特許第6027602号(P6027602)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッドの特許一覧
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6027602
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】最適化された脱進機
(51)【国際特許分類】
   G04B 15/00 20060101AFI20161107BHJP
   G04C 5/00 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
   G04B15/00
   G04C5/00
【請求項の数】22
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2014-257425(P2014-257425)
(22)【出願日】2014年12月19日
(65)【公開番号】特開2015-121538(P2015-121538A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2014年12月19日
(31)【優先権主張番号】13199427.9
(32)【優先日】2013年12月23日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】ジャンニ・ディ・ドメニコ
(72)【発明者】
【氏名】ジェローム・ファーヴル
【審査官】 榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第03183426(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 15/00 − 14
G04C 3/04
G04C 3/10
G04C 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共振器(20)と脱進機ホイールセット(40)との間にストッパ(30)を設けた時計用の脱進機機構(10)であって、
前記脱進機機構(10)は:
前記脱進機ホイールセット(40)は、少なくとも1つの磁化された若しくは強磁性の、又は帯電した若しくは静電気伝導性のトラック(50)を含み;
前記トラック(50)は、その磁性又は静電特性が反復している角度移動区間(PD)を有し;
前記ストッパ(30)は、少なくとも1つの磁化された若しくは強磁性の、又は帯電した若しくは静電気伝導性のポールシュー(3)を含み;
前記ポールシュー(3)は、前記トラック(50)の表面(4)上の少なくとも1つの要素と常に物理的非接触状態で対面し、前記要素の移動方向(DD)に対して横断方向(DT)に可動であり;
少なくとも1つの前記ポールシュー(3)又は前記トラック(50)は、前記ポールシュー(3)と前記表面(4)との間のポールギャップ(5)に磁場又は静電場を生成する
ことを特徴とし;
前記ポールシュー(3)は、前記共振器(20)の周期的な動作によって駆動される前記ストッパ(30)の各横断方向運動の前に、前記トラック(50)上の磁場又は静電場ポテンシャル障壁(46)に対面することを更なる特徴とし;及び
前記ストッパ(30)は多安定式であり、少なくとも2つの安定位置をとるように配設されていることを特徴とする、脱進機機構(10)。
【請求項2】
前記ポールシュー(3)又は前記トラック(50)によって前記ポールシュー(3)と前記表面(4)との間に生成される前記磁場又は前記静電場は、前記ポールシュー(3)及び前記表面(4)に印加されるトルク又は力を生成することを特徴とし;並びに
前記トルク又は力は、前記角度移動区間(PD)に対応した周期的な制動トルク又は力であり、前記角度移動区間(PD)はゼロ値のトルク又は力から始まって、前記制動トルク又は力が第1の値(V1)付近で略一定であるポテンシャル傾斜を含む第1の半区間と、前記制動トルク又は力が上昇して最大値に到達する前記磁場又は静電場ポテンシャル障壁を含む第2の部分区間とを含み、前記最大値は、前記第1の値(V1)の少なくとも3倍大きくかつ前記第1の値(V1)と同一の符号の第2の値(V2)であることを更なる特徴とする、請求項1に記載の脱進機機構(10)。
【請求項3】
各前記トラック(50)は各前記磁場又は静電場ポテンシャル障壁(46)の前に、磁場又は電場を有する前記ポールシュー(3)と徐々に増大するよう相互作用する前記ポテンシャル傾斜(45)を有し、
前記磁場又は電場の強度は、ポテンシャルエネルギが上昇するように変化し、
前記ポテンシャル傾斜(45)は前記脱進機ホイールセット(40)からエネルギを受け取る
こと、及び
各前記磁場又は静電場ポテンシャル障壁は各前記ポテンシャル傾斜よりも急であること
を特徴とする、請求項2に記載の脱進機機構(10)。
【請求項4】
前記脱進機ホイールセット(40)は、同一の前記トラック(50)又は前記移動方向(DD)に隣接する2つの前記トラック(50)の2つの連続する前記ポテンシャル傾斜(45)の間に、前記磁場又は場ポテンシャル障壁を有し、
前記磁場又は静電場ポテンシャル障壁は、前記共振器(20)の周期的な動作の結果により前記ストッパ(30)が傾動する以前に前記脱進機ホイールセット(40)の瞬間的な停止をトリガするためのものである
ことを特徴とする、請求項3に記載の脱進機機構(10)。
【請求項5】
前記トルク又は力は、前記角度移動区間(PD)に応じた周期的な制動トルク又は力であること;及び
前記制動トルク又は力は、前記角度移動区間(PD)の始点であるゼロ値のトルク又は力から始まって、第1の角度(T1)に亘ってプラトーに到達するまで値が上昇する正の強度を有し、そして第2の角度(T2)に亘って閾値(S)に到達するまで略一定の前記第1の値(V1)を有し、ここで前記第1の角度(T1)と前記第2の角度(T2)とが組み合わさって前記ポテンシャル傾斜が形成され、
その後第3の角度(T3)に亘って、強度は前記第1の値(V1)より高い前記第2の最大値(V2)まで上昇し、ここで前記第3の角度(T3)の終点は、前記トルク又は力の最大レベルである前記第2の値(V2)における頂点(MC)に対応し、
その後前記トルク又は力の強度は、前記第4の角度(T4)に亘ってゼロ値に到達するまで下降し、ここで前記ゼロ値は最大エネルギレベル(ME)に対応し、前記第3の角度(T3)と前記第4の角度(T4)との組み合わせにより、前記制動トルク又は力が正である前記磁場又は静電場ポテンシャル障壁が構成され
この点を超えると、前記制動トルク又は力は第5の角度(T5)に亘って、トラフにおける負の最小強度(mc)に到達するまで下降し続け、その後第6の角度(T6)に亘って、再び正の値に到達するまで上昇し、次の区間が開始され、
TD=T1+T2+T3+T4+T5+T6であり、
T1+T2≧TD/2である
こと
を特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の脱進機機構(10)。
【請求項6】
前記磁場又は静電場ポテンシャル障壁(46)は、前記第3の角度(T3)に対応する移動に亘る前記トルク又は力の急峻な上昇又は下降の不連続閾値を形成すること、及び
前記第3の角度(T3)は、前記第2の角度(T2)の1/3未満であること
を特徴とする、請求項5に記載の脱進機機構(10)。
【請求項7】
前記第2の最大値(V2)は、前記第1の値(V1)の6倍超であることを特徴とする、請求項2〜6のいずれか1項に記載の脱進機機構(10)。
【請求項8】
前記機構(10)は、前記第2の半区間の前記第5の角度(T5)又は前記第6の角度(T6)に亘って前記ストッパ(30)が負のトルクへと変化することを防止するための機械的停止手段を有することを特徴とする、請求項2〜7のいずれか1項に記載の脱進機機構(10)。
【請求項9】
前記脱進機機構(10)は、前記角度移動区間(PD)の各半分の間に前記脱進機ホイールセット(40)から受け取ったポテンシャルエネルギを蓄積し、前記エネルギを、前記半区間の中間に、前記共振器(20)の周期的な動作によって駆動される前記ストッパ(30)の横断方向運動中に、前記共振器(20)へと周期的に戻し、
前記ポールシュー(3)は、前記脱進機ホイールセット(40)に対して横断方向の第1の半移動(PDC)から、前記脱進機ホイールセット(40)に対して横断方向の第2の半移動(DDC)へ、又はその逆に変化する
ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の脱進機機構(10)。
【請求項10】
少なくとも前記ポールシュー(3)又は前記トラック(50)は、第1の半区間の間は前記第2の半移動(DDC)においてよりも前記第1の半移動(PDC)において強度が高くなり、かつ第2の半区間の間はその逆となる前記磁場又は静電場を生成することを特徴とする、請求項9に記載の脱進機機構(10)。
【請求項11】
前記共振器(20)は、周期的に運動する少なくとも1つの振動子(2)を有すること;
前記脱進機ホイールセット(40)は、エネルギ源からエネルギ供給されること;
前記少なくとも1つのトラック(50)は、移動軌跡(TD)に従った移動によって駆動され、前記角度移動区間(PD)に従って再現された物理的特性を有すること;
前記ポールシュー(3)は、前記移動軌跡(TD)に略垂直な横断方向軌跡(TT)上を、前記トラック(50)の前記移動方向(DD)に対して略垂直な横断方向(DT)に可動であり、固定された中央位置(PM)の第1の側において前記第1の半移動(PDD)を、及び前記中央位置(PM)の第2の側において前記第2の半移動(DDC)を実施し、
