(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
住戸玄関等の住戸外に設置され来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼出して通話を成立させる玄関子機と、前記住戸内に設置され前記来訪者からの呼出しに応答した前記居住者が通話を成立させる居室親機と、前記住戸内に設置されるエアコン、湯沸かし器等の住戸設備機器とを有し、
前記居室親機及び前記住戸設備機器間は、インターネット等の汎用ネットワークに接続されるルータを経由して相互に接続され、
前記住戸設備機器は、自機器の状態変化を示す状態通知信号を生成する機器CPUと、前記機器CPUで生成された前記状態通知信号を前記居室親機に送出する機器送信部とを備えるインターホンシステムであって、
前記居室親機は、前記住戸設備機器の前記機器送信部から伝送されてくる前記状態通知信号を受信する親機受信部と、前記親機受信部で受信された前記状態通知信号に対応した文字列データが参照される親機用データ変換表が記憶された親機記憶部と、前記親機記憶部の前記親機用データ変換表を参照して前記文字列データを取得する親機CPUと、前記親機CPUで取得された前記文字列データを音声合成データに変換する音声合成部と、前記音声合成部で生成された前記音声合成データを出力する親機音声出力部とを備えることを特徴とするインターホンシステム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明のインターホンシステムを適用した実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施例によるインターホンシステムの全体構成を示すシステム説明図である。このインターホンシステムは、住戸玄関等の住戸外に設置され来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼出して通話を成立させる玄関子機1と、住戸内に設置され来訪者からの呼出しに応答した居住者が通話を成立させる居室親機2aと、居住者により携行され居室親機2aを経由して玄関子機1との間の信号伝送路を形成し来訪者との間で通話を成立させる例えば、スマートフォンや携帯電話等の携帯情報端末3と、インターネット等の汎用ネットワーク5に接続され居室親機2a及び携帯情報端末3間相互の信号伝送路を形成する例えば、ブロードバンドルータ等のルータ4aとを有している。
【0016】
ここで、玄関子機1及び居室親機2a間は、子機/親機ラインL1を経由して接続されている。また、居室親機2a及びルータ4a間は、親機/ルータラインL2を経由して接続されており、この親機/ルータラインL2は、有線又は無線で構成することができる。
【0017】
さらに、携帯情報端末3及びルータ4a間は、端末/ルータラインL3を経由して接続されており、この端末/ルータラインL3についても親機/ルータラインL2と同様、有線又は無線で構成することができる。
【0018】
同図に示す玄関子機1には、子機操作部10、映像撮像部11及び子機通話部12が備えられている。
【0019】
この玄関子機1において、子機操作部10は、来訪者が居住者を呼出すための呼出操作を行うものであって例えば、呼出ボタンで構成されている。
【0020】
また、映像撮像部11は、来訪者や住戸先の周囲近傍の映像を撮像し、所定の信号処理により映像データ(映像信号)を生成するものであって例えば、CCD、CMOS等の各種の映像撮像媒体で構成されている。
【0021】
さらに、子機通話部12は、来訪者が居住者との間で通話を成立させる音声データ(音声信号)を入出力するものであって、子機マイク120及び子機スピーカ121を有している。
【0022】
同図に示す居室親機2aには、親機表示部20、親機通話部21及び親機操作部22が備えられている。
【0023】
この居室親機2aにおいて、親機表示部20は、玄関子機1の映像撮像部11で撮像・生成された映像信号を表示するものであって例えば、LCD、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されており、この親機表示部20によれば、来訪者からの呼出しがあることを示す例えば、文字メッセージや絵データ等を表示することができるばかりでなく親機操作部22の操作情報を表示することもできる。
【0024】
なお、親機表示部20としては、来訪者からの呼出しがあることを所定の点滅パターンや点灯パターンで表示する例えば、LED(図示せず)を適用することもできる。
【0025】
