特許第6027654号(P6027654)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6027654
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】脆性物の切断装置及びその切断方法
(51)【国際特許分類】
   B28D 5/00 20060101AFI20161107BHJP
   C03B 33/09 20060101ALI20161107BHJP
   B28D 1/22 20060101ALI20161107BHJP
   B23K 26/364 20140101ALI20161107BHJP
【FI】
   B28D5/00 Z
   C03B33/09
   B28D1/22
   B23K26/364
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-139787(P2015-139787)
(22)【出願日】2015年7月13日
【審査請求日】2015年7月13日
(31)【優先権主張番号】104113321
(32)【優先日】2015年4月24日
(33)【優先権主張国】TW
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年1月15日に開発晶照明(廈門)有限公司1楼 (廈門火炬高新区(翔安)産業区翔星路101号)にて開催された2015 LED芯片後段設備技術発展研討会にて発表
(73)【特許権者】
【識別番号】516038885
【氏名又は名称】エイゾクケイマングントウショウナノコウフンユウゲンコウシ
(74)【代理人】
【識別番号】100154014
【弁理士】
【氏名又は名称】正木 裕士
(72)【発明者】
【氏名】呂鴻圖
(72)【発明者】
【氏名】ウラジミール コンドラチェンコ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ナウモフ
(72)【発明者】
【氏名】徐智鵬
(72)【発明者】
【氏名】徐維濃
【審査官】 本庄 亮太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−176442(JP,A)
【文献】 特開2004−42423(JP,A)
【文献】 特開2014−125391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B28D 5/00
B23K 26/364
B28D 1/22
C03B 33/09
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脆性物を切断するための脆性物の切断装置であって、レーザスクライブ部と、第1レーザ加熱部と、第2レーザ加熱部と、二つの冷却部と、処理モジュールとを備え、
前記レーザスクライブ部は、前記脆性物に作用するためのスクライブビームを発生するように配置され、
前記第1レーザ加熱部は、第1加熱ビームを発生するように配置され、
前記第2レーザ加熱部は、第2加熱ビームを発生するように配置され、前記第1加熱ビーム、前記第2加熱ビーム及び前記スクライブビームが前記脆性物に作用された場合、前記第1加熱ビーム及び前記第2加熱ビームは、それぞれ前記スクライブビームの両側に位置され、
前記二つの冷却部は、前記脆性物を冷却するための冷却液を提供し、その一つの冷却部は、前記第1加熱ビームにより作用された後に前記脆性物を冷却するように、前記第1加熱ビームの一側且つ前記スクライブビームと相対するように位置され、もう一つの冷却部は、前記第2加熱ビームにより作用された後に前記脆性物を冷却するように、前記第2加熱ビームの一側且つ前記スクライブビームと相対するように位置され、
前記処理モジュールは、前記レーザスクライブ部、前記第1レーザ加熱部及び前記冷却部、或いは前記レーザスクライブ部、前記第2レーザ加熱部及び前記冷却部を選択的に制御して加工作業を行うように配置されることにより、一つの加工工程において、前記スクライブビーム、前記第1加熱ビーム及び前記冷却液、或いは前記スクライブビーム、前記第2加熱ビーム及び前記冷却液を順次に前記脆性物の複数の分割線の一つに沿って切断加工を行い、且つ前記第1加熱ビーム及び前記冷却液、或いは前記第2加熱ビーム及び前記冷却液は同時に作用することを特徴とする、脆性物の切断装置。
【請求項2】
前記スクライブビーム、前記第1加熱ビーム及び前記冷却液の加工方向は、前記スクライブビーム、前記第2加熱ビーム及び前記冷却液の加工方向と反対方向であることを特徴とする、請求項1に記載の脆性物の切断装置。
【請求項3】
前記スクライブビームは、前記脆性物上に第1軸方向の分割線に対して所定の距離に作用され、前記所定の距離の始点は前記脆性物の縁であり、前記スクライブビームは、前記脆性物上に第2軸方向の分割線に対して完全に作用される、又は前記分割線の各交差点に前記第2軸方向の分割線に沿って前記所定の距離に作用されることを特徴とする、請求項1に記載の脆性物の切断装置。
【請求項4】
