(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第2検査モジュール(8)は、一方に第2領域(12)を照明するように配置される照明ユニット(14)、他方に第2領域(12)を通過した光の少なくとも1つの光学的特性を収集し測定するように配置される分析ユニット(16)を備え、コントローラ(6)は、照明ユニット(14)を制御する、請求項1に記載の装置。
照明ユニット(14)は、少なくとも1つのレーザ及び/又は少なくとも1つの発光ダイオード及び/又は少なくとも1つのレーザダイオードを備える照明光源(18)を備える、請求項2又は3に記載の装置。
照明ユニット(18)は、照明光源(18)から放出された光を受光する第1端部(22)と第2領域を照明する第2端部(26)を備える光ガイド(20)を備える、請求項4〜6のいずれか1項に記載の装置。
照明ユニット(18)は、照明光源(18)から放出された光を受光し、かつ、コントローラ(6)の制御下で選択的に光を再放出するように配置される音響光学モジュレータを備える、請求項4〜7のいずれか1項に記載の装置。
前記チャネルの各領域に配置される1つ以上の副検査モジュールを備え、各副検査モジュールは、各領域を通過する生体液の少なくとも1つの光学的特性を測定するように配置され、前記コントローラは、前記副検査モジュールの少なくともいくつかを制御するように配置される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
【背景技術】
【0002】
最新光学の発展に伴い、細胞分析の分野は顕著に発展している。
【0003】
多色光源の集積により、様々な細胞を検出、分析しうる分析器の製造が可能となり、かつ、物理学の進展で測定の質が向上した。
【0004】
しかしながら、当該進展は限界に達している。実際、多色光源を分析器に集積する多色光源の製造方法があるが、これでは最新の分析が限定される不利益がある。
【0005】
第1の方法は、QTH(クオーツタングステンハロゲン)ランプタイプ又は水銀ランプやキセノンランプ等の放電光源タイプの光源を用いる。
【0006】
QTHランプの輝度は比較的低い。熱力学の法則を放射率ε(T)の温度(T)を導くタングステンフィラメントに適用すると、波長にかかわらず輝度は低いことを示す。
【0007】
さらに、フィラメントが著しく高温でなければ光子束は増えず、電力は単に耐用年限を消費しないと高まらない。しかしながら、タングステンフィラメントが3000℃を超える高温になると、耐用年限が1000時間未満となる非可逆性老化メカニズムが生じる。
【0008】
さらに、測定点での電力密度は開口数が大きい成形光学を選択しなければ高められない。実際、入射照明コーンは30°よりも開く。従来のフローサイトメトリー系は狭角で回折する光を測定するため、その可能性が限られる。
【0009】
放射光源はQTHランプに比較して極めて明るいが、以下の多くの不利益に留意すべきである:
−空間コヒーレンスが低い拡張放射源は、狭角での回折信号の測定に適さない;
−当該光源は超高電圧により脈動し、低レベル信号を処理する電子コンポーネントで電磁干渉が発生する;
−干渉が原則パルスの発生と処理に基づくため、パルスで周波数スペクトル幅が極めて広い干渉はフィルタ除去が困難で、フローサイトメトリー系で測定される信号を直接干渉する;
−機械的に極端に脆弱である;及び
−集中使用のためのフローサイトメトリー系で耐用年限が数百時間以下である。
【0010】
つまり、当該タイプの光源は使用年限が劣り、スペクトル電力密度がサイトメトリーへの適用や蛍光分析での利用に極めて劣ることが示される。さらに、当該空間コヒーレンスが低い拡張放射源は、狭角回折測定に適さない。
【0011】
他の方法は、多くの有用なエネルギー特性があるレーザを用いることである。しかしながら、用いられるレーザは単色で、連続又は同時に測定するにはレーザを複数共同で位置合わせして用いなければならない。