また、親機通話部21は、居住者が来訪者との間で通話を成立させる音声データ(音声信号)を入出力するものであって、親機マイク210及び親機スピーカ211を有しており、この親機スピーカ211は、来訪者からの呼出しがあることを示す例えば、呼出音や音声メッセージ等を出力することもできる。なお、親機通話部21としては、親機マイク210及び親機スピーカ211の使用によるハンズフリーの拡声通話機能に限定されず、図示しないハンドセットの使用によるハンドセット通話機能を適用することもできる。
【0026】
さらに、親機操作部22は、来訪者からの呼出しに居住者が応答して親機通話部21(210、211)の使用による通話を成立させる応答操作やその通話を終了させる終話操作が行われるものであって例えば、親機表示部20の前面に配置されたタッチパネルや所定の操作ボタンで構成され、この親機操作部22によれば、玄関子機1の映像撮像部11を所定のタイミングで駆動させる監視起動操作や自居室親機の留守設定等を行うこともできる。
【0027】
同図に示す携帯情報端末3には、端末表示部30、端末通話部31及び端末操作部32が備えられている。
【0028】
この携帯情報端末3において、端末表示部30は、玄関子機1の映像撮像部11で撮像・生成された映像データ(映像信号)を表示するものであって例えば、LCD、有機ELディスプレイ等の各種の表示媒体で構成されており、この端末表示部30によれば、来訪者からの呼出しがあることを示す例えば、文字メッセージや絵データ等を表示することができるばかりでなく端末操作部32の操作情報を表示することもできる。なお、端末表示部30としては、来訪者からの呼出しがあることを所定の点滅パターンや点灯パターンで表示する例えば、LED(図示せず)を適用することもできる。
【0029】
また、端末通話部31は、居住者が来訪者との間で通話を成立させる音声データ(音声信号)を入出力するものであって、端末マイク310及び端末スピーカ311を有しており、この端末スピーカ311は、来訪者からの呼出しがあることを示す例えば、呼出音や音声メッセージ等を出力することもできる。
【0030】
さらに、端末操作部32は、来訪者からの呼出しに居住者が応答して端末通話部31(310、311)の使用による通話を成立させる応答操作やその通話を終了させる終話操作が行われるものであって例えば、端末表示部30の前面に配置されたタッチパネルや所定の操作ボタンで構成され、この端末操作部32によれば、来訪者との間でコミュニケーションを図る音声データに代わり、その旨の文字列データを入力することもできる。
【0031】
次に、前述の玄関子機1、居室親機2a及び携帯情報端末3についての具体的な構成を、
図2(A)、(B)、(C)のブロック図をそれぞれ参照して説明する。
【0032】
図2(A)に示す玄関子機1には、前述の子機操作部10、映像撮像部11及び子機通話部12(120、121)と、子機CPU13、子機I/F(インターフェース)14が備えられている。
【0033】
この玄関子機1において、子機CPU13は、当該玄関子機の構成各部を制御するものである。また、子機I/F14は、映像撮像部11から子機/親機ラインL1への信号伝送路、子機通話部12(120、121)及び子機/親機ラインL1間の信号伝送路、子機CPU13及び子機/親機ラインL1間の信号伝送路をそれぞれ形成し、形成された信号伝送路を経由して各種の信号を送受信するものである。
【0034】
図2(B)に示す居室親機2aには、前述の親機表示部20、親機通話部21(210、211)及び親機操作部22と、音声合成部23a、親機CPU24、子機側親機I/F25及びルータ側親機I/F26が備えられている。
【0035】
この居室親機2aにおいて、音声合成部23aは、携帯情報端末3の端末操作部32で入力された文字列データを例えば、人工音声等の機械的な音声合成データに変換するものである。また、親機CPU24は、当該居室親機の構成各部を制御するものである。また、子機側親機I/F25は、子機/親機ラインL1から親機表示部20への信号伝送路、親機通話部21(210、211)及び子機/親機ラインL1間の信号伝送路、親機CPU24及び子機/親機ラインL1間の信号伝送路をそれぞれ形成し、形成された信号伝送路を経由する各種データ信号を送受信するものである。また、ルータ側親機I/F26は、親機通話部21(210、211)及び親機/ルータラインL2間の信号伝送路、親機CPU24及び親機/ルータラインL2間の信号伝送路をそれぞれ形成し、形成された信号伝送路を経由して各種の信号を送受信するものである。さらに、子機側親機I/F25及びルータ側親機I/F26間は、相互に接続されて信号伝送路を形成している。