脆性物を切断するための脆性物の切断装置であって、レーザスクライブ部と、レーザ加熱部と、第1導光路部と、第2導光路部と、二つの冷却部と、処理モジュールとを備え、
前記レーザスクライブ部は、スクライブ光路上に前記脆性物に作用するためのスクライブビームを発生するように配置され、
前記レーザ加熱部は、加熱ビームを発生するように配置され、
前記第1導光路部は、前記加熱ビームを導くように配置され、第1加熱光路上に前記脆性物を加熱させ、又は前記加熱ビームを前記第1導光路部に通過させ、或いは前記加熱ビームの一部を前記第1加熱光路上に導き、且つ前記加熱ビームの一部を前記第1加熱光路に通過するように配置され、
前記第2導光路部は、前記第1導光路部を通過する前記加熱ビームを導くように配置され、第2加熱光路上に前記脆性物を加熱させ、前記第1加熱光路、前記第2加熱光路及び前記スクライブ光路が前記脆性物に作用された場合、前記第1加熱光路及び前記第2加熱光路はそれぞれ前記スクライブ光路の両側に位置され、
前記二つの冷却部は、前記脆性物を冷却するための冷却液を提供し、その一つの冷却部は、前記第1加熱ビームにより作用された後に前記脆性物を冷却するように、前記第1加熱光路の一側且つ前記スクライブ光路と相対するように位置され、もう一つの冷却部は、前記第2加熱光路により作用された後に前記脆性物を冷却するように、前記第2加熱光路の一側且つ前記スクライブ光路と相対するように位置され、
前記処理モジュールは、前記レーザスクライブ部、前記レーザ加熱部、前記第1導光路部及び前記冷却部を制御して加工作業を行うように配置されることにより、一つの加工工程において、前記スクライブ光路上の前記スクライブビーム、前記第1加熱光路上の前記加熱ビーム及び前記冷却液、或いは前記スクライブ光路上の前記スクライブビーム、前記第2加熱光路上の前記加熱ビーム及び前記冷却液を順次に前記脆性物の複数の分割線の一つに沿って切断加工を行い、且つ前記第1加熱光路の前記加熱ビーム及び前記冷却液、或いは前記第2加熱光路の前記加熱ビーム及び前記冷却液は同時に作用することを特徴とする、脆性物の切断装置。
【請求項5】
前記スクライブ光路上の前記スクライブビーム、前記第1加熱光路上の前記加熱ビーム及び前記冷却液の加工方向は、前記スクライブ光路上の前記スクライブビーム、前記第2加熱光路上の前記加熱ビーム及び前記冷却液の加工方向と反対方向であることを特徴とする、請求項4に記載の脆性物の切断装置。
【請求項6】
前記スクライブビームは、前記脆性物上に第1軸方向の分割線に対して所定の距離に作用され、前記所定の距離の始点は前記脆性物の縁であり、前記スクライブビームは、前記脆性物上に第2軸方向の分割線に対して完全に作用される、又は前記分割線の各交差点に前記第2軸方向の分割線に沿って前記所定の距離に作用されることを特徴とする、請求項4に記載の脆性物の切断装置。
【請求項7】
複数の分割線を備える脆性物に応用する脆性物の切断方法であって、
スクライブビームを発生するレーザスクライブ部を設置するステップと、
第1加熱ビームを発生する第1レーザ加熱部を配置するステップと、
第2加熱ビームを発生する第2レーザ加熱部を配置するステップと、
前記スクライブビームを前記分割線の一つに沿って前記脆性物に作用して、前記脆性物を加工するステップと、
前記第1加熱ビーム又は前記第2加熱ビームを選択的に利用して、前記分割線の一つに沿って前記脆性物を加熱すると同時に、冷却部によって冷却液を提供することにより、前記第1加熱ビーム又は前記第2加熱ビームを作用した後に前記分割線に沿って前記脆性物を冷却し、前記第1加熱ビーム及び前記冷却液、或いは前記第2加熱ビーム及び前記冷却液によって前記脆性物を加熱及び冷却することと、前記スクライブビームによって前記脆性物を加工することとは、前記脆性物の同一の移動工程において行うステップとを含み、
前記スクライブビーム、前記第1加熱ビーム及び前記冷却液、或いは前記スクライブビーム、前記第2加熱ビーム及び前記冷却液は、順次に前記脆性物の複数の分割線の一つに沿って切断加工を行うことを特徴とする、脆性物の切断方法。

【請求項8】
前記脆性物上に前記第1加熱ビーム及び前記第2加熱ビームの作用位置を、それぞれ前記脆性物上の前記スクライブビームの作用位置の両側に位置するように設置するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項7に記載の脆性物の切断方法。
【請求項9】
前記スクライブビーム、前記第1加熱ビーム及び前記冷却液の加工方向は、前記スクライブビーム、前記第2加熱ビーム及び前記冷却液の加工方向と反対方向であることを特徴とする、請求項8に記載の脆性物の切断方法。
【請求項10】
前記スクライブビームを、前記脆性物上に第1軸方向の各複数の分割線に沿って所定の距離に作用するように制御するステップをさらに含み、前記所定の距離の始点は、前記脆性物の縁であることを特徴とする、請求項9に記載の脆性物の切断方法。
【請求項11】
