル化された炭酸ガスを含んだ造影剤を投与することは、医薬品である等張液を不要に消費することになり、好ましくない。
【0015】
また、炭酸ガスよりなる造影剤、及びマイクロバブル化された炭酸ガスを含んだ造影剤の両方を患者に投与するためには、炭酸ガスよりなる造影剤を供給する装置、及びマイクロバブル化された炭酸ガスを含んだ造影剤を供給する装置が必要となる(2種類の装置が必要となる)ため、医療機関側の負担が大きい。
さらに、医療従事者は、上記2種類の装置の操作に習熟しなければならないという不都合がある。
【0016】
したがって、患者の状態に応じて、炭酸ガスよりなる造影剤、及びマイクロバブル化された炭酸ガスを含んだ造影剤の両方を患者に投与可能な利便性の高い装置の開発が望まれている。
【0017】
そこで、本発明は、患者の体質や病状に応じて、等張液及び炭酸ガスの気泡を含む液状造影剤、及び炭酸ガスよりなるガス状造影剤のうち、いずれか一方の造影剤を簡便に供給することの可能な造影剤供給装置及び造影剤供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明によれば、炭酸ガスが充填された第1の容器と、等張液を含む液体が充填された第2の容器と、前記第1の容器の外部に前記炭酸ガスよりなるガス状造影剤を輸送するガス状造影剤輸送ラインと、前記第2の容器から導出した前記液体中に、前記第1の容器から導出した前記炭酸ガスの気泡を発生させて、前記液体及び前記炭酸ガスの気泡よりなる液状造影剤を生成する気泡化部と、前記第2の容器から前記液体を前記気泡化部に輸送する液体輸送ラインと、前記ガス状造影剤輸送ラインから分岐し、かつ前記液体輸送ラインに前記炭酸ガスを輸送する第1のガス輸送ラインと、前記気泡化部の外部へ前記液状造影剤を輸送する液状造影剤輸送ラインと、使用先に前記液状造影剤または前記ガス状造影剤を供給する造影剤供給ラインと、前記ガス状造影剤輸送ラインを介して、前記ガス状造影剤を前記造影剤供給ラインに供給するか、或いは、前記液状造影剤輸送ラインを介して、前記液状造影剤を前記造影剤供給ラインに供給するかを切り替える切り替え手段と、を有することを特徴とする造影剤供給装置が提供される。
【0019】
また、請求項2に係る発明によれば、前記ガス状造影剤輸送ラインから分岐し、前記液体輸送ラインを流れる前記液体に前記炭酸ガスを輸送する第2のガス輸送ラインを有することを特徴とする請求項1記載の造影剤供給装置が提供される。
【0020】
また、請求項3に係る発明によれば、前記第1の容器、前記第2の容器、及び前記気泡化部を収容する筐体を有することを特徴とする請求項1または2記載の造影剤供給装置が提供される。
【0021】
また、請求項4に係る発明によれば、前記造影剤供給ラインは、前記ガス状造影剤輸送ライン及び前記液状造影剤輸送ラインと接続されており、前記切り替え手段は、前記ガス状造影剤輸送ラインに設けられた第1のバルブと、前記液状造影剤輸送ラインに設けられた第2のバルブと、を有することを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の造影剤供給装置が提供される。
【0022】
また、請求項5に係る発明によれば、前記第1及び第2の容器の内容積が、5〜300mLの範囲内であることを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の造影剤供給装置が提供される。
【0023】
また、請求項6に係る発明によれば、前記気泡化部は、所定の方向に延在する絞り管、オリフィス、及びスタティックミキサーのうち、少なくとも1つよりなることを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の造影剤供給装置が提供される。
【0024】
また、請求項7に係る発明によれば、前記造影剤供給ラインから分岐したパージ用ラインを有することを特徴とする請求項1ないし6のうち、いずれか1項記載の造影剤供給装置が提供される。
【0025】
また、請求項8に係る発明によれば、前記ガス状造影剤輸送ラインに、前記第1の容器から導出される前記炭酸ガスの圧力を測定する第1の圧力計と、前記液体輸送ラインに、前記第2の容器から導出される前記液体の圧力を測定する第2の圧力計と、を有することを特徴とする請求項1ないし7のうち、いずれか1項記載の造影剤供給装置が提供される。
【0026】
また、請求項9に係る発明によれば、造影剤供給装置内に炭酸ガスよりなるガス状造影剤を充填する工程と、前記造影剤供給装置内で等張液を含む液体、及び前記液体中に存在する前記炭酸ガスの気泡よりなる液状造影剤を生成する工程と、記ガス状造影剤及び前記液状造影剤のうち、いずれか一方の造影剤をカテーテルに供給する工程と、を含むことを特徴とする造影剤供給方法が提供される。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、ガス状造影剤輸送ラインを介して炭酸ガスよりなるガス状造影剤を造影剤供給ラインに供給するか、或いは、液状造影剤輸送ラインを介して炭酸ガスを含む液状造影剤を造影剤供給ラインに供給するかを切り替える切り替え手段を有することで、患者の体質や病状に応じてガス状造影剤と液状造影剤とを切り替えて患者に投与することが可能となる。
【0028】
これにより、医薬品である等張液の不要な消費を抑制することができる。また、1台の装置で、患者に対して、ガス状造影剤と液状造影剤との両方を供給することが可能となることで、異なる2種類の装置の準備や操作が不要になるので、簡便に造影検査を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の第1の実施の形態に係る造影剤供給装置の斜視図である。
図2】第1の実施の形態の造影剤供給装置の概略構成を示すブロック図である。
