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特許6027780資産管理サーバ、資産管理方法、及び、資産管理サーバ用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6027780
(24)【登録日】2016年10月21日
(45)【発行日】2016年11月16日
(54)【発明の名称】資産管理サーバ、資産管理方法、及び、資産管理サーバ用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20161107BHJP
   G06Q 30/00 20120101ALI20161107BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20161107BHJP
【FI】
   G06Q50/10
   G06Q30/00 300
   G06Q30/06 330
【請求項の数】6
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-133322(P2012-133322)
(22)【出願日】2012年6月12日
(65)【公開番号】特開2013-257727(P2013-257727A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2014年3月3日
【審判番号】不服2015-17546(P2015-17546/J1)
【審判請求日】2015年9月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【合議体】
【審判長】 手島 聖治
【審判官】 金子 幸一
【審判官】 石川 正二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−269254(JP,A)
【文献】 特開2002−297946(JP,A)
【文献】 特開2009−122781(JP,A)
【文献】 特開2003−157369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
資産データベースを備え、対象となるユーザの資産管理を行う資産管理サーバであって、
前記ユーザが入力を行ったユーザ端末から、前記ユーザによる商品購入の手続き時に入力を受け付けた商品の購入情報を取得して、当該購入した商品を前記ユーザの資産として資産データベースに登録する購入商品登録手段と、
前記購入商品登録手段によって登録された商品を、所定のサーバに登録し、インターネットを通じて他人に売却可能な状態におく商品出品手段と、
前記商品出品手段によって登録された商品について、前記所定のサーバから売却通知を受信し、当該商品を資産データベースから削除する売却商品削除手段と、
を備える資産管理サーバ。
【請求項2】
前記購入商品登録手段によって登録された日付と、登録された前記商品の商品情報とから、前記ユーザの当該商品に対する売却推奨度を算出する売却推奨度算出手段と、
前記売却推奨度算出手段によって算出された売却推奨度が所定の値を超えている商品について、売却を推奨する旨の表示を行う売却推奨手段と、
を備える請求項1に記載の資産管理サーバ。
【請求項3】
前記売却推奨度算出手段は、前記登録された商品の購入からの年数を参照し、減価償却が終わったか否かに基づいて、当該商品に対する売却推奨度を算出する請求項2に記載の資産管理サーバ。
【請求項4】
前記ユーザが二以上であって、
前記購入商品登録手段によって異なるユーザの資産として登録されている商品について、前記ユーザの購入推奨度を算出する購入推奨度算出手段と、
前記購入推奨度算出手段によって算出された購入推奨度が所定の値を超えている商品について、前記ユーザと当該他のユーザに対して、取引を提案する旨の表示を行う取引提案手段と、
を備える請求項1乃至3のいずれか一項に記載の資産管理サーバ。
【請求項5】
資産データベースを備え、対象となるユーザの資産管理を行う資産管理サーバが行う資産管理方法であって、
前記ユーザが入力を行ったユーザ端末から、前記ユーザによる商品購入の手続き時に入力を受け付けた商品の購入情報を取得して、当該購入した商品を前記ユーザの資産として資産データベースに登録するステップと、
前記資産データベースに登録された商品を、所定のサーバに登録し、インターネットを通じて他人に売却可能な状態におくステップと、
前記所定のサーバに登録された商品について、前記所定のサーバから売却通知を受信し、当該商品を資産データベースから削除するステップと、
を備える資産管理方法。
【請求項6】
資産データベースを備え、対象となるユーザの資産管理を行う資産管理サーバに、