前記スクライブビームを、前記脆性物上に第2軸方向の各複数の分割線に沿って完全に作用する、又は前記第1軸方向の複数の分割線と前記第2軸方向の複数の分割線との交差点に前記所定の距離に作用するように制御するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の脆性物の切断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、切断装置及びその切断方法に関し、特にレーザを応用して熱誘起機械的応力(thermally−induced mechanical stress)の変化を生じることによって、脆性物を切断する脆性物の切断装置及びその切断方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
境界線に沿って切れ目を入れ、そして機械的な力を加えて切れ目に沿う破断応力が発生することによって、板状脆性材料、例えば、ガラス、サファイア、シリコン、ガリウムヒ素又はセラミックを完全に切断することが既に知られている。
【0003】
この方法の場合、板状脆性材料を切断するため、切れ目の深さは、少なくとも板状脆性材料の厚みの三分の一であることが必要である。切れ目は機械的な方法又はレーザ装置で入れることができる。特に基材(チップ)に対して、材料に焼入れを行うレーザダイシング方法によって切れ目を入れることが益々盛んにされている。切れ目の通常の幅がわずか数マイクロメートル(μm)の幅であり、且つ板状脆性材料の厚みの三分の一に近い深さを有する。板状脆性材料の脆性に応じて、切れ目の深さと板状脆性材料の全体厚さとは比例的に生成される。切れ目の幅と切れ目の深さとの間のアスペクト比は、レーザ工程に大きく左右されるので、複雑な装置が必要であり、且つ比較的低速で切れ目を入れることが必要になる。よって、厚いウェハに用いる深い切れ目の処理時間がますます増加することになる。
【0004】
このような方法は、米国特許US20050153525又は米国特許US20040228004に公開されている。切れ目を入れた後、チップは完全に機械的な(インパルス)エネルギーまたは力、例えば、引張力(フィルムの延伸)、曲げ力(リッジ部を超えて破断すること)又はそれらの組み合わせにより切断される。
【0005】
破断力の機械的応用の位置決めは比較的不精確であるので、破断線が材料の厚み方向と直交しない又は二つの破断線が所定角度で一つの点に互いに交差することではない場合、破断の欠陥が発生することになる。特にチップ生産において、例えば、破断の欠陥によって歩留まり低下を防止する必要がある。また、材料の切削屑が発生する場合、板状脆性材料の表面を汚染することになる。
【0006】
材料の除去、例えば、切れ目の形態によって板状脆性材料を切断することの他に、従来の方法は、機械力によって初期クラックを発生し、そして熱誘起機械的応力によって初期クラックが板状脆性材料上に伸びるものである。このような方法(熱レーザ分離、TLS)は国際公開WO90/20015に記載されている。この方法では、一つの板状脆性材料からダイシングされた複数の平行な帯板状脆性材料を第1分離方向と垂直な第2方向にダイシングされる状況、例えば、ウェハのダイシング工程において個々の矩形にダイシングされる場合は不利である。その原因は、新たな初期クラックはそれぞれ第1分離方向上の各ダイシングラインの始点に形成する必要があるので、上記方法は時間を費やすことになり、且つ機械システムの損耗が激しいという問題がある。
【0007】
また、米国特許US8,212,180に一種の板状脆性材料の切断方法が記載されている。その方法は、スクライブ工程と熱機械的応力の工程が二つに分かれて行われている。よって、この二つの工程において板状脆性材料の作用点がずれる可能性があるので、破断線が材料の厚みと直交しない等の問題になる。
【0008】
前述に鑑みて、本発明者は、従来の問題を解決し、産業上の利用可能性を促進するために鋭意研究を行った。その結果、脆性物の切断装置及びその切断方法が見出された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許US20050153525
【特許文献2】米国特許US20040228004
【特許文献3】国際公開WO90/20015
【特許文献4】米国特許US8,212,180
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来技術の上記問題を解決するため、脆性物の切断装置及びその切断方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するため、本発明は脆性物に応用する脆性物の切断装置を提供し、その切断装置は、レーザスクライブ部と、第1レーザ加熱部と、第2レーザ加熱部と、二つの冷却部と、処理モジュールとを備える。レーザスクライブ部は、脆性物に作用するためのスクライブビームを発生する。第1レーザ加熱部は、第1加熱ビームを発生する。第2レーザ加熱部は、第2加熱ビームを発生し、且つ第1加熱ビーム、第2加熱ビーム及びスクライブビームが脆性物に作用された場合、第1加熱ビーム及び第2加熱ビームは、それぞれスクライブビームの両側に位置される。冷却部は、脆性物を冷却するための冷却液を提供する。その一つの冷却部は、第1加熱ビームにより作用された後に脆性物を冷却するように、第1加熱ビームの一側且つスクライブビームと相対するように位置される。もう一つの冷却部は、第2加熱ビームにより作用された後に脆性物を冷却するように、第2加熱ビームの一側且つスクライブビームと相対するように位置される。処理モジュールは、レーザスクライブ部、第1レーザ加熱部及び冷却部、或いはレーザスクライブ部、第2レーザ加熱部及び冷却部を選択的に制御して加工作業を行うことにより、一つの加工工程において、スクライブビーム、第1加熱ビーム及び冷却液、或いはスクライブビーム、第2加熱ビーム及び冷却液を順次に脆性物の複数の分割線の一つに沿って切断加工を行い、且つ第1加熱ビーム及び冷却液、或いは第2加熱ビーム及び冷却液は同時に作用する。