図3A】第1の実施の形態の造影剤供給装置に適用可能な気泡部の一例を示す断面図(その1)である。
図3B】第1の実施の形態の造影剤供給装置に適用可能な気泡部の一例を示す断面図(その2)である。
図3C】第1の実施の形態の造影剤供給装置に適用可能な気泡部の一例を示す断面図(その3)である。
図3D】第1の実施の形態の造影剤供給装置に適用可能な気泡部の一例を示す断面図(その4)である。
図4A】第1の実施の形態の造影剤供給装置に適用可能な気泡部の他の例を示す平面図(その1)である。
図4B】第1の実施の形態の造影剤供給装置に適用可能な気泡部の他の例を示す平面図(その2)である。
図5】第2の実施の形態の造影剤供給装置の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照して本発明を適用した実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の実施形態の構成を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の造影剤供給装置の寸法関係とは異なる場合がある。
【0031】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る造影剤供給装置の斜視図である。
図1を参照するに、第1の実施の形態の造影剤供給装置10は、造影剤供給装置本体11と、造影剤供給用注射筒13と、三方弁14(三方コック)と、パージ用ライン15と、分岐ライン16と、継手18と、カテーテル19と、を有する。
【0032】
図2は、第1の実施の形態の造影剤供給装置の概略構成を示すブロック図である。図2において、図1に示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
【0033】
図1及び図2を参照するに、造影剤供給装置本体11は、筐体23と、第1の容器25と、第2の容器26と、造影剤供給ライン28と、接続部29と、ガス状造影剤輸送ライン31と、液体輸送ライン33と、第1のガス輸送ライン34と、第5のバルブ35と、第1の圧力計36と、フィルター37と、第3のバルブ38と、第2の圧力計41と、第1の逆止弁42と、第2の逆止弁44と、第4のバルブ46と、気泡部48と、液状造影剤輸送ライン49と、切り替え手段50と、第3の逆止弁52と、流量調整部53と、を有する。
【0034】
筐体23は、収容部23−1と、蓋部23−2と、を有する。 収容部23−1は、その側壁を貫通する貫通孔(図示せず)を有する。該貫通孔には、接続部29が配置されている。
収容部23−1は、第1の容器25、第2の容器26、造影剤供給ライン28の一部(具体的には、後述する第1の造影剤供給ライン28−1)、ガス状造影剤輸送ライン31、液体輸送ライン33、第1のガス輸送ライン34、第1の圧力計36、第3のバルブ38、第2の圧力計41、第1の逆止弁42、第2の逆止弁44、第4のバルブ46、気泡部48、切り替え手段50、第3の逆止弁52、及び流量調整部53を収容する容器である。
【0035】
このように、造影剤供給装置本体11の構成要素も1つとして筐体23を設け、筐体23を除く造影剤供給装置本体11の構成要素を筐体23内に収容させることにより、造影剤供給装置本体11を容易に携帯することができる。
【0036】
なお、収容部23−1は、少なくとも第1の容器25、第2の容器26、及び気泡化部48を収容可能な形状とされていればよく、必ずしも第1の容器25、第2の容器26、及び気泡化部48以外の造影剤供給装置本体11の構成要素を収容する必要はない。
【0037】
蓋部23−2は、収容部23−1内を密閉するための部材である。蓋部23−2は、収容部23−1に対して着脱可能な構成とされている。
このように、収容部23−1に対して着脱可能な蓋部23−2を設けることにより、部材の交換(例えば、第1及び第2の容器25,26の交換)や収容部23−1内に収容された造影剤供給装置本体11の構成要素のメンテナンス等を容易に実施することができる。
【0038】
上記構成とされた筐体23の材料としては、例えば、耐食性の高い材料が好ましい。具体的には、筐体23の材料としては、例えば、ステンレス鋼(例えば、オーステナイト系ステンレス鋼であるSUS316LやSUS304L等)を用いることができる。
筐体23の大きさは、第1及び第2の容器25,26の大きさ等に依存するが、筐体23の幅W,W及び高さHは、例えば、幅Wが30〜45cm、幅Wが15〜30cm、高さHが8〜15cmの範囲内で適宜選択することができる。
【0039】
第1の容器25は、収容部23−1に収容されている。第1の容器25は、ガス状造影剤輸送ライン31の一端と接続されている。第1の容器25は、ガス状造影剤輸送ライン31に対して着脱可能な構成とされている。第1の容器25には、炭酸ガス(以下、「炭酸ガスA」という)が充填されている。
【0040】
第1の容器25としては、例えば、内容積が5〜300mLの範囲内の所定の値とされた小型のボンベを用いることができる。第1の容器25の内容積が5mLよりも小さいと、後述するガス状造影剤(炭酸ガスAよりなる造影剤)及び液状造影剤(等張液を含む液体、及び炭酸ガスAの気泡よりなる造影剤)の患者(使用先)への供給量が不足して、造影検査を行うことができなくなるため、好ましくない。
また、第1の容器25の内容積が300mLよりも大きいと、第1の容器25のサイズが大きくなることで、造影剤供給装置本体11が大型化するため、好ましくない。
【0041】
なお、第1の容器25として、例えば、日本炭酸瓦斯社製の泡マスター(商品名)に内蔵される炭酸ガスカートリッジ等のような、容器に貫通孔を穿つことにより内部のガスを放出可能な使い捨てカートリッジを使用することが可能である。