前記ユーザが入力を行ったユーザ端末から、前記ユーザによる商品購入の手続き時に入力を受け付けた商品の購入情報を取得して、当該購入した商品を前記ユーザの資産として資産データベースに登録するステップ、
前記資産データベースに登録された商品を、所定のサーバに登録し、インターネットを通じて他人に売却可能な状態におくステップ、
前記所定のサーバに登録された商品について、前記所定のサーバから売却通知を受信し、当該商品を資産データベースから削除するステップ、
を実行させるための資産管理サーバ用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子商取引に関するユーザの資産管理をインターネット上で行う資産管理サーバ、資産管理方法、及び、資産管理サーバ用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、インターネットを介した電子商取引は市場規模の拡大を続けており、利用者数は増加の一途を辿るとともに、電化製品や食品といった日用品までもがその取引の対象になっている。さらには、企業の運営する電子商取引サイトにおける商品の購入のみならず、インターネットオークション等を利用した個人同士の売買も、盛んに行われている。
【0003】
ところで、電子商取引においては、売買の情報は電子的なデータとして取り扱えるため、統計的な処理を加えることが容易である。そのため、電子商取引サイトの多くは、顧客の取引履歴に基づいた推薦アルゴリズムを利用することで、顧客の購入意欲を刺激し、売上の向上を図っている。
【0004】
例えば、購入履歴を参照することで、商品の検索を行った時点で有効な推薦を行うことができ、商品の販売を促進するためのネットショッピング管理方法が明らかにされている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−272015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、顧客の取引履歴の蓄積が電子商取引サイトの推薦精度の向上に寄与し、競争優位性として機能するという性質から、取引履歴は多くの場合において電子商取引サイトの利益追求のために使われていたため、電子商取引サイトの益には繋がらない類の顧客の利益が、蔑ろにされがちであるという事情があった。
【0007】
そこで本発明の発明者は、売買の取引履歴をインターネット上で一元管理することによって、購入時のみならず、売却によって手放すまでの商品情報を管理し、電子商取引サイトの利益よりも、顧客自身の利益を優先的に増大させる手法を発明した。
【0008】
本発明は、売買の取引履歴をインターネット上で一元管理することで、ユーザが商品を手に入れてから手放すまでを、ユーザの資産として管理する資産管理サーバ、資産管理方法、及び、資産管理サーバ用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0010】
第1の特徴に係る発明は、資産データベースを備え、対象となるユーザの資産管理を行う資産管理サーバであって、
前記ユーザが入力を行ったユーザ端末から、前記ユーザによる商品購入の手続き時に入力を受け付けた商品の購入情報を取得して、当該購入した商品を前記ユーザの資産として資産データベースに登録する購入商品登録手段と、
前記購入商品登録手段によって登録された商品を、所定のサーバに登録し、インターネットを通じて他人に売却可能な状態におく商品出品手段と、
前記商品出品手段によって登録された商品について、前記所定のサーバから売却通知を受信し、当該商品を資産データベースから削除する売却商品削除手段と、
を備える資産管理サーバを提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明によれば、資産データベースを備え、対象となるユーザの資産管理を行う資産管理サーバは、前記ユーザが入力を行ったユーザ端末から、前記ユーザによる商品購入の手続き時に入力を受け付けた商品の購入情報を取得して、当該購入した商品を前記ユーザの資産として資産データベースに登録し、登録された商品を、所定のサーバに登録し、インターネットを通じて他人に売却可能な状態におき、前記所定のサーバから売却通知を受信し、当該商品を資産データベースから削除する。
【0012】
第2の特徴に係る発明は、前記購入商品登録手段によって登録された日付と、登録された前記商品の商品情報とから、前記ユーザの当該商品に対する売却推奨度を算出する売却推奨度算出手段と、
前記売却推奨度算出手段によって算出された売却推奨度が所定の値を超えている商品について、売却を推奨する旨の表示を行う売却推奨手段と、
を備える第1の特徴に係る発明である資産管理サーバを提供する。
【0013】