【0012】
より好ましくは、スクライブビーム、第1加熱ビーム及び冷却液の加工方向は、スクライブビーム、第2加熱ビーム及び冷却液の加工方向と反対方向である。
【0013】
より好ましくは、スクライブビームは、脆性物上に第1軸方向の分割線に対して所定の距離に作用され、所定の距離の始点は脆性物の縁である。スクライブビームは、脆性物上に第2軸方向の分割線に対して完全に作用される、又は分割線の各交差点に第2軸方向の分割線に沿って所定の距離に作用される。
【0014】
前述した目的を達成するため、本発明はさらに脆性物に応用する脆性物の切断装置を提供し、その切断装置は、レーザスクライブ部と、レーザ加熱部と、第1導光路部と、第2導光路部と、二つの冷却部と、処理モジュールとを備える。レーザスクライブ部は、スクライブ光路上に脆性物に作用するためのスクライブビームを発生する。レーザ加熱部は、加熱ビームを発生する。第1導光路部は、加熱ビームを第1加熱光路上に導くように配置され、又は加熱ビームを前記第1導光路部に通過させ、或いは加熱ビームの一部を前記第1加熱光路上に導き、且つ加熱ビームの一部を第1加熱光路に通過するように配置される。第2導光路部は、第1導光路部を通過する加熱ビームを導き、第2加熱光路上に脆性物を加熱させ、第1加熱光路、第2加熱光路及びスクライブ光路が脆性物に作用された場合、第1加熱光路及び第2加熱光路はそれぞれスクライブ光路の両側に位置される。冷却部は、脆性物を冷却するための冷却液を提供する。その一つの冷却部は、第1加熱ビームにより作用された後に脆性物を冷却するように、第1加熱光路の一側且つスクライブ光路と相対するように位置される。もう一つの冷却部は、第2加熱光路により作用された後に脆性物を冷却するように、第2加熱光路の一側且つスクライブ光路と相対するように位置される。処理モジュールは、レーザスクライブ部、レーザ加熱部、第1導光路部及び冷却部を制御して加工作業を行うことにより、一つの加工工程において、スクライブ光路上のスクライブビーム、第1加熱光路上の加熱ビーム及び冷却液、或いはスクライブ光路上のスクライブビーム、第2加熱光路上の加熱ビーム及び冷却液を順次に脆性物の複数の分割線の一つに沿って切断加工を行い、且つ第1加熱光路の加熱ビーム及び冷却液、或いは第2加熱光路の加熱ビーム及び冷却液は同時に作用する。
【0015】
より好ましくは、スクライブ光路上のスクライブビーム、第1加熱光路上の加熱ビーム及び冷却液の加工方向は、スクライブ光路上のスクライブビーム、第2加熱光路上の加熱ビーム及び冷却液の加工方向と反対方向である。
【0016】
より好ましくは、スクライブビームは、脆性物上に第1軸方向の分割線に対して所定の距離に作用され、所定の距離の始点は脆性物の縁であり、スクライブビームは、脆性物上に第2軸方向の分割線に対して完全に作用される、又は分割線の各交差点に第2軸方向の分割線に沿って所定の距離に作用される。
【0017】
前述した目的を達成するため、本発明はさらに複数の分割線を備える脆性物に応用する脆性物の切断方法を提供し、スクライブビームを発生するレーザスクライブ部を設置するステップと、第1加熱ビームを発生する第1レーザ加熱部を配置するステップと、第2加熱ビームを発生する第2レーザ加熱部を配置するステップと、スクライブビームを分割線の一つに沿って脆性物に作用して、脆性物を加工するステップと、第1加熱ビーム又は第2加熱ビームを選択的に利用して、分割線の一つに沿って脆性物を加熱すると同時に、冷却部によって冷却液を提供することにより、第1加熱ビーム又は第2加熱ビームを作用した後に分割線に沿って脆性物を冷却するステップとを含む。第1加熱ビーム及び冷却液、或いは第2加熱ビーム及び冷却液によって脆性物を加熱及び冷却することと、スクライブビームによって脆性物を加工することとは、脆性物の同一の移動工程において行う。
【0018】
より好ましくは、脆性物上に第1加熱ビーム及び第2加熱ビームの作用位置を、それぞれ脆性物上のスクライブビームの作用位置の両側に位置するように設置するステップをさらに含む。
【0019】
より好ましくは、スクライブビーム、第1加熱ビーム及び冷却液の加工方向は、スクライブビーム、第2加熱ビーム及び冷却液の加工方向と反対方向である。
【0020】
より好ましくは、スクライブビームを、脆性物上に第1軸方向の各複数の分割線に沿って所定の距離に作用するように制御するステップをさらに含み、所定の距離の始点は、前記脆性物の縁である。
【0021】
