(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6027706
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】自動車用の電気システムアッセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60R 16/02 20060101AFI20161107BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20161107BHJP
B60R 16/023 20060101ALI20161107BHJP
【FI】
B60R16/02 645Z
H02J1/00 308A
H02J1/00 306F
B60R16/023 P
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-513267(P2016-513267)
(86)(22)【出願日】2014年4月29日
(65)【公表番号】特表2016-525975(P2016-525975A)
(43)【公表日】2016年9月1日
(86)【国際出願番号】EP2014058654
(87)【国際公開番号】WO2014187650
(87)【国際公開日】20141127
【審査請求日】2015年11月16日
(31)【優先権主張番号】102013209712.3
(32)【優先日】2013年5月24日
(33)【優先権主張国】DE
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506292974
【氏名又は名称】マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MAHLE International GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル アンブロシオ
(72)【発明者】
【氏名】トビアス ビンダー
(72)【発明者】
【氏名】マルクス クランマー
(72)【発明者】
【氏名】ミカエル クラッペル
【審査官】
菅 和幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−036885(JP,A)
【文献】
特開2009−298220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02
B60R 16/023
H02J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用の電気システムアッセンブリ(1)であって、
第1電気システム(2)と、
前記第1電気システム(2)から直流的に絶縁され、かつ活性状態と当該活性状態に比べて電気エネルギ消費が低減された待機状態との間で切り換え可能な第2電気システム(5)と、
信号伝送のために前記第1電気システム(2)を前記第2電気システム(5)に容量的に結合する容量性の結合エレメント(9)と、
前記第1電気システム(2)の中に設けられ、かつ前記結合エレメント(9)と相互作用することで、前記結合エレメント(9)の入力側にて、前記第2電気システム(5)を前記待機状態から活性化する活性化信号が得られる信号生成ユニット(13)と、
前記第2電気システム(5)の中に設けられ、前記結合エレメント(9)と相互作用することで、前記結合エレメント(9)の出力側に前記活性化信号が供給されたときに、前記第2電気システム(5)を前記待機状態から前記活性状態へ切り換える受信ユニット(14)とを備えた電気システムアッセンブリ。
【請求項2】
請求項1記載の電気システムアッセンブリにおいて、
前記容量性の結合エレメント(9)は、互いに並列に電気接続された2つのキャパシタ(10a,10b)からなることを特徴とする電気システムアッセンブリ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電気システムアッセンブリにおいて、
前記電気システムアッセンブリ(1)は、前記待機状態にてエネルギ供給ユニット(7)により前記第2電気システム(5)に供給される電流が所定の最大値を超えないように設計されていることを特徴とする電気システムアッセンブリ。
【請求項4】
請求項3記載の電気システムアッセンブリにおいて、
前記所定の最大値は100μAであることを特徴とする電気システムアッセンブリ。
【請求項5】
請求項3記載の電気システムアッセンブリにおいて、
前記第2電気システム(5)の中に切り換え可能なスイッチングエレメント(11)が設けられ、当該スイッチングエレメントは前記第2電気システム(5)の前記待機状態に割り当てられた開状態と、前記第2電気システム(5)の前記活性状態に割り当てられた閉状態との間で切り換え可能であり、