このような使い捨てカートリッジを使用することで、第1の容器25の交換作業を医療従事者にて簡単に行うことができる。また、第1の容器25の内容積を小さくすることが可能となるので、造影剤供給装置本体11の小型化を図ることができる。
【0042】
このように、第1の容器25の内容積を5〜300mLの範囲内とすることにより、造影検査を実施できると共に、造影剤供給装置本体11の小型化及び軽量化を図ることが可能となるので、造影剤供給装置本体11を容易に携帯できる。
【0043】
第1の容器25の材料としては、炭酸ガスを充填できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、スチール(鋼)や繊維強化プラスチック(FRP)を用いることができる。
また、炭酸ガスAとしては、例えば、圧縮された炭酸ガス、或いは液化された炭酸ガスを用いることができる。また、第1の容器25内の圧力は、例えば、1〜10MPaの範囲内で設定することができる。
第1の容器25内に充填された炭酸ガスAは、ガス状造影剤輸送ライン31により輸送される。
【0044】
第2の容器26は、収容部23−1に収容されている。第2の容器26は、液体輸送ライン33の一端と接続されている。第2の容器26は、液体輸送ライン33に対して着脱可能な構成とされている。
第2の容器26は、等張液を含む液体(以下、「液体B」という)が充填されている。第1の実施の形態の液体Bとしては、例えば、等張液、具体的には生理食塩水を用いることができ、等張液に予め炭酸ガスを溶解させた状態のものも用いることができる。
【0045】
第2の容器26としては、等張液を含む液体を充填できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、マイクロシリンジを用いることができる。この場合、該第2の容器26内に充填された液体Bは、図示していないマイクロシリンジポンプにより、液体輸送ライン33に供給される。
【0046】
第2の容器26の内容積は、例えば、5〜300mLの範囲内の所定の値とすることができる。
第2の容器26の内容積が5mLよりも小さいと、液状造影剤(液体B、及び炭酸ガスAの気泡よりなる造影剤)の患者(使用先)への供給量が不足して、造影検査を行うことができなくなるため、好ましくない。
また、第2の容器26の内容積が300mLよりも大きいと、第2の容器26のサイズが大きくなることで、造影剤供給装置本体11が大型化するため、好ましくない。
【0047】
このように、第2の容器26の内容積を5〜300mLの範囲内とすることにより、造影検査を実施できると共に、造影剤供給装置本体11の小型化及び軽量化を図ることが可能となるので、造影剤供給装置本体11を容易に携帯できる。
【0048】
造影剤供給ライン28は、第1の造影剤供給ライン28−1と、第2の造影剤供給ライン28−2と、を有する。
第1の造影剤供給ライン28−1は、筐体23内に収容されている。第1の造影剤供給ライン28−1は、その一端がガス状造影剤輸送ライン31の他端、及び液状造影剤輸送ライン49の他端と接続されており、他端が接続部29と接続されている。
【0049】
第1の造影剤供給ライン28−1の材料としては、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼(例えば、SUS316LやSUS304L等)を用いるとよい。
このように、第1の造影剤供給ライン28−1の材料としてオーステナイト系ステンレス鋼を用いることにより、第1の造影剤供給ライン28−1のオートクレーブ滅菌(具体的には、例えば、処理温度が120℃、処理時間が20分、処理容器内の圧力が0.1MPaの条件で行う熱滅菌)を実施することができる。
【0050】
また、第1の造影剤供給ライン28−1の材料としてオーステナイト系ステンレス鋼(例えば、SUS316LやSUS304L等)を用いることにより、ガス状造影剤輸送ライン31からのガス漏れや造影剤供給装置本体11を携帯することで発生する接続部分の緩み等を抑制できる。
【0051】
さらに、オーステナイト系ステンレス鋼(例えば、SUS316LやSUS304L等)は、容易に入手することができると共に、安価である。よって、オーステナイト系ステンレス鋼は、これらの点においても第1の造影剤供給ライン28−1の材料として好ましい。
なお、第1の造影剤供給ライン28−1の材料として、エタノールや過酸化水素水を用いた溶剤滅菌、或いは紫外線滅菌に耐えることが可能な材料を用いてもよい。
【0052】
また、後述するガス状造影剤輸送ライン31、液体輸送ライン33、第1のガス輸送ライン34及び液状造影剤輸送ライン49、すなわち筐体23内に収容されている各種配管には、上述した第1の造影剤供給ライン28−1と同様の理由から、同様の材料を用いることができる。
【0053】
第2の造影剤供給ライン28−2は、筐体23の外部に配置されている。第2の造影剤供給ライン28−2は、第1の造影剤供給ライン28−1とは分離したラインである。第2の造影剤供給ライン28−2の一端は、接続部29と接続されている。
これにより、第2の造影剤供給ライン28−2は、接続部29を介して、第1の造影剤供給ライン28−1と接続されている。
【0054】
また、第2の造影剤供給ライン28−2は、接続部29に対して着脱可能な構成とされている。第2の造影剤供給ライン28−2の他端は、造影剤供給用注射筒13の筒先13−2と接続されている。第2の造影剤供給ライン28−2は、造影剤供給用注射筒13の筒先13−2に対して着脱可能な構成とされている。
【0055】
第2の造影剤供給ライン28−2の材料としては、例えば、耐熱性の高いフッ素系樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等)を用いるとよい。
【0056】