【0036】
図2(C)に示す携帯情報端末3には、前述の端末表示部30、端末通話部31及び端末操作部32と、端末CPU33、端末I/F34が備えられている。
【0037】
この携帯情報端末3において、端末CPU33は、当該携帯情報端末の構成各部を制御するものである。また、端末I/F34は、端末通話部31(310、311)及び端末/ルータラインL3間の信号伝送路、端末CPU33及び端末/サーバラインL3間の信号伝送路をそれぞれ形成し、形成された信号伝送路を経由して各種の信号を送受信するものである。
【0038】
このように構成された本発明の第1の実施例によるインターホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について説明する。
【0039】
住戸玄関等の住戸外に居る来訪者が、
図1、
図2(A)に示す玄関子機1の子機操作部10を使用して呼出操作を行うと、この操作を検出した子機CPU13で呼出信号が生成される。また、子機CPU13で生成された呼出信号は、子機I/F14、子機/親機ラインL1、
図2(B)に示す居室親機2aの子機側親機I/F25を経由して親機CPU24に伝送される。
【0040】
居室親機2aの親機CPU24は、玄関子機1から伝送されてきた呼出信号を受信すると、住戸玄関等の住戸外に居る来訪者からの呼出しがあることを検出し、その旨の例えば、呼出音や音声メッセージ等を親機通話部21の親機スピーカ211から出力させる。また、親機CPU24は、親機表示部20を出画可能な状態に制御するとともに、玄関子機1の映像撮像部11を駆動させるための撮像制御信号を生成する。この撮像制御信号は、前述の呼出信号と逆の信号伝送路を経由して子機CPU13に伝送されるため、当該撮像制御信号を受信した子機CPU13の制御により映像撮像部11が駆動する。
【0041】
ここで、玄関子機1の映像撮像部11は、呼出操作を行った来訪者や住戸外の周囲近傍の映像を撮像して映像信号を生成する。この映像信号は、映像撮像部11から子機I/F14、子機/親機ラインL1、居室親機2aの子機側親機I/F25を経由して親機表示部20に伝送されるため、映像撮像部11で撮像された映像、すなわち、呼出操作を行った来訪者や住戸外の周囲近傍の映像が親機表示部20に出画される。なお、親機CPU20によれば、その制御として、来訪者による玄関子機1からの呼び出しがある旨の例えば、文字メッセージや絵データを親機表示部20に表示することもできる。
【0042】
また、居室親機2aの親機CPU24によれば、例えば、親機操作部22の使用による呼出転送設定、すなわち、住戸玄関等の住戸外に居る来訪者からの呼出しが携帯情報端末3を携行している居住者に通知する設定であるとき、玄関子機1からの呼出信号及び映像信号を、ルータ側親機I/F26、親機/ルータラインL2、ルータ4a、端末/ルータラインL3、
図2(C)に示す携帯情報端末3の端末I/F34を経由して端末CPU33に送出する。
【0043】
携帯情報端末3の端末CPU33は、玄関子機1から居室親機2aを経由して伝送されてきた呼出信号及び映像信号のうち当該呼出信号を受信すると、住戸玄関等の住戸外に居る来訪者からの呼出しがあることを検出し、その旨の例えば、呼出音や音声メッセージ等を端末通話部31の端末スピーカ311から出力させる。また、端末CPU33は、端末表示部30を出画可能な状態に制御し、同様に受信した映像信号をもとに玄関子機1の映像撮像部11で撮像された映像、すなわち、呼出操作を行った来訪者や住戸外の周囲近傍の映像を出画させる。なお、端末CPU33によれば、その制御として、来訪者による玄関子機1からの呼び出しがある旨の例えば、文字メッセージや絵データを端末表示部30に表示することもできる。
【0044】
次に、前述のような呼出報知及び出画映像をもとに、来訪者による玄関子機1からの呼び出しがあることをその来訪者の判別とともに確認できた住戸内に在室中の居住者、又は情報携帯端末3を携行している居住者のうち、最先に応答した居住者、例えば、住戸内に在室中の居住者であって
図1、
図2(B)に示す居室親機2aの親機操作部21を使用して応答操作を行うと、この操作を検出した親機CPU23及び
図2(A)に示す子機CPU13の制御により、居住者が使用する親機通話部21の親機マイク210及び親機スピーカ211と、子機側親機I/F25、子機/親機ラインL1、子機I/F14を経由して来訪者が使用する子機通話部12の子機マイク120及び子機スピーカ121との間の信号伝送路、すなわち、双方向の通話路が形成されるため、形成された通話路を経由して音声信号を送受信することで通話が成立する。