前記エネルギ供給ユニット(7)は、前記スイッチングエレメント(11)の前記閉状態において前記第2電気システム(5)に電気接続され、前記開状態において前記第2電気システム(5)から電気的に絶縁され、
前記第2電気システムの中に前記受信ユニット(14)と相互作用する制御ユニット(12)が設けられ、当該制御ユニットは、前記受信ユニット(14)を通じて前記活性化信号を受け取ったときに、前記スイッチングエレメント(11)を前記閉状態に切り換えることを特徴とする電気システムアッセンブリ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気システムアッセンブリにおいて、
前記信号生成ユニット(13)は、前記活性化信号を生成するために、交番電圧信号を生成し得る信号生成器を有することを特徴とする電気システムアッセンブリ。
【請求項7】
請求項6記載の電気システムアッセンブリにおいて、
前記第1電気システム(2)の中で、前記信号生成ユニット(13)と前記結合エレメント(9)との間にチャージポンプ(16)が設けられ、当該チャージポンプによって、前記信号生成ユニット(13)により生成された前記交番電圧信号の振幅が調整可能であることを特徴とする電気システムアッセンブリ。
【請求項8】
請求項6記載の電気システムアッセンブリにおいて、
前記受信ユニット(14)は、前記信号生成器により生成された前記交番電圧信号を整流する整流デバイスを有することを特徴とする電気システムアッセンブリ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気システムアッセンブリ(1)を有する電気製品(20)。
【請求項10】
自動車用の電気システム(19)であって、
前記第1及び第2電気システム(2,5)によって互いに電気接続された、請求項9記載の少なくとも2つの電気製品(20)と、
前記第2電気システム(5)の中に配され、前記第2電気システム(5)の前記待機状態では当該第2電気システムから電気的に絶縁され、かつ前記活性状態では当該第2電気システムに電気接続される共有の電気エネルギ供給ユニット(7)とを備えた電気システム。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の少なくとも1つの電気システムアッセンブリ(1)と、及び/又は、請求項10に記載の少なくとも1つの電気システム(19)とを備えた自動車。
【請求項12】
第1電気システム(2)から直流的に絶縁された、活性状態と当該活性状態に比べて電気エネルギ消費が低減された待機状態との間で切り換えられ得る第2電気システム(5)を活性化する方法であって、
前記第1電気システム(2)は容量性の結合エレメント(9)によって前記第2電気システム(5)に容量的に結合されており、
前記第1電気システム(2)の中に設けられた信号生成ユニット(13)により生成された活性化信号が、前記第2電気システム(5)の中に設けられた1つの受信ユニット(14)へ、前記結合エレメント(9)によって伝送され、
前記受信ユニット(14)が前記活性化信号を受け取ったときに、前記第2電気システム(5)が前記待機状態から前記活性状態へ切り換えられる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の電気システムアッセンブリと、そのような電気システムアッセンブリを有する電気製品とに関する。更に、本発明は、少なくとも2つのそのような電気製品を有する電気システムに関し、また少なくとも1つのそのような電気システムアッセンブリと、及び/又は、少なくとも1つのそのような電気システムとを備えた自動車に関する。最後に、本発明は、電気システムを待機状態から活性化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の自動車では、通常、異なる電気/電子コンポーネントに各々所要の供給電圧を与えるように、少なくとも2つの異なる電気システム、例えば12V電気システムと48V電気システムとが採用されている。自動車がスイッチオフ状態にあり、したがって当該自動車に備えられた発電機によってドライビングモードで再充電され得ない場合に、自動車のエネルギ供給ユニットの、すなわち大抵は蓄電池の無駄を防ぐために、自動車の中の電気システムは、活性状態と、いわゆる待機状態との間で頻繁に切り換えられ得る。待機状態では、当該電気システムに接続された電気製品は、電気/電子スイッチによって、又は、電圧変成器、通信IC等の適切なスイッチング集積回路(IC)を用いることによって、エネルギ供給ユニットから電気的に絶縁され得る。したがって、待機状態は、自動車の中の当該電気システムに接続された電気製品の大幅に低減されたエネルギ消費により特徴付けられ、これによりエネルギ供給ユニットの無駄が防がれる。特に、当該車両がスイッチオフ状態にあるときに、エネルギ供給ユニットの望ましくない完全放電が、この方法で防止される。