より好ましくは、スクライブビームを、脆性物上に第2軸方向の各複数の分割線に沿って完全に作用する、又は第1軸方向の複数の分割線と第2軸方向の複数の分割線との交差点に所定の距離に作用するように制御するステップをさらに含む。
【発明の効果】
【0022】
上述のように、本発明に係る脆性物の切断装置及びその切断方法は、以下に示す1つまたは複数の長所を有する。
【0023】
(1)本発明に係る脆性物の切断装置及びその切断方法は、一つの工程でスクライブ、加熱及び冷却工程を同時に行うことによって、脆性物のエッジ品質を向上させることができる。
【0024】
(2)本発明に係る脆性物の切断装置及びその切断方法は、加熱ビームをスクライブビームの両側に設置することにより、往復的な加工プロセスにおいて、加熱ビームが変わらずスクライブビームの後に位置することで、加工プロセスの復位移動の時間を節約して効率を向上させることができる。
【0025】
(3)本発明に係る脆性物の切断装置及びその切断方法は、第1導光路部及び第2導光路部の設置によってレーザを第1加熱ビーム又は第2加熱ビームとして導くことで、レーザ加熱部の必要数が減少してコストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明の上記及び他の特徴と効果は、添付図面及びその例示的な実施例を参照して明らかになる。
図1図1は本発明に係る脆性物の切断装置の第1実施例の構成概略図である。
図2図2は本発明に係る脆性物の切断装置の第1実施例の第1態様の概略図である。
図3図3は本発明に係る脆性物の切断装置の第1実施例の第2態様の概略図である。
図4図4は本発明に係る脆性物の切断装置の第2実施例の第1態様の概略図である。
図5図5は本発明に係る脆性物の切断装置の第2実施例の第2態様の概略図である。
図6図6は本発明に係る脆性物の切断装置の第3実施例の第1態様の概略図である。
図7図7は本発明に係る脆性物の切断装置の第3実施例の第2態様の概略図である。
図8図8は本発明に係る脆性物の切断方法の流れ図である。
図9図9は本発明に係る脆性物の切断方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明をより完全に理解するために、本発明の技術特徴、内容と長所及びそれが達成できる作用効果については、添付図面を参照して、実施例の表現形式で以下のように詳細に説明される。但し、図示された図面は、単に例示または明細書内容を補助する目的としたものであって、本発明の実施後の原寸に比例したものや精確に配置したものには何ら拘束されない。よって、図示された図面は、添付図面の比例と配置関係で解釈されてはならず、本発明を実際に実施する権利範囲に制限することを意図したものではないことについて先に説明しておきたい。
【0028】
以下、本発明の脆性物の切断装置及びその切断方法の実施例を、添付する図面に基づいて詳細に述べる。なお、以下の実施例を、同様な要素には同様な符号を表示して説明する。また、図において矢印を示した方向は脆性物の移動方向である。
【0029】
以下、本発明における脆性物はウェハ(WAFER)、例えばサファイアウェハを例示的な態様とするが、他の脆性物に応用することもできるので、これに限定されない。
【0030】
脆性物上の複数の分割線は、複数の第1軸方向の分割線及び複数の第2軸方向の分割線から構成される。その中、第1軸方向は第2軸方向と直交する。本発明の脆性物の切断装置は、第1軸方向上の分割線に沿ってそれぞれ正方向又は逆方向に加工し、そして第2軸方向上の分割線に沿ってそれぞれ正方向又は逆方向に加工することによって、脆性物を切断するものである。
【0031】
図1を参照し、それは本発明に係る脆性物の切断装置の第1実施例の構成概略図である。図に示すように、脆性物の切断装置は、第1レーザ加熱部11と、第2レーザ加熱部12と、レーザスクライブ部13と、二つの冷却部14A、14Bと、処理モジュール15とを備える。第1レーザ加熱部11及び第2レーザ加熱部12はCOレーザであってもよい。第1レーザ加熱部11は第1加熱ビーム111を発生し、第2レーザ加熱部12は第2加熱ビーム121を発生する。レーザスクライブ部13は、UVレーザであってもよく、脆性物9に作用するためのスクライブビーム131を発生する。第1加熱ビーム111、第2加熱ビーム121及びスクライブビーム131が脆性物9に作用された場合、第1加熱ビーム111及び第2加熱ビーム121は、それぞれスクライブビーム131の両側に位置される。即ち、正方向に加工する場合、第1加熱ビーム111の作用位置はスクライブビーム131の後に位置される。逆方向に加工する場合、第2加熱ビーム121の作用位置はスクライブビーム131の後に位置される。冷却部14A、14Bは脆性物9を冷却するための冷却液を提供し、その一つの冷却部14Aは、第1加熱ビーム111により作用された後に脆性物9を冷却するように、第1加熱ビーム111の一側且つスクライブビーム131と相対するように位置され、もう一つの冷却部14Bは第2加熱ビーム121により作用された後に脆性物9を冷却するように、第2加熱ビーム121の一側且つスクライブビーム131と相対するように位置される。