(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
インクパックに収容されたインクが印刷不可能な量となったことを検知する検知手段が備えられたインクジェットプリンタに搭載され、前記インクパックを挿入して前記インクパックに収容されたインクをインクヘッドに供給するインクパックアダプターにおいて、
前記インクパックを挟持し、前記インクパックに収容されたインクが少なくなると回動してインクパックを押圧する2枚の板部材と、
前記2枚の板部材のうちの一方の板部材が配設されるとともに、第1の屈曲部が形成された第1の板状部材が前記一方の板部材と所定の間隔を開けて配設されたシャフトと
を有し、
前記一方の板部材が回動することにより前記シャフトを介して前記第1の板状部材が回動し、前記第1の屈曲部が前記検知手段に当接する
ことを特徴とするインクパックアダプター。
【背景技術】
【0004】
従来より、マイクロコンピューターによって全体の動作を制御され、被印刷物たる記録紙などの媒体にインクヘッドからインクを吐出することにより、当該媒体上に所望の印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。
【0005】
こうしたインクジェットプリンタにおいては、インクカートリッジ着脱部に複数のインクカートリッジが着脱可能に配設されており、この複数のインクカートリッジには、それぞれ異なる色彩のインクが収容されている。
【0006】
そして、インクカートリッジにおいては、インクを収容するインク収容部がチューブなどによりインクヘッドと接続されており、ポンプなどによりインクヘッドにインクが供給されるようになされている。
【0007】
こうしたインクカートリッジでは、一般的にインク収容部に収容されるインク量は220cc、440cc程度となっていた。
【0008】
しかしながら、インクカートリッジの交換頻度を抑制するために、近年、上記したようなインクカートリッジに換えて、大容量(例えば、1リットル)のインクパックを挿入するインクパックアダプターが提案されている。
【0009】
なお、こうした大容量のインクパックを挿入するインクパックアダプターは、上記したインクカートリッジを挿入するインクカートリッジ着脱部に着脱可能な構成となっている。
【0010】
また、この大容量のインクパックを挿入するインクパックアダプターには、上記したインクカートリッジと同様に、収容されたインク残量が印刷不可能な量となったことを検知するためのインク残量検出部などを備えている。
【0011】
ここで、
図1を参照しながら、大容量のインクパックを挿入するインクパックアダプターにおけるインク残量検出部について説明する。
【0012】
図1には、従来の技術による大容量のインクパックを挿入するインクパックアダプターにおけるインク残量検出部を示す概略構成説明図が示されている。
【0013】
まず、従来の技術による大容量のインクパックを挿入するインクパックアダプターにおいては、大容量(例えば、1リットル)のインクを収容するインクパック200がインク排出口202を下方側に向けて挿入されるものであり、挿入されたインクパック200は、
図1に示すインク残量検出部100において2枚の板金104m106に保持された状態となる。
【0014】
この2枚の板金104、106は、下方側において、ギア(図示せず。)などを介して互いに連動して回動する構成となっており、バネ(図示せず。)により、2枚の板金104、106の上方側の間隔が狭くなる方向に付勢されるようになされている。
【0015】
これにより、2枚の板金104、106は、上方側の間隔を広げたり狭めたりすることができるものとなっている。
【0016】
従って、インク残量検出部100にインクパック200が挿入される際には、この2枚の板金104、106は、バネ(図示せず。)の付勢力に抗してその上方側の間隔が広げられることとなり、挿入されたインクパック200は、当該バネの付勢力により、2枚の板金104、106により押圧されることとなる。
【0017】
また、板金104には、板状部材108が配設されており、この板状部材108は、板金104の回動に応じて回動するようになされている。
【0018】
そして、板状部材108には、検出板110が設けられており、この検出板110は、板状部材108の回動により回動することとなる。
【0019】
具体的には、インクパック200内のインクの残量が少なくなると、板金104は矢印A方向に回動するとともに、板金106は矢印B方向に回動する。
【0020】
板金104の矢印A方向への回動により、板状部材108は矢印C方向に回動し、板状部材108の矢印C方向への回動により検出板110は矢印D方向に回動する。
【0021】