【0003】
活性状態では、対照的に、エネルギ供給ユニットは、それに割り当てられた電気システムに接続される。すなわち、上述の遮断回路による電気的な絶縁が行われることはなく、エネルギ供給ユニットは、公称動作に必要な電気エネルギを電気製品に供給し得る。電気システムを上記待機状態から活性状態へ切り換えるために、待機状態からの電気システムのいわゆる「ウェークアップ」に対応して、エネルギ供給ユニットを残余の電気システムから絶縁する電気/電子スイッチは、エネルギ供給ユニットが当該電気システムに電気接続されるように、閉状態に切り換えられる。
【0004】
自動車が複数の電気システムを有する場合には、そのようなウェークアップ信号は、全ての電気システムに対して個別に伝送されなければならない。そして、各電気システムは、待機状態から活性状態へとそれぞれ切り換えられる。自動車で利用可能な、例えばCANバスシステム又はLINバスシステムにより、対応する活性化信号が、自動車の全ての電気システムの中に設けられ得る。しかしながら、それは技術的に、実現が比較的複雑である。なぜなら、全ての電気システムの中で、バスシステムが、対応するスイッチ又は電圧の分割器/ICに結合されなければならないからである。そのようなバスシステムに代えて、自動車の内燃エンジンを活性化するスタータデバイス、例えばいわゆる「端子15」が活性化されるときにも、スタータデバイスの切り換えに際して同じことが言える。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、活性状態と
当該活性状態に比べて電気エネルギ消費が低減された待機状態との間で切り換えられ得る自動車用の電気システムアッセンブリの発展における新規な方策を示すという、概括的な課題を取り扱う。
【0006】
この課題は、独立請求項の主題を通じて解決される。好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
【0007】
本発明は、第2電気システムから直流的に絶縁された第1電気システムを容量性の結合エレメントによって接続し、以て当該結合エレメントによって第1電気システムがウェークアップ信号の伝送のために第2電気システムに容量的に結合されるという、概括的な思想に基づくものである。そのようなウェークアップ信号又は活性化信号(例えば、矩形波電気信号又はこれに匹敵する交番電圧信号であり得る。)を生成するために、第1電気システムの中に、結合エレメントと相互作用する信号生成ユニットが設けられる。そのような信号生成ユニットによって、第2電気システムを待機状態から活性化する活性化信号が結合エレメントの入力側に得られる。これに対応して、第1電気システムにより待機状態から「ウェークアップ」されるべき第2電気システムの中に、受信ユニットが設けられる。受信ユニットが結合エレメントと相互作用することで、結合エレメントの出力側に活性化信号が供給される結果として、第2電気システムが待機状態から活性状態へ切り換えられる。
【0008】
本発明の電気システムアッセンブリによれば、第1電気システムから直流的に絶縁された第2電気システムの間接的な活性化が、容量性の結合エレメントによって可能になる。本発明によれば、そのような結合エレメントに加えて、信号生成ユニット及び受信ユニットをそれぞれ第1及び第2電気システムに設けるだけでよい。第1電気システムの中で例えば自動車のバスシステムを通じてウェークアップ信号が生成され、このウェークアップ信号の結果として第1電気システムが待機状態から活性状態へと切り換えられる場合には、このウェークアップ信号は、単純な容量性の結合によって第2電気システムへと、また勿論自動車の中に存在する他の電気システムへも伝送され得る。ウェークアップ信号が個別に供給されて全ての電気システムの中でバスシステムにより更に処理されるという、自動車の全ての電気システムへのバスシステムの技術的に複雑な結合は、これにより無くなる。自動車のスタータデバイスによってウェークアップ信号が供給される場合にも同じことが言える。この場合、第1電気システムのみがスタータデバイスに接続され、第2電気システムへ又は自動車の中に存在する他の電気システムへの伝送が、本発明の容量性の結合エレメントによって行われるときに、それは、本発明の電気システムアッセンブリにとっても適切である。容量性の結合エレメントによって、第1電気システムから第2電気システムへの信号伝送は、技術的に単純な態様で実現し得る。自動車では頻繁に生じる比較的高い動作温度に適さないという付加的な欠点を有する技術的に複雑なフォトカップラを導入して使用することは、要求されない。