ここで前記ポールギャップ(5)において、前記トラック(50)及び/又は前記ポールシュー(3)は、前記角度移動区間(PD)の前記第1の半分の間は前記第2の半移動(DDC)においてよりも前記第1の半移動(PDC)において強度が高くなり、かつ前記角度移動区間(PD)の前記第2の半分の間は前記第1の半移動(PDC)においてよりも前記第2の半移動(DDC)において強度が高くなる前記磁場又は静電場を生成すること;
前記脱進機機構(10)は、前記角度移動区間(PD)の前記第1の半分又は前記第2の半分それぞれの間に前記脱進機ホイールセット(40)を介して前記エネルギ源から伝達された前記ポテンシャルエネルギを蓄積すること;並びに
前記脱進機機構(10)は、前記角度移動区間(PD)の前記第1の半分と前記第2の半分との間に、前記共振器(20)によって駆動される前記ストッパ(30)の前記横断方向運動中に、前記エネルギを前記振動子(2)に戻し、
前記横断方向運動中に、前記ポールシュー(3)は、前記ストッパ(30)上での前記振動子(2)の周期的な動作の影響で、前記第1の半移動(PDC)から前記第2の半移動(DDC)へと、又はその逆へと変化し、
前記ポールシュー(3)は、前記横断方向運動の直前、前記ポールシュー(3)が対面して運動している前記トラック(50)の一部上の前記磁場又は静電場ポテンシャル障壁(46)に対向していること
を特徴とする、請求項9又は10に記載の脱進機機構(10)。
【請求項12】
前記ストッパ(30)が備える各前記ポールシュー(3)は、永久的に磁化又は帯電されており、一定の磁場又は静電場を生成すること;及び
各前記ポールシュー(3)と協働する各前記表面(4)は、関連する前記ポールシュー(3)と共に前記ポールギャップ(5)を形成し、前記ポールギャップ(5)において、前記磁場又は電場は、前記脱進機ホイールセット(40)の軌道上の進行に応じて可変であり、前記関連するポールシュー(3)の前記脱進機ホイールセット(40)に対する相対横断方向位置に応じて可変であり、また前記ストッパ(30)の角度移動と関連していること
を特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の脱進機機構(10)。
【請求項13】
前記ストッパ(30)が備える各前記ポールシュー(3)は、永久的に強磁性又は静電気伝導性であること;及び
各前記ポールシュー3と協働する各前記表面(4)は、関連する前記ポールシュー(3)と共に前記ポールギャップ(5)を形成し、前記ポールギャップ(5)において、前記磁場又は電場は、前記脱進機ホイールセット(40)の軌道上の進行に応じて可変であり、前記関連するポールシュー(3)の前記脱進機ホイールセット(40)に対する相対横断方向位置に応じて可変であり、また前記ストッパ(30)の角度移動と関連していること
を特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の脱進機機構(10)。
【請求項14】
前記脱進機ホイールセット(40)はその2つの側部表面(41、42)のうちの一方の上に、前記ポールシュー(3)の前記横断方向軌跡(TT)に対して略平行な横断方向(DT)と前記トラック(50)の前記移動方向(DF)との両方に対して垂直な軸方向(DA)に関して互いに同心である複数の補助トラック(43)を有し、
各前記補助トラック(43)は、角度的に列になった複数の主基本領域(44)を有し、
各前記主領域(44)は、当該主領域(44)が属する前記補助トラック(43)上の隣接する前記主領域(44)とは異なる磁性又は静電性挙動を示し、また当該主領域(44)に隣接し、かつ当該主領域(44)の前記補助トラック(43)に隣接する別の前記補助トラック(43)上に位置する他の各前記主領域(44)とは異なる磁性又は静電性挙動を示す
ことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の脱進機機構(10)。
【請求項15】
各前記所定の補助トラック(43)上の前記主領域(44)の前記列は、空間的区間(T)に沿って周期的であり、
前記空間的区間(T)は、前記脱進機ホイールセット(40)の1回転の約数を形成する
ことを特徴とする、請求項14に記載の脱進機機構(10)。
【請求項16】
各前記補助トラック(43)は各前記空間的区間上に、磁場又は電場を有する前記ポールシュー(3)と徐々に増大するよう相互作用する前記主領域(44)の連続する前記列を含む前記ポテンシャル傾斜(45)を有し、
前記磁場又は静電場の強度は、最小相互作用領域(4MIN)から最大相互作用領域(4MAX)まで上昇するポテンシャルエネルギを生成できるよう可変であり、
前記ポテンシャル傾斜(45)は、前記脱進機ホイールセット(40)からエネルギを得る
ことを特徴とする、請求項15に記載の脱進機機構(10)。
【請求項17】
前記脱進機ホイールセット(40)は、2つの連続する前記ポテンシャル傾斜(45)の間に、前記磁場又は電場ポテンシャル障壁(46)を有し、
前記磁場又は電場ポテンシャル障壁(46)は、前記共振器(20)の周期的な動作の下で前記ストッパ(30)が傾動する前に前記脱進機ホイールセット(40)の瞬間的な停止をトリガするためのものである
ことを特徴とする、請求項16に記載の脱進機機構(10)。
【請求項18】
前記脱進機ホイールセット(40)は、各前記ポテンシャル傾斜(45)の終点かつ各前記磁場又は静電場ポテンシャル障壁(46)の直前に、前記表面(4)が磁化若しくは帯電されている場合は磁場若しくは静電場の分布の径方向の変動、又は前記表面(4)が強磁性若しくは静電気伝導性である場合はプロファイルの変動を有し、これによって前記ポールシュー(3)に牽引をもたらすことを特徴とする、請求項16又は17に記載の脱進機機構(10)。
【請求項19】
前記脱進機ホイールセット(40)は、各前記磁場又は静電場ポテンシャル障壁(46)の後に、機械的衝撃吸収停止部材を含むことを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の脱進機機構(10)。
【請求項20】
前記ストッパ(30)は、アンクルアームであることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載の脱進機機構(10)。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の脱進機機構(10)を少なくとも1つ有する、時計ムーブメント(100)。
【請求項22】
請求項21に記載のムーブメント(100)を少なくとも1つ、及び/又は請求項1〜20のいずれか1項に記載の脱進機機構(10)を少なくとも1つ有する、時計(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共振器と脱進機ホイールセットとの間にストッパを設けた時計用脱進機機構に関する。
【0002】
本発明は、また、少なくとも1つの上記脱進機機構を含む時計ムーブメントにも関する。
【0003】
本発明は、また、少なくとも1つの上記ムーブメント及び/又は少なくとも1つの上記脱進機機構を含む時計にも関する。
【0004】
本発明は、運動伝達のための時計機構の分野に関し、より具体的には脱進機機構の分野に関する。
【背景技術】
【0005】
スイスレバー式脱進機は、機械式腕時計の調速部材の一部を形成する、極めて広く使用されているデバイスである。この機構は、ヒゲゼンマイ共振器の運動の維持と、駆動列の回転と共振器との同期とを、同時に可能とする。
【0006】
これらの機能を満たすために、ガンギ車は、機械的接触力によってアンクルアームと相互作用し、スイスレバー式脱進機はガンギ車とスイスレバーとの間のこの機械的接触を用いて、一方ではガンギ車からヒゲゼンマイにエネルギを伝達する第1の機能を満たし、またその一方では、テンプが振動する毎に1段階ずつ前進するよう、突発的な運動時にガンギ車を解放及びロックすることからなる第2の機能を果たす。
【0007】
これら第1、第2の機能を達成するために必要な上記機械的接触は、効率、等時性、パワーリザーブ、腕時計の動作寿命を損なう。
【0008】
非接触力を用いて駆動ホイールの回転を機械式共振器と同期させる、「クリフォード」タイプの脱進機等の様々な研究が提案されている。これらのシステムは全て、磁力由来の相互作用力を利用し、共振器の固有周波数によって与えられた速度で、駆動ホイールから共振器へとエネルギを伝達できる。しかしながら、これらのシステムは全て、突発的な運動時にガンギ車を確実に解放及びロックするという第2の機能を満たすことができないという同一の欠点を有する。より具体的には、衝撃を受けるとホイールは機械式共振器との同期を失う場合があり、その結果調速機能は保証されなくなる。
【0009】
KAWAKAMI TSUNETAによる特許文献1は、共振器がホイールを駆動するための電磁式機構を記載している。この特許は、磁気駆動機構を脱進機として使用すると、周波数に好ましくない影響があることに言及している。この機構は振動ストリップを含むが、ストッパを含まず、特に多安定ストッパを含まない。ホイールの回転中、共振器が固定位置にある場合に、ホイールと共振器との間の力は、ある角度区間全体に亘って、最小値(負)と最大値(正)との間で漸進的に変動する。
【0010】
JUNGHANSによる特許文献2は、磁性クリックを有する駆動機構を記載している。この機構もまた振動ストリップを含むが、ストッパを含まず、特に多安定ストッパを含まない。この機構は、ホイールの運動と共振器の運動とを組み合わせて同時に利用する、傾斜及び障壁を含む。