【0012】
当該方法は、結果として分析器の製造における位置合わせの製造費用が高くなる。
【0013】
同様の問題はスペクトルがそれほど拡張しない光源でも生じる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の図面と説明は概ね特定要素を含む。つまり、それらは、本発明のより良い理解を目的とするだけでなく、適宜、定義にも寄与する。
【0023】
図1は本発明の検査装置を示し、その装置は、流体チャネル2、第1検査モジュール4、コントローラ6及び第2検査モジュール8を備える。
【0024】
本明細書の例示では、分析される流体は血液で、
図1のチャネル2で矢印の方向へ流れる。本発明は特に血液計数分野で特に有利に用いられ、より一般に、全ての流体の全ての生物学的分析に関する。つまり、本発明はフローサイトメトリー等の実行に用いられうる。
【0025】
チャネル2は本装置の測定管の一部である。例えば特許文献1から公知のように、測定管は、焦点ノズルとその端部の反対側に配置された毛細管とを備える。
【0026】
この形態により流体力学的遮蔽効果が得られ、血液細胞は測定区域や領域という区域や領域に個々に入る。
図1は、チャネル2を含む測定区域の領域での装置の拡大図である。
【0027】
本発明は細胞に関し、流体中のより一般的な粒子を検出する流体検査に適することが理解されるべきである。粒子としては、細胞、小胞、寄生虫又はウイルスがあげられるが、これらに限定されないことが理解されるべきである。
【0028】
本明細書の例示では、チャネル2は第1領域又は区域10と第2区域又は領域12を備え互いに軸方向で210μm離れている。当該距離は装置により変化でき、一般に数十〜数百μmである。当該領域や区域は同程度で、検査モジュール間又は領域間の距離のどちらも記載されうる。
【0029】
以下、区域及び領域との用語は、同要素、つまり、分析される血液細胞が個々通過するチャネル2の区切られた部分に用いられうる。
【0030】
第1検査モジュール4は第1領域10に配置され、当該領域を通過する流体の電気的又は磁気的特性が測定される。
【0031】
本明細書の例示では、測定はチャネル2内のマイクロオリフィスを介して実行される。第1検査モジュール4はマイクロオリフィスに接続される電流源を備え、それにより、電流がモジュールの領域内のチャネル2を通過する。
【0032】
細胞がなければ、第1領域10を通過する流体は、マイクロオリフィスの両側に配置された2つの電極で測定される負荷インピーダンスZを規定する。血液の1つの細胞が第1領域10を通過するとインピーダンスZが増加する。一方、インピーダンスが変化して細胞体積が決定され、細胞計数が実行される。
【0033】
第2検査モジュール8は第2領域12に配置され、その領域を通過する流体の光学的特性が測定される。
【0034】
第2モジュール8は、一方に照明ユニット14を、他方に分析ユニット16を備える。
図2と
図7を参照して当該要素を以下に記載する。
【0035】
図2は、チャネル2の軸方向に観察される第2検査モジュール8の第1実施形態を示す。
【0036】
当該実施形態では、照明ユニット14は、Zarlink製モデルZL60003等の共振空洞発光ダイオード(RCLED)を備える照明光源18と光ガイド20を備える。照明光源18は光ガイド20の入力端22に接続する。
【0037】
特許文献1に記載されたように、光ガイド20は、反対側に成形システム28が配置される出力端26を備える。
【0038】
当該光ファイバ端部は、マイクロマシニングにより異なって処理される端部26を形成し、第2領域12で
図3に示すようなビームプロファイルを得る。変形例では、微細構造光ファイバ、従来の導波光ファイバ又は反射屈折、屈折又は回折系等の他の光学系を用い得る。また、光学系はアナモルフィック光学系でもよい。
【0039】
チャネル2は他面に分析ユニット16は、対物レンズ30、ダイアフラム32及びコリメートレンズ34を備え、さらに光学分析器38の集束レンズ36が続く。