【0045】
一方、最先の応答者として
図1、
図2(C)に示す情報携帯端末3を携行している居住者が端末操作部32を使用して応答操作を行うと、この操作を検出した端末CPU33、居室親機2aの親機CPU24及び関子機1の子機CPU13の制御により、居住者が使用する端末通話部31の端末マイク310及び端末スピーカ311と、端末I/F34、端末/ルータラインL3、ルータ4a、親機/ルータラインL2、ルータ側親機I/F26、子機側親機I/F25、子機/親機ラインL1、子機I/F14を経由して来訪者が使用する子機通話部11の子機マイク120及び子機スピーカ121との間の信号伝送路、すなわち、双方向の通話路が形成される。
【0046】
ここで、情報携帯端末3を携行している居住者として、住戸内に在室中又は住戸を不在としている例えば、外出中の居住者が自己の声を出せる状況であるとき、すなわち、端末通話部31の端末マイク310への音声入力が可能な状態であれば、この居住者は前述の形成された通話路を経由して音声信号を送受信することで来訪者との間で通話が成立する。
【0047】
これに対し、情報携帯端末3を携行している居住者として、住戸内に在室中又は住戸を不在としている例えば、外出中の居住者が自己の声を出せない状況であるとき、すなわち、端末通話部31の端末マイク310への音声入力が不可能な状態であれば、この居住者は、端末操作部32を用いて来訪者との間でコミュニケーションを図る音声データに代わり、その旨の文字列データを入力する。
【0048】
ここで、情報携帯端末3の端末操作部32により入力された文字列データは、その操作を検出した端末CPU33の制御により端末表示部30に表示されるため、誤った文字入力の発生を防止できる。また、端末CPU33は、入力された文字列データを含むデータ信号を生成し、端末I/F34、端末/ルータラインL3、ルータ4a、親機/ルータラインL2、居室親機2aのルータ側親機I/F26を経由して親機CPU24に送出する。
【0049】
居室親機2aの親機CPU24は、携帯情報端末3から伝送されてきたデータ信号に含まれている文字列データについて、音声合成部23aで人工音声等の機械的な音声合成データに変換し、この音声合成データを、子機側/親機I/F25、子機/親機ラインL1、玄関子機1の子機I/F14を経由して子機通話部12に送出し、子機スピーカ121から出力させることができる。
【0050】
したがって、居住者によれば、来訪者からの呼出しを確認した居住者が声を出せない状況であっても、来訪者との間で適切なコミュニケーションを図ることができる。
【0051】
次に、本発明の第2の実施例によるインターホンシステムについて、図面を参照して説明する。
【0052】
図3は、同実施例によるインターホンシステムの全体構成を示すシステム説明図である。このインターホンシステムは、住戸玄関等の住戸外に設置され来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼出して通話を成立させる玄関子機1と、住戸内に設置され来訪者からの呼出しに応答した居住者が通話を成立させる居室親機2bと、住戸内に設置されるエアコン、湯沸かし器等の住戸設備機器6と、インターネット等の汎用ネットワーク5に接続されるサーバ7bと、汎用ネットワーク5に接続され居室親機2b及び住戸設備機器6間相互の信号伝送路、居室親機2b及びサーバ7b間相互の信号伝送路をそれぞれ形成する例えば、ブロードバンドルータ等のルータ4とを有している。なお、玄関子機1及び居室親機2bについては、
図1に示す第1の実施例で適用した玄関子機1及び居室親機2aの構成(外観構成)と同様であるため、その説明は省略する。
【0053】
ここで、玄関子機1及び居室親機2b間は、子機/親機ラインL1を経由して接続されている。また、居室親機2b及びルータ4b間は、親機/ルータラインL2を経由して接続されており、この親機/ルータラインL2は、有線又は無線で構成することができる。さらに、住戸設備機器6及びルータ4b間は、機器/サーバラインL4を経由して接続されており、この機器/サーバラインL4についても親機/ルータラインL2と同様、有線又は無線で構成することができる。
【0054】
次に、前述の玄関子機1、居室親機2b、住戸設備機器6及びサーバ7bについての具体的な構成を、
図4(A)、(B)、(C)、(D)のブロック図をそれぞれ参照して説明する。なお、
図4(A)に示す玄関子機1は、