【0011】
HAYDON ARTHURによる特許文献3は、磁性ガンギ車を含む、全体が磁気式の脱進機を記載している。この脱進機では、角度区間の半分の間にホイールが回転すると、エネルギが最小値と最大値との間で連続的かつ漸進的に変動し、続く半分の区間に亘ってエネルギが最小値へと戻る。言い換えると、ある角度区間全体に亘って、ホイール上の磁力は最小値(負)と最大値(正)との間で漸進的に変動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第3518464号
【特許文献2】ドイツ実用新案第1935486号
【特許文献3】米国特許出願第3183426A号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、突発的な運動時にガンギ車を確実に解放及びロックするという第2の機能を確実かつ安全に保証する設備を用いて、アンクルとガンギ車との間の機械的接触力を、磁力由来又は静電力由来の非接触力に置き換えることを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この目的のために、本発明は、共振器と脱進機ホイールセットとの間にストッパを含む、時計用脱進機機構に関する。この脱進機機構は:上記脱進機ホイールセットが、少なくとも1つの磁化された若しくは強磁性の、又は帯電した若しくは静電気伝導性のトラックを含み;このトラックが、その磁性又は静電特性が反復している移動区間を有し;上記ストッパが、少なくとも1つの磁化された若しくは強磁性の、又は帯電した若しくは静電気伝導性のポールシューを含み;上記ポールシューは、上記トラックの表面上の少なくとも1つの要素の移動方向に対して横断方向に可動であり;少なくとも1つの上記ポールシュー又は上記トラックが、上記少なくとも1つのポールシューと上記少なくとも1つの表面との間のポールギャップに磁場又は静電場を生成することを特徴とし、更に、上記共振器の周期的な動作によって制御される上記ストッパの横断方向の各運動の前に、上記ポールシューが、上記トラック上の磁場又は静電場障壁に対面することを特徴とする。
【0015】
本発明の特徴によると、上記脱進機は、上記区間の各半分の間に上記ホイールセットから受け取ったポテンシャルエネルギを蓄積し、上記共振器の周期的な動作によって駆動される上記ストッパの上記横断方向の運動の間に、上記2つの半区間の間にある上記共振器に上記ポテンシャルエネルギを戻し、ここで上記ポールシューは、上記脱進機ホイールセットに対して相対的に横断方向の第1の半移動から、上記脱進機ホイールセットに対して相対的に横断方向の第2の半移動へ、又はその逆に変化する。
【0016】
本発明の特徴によると、少なくとも1つの上記ポールシュー又は上記トラックは、第1の半区間中においては、上記第2の半移動においてよりも強い上記磁場又は静電場を上記第1の半移動において生成し、第2の半区間中においてはその逆である。
【0017】
本発明はまた、少なくとも1つの上記脱進機機構を含む時計ムーブメントにも関する。
【0018】
本発明はまた、少なくとも1つの上記ムーブメント及び/又は少なくとも1つの上記脱進機機構を含む時計にも関する。
【0019】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、単一の磁性ポールシューを有するアンクルアームの形態のストッパをアンクルアーム上に含む、本発明による脱進機機構の第1の実施形態の概略図を示す。このストッパは、複数の同心の補助トラックにより磁化されたガンギ車と協働し、これらのトラックはそれぞれ、異なる強度を有する一連の磁化された領域を含み、アンクルアームが上記磁化された領域に近接した場合にアンクルアームのポールシューと相互作用する異なる斥力を印加し、2つの隣接した同心トラックのすぐ隣にある上記領域もまた異なるレベルの磁化を有する。この図1は、2つの内側及び外側トラックを有する、単純なバージョンを示す。
図2図2は、ガンギ車に対する位置に応じて図1のアンクルアームのポールシューが受ける、磁性相互作用ポテンシャルエネルギの分布の、上面概略図を示す。凹凸になった線は、動作中のアンクルアームのポールシューの軌跡を示し、これは図1の内側トラック及び外側トラックに交互に対面する。
図3図3もまた、図1、2の第1の実施形態に関する図であり、図1の2つのトラックそれぞれに関して、磁化されたトラックに沿ったポテンシャルエネルギ(縦軸)の変動を、中心角(横軸)に応じて示す。内側トラックを実線、外側トラックを破線で示す。この図は、それぞれ半区間に対応するセクションP1−P2、P3−P4においてガンギ車から得られるポテンシャルエネルギの蓄積と、ポールシューP2−P3、P4−P5がトラックを変更した場合の、アンクルアームによるテンプへの上記エネルギの戻しとを示す。
図4図4は、複数の磁化されたポールシューを含むアンクルアームを含む、本発明による脱進機機構の第2の実施形態の概略図を示す。上記アンクルアームはここでは2つのフォーク状要素の形態であり、これらはそれぞれガンギ車の平面の各側上に2つのポールシューを有する。上記2つのフォーク状要素は、従来のスイスレバーの爪石と同様の様式で、アンクルアームの枢動点の各側に配設される。ガンギ車は一連の傾斜を備え、これらはそれぞれ、強度が可変であり順に大きくなる複数の磁石の列で形成され、各傾斜は磁石の障壁によって制限され、これらの異なる磁石は、アンクルアームの2つのフォーク状要素と順次相互作用するよう配設される。
図5図5は、図4のアンクルアームのフォーク状要素の断面図であり、アンクルアーム及びガンギ車の様々な磁化されたセクタの磁場方向を示す。
図6図6は、ポールギャップ領域に磁場を集中させるよう協働する磁石の配置の様々な変形例の、本発明に従って脱進機ホイールセットとストッパとが協働する横断方向平面における断面図である。
図7図7図10は、脱進機ホイールセットの軸を通る、及び協働位置においてストッパの対向するポールシューを通る平面における、異なる実施形態における構成部品の断面図である。図7は、ガンギ車上に配設された可変厚さ又は強度の磁化された構造を示し、これはアンクルアームと一体の磁気回路が生成する磁場と相互作用し、この相互作用は反発又は牽引である。
図8図8は、ガンギ車トラック上の可変厚さの強磁性構造を示し、これは、アンクルアームと一体の磁気回路が生成する磁場との相互作用によって可変ポールギャップを生成する。
図9図9は、アンクルアームと一体の磁石が生成する磁場と相互作用するようにガンギ車の2つの表面上に配設された、可変厚さ又は強度の磁化された構造で形成された2つのディスクを備える、ガンギ車を示し、上記アンクルアームは上記2つの表面によって取り囲まれ、また上記相互作用は反発又は牽引である。
図10図10は、アンクルアームと一体の磁石が生成する磁場と相互作用して可変ポールギャップを生成する、可変厚さの強磁性構造を、ガンギ車の2つの対向する表面上に備える、図9と同様の機械的構造を示す。
図11図11は、図2図3に示した位置のうち点P1(全区間分だけオフセットした点P5と等しい)に関する、図1の機構のガンギ車の枢軸を通過する横断方向平面における、2つの内側及び外側補助トラック上の磁場分布の概略図である。
図12図12は、図2図3に示した位置のうち点P2に関する、図1の機構のガンギ車の枢軸を通過する横断方向平面における、2つの内側及び外側補助トラック上の磁場分布の概略図である。
図13図13は、図2図3に示した位置のうち点P3に関する、図1の機構のガンギ車の枢軸を通過する横断方向平面における、2つの内側及び外側補助トラック上の磁場分布の概略図である。
図14図14は、図2図3に示した位置のうち点P4に関する、図1の機構のガンギ車の枢軸を通過する横断方向平面における、2つの内側及び外側補助トラック上の磁場分布の概略図である。
図15図15は、本発明による脱進機機構が組み込まれたムーブメントを含む時計のブロック図である。
図16図16は、脱進機ホイールセットが円筒形であり、ストッパが上記円筒形の母線に近接した位置に可動ポールシューを含む、変形例を示す。
図17図17は、脱進機ホイールセットが連続したストリップである変形例を示す。
図18図18は、脱進機ホイールセットの左側トラックの表面に対面するポールシューの移動を示す。
図19図19は、2つの平行な補助トラックを含むトラックに沿った、ポールシューの運動の周期性を示す。
図20図20は、傾斜及び障壁のプロファイル、並びにこれらプロファイルそれぞれに関して伝達されるエネルギを示す。
図21図21は、傾斜及び障壁のプロファイル、並びにこれらプロファイルそれぞれに関して伝達されるエネルギを示す。
図22図22は、傾斜及び障壁のプロファイル、並びにこれらプロファイルそれぞれに関して伝達されるエネルギを示す。
図23図23は、傾斜及び障壁のプロファイル、並びにこれらプロファイルそれぞれに関して伝達されるエネルギを示す。
図24図24は、傾斜及び障壁のプロファイル、並びにこれらプロファイルそれぞれに関して伝達されるエネルギを示す。
図25図25は、傾斜及び障壁のプロファイル、並びにこれらプロファイルそれぞれに関して伝達されるエネルギを示す。
図26図26は、磁化が順に大きくなる複数の磁石の2つの同心の列を含む以外は図4と同様の実施形態の部分図であり、ここで内側トラックの磁石は上向きの極性であり、外側トラックの磁石は下向きの極性である。
図27図27は、図26の実施形態に対応する横断方向断面における磁力線の配向の概略図である。
図28】同一の実施例における磁気ポテンシャルの分布を示し、破線はトラック上でのセンタリング、実線は牽引である。
