(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6027623
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】可変深度のガスケットポケットを有する連結器
(51)【国際特許分類】
F16L 21/06 20060101AFI20161107BHJP
F16L 17/04 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
F16L21/06
F16L17/04
【請求項の数】21
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-542323(P2014-542323)
(86)(22)【出願日】2012年10月26日
(65)【公表番号】特表2015-501908(P2015-501908A)
(43)【公表日】2015年1月19日
(86)【国際出願番号】US2012062148
(87)【国際公開番号】WO2013077966
(87)【国際公開日】20130530
【審査請求日】2015年8月5日
(31)【優先権主張番号】13/300,861
(32)【優先日】2011年11月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510218928
【氏名又は名称】ビクターリック カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】バンクロフト, フィリップ ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】サイグラー, フランク ジェイ. ザ サード
(72)【発明者】
【氏名】ドール, ダグラス アール.
【審査官】
渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−527430(JP,A)
【文献】
特表2007−537414(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0154646(US,A1)
【文献】
米国特許第04893843(US,A)
【文献】
米国特許第05675873(US,A)
【文献】
英国特許出願公開第02098297(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L21/00−21/08
F16L17/00−17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端間関係において、複数のパイプ要素を継合するための連結器であって、
端間が継合された複数のセグメントであって、前記複数のセグメントは、中心軸を囲繞し、かつ、前記複数のパイプ要素を受容するための中心空間を画定し、前記複数のセグメントのうちの少なくとも1つは、偏心形状のガスケット凹部を画定し、前記少なくとも1つのセグメントは、
前記1つのセグメントの両側に離間関係に位置付けられ、かつ、前記中心軸に向かって延在する一対の突起であって、前記突起のそれぞれの少なくとも一部は、前記複数のパイプ要素のそれぞれ1つと係合可能であり、前記突起のうちの少なくとも1つは、前記中心軸に対向する弧状表面を有する、一対の突起と、
前記突起間に延在する後壁であって、前記後壁は、前記後壁が前記中心軸に対向する弧状表面を有することによって現れる前記突起のうちの少なくとも1つに対して偏心しており、前記突起のうちの少なくとも1つの前記弧状表面は、第1の曲率中心から測定される第1の曲率半径を有し、前記後壁の前記弧状表面は、第2の曲率中心から測定される第2の曲率半径を有し、前記第2の曲率中心は、前記中心軸に垂直な平面において測定される第1の曲率中心と一致せず、前記中心軸から延在する半径方向に突出する線に沿って測定される、前記後壁の前記弧状表面と前記少なくとも1つの突起の前記弧状表面との間の距離は、前記少なくとも1つのセグメントの前記端間の中間の第1の点では、第1の値であり、前記少なくとも1つのセグメントの端部のうちの少なくとも一方に近接する第2の点では、第2の値であり、前記第1の値は、前記第2の値未満である、後壁と
を備える、複数のセグメントと、
前記中心空間内に位置付けられたリングガスケットであって、前記リングガスケットは、前記複数のセグメントの前記後壁の前記弧状表面の長さの和を上回る長さを有する外周を有し、前記リングガスケットは、前記複数のセグメントのうちの少なくとも2つを離間関係に支持する、リングガスケットと
を備え、
前記偏心形状のガスケット凹部は、前記リングガスケットを受容し、前記リングガスケットの歪曲の程度を制御する、連結器。
【請求項2】
前記距離は、前記少なくとも1つのセグメントの前記端間の中間の前記第1の点において最小である、請求項1に記載の連結器。
【請求項3】
前記距離は、前記第2の点において最大となり、前記第2の点は、前記少なくとも1つのセグメントの少なくとも一方の端部に位置付けられる、請求項2に記載の連結器。
【請求項4】
前記少なくとも1つのセグメントの端部の他方に位置付けられる第3の点における、前記後壁の前記弧状表面と前記少なくとも1つの突起の前記弧状表面との間の距離は、前記第2の値とほぼ等しい第3の値である、請求項3に記載の連結器。
【請求項5】
前記後壁の前記弧状表面は、湾曲表面を有する第1の部分と、湾曲表面を有する第2の部分とを備え、前記第2の部分は、前記少なくとも1つのセグメントの少なくとも一方の端部に近接して位置付けられ、前記第2の部分上の任意の点は、前記第1の部分上の任意の点より前記中心軸から遠い、請求項1に記載の連結器。
【請求項6】
前記後壁の前記弧状表面は、湾曲表面を有する第3の部分をさらに備え、前記第3の部分は、前記少なくとも1つのセグメントの端部の他方に近接して位置付けられ、前記第3の部分上の任意の点は、前記第1の部分上における任意の点より前記中心軸から遠い、請求項5に記載の連結器。
【請求項7】
前記後壁の前記弧状表面の前記第2の部分は、角度約5°〜約80°に内在する、請求項5に記載の連結器。
【請求項8】
前記後壁の前記弧状表面の前記第2の部分は、角度約5°〜約45°に内在する、請求項5に記載の連結器。
【請求項9】
前記後壁の前記弧状表面の前記第3の部分は、角度約5°〜約80°に内在する、請求項6に記載の連結器。
【請求項10】
前記後壁の前記弧状表面の前記第2の部分は、角度約5°〜約45°に内在する、請求項6に記載の連結器。
【請求項11】
端間が継合された第1のセグメントおよび第2のセグメントであって、前記中心軸を囲繞する第1のセグメントおよび第2のセグメントのみを備える、請求項1に記載の連結器。
【請求項12】
前記リングガスケットは、楕円形状を有する、請求項11に記載の連結器。
【請求項13】