図2(A)に示す第1の実施例で適用された構成と同様であるため、その説明は省略する。
【0055】
図4(B)に示す居室親機2bには、前述の親機表示部20、親機通話部21(210、211)及び親機操作部22と、音声合成部23b、親機CPU24、子機側親機I/F25、ルータ側親機I/F26及び親機記憶部27bが備えられている。なお、前述の構成部のうち第1の実施例で適用された居室親機2aの構成部と同様な機能を有している場合には、その説明は省略する。
【0056】
この居室親機2bにおいて、親機記憶部27bは、住戸設備機器6から伝送されてくる後述の状態通知信号に対応する文字列データを参照するための親機用データ変換表270が記憶されており例えば、RAM、EEPROM等のデータ書換え可能な記憶媒体で構成されている。また、音声合成部23bは、親機記憶部27bより取得された文字列データを例えば、人工音声等の機械的な音声合成データに変換するものである。
【0057】
図4(C)に示す住戸設備機器6には、機器CPU60、機器I/F61が備えられている。この住戸設備機器6において、機器CPU60は、当該住戸設備機器の構成各部を制御するばかりでなく、自機器の状態変化を示す状態通知信号を生成するものである。また、機器I/F61は、機器CPU60及び機器/ルータラインL4間の信号伝送路を形成し、形成された信号伝送路を経由して各種の信号を送受信するものである。
【0058】
図4(D)に示すサーバ7bには、サーバ記憶部70、サーバ操作部71、サーバCPU72及びサーバI/F73が備えられている。
【0059】
このサーバ7bにおいて、サーバ記憶部70は、居室親機2bの親機記憶部27bに記憶された親機用データ変換表270の内容を変更するために必要とされる新たな当該データ変換表を示すサーバ用データ変換表700が記憶されるものであって例えば、RAM、EEPROM等のデータ書換え可能な記憶媒体で構成されている。また、サーバ操作部71は、親機用データ変換表270を変更させるための起動操作が行われるものであって例えば、
図3に示す操作ボタンで構成されている。また、サーバCPU72は、当該サーバの構成各部を制御するものである。さらに、サーバI/F73は、サーバCPU72及び汎用ネットワーク5間の信号伝送路を形成し、形成された信号伝送路を経由して各種の信号を送受信するものである。
【0060】
なお、サーバ7bのサーバ記憶部70に記憶されるサーバ用データ変換表700は、サーバ操作部71の使用又は当該サーバに接続される例えば、別途なパーソナルコンピュータ等の外部端末(図示せず)の使用によって、適宜に書換えることができるものである。
【0061】
このように構成された本発明の第2の実施例によるインターホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について説明する。なお、同実施例において、
図3、
図4(A)に示す玄関子機1が設置される住戸玄関等の住戸外に居る来訪者からの呼出しを確認した住戸内に在室中の居住者が、
図3、
図4(B)に示す居室親機2bで応答することにより通話を成立させる動作は、前述の第1の実施例と同様であるため、その説明は省略する。
【0062】
図3、
図4(C)に示す住戸設備機器6の機器CPU60は、自機器の状態変化を管理しており、例えば、「10001」、「20001」等のような桁毎で機器種別や状態が表される状態通知信号を生成する。この状態通知信号は、機器CPU60から機器I/F61、機器/ルータラインL4、ルータ4b、親機/ルータラインL2、
図4(B)に示す居室親機2bのルータ側親機I/F26を経由して親機CPU24に伝送される。
【0063】
居室親機2bの親機CPU24は、住戸設備機器6から伝送されてきた状態通知信号を受信すると、親機記憶部27bに記憶された親機用データ変換表270を参照し、受信した状態通知信号に該当する文字列データを取得する。具体的には、「お風呂が10分で沸きます」、「エアコンが停止します」等のような、住戸設備機器6の状態変化を示す文字列データが取得される。また、親機CPU24は、取得した文字列データについて音声合成部23bで人工音声等の機械的な音声合成データに変換し、この音声合成データを親機通話部21に送出することで、親機スピーカ211から出力させることができる。
【0064】
したがって、居住者によれば、何らの操作を行うことなく住戸設備機器6の状態変化の詳細を、居室親機2bの聴覚的報知手段を構成する親機通話部21の親機スピーカ211からの出力で確認することができる。
【0065】