図28A図28Aは、上側のグラフはエネルギレベルの、下側のグラフは制動トルクの、移動区間全体に亘る変動を示し、下側のグラフは上側のグラフの横軸に位置合わせされている。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、ストッパとガンギ車との間の通常の機械的接触力を、磁力又は静電力由来の非接触力に置き換えることを提案する。
【0022】
本発明は、共振器20と脱進機ホイールセット40との間にストッパ30を含む、時計用脱進機機構10に関する。
【0023】
本発明によると、この脱進機ホイールセット40は、少なくとも1つの磁化された若しくは強磁性の、又は帯電した若しくは静電気伝導性のトラック50を含み、このトラック50は移動区間PDを有し、上記磁性又は静電特性がこの移動区間PDに沿って繰り返されている。
【0024】
ある枢動運動、角度移動、角度移動区間PDを有する好ましい場合について、本発明をここで説明する。
【0025】
トラック50は、上記移動区間PDに沿って、特にその構成(材料)、外形、使用され得るコーティング、使用され得る磁化又は帯電に関して同一の幾何学的及び物理的特性を有する。
【0026】
このストッパ30は、少なくとも1つの磁化された若しくは強磁性の、又は帯電した若しくは静電気伝導性のポールシュー3を含む。
【0027】
ポールシュー3は、トラック50の表面4の少なくとも1つの構成部品の移動方向DDに対して横断方向DTに可動である。この横断方向への運動性は、関連するトラックから完全に離れてしまうことを必ずしも伴わないが、この構成は実施形態に応じて変更可能であり、いくつかの実施形態ではポールシューは運動の一部においてトラックから離れる。
【0028】
少なくともポールシュー3又はトラック50は、上記少なくとも1つのポールシュー3と上記少なくとも1つの表面4との間のポールギャップ5に磁場又は静電場を生成する。
【0029】
ポールシュー3は、ストッパ30の横断方向の各運動の直前に、トラック50上の磁場又は静電場障壁46に対面し、上記横断方向の運動は共振器20の周期的な動作によって駆動される。
【0030】
ストッパ30は多安定式であり、少なくとも2つの安定位置を取るよう配設される。
【0031】
好ましくは、少なくとも1つのポールシュー3又はトラック50によって上記少なくとも1つのポールシュー3と上記少なくとも1つの表面4との間に生成される磁場又は静電場は、上記少なくとも1つのポールシュー3及び上記少なくとも1つの表面4に印加されるトルク又は力を生成する。このトルク又は力は、角度移動区間PDに応じた周期的な制動トルク又は力であり、上記角度移動区間PDはゼロ値のトルク又は連結から始まって、制動トルク又は力が第1の値V1付近で略一定であるポテンシャル傾斜を含む第1の半区間と、制動トルク又は力が上昇して最大値に到達するポテンシャル障壁を含む第2の部分区間とを含み、上記最大値は図28Aに示すように、第1の値V1の少なくとも3倍大きくかつ第1の値V1と同一の符号の第2の値V2である。
【0032】
より具体的には、各トラック50は各障壁46の前に、磁場又は電場を有するポールシュー3と徐々に増大するよう相互作用する傾斜45を含み、上記磁場又は電場の強度は、ポテンシャルエネルギが上昇するように変化する。この傾斜45は脱進機ホイールセット40からエネルギを受け取り、各ポテンシャル障壁は各ポテンシャル傾斜よりも急である。
【0033】
より具体的には、脱進機ホイールセット40は、同一のトラック50又は移動方向DDに隣接する2つのトラック50の2つの連続する傾斜45の間に、磁場又は電場のポテンシャル障壁を含み、これは共振器20の周期的な動作の結果としてストッパ30が傾動する前に脱進機ホイールセット40の瞬間的な停止をトリガするためのものである。
【0034】
より具体的には、図28Aにおいて確認できるように、上記トルク又は力は、角度移動区間PDに応じた周期的な制動トルク又は力である。更に、上記角度移動区間PDの始点であるゼロ値のトルク又は力から始まって、制動トルク又は力は、第1の角度T1に亘ってプラトーに到達するまで値が上昇する正の強度を有し、そして第2の角度T2に亘って閾値Sに到達するまで第1の略一定の値V1を有し、第1の角度T1と第2の角度T2とが組み合わさってポテンシャル傾斜を形成し、その後第3の角度T3に亘って、強度は第1の値V1より高い第2の最大値V2まで上昇する。上記第3の角度T3の終点は、トルク又は力の最大レベルである第2の値V2における頂点MCに対応し、その後トルク又は力の強度は第4の角度T4に亘ってゼロ値に到達するまで下降し、このゼロ値は最大エネルギレベルMEに対応する。第3の角度T3と第4の角度T4との組み合わせにより、制動トルク又は力が正であるポテンシャル障壁が構成される。この点を超えると、制動トルク又は力は第5の角度T5に亘って、トラフにおける負の最小強度mcに到達するまで下降し続け、その後第6の角度T6に亘って、再び正の値に到達するまで上昇し、次の区間が開始される。ここでTD=T1+T2+T3+T4+T5+T6であり、T1+T2≧TD/2である。
【0035】
より具体的には、障壁46は、第3の角度T3に対応する移動に亘るトルク又は力の急峻な上昇又は下降の不連続閾値を画定し、この第3の角度T3は、第2の角度T2の1/3未満である。
【0036】
より具体的には、第2の最大値V2は第1の値の6倍超である。
【0037】
有利には、機構10は、第2の半区間の第5の角度T5又は第6の角度T6に亘ってストッパ30が負のトルクへと変化することを防止するための機械的停止手段も含む。
【0038】
具体的実施形態では、この脱進機機構10は、区間PDの各半分の間に脱進機ホイールセット40から受け取ったエネルギを蓄積し、その一部をポテンシャルエネルギとして貯蔵し、これを共振器20へと周期的に戻す。例えて言えば、この蓄積機能は、機構内のゼンマイを漸進的に巻き上げることと同等である。このエネルギの返還は、これら半区間の中間に、共振器20の周期的な動作によって駆動されるストッパ30の横断方向運動中に行われる。そしてポールシュー3は、脱進機ホイールセット40に対して横断方向の第1の半移動PDCから、脱進機ホイールセット40に対して横断方向の第2の半移動DDCへ、又はその逆に変化する。ポールシュー3は、共振器20が一方の半移動から他方の半移動へと傾動することによって駆動されるストッパ30の横断方向の各運動の直前に、トラック50上の磁場又は静電場障壁46に対面する。
【0039】
具体的実施形態では、ポールシュー3及び/又はトラック50が生成する磁場又は静電場は、上記移動区間PDの第1の半区間の間は、第2の半移動DDCにおいてよりも第1の半移動PDCにおいて強度が高く、また移動区間PDの第2の半区間の間は、第1の半移動PDCにおいてよりも第2の半移動DDCにおいて強度が高い。
【0040】
より具体的には、共振器20は周期的に運動する少なくとも1つの振動子2を含む。脱進機ホイールセット40は、香箱等のエネルギ源からエネルギ供給される。ストッパ30は、一方では脱進機ホイールセット40から共振器20にエネルギを伝達する第1の機能を保証し、またその一方では、振動子2の各振動において共振器20によって駆動されるストッパ30の運動中に脱進機ホイールセット40が1段階ずつ前進するよう、突発的な運動時に脱進機ホイールセット40を解放及びロックする、第2の機能を保証する。少なくとも1つのトラック50は移動軌跡TDに従った移動によって駆動される。
【0041】
各ポールシュー3は好ましくは、固定された中央位置PMの各側にある第1の半移動PDD及び第2の半移動DDCにおいて、トラック50の移動軌跡TDに対して略垂直であることが好ましい横断軌跡TTに沿って、トラック50に対して横断方向DTに可動である。
【0042】
ポールシュー3と、このポールシュー3に対面するトラック50の表面4との間において、トラック50及び/又はポールシュー3は磁場又は静電場を生成し、これにより、ストッパ30及び脱進機ホイールセット40上に、従来の機械的力に代わって磁力又は静電力の系を生成できる。
【0043】
本発明による脱進機機構10は、移動区間PDの第1の半分又は第2の半分それぞれの間に脱進機ホイールセット40を介してエネルギ源から伝達されたポテンシャルエネルギを蓄積する。各半区間の終点において、共振器20によって制御されるストッパ30の横断方向運動の直前に、ポールシュー3は、このポールシュー3が対面して運動しているトラック50の一部上の磁場又は静電場障壁46に対向している。これに続いて脱進機機構10は、移動区間PDの第1の半分と第2の半分との間に共振器20によって周期的に駆動されるストッパ30の横断方向運動中に、対応するエネルギを振動子2に戻す。この横断方向運動の間、ポールシュー3は第1の半移動PDCから第2の半移動DDCへと、又はその逆へと変化する。
【0044】
脱進機ホイールセット4は、図1、および図4に示すようなガンギ車400の標準的な形態、図9、10に示すような二重歯車、図16に示すような円筒形態、図17に示すような連続したストリップの形態、又は別の形態等、様々な様式で形成してよい。本記載は、(必ずしも枢動しない)ホイールセットという一般的な場合に関し、特に単一の又は複数の歯車である関心対象の構成部品にこれを適用する方法は、腕時計製作者には公知である。
【0045】
好ましくは、磁場又は静電場の特性は、トラック50とポールシュー3との間の移動区間PDの半分の相変移により、第1の半移動PDCと第2の半移動DDCとの間で交替する。しかしながら本デバイスは例えば、異なるセクタ間の異なる場の分布率を尊重しながら、様々な場の強度において作動するように作製することもできる。これは例えば、図1の実施形態において、異なる複数の半径で限定された複数の角度セクタが必ずしも厳密に同一の特性を有さなくなる場合に当てはまる。