処理モジュール15は、中央処理装置(Central Processing Unit,CPU)、マイクロコントローラユニット(Microcontroller Unit,MCU)であってもよい。処理モジュール15は、レーザスクライブ部13、第1レーザ加熱部11及び冷却部14A、或いはレーザスクライブ部13、第2レーザ加熱部12及び冷却部14Bを選択的に制御して加工作業を行う。よって、一つの加工工程において(例えば、第1軸方向の分割線の一つに沿って加工すること)、スクライブビーム131、第1加熱ビーム111及び冷却液を順次に脆性物9の複数の分割線の一つに沿って切断加工を行い、或いはスクライブビーム131、第2加熱ビーム121及び冷却液を順次に脆性物9の複数の分割線の一つに沿って切断加工を行う。特筆すべきことは、第1レーザ加熱部11及び冷却部14A、或いは第2レーザ加熱部12及び冷却部14Bは同時に加熱及び冷却を行う。
【0032】
もちろん、脆性物の切断装置が、ビームを導くための導光部材、レンズ、脆性物9を移動するための支持台又は駆動部材等をさらに備えてもよいことは、当業者にとっては周知のことであるので、これ以上の説明は省略する。その中、脆性物9を移動するための支持台又は駆動部材も処理モジュール15によって制御されて、脆性物を第1軸方向又は第2軸方向に移動させ、或いは回転軸方向に沿って回転させることができる。また、フォーカスレンズも処理モジュール15によって制御されて、脆性物9の表面にビームをフォーカスさせることができる。第1軸方向、第2軸方向及び回転軸方向は同一平面に移動又は回転する方向であり、第3軸方向は同一平面から分離する方向である。
【0033】
より好ましい実施例において、上記軸方向は、X軸方向、Y軸方向、C軸方向及びZ軸方向であってもよい。X軸方向及びY軸方向は脆性物9を移動するための方向であり、C軸方向は分割線によって脆性物9を調整又は回転するための方向であり、Z軸方向は、脆性物9をレンズに対して近づく又は遠ざかるように移動する代わりに、脆性物9の表面にビームをフォーカスさせるようにレンズを移動するための方向であり、即ち、Z軸方向はフォーカス、例えば、脆性物9とレンズとの間の作動距離を維持又は変更することができる。また、回転軸方向は、分割線と合わせるようにX軸方向及びY軸方向から形成される平面と直交し、第1方向に加工した後、例えば、正方向に切断した後、脆性物9を90度回転させ、且つ真空チャックも共に回転させる。
【0034】
図2及び図3を併せて参照し、それらは、本発明に係る脆性物の切断装置の第1実施例の第1態様及び第2態様の概略図である。例えば、脆性物の切断装置が第1軸方向の分割線に沿って脆性物9を正方向に切断する場合、処理モジュール15はレーザスクライブ部13を制御して加工作業を行って、第1レーザ加熱部11及び冷却部14Aを制御して加熱及び冷却作業を行うことができる。続いて、脆性物の切断装置が第1軸方向の分割線に沿って脆性物9を正方向と反対する逆方向に切断する場合、レーザスクライブ部13を制御して加工作業を行って、第2レーザ加熱部12及びもう一つの冷却部14Bを制御して加熱及び冷却作業を行うことができる。脆性物の切断装置が第2軸の分割線に沿って加工作業を行うことについては、この後で詳細に説明する。よって、脆性物の切断装置が脆性物9をレーザスクライブ部13、第1レーザ加熱部11及び冷却部14Aによって正方向に加工した後、そのままレーザスクライブ部13、第2レーザ加熱部12及び冷却部14Bによって逆方向に加工作業を行うことができることで、加工の時間を節約することができる。
【0035】
また、脆性物の切断装置によって第1軸方向の分割線に沿って脆性物9を正方向に移動させる加工工程において、レーザスクライブ部13及び第1レーザ加熱部11を同時に作用させ、冷却部14Aも第1レーザ加熱部11の直後に冷却を行う。同様に、脆性物の切断装置によって第1軸方向の分割線に沿って脆性物9を逆方向に移動させる加工工程において、レーザスクライブ部13及び第2レーザ加熱部12を同時に作用させ、もう一つの冷却部14Bも第2レーザ加熱部12の直後に冷却を行う。よって、本発明の脆性物の切断装置は、誤差によりエッジ品質又は精度が低いという従来技術の問題を解決することができる。
【0036】
図4及び図5を併せて参照し、それらは、本発明に係る脆性物の切断装置の第2実施例の第1態様及び第2態様の概略図である。本実施例において、脆性物の切断装置は、レーザ加熱部21と、第1導光路部22と、第2導光路部23と、レーザスクライブ部13と、二つの冷却部14A、14Bと、処理モジュール15とを備える。レーザ加熱部21は加熱ビームを発生する。第1導光路部22は移動可能な反射鏡であってもよく、ビームスプリッターであってもよい。その中、第1導光路部22がビームスプリッターである実施態様について、次の実施例において詳細に説明する。第1導光路部22は、加熱ビームを導いて、第1加熱光路221上に脆性物9を加熱させ、又は加熱ビームを第1導光路部22に通過させる。第1導光路部22を外した後、第2導光路部23は加熱ビームを導いて第2加熱光路231を通過し、第2加熱光路231上に脆性物9を加熱させる。