なお、居室親機2bの親機CPU24によれば、前述のような聴覚的報知手段のみならず、取得した文字列データを親機表示部20に表示するような視覚的報知手段を用いて、住戸設備機器6の状態変化の詳細を居住者に確認させることもできる。
【0066】
次に、
図3、
図4(D)に示すサーバ7bによれば、居室親機2bの親機記憶部27bに記憶されている親機用データ変換表270を変更するにあたり、その変更に必要とされるサーバ用データ変換表700をサーバ記憶部70には予め記憶させておく。その具体的な手段としては、サーバ操作部71を用いて入力する又は当該サーバに接続される例えば、パーソナルコンピュータ等の外部端末(図示せず)を使用して入力することができる。
【0067】
この後、サーバ7bのサーバ操作部71で起動操作が行われると、この操作を検出したサーバCPU72は、親機用データ変換表を変更させるための変更起動制御信号を生成する。また、サーバCPU72で生成された変更起動制御信号は、サーバI/F73、汎用ネットワーク5、ルータ4b、親機/ルータラインL2、
図4(B)に示す居室親機2bのルータ側親機I/F26を経由して親機CPU24に伝送される。
【0068】
居室親機2bの親機CPU24は、サーバ7bから伝送されてきた変更起動制御信号を受信すると、サーバ記憶部70に記憶されているサーバ用データ変換表700を読出すためのデータ読出制御信号を生成し、前述の変更起動制御信号と逆の信号伝送路を経由してサーバCPU72に送出する。
【0069】
サーバ7bのサーバCPU72は、居室親機2bから伝送されてきたデータ読出制御信号を受信すると、サーバ記憶部70に記憶されているサーバ用データ変換表700を読出し、このサーバ用データ変換表700が付加された書換えデータ信号を生成する。また、サーバCPU72で生成された書換えデータ信号は、前述の変更起動制御信号と同様な信号伝送路を経由して(居室親機2bの)親機CPU24に伝送される。
【0070】
居室親機2bの親機CPU24は、サーバ7bから伝送されてきた書換えデータ信号を検出すると、この信号に付加されているサーバ用データ変換表700を参照し、親機記憶部27bに記憶された親機用データ変換表270をサーバ用データ変換表700に変更(書換え)することができる。
【0071】
したがって、住戸設備機器6の状態変化を居室親機2bで報知するにあたって、この状態変化を示す文字列データが参照される親機用データ変換表270の内容を、サーバ7bを用いて容易に変更することができる。
【0072】
次に、本発明の第3の実施例によるインターホンシステムについて、図面を参照して説明する。
【0073】
図5は、同実施例によるインターホンシステムの全体構成を示すシステム説明図である。このインターホンシステムは、住戸玄関等の住戸外に設置され来訪者が住戸内に在室中の居住者を呼出して通話を成立させる玄関子機1と、住戸内に設置され来訪者からの呼出しに応答した居住者が通話を成立させる居室親機2cと、インターネット等の汎用ネットワーク5に接続され居住者に通知する回覧データやお知らせデータ等のイベント情報が管理されるサーバ7cと、汎用ネットワーク5に接続され居室親機2c及びサーバ7c間相互の信号伝送路を形成する例えば、ブロードバンドルータ等のルータ4cとを有している。なお、玄関子機1、居室親機2cについては、
図1、
図3に示す第1、第2の実施例で適用した玄関子機1及び居室親機2a、2bの構成(外観構成)と同様であるため、その説明は省略する。
【0074】
ここで、玄関子機1及び居室親機2c間は、子機/親機ラインL1を経由して接続されている。また、居室親機2c及びルータ4c間は、親機/ルータラインL2を経由して接続されており、この親機/ルータラインL2は、有線又は無線で構成することができる。
【0075】
次に、前述の玄関子機1、居室親機2c及びサーバ7cについての具体的な構成を、
図6(A)、(B)、(C)のブロック図をそれぞれ参照して説明する。なお、
図6(A)に示す玄関子機1は、
図2(A)、
図4(A)に示す第1、第2の実施例で適用された構成と同様であるため、その説明は省略する。
【0076】
図6(B)に示す居室親機2cには、前述の親機表示部20、親機通話部21(210、211)及び親機操作部22と、音声合成部23c、親機CPU24、子機側親機I/F25及びルータ側親機I/F26が備えられている。なお、前述の構成部のうち第1、第2の実施例で適用された居室親機2a、2bの構成部と同様な機能を有している場合には、その説明は省略する。
【0077】