【0046】
本明細書において横断方向DTとは、ポールシュー3の横断方向軌跡TTに略平行な方向、又は図18に示すように、中央位置PMにおいて横断方向軌跡TTに接する方向を表す。
【0047】
本明細書において軸方向DAとは、ポールシューの横断方向軌跡TTに略平行な横断方向DTと、中央位置PMにおいて移動軌跡TDに接する、トラック50の移動方向DFとの両方に対して垂直な方向を表す。
【0048】
本明細書においてトラック平面PPとは、中央位置PM、横断方向DT、移動方向DFによって画定される平面を表す。
【0049】
好ましくは、ポールシュー3と、相対移動の少なくとも一部の間にポールギャップ5においてポールシューに対面する表面4を備えるトラック50とからなる2つの対向する構成部品(本明細書において「対向する(opposing)」は、2つの構成部品が、これらの間にいずれの斥力、衝突又はその他の相互作用も存在しない状態で互いに対面していることを意味して使用される)のうちの少なくとも1つは、磁場又は静電場を生成するよう配設されたアクティブ磁気又は静電気手段を含む。
【0050】
本明細書において、用語「アクティブ(active)」は場を生成する手段に関するものである、「パッシブ(passive)」は場に従属する手段に関するものである。用語「アクティブ」は本明細書において、電流が構成部品を通過することを含意しない。
【0051】
具体的変形例では、ポールギャップ5におけるポールシュー3とこれに対向する表面4との間の境界面において、上記場の軸方向DAの成分はトラック平面PP内の成分より高い。
【0052】
具体的変形例では、上記磁場又は静電場の方向は、脱進機ホイールセット40の軸方向DAに略平行である。「略平行(substantially parallel)」という表現は、軸方向DAの成分が平面PP内の成分の少なくとも4倍である場に関するものである。
【0053】
従ってポールギャップ5のもう一方の対向する構成部品は、上述のようにして生成された場と協働するためのパッシブ磁気若しくは静電気手段を含むか、又はここでもまた磁場若しくは電場を生成するよう配設されたアクティブ磁気若しくは静電気手段を含み、上記場は、第1の構成部品が放出する場と場合に応じて調和又は対向してよく、これによってポールギャップ5に斥力又は逆に牽引力を生成できる。
【0054】
図1の第1の実施形態及び図4の第2の実施形態に示す具体的実施形態では、ストッパ30は、枢軸Aを備えるヒゲゼンマイ2を有する共振器20と、枢軸D(これはヒゲゼンマイの枢軸Aと共に角度基準方向DREFを画定する)の周りで枢動する少なくとも1つのガンギ車400との間に配設される。このストッパ30は、ヒゲゼンマイ2の各振動において1段階ずつ前進するように、突発的な運動時に脱進機ホイールセット40を解放及びロックする、第2の機能を保証する。
【0055】
ポールシュー3は、横断方向移動の少なくとも一部分に亘って、脱進機ホイールセット40の表面4の少なくとも1つの要素に対面して移動するよう配設される。図1の第1の実施形態では、ポールシューは常に表面4に対面し、図4の第2の実施形態では、ストッパ30は2つのポールシュー3A、3Bを含み、これらはそれぞれ、一方の半区間の間だけ表面4に対向し、もう一方の半区間の間は、表面4との間のいずれの磁性又は静電性相互作用が無視できる程度となる位置において表面4から離間する。
【0056】
一変形例では、ポールシュー3と、相対移動の少なくとも一部の間にポールシューに対面する表面4を備えるトラック50とからなる、ポールギャップ5の各側にある2つの対向する構成部品はそれぞれ、ポールギャップ5との境界面において軸方向DAに略平行な方向の磁場又は静電場を生成するよう配設されたアクティブ磁気又は静電気手段を含む。
【0057】
有利な実施形態では、ポールシュー3及び/又はポールギャップ5においてポールシューに対面する表面4を備えるトラック50はそれぞれアクティブ磁気又は静電気手段を含み、このアクティブ磁気又は静電気手段は、ポールギャップ5において、ポールシュー3の中央位置PM、横断方向DT、軸方向DAによって画定される少なくとも1つの横断方向平面PT内に、ポールシュー3及び表面4の上記横断方向の横断相対移動範囲に亘って、横断方向DTにおけるポールシュー3の横断位置に応じて時間に関して周期的に可変のゼロでない強度を有する磁場又は電場を生成するよう配設される。
【0058】
具体的実施形態では、各上記ポールシュー3及びポールシューに対面する表面4を備える各上記トラック50は、上記磁気手段又は静電気手段を含み、この磁気手段又は静電気手段は、少なくとも1つの上記横断方向平面PT内に、少なくとも1つの上記ポールシュー3と少なくとも1つの表面4との間に磁場又は静電場を生成するよう配設される。これら対向する構成部品によって生成される上記磁場又は静電場は、横断方向DTにおけるポールシュー3の径方向位置に応じて時間に関して周期的に可変のゼロでない強度を有するものである。
【0059】
ストッパ30と脱進機ホイールセット40との間の磁力又は静電気力由来の力の生成を可能にして、これら2つの構成部品の間にいずれの直接的な物理的接触もなしに駆動又は反対に制動を発生させることができるようにするための条件が生成されることが理解できる。
【0060】
上記構成部品のうちの一方による磁場又は静電場の生成のための条件、及び対向する構成部品(これ自体も磁場又は静電場を放出できる)によるこの場の受容により、2つの対向する部品間の反発又は牽引による様々な種類の動作の想定が可能となる。特にマルチレベル構造により、脱進機ホイールセット40の枢動方向(特に、ホイールセット40が単一軸の周りで枢動する場合の枢軸の方向)においてトルク又は力を平衡化させることができ、また後に説明するように、停止ピン30及び脱進機ホイールセット40を軸方向DAに維持できる。
【0061】
具体的実施形態では、上記磁場又は静電場の方向DAの成分は、ポールシュー3とこれに対向する表面4との相対移動範囲全体に亘って同一方向である。
【0062】
場の特性に応じて、並びにストッパ30及び/又は脱進機ホイールセット40が、ストッパ30と脱進機ホイールセット40との間の少なくとも1つのポールギャップにおける磁場又は静電場の生成においてアクティブな役割を果たすかパッシブな役割を果たすかに応じて、様々な構成が可能である。実際には、ストッパ30の異なるポールシュー3と、脱進機ホイールセット40の異なるトラックとの間に、複数のポールギャップ5が存在し得る。非限定的な様式として、様々な有利な変形例を以下に説明する。
【0063】
よってある変形例では、ストッパ30が備える各ポールシュー3は永久的に磁化又は帯電されており、一定の磁場又は静電場を生成する。各ポールシュー3と協働する各表面4は、関連するポールシュー3と共にポールギャップ5を画定し、このポールギャップ5において、磁場又は電場は、脱進機ホイールセット40の軌道上の進行に応じて可変であり、上記関連するポールシュー3の脱進機ホイールセット40に対する相対横断方向位置に応じて可変であり、また、例えばアンクルアームの場合のようにストッパ30が枢動する場合にはその角度移動と関連しており、又はストッパ30が共振器20によって枢動以外の様式で駆動される場合にはその横断方向移動と関連している。
【0064】
別の変形例では、ストッパ30が備える各ポールシュー3は永久的に強磁性又は静電気伝導性である。各ポールシュー3と協働する各表面4は、関連するポールシュー3と共にポールギャップ5を画定し、このポールギャップ5において、磁場又は電場は、脱進機ホイールセット40の軌道上の進行に応じて可変であり、上記関連するポールシュー3の脱進機ホイールセット40に対する相対横断方向位置に応じて可変であり、また、例えばアンクルアームの場合のようにストッパ30が枢動する場合にはその角度移動と関連しており、又はストッパ30が共振器20によって枢動以外の様式で駆動される場合にはその横断方向移動と関連している。
【0065】
別の変形例では、対向する表面4を備える各トラック50は均一な様式で永久的に磁化又は帯電されており、関連するポールシュー3と対面する表面上に一定の磁場又は静電場を生成する、また各トラック50は、ポールギャップ5において可変ポールギャップ高さを生成するよう配設された起伏部分を含み、ポールギャップ5のポールギャップ高さは、脱進機ホイールセット40の軌道上の進行に応じて可変であり、関連するポールシュー3の脱進機ホイールセット40に対する相対横断方向位置に応じて可変である。
【0066】
別の変形例では、上記表面4を備える各トラック50は永久的に強磁性又は静電気伝導性であり、またポールギャップ5において可変ポールギャップ高さを生成するよう配設された外形を含み、ポールギャップ5のポールギャップ高さは、脱進機ホイールセット40の軌道上の進行に応じて可変であり、関連するポールシュー3の脱進機ホイールセット40に対する相対横断方向位置に応じて可変である。
【0067】
別の変形例では、上記表面4を備える各トラック50は、トラック上での局所的な位置に応じて変動するよう永久的に磁化又は帯電されており、また脱進機ホイールセット40の軌道上の進行に応じて可変である磁場又は静電場を形成し、また関連するポールシュー3の、上記関連するポールシュー3に対面する表面上での脱進機ホイールセット40に対する相対横断方向位置に応じて可変である。
【0068】