【0009】
本発明の電気システムアッセンブリによれば、第2電気システムの中に半導体スイッチが設けられ得る。これによって、第2電気システムに割り当てられたエネルギ供給ユニットの電気接続は、必要に応じて無しにされ又は再設され得る。これは、待機状態から活性状態への、またその逆方向の第2電気システムの切り換えに対応する。すなわち、第1電気システムの中でウェークアップ信号が生成され、引き続き第1電気システムから第2電気システムへ活性化信号が伝送された場合において、受信デバイスにより活性化信号が受け取られたときに半導体スイッチの閉成が生じて、待機状態にある第2電気システムからのエネルギ供給ユニットの電気的な絶縁がキャンセルされる結果となる。したがって、当該エネルギ供給ユニットは、第2電気システムに接続された全ての電気製品に電気エネルギを供給することができる。
【0010】
第1電気システムの中の信号生成ユニットは、例えばマイクロコントローラ等の適切な制御ユニットによって活性化され得る。この場合の制御ユニットは、自動車のバスシステム又は自動車の内燃エンジンのスタータデバイスと相互作用し得る。
【0011】
第1電気システムの中でウェークアップ信号がバスシステム又はスタータデバイスにより供給される場合、信号生成ユニットは、制御デバイスによって活性化されて活性化信号を生成し、これを結合エレメントへ供給する。最も単純な場合、そのような制御ユニットは、信号生成ユニットと適切に相互作用する従来の電気信号線であり得る。その結果、この制御線の上に電気システムが設けられたとき、信号生成ユニットは、第2電気システムへの伝送のための活性化信号を供給するように、活性化される。
【0012】
好ましい実施形態では、容量性の結合エレメントは、互いに並列に電気的に切り換えられる、特にセラミックチップキャパシタ(MLCC)である、2つのキャパシタからなり得る。そのようなキャパシタは、電子標準コンポーネントであり、したがって大量にかつコスト効率良く、商業的に利用可能である。このことは、電気システムアッセンブリの全体の製造コストにとって好ましい効果をもたらす。
【0013】
特に好ましくは、電気システムアッセンブリは、待機状態にてエネルギ供給ユニットにより第2電気システムに供給される電流が所定の最大値を超えないように設計され得る。この目的のために、電気スイッチ、特に半導体スイッチの態様、好ましくはトランジスタが、例えば待機状態にてエネルギ供給ユニットを第2電気システムから絶縁する第2電気システムの中に設けられ得る。そのような絶縁は、エネルギ供給ユニットにより供給され得る電流のゼロ値を想定するが、第2電気システムに待機状態にてエネルギ供給ユニットにより、所定の最大値を超えない漏れ電流が供給されるという態様で、半導体スイッチによる絶縁もまたあり得るという具合に、実現され得る。好ましくは、そのような所定の最大値は、100μAであり得る。ただし、変形例にて他の値でもあり得ることは、明らかである。
【0014】
上記のような第2電気システムの待機状態における電流制限を実現するために、電圧変成器の態様又は適切な通信ICの態様の集積回路もまた、半導体スイッチに代えて、代替的に設けられ得る。これにより、エネルギ供給ユニットにより供給される公称供給電圧は、待機状態が設定される限り低い値まで引き下げられる。
【0015】
原理的には、有利な更なる発展によれば、第2電気システムの中に切り換え可能な電気/電子スイッチングエレメントが設けられ得る。当該スイッチングエレメントは、第2電気システムの待機状態に割り当てられた開状態と、第2電気システムの活性状態に割り当てられた閉状態との間で切り換え可能である。この実施形態によれば、エネルギ供給ユニットは、スイッチングエレメントの閉状態において第2電気システムに電気接続され、開状態において第2電気システムから電気的に絶縁される。この場合の「絶縁」は、上述したように、エネルギ供給ユニットにより最大限供給される電流が所定の最大値を超えないことを意味し得る。「開」状態は、第2電気システムのエネルギ供給ユニットにより供給され得る電流の、ゼロ値への完全な低減を必ずしも意味しない。
【0016】
電気/電子スイッチングエレメントを活性化するために、この実施形態によれば、第2電気システムの中に受信ユニットと相互作用する制御ユニットが設けられ、当該制御ユニットは、受信ユニットが活性化信号を受け取ったときに、スイッチングエレメントを閉状態に切り換える。そのような受信ユニットは、マイクロコントローラの態様又は集積回路(IC)の態様で実現され得る。最も単純な場合、結合エレメントの出力側に供給された交番電圧信号を平滑化する電気整流器を設けることも考えられる。そのような平滑化によって、スイッチングエレメントの制御、例えばトランジスタの制御が実行され得る。