第2導光路部23が導く加熱ビームはレーザ加熱部21からの加熱ビームである。レーザスクライブ部13はスクライブ光路132上に脆性物9に作用するためのスクライブビームを発生する。第1加熱光路221、第2加熱光路231及びスクライブ光路132が脆性物9に作用された場合、第1加熱光路221及び第2加熱光路231はそれぞれスクライブ光路132の両側に位置される。二つの冷却部14A、14Bは脆性物9を冷却するための冷却液を提供し、それらの配置は、前の実施例と類似するため、ここでの詳細な説明は省略する。即ち、正方向に加工する場合、第1加熱光路221の作用位置はスクライブ光路132の後に位置され、且つ冷却液の作用位置は第1加熱光路221の後に位置される。逆方向に加工する場合、第2加熱光路231の作用位置はスクライブ光路132の後に位置され、且つ冷却液の作用位置は第2加熱光路231の後に位置される。処理モジュール15はレーザ加熱部21、第1導光路部22、レーザスクライブ部13及び二つの冷却部14A、14Bを制御して加工作業を行う。一つの加工工程において、処理モジュール15はスクライブ光路132上のスクライブビーム、第1加熱光路221上の加熱ビーム及び冷却液を順次に脆性物9の複数の分割線の一つ、例えば、第1軸方向の分割線に沿って切断加工を行うように制御し、或いは、スクライブ光路132上のスクライブビーム、第2加熱光路231上の加熱ビーム及び冷却液を順次に脆性物9の複数の分割線の一つ、例えば、第2軸方向の分割線に沿って切断加工を行うように制御する。同様に、第1加熱光路221上の加熱ビーム及び冷却液、或いは第2加熱光路231上の加熱ビーム及び冷却液は同時に加熱及び冷却を行う。
【0037】
例えば、脆性物の切断装置が第1軸方向の分割線に沿って脆性物9を正方向に切断する場合、処理モジュール15は第1導光路部22を制御してレーザ加熱部21の元の光路を変更する(即ち、第1導光路部22が外されていない)ことで、第1加熱光路221上に脆性物9に作用させることができる。その時、脆性物の切断装置は、順次にスクライブ光路132上のスクライブビームによってスクライブ作業を行って、第1加熱光路221上の加熱ビームと冷却液とを制御して加熱及び冷却作業を行うことができる。続いて、脆性物の切断装置が第1軸方向の分割線に沿って脆性物9を逆方向に作業する場合、レーザ加熱部21の元の光路を変更しないように、処理モジュール15は、第1導光路部22を外すように制御することで、レーザ加熱部21の加熱ビームは、第2導光路部23に受けられる。よって、第2導光路部23はレーザ加熱部21の元の光路を変更することで、第2加熱光路231上に脆性物9に作用させることができる。その時、脆性物の切断装置は、順次にスクライブ光路132上のスクライブビームによってスクライブ作業を行って、第2加熱光路231上の加熱ビームと冷却液とを制御して加熱及び冷却作業を行うことができる。
【0038】
以上の説明により、脆性物の切断装置が正方向に切断した後、そのまま第2加熱光路231上の加熱ビームと、もう一つの冷却部14Bの冷却液によって加熱及び冷却作業を行うことができることで、加工の時間を節約することができる。また、たった一つのレーザ加熱部を用いるだけで、目的を果たすことができる。
【0039】
図6及び図7を併せて参照し、それらは、本発明に係る脆性物の切断装置の第3実施例の第1態様及び第2態様の概略図である。本実施例において、第1導光路部22はビームスプリッターを実施態様とする。より好ましくは、ビームスプリッターの透過率及び反射率が各50%となるが、実際の需要又は設計者の配置に応じて変更することができ、例えば、40%と60%、或いは30%と70%となることができるため、これらに限定されない。
【0040】
本実施例において、各部品の配置は、前の実施例と類似するため、ここでの詳細な説明は省略する。特筆すべきことは、第1加熱光路221及び第2加熱光路231上には、それぞれ移動可能な遮断部24を設置することができる。二つの遮断部24は処理モジュール15の制御により、第1加熱光路221の加熱ビーム又は第2加熱光路231の加熱ビームを選択的に遮断する。
【0041】
例えば、脆性物の切断装置が第1軸方向の分割線に沿って脆性物9を正方向に切断する場合、処理モジュール15は第2加熱光路231上の遮断部24の移動を制御して第2加熱光路231上の加熱ビームを遮断することで、第1加熱光路221上の加熱ビームのみが脆性物9に作用することができる。その時、脆性物の切断装置は、順次にスクライブ光路132上のスクライブビームによってスクライブ作業を行って、第1加熱光路221上の加熱ビームと冷却液とを制御して加熱及び冷却作業を行うことができる。続いて、脆性物の切断装置が第1軸方向の分割線に沿って脆性物9を逆方向に切断する場合、処理モジュール15は第1加熱光路221上の遮断部24の移動を制御して第1加熱光路221上の加熱ビームを遮断することで、第2加熱光路231上の加熱ビームのみが脆性物9に作用することができる。その時、脆性物の切断装置は、順次にスクライブ光路132上のスクライブビームによってスクライブ作業を行って、第2加熱光路231上の加熱ビームと冷却液とを制御して加熱及び冷却作業を行うことができる。