別の変形例では、上記表面4を備える各トラック50は、トラック上での局所的な位置に応じて変動するよう永久的に強磁性又は静電気伝導性であり、これにより、ストッパ3と脱進機ホイールセット40との間にこれらの相対運動により印加される磁力又は静電力を変化させることができる。上記力は、脱進機ホイールセット40の軌道上の進行に応じて可変であり、また関連するポールシュー3の、上記関連するポールシュー3に対面する表面上での脱進機ホイールセット40に対する相対横断方向位置に応じて可変である。
【0069】
別の変形例では、各ポールシュー3は脱進機ホイールセット40の2つの表面4の間で運動し、磁場又は静電場が軸方向DAにポールシュー3の各側に対称に印加され、これによってポールシュー3上に、対向する同一のトルク又は力が軸方向DAに印加される。このようにして、いずれのピボットにおいても軸方向の平衡化及び最小トルク又は力が得られ、これによって摩擦による損失を最小化できる。
【0070】
別の変形例では、脱進機ホイールセット40の各表面4は各ポールシュー3の2つの表面31、32の間で運動し、磁場又は静電場が軸方向DAに表面4の各側に対称に印加され、これによって、表面4を備えるトラック50上に、対向する同一のトルク又は力が軸方向DAに印加される。
【0071】
別の変形例では、脱進機ホイールセット40のトラック50はその2つの側部表面41、42のうちの一方の上に、互いに近接した複数の補助トラック43を含む。
【0072】
脱進機ホイールセット40がガンギ車400である具体的な応用例では、これらのトラックは、2つの上記補助トラック、即ち内側補助トラック43INT及び外側補助トラック43EXTを図示した図1、2に示すように、ガンギ車400の枢軸Dに関して互いに同心であり、各補助トラック43は、角度的に列になった複数の主基本領域44を含み、各主領域44は、当該主領域44が属する補助トラック43上の隣接する主領域44とは異なる磁性又は静電性挙動を示し、また当該主領域44に隣接した、かつ当該主領域44が属する補助トラックに隣接する別の補助トラック43上に位置する全ての他の主領域44とは異なる磁性又は静電性挙動を示す。
【0073】
例えば図16図17の例におけるように、トラック50がディスク状ではない他の変形実施形態では、補助トラック43は同心ではなく、互いに近接し、また好ましくは互いに略平行である。しかしながら、2つのすぐ側に隣接した主領域44の間の磁性又は静電性挙動の差異については、上記と同様である。図18、19は、半区間によって相変移された2つの隣接する平行な補助トラック43A、43Bを含む変形例における、ポールシュー3の移動を示す。
【0074】
より具体的には、各補助トラック43上の複数の主領域44の所定の列は、空間的区間T(これは場合に応じて角度的なものであるか又は直線である)に沿って周期的であり、上記空間的区間Tは、脱進機ホイールセット40の1回転の約数を形成する。この空間的区間Tは、トラック50の移動区間PDに対応する。
【0075】
有利な実施形態では、各補助トラック43は各空間的区間T上に、磁場又は電場を有するポールシュー3と徐々に増大するよう相互作用する複数の主領域44の列(特に連続した列)を含む傾斜45を含み、上記磁場又は静電場の強度は、最小相互作用領域4MINから最大相互作用領域4MAXまで上昇するポテンシャルエネルギを生成できるよう可変であり、傾斜45は脱進機ホイールセット40からエネルギを得る。
【0076】
本発明によると具体的には、脱進機ホイールセット40は、同一方向の2つの連続する傾斜45の間に磁場又は電場障壁46を含み、これは共振器20、特にヒゲゼンマイ2の動作の下でストッパ30が傾動する前に脱進機ホイールセット40の瞬間的な停止をトリガするためのものである。
【0077】
好ましくは、上記のようなポテンシャル障壁46はそれぞれ、そのポテンシャル勾配に関して各傾斜45よりも急峻である。
【0078】
これは、エネルギ障壁を生成することを意味する。これらの実施形態では、これら障壁は場の障壁によって構成される。従って、例示した変形例は磁場又は静電場の傾斜及び障壁である。
【0079】
より具体的には、脱進機ホイールセット40は、ポテンシャル勾配が駆動トルクと等しくなる位置において不動化される。
【0080】
この不動化は瞬間的なものではなく、機構内の自然な摩擦(特に枢動摩擦)、又はこの目的のために生成された渦流摩擦や空気力学的摩擦等の(例えば脱進機ホイールセット40に一体化された銅又は同様の表面上の)粘性摩擦若しくはジャンパばね等の乾燥摩擦によって弱められる跳ね返り現象が存在する。典型的には、一定のトルク又は一定の力を有する上流の機構(典型的には香箱)によって緊張される。従って脱進機ホイールセット40は、所定の位置で停止する前、ポールシュー3の横断方向傾動の前に振動し、動力学的に適合する時間間隔内にこの振動を停止させるために損失が必要となる。
【0081】
駆動トルクに応じて共振器に伝達されるエネルギとの間に特定の相関関係を得るために、傾斜と障壁との間の遷移を考案して調整してよい。
【0082】
本発明は、連続的な勾配を有する傾斜を用いて動作させることができるが、有利には特定の勾配の傾斜45と、これとは異なる勾配の障壁46とを組み合わせ、傾斜45と障壁46との間の遷移領域の形状が動作に有意な影響を及ぼす。
【0083】
本発明によると、傾斜を上昇するにつれて本システムはエネルギを蓄積し、ポールシューの横断方向運動中にエネルギを共振器に戻すことが理解される。停止点はこのようにして戻されるエネルギの量を画定し、これは傾斜と障壁との間の上記遷移領域の形状に左右される。
【0084】
図20図22図24は、傾斜及び障壁のプロファイルの非限定的な例を、移動(ここでは枢動角度θ)を横軸、mJで表されるエネルギUiを縦軸として示す。図21図23図25は、伝達されたエネルギを、各傾斜及び障壁のプロファイルとの相関を同じ横軸、mN.mで表されるトルクCMを縦軸として示す。
【0085】
図20図21は、ある範囲における傾斜と障壁との間の緩やかな遷移を示す。システムの停止点は印加されるトルクに左右され、共振器に伝達されるエネルギもまた印加されるトルクに左右される。
【0086】
図22図23は、傾斜と障壁との間の、勾配の中断を伴う遷移を示す。従ってシステムが停止する点は印加されるトルクに左右されず、共振器に伝達されるエネルギは一定である。
【0087】
図24図25は、共振器に伝達されるエネルギが印加されるトルクにおおよそ比例するよう、特にある具体的変形例では駆動トルクとほぼ等しくなるよう選択された、傾斜と障壁との間の急激な遷移に関する。この実施例はスイスレバー式脱進機に極めて近く、従って、最小の改造によって本発明を既存のムーブメントに組み込むことができるため、有利である。
【0088】
本発明の有利な変形例では、脱進機ホイールセット40はここでも各上記傾斜45の終点かつ各障壁46の直前に、表面4が磁化若しくは帯電されている場合は磁場若しくは静電場の分布の横断方向の変動、又は表面4が強磁性若しくは静電気伝導性である場合はプロファイルの変動を含み、これはポールシュー3に牽引効果をもたらす。
【0089】
有利には、脱進機ホイールセット40は各上記磁場又は静電場ポテンシャル障壁46の後に、機械的衝撃吸収停止部材を含む。
【0090】
ある変形例では、脱進機ホイールセット40が複数の補助トラック43を含む場合、少なくとも2つの隣接する補助トラック43は、空間的区間Tの半区間の角度的相変位により、最小相互作用領域4MINと最大相互作用領域4MAXとを互いに対して交互に含む。
【0091】
本発明のある変形例では、別個のポールシュー3A、3Bがそれぞれ2つの磁石31、32をガンギ車400の各側に含む図4の第2の実施形態に特に示すように、ストッパ30は、別個の補助トラック43と同時に協働するよう配設された複数の上記ポールシュー3を含む。
【0092】
特に、ある具体的実施形態(図示せず)では、ストッパ30は、脱進機ホイールセット40の表面4に平行に延在する櫛状部を含んでよく、この櫛状部は並べて配置されたポールシュー3を含む。
【0093】
本発明のある変形例では、ストッパ30は、実際の又は仮想のピボット35の周りで枢動し、また脱進機ホイールセット40の異なるトラック上に(又はガンギ車400のための様々な直径上に)配置された表面4が備える主領域44と協働するよう配設された単一のポールシュー3を含み、ポールシュー3は脱進機ホイールセット40の前進(又は回転)中に、上記主領域44と変動しながら相互作用する。これら主領域44は、脱進機ホイールセット40のリム(又は周縁部)上に交互に配置され、これによって、ポールシュー3に関して平衡が必要とされる場合に、ポールシュー3を脱進機ホイールセット40に対する横断方向運動に制限する。
【0094】
本発明のある変形例では、ストッパ30は、実際の又は仮想のピボット35の周りで枢動し、また脱進機ホイールセット40の少なくとも1つの領域(又は1つの直径)上に配置された表面4が備える主領域44と協働するよう配設された複数のポールシュー3を含み、各上記ポールシュー3は脱進機ホイールセット40の前進(又は回転)中に、上記主領域44と変動しながら相互作用する。これら主領域44は、脱進機ホイールセット40のリム又は周縁部上に交互に配置され、これによって、ポールシュー3に関して平衡が必要とされる場合に、ポールシュー3を脱進機ホイールセット40に対する横断方向運動に制限する。
【0095】
具体的実施形態では、いずれの瞬間においても、ストッパ30の少なくとも1つのポールシュー3が脱進機ホイールセット40の少なくとも1つの表面4と相互作用している。
【0096】