そして、検出板110が矢印D方向に所定量だけ回動すると、検出板110の先端部110aがセンサ(図示せず。)接触し、このセンサによる検知結果に基づいて、インクパックアダプターの外部に設けられた表示装置にインクがなくなった旨を作業者に知らせる表示を行う。
【0022】
このようにして、従来の技術による大容量のインクパックを挿入するインクパックアダプターでは、インク残量検出部100によりインクパック200内のインクが印刷不可能な量となったことを作業者に知らせるようにしていた。
【0023】
しかしながら、従来の技術による大容量のインクパックを挿入するインクパックアダプターにおいては、板状部材108は、板金104の回動に応じて回動して検出板110を回動するため、検出板110と板金104との距離が長くなると、板状部材108にねじれが生じてしまい、検出板110の回動角度にバラツキが生じてしまっていた。
【0024】
これにより、従来の技術による大容量のインクパックを挿入するインクパックアダプターにおいては、インクパック200に収容されたインクが印刷不可能な量となったことを正確に検知することができず、インクパック200を交換しなければならない正確なタイミングで作業者にインクパック200の交換を促すことができないことが問題点として指摘されていた。
【0025】
なお、本願出願人が特許出願のときに知っている先行技術は、文献公知発明に係る発明ではないため、本願明細書に記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるインクパックアダプターが配設されたインクジェットプリンタの実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0038】
図2(a)には、本発明によるインクパックアダプターを搭載したインクジェットプリンタの概略構成斜視説明図が示されており、また、
図2(b)には、
図2(a)のI矢視図が示されており、また、
図3(a)には、本発明によるインクパックアダプターの概略構成斜視説明図が示されており、また、
図3(b)には、
図3(a)のII矢視図が示されている。
【0039】
なお、
図3(a)(b)については、筐体の一部(つまり、左側面を覆う板状部材および右側面を覆う板状部材である。)を省略した図面となっている。
【0040】
このインクジェットプリンタ10は、基台部材12に支持され主走査方向に延長して配設された固定系のベース部材14の左右両端に側方部材16L、16Rが配設されている。
【0041】
そして、側方部材16L、16Rを連結するように主走査方向に沿って延設された中央壁(図示せず。)に、摺動可能にインクヘッド(図示せず。)が設けられている。
【0042】
また、側方部材16Lの上方側には、互いに異なる色彩のインクを収容した8個のインクパックアダプター20を着脱可能なインクカートリッジ着脱部18が設けられている。なお、このインクカートリッジ着脱部18は、従来のインクカートリッジを着脱可能である。
【0043】
そして、このインクカートリッジ着脱部18においてインクパックアダプター20が装着され、インクカートリッジ着脱部18に装着されたインクパックアダプター20に大容量(例えば、1リットル)のインクパック200が挿入されると、インクパック200に収容されたインクはポンプ(図示せず。)によりチューブ(図示せず。)を介してインクヘッド(図示せず。)に供給されることとなる。
【0044】
なお、インクジェットプリンタ10の全体の動作は、マイクロコンピューター(図示せず。)によって制御されており、インクが吐出される媒体は、主走査方向と直交する方向の副走査方向の後方側から前方側に搬送されるようになされている。
【0045】
従って、このインクジェットプリンタ10は、インクパックアダプター20に挿入された各インクパック200からインクヘッド(図示せず。)にインクが供給されて、主走査方向で移動する当該インクヘッドから、副走査方向で移動する媒体(図示せず。)に対してインクを吐出して印刷を行うものである。
【0046】
ここで、インクパックアダプター20は、略L字形状の筐体22内に、インク残量検出部24と、挿入されたインクパック200のインク排出口202と接続されてインクパック200内のインクを抽出する筒状部材26と、チューブ28により筒状部材26と接続され、インクパック200に収容されたインクを筒状部材26およびチューブ28を介してインクパックアダプター20の外部に排出することが可能なインク排出部30とを有して構成されている(
図3(a)を参照する。)。
【0047】