第2の造影剤供給ライン28−2の材料として、耐熱性の高いフッ素系樹脂を用いることにより、第2の造影剤供給ライン28−2のオートクレーブ滅菌(具体的には、例えば、処理温度が120℃、処理時間が20分、処理容器内の圧力が0.1MPaの条件で行う熱滅菌)を実施することが可能となるため、作業者の作業性やメンテナンス性を向上させることができる。
【0057】
上記構成とされた造影剤供給ライン28は、気泡部48で生成される液状造影剤、または第1の容器25から導出された炭酸ガスAよりなるガス状造影剤を造影剤供給用注射筒13に供給する。
造影剤供給ライン28を介して、造影剤供給用注射筒13に供給された造影剤(液状造影剤またはガス状造影剤)は、造影剤供給用注射筒13内に充填される。
【0058】
接続部29は、収容部23−1の側壁を貫通する貫通孔(図示せず)に設けられている。接続部29は、第1の造影剤供給ライン28−1の他端と、第2の造影剤供給ライン28−2の一端と、を接続するための部材である。
【0059】
ガス状造影剤輸送ライン31は、その一端が第1の容器25と接続されており、他端が第1の造影剤供給ライン28−1の一端と接続されている。ガス状造影剤輸送ライン31は、第5のバルブ35、フィルター37、第1のバルブ50−1(切り替え手段50の構成要素の1つ)、第3の逆止弁52を介して、第1の容器25から導出された炭酸ガスAよりなるガス状造影剤(以下、「ガス状造影剤C」という)を第1の造影剤供給ライン28−1に供給する。
つまり、ガス状造影剤輸送ライン31は、第1の容器25の外部にガス状造影剤Cを輸送する。
【0060】
液体輸送ライン33は、その一端が第2の容器26と接続され、他端が気泡部48と接続されている。液体輸送ライン33は、第2の圧力計41、第3のバルブ38、第1の逆止弁42、及び第4のバルブ46を介して、第2の容器26から導出した液体Bを気泡部48に輸送(供給)する。
【0061】
液体輸送ライン33のうち、第1のガス輸送ライン34の接続位置と気泡部48との間に位置する部分には、液体Bのみでなく、第1のガス輸送ライン34を介して、炭酸ガスAが供給される。
このため、第1のガス輸送ライン34の接続位置と気泡部48との間に位置する液体輸送ライン33は、炭酸ガスAと液体Bとを混合させる機能を有する。
【0062】
第1のガス輸送ライン34は、ガス状造影剤輸送ライン31から分岐すると共に、液体輸送ライン33と接続されている。第1のガス輸送ライン34は、液体輸送ライン33に炭酸ガスAを輸送する。
【0063】
第5のバルブ35は、第1のガス輸送ライン34の分岐位置と第1の容器25との間に位置するガス状造影剤輸送ライン31に設けられている。
第1の圧力計36は、第5のバルブ35と第1の容器25との間に位置するガス状造影剤輸送ライン31に設けられている。第1の圧力計36は、第1の容器25から導出される炭酸ガスAの圧力を測定する。
このように、第5のバルブ35と第1の容器25との間に位置するガス状造影剤輸送ライン31に第1の圧力計36を設けることにより、第1の容器25内の圧力を測定することが可能となるため、炭酸ガスAの使用量、及び第1の容器25の交換時期を把握することができる。
【0064】
フィルター37は、第5のバルブ35と第1のガス輸送ライン34の分岐位置との間に位置するガス状造影剤輸送ライン31に設けられている。
フィルター37は、第1の容器25から導出された炭酸ガスAに含まれる不純物を除去する。フィルター37としては、例えば、ろ過精度が0.2μmとされた滅菌用メンブレンフィルターを用いるとよい。
【0065】
また、フィルター37の材料としては、例えば、オートクレーブ滅菌(オートクレーブを用いて、ある温度と圧力の飽和水蒸気を作り、加熱することで微生物殺菌する方法)可能な材料を用いるとよい。このようなフィルター37の材料としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を用いることができる。
【0066】
第3のバルブ38は、第1のガス輸送ライン34の接続位置と第2の容器26との間に位置する液体輸送ライン33に設けられている。
【0067】
第2の圧力計41は、第3のバルブ38と第2の容器26との間に位置する液体輸送ライン33に設けられている。第2の圧力計41は、第2の容器26から導出される液体B(第1の実施の形態の場合、生理食塩水(等張液))の圧力を測定する。
このように、第3のバルブ38と第2の容器26との間に位置する液体輸送ライン33に第2の圧力計41を設けることにより、第2の容器26内の圧力を測定することが可能となるため、液体Bの使用量、及び第2の容器26の交換時期を把握することができる。
【0068】
第1の逆止弁42は、第3のバルブ38と第1のガス輸送ライン34の接続位置との間に位置する液体輸送ライン33に設けられている。第1の逆止弁42は、炭酸ガスAと液体Bとが混合された混合液が、液体輸送ライン33に逆流することを防止するための弁である。
【0069】
第2の逆止弁44は、第1のガス輸送ライン34に設けられている。第2の逆止弁44は、液体輸送ライン33により輸送された液体B、及び第1のガス輸送ライン34により輸送された炭酸ガスAが混合された混合液が、第1のガス輸送ライン34に逆流することを防止するための弁である。
【0070】
第4のバルブ46は、第1のガス輸送ライン34の接続位置と気泡部48との間に位置する液体輸送ライン33に設けられている。第4のバルブ46は、炭酸ガスAと液体Bとが混合された混合液を気泡部48に供給するか否かの選択を行うためのバルブである。
【0071】
気泡部48は、液体輸送ライン33の一端、及び液状造影剤輸送ライン49の一端と接続されている。気泡部48では、液体B、及び炭酸ガスAの気泡よりなる液状造影剤(以下、「液状造影剤D」という)を生成する。
【0072】