第2の特徴に係る発明によれば、第1の特徴に係る発明である資産管理サーバは、商品が資産として登録された日付と、商品情報とから、ユーザの当該商品に対する売却推奨度を算出し、算出された売却推奨度が所定の値を超えている商品について、売却を推奨する旨の表示を行う。
第3の特徴に係る発明は、前記売却推奨度算出手段が、前記登録された商品の購入からの年数を参照し、減価償却が終わったか否かに基づいて、当該商品に対する売却推奨度を算出する資産管理サーバを提供する。
第3の特徴に係る発明によれば、第2の特徴に係る発明である資産管理サーバは、前記登録された商品の購入からの年数を参照し、減価償却が終わったか否かに基づいて、当該商品に対する売却推奨度を算出する。
の特徴に係る発明は、前記ユーザが二以上であって、
前記購入商品登録手段によって異なるユーザの資産として登録されている商品について、前記ユーザの購入推奨度を算出する購入推奨度算出手段と、
前記購入推奨度算出手段によって算出された購入推奨度が所定の値を超えている商品について、前記ユーザと当該他のユーザに対して、取引を提案する旨の表示を行う取引提案手段と、
を備える第1乃至のいずれかの特徴に係る発明である資産管理サーバを提供する。
【0014】
の特徴に係る発明によれば、第1乃至のいずれかの特徴に係る発明である資産管理サーバは、異なるユーザの資産である商品について、ユーザの当該商品に対する購入推奨度を算出し、算出された購入推奨度が所定の値を超えている商品について、前記ユーザと当該他のユーザに対して、取引を提案する旨の表示を行う。
【0015】
これら上記の発明は、資産管理サーバのカテゴリであるが、方法、プログラムのカテゴリであっても、そのカテゴリに応じた同様の作用、効果を奏する。
【0016】
第5の特徴に係る発明は、資産データベースを備え、対象となるユーザの資産管理を行う資産管理サーバが行う資産管理方法であって、
前記ユーザが入力を行ったユーザ端末から、前記ユーザによる商品購入の手続き時に入力を受け付けた商品の購入情報を取得して、当該購入した商品を前記ユーザの資産として資産データベースに登録するステップと、
前記資産データベースに登録された商品を、所定のサーバに登録し、インターネットを通じて他人に売却可能な状態におくステップと、
前記所定のサーバに登録された商品について、前記所定のサーバから売却通知を受信し、当該商品を資産データベースから削除するステップと、
を備える資産管理方法を提供する。
【0017】
第6の特徴に係る発明は、資産データベースを備え、対象となるユーザの資産管理を行う資産管理サーバに、
前記ユーザが入力を行ったユーザ端末から、前記ユーザによる商品購入の手続き時に入力を受け付けた商品の購入情報を取得して、当該購入した商品を前記ユーザの資産として資産データベースに登録するステップ、
前記資産データベースに登録された商品を、所定のサーバに登録し、インターネットを通じて他人に売却可能な状態におくステップ、
前記所定のサーバに登録された商品について、前記所定のサーバから売却通知を受信し、当該商品を資産データベースから削除するステップ、
を実行させるための資産管理サーバ用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、売買の取引履歴をインターネット上で一元管理することで、ユーザが商品を手に入れてから手放すまでを、ユーザの資産として管理する資産管理サーバ、資産管理方法、及び、資産管理サーバ用プログラムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、資産管理システム1の概要を説明するための概念図である。
図2図2は、資産管理システム1の全体構成図である
図3図3は、ユーザ利用端末10、資産管理サーバ100、オンラインショップサーバ200、商品売却サーバ300の機能ブロック図である。
図4図4は、ユーザ利用端末10、資産管理サーバ100、オンラインショップサーバ200が実行する、購入商品の資産登録処理の手順を示すフローチャートである。
図5図5は、ユーザ利用端末10、資産管理サーバ100、商品売却サーバ300が実行する、商品の売却処理の手順を示すフローチャートである。
図6図6は、二つのユーザ利用端末10と資産管理サーバ100が実行する、ユーザ間の資産取引処理の手順を表したフローチャートである。
図7図7は、ユーザ利用端末10のメッセージ表示モジュール18が表示する売却推奨画面の一例である。
図8図8は、ユーザ利用端末10のメッセージ表示モジュール18が表示する購入推奨メッセージ、及び、資産購入申し込みの表示画面の一例である。
図9図9は、資産データベース150内の資産情報テーブルの一例を示したものである。
図10図10は、取引履歴データベース151内の取引履歴テーブルの一例を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0021】