前記リングガスケットは、円形形状を有する、請求項11に記載の連結器。
【請求項14】
前記第1の曲率中心および前記第2の曲率中心と共線形である前記後壁の前記弧状表面上のある点まで測定されるとき、前記第1の曲率中心は、前記第2の曲率中心より前記後壁の前記弧状表面に近い、請求項1に記載の連結器。
【請求項15】
前記第1の曲率中心および前記第2の曲率中心および前記後壁上の前記点は、前記1つのセグメントの第1の端部と前記1つのセグメントの第2の端部との間に延在する第2の線に垂直に配向される第1の線に沿って、共線形である、請求項14に記載の連結器。
【請求項16】
前記第2の曲率中心は、約0.01インチ〜約0.1インチの距離において、前記第1の曲率中心からオフセットされている、請求項15に記載の連結器。
【請求項17】
前記第2の曲率中心は、約0.02インチ〜約0.04インチの距離において、前記第1の曲率中心からオフセットされている、請求項15に記載の連結器。
【請求項18】
前記第2の曲率中心は、約0.03インチの距離において、前記第1の曲率中心からオフセットされている、請求項15に記載の連結器。
【請求項19】
端間が継合された第1のセグメントおよび第2のセグメントであって、前記中心軸を囲繞する第1のセグメントおよび第2のセグメントのみを備える、請求項15に記載の連結器。
【請求項20】
前記リングガスケットは、楕円形状を有する、請求項19に記載の連結器。
【請求項21】
前記リングガスケットは、円形形状を有する、請求項19に記載の連結器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2011年11月21日に出願された、米国実用特許出願第13/300,861号の優先権を主張する国際出願であり、該米国出願の全体は、参照により本明細書中に援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、端間関係において、パイプ要素を継合するための機械的連結器に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
端間にわたって、パイプ要素をともに継合するための機械的連結器は、同軸方向に整合されたパイプ要素の端部部分を囲繞して、円周方向に位置付け可能な相互接続可能セグメントを備える。用語「パイプ要素」は、本明細書では、任意のパイプ状アイテムまたはパイプ状形態を有する構成要素を説明するために使用される。パイプ要素は、パイプ素材、エルボ、キャップ、およびT字等のパイプ継手、ならびに弁、径違い継手、濾過器、絞り弁、減圧弁、および同等物等の流体制御構成要素を含む。
【0004】
各機械的連結器セグメントは、筐体から半径方向内向きに延在し、例えば、平端パイプ要素の外側表面に係合する、突起を有する、筐体、肩部および押縁を有する、パイプ要素、または継合されるパイプ要素のそれぞれの周囲に延在する円周方向溝を備える。突起とパイプ要素との間の係合は、継目に機械的拘束力を提供し、パイプ要素が、高内圧および外力下でも、連結されたままであることを保証する。筐体は、各パイプ要素の端部に係合し、セグメントおよびパイプ要素と協働し、液密シールを提供する、リングガスケットまたはシール、典型的には、エラストマーリングを受容する、環状チャネルまたは凹部を画定する。セグメントは、典型的には、筐体から外向きに突出する、つまみの形態である、接続部材を有する。つまみは、セグメントを相互に向かって引っ張るように、調節可能に緊締可能である、ナットおよびボルト等の締結具を受容するように適合される。
【0005】
先行技術の連結器上の突起は、典型的には、実質的に、係合するように意図される、パイプ要素の外側表面の曲率半径に合致される曲率半径を伴う、弧状表面を有する。溝付きパイプ要素と併用される連結器に対して、弧状表面の曲率半径は、突起が、溝内に嵌合および係合するように、溝の外側のパイプ要素の外側表面の曲率半径より小さい。
【0006】
端間関係において、パイプ要素を固着する方法は、先行技術による機械的連結器が使用されるとき、順次取付プロセスを備える。典型的には、連結器は、技術者によって受け取られ、セグメントが、ともにボルト締めされ、リングガスケットが、セグメントのチャネル内に捕捉される。技術者は、最初に、ボルトを外すことによって、連結器を分解し、リングガスケットを除去し、潤滑させ(事前に潤滑されていない場合)、継合されるパイプ要素の端部の周囲に設置する。リングガスケットの取付は、多くの場合、潤滑され、パイプ要素を収容するように伸展されることを要求する。リングガスケットが両パイプ要素上の定位置にある状態で、セグメントは、次いで、1つずつ設置され、パイプ要素の端部に跨架し、リングガスケットをそれらに対して捕捉させる。設置の際、セグメントは、ガスケットに係合し、突起は、溝と整合され、ボルトは、つまみを通して挿入され、ナットは、ボルト上に螺合および緊締され、連結器セグメントを相互に向かって引っ張り、ガスケットを圧縮し、突起を溝内に係合させる。
【0007】
前述の説明から明白なように、先行技術による機械的パイプ連結器の取付は、技術者が、典型的には、少なくとも7つの個々の部品(連結器が、2つを上回るセグメントを有するときは、それ以上)を取り扱い、連結器を完全に分解および再組立しなければならないことを要求する。技術者が、最初に、完全に分解し、次いで、1つ1つ、再組立せずに、機械的パイプ連結器を取り付け得る場合、有意な時間、労力、および費用が、節約されるであろう。
【0008】
図1は、連結器セグメント13および15を有する、連結器11を示す。セグメントは、接続部材17および19によって、端間が継合され、接続部材は、ネジ山付き締結具21を含む。セグメント13および15は、セグメント間に捕捉されるリングガスケット23の外側表面上に、相互から離間関係に支持されて示される。本構成は、非変形リングガスケット23の外側表面の円周が、リングガスケット外側表面が接合する、セグメント上の表面の円周の和を上回るため、可能である。セグメントが、このように支持されるとき、連結器を分解せずに、セグメント間の中心空間25内にパイプ要素を挿入することが可能である。しかしながら、機械的連結器を取り付ける問題に対する本解決策には、いくつかの短所が存在する。特に、リングガスケット23は、ガスケットが、セグメントのガスケット凹部内に適切に着座する前に、リングガスケットの少なくとも一部上に乗り上がる緊密に嵌合したセグメントの幾何学形状によって、楕円形状に歪曲されることに留意されたい。リングガスケットの歪曲の程度が、制御されない場合、楕円形状は、セグメント13および15の接続部材17と19との間の領域内のガスケットに挟着し、損傷をもたらす可能性がある。
【0009】
リングシールの歪曲が、併用されるリングシールへの損傷を回避するように制御され得るが、また、連結器を分解せずに、パイプ要素が、確実に挿入されることを可能にする、パイプ連結器の必要性が明確である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