気泡部48が発生させる炭酸ガスAの気泡の大きさは、造影検査可能であれば特に限定されるものではないが、いわゆるマイクロバブルの状態とすることが好ましく、具体的には、1〜500μmの範囲内にするとよい。
このように、マイクロバブルの状態、すなわち炭酸ガスAの気泡の大きさを1〜500μmの範囲内とすることにより、気液二相流の状態となることを抑制することが可能となるため、患者の造影診断を精度良く行うことができる。
【0073】
図3A図3B図3C、及び図3Dは、第1の実施の形態の造影剤供給装置に適用可能な気泡部の一例を示す断面図である。
図3B及び図3Cにおいて、図3Aに示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。また、図3Dにおいて、図3Cに示す構造体と同一構成部分には、同一符号を付す。
【0074】
気泡化部48は、液体B中の炭酸ガスAの気泡を、気泡部48に導入する前に比べて微細化し、例えば、マイクロバブルの状態とできるものであればいかなる構成であっても構わない。
具体的には、図3Aに示すように、配管の一部に絞り部を設けた絞り管62を用いることにより、気泡化部48に導入した炭酸ガスの気泡を微細化することができる。
図3Aの構成とすることにより、気泡化部48の洗浄が容易に実施できる。配管の内径R1が4〜5mmである場合、絞り管62の最も径の細い絞り部分の内径R2は1〜2mmとするが好ましい。
【0075】
また、気泡化部48は、絞り管62内に流体の撹拌を行うエレメントが配置されたスタティックミキサーであってもよい。スタティックミキサーからなる気泡化部48としては、例えば図3Bに示すように、配管の一部に絞り部を設けた絞り管62と、絞り管62の絞り部分を除いた位置に配置されたエレメント64と、を備えた構成を例示できる。
【0076】
また、気泡化部の48の例として、図3Cに示すように、配管の一部に絞り部を設けた絞り管62と、絞り管62の絞り部分を除く位置に配置された複数の網目状の板66と、を備えた構成が挙げられる。
なお、網目状の板66は、絞り管62内壁に固定されない状態で充填されても、絞り管62の内壁に固定されていても構わない。
【0077】
さらに、気泡化部の48の例として、図3Dに示すように、配管の一部に絞り部を設けた絞り管62と、絞り管62の絞り部分を除く位置に配置され、且つ中央部分に貫通孔を有する複数の網目状の板66と、板66の貫通孔内に配置されたエレメント64と、を備えた構成が挙げられる。
【0078】
また、配管内にオリフィスを配置し、気泡化部48としてもかまわない。オリフィスの構成は特に限定されるものではないが、例えば、図4Aに示すような、薄板68に円形の小孔69が複数形成された構成を挙げることができる。小孔の直径は、例えば1〜2mmとすることができる。小孔の形状は特に限定されず、図4Bに示すような4つの扇形状の孔71の集合体であってもよい。
【0079】
液状造影剤輸送ライン49は、その一端が気泡部48と接続されており、他端が第1の造影剤供給ライン28−1の一端と接続されている。
液状造影剤輸送ライン49は、第2のバルブ50−1(切り替え手段50の構成要素の1つ)を介して、気泡化部48から導出された液状造影剤Dを輸送する。つまり、液状造影剤輸送ライン49は、気泡化部48の外部に液状造影剤Dを輸送する。
【0080】
切り替え手段50は、第1及び第2のバルブ50−1,50−2を有する。第1のバルブ50−1は、第1のガス輸送ライン31の他端と第1のガス輸送ライン34の分岐位置との間に位置する第1のガス輸送ライン31に設けられている。第2のバルブ50−2は、液状造影剤輸送ライン49に設けられている。
造影剤供給ライン28へのガス状造影剤C及び液状造影剤Dの供給を停止する際には、第1及び第2のバルブ50−1,50−2を閉じる。
また、造影剤供給ライン28へガス状造影剤Cを供給したい場合には、第2のバルブ50−2が閉じた状態で、第1のバルブ50−1を開ける。
さらに、造影剤供給ライン28へ液状造影剤Dを供給したい場合には、第1のバルブ50−1が閉じた状態で、第2のバルブ50−2を開ける。
【0081】
このように、ガス状造影剤輸送ライン31を介して、ガス状造影剤Cを造影剤供給ライン28に供給するか、或いは、液状造影剤輸送ライン49を介して、液状造影剤Dを造影剤供給ライン28に供給するかを切り替える切り替え手段50を有することで、同一の造影剤供給装置10を用いて、重篤な腎障害や造影剤アレルギーを有し、かつガス状造影剤Cのみで造影が十分可能な患者にガス状造影剤Cを投与することが可能になると共に、重篤な腎障害や造影剤アレルギーを有し、かつ液状造影剤Dでないと造影ができない患者に液状造影剤Dを注入することが可能となる。
【0082】
つまり、同一の造影剤供給装置10を用いて、患者の体質や病状に応じて、液体B及び炭酸ガスAの気泡を含む液状造影剤Dと、炭酸ガスAよりなるガス状造影剤Cと、を切り替えて供給することができる。
【0083】
第3の逆止弁52は、第1のバルブ50−1とガス状造影剤輸送ライン31の他端との間に位置するガス状造影剤輸送ライン31に設けられている。
流量調整部53は、筐体23内に位置する造影剤供給ライン28に設けられている。流量調整部53は、造影剤供給ライン28を介して、造影剤供給用注射筒13に供給するガス状造影剤Cの流量または液状造影剤Dの流量を調整する。
【0084】
このように、第1のバルブ50−1とガス状造影剤輸送ライン31の他端との間に位置するガス状造影剤輸送ライン31に流量調整部53を設けることにより、ガス状造影剤C及び液状造影剤Dの流量を定量化できると共に、ガス状造影剤C及び液状造影剤Dの使用量を把握することができる。
【0085】