本発明の概要について説明する。資産管理サーバ100は、ユーザがユーザ利用端末10を利用してオンラインショップサーバ200において購入した商品を、資産データベース150に資産として登録する。また、商品の購入日等から商品の売却推奨度を算出し、所定の値を超えたものに関しては売却を推奨する。ユーザが売却を希望した際には、オークション等のサービスを提供する商品売却サーバ300に商品を出品し、売却完了時に資産データベース150から当該商品を削除する。
【0022】
[資産管理システムの概要]
図1に基づいて、本発明の好適な実施形態である資産管理システム1の概要について説明する。資産管理システム1は、ユーザ利用端末10、資産管理サーバ100、オンラインショップサーバ200、商品売却サーバ300から構成される。なお、これらのサーバは、資産管理サーバ100によってシステムとして結び付けられていればよく、同一の管理者によって管理されることを必要としない。
【0023】
初めに、ユーザは、ユーザ利用端末10を用いて、オンラインショップサーバ200と通信を行い、オンラインショップサーバ200から商品を購入する(ステップS01)。オンラインショップサーバ200は、インターネットを介して商品の購入を可能とする、いわゆるオンラインショッピングサービスを提供するサーバである。
【0024】
次に、資産管理サーバ100は、オンラインショップサーバ200から購入情報を取得する(ステップS02)。購入情報には主として、どのユーザが、いつ、どのサイトで、何を、いくらで購入したかという情報が含まれる。購入情報を取得した資産管理サーバ100は、資産管理サーバ100が備える資産データベース150に、購入された商品を、購入したユーザの資産として登録する(ステップS03)。
【0025】
しかしながら、購入情報をオンラインショップサーバ200の備える機能によって取得することは、主として二つの理由から困難である場合が多い。一つには、購入情報はユーザの個人情報に関わるためである。もう一つは、当該購入情報の蓄積自体が、オンラインショップサーバ200の競争優位性に結びつくためである。オンラインショップサーバ200は、購入情報を統計的に処理し、協調フィルタリング等の手法を用いてユーザに商品の推薦を行うことで利益を改善することができる。推薦精度は元データたる購入情報の数が多いほど高くなるので、オンラインショップサーバ200が他者に購入情報を渡すことは、自らの競争優位性を損なう結果に結びつく恐れがある。
【0026】
以上の理由により、オンラインショップサーバ200から直接購入情報を取得できない場合は、資産管理サーバ100はユーザ利用端末10から、ユーザ利用端末10が入力を受け付けた購入情報を受信してもよい。
【0027】
次に、資産管理サーバ100は、資産として登録された商品について、売却推奨度を算出する。売却推奨度とは、ユーザが資産たる商品についてどれくらい売却を行うべきかを数値化したものであって、主として市場における人気によって増大するほか、購入からの年数を参照して、減価償却が終わった等、ユーザ自身の不要度を総合的に判断することによって算出される。
【0028】
資産管理サーバ100は、売却推奨度が所定の値を超えた資産について、ユーザ利用端末10に対して売却を推奨する旨の表示を行う(ステップS04)。ユーザは当該表示を見て、または自発的に、売却を希望する場合、ユーザ利用端末10に商品売却要求を入力する。ユーザ利用端末10はユーザから入力を受け付けた商品売却要求を、資産管理サーバ100に送信し、資産管理サーバ100は当該商品売却要求を受信する(ステップS05)。
【0029】
商品売却要求を受信した資産管理サーバ100は、商品売却サーバ300に商品を出品し、売却可能な状態におく(ステップS06)。商品売却サーバ300が提供するのは、オークション等の個人間で電子商取引ができるサービスであっても構わないし、企業に買い取りを依頼するフォーム等でもよく、ユーザが資産たる商品を売却可能であればよい。
【0030】
資産管理サーバ100によって売却可能な状態におかれた商品の売却が完了した場合、
資産管理サーバ100は商品売却サーバ300から売却完了通知を受信する(ステップS07)。そして、資産管理サーバ100は、資産として登録されていた当該商品を資産データベース150から削除する(ステップS08)。
【0031】
なお、資産管理サーバ100は所定のタイミングで、資産管理サーバ100が資産を管理している個々のユーザに対して、資産管理サーバ100に登録されている全商品に関する購入推奨度を、当該資産の持ち主を問わず算出してもよい。本実施例においては、購入推奨度は主として取引履歴に基づく協調フィルタリングにより算出されるが、推薦手法であればそれに限られない。あるユーザの資産に対する、他のユーザの購入推奨度が所定の値を超えている場合、資産管理サーバ100は両ユーザに、ユーザ間における資産の取引を提案してもよい。