【0017】
特に好ましい実施形態では、第1電気システムの中で、信号生成ユニットと結合エレメントとの間にチャージポンプが設けられ得る。当該チャージポンプは直接の電圧変成器として動作して、信号生成ユニットにより生成された交番電圧信号の振幅が、これにより調整可能となる。
【0018】
有利な更なる発展によれば、信号生成ユニットは、活性化信号を生成するために、交番電圧信号、特に矩形波電圧を生成し得る信号生成器を有し得る。信号生成ユニットは、集積回路(IC)の形態で、あるいはマイクロコントローラの一部としても実現され得る。そのような集積回路又はマイクロコントローラは、大量にかつコスト効率良く、商業的に利用可能である。このことは、電気システムアッセンブリの全体の製造コストにとって好ましい効果をもたらす。
【0019】
更に、本発明は、特にオイルポンプ又は電気クーラントポンプ又は電気式排気ガスターボチャージャ又は電気コンプレッサ又は電気ファンである、上記特徴のうち1つ以上を持つ電気システムアッセンブリを有する電気製品に関する。
【0020】
本発明はまた、第1及び第2電気システムによって互いに電気接続された少なくとも2つの上記電気製品を備えた、特に自動車用の電気システムに関する。当該電気システムは、第2電気システムの中に配され、第2電気システムの待機状態では当該第2電気システムから電気的に絶縁され、かつ活性状態では当該第2電気システムに電気接続される共有の第2の電気エネルギ供給ユニットを備える。
【0021】
最後に、本発明は、上記特徴のうち1つ以上を持つ少なくとも1つの電気システムアッセンブリと、及び/又は、少なくとも1つの上記電気システムとを備えた自動車に関する。
【0022】
本発明の他の重要な特徴及び利点は、従属項から、図面から、そして関連する図の説明から得られる。
【0023】
上述しかつ以下更に説明する特徴は、言及した各組み合わせのみで利用されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく他の組み合わせ又は単独でも利用され得る、と理解されるべきである。
【0024】
本発明の好ましい実際的な実施形態が図面に示され、かつ以下の記述にて詳細に説明される。ここでは、同一の参照符号は、同一の又は類似の又は機能的に同一のコンポーネントを表す。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】概略回路図の形で表現された、本発明の電気システムアッセンブリの例である。
【
図2】同様に回路図の形で表現された、本発明の電気システムアッセンブリを有する電気システムの例である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1に、本発明の電気システムアッセンブリの概略が回路図の形で表現されて図示されており、符号1が付されている。この電気システムアッセンブリ1は、複数の異なる電気/電子コンポーネント3が第1の電気エネルギ供給ユニット4により電気エネルギの供給を受ける第1電気システム2を備える。第1電気システム2は、例えば12V電気システムであり得る。すなわち、蓄電池の形態の第1のエネルギ供給ユニット4は、第1電気システム2の中の出力電圧として、12Vの出力電圧を供給する。
【0027】
図1には、第1電気システム2に接続された3つの電気/電子コンポーネント3が例示されている。しかしながら、他の数のそのようなコンポーネント3が第1電気システム2の中に配されてもよいことは、明らかである。電気システムアッセンブリ1は、第1電気システム2から直流的に絶縁された第2電気システム5を更に備える。この第2電気システム5によって、第1電気システム2と同様に、第2電気システム5に接続された電気/電子コンポーネント6は、第2のエネルギ供給ユニット7から電気エネルギの供給を受け得る。この場合の第2電気システム5は、例えば48V電気システムであり得る。すなわち、第2のエネルギ供給ユニット7により第2電気システム5に供給される出力電圧は、48Vである。ただし、変形例にて他の電圧値でもあり得ることは、明らかである。
【0028】
第2電気システム5からの第1電気システム2の直流的な絶縁は、
図1の中に概略が参照符号8とともに破線で示されている。この電気システムアッセンブリ1では、信号伝送のために第1電気システム2を第2電気システム5に容量的に結合する容量性の結合エレメント9が設けられている。このようにして、待機状態と活性状態との間で切り換えられ得る第2電気システムは、例えば自動車の中のバスシステムにより第1電気システム2の中に供給されたウェークアップ信号の通知を受け、かつ結果的に待機状態から活性状態へと切り換えられる。この場合の容量性の結合エレメント9は、