具体的実施形態では、ストッパ30はその各側において、第1の脱進機ホイールセット及び第2の脱進機ホイールセットと協働する。
【0097】
具体的実施形態では、上記第1、第2の脱進機ホイールセットは一体となって枢動する。
【0098】
具体的実施形態では、上記第1、第2の脱進機ホイールセットは互いに独立して枢動する。
【0099】
具体的実施形態では、上記第1、第2の脱進機ホイールセットは同軸である。
【0100】
具体的実施形態では、ストッパ30はその両側において、それぞれが脱進機ホイールセット40を形成する第1のガンギ車401及び第2のガンギ車402と協働する。
【0101】
具体的実施形態では、上記第1のガンギ車401、第2のガンギ車402は一体となって枢動する。
【0102】
具体的実施形態では、上記第1のガンギ車401、第2のガンギ車402は互いに独立して枢動する。
【0103】
具体的実施形態では、上記第1のガンギ車401、第2のガンギ車402は同軸である。
【0104】
図16に示す変形例では、脱進機ホイールセット40は、横断方向DTに対して平行な枢軸Dの周りに少なくとも1つの円筒形表面4を含み、これは磁性又は静電性トラックを備え、またストッパ30の少なくとも1つのポールシュー3は枢軸Dに対して平行に可動である。
【0105】
図17は、本設備を一般化したものであり、脱進機ホイールセット40は、ここでは横断方向Tに対して平行な軸を有する2つのローラに亘って運動する無端ストリップとして表される、方向Dに延在する機構であり、上記ストリップは少なくとも1つの表面4を備える。
【0106】
当然のことながら、1つ又は複数のトラック50上における表面4の空間的周期性を保証するために、例えばチェーン、リング、螺旋等のその他の構成も考えられる。
【0107】
本発明によると、非限定的ではあるが、表面4は、可変厚さの磁化された層若しくは可変厚さの帯電した層、又は厚さが一定であるが磁化が可変である磁化された層若しくは厚さが一定であるが帯電が可変である磁化された層、又は可変表面密度の微小磁石若しくは可変表面密度のエレクトレット、又は可変厚さの強磁性層若しくは可変厚さの静電気伝導性層、又は可変形状の強磁性層若しくは可変形状の静電気伝導性層、又は穴の表面密度が可変である強磁性層若しくは穴の表面密度が可変である静電気伝導性層を含む。
【0108】
具体的実施形態では、ストッパ30はアンクルアームである。
【0109】
本発明はまた、少なくとも1つの上記脱進機機構10を含む時計ムーブメント100にも関する。
【0110】
本発明はまた、少なくとも1つの上記ムーブメント100及び/又は少なくとも1つの上記脱進機機構10を含む時計200、特に腕時計にも関する。
【0111】
本発明は、様々なスケールの時計、特に腕時計に応用できる。本発明は、置き時計、ラウンジ用時計、モルビエ時計等、静止したものにとって有利である。本発明による機構の劇的かつ革新的な動作特性により、機構をディスプレイすることに新たな追加の利益が発生し、これはユーザ又は見る者にとって魅力的である。
【0112】
図面は、ストッパ30がアンクルアームである非限定的な具体的実施形態を示し、また図面は、本発明により、アンクルアームとガンギ車との間の通常の機械的接触力を、どのようにして磁力又は静電気力由来の非接触力に置き換えることができるのかを示している。
【0113】
単一のポールシューを備える第1の実施形態、及び複数のポールシューを備える第2の実施形態という、2つの非限定的な実施形態を提案する。
【0114】
図1乃至図3に、第1の実施形態を磁力に関するバージョンのみ図示する。
【0115】
図1は、磁性ストッパ30を有する脱進機機構10の概略図を示し、このストッパ30はアンクルアームである。調速デバイスは、ヒゲゼンマイ2を有する共振器20と、磁性アンクルアーム30と、磁化されたガンギ車400で形成された脱進機ホイールセット40とを含む。アンクルアームの磁石3は、脱進機ホイールセット40の磁化された同心の補助トラック43INT、43EXTと、反発するように相互作用する。
【0116】
補助トラック43上の符号−−/−/+/++は磁化の強度を表し、−−から++へと強くなる。アンクルアーム30の磁石3は領域−−によって弱い反発を受け、領域++によって強い反発を受ける。
【0117】
図1のブロック図では、ストッパ30と脱進機ホイールセット40との間の相互作用力により、アンクルアーム30上に配置されたポールシュー3(特に磁石)と、脱進機ホイールセット40上に配置された磁化された構造との間の相互作用が発生する。上記磁化された構造は、2つの補助トラック43(内側トラック43INT、外側トラック43EXT)からなり、これらの磁化強度は角度位置に応じて変動して、図2に示すような磁性相互作用ポテンシャルを生成する。各補助トラック43に沿って、図3に示すように一連のポテンシャル傾斜45及びポテンシャル障壁46が見られる。傾斜45の効果は、脱進機ホイールセット40からエネルギを除去することであり、障壁46の効果は、ホイールセット40の前進を阻止することである。そして、傾斜45から得られたエネルギは、アンクルアーム40がある位置から他の位置へと傾動する際にヒゲゼンマイ共振器20に戻される。
【0118】
図2は、脱進機ホイールセット40上におけるその位置に応じてアンクルアーム30の磁石3が経験する磁性相互作用からのポテンシャルエネルギの概略図を示す。点線は、アンクルアーム30の磁石3上の基準点Mの、動作中の軌跡を示す。
【0119】
図3は、ホイールセット40の磁化された補助トラック43に沿ったポテンシャルエネルギの変動の概略図である。アンクルアームのポールシュー3が、内側補助トラック43INT上の点P1からP2へと通過すると、システムは脱進機ホイールセット40からエネルギを除去し、このエネルギをポテンシャルエネルギの形態で貯蔵する。続いてシステムは、ポテンシャル障壁46の影響とホイールセット40の摩擦の影響との組み合わせによりP2で停止する。最後に、アンクルアーム30の反対側の端部におけるヒゲゼンマイ2の作用によってアンクルアーム30が傾動すると、貯蔵されていたエネルギがヒゲゼンマイ共振器20に戻され、システムはP2からP3となり、これはトラックの変更に対応しており、ポールシュー3はP3において外側補助トラック43EXT上へと移動する。その後、この他方の補助トラック43EXTにおいて、P3からP4、P4からP5へと上記と同一のサイクルが再び開始され、内側トラック43INT上でP5に戻る。
【0120】
第1の実施形態の、上記のような磁気による変形例では、ポテンシャル磁性相互作用の形態は好ましくは以下のようなものである:
−ヒゲゼンマイ共振器20に供給されるエネルギが、ヒゲゼンマイ共振器20の運動を維持するのに十分なものとなるように、ポテンシャル傾斜45を考案する;及び
−ポテンシャル障壁46の高さは、システムを遮断するのに十分なものである。
【0121】
ホイールセット40の摩擦により、システムをポテンシャル障壁46の足において不動化できる。
【0122】
衝撃発生時にアンクルアームの安全性を維持するために、各磁性ポテンシャル障壁46の直後に機械的停止部材を配設すると有利である(図1を過密にしないよう、これらの機械的停止部材は図1には図示していない)。通常動作において、磁性アンクルアーム30は機械的停止部材に決して接触しない。しかしながら、システムがポテンシャル障壁46を乗り越えるのに十分な大きさの衝撃が発生すると、これらの機械的停止部材は、ステップを飛ばしてしまうのを回避するためにシステムを遮断できる。
【0123】
この変形例では、ポテンシャル障壁46がエネルギ傾斜45よりもはるかに急峻である場合、ヒゲゼンマイ共振器20に伝達されるエネルギの量は、理想的には常に同一である。この条件は実際には容易に達成できる。
【0124】
アンクルアーム30の傾動は、脱進機ホイールセット40の運動とは分離されている。より具体的には、アンクルアーム30が運動すると、脱進機ホイールセット40が不動化されたままであっても、ポテンシャルエネルギをヒゲゼンマイ共振器20に戻すことができる。よってインパルスの迅速性が脱進機ホイールセットの慣性によって制限されない。
【0125】
図1で提案されたポテンシャルを生成するための複数の解決法が考えられる。ガンギ車上に配置された磁化された構造は、非限定的ではあるが、以下:
−可変厚さの磁化された層;
−厚さが一定であるが磁化が可変の、磁化された層;
−可変表面密度の微小磁石;
−可変厚さの強磁性層(この場合、力は常に牽引力である);
−可変外形及び/又は形状の強磁性層(打抜き加工、切断);
−穴の表面密度が可変である強磁性層
によって作製され、これらの構成を組み合わせることもできる。
【0126】
第2の実施形態を図4乃至図10に示す。この第2の実施形態は、第1の実施形態と同様の様式で動作する。主な違いは以下の通りである:
−脱進機ホイールセット40上に、一連の磁石49を含む単一の磁化されたトラック50があるが、第1の実施形態の図2図3に示したように傾斜と障壁とが交互になった同一の相互作用ポテンシャルを再現するために、アンクルアーム30は2つの磁化された構造3A、3Bを備える;
−ガンギ車400の磁石49は、アンクルアーム30の磁石31、32の間に挟まれており、これにより軸方向反発力が互いに補償し合う。従って、脱進機の動作に有用な力の成分のみを、脱進機ホイールセット40の平面内に残す。
【0127】