また、インク残量検出部24は、挿入されたインクパック200を挟持する2枚の板金32、34と、板金36が固定された棒状のシャフト36と、板金34が固定された棒状のシャフト38と、インクパック200のインク排出口202と筒状部材26とを完全に接続した状態で固定する固定部材40と、シャフト38に設けられ、シャフト38の回動により回動して検出板検知センサ(図示せず。)と接触することが可能な検出板42とを有して構成されている(
図4を参照する。)。
【0048】
なお、インク排出口202と筒状部材26とが完全に接続した状態とは、インク排出口202と筒状部材26とが接続した状態で、インク排出口202と筒状部材26との接続部分からインク漏れが生じない状態のことである。
【0049】
より詳細には、板金32は、筐体22の前方面22aから後方面22bまで延長されたシャフト36の後方側に配設されており、板金34は、シャフト36に平行に隣接して配設され、シャフト36に設けられたギア36−1と嵌合するギア38−1が設けられたシャフト38において、板金32と対向する位置に配設されている。
【0050】
つまり、シャフト36とシャフト38とは、ギア36−1とギア38−1とにより互いに連動して回動することとなる。
【0051】
また、板金32には切欠部32aが設けられるとともに、板金34には切欠部34aが設けられている。
【0052】
なお、板金32、34は、バネ35(
図4を参照する。)により、上端部32aと上端部34aとの間隔が狭くなる方向に付勢される。
【0053】
即ち、板金32はバネ35により矢印G方向に付勢され、板金34は、バネ35により矢印H方向に付勢される。
【0054】
従って、板金32が設けられたシャフト36は、バネ35による板金32の矢印G方向の回動に伴い矢印E方向に回動し、板金34が設けられたシャフト38は、バネ35による板金34の矢印H方向の回動に伴い矢印F方向に回動することとなる。
【0055】
これにより、板金32、34は、上端部32a、34aに間隔を広げたり狭めたりすることができる。
【0056】
従って、インクパック200が挿入されると、この2枚の板金32、34は、バネ35の付勢力に抗して上端部32a、34aの間隔が広げられることとなり、挿入されたインクパック200は、当該バネ35の付勢力により、2枚の板金32、34により押圧されることとなる。
【0057】
また、検出板42は、シャフト36において板金32と所定の間隔を開けて前方側に配設されており、下方側において左方側に屈曲した屈曲部42aが形成されている(
図3(b)、
図4を参照する。)。
【0058】
この屈曲部42aは、板金32の上端部32aと板金34の上端部34aとの間隔が開いている状態のときは、筐体22内に位置するものであり、板金32の上端部32aと板金34の上端部34aとの間隔が一定の間隔以下となったときには、筐体22の外部に突出するようになされている。
【0059】
なお、「板金32の上端部32aと板金34の上端部34aとの間隔が開いている状態のとき」とは、板金32、34により挟持されるインクパック200が印刷可能なインク量を収容している状態のときである。また、「板金32の上端部32aと板金34の上端部34aとの間隔が一定以下となったとき」とは、板金32、34により挟持されるインクパック200が印刷可能なインク量を収容していない状態のときである。
【0060】
即ち、インクパックアダプター20の左側面を覆う板状部材(図示せず。)には、この検出板42の屈曲部42aが出入り可能な開口部(図示せず。)が設けられており、屈曲部42aが筐体22の外部に突出する場合には、この開口部から屈曲部42aが筐体22の外部に突出することとなる。
【0061】
つまり、この検出板42は、バネ35によるシャフト36の矢印E方向への回動に伴い矢印J方向に回動することとなり、これにより、屈曲部42aが筐体42の外部に突出することとなる。
【0062】
屈曲部42aが筐体22の外部に突出すると、屈曲部42aは、検出板42の接触を検知する検出板検知センサ(図示せず。)に接触する。
【0063】
屈曲部42aが検出板検知センサ(図示せず。)に接触すると、インクパックアダプター20の外部に設けられた表示装置(図示せず。)において、インクパック200に収容されたインクが印刷不可能な量となった旨を作業者に知らせる表示を行う。
【0064】
また、シャフト36は、筐体22の前方面22aに設けられた孔22aa内に先端部36aが位置し、後端部36bには後方面22bを貫通して筐体22の外部にレバー44が設けられている(
図3(b)、
図5(b)を参照する。)。
【0065】
シャフト36の先端部36aは、その径が孔22aaと略一致し、孔22aaに抜き差し可能となっている。
【0066】
なお、この孔22aaにおいては、インクカートリッジ着脱部18に設けられた先端部36aの接触を検知する検知センサ52が位置し(