図1中に示されたように、例えば、互いに並列に電気接続された、セラミックチップキャパシタ(MLCC)であり得る、2つのキャパシタ10a,10bからなり得る。
【0029】
第2電気システム5の活性状態では、第2の電気エネルギ供給ユニット7が第2電気システム5を介して、第2電気システム5の中に配された電気/電子コンポーネント6に電気接続される。待機状態では、対照的に、第2の電気エネルギ供給ユニット7は電気/電子コンポーネント6から電気的に絶縁されている。この目的のために、開状態と閉状態との間で切り換えられ得る電気又は電子スイッチの態様のスイッチングエレメント11が、第2電気システム5の中に設けられ得る。スイッチングエレメントの開状態では、第2の電気エネルギ供給ユニット7は、第2電気システム5から、したがって電気/電子コンポーネント6から絶縁されている。つまり、スイッチングエレメント11の開状態は、電気システムの待機状態に対応する。スイッチングエレメント11の閉状態では、電気エネルギ供給ユニット7は、対照的に、電気製品6へ電気エネルギを供給するために当該電気システムに接続されている。結果的に、スイッチングエレメント
11の閉状態は、電気システムの活性状態に対応する。
【0030】
スイッチングエレメント11の「開状態」、したがって第2電気システム5の待機状態は、電気システム5からの第2の電気エネルギ供給ユニット7の完全な電気的絶縁がなされるのではなくて、第2の電気エネルギ供給ユニット7により供給される電気エネルギが最大性能値又は最大電流値に制限されることもまた意味し得ることは、明らかである。この電流の所定の最大値は、例えば100μAであり得る。
【0031】
この場合の切り換え可能なスイッチングエレメント11は、スイッチングエレメント11の開状態における電流制限のために、第2の電気エネルギ供給ユニット7により供給される公称出力電圧を、待機状態に応じた低い電圧値まで低減する集積回路として又は電圧変成器としても設計され得る。
【0032】
開状態と閉状態との間での切り換えが可能なスイッチングエレメント11を活性化するために、第2電気システムの中に、マイクロコントローラの形態又はマイクロプロセッサの形態の制御ユニット12が設けられ得る。この制御ユニット12によって、切り換え可能なスイッチングエレメント11は、第2電気システム5の中にて容量性の結合エレメント9により供給されたウェークアップ信号の機能として、開状態から閉状態へと切り換えられ得る。
【0033】
第1電気システム2の中でウェークアップ信号を生成するために、当該第1電気システムの中に、結合エレメント9と相互作用する信号生成ユニット13が設けられる。これにより、容量性の結合エレメント9の入力側にて、第2電気システム5を待機状態から活性化する活性化信号が生成され得る。信号生成ユニット
13は、例えば矩形波生成器の形態で形成され得る。原理的には、信号生成ユニット13により生成される電気信号は、電気システム2により容量性の結合エレメント9を通して第2電気システム5へ伝送され得る任意の交番電圧信号であり得る。第2電気システム5の場合には、容量性の結合エレメント9の出力側と同様に相互作用する受信ユニット14が設けられる。これにより、容量性の結合エレメント9に活性化信号が供給されたことが検出される。受信ユニット14は、最も単純な場合、信号生成ユニット13により生成された交番電圧信号、例えば矩形波信号をローパスの形で平滑化する電気整流器の形態で構成され得る。受信ユニット14は、当該受信ユニット14が活性化信号の受信を制御ユニット12へ伝えるという態様で、制御ユニット12と相互作用する。これは、例えば、
図1では参照符号15を付けた矢印で概略が示されている、適切な信号又はデータ線を介して起こり得る。
【0034】
特に単純な形態にて技術的に実現され得る変形例では、制御ユニット12は省略され得る。上述のように受信ユニット14が電気ローパスを有する場合には、切り換え可能なスイッチングエレメント11がトランジスタの形態の半導体スイッチとして形成されるとき、当該受信ユニットは、当該スイッチングエレメントに例えば直接接続され、かつ当該スイッチングエレメントを活性化し得る。例えば、トランジスタのソース−ドレインチャンネルを制御するために、電子ローパスがFETトランジスタのゲートに電気接続され得る。この場合には、そのようなトランジスタのソースに第2の電子エネルギ供給ユニット7が接続され、当該FETトランジスタのドレインに第2電気システム5が接続される。FETトランジスタに代えて、他のトランジスタタイプ、例えばバイポーラトランジスタでも使用可能であることは、明らかである。