【0032】
以上が、本発明の好適な実施形態である資産管理システム1の概要である。
【0033】
[資産管理システム1のシステム構成]
図2は、資産管理システム1のシステム構成を示す。資産管理システム1は、インターネット網などの公衆回線網3と、ユーザ利用端末10と、資産管理サーバ100と、オンラインショップサーバ200と、商品売却サーバ300から構成される。資産管理サーバ100は、公衆回線網3を介して、ユーザ利用端末10、オンラインショップサーバ200、商品売却サーバ300と通信可能に接続されている。
【0034】
ここで、ユーザ利用端末10は、公衆回線網を介して取得した情報を表示し、ユーザから入力を受け付ける一般的な情報端末であってよく、後述する機能を備える情報機器や電化製品である。例えば、ユーザ利用端末10は、パソコンのみならず、携帯電話、スマートフォン、スレート端末、ネットブック端末、電子書籍端末、電子辞書端末、携帯型音楽プレーヤ、携帯型コンテンツ再生・録画プレーヤ等の一般的な情報家電であってよい。
【0035】
資産管理サーバ100は、後述の資産管理機能を備える一般的なサーバである。また、オンラインショップサーバ200、商品売却サーバ300はそれぞれ電子商取引機能を備える、一般的なサーバであってよい。
【0036】
[各機能の説明]
図3に基づいて、各装置の構成について説明する。資産管理サーバ100は、制御部101として、CPU(Central Processing Unit),RAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory)等を備え、通信部102として、他の機器と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity)対応デバイスを備える。加えて、資産管理サーバ100は、データやファイルを記憶する記憶部103として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等による、データのストレージ部を備える。記憶部103は、資産データベース150と、取引履歴データベース151を備える。
【0037】
資産管理サーバ100において、制御部101が所定のプログラムを読み込むことで、通信部102と協働して、購入情報受信モジュール104、売却要求受付モジュール105、売却完了通知受付モジュール106、資産購入申し込み中継モジュール107を実現する。また、資産管理サーバ100において、制御部101が所定のプログラムを読み込むことで、記憶部103と協働して、資産登録モジュール108、売却推奨度算出モジュール109、購入推奨度算出モジュール110、メッセージ送信モジュール111、ユーザ間取引モジュール112を実現する。
【0038】
オンラインショップサーバ200は、資産管理サーバ100と同様に、制御部201として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部202として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス又は、有線ケーブルによる接続可能とするデバイス等の、他の電化製品、及び無線アクセスポイントとのデータ通信を実現するデバイスを備える。
【0039】
オンラインショップサーバ200において、制御部201が所定のプログラムを読み込むことで、通信部202と協働して、購入要求受付モジュール203、購入情報送信モジュール204を実現する。
【0040】
また、商品売却サーバ300も、オンラインショップサーバ200と同様に、制御部301として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部302として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス又は、有線ケーブルによる接続可能とするデバイス等の、他の電化製品、及び無線アクセスポイントとのデータ通信を実現するデバイスを備える。
【0041】
商品売却サーバ300において、制御部301が所定のプログラムを読み込むことで、通信部302と協働して、出品受付モジュール303、売却完了通知モジュール304を実現する。
【0042】
ユーザ利用端末10は、資産管理サーバ100と同様に、制御部11として、CPU,RAM,ROM等を備え、通信部12として、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス又は、有線ケーブルによる接続可能とするデバイス等の、他の電化製品、及び無線アクセスポイントとのデータ通信を実現するデバイスを備える。また、入出力部13として、画像や文字のメッセージを表示する液晶モニタ等の表示部と、ユーザからの入力を受付けるキーボードやタッチパネル等の入力部を備える。