図8(b)、
図9(b)を参照する。)、この検知センサ52において先端部36aが接触したか否かを検知することで、孔22aaから先端部36aの抜き差しを検知する。
【0067】
つまり、シャフト36の先端部36aが孔22aaに差し込まれた状態ときは、先端部36aと検知センサ52とは接触した状態となっており、先端部36aが孔22aaから引き抜かれた状態のときは、先端部36aと検知センサ52とは接触していない状態となっている。
【0068】
即ち、この検知センサ52により、シャフト36の先端部36aが接触したことを検知すると、検知センサ52と接続されたマイクロコンピューター(図示せず。)は、インクパック200のインクパックアダプター20への挿入が完了したと判断する。さらに、この検知センサ52により、シャフト36の先端部36aとの接触状態が解除されたこと(つまり、先端部36aが検知センサ52に接触していないことである。)を検知すると、検知センサ52に接続されたマイクロコンピューター(図示せず。)は、インクパック200をインクパックアダプター20から抜き取る作業を行うものと判断する。
【0069】
なお、マイクロコンピューター(図示せず。)は、インクパック200のインクパックアダプター20への挿入が完了したと判断すると、インクヘッド(図示せず。)へインクの供給を開始し、インクジェットプリンタ10による印刷処理をことが可能な状態とする。
【0070】
また、マイクロコンピューター(図示せず。)は、インクパック200をインクパックアダプター20から抜き取る作業を行うものと判断すると、作業者によるインクパック200の交換がなされるものと判断し、インクヘッド(図示せず。)へのインクの供給を中止するとともに、インクジェットプリンタ10が印刷中の場合には、印刷を中断する。
【0071】
レバー44は、シャフト36の後端部36bにおいて先端部44aが上方側および下方側に切替可能に設けられており、先端部44aを上方側および下方側に切り替えることによりシャフト36を所定量だけ前後方向(つまり、副走査方向である。)に移動することができるようになされている。
【0072】
即ち、レバー44の先端部44aを上方側に上げた状態(
図5(a)に示す状態である。)では、シャフト36は最も前方側に位置し、シャフト36の先端部36aが筐体22の前方面22aに設けられた孔22aaに差し込まれた状態となる。
【0073】
また、レバー44の先端部44aを下方側に下げた状態(
図5(b)に示す状態である。)では、シャフト36は最も後方側に位置し、シャフト36の先端部36aが筐体22の前方面22aに設けられた孔22aaから引き抜かれた状態となる。
【0074】
つまり、レバー44の先端部44aを上方側に上げた状態から下方側に下げてレバー44を切り替えると、シャフト36は後方側に移動し、シャフト36の先端部36aが筐体22の前方面22aに設けられた孔22aaから引き抜かれた状態となる。また、レバー44の先端部44aを下方側に下げた状態から上方側に上げてレバー44を切り替えると、シャフト36は前方側に移動し、シャフト36の先端部36aが筐体22の前方面22aに設けられた孔22aaに差し込まれた状態となる。
【0075】
固定部材40は、シャフト36に固定的に配設されるとともに、シャフト38に摺動自在に配設される。
【0076】
つまり、シャフト36が最も後方側に位置するときには、固定部材40は固定部材40の前後方向における移動範囲中の最も後方側に位置することとなり、シャフト36が最も前方側に位置するときには、固定部材40は当該移動範囲中の最も前方側に位置することとなる。
【0077】
また、固定部材40は、シャフト36の後方側において、板金32に設けられた切欠部32aおよび板金34に設けられた切欠部34aにて、シャフト36の前後方向(つまり、副走査方向である。)への移動に伴って前後方向に移動するようになされている(
図5(b)を参照する。)。
【0078】
さらに、固定部材40は、前方側の上部において、インクパック200のインク排出口202と筒状部材26とを完全に接続した状態で固定することが可能な固定部40−1が形成されている。
【0079】
そして、この固定部40−1は、筒状部材26からインク排出口202が容易に離れない構成となっている。
【0080】
即ち、固定部40−1によりインク排出口202と筒状部材26とを固定する際には、インク排出口202の上端部202a上に固定部40−1の上面40−1bが位置するようになる。
【0081】
なお、インク排出口202と筒状部材26とが完全に接続されていない状態のときには、インク排出口202の上端部202aは、固定部40−1の上面40−1bと接触することとなり、固定部材40が前方側に移動できず、レバー44の前端部44aを上方側に切り替えることができなくなる。