(概要)
本発明は、端間関係において、パイプ要素を継合するための連結器に関する。一例示的実施形態では、連結器は、中心軸を囲繞し、パイプ要素を受容するための中心空間を画定する、端間が継合された複数のセグメントを備える。セグメントのうちの少なくとも1つは、1つのセグメントの両側に離間関係に位置付けられ、中心軸に向かって延在する、一対の突起を備える。突起のそれぞれの少なくとも一部は、パイプ要素の個別の1つに係合可能である。突起はそれぞれ、中心軸に対向する、弧状表面を有する。弧状表面は、第1の曲率中心から測定される、第1の曲率半径を有する。後壁は、突起間に延在する。後壁は、中心軸に対向する、弧状表面を有する。後壁の弧状表面は、第2の曲率中心から測定される、第2の曲率半径を有する。第2の曲率中心は、中心軸に垂直な平面において測定される、第1の曲率中心と一致しない。
【0011】
一実施形態では、第1の曲率中心は、第1および第2の曲率中心と共線形である、後壁の弧状表面上のある点まで測定されるとき、第2の曲率中心より後壁の弧状表面に近い。別の実施形態では、第1および第2の曲率中心ならびに後壁上の点は、1つのセグメントの第1の端部と1つのセグメントの第2の端部との間に延在する第2の線に垂直に配向される第1の線に沿って、共線形である。
【0012】
第2の曲率中心は、約0.01インチ〜約0.1インチの距離、または約0.02インチ〜約0.04インチの距離、または約0.03インチの距離において、第1の曲率中心からオフセットされてもよい。
【0013】
本発明による連結器の特定の例示的実施形態では、第1のおよび第2のセグメントのみ、端間が継合され、中心軸を囲繞する。本実施例では、連結器はさらに、第1のセグメントと第2のセグメントとの間に位置付けられる、リングガスケットを備える。リングガスケットは、第1および第2のセグメントをセグメント間にパイプ要素を挿入するために十分な離間関係に支持し、楕円に歪曲される、または実質的に歪曲されず、円形形状を呈する形状を有してもよい。リングガスケットの歪曲の程度は、第1および第2の曲率中心のオフセットによって決定される。
【0014】
本発明による、端間関係において、パイプ要素を継合するための連結器の別の例示的実施形態は、中心軸を囲繞し、パイプ要素を受容するための中心空間を画定する、端間が継合された複数のセグメントを備える。本例示的実施形態では、セグメントのうちの少なくとも1つは、1つのセグメントの両側に離間関係に位置付けられる、一対の突起を備える。突起は、中心軸に向かって延在する。突起のそれぞれの少なくとも一部は、パイプ要素の個別の1つと係合可能である。突起のうちの少なくとも1つは、中心軸に対向する、弧状表面を有する。後壁は、突起間に延在する。後壁は、中心軸に対向する弧状表面を有する。中心軸から延在する半径方向に突出する線に沿って測定される、後壁の弧状表面と少なくとも1つの突起の弧状表面との間の距離は、少なくとも1つのセグメントの端間の中間の第1の点では、第1の値であって、少なくとも1つのセグメントの端部のうちの少なくとも一方に近接する第2の点では、第2の値である。第1の値は、第2の値未満である。リングガスケットは、セグメントによって画定される中心空間内に位置付けられる。リングガスケットは、セグメントの後壁の弧状表面の長さの和を上回る長さを有する、外周を有する。リングガスケットは、該セグメントのうちの少なくとも2つを離間関係に支持する。
【0015】
後壁の弧状表面と少なくとも1つの突起の弧状表面との間の距離は、少なくとも1つのセグメントの端間の中間の第1の点において、最小であって、第2の点において、最大であってもよい。第2の点は、少なくとも1つのセグメントの端部の少なくとも一方に位置付けられてもよい。少なくとも1つのセグメントの端部の他方に位置付けられる第3の点では、後壁の弧状表面と少なくとも1つの突起の弧状表面との間の距離は、第2の値とほぼ等しい第3の値であってもよい。
【0016】
特定の例示的実施形態では、後壁の弧状表面は、湾曲表面を有する、第1の部分と、湾曲表面を有する、第2の部分とを備える。第2の部分は、少なくとも1つのセグメントの端部の少なくとも一方に近接して位置付けられる。第2の部分上の任意の点は、該第1の部分上の任意の点より該中心軸から遠い。後壁の弧状表面はさらに、湾曲表面を有する、第3の部分を備えてもよい。第3の部分は、少なくとも1つのセグメントの端部の他方に近接して位置付けられる。第3の部分上の任意の点は、該第1の部分上の任意の点より該中心軸から遠い。
【0017】
後壁の弧状表面の第2の部分は、角度約5°〜約80°または約5°〜約45°に内在してもよい。後壁の弧状表面の第3の部分は、角度約5°〜約80°または約5°〜約45°に内在してもよい。
【0018】
本発明による連結器の別の例示的実施形態では、後壁の弧状表面は、第1の曲率半径を有する、第1の部分と、無限曲率半径を有する、第2の部分とを備える。第2の部分は、少なくとも1つのセグメントの端部の少なくとも一方に近接して位置付けられる。第2の部分上の任意の点は、第1の部分上の任意の点より中心軸から遠い。後壁の弧状表面はさらに、無限曲率半径を有する、第3の部分を備えてもよい。第3の部分上の任意の点は、第1の部分上の任意の点より中心軸から遠い。第3の部分は、少なくとも1つのセグメントの端部の他方に近接して位置付けられる。後壁の弧状表面の第2の部分は、角度約5°〜約45°または約5°〜約30°に内在してもよい。後壁の弧状表面の第3の部分は、角度約5°〜約45°または約5°〜約30°に内在してもよい。別の例示的実施形態では、後壁の弧状表面はさらに、後壁の弧状表面の複数の第2の部分を備えてもよく、第2の部分はそれぞれ、無限曲率半径を有する。加えて、後壁の弧状表面はさらに、複数の後壁の弧状表面の第3の部分を備えてもよく、それぞれ、無限曲率半径を有する。後壁の弧状表面の第3の部分は、少なくとも1つのセグメントの端部の他方に近接して位置付けられる。後壁の弧状表面の複数の第2の部分は、角度約5°〜約80°または約5°〜約30°に内在してもよい。複数の後壁の弧状表面の第3の部分は、角度約5°〜約80°または約5°〜約30°に内在してもよい。
【0019】
一例示的実施形態では、本発明による連結器は、中心軸を囲繞する、端間が継合された第1のおよび第2のセグメントのみを備えてもよい。連結器はさらに、第1のセグメントと第2のセグメントとの間に位置付けられる、リングガスケットを備えてもよい。リングガスケットは、第1および第2のセグメントをセグメント間にパイプ要素を挿入するために十分な離間関係に支持する。リングガスケットは、楕円形状を有してもよく、またはリングガスケットは、円形形状を有してもよい。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