有利にはポールシュー3は、トラック50(又は場合に応じて43)の真上ではなく、関連するトラックの軸に対して横断方向DTに僅かにオフセットされ、これによってホイールセット40とポールシュー3との間の相互作用は、力の横断方向の僅かな成分を常に生成し、これがストッパ30を所定の位置に保持する。次に、第1の半移動及び第2の半移動におけるポールシュー3の極限位置それぞれにおいて、上記生成された力によってポールシュー3を安定した状態に維持できるように、上記オフセットの値を調整する。
【0128】
図4は、ヒゲゼンマイ共振器20、磁性アンクルアーム30、磁化された脱進機ホイールセット40で形成された調速デバイスを示す。脱進機ホイールセット40は、アンクルアーム30の2つの磁石31、32と相互作用する可変強度の磁石49のトラックを備える。図4は、例えば複数の磁石P20によって形成される障壁46上で停止する前に(P11〜P18において)傾斜45を形成できるように、磁化が順に大きくなる(特に寸法が順に大きくなる)複数の磁石49の位置決めを示す。
【0129】
ポールシュー3と相互作用するトラック50に対するポールシュー3の横断方向位置を微調整することによって、牽引の大部分が生成される。より具体的には、ストッパ30が、第1の半移動(PDC)の終点又は第2の半移動(DDC)の終点に位置決めされると、トラック50と相互作用するポールシュー3の横断方向位置を(僅かな横断方向変位によって)調整することにより、ポールシュー3が、ポールシュー3をその終端位置に安定して保持するのに十分な大きさの横断方向の力又は牽引力に曝される。共振器20がストッパ30の傾動をトリガする瞬間、傾動後にストッパ30を駆動して、蓄積されたポテンシャルエネルギを共振器20に伝達するために、磁力又は静電気力が引き継がれる前にこの牽引力を弱めなければならない。図26、27の具体的実施例に関して2mmの横断方向変位によって得られる牽引効果を、図28に示す。
【0130】
本発明の脱進機機構では、共振器20、特にテンプ2が、ストッパ30に初期インパルスを与えることが理解される。しかしながら、上記牽引が弱められるとすぐに、磁力又は静電気力由来の力が引き継がれ、ポールシュー3を新規の位置まで横断方向DTに移動させるという役割を果たす。
【0131】
有利には、所定の半径に沿った傾斜45のセンタリングに対して離間した(ここではより高く位置決めされた半径上に配置された)少なくとも1つの磁石48は、障壁46の直前において牽引効果を増強する。傾斜45及び障壁46の効果は第1の実施形態と同様であり、相対的な分布は図2と同様である。
【0132】
図5は、脱進機ホイールセット40の磁石49に対する、アンクルアーム上での磁石31、32の配置の詳細図である。
【0133】
図26は、磁化が順に大きくなる複数の磁石の2つの同心の列を含む以外は図4と同様の実施形態を示し、ここで内側トラック43INT上の磁石は上向きの極性であり、外側トラック43EXT上の磁石は下向きの極性である。ポールシュー3は対向する構成を有する。即ち、上側の内側ポールシュー3SINTは下向きの極性であり、上側の外側ポールシュー3SEXTは上向きの極性であり、下側の内側ポールシュー3IINTは下向きの極性であり、下側の外側ポールシュー3IEXTは上向きの極性である。図27は、本実施形態に対応する横断方向断面における力線の配向の概略図であり、この力線は、磁石においてはホイール40の平面PPに対して略垂直であり、各ポールギャップ5においては上記平面に対して略平行である。結果として得られる図28に示すポテンシャルは、交互になった傾斜と障壁とを有する。
【0134】
この第2の実施形態では、アンクルアーム30は傾動する。好ましくは所定の瞬間において、最高1つのポールシュー3A又は3Bが脱進機ホイールセット40の磁石49の表面4に対面する。
【0135】
図6は、磁力に関する実施例において、ポールギャップ5の場の集中を増進させる方法を示す:
−Aでは、対向する極性の磁石を、ポールギャップ5の各側部上に順に配置し、このポールギャップ5は互いに対向する極性にのみ局所的に曝露される;
−Bでは、磁場に対して横断方向DTに配置された少なくとも1つの磁石によって、少なくとも1つの磁石(ここでは上側磁石)の効率を増進させる;
−Cでは、上記実施例Bによる磁石の2つの組立体によって、(図5にも示すように)磁石の各側の2つのポールギャップを両側から形成する;
−Dでは、横断方向の磁石を連接する強磁性の又は磁化された連結バーを通って、磁化による変形例では磁石の磁化方向と連続するように場が移動する。
【0136】
この完全に磁気に関する実施例では、ストッパ30(特にアンクルアーム)と脱進機ホイールセット40(特にガンギ車)との間の磁性相互作用を生成するために、複数の様式が考えられる。4つの可能な比限定的構成を、図7図10に示す。図9図10の構成は、磁力線をより良好に制限できるという利点を有し、これは外部磁場に対するシステムの感受性を低減するために重要である。
【0137】
図7によると、ガンギ車上に配設された可変厚さ又は強度の磁化された構造は、アンクルアームと一体の磁気回路が生成する磁場と相互作用する。この相互作用は反発又は牽引であり得る。
【0138】
図8では、可変厚さの(又は可変ポールギャップを有する)強磁性構造は、アンクルアームと一体の磁気回路が生成する磁場と相互作用する。
【0139】
図9は、アンクルアームと一体の磁石が生成する磁場と相互作用するように、又はアンクルアームと一体の磁場源をもたない磁気回路と相互作用するように、ガンギ車の両側に設けられた、可変厚さ又は強度の磁化された構造を示す。上記相互作用は反発又は牽引である。
【0140】
図10は、アンクルアームと一体の磁石又は磁場源を有する磁気回路が生成する磁場と相互作用するガンギ車の両側の2つの可変厚さの(又は可変ポールギャップを有する)強磁性構造を示す。
【0141】
ストッパ30、特にアンクルアームは、ポールシュー3(又はストッパが複数のポールシュー3を含む場合には複数のポールシュー3)の対向する側に、共振器20(特にヒゲゼンマイ2)との協働手段を含み、これは共振器と協働して、ポールシュー3の横断方向運動をトリガする。これらの協働手段は、振り石と協働するアンクルレバーのアーム等の機械的な接触を公知の様式で用いてもよい。本発明が提案するストッパ−脱進機ホイールセットの協働を、共振器とストッパとの間の協働に応用することも想定でき、この協働は、摩擦を更に最小化する目的で上記協働のために磁力又は静電気力由来の力を使用できる。振り石を省略できることの更なる利点は、これにより、例えば螺旋状トラックとの360°を超える角度範囲に亘る協働が可能となる点である。
【0142】
本発明の具体的変形例では、ポールシュー3は横断方向に対称である。
【0143】
図4の第2の実施形態に基づく、ある実施形態の例においては、以下の値によって満足できる結果が得られる:
−ガンギ車の慣性:2×10-5kg・m2
−駆動トルク:1×10-2Nm
−テンプの慣性:2×10-4kg・m2
−ヒゲゼンマイの弾性定数:7×10-4Nm
−共振器の周波数:0.3Hz
−共振器の性質係数:20
−エネルギ傾斜の高さ:2×10-3ジュール
−エネルギ障壁の高さ:8×10-3ジュール
−磁石:
・アンクルアーム上のポールシューは、5mm×5mm×2.5mmの寸法を有する4つの矩形のNdFeB(ネオジム−鉄−ホウ素)磁石で形成される。
・トラックは、以下に記載するような傾斜及び障壁で形成される。場の傾斜は、直径1.5mm、高さ0〜4mmの間で変動する円筒形NdFeB磁石で製造される。各障壁は、直径2mm、高さ4mmの4つの円筒形NdFeB磁石で形成される。
【0144】
要約すると、傾斜と障壁とを交互にすることによって構成される磁性及び/又は静電性相互作用ポテンシャルは、伝統的なスイスレバー式脱進機に可能な限り近い挙動を提供する。ポテンシャル勾配の形状を最適化することにより、脱進機の効率を上昇させることができる。
【0145】
従って、機械的接触力を、本発明による磁力又は静電気力由来の非接触力に置き換えることで、以下が可能となり、複数の利点が得られる:
−摩擦を削減することで摩耗を低減し、従って動作寿命を増加させる;
−脱進機の効率を上昇させることで、パワーリザーブを増加させる;
−駆動トルクと共振器に伝達されるエネルギとの間の望ましい具体的な相関関係が得られるようにポテンシャル傾斜と障壁との間の遷移を設計する。特に有利な様式において、各振動において振動子に伝達されるエネルギ量を略一定とし、かつ駆動トルクから独立させることができる;
−インパルスの迅速性が脱進機ホイールセットの慣性によって制限されないよう、ストッパの傾動を脱進機ホイールセットの運動から分離する。
【符号の説明】
【0146】
3 ポールシュー
4 表面
4MAX 最大相互作用領域
4MIN 最小相互作用領域
5 ポールギャップ
10 脱進機機構
20 共振器
30 ストッパ
40 脱進機ホイールセット
41 側部表面
42 側部表面
43 補助トラック
44 主領域、主基本領域
45 傾斜、ポテンシャル傾斜
46 障壁、磁場又は静電場障壁、ポテンシャル傾斜
50 トラック
100 時計ムーブメント
200 時計
DD 移動方向
DDC 第2の半移動
DT 横断方向
MC 頂点
mc 負の最小強度
ME 最大エネルギレベル
PD 移動区間、角度移動区間
PDC 第1の半移動
PM 中央位置
S 閾値
T 空間的区間
T1 第1の角度
T2 第2の角度
T3 第3の角度
T4 第4の角度
T5 第5の角度
T6 第6の角度
TD 移動軌跡
TT 横断方向軌跡
V1 第1の値
V2 第2の値、第2の最大値
図1
図2
図3
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図27
図28
図28A
図4
図16
図17
図26