【0082】
この固定部40−1の右側面40−1aの下方側には、板状部材40−2が配設されており、板所部材40−2には、左方側に屈曲する屈曲部40−2aが形成されている(
図6(a)(b)を参照する。)
【0083】
屈曲部40−2aは、固定部材40が最も後方側に位置するときに、屈曲部40−2aの先端部40−2aaが、挿入されるインクパック200のインク排出口202を筒状部材26の真上までガイドするガイド部材46の下端部46aより上方側に位置するように形成されている(
図6(a)を参照する。)。
【0084】
従って、この状態(
図6(a)に示す状態である。)でシャフト36を前方側に移動させても、屈曲部40−2aがガイド部材46に接触するため、固定部材40が前方側に移動できなくなる。
【0085】
これにより、シャフト36が前方側に移動できなくなり、レバー44の先端部44aを上方側に切り替えることができなくなる。
【0086】
また、屈曲部40−2aは、インク排出口202と筒状部材26とが接続されると、インク排出口202により下方側に押し下げられる。このとき、屈曲部40−2aは、ガイド部材46の下端部46aより下方側に位置するようになる(
図6(b)を参照する。
【0087】
従って、この状態(
図6(b)に示す状態である。)でシャフト36を前方側に移動させると、屈曲部40−2aがガイド部材46に接触することがなくなるため、固定部材40を前方側に移動することができるようになる。
【0088】
これにより、シャフト36を前方側に移動することができるようになり、レバー44の先端部44aを上方側に切り替えることができるようになる。
【0089】
即ち、固定部材40は、この板状部材40−2により、インクパックアダプター20にインクパック200が挿入されていないとき(
図6(a)に示すときである。)は、前方側に移動することができず、インクパック200が挿入されているとき(
図6(b)に示すときである。)は、前方側に移動することができる構成となっている。
【0090】
つまり、レバー44の先端部44aを下方側に下げた状態から上方側にレバー44を切り替えたときに、インクパック200が挿入されていなければ、固定部材40によりシャフト36は前方側に移動することが不可能となり、インクパック200が挿入されていれば、シャフト36が前方側に移動することができるようになる。
【0091】
また、固定部材40の右側面40aの後方側には、ICチップ収容部40−3が設けられている。
【0092】
このICチップ収容部40−3は、筐体22の後方面22bに設けられた開口部22baから、インク残量などを記憶するとともにインクを識別するための情報などが記憶されたICチップ50を挿入することができる。
【0093】
また、ICチップ収容部40−3は、図示しない回線を介して筐体22の前方側に設けられた中継基板48とICチップ50とを接続するようになされている。
【0094】
そして、ICチップ収容部40−3に挿入されたICチップ50からこの中継基板48を介して、インクジェットプリンタ10のマイクロコンピューター(図示せず。)にインク情報を出力するとともに、当該マイクロコンピューターからインク情報を入力する。
【0095】
さらに、このICチップ収容部40−3においては、固定部材40が最も後方側に位置するとき(つまり、レバー44の先端部44aを下方側に下げた状態のときであり、
図5(b)に示す状態である。)にICチップ50の挿入および引き抜きを行うことができる。
【0096】
このとき、ICチップ50は、筐体22の後方面22bに設けられた開口部22baから突出した状態となっている。つまり、固定部材40が最も後方側に位置するときには、ICチップ収容部40−3に挿入したICチップ50はその一部が筐体22の外部に突出した状態となっている。
【0097】
この状態から、レバー44の先端部44aを上方側に上げて、シャフト36の前方側への移動によって固定部材40を前方側に移動することにより、ICチップ50が筐体22の内部に収納されるようになる。
【0098】
なお、ICチップ50は、レバー44によりシャフト36とともに固定部材40を前方側に移動した後、つまり、ICチップ50を筐体22内に収納した状態で接続されるようになされている。
【0099】
以上の構成において、インクパックアダプター20にインクパック200を挿入する場合と、挿入したインクパック200を抜き取る場合について説明する。
【0100】
まず、インクパックアダプター20にインクパック200を挿入する場合について説明する。
【0101】
インクパック200が挿入されていないインクパックアダプター20は、レバー44の先端部44aが下方側に下げられ、シャフト36が最も後方側に位置する状態となっている。