【0043】
ユーザ利用端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、通信部12と協働して、商品購入モジュール14、購入情報送信モジュール15、売却要求送信モジュール16、資産購入申し込み送信モジュール17を実現する。また、ユーザ利用端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、通信部12、及び、入出力部13と協働して、メッセージ表示モジュール18を実現する。また、ユーザ利用端末10において、制御部11が所定のプログラムを読み込むことで、入出力部13と協働して、売却要求入力受付モジュール19、資産購入申し込み入力受付モジュール20を実現する。
【0044】
[購入商品の資産登録処理]
図4は、資産管理システム1において、ユーザ利用端末10、資産管理サーバ100、オンラインショップサーバ200が実行する、購入商品の資産登録処理の手順を表したフローチャートである。この購入商品の資産登録処理について説明する。
【0045】
初めに、資産管理の対象となるユーザは、ユーザ利用端末10を利用してオンラインショップサーバ200と通信し、商品を購入する。ユーザ利用端末10の商品購入モジュール14は、オンラインショップサーバ200に商品購入要求を送信する(ステップS11)。オンラインショップサーバ200の購入要求受付モジュール203は、商品購入要求を受け付け、商品購入の手続きを完了する(ステップS12)。
【0046】
ここで、商品の購入にあたっては、より具体的には、HTML(HyperText Markup Language)等で記述された商品情報をユーザ利用端末10が備えるブラウジング機能等で解析し、ユーザが商品情報を閲覧するとともに、購入の意思決定をした際には、商品の購入要求を送信する。また、オンラインショップサーバ200が実行する商品購入の手続きとは、例えば商品代金の決済処理や商品発送センターへの通知等が挙げられる。このようなオンラインショッピングの類型は複数あり、本発明の技術的思想の関する所ではないため、割愛する。
【0047】
商品購入の手続きを行った後、オンラインショップサーバ200の購入情報送信モジュール204は、資産管理サーバ100に対して、購入情報を送信する(ステップS13)。資産管理サーバ100の購入情報受信モジュール104は、購入情報を受信する(ステップS15)。また、先述の理由によりオンラインショップサーバ200が購入情報送信モジュール204を備えない時には、ユーザ利用端末10の購入情報送信モジュール15が同様の購入情報を資産管理サーバ100に対して送信してもよい(ステップS14)。
【0048】
その後、資産管理サーバ100の資産登録モジュール108は、受信した購入情報に基づいて、商品をユーザの資産として資産データベース150の資産情報テーブルに記憶させる(ステップS16)。また、資産登録モジュール108は、資産管理サーバ100が備える取引履歴データベース151内の取引履歴テーブルに、当該購入に係る情報を記憶させる。
【0049】
図9は、資産データベース150内の資産情報テーブルの一例を示したものである。資産情報テーブルには、資産の持ち主であるユーザのユーザIDと、資産名、取得日、資産種類、取得金額からなる商品情報とが関連付けられて記憶されている。
【0050】
図10は、取引履歴データベース151内の取引履歴テーブルの一例を示したものである。取引履歴テーブルには、管理番号で特定されるそれぞれの資産について購入や売却が行われた時に、取引のあった日付、サイト等の取引場所、取引に係る金額が関連付けられて記憶されている。
【0051】
以上が、ユーザ利用端末10、資産管理サーバ100、オンラインショップサーバ200が実行する購入商品の資産登録処理の手順である。
【0052】
[商品の売却処理]
図5は、資産管理システム1において、ユーザ利用端末10、資産管理サーバ100、商品売却サーバ300が実行する、商品の売却処理の手順を表したフローチャートである。この商品の売却処理について説明する。
【0053】
資産管理サーバ100の売却推奨度算出モジュール109は、所定のタイミングで資産データベース150を参照し、ユーザの資産たる商品それぞれについて、売却推奨度を算出する(ステップS21)。
【0054】