端間関係において、パイプ要素を継合するための連結器であって、
中心軸を囲繞し、前記パイプ要素を受容するための中心空間を画定する、端間が継合された複数のセグメントであって、前記セグメントのうちの少なくとも1つは、
前記1つのセグメントの両側に離間関係に位置付けられ、前記中心軸に向かって延在する、一対の突起であって、前記突起のそれぞれの少なくとも一部は、前記パイプ要素の個別の1つと係合可能であり、前記突起のうちの少なくとも1つは、前記中心軸に対向する弧状表面を有する、突起と、
前記突起間に延在する後壁であって、前記後壁は、前記中心軸に対向する弧状表面を有し、前記中心軸から延在する半径方向に突出する線に沿って測定される、前記後壁の前記弧状表面と前記少なくとも1つの突起の前記弧状表面との間の距離は、前記少なくとも1つのセグメントの前記端間の中間の第1の点では、第1の値であり、前記少なくとも1つのセグメントの端部のうちの少なくとも一方に近接する第2の点では、第2の値であり、前記第1の値は、前記第2の値未満である、後壁と、
前記中心空間内に位置付けられるリングガスケットであって、前記リングガスケットは、前記セグメントの前記後壁の前記弧状表面の長さの和を上回る長さを有する、外周を有し、前記リングガスケットは、前記セグメントのうちの少なくとも2つを離間関係に支持する、リングガスケットと
を備える、セグメント
を備える、連結器。
(項目2)
前記距離は、前記少なくとも1つのセグメントの前記端間の中間の前記第1の点において最小である、項目1に記載の連結器。
(項目3)
前記距離は、前記第2の点において最大となり、前記第2の点は、前記少なくとも1つのセグメントの少なくとも一方の端部に位置付けられる、項目2に記載の連結器。
(項目4)
前記少なくとも1つのセグメントの端部の他方に位置付けられる第3の点における、前記後壁の前記弧状表面と前記少なくとも1つの突起の前記弧状表面との間の距離は、前記第2の値とほぼ等しい第3の値である、項目3に記載の連結器。
(項目5)
前記後壁の前記弧状表面は、湾曲表面を有する、第1の部分と、湾曲表面を有する、第2の部分とを備え、前記第2の部分は、前記少なくとも1つのセグメントの少なくとも一方の端部に近接して位置付けられ、前記第2の部分上の任意の点は、前記第1の部分上の任意の点より前記中心軸から遠い、項目1に記載の連結器。
(項目6)
前記後壁の前記弧状表面はさらに、湾曲表面を有する、第3の部分を備え、前記第3の部分は、前記少なくとも1つのセグメントの端部の他方に近接して位置付けられ、前記第3の部分上の任意の点は、前記第1の部分上における任意の点より前記中心軸から遠い、項目5に記載の連結器。
(項目7)
前記後壁の前記弧状表面の前記第2の部分は、角度約5°〜約80°に内在する、請求項5に記載の連結器。
(項目8)
前記後壁の前記弧状表面の前記第2の部分は、角度約5°〜約45°に内在する、請求項5に記載の連結器。
(項目9)
前記後壁の前記弧状表面の前記第3の部分は、角度約5°〜約80°に内在する、請求項6に記載の連結器。
(項目10)
前記後壁の前記弧状表面の前記第2の部分は、角度約5°〜約45°に内在する、請求項6に記載の連結器。
(項目11)
前記後壁の前記弧状表面は、第1の曲率半径を有する、第1の部分と、無限曲率半径を有する、第2の部分とを備え、前記第2の部分は、前記少なくとも1つのセグメントの少なくとも一方の端部に近接して位置付けられ、前記第2の部分上の任意の点は、前記第1の部分上の任意の点より前記中心軸から遠い、項目1に記載の連結器。
(項目12)
前記後壁の前記弧状表面はさらに、無限曲率半径を有する、第3の部分を備え、前記第3の部分は、前記少なくとも1つのセグメントの端部の他方に近接して位置付けられる、請求項11に記載の連結器。
(項目13)
前記後壁の前記弧状表面の前記第2の部分は、角度約5°〜約45°に内在する、請求項11に記載の連結器。
(項目14)
前記後壁の前記弧状表面の前記第2の部分は、角度約5°〜約30°に内在する、請求項11に記載の連結器。
(項目15)
前記後壁の前記弧状表面の前記第3の部分は、角度約5°〜約45°に内在する、請求項12に記載の連結器。
(項目16)
前記後壁の前記弧状表面の前記第2の部分は、角度約5°〜約30°に内在する、請求項12に記載の連結器。
(項目17)
前記後壁の前記弧状表面の前記複数の第2の部分をさらに備え、前記第2の部分はそれぞれ、無限曲率半径を有する、項目11に記載の連結器。
(項目18)
前記後壁の前記弧状表面はさらに、それぞれ、無限曲率半径を有する、複数の第3の部分を備え、前記後壁の前記弧状表面の前記第3の部分は、前記少なくとも1つのセグメントの端部の他方に近接して位置付けられる、項目17に記載の連結器。
(項目19)
前記後壁の前記弧状表面の前記複数の第2の部分は、角度約5°〜約80°に内在する、項目17に記載の連結器。
(項目20)
前記後壁の前記弧状表面の前記複数の第2の部分は、角度約5°〜約45°に内在する、項目17に記載の連結器。
(項目21)
前記後壁の前記弧状表面の前記複数の第3の部分は、角度約5°〜約80°に内在する、項目18に記載の連結器。
(項目22)
前記後壁の前記弧状表面の前記複数の第3の部分は、角度約5°〜約30°に内在する、項目18に記載の連結器。
(項目23)
前記中心軸を囲繞する、前記端間が継合された第1および第2のセグメントのみを備える、項目1に記載の連結器。
(項目24)
前記リングガスケットは、楕円形状を有する、項目23に記載の連結器。
(項目25)
前記リングガスケットは、円形形状を有する、項目23に記載の連結器。
(項目26)
前記少なくとも1つの突起の前記弧状表面は、第1の曲率中心から測定される、第1の曲率半径を有し、
前記後壁の前記弧状表面は、第2の曲率中心から測定される、第2の曲率半径を有し、前記第2の曲率中心は、前記中心軸に垂直な平面において測定される、前記第1の曲率中心と一致しない、
項目1に記載の連結器。
(項目27)
前記第1の曲率中心は、前記第1および第2の曲率中心と共線形である、前記後壁の前記弧状表面上のある点まで測定されるとき、前記第2の曲率中心より前記後壁の前記弧状表面に近い、項目26に記載の連結器。
(項目28)
前記第1および第2の曲率中心および前記後壁上の前記点は、前記1つのセグメントの第1の端部と前記1つのセグメントの第2の端部との間に延在する第2の線に垂直に配向される第1の線に沿って、共線形である、項目27に記載の連結器。
(項目29)
前記第2の曲率中心は、約0.01インチ〜約0.1インチの距離において、前記第1の曲率中心からオフセットされる、項目28に記載の連結器。
(項目30)
前記第2の曲率中心は、約0.02インチ〜約0.04インチの距離において、前記第1の曲率中心からオフセットされる、項目28に記載の連結器。
(項目31)
前記第2の曲率中心は、約0.03インチの距離において、前記第1の曲率中心からオフセットされる、項目28に記載の連結器。