【0102】
このとき、固定部材40は、板金32、34の切欠部32a、34aにおける最も後方側に位置し、筒状部材26とインクパック200のインク排出口202とを接続することが可能な状態となっている。
【0103】
こうした状態のインクパックアダプター20に、作業者が、インク排出口202と筒状部材26とを接続するようにしてインクパック200を挿入すると、バネ35の付勢力に抗して板金32の上端部32aと板金34の上端部34aとの間隔が広がり、インクパック200が板金32、34に押圧された状態での挟持される(
図7(a)、
図9(a)を参照する。)。さらに、固定部40−1に設けられた板状部材40−2の屈曲部40−2aが、インク排出口202により下方側に押し下げられる(
図6(b)を参照する。)。
【0104】
次に、筐体22の後方面22bに設けられた開口部22baからICチップ収容部40−3にICチップ50を挿入する。
【0105】
その後、インク排出口202と筒状部材26とが完全に接続された状態で、レバー44の先端部44aを上方側に上げると、シャフト36が前方側に移動するとともに、シャフト36の移動に伴い固定部材40が移動して、インク排出口202と筒状部材26とを固定する(
図7(b)、
図8(a)を参照する。)。
【0106】
このとき、シャフト36の先端部36aは、筐体22の前方面22aに設けられた孔22aaに差し込まれる(
図8(b)を参照する。)。さらに、筐体22の後方面22bに設けられた開口部22baから一部が突出していたICチップ50が筐体22内に収容される。
【0107】
なお、インク排出口202と筒状部材26とが完全に接続されていない状態であれば、固定部40−1bがインク排出口202の上端部202aに接触することにより、固定部材40およびシャフト36が前方側に移動することができず、レバー44の先端部44aを上方側に上げることができない。
【0108】
また、孔22aaに差し込まれた先端部36aは、インクカートリッジ着脱部18に設けられた検知センサ52と接触することとなり、これにより、マイクロコンピューター(図示せず。)において、インクパックアダプター20にインクパック200の挿入が完了したと判断される。
【0109】
その後、当該マイクロコンピューターの制御により、インクパック200からインクヘッド(図示せず。)へのインクの供給がなされることとなる。
【0110】
なお、インクパック200を挿入しない状態で、作業者がレバー44の先端部44aを上方側に上げても、固定部40−1に設けられた板状部材40−2の屈曲部40−2aがガイド部材46と接触することとなる(
図6(a)を参照する。)。
【0111】
これにより、固定部材40およびシャフト36が前方側に移動することを防止して、シャフト36の先端部36aが孔22aaに設けられた検知センサ52と接触することがなくなる。
【0112】
このため、作業者が間違って、インクパックアダプター20にインクパック200を挿入していない状態でレバー44の先端部44aを上方側に上げてしまっても、マイクロコンピューター(図示せず。)においてインクパック200の挿入が完了したとの認識することはない。
【0113】
こうして、インクパック200からインクヘッド(図示せず。)にインクが供給されて、インクジェットプリンタ10において印刷が行われて、インクパック200に収容されたインク量が減少すると、板金32、34は、バ35による付勢力によりそれぞれ矢印G方向、矢印H方向に回動し、板金32上端部32aと板金34の上端部34aとの間隔が狭くなる。
【0114】
板金32の上端部32aと板金34の上端部34aとの間隔が狭くなるにしたがって、シャフト36、38がそれぞれ矢印E方向、矢印F方向に回動することとなり、このシャフト36の矢印E方向の回動に伴って、シャフト36の前方側に設けられた検出板42が矢印J方向に回動することとなる。
【0115】
そして、板金32と板金34との間隔が一定以下(つまり、インクパック200が印刷可能なインク量を収容していない状態)となると、検出板42の屈曲部42aがインクパックアダプター20の左側面を覆う板状部材(図示せず。)に設けられた開口部(図示せず。)から突出する。
【0116】
この開口部から突出した屈曲部42aは、検出板検知センサ(図示せず。)に接触し、これにより、インクパックアダプター20の外部に設けられた表示装置(図示せず。)においてインクパック200にインクがなくなった旨の表示を行う。
【0117】
作業者は、表示装置(図示せず。)にインクパック200にインクがなくなった旨の表示がなされると、インクジェットプリンタ10における印刷を停止した状態で、インクパック200の交換作業を行うことになる。