また、流量調整部53を設けることで、作業者のミスに起因する造影剤の供給量の間違いを抑制することが可能となる。このため、造影剤供給装置本体11から注射筒13への造影剤の供給量の設定誤り及び作業者が注射筒13を操作する際の投与量誤認の重複ミスに起因する、過剰投与による患者の血液中のpH低下(アシドーシス)や二酸化炭素塞栓を抑制することができる。
【0086】
上記説明した造影剤供給装置本体11では、筐体23内に、第1の容器25、第2の容器26、造影剤供給ライン28、ガス状造影剤輸送ライン31、液体輸送ライン33、第1のガス輸送ライン34、第5のバルブ35、第1の圧力計36、フィルター37、第3のバルブ38、第2の圧力計41、第1の逆止弁42、第2の逆止弁44、第4のバルブ46、気泡部48、液状造影剤輸送ライン49、切り替え手段50、第3の逆止弁52、及び流量調整部53が組み上がった状態で収容されている。
【0087】
これにより、造影剤供給装置本体11を使用する際、別途、造影剤供給装置本体11の構成要素(例えば、造影剤供給ライン28、ガス状造影剤輸送ライン31、液体輸送ライン33、及び第1のガス輸送ライン34)を組み上げる必要がないため、簡便に使用することができる。
【0088】
上記造影剤供給装置本体11の重さ(筐体23を含めた重さ)は、例えば、1〜3kgの範囲内で設定することができる。
筐体23を携帯可能な大きさにすると共に、筐体23を含む造影剤供給装置本体11の重さを1〜3kgの範囲内とすることにより、容易に造影剤供給装置本体11を運ぶことができる。これにより、様々な場所で、造影剤供給装置本体11を使用することができる。
【0089】
図1を参照するに、造影剤供給用注射筒13は、筐体23の外部に配置されており、外筒13−1と、筒先13−2と、押し子13−3と、ガスケット13−4と、を有する。
外筒13−1は、筒状とされており、開放端とされていない一端と、開放端とされた他端と、を有する。外筒13−1の外周面には、目盛り(図示せず)が設けられている。
筒先13−2は、外筒13−1とガスケット13−4とで形成される空間内を充填する造影剤(ガス状造影剤Cまたは液状造影剤D)を外筒13−1の外部に導出可能なように、外筒13−1の一端に設けられている。
【0090】
押し子13−3は、外筒13−2の内径よりも少し小さい直径とされた筒状の部材である。押し子13−3の一部は、外筒13−1内に収容されている。押し子13−3は、外筒13−1内において、押し子13−3の延在方向に移動可能な構成とされている。
造影剤供給用注射筒13内に、造影剤を供給する際、外筒13−1内に空間が形成されないように(言い換えれば、外筒13−1とガスケット13−4の先端面が接触するように)、外筒13−1内に押し子13−3を目一杯押し込む。
その後、造影剤の供給に応じて、徐々に外筒13−1から押し子13−3を引き出すことで、造影剤供給用注射筒13内に、造影剤(ガス状造影剤Cまたは液状造影剤D)を充填する。
【0091】
造影剤(ガス状造影剤Cまたは液状造影剤D)を患者に投与する際には、外筒13−1の目盛りを確認しながら、押し子13−3を筒先13−2に向かう方向に所定の速度で移動させることで、筒先13−2、造影剤供給ライン28の一部、分岐ライン16、継手18、及びカテーテル19を介して、所定の供給速度(例えば、1〜10mL/sec)で造影剤(ガス状造影剤Cまたは液状造影剤D)を患者に注入する。
【0092】
ガスケット13−4は、押し子13−3の先端に配置されている。これにより、ガスケット13−4は、外筒13−1内に配置されている。
造影剤供給用注射筒13内に造影剤(ガス状造影剤Cまたは液状造影剤D)が充填された状態において、ガスケット13−4は、外筒13−1内に収容された該造影剤と接触している。
【0093】
三方弁14は、筐体23の外部に配置されている。三方弁14は、第2の造影剤供給ライン28−2に設けられている。三方弁14は、パージ用ライン15の一端と接続されている。
三方弁14は、造影剤(ガス状造影剤Cまたは液状造影剤D)がパージ用ライン15に流れないように、該造影剤を造影剤供給用注射筒13に供給するか、或いは、該造影剤が造影剤供給用注射筒13側に流れないように、該造影剤をパージ用ライン15に流すかの切り替えを行う。
【0094】
パージ用ライン15は、筐体23の外部に配置されており、その一端が三方弁14と接続されている。パージ用ライン15は、筐体23内に収容されたライン(具体的には、第1の造影剤供給ライン28−1、ガス状造影剤輸送ライン31、液体輸送ライン33、第1のガス輸送ライン34、及び液状造影剤輸送ライン49)内の空気を炭酸ガスで置換する、又はライン内の空気若しくは炭酸ガスを液状造影剤若しくは等張液を含む液体で置換する、パージ処理を行う際に使用するラインである。
【0095】
分岐ライン16は、三方弁14と造影剤供給用注射筒13との間に位置する第2の造影剤供給ライン28−2から分岐したラインである。分岐ライン16は、継手18を介して、カテーテル19と接続されている。患者に造影剤を投与する際、分岐ライン16は、カテーテル19を介して、患者と接続される。
【0096】
継手18は、分岐ライン16の先端に設けられている。継手18は、分岐ライン16の先端とカテーテル19の一端とを接続するための部材である。
カテーテル19は、継手18を介して、分岐ライン16と接続されている。患者に造影剤を投与する際、カテーテル19は、患者と接続される。
【0097】
第1の実施の形態の造影剤供給装置によれば、ガス状造影剤輸送ライン31を介して炭酸ガスよりなるガス状造影剤Cを造影剤供給ライン28に供給するか、或いは、液状造影剤輸送ライン49を介して炭酸ガスを含む液状造影剤Dを造影剤供給ラインに供給するかを切り替える切り替え手段50を有することで、患者の体質や病状に応じてガス状造影剤Cと液状造影剤Dとを切り替えて患者に投与することが可能となる。
【0098】