【0042】
図8を参照して、それは、本発明に係る脆性物の切断方法の流れ図である。より好ましくは、本発明の脆性物の切断方法は、前述した第1実施例に係る脆性物の切断装置に応用するものであり、なお、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく様々な変更及び修正が可能であるため、前述した第2及び第3実施例にも応用することができる。本発明の脆性物の切断方法は、下記のステップを含む。
【0043】
(S81)スクライブビームを発生するレーザスクライブ部を設置するステップ。
【0044】
(S82)第1加熱ビームを発生する第1レーザ加熱部を配置するステップ。
【0045】
(S83)第2加熱ビームを発生する第2レーザ加熱部を配置するステップ。
【0046】
(S84)スクライブビームを分割線の一つに沿って脆性物に作用して、脆性物を加工するステップ。
【0047】
(S85)第1加熱ビーム又は第2加熱ビームを選択的に利用して、分割線の一つに沿って脆性物を加熱すると同時に、冷却部によって冷却液を提供することにより、分割線の一つに沿って脆性物を冷却するステップ。その中、第1加熱ビーム及び冷却液、或いは第2加熱ビーム及び冷却液によって脆性物を加熱及び冷却することと、スクライブビームによって脆性物を加工することとは、脆性物の同一の移動工程において行なわれる。
【0048】
図9を参照して、それは、本発明に係る脆性物の切断方法の概略図である。前述した各実施例において、レーザスクライブ部13により入れた切り目の幅は、より好ましくは2〜10μmであり、その深さは脆性物9の厚みの十分の一以下であり、例えば、厚さが90〜130μmのウェハに対して、切り目の深さは3〜15μmである。切削速度は100〜300mm/s又はそれ以上の速度であってもよい。但し、上記本発明に係る脆性物の切断装置の操作パラメータは、例示的な説明に過ぎないので、これらに限定されない。
【0049】
特筆すべきことは、第1軸方向の分割線上に、レーザスクライブ部13は脆性物9上に所定の距離Dのみに作用し、且つ所定の距離Dの始点は、脆性物9の縁であり、より好ましい所定の距離Dは30〜1000μmである。第2軸方向の分割線上に、レーザスクライブ部13は二つの実施態様がある。図9(a)に示すように、その一つの実施態様において、レーザスクライブ部13は脆性物9上に第2軸方向の分割線に沿って完全に作用する。図9(b)に示すように、もう一つの実施態様において、レーザスクライブ部13は脆性物9上に複数の分割線の交差点上に第2軸方向に沿って所定の距離に作用し、交差点を所定の距離の中心点として設定してもよく、且つその交差点は第1軸方向の複数の分割線と第2軸方向の複数の分割線との交差点である。
【0050】
本発明に係る脆性物の切断装置及びその切断方法において、すべての第1軸方向の分割線が切断された後から、すべての第2軸方向の分割線を切断する必要がある。また、本発明に係る脆性物の切断装置及びその切断方法は、脆性物9の第1軸方向又は第2軸方向の分割線に沿って、脆性物9を正方向に切断してから、逆方向に切断するように行い、或いは脆性物9を逆方向に切断してから、正方向に切断するように行うことができる。さらに、本発明に係る脆性物の切断装置及びその切断方法は、順次に又は任意に各第1軸方向の分割線を切断することができる。すべての第1軸方向の分割線が切断された後、脆性物9を回転させて(例えば、90度)、順次に又は任意に各第2軸方向の分割線を切断することができる。図面において、第1軸方向の分割線と第2軸方向の分割線との両方ともが順次に切断されることを例示するが、これに限定されない。
【0051】
本発明に係る脆性物の切断方法の詳細な説明及び実施例は、上記本発明に係る脆性物の切断装置の実施例で既に説明されているため、ここでの詳細な説明は省略する。
【符号の説明】
【0052】
11:第1レーザ加熱部
111:第1加熱ビーム
12:第2レーザ加熱部
121:第2加熱ビーム
13:レーザスクライブ部
131:スクライブビーム
132:スクライブ光路
14A:冷却部
14B:もう一つの冷却部
15:処理モジュール
21:レーザ加熱部
22:第1導光路部
221:第1加熱光路
23:第2導光路部
231:第2加熱光路
24:遮断部
9:脆性物
D:所定の距離
S81〜S85:ステップ


【要約】

【課題】脆性物の切断装置及びその切断方法を提供する。
【解決手段】脆性物の切断装置は、第1レーザ加熱部と、第2レーザ加熱部と、レーザスクライブ部と、冷却部と、処理モジュールとを備えるものである。脆性物の表面上に、二つのレーザ加熱部の加熱ビームはそれぞれレーザスクライブ部のスクライブビームの両側に位置され、且つ冷却部の冷却液は加熱ビームの後に追従する。脆性物の一つの移動工程において、処理モジュールは、スクライブビームを制御してスクライブ作業を行い、且つその一つの加熱ビーム及び冷却部の冷却液を制御して脆性物に加熱及び冷却を行うことによって、脆性物の切断に必要の作業時間を省くことができる。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9