【0118】
次に、インクパックアダプター20からインクパック200を抜き取る場合について説明する。
【0119】
インクパック200をインクパックアダプター20から抜き取る場合には、まず、インクジェットプリンタ10の印刷を停止した状態で、レバー44の先端部44aを上方側に上げた状態から下方側に下げてレバー44の切り替えを行う(
図9(a)を参照する。)。
【0120】
これにより、シャフト36が最も後方側に移動し、シャフト36の移動に伴い固定部材40が後方側に移動する。
【0121】
このとき、シャフト36の先端部36aは、筐体22の前方面22aに設けられた孔22aaから引き抜かれる(
図9(b)を参照する)。これにより、検知センサ52はシャフト36の先端部36との接触状態が解除されたこと(つまり、先端部36aが検知センサ52に接触していないことである。)を検知し、マイクロコンピューター(図示せず。)において、インクパックアダプター20からインクパック200を抜き取る作業が行われるものと判断される。
【0122】
また、固定部材40によるインク排出口202と筒状部材26との固定状態が解除される(
図7(a)を参照する。)。
【0123】
さらに、筐体22の後方面22bに設けられた開口部22baからICチップ収容部40−3に挿入されたICチップ50の一部が突出する。
【0124】
その後、作業者は、インクパックアダプター20に挿入された状態のインクパック200およびICチップ収容部40−3に挿入された状態のICチップ50を抜き取ることとなる。
【0125】
こうして、印刷可能なインク量を収容していないインクパック200およびICチップ50を抜き取った後に、新しいインクパック200および当該インクパック200に対応したICチップ50を上記した手順によりインクパックアダプター20に挿入するようにする。
【0126】
なお、作業者が間違って、インクジェットプリンタ10による印刷中にレバー44の先端部44aを上方側に上げた状態から下方側に下げてレバー44の切り替えを行った場合には、このレバー44の切り替えにより、シャフト36が後方側に移動するとともに固定部材40が後方側に移動することとなる。
【0127】
このとき、シャフト36の先端部36aは、筐体22の前方面22aに設けられた孔22aaから引き抜かれることとなる。
【0128】
すると、マイクロコンピューター(図示せず。)は、インクジェットプリンタ10の印刷中にインクパックアダプター20からインクパック200が抜き取られるもとの判断し、インクジェットプリンタ10による印刷を停止するようになる。
【0129】
これにより、作業者のインクパックアダプター20における誤操作によって、インクパック200からインクヘッド(図示せず。)にインクが供給されない状態で印刷処理が行われることを防止することができるようになる。
【0130】
以上において説明したように、本発明によるインクパックアダプター20においては、インク残量検出部24において、インクパック200を挟持する板金32、34をシャフト36、38にそれぞれ配設するようにし、シャフト36にはさらに、表示装置(図示せず。)にインクがなくなった旨を知らせるための検出板検知センサと接触する検出板42を配設するようにした。
【0131】
これにより、本発明によるインクパックアダプター20においては、板金32と検出板42との間の距離が長くなっても、シャフト36にねじれが生じることがなくなり、検出板42の回転角度が一定となる。
【0132】
従って、本発明によるインクパックアダプター20によれば、従来の技術によるインクパックアダプターと比較して、インクパック200に収容されたインクが印刷不可能な量となったことを正確に検知することができるようになる。
【0133】
また、本発明によるインクパックアダプター20は、板金32、34の切欠部32a、34aにインク排出口202と筒状部材26と固定する固定部材40を設けるようにした。さらに、レバー44の切り替えにより、シャフト36を前後方向に移動し、シャフト36の移動に伴って固定部材40を前後方向に移動するようにした。
【0134】
そして、シャフト36が前方側に移動すると、固定部材40が前方側に移動してインク排出口202と筒状部材26とが完全に接続した状態で固定するようにし、シャフト36が後方側に移動すると、固定部材40が後方側に移動してインク排出口202と筒状部材26との固定状態を解除するようにした。
【0135】
さらに、本発明によるインクパックアダプター20は、固定部材40を後方側に移動したときに、固定部材40に設けられたICチップ収容部40−3にインク情報を記憶するICチップ50を挿入するようにした。このとき、このICチップ50は、その一部が筐体22の外部に突出するようにした。