これにより、医薬品である等張液の不要な消費を抑制することができる。また、1台の造影剤供給装置10で、患者に対して、ガス状造影剤Cと液状造影剤Dとの両方を供給することが可能となることで、異なる2種類の装置の準備や操作が不要になるので、簡便に造影検査を実施することができる。
【0099】
次に、図1及び図2を参照して、上記説明した造影剤供給装置10を用いた患者への造影剤供給方法(第1の実施の形態の造影剤供給方法)について説明する。
第1の実施の形態では、重篤な腎障害のある患者(例えば、腎腫瘍を有する患者や透析をしている患者等)や造影剤アレルギーを有する患者であって、該患者がガス状造影剤C及び液状造影剤Dのうち、どちらの造影剤が適しているか分からない場合には、最初に、ガス状造影剤Cを投与して、造影検査を実施し、良好に検査が行えた場合には、これで検査を終了する。
ガス状造影剤Cでは良好な造影検査ができなかった場合には、作業者(医師)の判断に基づき、患者に液状造影剤Dを投与することで、造影検査を行う。
【0100】
まず、患者にガス状造影剤Cを投与する場合の造影剤供給方法について説明する。
始めに、造影剤供給装置本体11内に炭酸ガスAよりなるガス状造影剤Cが充填された第1の容器25を予め準備する。この段階において、第1の容器25は、ガス状造影剤輸送ライン31の一端と接続されている。
【0101】
次いで、患者にガス状造影剤Cを投与する前に、造影剤供給装置本体11内のパージ処理を行う。
具体的には、第2のバルブ50−2、第3のバルブ38、及び第4のバルブ46を閉じ、第1のバルブ50−1、及び第5のバルブ35を開け、さらに流量調整部53を通過したガス状造影剤Cがパージ用ライン15に流れ、かつ該ガス状造影剤Cが造影剤供給用注射筒13に流れないように三方弁14を動作させた後、ガス状造影剤輸送ライン31、第1の造影剤供給ライン28−1、及びパージ用ライン15にガス状造影剤Cを流すことでパージ処理を行う。
【0102】
該パージ処理は、ガス状造影剤輸送ライン31、及び第1の造影剤供給ライン28−1がガス状造影剤Cで置換されるまで行う。
この段階において、押し子13−3は、外筒13−1内に空間が形成されないように(言い換えれば、外筒13−1とガスケット13−4の先端面が接触するように)、外筒13−1内に目一杯押し込まれている。
【0103】
次いで、上記パージ処理後に、ガス状造影剤Cが造影剤供給用注射筒13に流れ、かつ流量調整部53を通過したガス状造影剤Cがパージ用ライン15に流れないように三方弁14を動作させることで、造影剤供給用注射筒13内にガス状造影剤Cを充填する。また、分岐ライン16、継手18及びカテーテル19内をガス状造影剤Cで置換する。
このとき、ガス状造影剤Cの供給に応じて、徐々に外筒13−1から押し子13−3を引き出すことで、造影剤供給用注射筒13内に、ガス状造影剤Cを充填する。
次いで、造影剤供給用注射筒13内にガス状造影剤Cを十分に充填した後、カテーテル19の先端を患者に接続する。
【0104】
次いで、作業者(医師)が外筒13−1の目盛りを見ながら、押し子13−3を外筒13−1内にゆっくりと押し込むことで、所定の供給量(例えば、1〜10mL/sec)とされたガス状造影剤Cを患者に投与する。
なお、ガス状造影剤Cの供給速度は、X線造影描写を確認しながら調節する。
【0105】
上述のガス状造影剤Cを用いたX線造影検査において、良好に検査が行えた場合には、ここで検査を終了する。ガス状造影剤Cでは良好な造影検査ができなかった場合には、作業者(医師)の判断に基づき、患者に液状造影剤Dを投与して造影検査を行う。したがって、以下では、患者に液状造影剤Dを投与する場合の造影剤供給方法について説明する。
【0106】
液状造影剤の投与に先立ち、予め、ガス状造影剤を投与したとき用いたカテーテル19を患者から抜き、必要に応じ、カテーテル19を交換する。
なお、筺体23外に位置するカテーテル19以外の構成要素、すなわち、造影剤供給用注射筒13、パージ用ライン15、継手18、及び第2の造影剤供給ライン28−2は、ガス状造影剤Cを投与したときのものを交換せず、液状造影剤Dの投与の際、そのまま用いることができる。
【0107】
始めに、造影剤供給装置10内で等張液を含む液体B(第1の実施の形態の場合、生理食塩水)、及び液体B中に存在する炭酸ガスAの気泡よりなる液状造影剤Dを生成すると共に、パージ処理を行う。先のガス状造影剤Cの投与により、各種配管には炭酸ガスが滞留しているからである。
【0108】
具体的には、液状造影剤Dの生成、及びパージ処理は、下記方法により行う。
始めに、第1のバルブ50−1を閉じ、第2のバルブ50−2、第3のバルブ38、第4のバルブ46、及び第5のバルブ35を開け、さらに流量調整部53を通過した液状造影剤Dがパージ用ライン15に流れ、かつ該液状造影剤Dが造影剤供給用注射筒13に流れないように三方弁14を動作させることで、第1の造影剤供給ライン28−1、液体輸送ライン33、第1のガス輸送ライン34、及び液状造影剤輸送ライン49をパージ処理する。
【0109】
このとき、上記パージ処理は、第1の造影剤供給ライン28−1、液体輸送ライン33、第1のガス輸送ライン34、及び液状造影剤輸送ライン49が液状造影剤Dで置換されるまで行う。
この段階において、押し子13−3は、外筒13−1内に空間が形成されないように(言い換えれば、外筒13−1とガスケット13−4の先端面が接触するように)、外筒13−1内に目一杯押し込まれている。
【0110】
次いで、上記パージ処理後に、液状造影剤Dが造影剤供給用注射筒13に流れ、かつ流量調整部53を通過した液状造影剤Dがパージ用ライン15に流れないように三方弁14を動作させることで、造影剤供給用注射筒13内に液状造影剤Dを充填する。
このとき、液状造影剤Dの供給に応じて、徐々に外筒13−1から押し子13−3を引き出すことで、造影剤供給用注射筒13内に液状造影剤Dを充填する。また、分岐ライン16、継手18及びカテーテル19内を液状造影剤Dで置換する。