(項目32)
前記中心軸を囲繞する、前記端間が継合された第1および第2のセグメントのみを備える、項目28に記載の連結器。
(項目33)
前記リングガスケットは、楕円形状を有する、項目32に記載の連結器。
(項目34)
前記リングガスケットは、円形形状を有する、項目32に記載の連結器。
(項目35)
端間関係において、パイプ要素を継合するための連結器であって、
中心軸を囲繞し、前記パイプ要素を受容するための中心空間を画定する、端間が継合された複数のセグメントであって、前記セグメントのうちの少なくとも1つは、
前記1つのセグメントの両側に離間関係において位置付けられ、前記中心軸に向かって延在する、一対の突起であって、前記突起のそれぞれの少なくとも一部は、前記パイプ要素の個別の1つと係合可能であり、前記突起はそれぞれ、前記中心軸に対向する弧状表面を有し、前記弧状表面は、第1の曲率中心から測定される第1の曲率半径を有する、突起と、
前記突起間に延在する後壁であって、前記後壁は、前記中心軸に対向する弧状表面を有し、前記後壁の前記弧状表面は、第2の曲率中心から測定される、第2の曲率半径を有し、前記第2の曲率中心は、前記中心軸に垂直な平面において測定される、前記第1の曲率中心と一致しない、後壁と
を備える、セグメント
を備える、連結器。
(項目36)
前記第1の曲率中心は、前記第1および第2の曲率中心と共線形である、前記後壁の前記弧状表面上のある点まで測定されるとき、前記第2の曲率中心より前記後壁の前記弧状表面に近い、項目35に記載の連結器。
(項目37)
前記第1および第2の曲率中心および前記後壁上の前記点は、前記1つのセグメントの第1の端部と前記1つのセグメントの第2の端部との間に延在する第2の線に垂直に配向される第1の線に沿って、共線形である、項目36に記載の連結器。
(項目38)
前記第2の曲率中心は、約0.01インチ〜約0.1インチの距離において、前記第1の曲率中心からオフセットされる、項目37に記載の連結器。
(項目39)
前記第2の曲率中心は、約0.02インチ〜約0.04インチの距離において、前記第1の曲率中心からオフセットされる、項目37に記載の連結器。
(項目40)
前記第2の曲率中心は、約0.03インチの距離において、前記第1の曲率中心からオフセットされる、項目37に記載の連結器。
(項目41)
前記中心軸を囲繞する、前記端間が継合された第1および第2のセグメントのみを備え、前記連結器はさらに、前記第1のセグメントと第2のセグメントとの間に位置付けられる、リングガスケットを備え、前記リングガスケットは、前記第1および第2のセグメントの前記後壁の前記弧状表面の長さの和を上回る長さを有する、外周を有し、前記リングガスケットは、前記第1および第2のセグメントを離間関係に支持する、項目37に記載の連結器。
(項目42)
前記リングガスケットは、楕円形状を有する、項目41に記載の連結器。
(項目43)
前記リングガスケットは、円形形状を有する、項目41に記載の連結器。
(項目44)
端間関係において、パイプ要素を継合するための連結器であって、
中心軸を囲繞し、前記パイプ要素を受容するための中心空間を画定する、端間が継合された第1および第2のセグメントであって、前記セグメントのそれぞれ1つは、
第1および第2の突起であって、それぞれ、前記セグメントの両側に離間関係に位置付けられ、前記中心軸に向かって延在し、前記突起のそれぞれの少なくとも一部は、前記パイプ要素の個別の1つに係合可能であり、各前記突起は、前記中心軸に対向する弧状表面を有し、各前記弧状表面は、第1の曲率中心から測定される、第1の曲率半径を有する、突起と、
前記第1の突起と第2の突起との間に延在する、後壁であって、前記後壁は、前記中心軸に対向する弧状表面を有し、前記後壁の前記弧状表面は、第2の曲率中心から測定される、第2の曲率半径を有し、前記第2の曲率中心は、前記中心軸に垂直な平面において測定される、前記第1の曲率中心と一致しない、後壁と
を備える、セグメント
を備える、連結器。
(項目45)
前記平面において測定される、前記セグメントのそれぞれ上の前記突起のそれぞれに対して、前記第1の曲率中心は、前記第1および第2の曲率中心と共線形である、前記後壁の前記弧状表面上のある点まで測定されるとき、前記第2の曲率中心より前記後壁の前記弧状表面に近い、項目44に記載の連結器。
(項目46)
前記第1のセグメントに対して、およびその上の前記突起のそれぞれに対して、前記第1および第2の曲率中心および前記後壁上の前記点は、前記第1のセグメントの第1の端部と前記第1のセグメントの第2の端部との間に延在する、第2の線に垂直に配向される第1の線に沿って共線形である、項目45に記載の連結器。
(項目47)
前記第2のセグメントに対して、およびその上の前記突起のそれぞれに対して、前記第1および第2の曲率中心および前記後壁上の前記点は、前記第2のセグメントの第1の端部と前記第2のセグメントの第2の端部との間に延在する第2の線に垂直に配向される第1の線に沿って、共線形である、項目46に記載の連結器。
(項目48)
前記セグメントのそれぞれ上の前記突起のそれぞれに対して、前記第2の曲率中心は、約0.01インチ〜約0.1インチの距離において、前記第1の曲率中心からオフセットされる、項目47に記載の連結器。
(項目49)
前記セグメントのそれぞれ上の前記突起のそれぞれに対して、前記第2の曲率中心は、前記第2の曲率中心は、約0.02インチ〜約0.04インチの距離において、前記第1の曲率中心からオフセットされる、項目47に記載の連結器。
(項目50)
前記セグメントのそれぞれ上の前記突起のそれぞれに対して、前記第2の曲率中心は、約0.03インチの距離において、前記第1の曲率中心からオフセットされる、項目47に記載の連結器。
(項目51)
前記第1のセグメントと第2のセグメントとの間に位置付けられる、リングガスケットをさらに備え、前記リングガスケットは、前記パイプ要素を前記セグメント間に挿入するために十分な離間関係に前記第1および第2のセグメントを支持する、項目47に記載の連結器。
(項目52)
前記リングガスケットは、楕円形状を有する、項目51に記載の連結器。
(項目53)
前記リングガスケットは、円形形状を有する、項目51に記載の連結器。
(項目54)
端間関係において、パイプ要素を継合するための連結器であって、
中心軸を囲繞し、前記パイプ要素を受容するための中心空間を画定する、端間が継合された第1および第2のセグメントであって、前記セグメントのそれぞれ1つは、
第1および第2の突起であって、それぞれ、前記セグメントの両側に離間関係に位置付けられ、前記中心軸に向かって延在し、前記突起のそれぞれの少なくとも一部は、前記パイプ要素の個別の1つと係合可能であり、前記突起はそれぞれ、前記中心軸に対向する弧状表面を有する、突起と、