【0035】
受信ユニット14、制御ユニット12、及び切り換え可能なスイッチングエレメント11の各々の技術的具体例としての電子的構成について、広範囲にわたる技術的な実現のオプションが可能であることは、明らかである。例えば、ある変形例では、第2電気システム5の待機状態にて第2の電気エネルギ供給ユニット7により供給される公称出力電圧が活性状態の場合に比べて低減されるように、切り換え可能なスイッチングエレメント11を用いることで電子回路アッセンブリ1を分圧器として動作させるべく、切り換え可能なスイッチングエレメント11を当該電子回路アッセンブリの中の半導体トランジスタの形態で集積化することが考えられ得る。この目的のために、切り換え可能なスイッチングエレメント11は、半導体スイッチ又はトランジスタの形態で、分圧器の中に集積化され得る。
【0036】
更に、信号生成ユニット13により生成された交番電圧信号の振幅が調整可能であり、また所望の出力値まで上昇可能又は同出力値に設定可能であるように、信号生成ユニット13の中にチャージポンプ16が集積化され得る。
【0037】
ウェークアップ信号又は活性化信号の生成は、第1電気システム2の中で、異なるイベント又はパラメータに従って、信号生成ユニット13により行われ得る。この関係で、第1電気システム2は、第2電気システム5と同じく、活性状態と待機状態との間で同様に切り換え可能であり得る。ここで、電気システムアッセンブリ1は、例えば、待機状態から活性状態への第1電気システム2の切り換えが信号生成ユニット13による活性化信号の生成を引き起こし、その結果、第2電気システム5もまた待機状態から活性状態へと自動的に切り換えられるような態様で、設計され得る。
【0038】
実施形態の他の変形例では、第1電気システム2は、単一の第2電気システム5にではなく、任意の数の電気システムにも結合され得る。本発明によれば、これらの電気システムへの第1電気システム2の結合は、第1電気システム2の中に対応する活性化信号が現れたときに、全てが待機状態から活性状態へと切り換えられる、適切な容量性の結合エレメント9により各々達成され得る。
【0039】
信号生成ユニット13が自動車のバスシステム17、例えばCANバス又はLINバスに結合され、その結果として信号生成ユニット13への対応する活性化システムが当該バスシステム17により提供されるということも可能である。バスシステムにより生成されたウェークアップ信号に関連して活性化信号を生成することに代えて、ある変形例では、自動車の内燃エンジンのスタータデバイスが活性化されるとすぐに、第1電気システム2の中で、信号生成ユニット13を通じて活性化信号を生成することも可能である。
【0040】
図2は、本発明の電気システムアッセンブリ1の特別な応用形態を、電気システム19について示している。
図2の例によれば、電気システムアッセンブリ1の各々は、電気製品20の一部である。
図2の例では、3つのそのような電気製品20が、各々電気システムアッセンブリ1を伴って例示されている。したがって、これらの電気製品は、電気システム19の一部である。変形例では、他の数の電気製品20が設けられ得ることは、明らかである。そのような電気製品20は、例えば、電気オイルポンプ、電気クーラントポンプ、電気ターボチャージャ、電気コンプレッサ、又は電気ファンである。この場合、同様に電気システム19の一部である第1電気システム2は、3つの車両コンポーネント20を横切るように伸びる。すなわち、電気製品20の電気システムアッセンブリ1の電気/電子コンポーネント3(
図1参照)は、第1電気システム2を介して互いに電気接続される。同じことが、第2電気システム5及び電気/電子コンポーネント6に準用される。
【0041】
電気システム19の中で、本発明の電気システムアッセンブリ1なしの更なる電気製品も第1及び/又は第2電気システム2,5に接続され得ることは、明らかである。
図2の例では、更なる電気製品21aが例示的に第1及び第2電気システム2,5の双方に接続されている。他の電気製品
21bは第1電気システム2にのみ接続され、他の電気製品21cは第2電気システム5にのみ接続されている。
図2の例の変形例では、他の数の更なる電気製品21a,21b,21cが設けられ得ることは、明らかである。
【0042】
電気システムアッセンブリ1の第2電気システム5の中の第2の電気/電子コンポーネント6は、
図1に関連して説明したように、待機状態から活性状態へと第2電気システム5を切り換える際に第2電気システム5の中に組み入れられる第2のエネルギ供給ユニット7に接続され得る。これに関連して、
図1の電気システムアッセンブリに関する全ての説明は、
図2の電気システム19に関連して示された電気システムアッセンブリ1に準用される。