【0136】
これにより、本発明によるインクパックアダプター20においては、インクヘッド(図示せず。)にインクパック200からインクが供給される際には、インク排出口202と筒状部材26とが固定され、インク排出口202と筒状部材26との間からのインク漏れなどの不具合が生じ難くなる。
【0137】
さらに、本発明によるインクパックアダプター20においては、インクパック200を交換する際に、インクパック200とともに交換する必要のあるICチップ50を容易に交換することができるようになる。
【0138】
また、本発明によるインクパックアダプター20は、固定部材40におけるインク排出口202と筒状部材26とを固定する固定部40−1において板状部材40−2を設けるようにした。
【0139】
そして、この板状部材40−2は、固定部材40を後方側に移動したとき(つまり、インクパック交換時である。)に、板状部材40−2に形成された屈曲部40−2aの先端部40−2aaがインク排出口202を筒状部材の真上までガイドするガイド部材46の下端部46aより上方側に位置するようにした。
【0140】
さらに、この屈曲部40−2は、インク排出口202が筒状部材26と接続する際には、インク排出口202により下方側に押し下げられ、ガイド部材46の下端部46aより下方側に位置するようになる。
【0141】
これにより、本発明によるインクパックアダプター20においては、インクパック200が未挿入の状態では、シャフト36および固定部材40を前方側に移動することができず、レバー44の切り替えを行うことができない。即ち、インクパック200を挿入した状態でのみ、レバー44を切り替えて、シャフト36および固定部材40を前方側に移動することができるようになる。
【0142】
また、本発明によるインクパックアダプター20を備えたインクジェットプリンタ10は、インクパックアダプター20の筐体22の前方面22aに設けられた孔22aaにおいて、当該孔22aaにシャフト36の先端部36aが差し込まれたときに先端部36と接触する検知センサ52を設けるようにしたものである。
【0143】
これにより、本発明によるインクパックアダプター20を備えたインクジェットプリンタ10においては、印刷中に、作業者の誤操作によりレバー44の切り替えがなされたとしても、シャフト36の先端部36が孔22aaから引き抜かれると、検知センサ52がこれを検知し、この検知結果に基づいてマイクロコンピューター(図示せず。)により直ちに印刷が停止されることとなる。
【0144】
また、本発明によるインクパックアダプター20は、従来のインクカートリッジが装着可能なインクカートリッジ着脱部18に装着することができる。
【0145】
このため、例えば、黒色のインクのみ大量に使用するような場合には、他の色彩のインクについては、従来のインクカートリッジからインクを供給するようにし、黒色インクについてのみ本発明によるインクパックアダプター20からインクを供給するようにすることができる。
なお、上記した実施の形態は、以下の(1)乃至(4)に示すように変形するようにしてもよい。
【0146】
(1)上記した実施の形態においては、インクパックアダプター20を、大容量、例えば、1リットルのインクを収容可能なインクパック200を挿入可能なものとしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、インクパック200に収容されるインク量としては、440ccより多量であり、1リットルより少量のインクパックを挿入するようにしてもよい。
【0147】
(2)上記した実施の形態においては、レバー44の先端部44aが上方側に上がると、シャフト36が前方側に移動するようにし、レバー44の先端部44aが下方側に下がると、シャフト36が後方側に移動するようにしたが、これに限られるものではないとは勿論であり、レバー44の先端部44aが上方側に上がると、シャフト36が後方側に移動するようにし、レバー44の先端部44aが下方側に下がると、シャフト36が前方側に移動するようにしてもよい。
【0148】
(3)上記した実施の形態においては、主走査方向に移動するインクヘッド(図示せず。)から副走査方向に移動する媒体に対してインクを吐出して印刷を行う、所謂、ペーパームーブタイプのインクジェットプリンタ10にインクパックアダプター20を搭載する場合について説明したが、インクパックアダプター20をフラットベッドタイプのインクジェットプリンタに搭載するようにしてもよいことは勿論である。
【0149】
(4)上記した実施の形態ならびに上記した(1)乃至(3)に示す変形例は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。