【0040】
光学分析器38はそれ自体公知であり、光電子倍増管やフォトダイオードや他の光電検出装置である検出器を備えうる。
【0041】
分析ユニット16は、収集される光信号が検査で予期される流体と光の相互作用効果である狭角回折及び/又は広角回折及び/又は吸収及び/又は蛍光性及び/又は蛍光寿命:に対応するよう調節されうる。
【0042】
本明細書の例示では、RCLEDで形成される照明光源18は、約3nsと非常に迅速に応答する。当該光学コンポーネントの出力で観察される発光スペクトルは640〜660nmにわたる。
【0043】
また、RCLEDにより形成される照明光源18は、Q−スイッチ、つまり、指示により光放射を発しうる利点がある。
【0044】
当該指示はコントローラ6で生成される。
図4に示すように、コントローラ6は、コンピュータ50、リミッタ52及び2つの信号発生器54と56を備える。
図1から明らかなように、コントローラ6は、一方で第1検査モジュール4を接続し、他方で第2検査モジュール8を接続する。コントローラ6の機能は、細胞が第1検査モジュール4で検出されると第2検査モジュール8の起動を制御することである。
【0045】
そのため、コントローラ6は、第1検査モジュール4から検出信号を受信し、第2検査モジュール8の起動用の制御信号を以下の4組の変数グループを考慮するよう送信を遅延させる:
−第1検査モジュール4の測定区域と第2検査モジュール8の測定区域の距離;
−チャネル2内の流体速度;
−ゼロでもよい照明光源18のQ−スイッチング時間;及び
−細胞外観の多様性。
【0046】
つまり、検査モジュール8で、照明光源18は、第1検査モジュール4で先に検出された細胞が第2領域12内へ通過すると正確にQ−スイッチされる。同様に、光学分析器38は、照明光源18がQ−スイッチされると測定を正確に実行するよう制御される。
【0047】
従って、照明光源18は光学分析器として適する場合に照明され、寄生光に影響されないようにする。
【0048】
適切な遅延計算用のデータはメモリに格納され、コンピュータ50で処理されて、最終的に照明光源18の又は検出モジュール38のQ−スイッチングに用いられる。適切な遅延計算用データはコンピュータ50で処理され、リアルタイムで照明光源18又は検出モジュール38のQ−スイッチングに用いられる。
【0049】
コントローラ6は様々な形態であってよく、特に、異なる電子コンポーネント又はFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はCPLD(コンプレックスプログラマブルロジカル装置)系の電子システムを備える電子回路の形態であってよい。
【0050】
コンピュータ50は、例えば上記4組の変数の関数として遅延の値を検索する「ルックアップテーブル」又は4組の変数の関数として遅延を直接計算する数学関数を用いる。
【0051】
コンピュータ50の出力で、一方が照明ユニット14に接続され、他方が分析ユニット16に接続される信号発生器54と56を制御する。
【0052】
信号発生器54は信号を発生し、照明光源18に応じた信号の形状をとる。本明細書の例示では、照明光源18のRCLEDはギザギザの電流信号で励起され、そのパルスの形状、持続時間及び強度は、光源の関数として変化しうる。
【0053】
信号発生器56は、光源18から発する光学信号の時間幅、つまり、持続時間及び光源又信号54の幅の変化に応じた測定窓を形成する。つまり、照明光源18のQ−スイッチング時間が概ね名目値の所定量だけ変化しうる場合、信号発生器56は、それを加味して測定窓をより広くする。例えば、光学信号の時間幅が5μsで、照明光源18のQ−スイッチング時間が平均Q−スイッチング時間から3μsだけ変化すると、形成する測定窓は8μsである。
【0054】
リミッタ52はコンピュータ50と信号発生器54の間に配置される制御バリアである。
【0055】