前記第1の突起と第2の突起との間に延在する、後壁であって、前記後壁は、前記中心軸に対向する弧状表面を有し、前記中心軸から延在する半径方向に突出する線に沿って測定される、前記後壁の前記弧状表面と前記突起の前記弧状表面との間の距離は、前記セグメントの前記端間の中間の点では、第1の値であり、前記セグメントのそれぞれの一端に近接する点では、第2の値であり、前記セグメントのそれぞれの反対端に近接する点では、第3の値であり、前記第1の値は、前記第2の値および前記第3の値未満である、後壁と、
前記中心空間内に位置付けられるリングガスケットであって、前記リングガスケットは、前記第1および第2のセグメントの前記後壁の前記弧状表面の長さの和を上回る長さを有する、外周を有し、前記リングガスケットは、前記第1および第2のセグメントを離間関係に支持する、リングガスケットと
を備える、セグメント
を備える、連結器。
(項目55)
前記距離は、前記少なくとも1つのセグメントの前記端間の中間の前記第1の点において最小である、項目54に記載の連結器。
(項目56)
前記距離は、前記第2の点において最大となり、前記第2の点は、前記少なくとも1つのセグメントの少なくとも一方の端部に位置付けられる、項目55に記載の連結器。
(項目57)
前記少なくとも1つのセグメントの端部の他方に位置付けられる第3の点における、前記後壁の前記弧状表面と前記少なくとも1つの突起の前記弧状表面との間の距離は、前記第2の値とほぼ等しい第3の値である、項目56に記載の連結器。
(項目58)
前記後壁の前記弧状表面は、湾曲表面を有する、第1の部分と、湾曲表面を有する、第2の部分とを備え、前記第2の部分は、前記少なくとも1つのセグメントの少なくとも一方の端部に近接して位置付けられ、前記第2の部分上の任意の点は、前記第1の部分上の任意の点より前記中心軸から遠い、項目54に記載の連結器。
(項目59)
前記後壁の前記弧状表面はさらに、湾曲表面を有する、第3の部分を備え、前記第3の部分は、前記少なくとも1つのセグメントの端部の他方に近接して位置付けられ、前記第3の部分上の任意の点は、前記第1の部分上における任意の点より前記中心軸から遠い、項目58に記載の連結器。
(項目60)
前記後壁の前記弧状表面の前記第2の部分は、角度約5°〜約80°に内在する、請求項58に記載の連結器。
(項目61)
前記後壁の前記弧状表面の前記第2の部分は、角度約5°〜約45°に内在する、請求項58に記載の連結器。
(項目62)
前記後壁の前記弧状表面の前記第3の部分は、角度約5°〜約80°に内在する、請求項59に記載の連結器。
(項目63)
前記後壁の前記弧状表面の前記第2の部分は、角度約5°〜約45°に内在する、請求項59に記載の連結器。
(項目64)
前記後壁の前記弧状表面は、第1の曲率半径を有する、第1の部分と、無限曲率半径を有する、第2の部分とを備え、前記第2の部分は、前記少なくとも1つのセグメントの少なくとも一方の端部に近接して位置付けられ、前記第2の部分上の任意の点は、前記第1の部分上の任意の点より前記中心軸から遠い、項目54に記載の連結器。
(項目65)
前記後壁の前記弧状表面はさらに、無限曲率半径を有する、第3の部分を備え、前記第3の部分は、前記少なくとも1つのセグメントの端部の他方に近接して位置付けられる、項目64に記載の連結器。
(項目66)
前記後壁の前記弧状表面の前記第2の部分は、角度約5°〜約45°に内在する、請求項64に記載の連結器。
(項目67)
前記後壁の前記弧状表面の前記第2の部分は、角度約5°〜約30°に内在する、請求項64に記載の連結器。
(項目68)
前記後壁の前記弧状表面の前記第3の部分は、角度約5°〜約45°に内在する、請求項65に記載の連結器。
(項目69)
前記後壁の前記弧状表面の前記第2の部分は、角度約5°〜約30°に内在する、請求項65に記載の連結器。
(項目70)
前記後壁の前記弧状表面の複数の第2の部分をさらに備え、前記第2の部分はそれぞれ、無限曲率半径を有する、項目64に記載の連結器。
(項目71)
前記後壁の前記弧状表面はさらに、それぞれ、無限曲率半径を有する、複数の第3の部分を備え、前記後壁の前記弧状表面の前記第3の部分は、前記少なくとも1つのセグメントの端部の他方に近接して位置付けられる、項目70に記載の連結器。
(項目72)
前記後壁の前記弧状表面の前記複数の第2の部分は、角度約5°〜約80°に内在する、項目70に記載の連結器。
(項目73)
前記後壁の前記弧状表面の前記複数の第2の部分は、角度約5°〜約30°に内在する、項目70に記載の連結器。
(項目74)
前記後壁の前記弧状表面の前記複数の第3の部分は、角度約5°〜約80°に内在する、項目71に記載の連結器。
(項目75)
前記後壁の前記弧状表面の前記複数の第3の部分は、角度約5°〜約30°に内在する、項目71に記載の連結器。
(項目76)
前記中心軸を囲繞する、前記端間が継合された第1および第2のセグメントのみを備える、項目54に記載の連結器。
(項目77)
前記リングガスケットは、楕円形状を有する、項目76に記載の連結器。
(項目78)
前記リングガスケットは、円形形状を有する、項目76に記載の連結器。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本発明による、例示的機械的パイプ連結器の立面図である。
【
図2】
図2は、本発明による、例示的機械的パイプ連結器の立面図である。
【
図3】
図3は、本発明による、例示的機械的パイプ連結器のセグメントの横断面図である。
【
図4】
図4は、
図3の線4−4に沿った、例示的機械的パイプ連結器のセグメントの横断面図である。
【
図5】
図5は、本発明による、例示的機械的パイプ連結器のセグメントの横断面図である。
【
図6】
図6は、本発明による、例示的機械的パイプ連結器のセグメントの横断面図である。
【
図7】
図7は、拡大スケールに基づく、例示的セグメントの部分的横断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(詳細な説明)
図2は、本発明による、連結器10の例示的実施形態を示す。連結器10は、中心軸16を囲繞し、中心空間18を画定する、端間で相互に継合される、セグメント12および14を備える。中心空間18は、端間関係において継合される、パイプ要素を受容し、パイプ要素の縦軸は、実質的に、中心軸16と整合される。セグメント12および14はそれぞれ、接続部材20および22を各端部に有する。本実施例では、接続部材は、セグメントから突出し、ネジ山付き締結具26を受容する、つまみ24を備える。締結具26は、パイプ要素に係合し、継目を形成するように、セグメント12および14を相互および中心軸16に向かって引っ張るように、調節可能に緊締可能である。セグメント12および14は、工場において、連結器を分解せずに、中心空間18内へのパイプ要素の挿入を可能にするために十分な離間関係において、事前に組立てられる。
【0022】