売却推奨度とは、ユーザが資産たる商品についてどれくらい売却を行うべきかを数値化したものであって、主として市場における人気によって増大するほか、購入からの年数を参照して、減価償却が終わった等、ユーザ自身の不要度を総合的に判断することによって算出される。売却推奨度算出モジュール109は、資産管理サーバ100が備える記憶部103内に記憶された売却推奨度算出アルゴリズムを用いて、売却推奨度を算出してよい。また、資産管理サーバ100は、売却推奨度を算出するために、オンラインショップサーバ200等から商品の売上に関する最新のデータ等を取得してよい。
【0055】
算出された売却推奨度が所定の値を超えていた場合、売却推奨度算出モジュール109は、売却推奨度算出アルゴリズムに基づいて商品の売却を推奨する売却推奨メッセージを生成し、メッセージ送信モジュール111は、当該売却推奨メッセージをユーザ利用端末10に対して送信する(ステップS22:「YES」の場合)。ユーザ利用端末10のメッセージ表示モジュール18は、当該メッセージを受信し、ユーザ利用端末10の入出力部に表示する(ステップS23)。算出された売却推奨度が所定の値を超えない場合、資産管理サーバ100はその商品について処理を行わない(ステップS22:「NO」の場合)。
【0056】
図7は、ユーザ利用端末10のメッセージ表示モジュール18が表示する売却推奨画面の一例である。本実施例において、資産データ401は資産情報テーブル内におけるユーザIDが10131のユーザの資産を表している。表示すべき売却推奨メッセージがあった場合、売却推奨画面において売却推奨メッセージ402として表示される。
【0057】
ここでユーザは、売却推奨メッセージが表示された商品に、売却を希望する商品があった場合、ユーザ利用端末10を通じて売却要求を行う。図7においては、ユーザは売却ボタン403をマウス等で押し下げることによって、商品売却要求を入力する。ユーザ利用端末10の売却要求入力受付モジュール19は、ユーザから商品売却要求の入力を受け付け(ステップS24:「YES」の場合)、ユーザ利用端末10の売却要求送信モジュール16が、資産管理サーバ100に商品売却要求を送信する(ステップS25)。なお、ユーザ利用端末10の売却要求入力受付モジュール19は、売却推奨メッセージが表示されていない商品についても、同様に商品売却要求の入力を受け付けてもよい。売却を希望する商品が無く、ユーザから商品売却要求の入力が無かった場合には、以下の処理を行わず商品の売却処理を終了する(ステップS24:「NO」の場合)。
【0058】
資産管理サーバ100の売却要求受付モジュール105は、商品売却要求を受信する(ステップS26)。そして、売却要求受付モジュール105は、商品売却要求に含まれる商品の情報と、資産データベース150内の商品情報を基に、予め登録された商品売却サーバ300に対して商品出品情報を送信する(ステップS27)。商品売却サーバ300の出品受付モジュール303は商品出品情報を受信し、出品手続きを行うことで、当該商品を売却可能な状態におく。
【0059】
ここで、例えば、商品売却サーバ300がオンライン上のオークションサービスを提供している場合には、商品出品情報には当該商品の名称、画像、開始価格等が含まれる。また、商品売却サーバ300がオンライン上の個人商店サービスを提供する場合には、当該商品の名称、画像、価格、在庫数等が含まれる。ここで、ユーザ利用端末10は、商品の売却における価格に係る情報の入力をユーザから受付け、商品売却要求に含めてもよい。
【0060】
この処理は、当該商品に買い手が付き、売却が完了されるまで、待ち状態となる(ステップS29:「NO」の場合)。オークション等の場合には、この待ち状態が数日に渡る場合もある。当該商品の売却が完了された時(ステップS29:「YES」)、商品売却サーバ300の売却完了通知モジュール304は、資産管理サーバ100に対して売却完了通知を送信する(ステップS30)。資産管理サーバ100の売却完了通知受付モジュール106は売却完了通知を受信し(ステップS31)、資産登録モジュール108は当該商品を資産データベース150から削除する(ステップS32)。資産登録モジュール108は、削除と同時に、資産管理サーバ100が備える取引履歴データベース151内の取引履歴テーブルに、当該売却に係る情報を記憶させる。
【0061】
以上が、ユーザ利用端末10、資産管理サーバ100、商品売却サーバ300が実行する、商品の売却処理の手順である。
【0062】
[ユーザ間の資産取引処理]
図6は、資産管理システム1において、二つのユーザ利用端末10と資産管理サーバ100が実行する、ユーザ間の資産取引処理の手順を表したフローチャートである。このユーザ間の資産取引処理について説明する。今、便宜的に二つのユーザ利用端末10をユーザ利用端末10A、及び、ユーザ利用端末10Bとして区別する。
【0063】
まず、資産管理サーバ100の購入推奨度算出モジュール110は、所定のタイミングで、個々のユーザに対して、他のユーザの資産に対する購入推奨度を算出する(ステップS51)。
【0064】