現在の血液分析器では、大部分の白血球細胞の測定で計算する最大照明の繰返し周波数は約10kHzである。その結果、発生器54の周波数を最大周波数よりも高くして照明光源18を作動させても有用でなくその必要もない。
【0056】
しかしながら、検査モジュール4は10kHzより高い周波数で細胞を検出でき、コントローラ6の周波数をより高めて照明光源18を作動させうる。このリミッタ52は当該状態を回避しうる。
【0057】
リミッタ52はまた、周波数が制限される照明光源で励起信号の発生を回避しうる。それは、例えば、以下に記載される
図7の光源である。
【0058】
本明細書の例示では、照明ユニット18が起動されないと光子ノイズが生じ、分析ユニットで測定窓を形成するのに全く役に立たないため、リミッタ52はまた信号発生器56に接続される。
【0059】
発生器54のパルス幅は一般に測定窓の幅よりも狭い。しかしながら、パルス幅はまた、単に、光源の固有の特性及び生体細胞の通過速度に依存してよい。
【0060】
変形例では、リミッタ52は、信号発生器54に及び/又は信号発生器56に及び/又はコンピュータ50に個別に組み込まれてもよい。他の変形例では、コンピュータ50は、遅延計算で細胞の検出頻度を考慮しうる。実際に、照明光源18のQ−スイッチング時間は、コンピュータが受けるQ−スイッチングパルスの周波数の関数として変化しうる。他の変形例では、コントローラ6は、有用なパラメータを格納するメモリを備えうる。
【0061】
他の実施形態では、コントローラ6はまた、分析パラメータを照明ユニット14及び/又は分析ユニット16へ送信して、第1検査モジュール4で実行される測定の関数として特定の調節を行いうる。
【0062】
図5は、コントローラ6で実行される処理のより良い理解のために時間関数として装置に流れる種々の信号を示す例示である:
−第1曲線は第1検査モジュール4の出力での信号を表す;
−第2曲線は、コントローラ6での第1曲線の信号の成形を表す;
−第3の曲線は、以下で定義するt(遅延)と等しい持続時間だけ相殺された、コントローラ6の出力での信号を示す;
−第4の曲線は遅延してQ−スイッチングされる、照明光源18の出力での(光)信号を表し、持続時間は照明光源自体に応じて遅延し、t(Q−スイッチング源)であり、照明光源に応じて遅延の時間がゼロでよい;
−第5の曲線は、上記測定窓という、コントローラ6から分析ユニット16へ送信される制御信号を表す。
【0063】
つまり、コントローラ6で適用される遅延は以下の:t(遅延)=t(モジュール間の距離)−t(Q−スイッチング源)であることが分かる。そして、分析ユニット16は、上記測定窓との、光源18のパルスの持続時間である時間窓で測定するように制御される。
【0064】
変形例では、遅延はまた、コントローラ6で制御信号を計算して発生させる時間を加味して計算される。当該パラメータの調節は、手作業でも自動的でもよい。
【0065】
変数遅延制御として用いるコントローラ6は極めて重要で有利である。実際、非変数遅延するコントローラ6を用いて第1検査モジュール4及び第2検査モジュール8の相対位置を変位させる。しかしながら、当該構成の調節は複雑で時間がかかる。
【0066】
さらに、また、第1検査モジュール4と第2検査モジュール8の距離が、第1領域の機械部品での光反射を回避し、水力で焦点を合わせる最適条件であり、大きすぎず、小さすぎないことが有利である。
【0067】
当該制約のため、遅延の固定化を産業化するには極めて複雑で高価になるが、品質は不十分である。
【0068】
コントローラ6を用いると当該問題が解決される。検査モジュールを変位し、再度位置合わせするよりも、遅延の計算を調節する方が有利だからである。さらに、コントローラ6による照明ユニット14及び分析ユニット16を制御すると光パルスは細胞が通過する瞬間だけQ−スイッチして当該パルスに対して測定窓を調節すれば寄生光を制限できる。
【0069】
図6は、
図2の第2検査モジュールを用いる