図4における断面に示されるように、各セグメント(セグメント12が示される)は、セグメントの両側に離間関係に位置付けられる、一対の突起28および30を有する。突起は、中心軸16に向かって延在し、各突起の少なくとも一部は、個別のパイプ要素と係合可能であって、機械的係合を提供し、パイプ要素を端間関係において保持する。突起28および30は、例えば、平坦表面、円周方向溝を有する表面、または隆起肩部を有する表面、または肩部および押縁であり得る、パイプ要素の外側表面に係合する。突起は、接続部材20および22に隣接して位置付けられる、1つ以上の切り欠き31(
図2参照)を有し、中心空間18内へのパイプ要素の挿入を促進してもよい。
図3および4に示されるように、各突起は、中心軸16に対向する、弧状表面32を有する。各突起の弧状表面32は、弧状表面の曲率中心35から測定される、曲率半径34を有する。
【0023】
セグメント12および14はまた、突起28および30が延在する、側壁36および38を有する。側壁36および38は、後壁40に取着され、ともに、側壁および後壁は、凹部42を画定する。凹部42は、セグメント12と14(
図2参照)との間に位置付けられる、リングガスケット43(
図4)を受容し、液密シールを保証する。本例示的連結器では、組立てられると、セグメント12および14を離間関係に支持する、リングガスケットである。後壁40は、突起28と30との間に延在し、
図3および4に示されるように、中心軸16に対向する、弧状表面44を有する。後壁の弧状表面44は、後壁弧状表面の曲率中心48から測定される、曲率半径46を有する。連結器10の中心軸16に垂直に配向される平面50から見て、またはそこで測定されると、突起28および30上の弧状表面32の曲率中心35は、後壁40の弧状表面44の曲率中心48と一致しない。
図3に示される実施例では、曲率中心35は、線分54によって示されるように、曲率中心35および48と共線形である、後壁の弧状表面48上の点52まで測定されるとき、後壁の弧状表面44の曲率中心48より後壁の弧状表面40に近い。
図3にさらに示されるように、後壁弧状表面44上の曲率中心35および48ならびに点52は、セグメント12および14(セグメント12のみ示される)の端部56と58との間に延在する第2の線55に垂直に配向される、線54に沿って共線形である。
【0024】
曲率中心35と曲率中心48との間のオフセット距離60は、可変深度の偏心形状のガスケット凹部42をもたらし、後壁の弧状表面44は、セグメント12の中央からいずれかの端部56または58まで、後壁に沿って進むにつれて、真円形からさらに外向きに延在する。突起の弧状表面32から後壁の弧状表面44まで測定される、凹部42の深度62が、セグメントの中央において、値「h」である場合、セグメント12のいずれかの端部56、58における深度62aは、約「h」(62)+オフセット距離60である。深度62は、中心軸16から延在する半径方向に突出する線に沿って測定される、突起30の弧状表面32と後壁40の弧状表面44との間の距離として画定されてもよい。本例示的実施形態では、本距離である、深度62は、セグメント12の端部56と58との間のある点における値hおよびセグメントの各端における点でのより大きな値h+オフセットから変動する。セグメントの端部に位置する、本増加した深度は、セグメントの端部におけるガスケットのためのより多くの外向き半径方向空間を提供し、ガスケット43およびガスケット凹部42の幾何学形状のため、通常、ガスケットに接触し、
図1に示されるように、円形から歪曲させるであろう。しかしながら、ガスケット凹部42は、その偏心度h+オフセット距離が、セグメント12および14の端部56および58において最大(および、端間の中間での最小「h」)となる、偏心であるため、後壁40の弧状表面44とリングガスケット43の外側表面64との間の接触は、制御され、それによって、連結器10が、パイプ要素が連結器を分解せずに、中心空間18内に挿入され得るように、リングガスケット43の外側表面64上で離間関係に支持される、セグメント12および14とともに工場で組立てられるとき、円形からのリングガスケットの歪曲の程度を制御することができる。非変形リングガスケット43の外側表面64の円周は、リングガスケット外側表面64が接合する、セグメント12および14上の弧状表面44の円周の和を上回るため、セグメント12および14を離間関係に支持することが可能である。リングガスケット43の歪曲の程度は、
図2に示される円形形状を提供する、実質的無歪曲から、
図1におけるリングガスケット23に対して示される楕円形状まで及び得る。オフセット距離60が、増加するにつれて、リングガスケットの楕円の程度は、減少する。リングガスケットの歪曲の実質的に全てを排除することが可能であるが、実践的設計に対して、時として、制御された歪曲の程度を提供することが有利である。利点は、歪曲の程度が、リングガスケットの挟着が回避される一方、リングガスケットが、パイプ端の一方を把持し、中心空間内に挿入されると、それをパイプ要素上に保持するような十分な偏心度を維持するようなものであるときに得られる。これは、技術者が、第2のパイプ要素を連結器と係合するように操作しながら、連結器および第1のパイプ要素をともに保持する必要がないため、パイプ継目の便宜的組立を可能にする。約0.01インチ〜約0.1インチのオフセット距離60は、公称外径10インチ以下を有するパイプ要素に好適な連結器に実践的であることが分かっている。オフセット距離はさらに、約0.02インチ〜約0.04インチに及んでもよく、オフセット距離約0.03インチは、連結器およびパイプ要素のいつかの組み合わせに有利である。
【0025】
図5および6は、個別のセグメント66および68を図示し、中心軸16から延在する半径方向に突出する線70に沿って測定される、突起30の弧状表面32と後壁40の弧状表面44との間の距離62は、端部の一方に近接する点74よりセグメント66および68の端部56と58との間の中間の点72において短い。
【0026】
図5に示されるセグメント66に対して、後壁40の弧状表面44は、第1の曲率半径78を有する第1の表面部分76と、第2の曲率半径82を有する、セグメント66の端部56に近接して位置付けられる、第2の表面部分80とを備える。第2の表面部分80上の任意の点は、第1の部分78上の任意の点より中心軸16から遠い。したがって、突起30の弧状表面32と後壁40の弧状表面44との間の距離62は、第2の表面部分80によって内在される角度86にわたってより第1の表面部分76によって内在される角度84にわたって短い。第2の表面部分80は、約5°〜約80°の角度86に内在してもよい。内在角度約5°〜約45°もまた、実践的である。
【0027】