次いで、造影剤供給用注射筒13内に液状造影剤Dを十分に充填した後、カテーテル19の先端を患者に接続する。
【0111】
次いで、作業者(医師)が外筒13−1の目盛りを見ながら、押し子13−3を外筒13−1内にゆっくりと押し込むことで、所定の供給量(例えば、1〜10mL/sec)とされた液状造影剤Dを患者に投与する。
なお、液状造影剤Dの供給速度は、X線造影描写を確認しながら調節する。以上で液状造影剤Dを使用した造影検査を終了する。
【0112】
第1の実施の形態の造影剤供給方法によれば、造影剤供給装置10内に炭酸ガスAよりなるガス状造影剤Cが充填された第1の容器25を準備する工程と、同一の造影剤供給装置10内で等張液を含む液体B、及び液体B中に存在する炭酸ガスAの気泡よりなる液状造影剤Dを生成する工程と、造影剤供給ライン28を介して、ガス状造影剤C及び液状造影剤Dのうち、いずれか一方の造影剤を患者(使用先)に供給する工程と、を含むことにより、患者の体質や病状に応じてガス状造影剤Cと液状造影剤Dとを切り替えて患者に投与することが可能となる。
【0113】
これにより、医薬品である等張液の不要な消費を抑制することができる。また、1台の造影剤供給装置10で、患者に対して、ガス状造影剤Cと液状造影剤Dとの両方を供給することが可能となることで、異なる2種類の装置の準備や操作が不要になるので、簡便に造影検査を実施することができる。
【0114】
(第2の実施の形態)
図5は、第2の実施の形態の造影剤供給装置の概略構成を示すブロック図である。図2において、図1及び図2に示す第1の実施の形態の造影剤供給装置10と同一構成部分には、同一符号を付す。
【0115】
図5を参照するに、第2の実施の形態の造影剤供給装置75は、第1の実施の形態の造影剤供給装置10の構成に、さらに、第2のガス輸送ライン77及び第6のバルブ78を有すること以外は、造影剤供給装置10と同様に構成される。
【0116】
第2のガス輸送ライン77は、筐体23内に収容されている。第2のガス輸送ライン77は、第1のガス輸送ライン34の分岐位置より前段に位置するガス状造影剤輸送ライン31から分岐すると共に、液体輸送ライン33と接続されている。
第2のガス輸送ライン77は、液体輸送ライン33を流れる液体Bに炭酸ガスAを輸送するラインである。
第2のガス輸送ライン77の材料としては、第1の実施形態で説明した第1のガス輸送ライン34と同じものを用いることができる。
第6のバルブ78は、第2のガス輸送ライン77に設けられている。
【0117】
第2の実施の形態の造影剤供給装置によれば、第1のガス輸送ライン34の分岐位置より前段に位置するガス状造影剤輸送ライン31から分岐すると共に、液体輸送ライン33と接続された第2のガス輸送ライン77を有することにより、第2のガス輸送ライン77の接続位置から液体輸送ライン33の他端までの間に位置する液体輸送ライン33を液体Bと炭酸ガスAとを混合させるラインとして使用することが可能となる。
これにより、第1のガス輸送ライン34のみを有する場合と比較して、液体Bと炭酸ガスAとを効率良く混合させることができる。
【0118】
なお、造影剤供給装置75を用いた第2の実施の形態の造影剤供給方法は、液状造影剤Dを供給する前のパージ処理、及び液状造影剤Dを患者(使用先)に供給する際において、第6のバルブ78を開けること以外は、先に説明した第1の実施の形態の造影剤供給方法と同様な手法により実施することができる。
【0119】
第2の実施の形態の造影剤供給方法では、液状造影剤Dを生成する工程が、液体輸送ライン33を流れる液体B中に、第1の容器25から炭酸ガスAを供給して、炭酸ガスAを含む液体Bを生成する工程と、炭酸ガスAを含む液体Bと、第1の容器25から導出した炭酸ガスAと、を混合させた後、液体B中に炭酸ガスAの気泡を形成する工程と、を有することが、第1の実施の形態の造影剤供給方法とは異なる。
【0120】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、同一の造影剤供給装置を用いて、患者の体質や病状に応じて、等張液及び炭酸ガスの気泡を含む液状造影剤と、炭酸ガスよりなるガス状造影剤と、を切り替えて患者に供給することの可能な造影剤供給装置及び造影剤供給方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0122】
10,75…造影剤供給装置、11…造影剤供給装置本体、13…造影剤供給用注射筒、13−1…外筒、13−2…筒先、13−3…押し子、13−4…ガスケット、14…三方弁、15…パージ用ライン、16…分岐ライン、18…継手、19…カテーテル、23…筐体、23−1…収容部、23−2…蓋部、25…第1の容器、26…第2の容器、28…造影剤供給ライン、28−1…第1の造影剤供給ライン、28−2…第2の造影剤供給ライン、29…接続部、31…ガス状造影剤輸送ライン、33…液体輸送ライン、34…第1のガス輸送ライン、35…第5のバルブ、36…第1の圧力計、37…フィルター、38…第3のバルブ、41…第2の圧力計、42…第1の逆止弁、44…第2の逆止弁、46…第4のバルブ、48,48−1,48−2,48−3,48−4,48−5,48−6…気泡部、49…液状造影剤輸送ライン、50…切り替え手段、50−1…第1のバルブ、50−2…第2のバルブ、52…第3の逆止弁、53…流量調整部、62…絞り管、64…スタティックミキサー、66…網目状の板、68…板材、69…円形の小孔、71…扇形状の孔、77…第2のガス輸送ライン、78…第6のバルブ、H…高さ、W,W…幅、R,R…内径
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5