図1の装置から得られるマトリックスの例示である。
【0070】
ここで、検査装置は、粒子流で2つの逐次測定を含む細胞診断分析器を構成する。第1測定は粒子の電気検出に対応し、第2測定はフィルタ処理されないRCLEDの光ビームと粒子の相互作用に対応する。
【0071】
上記のとおり、RCLEDは適当なテンション値である矩形信号の注入によりコントローラで制御されるQ−スイッチ照明光源である。上記のとおり、RCLEDの応答時間は非常に迅速(3ns)で、光学コンポーネントの出力で観察される光スペクトルは、640〜660nmである。
【0072】
図7は、
図2と非常に類似する、検査モジュール8の第2実施形態を示す。この実施形態は、照明ユニット14(
図1に示す)が変更される点及び分析ユニット16(
図1に示す)がさらに干渉フィルタ40、波長フィルタ42と44(Semrock(セムロック)のモデルFITC-3540B ExciterとFF01 530/43)並びに集束レンズ48がある他の光学分析器46を備える点で異なる。
【0073】
本実施形態では、照明ユニット14はRCLEDの代わりに白色レーザを備える照明光源18を備える。白色レーザ18はフォトニック結晶光ファイバ(図示せず)で光ガイド20の入力端22に接続される。
【0074】
上記のように、光ガイド20は成形システム28が反対側に配置される出力端26を備える。光ファイバの端部は端部26を形成し、マイクロマシニングにより異なるように処理されて、第2領域12で
図3に示すようなビームプロファイルを得た。代替例では、微細構造光ファイバ、従来の導波光ファイバ又はレンズ系等の他の光学系を用いうる。
【0075】
照明光源18としての白色レーザを用いると可能性が広がる。本明細書に記載した例では、白色レーザ18は、最大繰り返し周波数2kHz、光パルス幅450ps及び最大パルスエネルギー8μJであるポンプレーザを高非線形フォトニック結晶光ファイバへ連結して得られる。
【0076】
そのファイバの出力で観察される光スペクトルは、380〜1750nmであり、エネルギースーパーコンティニウムを形成する。スーパーコンティニウムスペクトルの例は
図8に示す。白色レーザは最大周波数2kHzに対して全スペクトル6mWにわたり平均パワーがある。
【0077】
バンド幅36nmの488nm(Semrock(セムロック)モデルFITC-3540B Exciter)の波長を中心とするバンドバスフィルタを用いて、チアゾールオレンジが活性化される。従って、この波長バンドでの光ビームの平均パワーは、290μW、つまり、320Wのピークパワーである。ここで、光エネルギーは145nJと見積もられるが、
図10に示すように、満足信号対雑音比での蛍光信号と回折信号の測定が満たされる。
【0078】
白色レーザを用いると、波長スペクトルが広く、検出されるべき蛍光色素の関数として望ましい波長をフィルタ処理しうる。実際に、蛍光色素は特定の波長でのみ活性化される。従って、期待した結果により活性化されうる蛍光色素の選択の自由度は、この幅広いスペクトル源の結果より大きい。また、白色レーザにより形成される照明光源18は、Q−スイッチ、つまり、指示により光放射を発するという利点がある。
【0079】
照明光源18の白色レーザは、適切なテンション値である矩形信号の注入によりコントローラ6により制御され得るQ−スイッチレーザである。上記のとおり、ポンプレーザの発光波長は1064nmで、赤外範囲で放出されるレーザであり、その最大周波数は2kHzである。白色レーザは当該ポンプをフォトニック結晶ファイバに連結して得られる。
【0080】
リミッタ52は、本実施形態で特に有利に用いられうる。実際、本実施形態の照明光源18の最大周波数が2kHzであることが示された。その結果、信号発生器54が2kHzよりも大きな周波数でその光源を起動する必要はない。
【0081】