購入推奨度とは、あるユーザが当該商品をどれくらい購入すべきかを数値化したものである。購入推奨度算出モジュール110は、資産管理サーバ100が備える記憶部103内に記憶された購入推奨度算出アルゴリズムを用いて、購入推奨度を算出してよい。当該アルゴリズムの一例としては、取引履歴データベース151内の取引履歴テーブルに基づいた協調フィルタリングが挙げられるが、推薦手法であればそれに限られない。ここで、以下の処理では、ユーザ利用端末10Aを利用するユーザの資産に対して、ユーザ利用端末10Bを利用するユーザの購入推奨度を算出した場合について説明する。
【0065】
購入推奨度を算出した結果、購入推奨度が所定の値を上回る資産があった場合(ステップS52:「YES」の場合)、購入推奨度算出モジュール110は購入推奨度算出アルゴリズムを用いて購入推奨メッセージを生成し、メッセージ送信モジュール111は、ユーザ利用端末10Bに対して購入推奨メッセージを送信する(ステップS53)。ユーザ利用端末10Bのメッセージ表示モジュール18は、当該メッセージを受信し、ユーザ利用端末10Bの入出力部に表示する(ステップS54)。なお、購入推奨度が所定の値を上回る資産がなかった場合(ステップS52:「NO」の場合)、以下の処理は行われず、ユーザ間の資産取引処理は終了する。
【0066】
表示された購入推奨メッセージを見たユーザが、いずれかの資産の購入を希望する場合、ユーザ利用端末10Bの資産購入申し込み入力受付モジュール20は、ユーザからの資産購入申し込みの入力を受け付け(ステップS55:「YES」の場合)、資産購入申し込み送信モジュール17は、当該資産購入申し込みを資産管理サーバ100に送信する(ステップS56)。資産購入申し込みの入力が無い場合(ステップS55:「NO」の場合)、以下の処理は行われず、ユーザ間の資産取引処理は終了する。
【0067】
資産管理サーバ100の資産購入申し込み中継モジュール107は、受信した資産購入申し込みをユーザ利用端末10Aに送信する(ステップS57)。ユーザ利用端末10Aのメッセージ表示モジュール18は、資産購入申し込みを受信し、メッセージとしてユーザ利用端末10Aの入出力部に表示する(ステップS58)。
【0068】
表示された資産購入申し込みを見たユーザが、当該資産の売却を希望する場合、ユーザ利用端末10Aの売却要求入力受付モジュール19は、ユーザから商品売却要求の入力を受け付け(ステップS59:「YES」の場合)、売却要求送信モジュール16は、資産管理サーバ100に商品売却要求を送信する。商品売却要求の入力が無い場合(ステップS59:「NO」の場合)、以下の処理は行われず、ユーザ間の資産取引処理は終了する。
【0069】
資産管理サーバ100の売却要求受付モジュール105は、商品売却要求を受信し、ユーザ間取引モジュール112は、ユーザ間での資産取引の手続きを行う(ステップS60)。当該手続きとして、資産登録モジュール108は、資産データベース150に対して当該資産の持ち主のユーザIDを変更し、取引履歴データベース151に対して、当該取引に係る情報を記憶する。また、同様に当該手続きの一部として、商品代金の決済手続きや、ユーザ利用端末10Aに対して商品発送の案内等を送信してよい。
【0070】
図8は、ユーザ利用端末10のメッセージ表示モジュール18が表示する購入推奨メッセージ、及び、資産購入申し込みの表示画面の一例である。画面上部において、購入推奨度が所定の値を超えた資産の情報411が表示され、ユーザはマウス等で購入申し込みボタン412を押し下げることで、資産購入申し込みを入力する。一方、画面下部においては他人から資産購入申し込みがあった資産について、商品情報413と、メッセージ414を表示する。ユーザは売却ボタン415をマウス等で押し下げることによって、商品売却要求を入力する。
【0071】
以上が、二つのユーザ利用端末10と資産管理サーバ100が実行する、ユーザ間の資産取引処理の手順である。
【0072】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU,情報処理装置,各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0073】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0074】
1 資産管理システム、10 ユーザ利用端末、100 資産管理サーバ、150 資産データベース、200 オンラインショップサーバ、300 商品売却サーバ
図1
図2
図3
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図5
図6
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