この居室親機2cにおいて、音声合成部23cは、サーバ7cから伝送されてくる後述の例えば、居住者に通知する回覧データやお知らせデータ等のイベント情報に対応する文字列データを例えば、人工音声等の機械的な音声合成データに変換するものである。
【0078】
また、
図6(C)に示すサーバ7cには、サーバCPU72及びサーバI/F73が備えられている。このサーバ7cにおいて、サーバCPU72は、当該サーバの構成各部を制御するばかりでなく、居住者に通知するイベント情報が文字列データで管理されるものであって、この文字列データは、例えば、RAM、EEPROM等のデータ書換え可能な記憶媒体で構成されるサーバ記憶部(図示せず)に記憶させることができる。また、サーバI/F73は、サーバCPU72及び汎用ネットワーク5間の信号伝送路を形成し、形成された信号伝送路を経由して各種の信号を送受信するものである。
【0079】
なお、サーバ7cのサーバCPU72で管理されるイベント情報は、当該サーバの操作ボタン(図示せず)や当該サーバに接続される例えば、別途なパーソナルコンピュータ等の外部端末(図示せず)の使用によって、適宜に書換えることができるものである。
【0080】
このように構成された本発明の第3の実施例によるインターホンシステムにおいて、以下、具体的な動作について説明する。なお、同実施例において、
図5、
図6(A)に示す玄関子機1が設置される住戸玄関等の住戸外に居る来訪者からの呼出しを確認した住戸内に在室中の居住者が、
図5、
図6(B)に示す居室親機2cで応答することにより通話を成立させる動作は、前述の第1の実施例と同様であるため、その説明は省略する。
【0081】
図5、
図6(C)に示すサーバ7cのサーバCPU72によれば、居室親機2cが設置された住戸内に在室中の居住者に通知すべき回覧データやお知らせデータ等のイベント情報を文字列データで管理している。このサーバCPU72は、例えば、イベント情報の具体的な内容に対応させたタイミング、具体的に、そのイベント情報として緊急性が高い場合には速やかに、それ以外の場合には定期的なタイミングで、イベント情報に該当する文字列データ及び通知先の住戸アドレスが付加された情報通知信号を生成する。また、サーバCPU72で生成された情報通知信号は、サーバI/F73、汎用ネットワーク5、ルータ4c、親機/ルータラインL2、
図6(B)に示す居室親機2cのルータ側親機I/F26を経由して親機CPU24に伝送される。
【0082】
居室親機2cの親機CPU24は、サーバ7cから伝送されてきた情報通知信号を受信すると、この信号に含まれている住戸アドレスと自住戸アドレスとを参照して、当該アドレスが一致した場合にのみ、文字列データを音声合成部23cで人工音声等の機械的な音声合成データに変換し、この音声合成データを親機通話部21に送出することで、親機スピーカ211から出力させることができる。
【0083】
したがって、居住者によれば、何らの操作を行うことなく自己に通知されたイベント情報の詳細を、居室親機2cの聴覚的報知手段を構成する親機通話部21の親機スピーカ211からの出力で確認することができる。
【0084】
なお、居室親機2cの親機CPU24によれば、前述のような聴覚的報知手段のみならず、取得した文字列データを親機表示部20に表示するような視覚的報知手段を用いて、自己に通知されたイベント情報の詳細を居住者に確認させることもできる。
【0085】
本発明のインターホンシステムにおいては、特定の実施の形態をもって説明してきたが、この形態に限定されるものでなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成の当該システムであっても採用できるということはいうまでもないことである。
【0086】
具体的に本発明の実施例においては、住戸玄関等の住戸外に設置される玄関子機1として映像撮像部11を備えた当該玄関子機を適用したが、この態様に限定されるものではない。例えば、映像撮像部11が不備とされる玄関子機1を適用することもできる。
【0087】
また、本発明の実施例において住戸とは、戸建て向け住戸に限定されるものでなく、その住戸が複数戸設けられる例えば、マンション等の集合住宅向け住戸にも適用することができる。このような集合住宅向け住戸として居室親機2a、2b、2cを住戸内に設置するにあたって、例えば、サーバ7b、7cから居室親機2b、2cに各種の信号を送出するには、居室親機2b、2cが有する住戸アドレスを個別又は複数指定することで特定の当該居室親機への信号伝送が可能となる。具体的に、イベント情報を通知すべき居住者が複数存在している場合には、該当する居住者の住戸アドレスを複数指定することで、イベント情報を一斉配信できる。