しかしながら、検査モジュール4は周波数が2kHzよりも高くても細胞を検出し、その結果、コントローラ6の周波数が高すぎても照明光源18を起動しうる。当該状態はリミッタ52により回避しうる。本明細書の例示では、リミッタ52は、近過ぎる細胞を分けて検出し、照明光源の逐次起動の変化は2kHz以下に等しくなる。
【0082】
図9〜11は、
図7に記載する装置の検査モジュール8で得られる結果を例示する。当該例示では、有核細胞に含まれる核酸分子に結合すると蛍光する特定の特徴があるチアゾールオレンジ含有試薬を用いて血液試料を予め培養した。蛍光は、チアゾールオレンジを青色範囲で活性化し、緑色範囲で発する蛍光を測定して検出しうる。
【0083】
ここで、照明ユニットの光ビームは、青色範囲でフィルタ除去され、検出された信号は、青色範囲で広角回折の第1コンポーネントとチアゾールオレンジから生じる蛍光の第2成分(青色範囲で活性化し緑色範囲で発光する)を備える。
【0084】
得られた測定は
図9〜11でバイパラメトリック表示として示される。当該データにより、異なる白血球個体群が特徴つけられて計数され、細胞中の核酸の存在が明らかになる。
【0085】
この光源の平均電力は低いが、得られた結果は極めて確実で、
図9〜11の画像は異なる白血球個体群が良好に分離されたことを示す。これは、可視範囲でのピークパワーが十分で、信号対雑音比が高まり、光学系が最適化されたためである。
【0086】
従って、当該実施形態は、照明ユニットの光ガイドが照明光源として白色レーザを用いて、コントローラが照明ユニットと分析器を共に制御することに特徴付けられる。
【0087】
当該要素は必ずしも不可欠でないことに留意すべきである。照明ユニットのみを制御してよい。さらに、上記のように、光ガイドは省略されてよく、他の要素に置換されてよい。
【0088】
さらに、本明細書に記載される白色レーザはQ−スイッチ源である。しかしながら、連続レーザ、他の(受動的及び/又は能動的)Q−スイッチレーザ又は時間スライサー有又は無のモード同期レーザに基づき、他のスーパーコンティニウム光源を用いてよい。
【0089】
本発明は特にパルス化形態で動作する光源に適用されうる。ピーク電力(1kWより高い)が高く、平均電力(10W未満)は適当であるものを用いるからである。
【0090】
モードロックレーザは1MHzよりも高い高繰返周波数により特徴付けられ、それは、空洞での光の往復周波数に対応する。
【0091】
一般に、概ねピコ秒及びフェムト秒であるパルスの維持期間に起因し、当該パルスに搬送されるエネルギーは低い。このタイプのレーザは、照明により高繰返周波数で直接用いられて、細胞は分析窓の前を通過する。
【0092】
当該条件下で、複数パルスが細胞を照明し、光信号と生体要素の同期は必要ない。それにもかかわらず、本発明の範囲内で、細胞移動と同期可能な単一のパルスを指示で収集されうる電気光学モジュレータ(ポッケルスセル(Pockels Cell)や音響光学モジュレータ)の使用を想定しうる。
【0093】
タイミングジッターは約数ナノ秒で、一般に1〜5nsであり、生体細胞へのパルス到達の不確実性に対応する。
【0094】
このタイプのシステムはQ−スイッチレーザと同等であるが、パルス持続時間が約ピコ秒、エネルギー1μJ未満の、モジュレータに連結された繰返周波数が約1kHzから数百kHzへ変化する点で異なる。当該アプローチは現在あまり競合しない。当該レーザの価格がQ−スイッチ固体レーザ(ダイオード励起YAG:Ndマイクロレーザタイプ)に比較して極めて高いからである。後者は、数ナノ秒やピコ秒のパルスを極めて単純な方法で生成できる。当該原理は、レーザ空洞内に存在する損失や獲得に作用する、レーザ空洞のQ−ファクタ(Q−スイッチ)が迅速に変化するためである。能動Q−スイッチングと受動Q−スイッチングという2つのQ−スイッチングがある。
【0095】
能動Q−スイッチングは、空洞への光電子コンポーネントの導入や反転分布の原点でのポンプ光源の発光の変調に基づく。
【0096】