本実施例では、弧状表面44はさらに、セグメント66の反対端58に位置する、第3の表面部分88を備える。第3の表面部分88は、曲率半径90を有する。(第2の表面部分80および第3の表面部分88の個別の曲率半径82および90は、相互に等しくてもよい。)第3の表面部分88上の任意の点は、第1の部分78上の任意の点より中心軸16から遠い。したがって、突起30の弧状表面32と後壁40の弧状表面44との間の距離62は、第3の表面部分88によって内在される角度92より第1の表面部分76によって内在される角度84にわたって短い。第3の表面部分88は、約5°〜約80°の角度92に内在してもよい。内在角度約5°〜約45°もまた、実践的である。
【0028】
曲率半径間の距離62および差異は、明確にするために、誇張されていることに留意されたい。弧状表面32と44との間の幾何学的関係は、1つのセグメント66上の1つの突起30に関して説明されるが、連結器を構成する各セグメントは、
図4に示されるように、セグメントの両側に2つのそのような突起を有してもよく、両突起上の弧状表面と後壁の弧状表面との間の幾何学的関係は、同一であってもよいことを理解されたい。
【0029】
図6に示される、セグメント68に対して、後壁40の弧状表面44は、第1の曲率半径96を有する、第1の表面部分94と、セグメント66の端部56に近接して位置付けられる、第2の表面部分98とを備える。第2の表面部分98は、無限曲率半径を有し、第2の表面部分は、平坦面100であることを意味する。面100は、突起30の弧状表面32と後壁40の弧状表面44との間の距離62が、面100である、第2の表面部分98によって内在される角度104にわたってより第1の表面部分94によって内在される角度102にわたって短くなるように配列される。第2の表面部分98は、約5°〜約45°の角度104に内在してもよい。内在角度約5°〜約30°もまた、実践的である。
【0030】
本実施例では、弧状表面44はさらに、セグメント68の反対端58に位置する、第3の表面部分106を備える。本実施例では、第3の表面部分106はまた、無限曲率半径を有し、それによって、面108を形成する。面108は、突起30の弧状表面32と後壁40の弧状表面44との間の距離62が、第3の表面部分106によって内在される角度110にわたってより第1の表面部分94によって内在される角度102にわたって短くなるように配列される。第3の表面部分88は、約5°〜約45°の角度110に内在してもよい。内在角度約5°〜約30°もまた、実践的である。セグメント68の第2および第3の表面部分98および106はそれぞれ、単一面100および108から形成されるように示されるが、セグメント68の各端部に近接して複数の面を形成することが有利である。本多面構造の実施例は、
図7に拡大スケールで示されており、セグメント68の表面44は、複数の第2の表面部分98a、98b、98cから成り、それぞれ、無限曲率半径を有し、個別の面100a、100b、100cを形成する。複数の表面部分98a、98b、98cは、約5°〜約80°の角度112に内在してもよい。内在角度約5°〜約30°もまた、実践的である。
【0031】
距離62は、明確にするために、誇張されていることに留意されたい。弧状表面32と44との間の幾何学的関係は、1つのセグメント68上の1つの突起30に関して説明されるが、連結器を構成する各セグメントは、
図4に示されるように、セグメントの両側に2つのそのような突起を有してもよく、両突起上の弧状表面と後壁の弧状表面との間の幾何学的関係は、同一であってもよいことが理解される。
【0032】
リングガスケットの歪曲の程度が制御されることを可能にする、可変深度のガスケット凹部は、深度が一定の凹部を有する、先行技術の連結器セグメントに勝るいくつかの利点を提供する。連結器が、工場で組立てられるとき、ガスケットは、楕円と円形との間の制御された形状を有し得る。リングガスケットが低歪曲を有する、構成を選択することは、パイプ要素が、中心空間内に挿入されるとき、ガスケット内のパイプ停止部により均一に係合し、それによって、連結器内におけるパイプ要素の適切な着座を助長することを意味する。さらに、低歪曲を伴うリングガスケットに対して、ガスケットが連結器セグメントの端間に挟着する可能性が少ない。しかしながら、リングガスケットの形状のある合理的程度の歪曲を含むことは、組立の間、パイプ要素を把持し、その上に保持することを可能にし、技術者にとって有利である。
【0033】
前述および本明細書に請求される、可変深度のガスケット凹部は、剛性および可撓性連結器の両方に適用可能である。剛性連結器は、有利には、円周方向に溝付きパイプ要素と併用される。剛性連結器のセグメントは、相互に対して反対角配向を有する、接合表面を有する。そのようなセグメントをともに継合する締結具が、緊締されると、1つのセグメント上の界面表面は、噛合セグメント上のその対応表面に接触し、セグメントは、相互に対して反対方向に、垂直軸を中心として回転するように押勢される。これは、突起をパイプ要素内の円周方向溝の側壁に係合させ、継目に印加される、外部屈曲力およびトルクに対する有意な抵抗を提供するように、それらを定位置に係止し、それによって、パイプ要素の相対的偏向を制限する。剛性連結器の実施例は、本明細書では、
図1、2、5、および6に示される。剛性連結器は、米国特許第4,611,839号および米国特許第4,639,020号に開示されており、両特許は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0034】
可撓性連結器では、セグメント間の接合表面は、角度付けられず、相互に係合すると、セグメントのいかなる相対的回転も生じさせない。したがって、突起は、より可撓性継目をもたらす、セグメントの捻転作用のため、円周方向溝の側壁に係合せず、屈曲、捻転するようなかつ軸方向に屈曲する際のパイプ要素の相対的偏向は、同一の印加された負荷に対して、剛性継目(前述の)より大きくなる。
図3は、例示的可撓性連結器を示す。
【0035】
前述および本明細書に請求される、可変深度のガスケット凹部はまた、異なる公称サイズのパイプ要素が、端間関係において連結されることを可能にする、アダプタ連結器にも適用可能である。アダプタ連結器では、各セグメントは、異なるサイズパイプ要素に嵌合および係合するように合致される、異なる曲率半径の突起を有する。溝付きパイプ要素に連結するために使用される、アダプタ連結器の実施例は、米国特許第3,680,894号および米国特許第4,896,902号に開示されており、両特許は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0036】
本発明によるパイプ連結器は、非変形連結器が、取付が容易な連結器として使用されることを可能にし、パイプ継目をもたらすときに、連結器を変形させるために費やされる有意なエネルギーが存在しないため、取付のためのエネルギーをほとんど要求しない。これによって、ハンドツールを用いて、継目を手動で形成するとき、ほとんど疲労せず、かつコードレス電動ツールが使用されるとき、バッテリ交換が少なくなる。