第1に、光電子コンポーネントを用いて、タイミングジッターが100ns未満と低い発光が得られうる。しかしながら、モジュレータを挿入することでレーザ空洞長が長くなる。その結果、鼓動で振幅不安定性が導入されうる縦モードがいくつか出現する。空洞で選択フィルタを用いると問題が解決されるが、レーザシステムのコストが高まる。
【0097】
第2に、レーザのポンピングが迅速に変調してパルスの持続時間が短くなる。それにもかかわらず、増幅媒体の蛍光時間により時間が遅延し、空洞のQ−スイッチングの原点の時間内でエネルギーが分散される。
【0098】
その結果、タイミングジッターは1μmよりも大きい。それにもかかわらず、レーザ光源が例えば、ダイオードレーザやマイクロレーザ等の微小共振器がある場合に、小ジッターが多量に得られた。しかしながら、ジッターのない光源は、非線形が影響してスペクトルを拡張しうるために増幅が必要である。当該システムは複雑でコストも一般に高い。
【0099】
受動レーザQ−スイッチングは、レーザ空洞内への飽和可能吸収性タイプの光学コンポーネントの導入に基づく。この「タイムゲート」をQ−スイッチングする外部電源は必要なく、レーザ増幅された自然放出によりその吸収が飽和され、空洞の品質係数が迅速に変更されうるに過ぎない。
【0100】
その結果、空間は狭くてよく、極短共振器が製造でき、数十ピコ〜数ナノ秒のパルスが生成しうる。
【0101】
当該光源は、一般にジッターが1μsより大きく、外部制御での同期は困難である。当該光源のコストは低く、得られるパルスは一般に能動Q−スイッチングで得られるよりものより短い。
【0102】
能動及び受動のQ−スイッチングで、2つの方法の利点を組み合わせうる。能動Q−スイッチングで出力パルスが他のシステムや生物元素と同期しうると共に、受動Q−スイッチングでパルスは短くなる。タイミングジッターは、1〜10kHzの繰返周波数に対して約2〜3マイクロ秒である。
【0103】
また、ダブル能動及び受動Q−スイッチング、即ち、2つの能動Q−スイッチングと1つの受動Q−スイッチングを備えるか又は2つの受動Q−スイッチングと1つの能動Q−スイッチングを備えるシステムがある。当該レーザはタイミングジッターとパルス維持期間の各効果を組み合わせて光源の性能を向上する。
【0104】
本発明の範囲内で、少なくとも1つの外部又は内部の空洞能動Q−スイッチングシステムを用いる随意のレーザ光源は、タイミングジッターが約3μs未満であると所望の用途に用いられうる。
【0105】
フローサイメトリーでスーパーコンティニウムを用いるためには、レーザには特定の特性がなければならない。まず、パルス生成遅延(PCD)は、一定でなければならない。遅延は、スーパーコンティニウムレーザへ送られるQ−スイッチング信号とその後の光パルスの生成で相殺された時間に対応する。
【0106】
第2に、ジッターは、光パルスが現れる2つの時間の最大時間変動である。測定がスーパーコンティニウムがあるフローサイメトリーで測定の信頼性を獲得するため、PCD及びジッターの変動は、好ましくは、約1μm未満でなければならない。最後に、周波数範囲の光パルス同士間のエネルギー変動は、5%未満でなければならない。
【0107】
重要な要素は、全ての光源がコントローラでQ−スイッチされると、各パルス又は、例えば1以上のパルスを選択できるスイッチとして機能する音響光学モジュレータで制御されうることである。それはMOEMS又はポッケルスタイプの電気光学要素であってよい。
【0108】
ダイオード、レーザダイオード又はコントローラで制御される音響光学モジュレータに接続された複数の単色レーザ等の他の照明光源も用いてよい。
【0109】
さらに、他の測定を行うのに血管のさらに下流に他の光学検査モジュールを加えてよい。当該検査モジュールは第2検査モジュール8の制御を行う同様な方法で、コントローラ6で同様に制御されうる。その場合、コントローラ6に他の信号発生器を設けるべきである。
【0110】
また、カスケード接続された光源のQ−スイッチングのいくつかは、各々の光源の遅延を管理して実行されうる。